JP2747844B2 - 難燃性ポリオレフイン組成物 - Google Patents

難燃性ポリオレフイン組成物

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JP2747844B2 JP14391990A JP14391990A JP2747844B2 JP 2747844 B2 JP2747844 B2 JP 2747844B2 JP 14391990 A JP14391990 A JP 14391990A JP 14391990 A JP14391990 A JP 14391990A JP 2747844 B2 JP2747844 B2 JP 2747844B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、難燃性ポリオレフィン組成物に関する。さ
らに詳しくは、実用時のポリオレフィンの酸化劣化防止
性に優れた難燃性ポリオレフィン組成物に関する。
[従来の技術] 一般にポリオレフィンを難燃化する手段として各種の
ハロゲン系難燃剤を該ポリオレフィンに配合することが
行われ、広く実用に供されている。しかしながら、ハロ
ゲン系難燃剤を配合してなる難燃性ポリオレフィン組成
物は、難燃時有害なハロゲン系ガスを発生することか
ら、近年用いる難燃剤としてノンハロゲン系難燃剤が要
求されている。各種ノンハロゲン系難燃剤の中でも有害
な燃焼ガスを発生しない無機系難燃剤とりわけ水酸化マ
グネシウムは、脱水分解温度が高く、また燃焼時の抑煙
効果に優れていることから広く実用に供されている。ま
た、ポリオレフィンとりわけプロピレン系重合体は、該
重合体中に酸化を受けやすい第3級炭素を有しているた
め、成形加工時および実用時に熱酸化劣化を受けやすい
欠点がある。このため、従来から熱酸化劣化を防止する
目的で、各種の酸化防止剤が広く用いられている。
ポリオレフィンに水酸化マグネシウムおよび各種酸化
防止剤を配合してなる難燃性ポリオレフィン組成物を用
いて成形した成形品は、銅、黄銅、鉄およびニッケルな
どの重金属と接触する用途に使用されることがある。し
かしながら、ポリオレフィンは上述の各種重金属に含ま
れる重金属イオンによって触媒的に酸化劣化を受けるこ
とから、上述の難燃性ポリオレフィン組成物を用いた成
形品は重金属接触時の耐酸化劣化性(以下、耐重金属性
という。)が著しく低下するといった欠点がある。
このため、従来から水酸化マグネシウムを配合してな
る難燃性ポリオレフィン組成物を用いた成形品の耐重金
属性を向上する目的で、ポリオレフィンに水酸化マグネ
シウム、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤お
よび銅害防止剤を配合した組成物(特開昭52−11238号
公報および特開昭63−56544号公報)、ポリオレフィン
に水酸化マグネシウムおよびエポキシ化合物を配合した
組成物(特開昭59−219352号公報、特開昭63−137963号
公報、特開昭63−159473号公報および特開昭63−189462
号公報)がそれぞれ提案されている。
しかしながら、近年電気、電子用部品または自動車部
品などの用途において難燃性の要部がますます厳しくな
ってきており、難燃性ポリオレフィン組成物から得られ
る成形品の用途の多様化、大型化に伴って、該成形品の
実用時の使用条件(耐重金属性および電気絶縁性など)
に対する要求も厳しくなってきている。すなわち、従来
以上に耐重金属性に優れた難燃性ポリオレフィン組成物
の開発が必要である。これらの問題点を解決するため水
酸化マグネシウムを配合してなる前記特開昭52−11238
号公報、特開昭63−56544号公報、特開昭59−219352号
公報、特開昭63−137963号公報、特開昭63−159473号公
報および特開昭63−189462号公報に提案されている難燃
性ポリオレフィン組成物は耐重金属性についていまだ充
分満足できるものではない。
このため本発明者は、ポリオレフィンに水酸化マグネ
シウム、特定のフェノール系化合物、特定のチオエーテ
ル系化合物、重金属不活性化剤およびエポキシ化合物を
それぞれ特定量配合してなる難燃性ポリオレフィン組成
物を先に提案した(特願平1−35792号および特願平1
−62845号)。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者は、特願平1−35792号および特願平1−628
45号に提案した難燃性ポリオレフィン組成物に満足する
ことなくさらに鋭意研究した。
その結果、ポリオレフィンおよび水酸化マグネシウム
からなる難燃性組成物に下記一般式[I]で示されるフ
ェノール系化合物および下記一般式[II]で示されるフ
ェノール系化合物から選ばれた1種または2種以上の化
合物、下記一般式[III]で示されるチオエーテル系化
合物、重金属不活性化剤およびエポキシ化合物をそれぞ
れ特定量配合することにより耐重金属性の改善された難
燃性ポリオレフィン組成物が得られることを見い出し、
この知見に基づき本発明を完成した。
(ただし、式中R1およびR2は炭素数1〜8のアルキル基
を、R3は水素もしくは炭素数1〜8のアルキル基を、R4
は炭素数1〜4のアルキリデン基を、R5は炭素数1〜9
のアルキル基を、R6は水素または炭素数1〜9のアルキ
ル基、シクロアルキル基もしくはアルキルシクロヘキシ
ル基を、R7は炭素数8〜28のアルキル基を、R8は炭素数
2もしくは3のアルキレン基を、nは1〜6の整数をそ
れぞれ示す。) 以上の記述から明らかなように、本発明の目的は成形
品としたときの該成形品の耐重金属性に優れた難燃性ポ
リオレフィン組成物を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明は下記の構成を有する。
(1)ポリオレフィンに水酸化マグネシウム30〜70重量
%を配合した組成物100重量部に対して、下記一般式
[I]で示されるフェノール系化合物(以下、化合物A
という。)および下記一般式[II]で示されるフェノー
ル系化合物(以下、化合物Bという。)から選ばれた1
種または2種以上の化合物、下記一般式[III]で示さ
れるチオエーテル系化合物(以下、化合物Cとい
う。)、重金属不活性化剤およびエポキシ化合物をそれ
ぞれ0.01〜1重量部配合してなる難燃性ポリオレフィン
組成物。
(ただし、式中R1およびR2は炭素数1〜8のアルキル基
を、R3は水素もしくは炭素数1〜8のアルキル基を、R4
は炭素数1〜4のアルキリデン基を、R5は炭素数1〜9
のアルキル基を、R6は水素または炭素数1〜9のアルキ
ル基、シクロアルキル基もしくはアルキルシクロヘキシ
ル基を、R7は炭素数8〜28のアルキル基を、R8は炭素数
2もしくは3のアルキレン基を、nは1〜6の整数をそ
れぞれ示す。) (2)ポリオレフィンに水酸化マグネシウム30〜70重量
%を配合した組成物100重量部に対して、化合物Aおよ
び化合物Bから選ばれた1種または2種以上の化合物、
化合物C、重金属不活性化剤およびエポキシ化合物をそ
れぞれ0.01〜1重量部、脂肪酸を0.5〜5重量部配合し
てなる難燃性ポリオレフィン組成物。
本発明で用いるポリオレフィンは、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテ
ン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−オレフ
ィンの結晶性単独重合体、これら2種以上のα−オレフ
ィンの結晶性、低結晶性もしくは非晶性ランダム共重合
体または結晶性ブロック共重合体、非晶性エチレン−プ
ロピレン−非共役ジエン3元共重合体、上述のα−オレ
フィンと酢酸ビニルもしくはアクリル酸エステルとの共
重合体、該共重合体のケン化物、これらα−オレフィン
と不飽和シラン化合物との共重合体、これらα−オレフ
ィンと不飽和カルボン酸もしくはその無水物との共重合
体、該共重合体と金属イオン化合物との反応生成物、上
述のα−オレフィンの結晶性単独重合体、結晶性、低結
晶性、非晶性ランダム共重合体もしくは結晶性ブロック
共重合体または非晶性エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン3元共重合体を不飽和カルボン酸もしくはその誘導
体で変性した変性ポリオレフィン、上述のα−オレフィ
ンの結晶性単独重合体、結晶性、低結晶性、非晶性ラン
ダム共重合体もしくは結晶性ブロック共重合体または非
晶性エチレン−プロピレン−非共役ジエン3元共重合体
を不飽和シラン化合物で変性したシラン変性ポリオレフ
ィンなどを例示することができ、これらポリオレフィン
の単独使用はもち論のこと、2種以上のポリオレフィン
を混合して用いることもできる。また上述のポリオレフ
ィンに各種合成ゴム(たとえばポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、ポリクロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエ
ン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ス
チレン−プロピレン−ブチレン−スチレンブロック共重
合体など)または熱可塑性合成樹脂(たとえばポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、フッ素
樹脂、石油樹脂(たとえばC5系石油樹脂、水添C5系石油
樹脂、C9系石油樹脂、水添C9系石油樹脂、C5−C9共重合
石油樹脂、水添C5−C9共重合石油樹脂、酸変性C9系石油
樹脂など)、DCPD樹脂(たとえばシクロペンタジエン系
石油樹脂、水添シクロペンタジエン系石油樹脂、シクロ
ペンタジエン−C5共重合石油樹脂、水添シクロペンタジ
エン−C5共重合石油樹脂、シクロペンタジエン−C9共重
合石油樹脂、水添シクロペンタジエン−C9共重合石油樹
脂、シクロペンタジエン−C5−C9共重合石油樹脂、水添
シクロペンタジエン−C5−C9共重合石油樹脂などの軟化
点80〜200℃のDCPD樹脂)など)を混合して用いること
もできる。結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン成
分を70重量%以上含有する結晶性プロピレン共重合体で
あって、結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合
体、結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体、結
晶性プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、結晶性
エチレン−プロピレン−ブテン−1 3元共重合体、結
晶性プロピレン−ヘキセン−ブテン−1 3元共重合体
およびこれらの2種以上の混合物が特に好ましく用いら
れる。
本発明で用いられる水酸化マグネシウムとしては板状
および繊維状のものがなんら制限なく使用できる。板状
水酸化マグネシウムの平均粒径は特に制限されるもので
はないが、通常0.1μ〜10μ、好ましくは0.2μ〜2μで
あり、0.5μ〜1μが最も好ましく、また繊維状水酸化
マグネシウムの繊維直径は0.1μ〜0.5μ、長さが5μ〜
20μのものが好ましい。また、これら水酸化マグネシウ
ムは表面処理剤たとえば金属石鹸、高級脂肪酸エステ
ル、高級アルコール、高級脂肪酸モノアミド、高級脂肪
酸ビスアミド、高級脂肪族リン酸金属塩、シラン系カッ
プリング剤、チタネート系カップリング剤、ボロン系カ
ップリング剤、アルミネート系カップリング剤およびジ
ルコアルミネート系カップリング剤などの公知の表面処
理剤で予め表面処理をして用いると、該水酸化マグネシ
ウムとポリオレフィンとの相溶性および分散性が向上
し、優れた成形加工性が得られ、また成形品としたとき
の該成形品の機械的強度が向上するので、表面処理剤で
表面処理した水酸化マグネシウムを用いることが好まし
い。これら水酸化マグネシウムの単独使用はもち論のこ
と、2種以上の水酸化マグネシウムを併用することもで
きる。該水酸化マグネシウムの配合割合は、ポリオレフ
ィンおよび水酸化マグネシウムからなる組成物に対して
30〜70重量%、好ましくは50〜65重量%である。30重量
%未満の配合では得られる成形品の難燃性が不充分であ
り、また70重量%を超えると成形加工性が困難となり得
られる成形品の機械的強度も低下するので実際的でな
い。
本発明で用いられる化合物Aとしては1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3−t−アミル−4−ヒドロキシベンジル)ベン
ゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3−t−オ
クチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルベンジル)ベンゼン、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−アミルベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシ
−5−t−オクチルベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3−エチル−4−ヒドロキシ
−5−t−ブチルベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3−i−プロピル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルベンジル)ベンゼン、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3−i−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルベンジル)ベンゼン、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3−s−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−t−ブチルベンジル)ベンゼン、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−t−アミルベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−オクチルベンジル)ベンゼン、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−アミル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−オクチル−4−ヒドロキ
シベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベ
ンジル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−オクチルベンジル)ベン
ゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(2−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)ベンゼ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3−メチル−
4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルエチル)ベン
ゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)ベンゼ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3−メチル−
4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルプロピル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピル)ベン
ゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブチル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルブチル)ベンゼ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3−メチル−
4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルヘキシル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルヘキシル)ベン
ゼン、1,3,5−トリエチル−2,4,6−トリス(3−メチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリエ
チル−2,4,6−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4,6−ト
リス(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4,6−トリス
(3−エチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、1,3,5−トリエチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−アミル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5
−トリエチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−オクチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリエ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニルエチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−アミル−4−ヒドロキ
シフェニルエチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−オクチル−4−ヒドロキシ
フェニルエチル)ベンゼン、1,3,5−トリプロピル−2,
4,6−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ルプロピル)ベンゼン、1,3,5−トリプロピル−2,4,6−
トリス(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリプロピル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、1,3,5−トリプロピル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルブチ
ル)ベンゼン、1,3,5−トリプロピル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−オクチル−4−ヒドロキシフェニルヘ
キシル)ベンゼン、1,3,5−トリヘキシル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルペ
ンチル)ベンゼン、1,3,5−トリオクチル−2,4,6−トリ
ス(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、1,3,5−トリオクチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリオクチル−2,4,6−トリス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルブチル)ベン
ゼン、1,3,5−トリオクチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−アミル−4−ヒドロキシフェニルヘキシル)ベン
ゼン、1,3,5−トリオクチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−オクチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
1,3,5−トリオクチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
オクチル−4−ヒドロキシフェニルブチル)ベンゼンお
よび1,3,5−トリオクチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−オクチル−4−ヒドロキシフェニルヘキシル)ベン
ゼンなどを例示でき、特に1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼンが好ましい。これら化合物Aの単独使用は
もち論のこと、2種以上の化合物Aを併用することもで
きる。
本発明で用いられる化合物Bとしてはビス[2−
(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシ
ベンジル)−4−メチル−6−t−ブチルフェニル]イ
ソフタレート、ビス[2−(3′−t−ブチル−5′−
エチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−エチル−6
−t−ブチルフェニル]イソフタレート、ビス[2−
(3′−ノニル−5′−メチル2′−ヒドロキシベンジ
ル)−4−メチル−6−ノニルフェニル]イソフタレー
ト、ビス[2−(3′,5′−ジノニル−2′−ヒドロキ
シベンジル)−4,6−ジノニルフェニル]イソフタレー
ト、ビス[2−(3′−シクロヘキシル−5′−メチル
−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチル−6−シク
ロヘキシルフェニル]イソフタレート、ビス[2−
(3′−(1″−メチルシクロヘキシル)−5′−メチ
ル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチル−6−
(1′−メチルシクロヘキシル)フェニル]イソフタレ
ート、ビス[2−(5′−ノニル−2′−ヒドロキシ
(α,α−ジメチルベンジル))−4−ノニルフェニ
ル]イソフタレート、ビス[2−(3′,5′−ジメチル
−2′−ヒドロキシ(α−プロピルベンジル))−4,6
−ジメチルフェニル]イソフタレート、ビス[2−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシベンジ
ル)−4,6−ジ−t−ブチルフェニル]イソフタレー
ト、ビス[2−(3′−t−ブチル−5′−s−ブチル
−2′−ヒドロキシ(α−メチルベンジル))−4−s
−ブチル−6−t−ブチルフェニル]イソフタレート、
ビス[2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロ
キシ(α−メチルベンジル))−4,6−ジ−t−ブチル
フェニル]イソフタレート、ビス[2−(3′−t−オ
クチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−
4−メチル−6−t−オクチルフェニル]イソフタレー
ト、ビス[2−(3′−(1″−メチルシクロヘキシ
ル)−5′−メチル−2′−ヒドロキシ(α−プロピル
ベンジル))−4−メチル−6−(1′−メチルシクロ
ヘキシル)フェニル]イソフタレート、ビス[2−
(3′,5′−ジメチル−2′−ヒドロキシベンジル)−
4,6−ジメチルフェニル]イソフタレート、ビス[2−
(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシ
ベンジル)−4−メチル−6−t−ブチルフェニル]テ
レフタレート、ビス[2−(3′−t−ブチル−5′−
エチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−エチル−6
−t−ブチルフェニル]テレフタレート、ビス[2−
(3′−ノニル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベン
ジル)−4−メチル−6−ノニルフェニル]テレフタレ
ート、ビス[2−(3′,5′−ジノニル−2′−ヒドロ
キシベンジル)−4,6−ジノニルフェニル]テレフタレ
ート、ビス[2−(3′−シクロヘキシル−5′−メチ
ル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチル−6−シ
クロヘキシルフェニル]テレフタレート、ビス[2−
(3′−(1″−メチルシクロヘキシル)−5′−メチ
ル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチル−6−
(1′−メチルシクロヘキシル)フェニル]テレフタレ
ート、ビス[2−(5′−ノニル−2′−ヒドロキシ
(α,α−ジメチルベンジル))−4−ノニルフェニ
ル]テレフタレート、ビス[2−(3′,5′−ジメチル
−2′−ヒドロキシ(α−プロピルベンジル))−4,6
−ジメチルフェニル]テレフタレート、ビス[2−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシベンジ
ル)−4,6−ジ−t−ブチルフェニル]テレフタレー
ト、ビス[2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−
2′−ヒドロキシ(α−メチルベンジル))−4−メチ
ル−6−t−ブチルフェニル]テレフタレート、ビス
[2−(3′−t−ブチル−5′−エチル−2′−ヒド
ロキシ(α−メチルベンジル))−4−エチル−6−t
−ブチルフェニル]テレフタレート、ビス[2−(3′
−t−ブチル−5′−s−ブチル−2′−ヒドロキシ
(α−メチルベンジル))−4−s−ブチル−6−t−
ブチルフェニル]テレフタレート、ビス[2−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシ(α−メチル
ベンジル))−4,6−ジ−t−ブチルフェニル]テレフ
タレート、ビス[2−(3′−t−オクチル−5′−メ
チル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチル−6−
t−オクチルフェニル]テレフタレート、ビス[2−
(3′−(1″−メチルシクロヘキシル)−5′−メチ
ル−2′−ヒドロキシ(α−プロピルベンジル))−4
−メチル−6−(1′−メチルシクロヘキシル)フェニ
ル]テレフタレートおよびビス[2−(3′,5′−ジメ
チル−2′−ヒドロキシベンジル)−4,6−ジメチルフ
ェニル]テレフタレートなどを例示でき、特にビス[2
−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキ
シベンジル)−4−メチル−6−t−ブチルフェニル]
テレフタレート、ビス[2−(3′−t−ブチル−5′
−エチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−エチル−
6−t−ブチルフェニル]テレフタレート、ビス[2−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシベンジ
ル)−4,6−ジ−t−ブチルフェニル]テレフタレート
およびビス[2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−
ヒドロキシ(α−メチルベンジル))−4,6−ジ−t−
ブチルフェニル]テレフタレートが好ましい。これら化
合物Bの単独使用はもち論のこと、2種以上の化合物B
を併用することもできる。
これら化合物Aおよび化合物Bの単独使用はもち論の
こと、これらの2種を併用することもできる。化合物
A、化合物Bもしくはこれら2種の混合物の配合割合
は、ポリオレフィンに水酸化マグネシウム30〜70重量%
を配合した組成物100重量部に対して0.01〜1重量部、
好ましくは0.05〜0.5重量部である。0.01重量部未満の
配合では耐重金属性の改善効果が充分に発揮されず、ま
た1重量部を超えても構わないが、それ以上の耐重金属
性の改善効果が期待できず実際的でないばかりでなくま
た不経済である。
本発明で用いられる化合物Cとしては3,9−ビス(2
−(2−エチルヘキシル)チオエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−
n−オクチルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−ノニルチオエ
チル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデ
カン、3,9−ビス(2−デシルチオエチル)−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス
(2−ラウリルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−トリデシル
チオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]
ウンデカン、3,9−ビス(2−ミリスチルチオエチル)
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、
3,9−ビス(2−パルミチルチオエチル)−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2
−ステアリルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−ドコシルチオ
エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン、3,9−ビス(2−テトラコシルチオエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9
−ビス(2−ペンタコシルチオエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−
オクタコシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン、、3,9−ビス(1−メチル−2
−(2−エチルヘキシル)チオエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−
メチル−2−n−オクチルチオエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−
メチル−2−ノニルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル
−2−デシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−
ラウリルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−トリ
デシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−ミリ
スチルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−パル
ミチルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−ステ
アリルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−ドコ
シルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−テトラコ
シルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−ヘキサコ
シルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、3,9−ビス(1−メチル−2−オクタコ
シルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、3,9−ビス(2−(2−エチルヘキシ
ル)チオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−n−オクチルチオ
プロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン、3,9−ビス(2−ノニルチオプロピル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−
ビス(2−デシルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−ラウリ
ルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、3,9−ビス(2−トリデシルチオプロピ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ン、3,9−ビス(2−ミリスチルチオプロピル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビ
ス(2−パルミチルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−ステ
アリルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−ドコシルチオプロ
ピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデ
カン、3,9−ビス(2−テトラコシルチオプロピル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9
−ビス(2−ヘキサコシチオプロピル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−
オクタコシルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(3−(2−エチ
ルヘキシル)チオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(3−n−オクチ
ルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、3,9−ビス(3−ノニルチオプロピル)
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、
3,9−ビス(3−デシルチオプロピル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(3−
ラウリルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(3−トリデシルチオ
プロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン、3,9−ビス(3−ミリスチルチオプロピル)
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、
3,9−ビス(3−パルミチルチオプロピル)−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス
(3−ステアリルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(3−ドコシ
ルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、3,9−ビス(3−テトラコシルチオプロ
ピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデ
カン、3,9−ビス(3−ヘキサコシルチオプロピル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンおよ
び3,9−ビス(3−オクタコシルチオプロピル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどを例
示でき、特に3,9−ビス(2−ラウリルチオエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9
−ビス(2−ミリスチルチオエチル)−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ[5.5]ウンデカンおよび3,9−ビス(2
−ステアリルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。これら化合物Cの
単独使用はもち論のこと、2種以上の化合物Cを併用す
ることもできる。該化合物Cの配合割合は、ポリオレフ
ィン30〜70重量%および水酸化マグネシウム70〜30重量
%からなる組成物100重量部に対して0.01〜1重量部、
好ましくは0.05〜0.5重量部である。0.01重量部未満の
配合では耐重金属性の改善効果が充分に発揮されず、ま
た1重量部を超えても構わないが、それ以上の耐重金属
性の改善効果が期待できず実際的でないばかりでなくま
た不経済である。
本発明で用いられる重金属不活性化剤としてはベンゾ
トリアゾール、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジ
ン、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリア
ザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、エチレンジアミン−テトラアセチ
ックアシッド、エチレンジアミン−テトラアセチックア
シッドのアルカリ金属塩(Li,Na,K)塩、N,N′−ジサリ
シリデン−エチレンジアミン、N,N′−ジサリシリデン
−1,2−プロピレンジアミン、N,N″−ジサリシリデン−
N′−メチル−ジプロピレントリアミン、3−サリシロ
イルアミノ−1,2,4−トリアゾール、デカメチレンジカ
ルボキシリックアシッド−ビス(N′−サリシロイルヒ
ドラジド)、ニッケル−ビス(1−フェニル−3−メチ
ル−4−デカノイル−5−ピラゾレート)、2−エトキ
シ−2′−エチルオキサニリド、5−t−ブチル−2−
エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N−ジエチル
−N′,N′−ジフェニルオキサミド、N,N′−ジエチル
−N,N′−ジフェニルオキサミド、オキサリックアシッ
ド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、チオジプロピオ
ニックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、イ
ソフタリックアシッド−ビス(2−フェノキシプロピオ
ニルヒドラジド)、ビス(サリシロイルヒドラジン)、
N−サリシリデン−N′−サリシロイルヒドラゾン、N,
N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス[2−
t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキ
シ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニ
ル]フォスファイト、ビス[2−t−ブチル−4−チオ
(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチル
フェニル)−5−メチルフェニル]−ペンタエリスリト
ール−ジフォスファイト、テトラキス[2−t−ブチル
−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−
t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,6−
ヘキサメチレン−ビス(N−ヒドロキシエチル−N−メ
チルセミカルバジド)−ジフォスファイト、テトラキス
[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒ
ドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフ
ェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリック
アシッド−ジ−ヒドロキシエチルカルボニルヒドラジド
−ジフォスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4
−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−
ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカ
メチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−サリシ
ロイルヒドラジド−ジフォスファイト、テトラキス[2
−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロ
キシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニ
ル]−ジ(ヒドロキシエチルカルボニル)ヒドラジド−
ジフォスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−
チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブ
チルフェニル)−5−メチルフェニル]−N,N′−ビス
(ヒドロキシエチル)オキサミド−ジフォスファイト、
およびN,N′−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル]オキサミドなどを例示でき、特にオキサリックアシ
ッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N′−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス[2−t−ブチ
ル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′
−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]フォス
ファイトおよびN,N′−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シ〕エチル]オキサミドが好ましい。これら重金属不活
性化剤の単独使用をもち論のこと、2種以上の重金属不
活性化剤を併用することもできる。該重金属不活性化剤
の配合割合は、ポリオレフィンに水酸化マグネシウム30
〜70重量%を配合した組成物100重量部に対して0.01〜
1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。0.01重
量部未満の配合では耐重金属性の改善効果が充分に発揮
されず、また1重量部を超えても構わないが、それ以上
の耐重金属性の改善効果が期待できず実際的でないばか
りでなくまた不経済である。
本発明で用いられるエポキシ化合物としては溶融混練
時に著しく揮発逃失もしくは分解してしまうものでなけ
れば特に限定されず、またエポキシ当量として100〜1,0
00程度のものが好適であり、エピクロルヒドリンもしく
はエピクロルヒドリンの誘導体(たとえば2−メチルエ
ピクロルヒドリン、2−エチルエピクロルヒドリンおよ
び2−プロピルエピクロルヒドリンなど)とビスフェノ
ールもしくはビスフェノールの誘導体(たとえばビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、水
素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールFお
よび水素添加ビスフェノールSなど)との縮合物、エポ
キシ化油脂(たとえばエポキシ化大豆油、エポキシ化ア
マニ油およびエポキシ化ヒマシ油など)、エポキシ化油
脂酸、エポキシ化油脂酸のアルキルエステル(たとえば
エポキシ化ステアリン酸オクチル、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメタノールの脂肪酸エステル、3,4−エポキ
シシクロヘキシルカルボン酸のアルキルエステル、4,5
−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のジア
ルキルエステル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘ
キシルメチルおよび3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキサンカルボキシレートなど)、テトラヒドロキシフ
ェニルメタンテトラグリシジルエーテル、レゾルシノー
ルジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテ
ル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
ールジグリシジルエーテル、p−オキシ安息香酸グリシ
ジルエーテル−エステル、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキ
サヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、アクリル酸グ
リシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、
グリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、エポキ
シ化ポリブタジエン、3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボ
キシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジ
エポキサイド、ジシクロペンタジエンオキサイド、ビス
(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルおよびリモ
ネンジオキサイドなどを例示でき、特にエピクロルヒド
リンとビスフェノールAとの縮合物、2−メチルエピク
ロルヒドリンとビスフェノールAとの縮合物、トリグリ
シジルイソシアヌレートおよびエポキシ化大豆油が好ま
しい。これらエポキシ化合物の単独使用はもち論のこ
と、2種以上のエポキシ化合物を併用することもでき
る。該エポキシ化合物の配合割合は、ポリオレフィンに
水酸化マグネシウム30〜70重量%を配合した組成物100
重量部に対して0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5
重量部である。0.01重量部未満の配合では耐重金属性の
改善効果が充分に発揮されず、また1重量部を超えても
構わないが、それ以上の耐重金属性の改善効果が期待で
きず実際的でないばかりでなくまた不経済である。
本発明の組成物にあっては、脂肪酸を併用することに
よって耐重金属性を改善することができる。脂肪酸とし
ては酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、i−酪酸、n−吉
草酸、i−吉草酸、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸、
2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、ミリストレイン酸、パルミチル酸、パルミトレ
イン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリ
ン酸、セレチン酸、モンタン酸、メリシン酸、12−ヒド
ロキシオクタデカン酸、リシノール酸およびセレブロン
酸などを例示でき、特に2−エチルヘキサン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、モンタン酸および12−
ヒドロキシオクタデカン酸が好ましい。これら脂肪酸の
単独使用はもち論のこと、2種以上の脂肪酸を併用する
こともできる。該脂肪酸の配合割合は、ポリオレフィン
に水酸化マグネシウム30〜70重量%を配合した組成物10
0重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜3重量
部である。また、脂肪酸の配合方法は、脂肪酸を表面未
処理水酸化マグネシウムもしくは脂肪酸以外の表面処理
剤で表面処理した水酸化マグネシウムおよび他の配合物
と共に配合する方法、または予め水酸化マグネシウムを
脂肪酸で表面処理した水酸化マグネシウムとして配合す
る方法などのいずれでもよい。
本発明の組成物にあっては、通常ポリオレフィンに添
加される各種の添加剤たとえばフェノール系(ただし、
化合物Aおよび化合物Bを除く)、チオエーテル系(た
だし、化合物Cを除く)、リン系、ヒドロキシルアミン
系などの酸化防止剤、光安定剤、透明化剤、造核剤、滑
剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、無滴
剤、難燃剤(ただし、水酸化マグネシウムを除く)、難
燃助剤、抗菌剤、顔料、過酸化物の如きラジカル発生
剤、金属石鹸類などの分散剤もしくは中和剤、無機充填
剤(たとえばタルク、マイカ、クレー、ウォラストナイ
ト、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、パーライ
ト、ケイソウ土、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ
酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス繊維、チタ
ン酸カリウム、炭素繊維、カーボンブラック、グラファ
イト、金属繊維など)もしくはカップリング剤(たとえ
ばシラン系、チタネート系、ボロン系、アルミネート
系、ジルコアルミネート系など)の如き表面処理剤で表
面処理された前記無機充填剤または有機充填剤(たとえ
ば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維など)を本
発明の目的を損なわない範囲で併用することができる。
本発明の組成物は、ポリオレフィンに水酸化マグネシ
ウム、化合物Aおよび化合物Bから選ばれた1種または
2種以上の化合物、化合物C、重金属不活性化剤および
エポキシ化合物ならびに通常ポリオレフィンに添加され
る前述の各種添加剤のそれぞれ所定量を、通常の混合装
置たとえばヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミ
キサー、リボンブレンダー、バンバリミキサーなどを用
いて混合し、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベン
ダーまたはロールなどで、溶融混練温度150℃〜300℃、
好ましくは200℃〜250℃で溶融混練ペレタイズすること
により得ることができる。得られた組成物は射出成形
法、押出成形法、ブロー成形法などの各種成形法により
目的とする成形品の製造に供される。
[作用] 本発明において、化合物Aおよび化合物Bはラジカル
連鎖禁止剤として、化合物Cは過酸化物分解剤として、
重金属不活性化剤は重金属イオンによるポリオレフィン
の触媒的酸化劣化作用の不活性化剤として、またエポキ
シ化合物は吸着防止剤としてそれぞれ作用することが一
般に知られている。しかしながら、水酸化マグネシウム
を配合してなる難燃性ポリオレフィン組成物に本発明に
かかわる化合物Aおよび化合物Bから選ばれた1種また
は2種以上の化合物、化合物C、重金属不活性化剤およ
びエポキシ化合物を併用することにより、従来公知の酸
化劣化防止効果を有する化合物の配合からは到底予測で
きない驚くべき相乗効果が発揮され、耐重金属性が著し
く優れた難燃性ポリオレフィン組成物が得られる。
また、化合物Aが水酸化マグネシウムを配合してなる
難燃性ポリオレフィン組成物においてラジカル連鎖禁止
剤として優れているのは、水酸化マグネシウム共存下で
該化合物Aがアルカリ加水分解を受けにくい化学構造で
あることに起因するものと推定される。また、化合物B
が水酸化マグネシウムを配合してなる難燃性ポリオレフ
ィン組成物においてラジカル連鎖禁止剤として優れてい
るのは、該化合物Bがフェノールと芳香族カルボン酸と
のエステルすなわち芳香族エステルであることから、化
合物B以外の脂肪族エステル基または脂肪族アミド基を
有するフェノール系酸化防止剤よりも化合物Bが水酸化
マグネシウム共存下でアルカリ加水分解を受けにくい化
学構造であることに起因するものと推定される。
さらに、化合物Cが水酸化マグネシウムを配合してな
る難燃性ポリオレフィン組成物において過酸化物分解剤
として優れているのは、該化合物Cがペンタエリスリト
ールとアルキルチオアルカナールとのアセタールである
ことから、化合物C以外の脂肪族エステル基または脂肪
族アミド基を有するチオエーテル系酸化防止剤よりも化
合物Cが水酸化マグネシウム共存下でアルカリ加水分解
を受けにくい化学構造であることに起因するものと推定
される。
[実施例] 以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
なお、実施例および比較例で用いた評価方法は次の方
法によった。
1)耐重金属性:耐銅性試験により評価した。すなわち
得られたペレットを用いて長さ50mm、巾25mm、厚み1mm
の試験片を射出成形法により作成し、該試験片を用いて
長さ25mm、巾25mm、厚み0.3mmの銅板と接触させクリッ
プで固定して、150℃もしくは140℃の温度に調節した循
環熱風オーブンに入れ、試験片の銅板接触部分が完全劣
化するまでの時間(劣化が貫通するまでの時間)を測定
(JIS K7212に準拠)することにより耐重金属性を評価
した。
2)難燃性:酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方
法に従い難燃性の試験を行った。すなわち得られたペレ
ットを用いて長さ150mm、巾6.5mm、厚み3.0mmの燃焼用
試験片を射出成形法により作成し、該燃焼用試験片を用
いて酸素指数を測定(JIS K7201に準拠)することによ
り評価した。
製造例1 水酸化マグネシウムとして平均粒径0.6〜0.8μの表面
未処理品100重量部と、脂肪酸としてラウリン酸2重量
部とを50℃の温度に調節したヘンシェルミキサー(商品
名)に入れ、5分間攪拌混合して表面処理した水酸化マ
グネシウム[I]を得た。
製造例2 水酸化マグネシウムとして平均粒径0.6〜0.8μの表面
未処理品100重量部と、脂肪酸としてステアリン酸2重
量部とを80℃の温度に調節したヘンシェルミキサー(商
品名)に入れ、5分間攪拌混合して表面処理した水酸化
マグネシウム[II]を得た。
製造例3 水酸化マグネシウムとして平均粒径0.6〜0.8μの表面
未処理品100重量部と、脂肪酸としてオレイン酸2重量
部とを常温に保ったヘンシェルミキサー(商品名;以
下、ヘンシェルミキサーの温度の記載のない場合は、温
度が常温であることを示す。)に入れ、5分間攪拌混合
して表面処理した水酸化マグネシウム[III]を得た。
製造例4 水酸化マグネシウムとして平均粒径0.6〜0.8μの表面
未処理品100重量部と、脂肪酸としてリノール酸2重量
部とをヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、5分間攪
拌混合して表面処理した水酸化マグネシウム[IV]を得
た。
実施例1〜8、比較例1〜14 ポリオレフィンとしてMFR(230℃における荷重2.16kg
を加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量)20g/10分の
安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体
43重量%および水酸化マグネシウムとして平均粒径0.6
〜0.8μの表面未処理品57重量%とからなる合計100重量
部に、化合物Aとして1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、化合物Bとしてビス[2−(5′−ノニル−
2′−ヒドロキシ(α,α−ジメチルベンジル))−4
−ノニルフェニル]イソフタレート、化合物Cとして3,
9−ビス(2−ラウリルチオエチル)−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、重金属不活性化剤
としてN,N′−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル]オキサミド、トリス[2−t−ブチル−4−チオ
(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチル
フェニル)−5−メチルフェニル]フォスファイト、N,
N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル]ヒドラジンもしくはオキサ
リックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、エ
ポキシ化合物としてエピクロルヒドリンとビスフェノー
ルAとの縮合物(エポキシ当量700〜830)もしくはエピ
クロルヒドリンとビスフェノールAとの縮合物と2−メ
チルエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの縮合物
の混合物(エポキシ当量180〜200)および他の添加剤の
それぞれ所定量を後述の第1表に記載した配合割合でヘ
ンシェルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合し
たのち、口径30mmの2軸押出機で250℃にて溶融混練処
理してペレット化した。また比較例1〜14としてMFRが2
0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性プロピレン
単独重合体43重量%および水酸化マグネシウムとして平
均粒径0.6〜0.8μの表面未処理品57重量%とからなる合
計100重量部に後述の第1表に記載の添加剤のそれぞれ
所定量を配合し、実施例1〜8に準拠して溶融混練処理
してペレットを得た。
耐銅性試験および燃焼性試験に用いる試験片は、得ら
れたペレットを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成
形により調製した。
得られた試験片を用いて前記の試験方法により耐重金
属性(150℃耐銅性)および難燃性の評価を行った。こ
れらの結果を第1表に示した。
実施例9〜16、比較例15〜28 ポリオレフィンとしてMFR30g/10分の安定化されてい
ない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合
体(エチレン含有量8.5重量%)29.59重量%および水酸
化マグネシウムとして表面処理した水酸化マグネシウム
[I]、水酸化マグネシウム[II]、水酸化マグネシウ
ム[III]もしくは水酸化マグネシウム[IV]70.41重量
%とからなる合計101.4重量部(表面処理に用いた脂肪
酸を除く結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体
および水酸化マグネシウムの表面未処理品の合計として
100重量部)に、化合物Aとして1,3,5−トリエチル−2,
4,6−トリス(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン、化合物Bとしてビス[2−
(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシ
ベンジル)−4−メチル−6−t−ブチルフェニル]テ
レフタレート、化合物Cとして3,9−ビス(1−メチル
−2−(2−エチルヘキシル)チオエチル)−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、重金属不活
性化剤としてN,N′−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シ〕エチル]オキサミド、トリス[2−t−ブチル−4
−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−
ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]フォスファイ
ト、N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンもしくは
オキサリックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジ
ド)、エポキシ化合物としてエピクロルヒドリンとビス
フェノールAとの縮合物(エポキシ当量700〜830)もし
くはエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの縮合物
と2−メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールAと
の縮合物の混合物(エポキシ当量180〜200)および他の
添加剤のそれぞれ所定量を後述の第2表に記載した配合
割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪
拌混合したのち、口径30mmの2軸押出機で250℃にて溶
融混練処理してペレット化した。また比較例15〜28とし
てMFRが30g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体(エチレン含有量
8.5重量%)30重量%および水酸化マグネシウムとして
平均粒径0.6〜0.8μの表面未処理品70重量%とからなる
合計100重量部またはMFRが30g/10分の安定化されていな
い粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体
(エチレン含有量8.5重量%)29.59重量%および水酸化
マグネシウムとして表面処理した水酸化マグネシウム
[II]70.41重量%とからなる合計101.4重量部(表面処
理に用いた脂肪酸を除く結晶性エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体および水酸化マグネシウムの表面未処理
品の合計として100重量部)に後述の第2表に記載の添
加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例9〜16に準拠し
て溶融混練処理してペレットを得た。
耐銅性試験および燃焼性試験に用いる試験片は、得ら
れたペレットを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成
形により調製した。
得られた試験片を用いて前記の試験方法により耐重金
属性(150℃耐銅性)および難燃性の評価を行った。こ
れらの結果を第2表に示した。
実施例17〜24、比較例29〜42 ポリオレフィンとしてMFR7.0g/10分の安定化されてい
ない粉末状結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1
3元共重合体(エチレン含有量2.5重量%、ブテン−1
含有量4.5重量%)50重量%および水酸化マグネシウム
として平均粒径0.6〜0.8μの表面未処理品50重量%とか
らなる合計100重量部に、化合物Aとして1,3,5−トリプ
ロピル−2,4,6−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニルプロピル)ベンゼン、化合物Bとしてビス
[2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシ
(α−メチルベンジル))−4,6−ジ−t−ブチルフェ
ニル]テレフタレート、化合物Cとして3,9−ビス(2
−ステアリルチオプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン、重金属不活性化剤としてN,
N′−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキ
サミド、トリス[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メ
チル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)
−5−メチルフェニル]フォスファイト、N,N′−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル]ヒドラジンもしくはオキサリックア
シッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、エポキシ化
合物としてトリグリシジルイソシアヌレート(エポキシ
当量100〜110)もしくはエポキシ化大豆油(エポキシ当
量220〜240)および他の添加剤のそれぞれ所定量を後述
の第3表に記載した配合割合でヘンシェルミキサー(商
品名)に入れ、3分間攪拌混合したのち、口径30mmの2
軸押出機で250℃にて溶融混練処理してペレット化し
た。また比較例29〜42としてMFRが7.0g/10分の安定化さ
れていない粉末状結晶性エチレン−プロピレン−ブテン
−1 3元共重合体(エチレン含有量2.5重量%、ブテ
ン−1含有量4.5重量%)50重量%および水酸化マグネ
シウムとして平均粒径0.6〜0.8μの表面未処理品50重量
%とからなる合計100重量部に後述の第3表に記載の添
加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例17〜24に準拠し
て、溶融混練処理してペレットを得た。
耐銅性試験および燃焼性試験に用いる試験片は、得ら
れたペレットを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成
形により調製した。
得られた試験片を用いて前記の試験方法により耐重金
属性(140℃耐銅性)および難燃性の評価を行った。こ
れらの結果を第3表に示した。
実施例25〜32、比較例43〜56 ポリオレフィンとしてMFR7.0g/10分の安定化されてい
ない粉末状結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合
体(エチレン含有量2.5重量%)55重量%、MI(190℃に
おける荷重2.16kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量)20g/10分の安定化されていない粉末状チーグラー
・ナッタ系高密度エチレン単独重合体10重量%、ムーニ
ー粘度ML1+4(100℃)25の安定化されていない粉末状
非晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピ
レン含有量25重量%)5重量%および水酸化マグネシウ
ムとして平均粒径0.6〜0.8μの表面未処理品30重量%と
からなる合計100重量部に、化合物Aとして1,3,5−トリ
オクチル−2,4,6−トリス(3−,5−ジ−t−オクチル
−4−ヒドロキシフェニルヘキシル)ベンゼン、化合物
Bとしてビス[2−(3′−(1″−メチルシクロヘキ
シル)−5′−メチル−2′−ヒドロキシ(α−プロピ
ルベンジル))−4−メチル−6−(1′−メチルシク
ロヘキシル)フェニル]テレフタレート、化合物Cとし
て3,9−ビス(3−オクタコシルチオプロピル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、重金属
不活性化剤としてN,N′−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシ〕エチル]オキサミド、トリス[2−t−ブチル−
4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t
−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]フォスファ
イト、N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンもしく
はオキサリックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジ
ド)、エポキシ化合物としてトリグリシジルイソシアヌ
レート(エポキシ当量100〜110)もしくはエポキシ化大
豆油(エポキシ当量220〜240)および他の添加剤のそれ
ぞれ所定量を後述の第3表に記載した配合割合でヘンシ
ェルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したの
ち、口径30mmの2軸押出機で250℃にて溶融混練処理し
てペレット化した。また比較例43〜56としてMFRが7.0g/
10分の安定化されていない粉末状結晶性エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体(エチレン含有量2.5重量%)5
5重量%、MIが20g/10分の安定化されていない粉末状チ
ーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体10重量
%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が25の安定化されて
いない粉末状非晶性エチレン−プロピレンランダム共重
合体(プロピレン含有量25重量%)5重量%および水酸
化マグネシウムとして平均粒径0.6〜0.8μの表面未処理
品30重量%とからなる合計100重量部に後述の第4表に
記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例25〜32
に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。
耐銅性試験および燃焼性試験に用いる試験片は、得ら
れたペレットを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成
形により調製した。
得られた試験片を用いて前記の試験方法により耐重金
属性(140℃耐銅性)および難燃性の評価を行った。こ
れらの結果を第4表に示した。
第1表〜第4表に示される本発明にかかわる化合物お
よび添加剤は下記の通りである。
水酸化マグネシウム[0]:平均粒径0.6〜0.8μの表面
未処理品 水酸化マグネシウム[I]:平均粒径0.6〜0.8μの表面
未処理品100重量部にラウリン酸2重量部で表面処理し
た表面処理品 水酸化マグネシウム[II]:平均粒径0.6〜0.8μの表面
未処理品100重量部にステアリン酸2重量部で表面処理
した表面処理品 水酸化マグネシウム[III]:平均粒径0.6〜0.8μの表
面未処理品100重量部にオレイン酸2重量部で表面処理
した表面処理品 水酸化マグネシウム[IV]:平均粒径0.6〜0.8μの表面
未処理品100重量部にリノール酸2重量部で表面処理し
た表面処理品 化合物A[I]:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン 化合物A[II]:1,3,5−トリエチル−2,4,6−トリス
(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン 化合物A[III]:1,3,5−トリプロピル−2,4,6−トリス
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピル)
ベンゼン 化合物A[IV]:1,3,5−トリオクチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−オクチル−4−ヒドロキシフェニルヘ
キシル)ベンゼン 化合物B[I]:ビス[2−(5′−ノニル−2′−ヒ
ドロキシ(α,α−ジメチルベンジル))−4−ノニル
フェニル]イソフタレート 化合物B[II]:ビス[2−(3′−t−ブチル−5′
−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチル−
6−t−ブチルフェニル]テレフタレート 化合物B[III]:ビス[2−(3′,5′−ジ−t−ブ
チル−2′−ヒドロキシ(α−メチルベンジル)−4,6
−ジ−t−ブチルフェニル]テレフタレート 化合物B[IV]:ビス[2−(3′−(1″−メチルシ
クロヘキシル)−5′−メチル−2′−ヒドロキシ(α
−プロピルベンジル)−4−メチル−6−(1′−メチ
ルシクロヘキシル)フェニル]テレフタレート 化合物C[I]:3,9−ビス(2−ラウリルチオエチル)
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン 化合物C[II]:3,9−ビス(1−メチル−2−(2−エ
チルヘキシル)チオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン 化合物C[III]:3,9−ビス(2−ステアリルチオプロ
ピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデ
カン 化合物C[IV]:3,9−ビス(3−オクタコシルチオプロ
ピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデ
カン 重金属不活性化剤[I]:N,N′−ビス[2−〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ〕エチル]オキサミド 重金属不活性化剤[II]:トリス[2−t−ブチル−4
−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−
ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]フォスファイ
ト 重金属不活性化剤[III]:N,N′−ビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル]ヒドラジン 重金属不活性化剤[IV]:オキサリックアシッド−ビス
(ベンジリデンヒドラジド) エポキシ化合物[I]:エピクロルヒドリンとビスフェ
ノールAとの縮合物(エポキシ当量700〜830;CIBA−GEI
GY AG製 ARA−LDITE GT 7004) エポキシ化合物[II]:エピクロルヒドリンとビスフェ
ノールAとの縮合物と、2−メチルエピクロルヒドリン
とビスフェノールAとの縮合物の混合物(エポキシ当量
180〜200;アデカ・アーガス化学(株)製 MARK EP−1
7) エポキシ化合物[III]:トリグリシジルイソシアヌレ
ート(エポキシ当量100〜110;CIBA−GEIGY AG製 ARAL
DITE PT 810) エポキシ化合物[IV]:エポキシ化大豆油(エポキシ当
量220〜240;アデカ・アーガス化学(株)製 ADK CIZE
R O−130P) 脂肪酸1:酢酸 脂肪酸2:2−エチルヘキサン酸 脂肪酸3:ラウリン酸 脂肪酸4:ステアリン酸 脂肪酸5:オレイン酸 脂肪酸6:リノール酸 脂肪酸7:ベヘン酸 脂肪酸8:エルカ酸 脂肪酸9:モンタン酸 脂肪酸10:12−ヒドロキシオクタデカン酸 リン系酸化防止剤1:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェニル)−ペンタエリスリトール−ジフォスフ
ァイト リン系酸化防止剤2:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト リン系酸化防止剤3:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ−フォスフォナ
イト フェノール系酸化防止剤1:2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール フェノール系酸化防止剤2:テトラキス[メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン フェノール系酸化防止剤3:2,2−ビス[4−〔2−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニ
ルオキシ)エトキシ〕フェニル]プロパン フェノール系酸化防止剤4:トリス(4−t−ブチル−3
−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレ
ート フェノール系酸化防止剤5:トリス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シエチル]イソシアヌレート フェノール系酸化防止剤6:1,1,3−トリス(5−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン フェノール系酸化防止剤7:ビス[3,3−ビス(4′−ヒ
ドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシ
ッド]エチレングリコールエステル フェノール系酸化防止剤8:2,2−チオ−ジエチレンビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート] チオエーテル系酸化防止剤1:ジミリスチルチオジプロピ
オネート チオエーテル系酸化防止剤2:ペンタエリスリトール−テ
トラキス(3−ラウリルチオプロピオネート) チオエーテル系酸化防止剤3:N,N′−ビス(3−ラウリ
ルチオプロピオニル)ヒドラジド カーボンブラック:カーボン#45 三菱化成(株)製Ca
−St:ステアリン酸カルシウム 第1表に記載の実施例および比較例は、ポリオレフィ
ンとして結晶性プロピレン単独重合体、水酸化マグネシ
ウムとして表面未処理品を用いた場合である。第1表か
らわかるように、実施例1〜8は結晶性プロピレン単独
重合体に水酸化マグネシウム(表面未処理品)、化合物
Aおよび化合物Bから選ばれた1種または2種以上の化
合物、化合物C、重金属不活性化剤およびエポキシ化合
物を配合したものであり、実施例1〜8と比較例1〜7
(実施例1〜4において化合物Aもしくは化合物Bの替
わりに化合物Aもしくは化合物B以外のフェノール系酸
化防止剤2〜8を配合したもの)とをくらべてみると、
実施例1〜8は耐重金属性に優れており、水酸化マグネ
シウム共存下で化合物Aもしくは化合物B以外のフェノ
ール系酸化防止剤2〜8はラジカル連鎖禁止作用すなわ
ち酸化防止効果が充分に発揮されないことがわかる。ま
た、実施例1〜8と比較例8〜10(実施例1〜4におい
て化合物Cの替わりに化合物C以外のチオエーテル系酸
化防止剤1〜3を配合したもの、すなわち本発明者が先
に提案した特願平1−35792号および特願平1−62845号
にかかわる難燃性ポリオレフィン組成物)とをくらべて
みると、比較例8〜10の耐重金属性は比較例1〜7より
も改善はされるもののいまだ充分ではなく、水酸化マグ
ネシウム共存下で化合物C以外のチオエーテル系酸化防
止剤1〜3は過酸化物分解作用すなわち酸化防止効果が
充分に発揮されないことがわかる。また、化合物Aもし
くは化合物B、化合物Cおよび重金属不活性化剤を配合
しエポキシ化合物を配合しない比較例11〜12、エポキシ
化合物を配合し化合物Aもしくは化合物B、化合物Cお
よび重金属不活性化剤を配合しない比較例13ならびに化
合物A、化合物Cおよびエポキシ化合物を配合し重金属
不活性化剤を配合しない比較例14と実施例1〜8とをく
らべてみると、比較例11〜14の耐重金属性はいまだ充分
ではない。従って、本発明にかかわる化合物Aおよび化
合物Bから選ばれた1種または2種以上の化合物、化合
物C、重金属不活性化剤およびエポキシ化合物の4成分
の配合を同時に満たさない比較各例は、本発明の効果を
奏さないことが明らかである。すなわち、本発明で得ら
れる耐重金属性は、水酸化マグネシウムを配合してなる
難燃性ポリオレフィン組成物に、化合物Aおよび化合物
Bから選ばれた1種または2種以上の化合物、化合物
C、重金属不活性化剤およびエポキシ化合物を併用した
ときにはじめてみられる特有の効果であるといえる。さ
らに、実施例1〜4において各種脂肪酸を併用した実施
例5〜8は実施例1〜4にくらべて、化合物Aおよび化
合物Bから選ばれた1種または2種以上の化合物、化合
物C、重金属不活性化剤およびエポキシ化合物の優れた
耐重金属性の改善効果が阻害されることなく、脂肪酸併
用による顕著な相乗効果が認められることがわかる。
また、化合物Aおよび化合物Bから選ばれた1種また
は2種以上の化合物、化合物C、重金属不活性化剤およ
びエポキシ化合物を配合してなる本発明にかかわる難燃
性組成物は、従来公知の難燃性組成物とくらべて難燃性
がなんら遜色ないものであることが確認された。
第2表は、ポリオレフィンとして結晶性エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体、水酸化マグネシウムとして
表面処理品を用いたものであり、これらについても上述
と同様の効果が確認された。また第3表〜第4表は、ポ
リオレフィンとしてそれぞれ結晶性エチレン−プロピレ
ン−ブテン−1 3元共重合体または結晶性エチレン−
プロピレンランダム共重合体、チーグラー・ナッタ系高
密度エチレン単独重合体および非晶性エチレン−プロピ
レンランダム共重合体の混合物、水酸化マグネシウムと
して表面未処理品を用いたものであり、これらについて
も上述と同様の効果が確認された。
[発明の効果] 本発明の組成物は、水酸化マグネシウムを配合してな
る従来公知の耐重金属性を改善した難燃性ポリオレフィ
ン組成物に比較して、(1)成形品としたときの該成形
品の耐重金属性が著しく優れている。(2)耐重金属性
が著しく優れていることからポリオレフィンの酸化劣化
に起因する電気絶縁性の低下もないので、各種成形分野
の難燃性および耐重金属性を要求される用途(たとえば
偏向ヨーク、CRTソケットおよびコネクターなどの電
気、電子用機能部品やディストリビューターキャップ、
カーヒーターケースおよびカーエアコンケースなどの自
動車用部品ならびに電線被覆材などの絶縁材料など)に
好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:36 5:15)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィンに水酸化マグネシウム30〜
    70重量%を配合した組成物100重量部に対して、下記一
    般式[I]で示されるフェノール系化合物(以下、化合
    物Aという。)および下記一般式[II]で示されるフェ
    ノール系化合物(以下、化合物Bという。)から選ばれ
    た1種または2種以上の化合物、下記一般式[III]で
    示されるチオエーテル系化合物(以下、化合物Cとい
    う。)、重金属不活性化剤およびエポキシ化合物をそれ
    ぞれ0.01〜1重量部配合してなる難燃性ポリオレフィン
    組成物。 (ただし、式中R1およびR2は炭素数1〜8のアルキル基
    を、R3は水素もしくは炭素数1〜8のアルキル基を、R4
    は炭素数1〜4のアルキリデン基を、R5は炭素数1〜9
    のアルキル基を、R6は水素または炭素数1〜9のアルキ
    ル基、シクロアルキル基もしくはアルキルシクロヘキシ
    ル基を、R7は炭素数8〜28のアルキル基を、R8は炭素数
    2もしくは3のアルキレン基を、nは1〜6の整数をそ
    れぞれ示す。)
  2. 【請求項2】ポリオレフィンに水酸化マグネシウム30〜
    70重量%を配合した組成物100重量部に対して、化合物
    Aおよび化合物Bから選ばれた1種または2種以上の化
    合物、化合物C、重金属不活性化剤およびエポキシ化合
    物をそれぞれ0.01〜1重量部、脂肪酸を0.5〜5重量部
    配合してなる難燃性ポリオレフィン組成物。
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