JPH0920842A - 安定化されたポリオレフィン組成物 - Google Patents

安定化されたポリオレフィン組成物

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JPH0920842A
JPH0920842A JP19246495A JP19246495A JPH0920842A JP H0920842 A JPH0920842 A JP H0920842A JP 19246495 A JP19246495 A JP 19246495A JP 19246495 A JP19246495 A JP 19246495A JP H0920842 A JPH0920842 A JP H0920842A
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JP
Japan
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bis
butylphenyl
compound
phosphite
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JP19246495A
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Inventor
Yoichi Nakajima
洋一 中島
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品としたときの該成形品の耐熱水性に優
れた水系接触使用に対して安定化されたポリオレフィン
組成物を提供する。 【構成】 ポリオレフィン100重量部に対して、下記一
般式(1)で示される分子量1,000〜4,000の重合型フェノ
ール化合物及び下記一般式(2)で示されるチオエーテル
系化合物をそれぞれ0.05〜5重量部配合してなる安定化
されたポリオレフィン組成物。 【化1】 【化2】 (式中、Rは炭素原子数4〜8の第三級アルキル基を示
し、R1は炭素原子数1〜5のアルキル基若しくはアル
コキシ基を示し、R2及びR3は各々独立して水素原子又
は炭素原子数1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基
を示し、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立し
て水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。
nは正の整数を示す。R10は炭素数8〜28のアルキル基
を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定化されたポリオレ
フィン組成物に関する。さらに詳しくは、実用時のポリ
オレフィンの酸化劣化防止性に優れた水系接触使用に対
して安定化されたポリオレフィン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリオレフィンは比較的安価でか
つ優れた機械的性質を有するので、射出成形品、中空成
形品、フィルム、シート、繊維など各種の成形品の製造
に用いられている。しかしながら、ポリオレフィンとり
わけプロピレン系重合体は、該重合体中に酸化を受けや
すい第3級炭素を有しているため、成形加工時及び実用
時に熱酸化劣化を受けやすい問題がある。このため、従
来から熱酸化劣化を防止する目的で、各種の酸化防止剤
が広く用いられている。しかしながら、各種酸化防止剤
を配合してなるポリオレフィン組成物を成形し、得られ
た成形品を熱水と長期間接触する用途に用いた場合、該
組成物に配合した酸化防止剤が熱水によって抽出される
ため、熱水接触時の耐熱酸化劣化性(以下、耐熱水性と
いう。)が著しく低下するといった問題が起こる。
【0003】このため、従来からポリオレフィン組成物
の耐熱水性を向上する目的で、該ポリオレフィン、分子
内にエステル結合を持たないフェノール系安定剤及び分
子内にエステル結合を持たないイオウ系安定剤からなる
ポリオレフィン樹脂組成物が提案されている(特開平2
−265939号公報)。また、特開昭62−45658号公報には
合成樹脂に次の一般式(I)で表わされる化合物を配合し
て成る安定化された合成樹脂組成物が提案され、該公報
には本発明の組成物にさらにチオエーテル系の抗酸化剤
を併用することによって、酸化安定性を著しく改善する
ことができるので必要に応じてこれらを併用することが
できると記載されている。そして、これらのチオエーテ
ル系抗酸化剤としては、例えばジアルキルチオジプロピ
オネート及びアルキルチオプロピオン酸の多価アルコー
ルのエステルがあげられている。
【化3】 (式中、Rは炭素原子数4〜8の第三級アルキル基を示
し、R1は炭素原子数1〜5のアルキル基又はアルコキ
シ基を示し、R2及びR3は各々独立して水素原子又は炭
素原子数1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基を示
し、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立して水
素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。nは
2以上で平均して75以下を示す。) このため、本発明者は耐熱水性を改善した組成物、すな
わちポリオレフィンに特定の重合型フェノール化合物及
び特定のチオエーテル系化合物を配合したポリオレフィ
ン組成物を特開平6−306213号公報として先に提案し
た。一方、特公昭48−8251号公報には耐熱水性の優れた
相乗作用剤としてシクロ脂肪族スルフィドからなるポリ
オレフィン用安定剤が提案され、該公報にはフェノール
系酸化防止剤と併用し得ることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平2−265939号公報に提案されたポリオレフィン樹脂
組成物は、耐熱水性について改善はされるものの、いま
だ充分満足できるものではなく、該公報には分子内にエ
ステル結合を持たないフェノール系安定剤として重合型
フェノール化合物及び分子内にエステル結合を持たない
イオウ系安定剤としてシクロ脂肪族スルフィドはなんら
記載も示唆もない。。また、前記特開昭62−45658号公
報に提案されたポリオレフィン組成物にチオエーテル系
抗酸化剤としてジアルキルチオジプロピオネート若しく
はアルキルチオプロピオン酸の多価アルコールのエステ
ルを併用した組成物は、耐熱水性についてチオエーテル
系抗酸化剤を併用したにもかかわらずほとんど改善され
ず、該公報にはチオエーテル系抗酸化剤としてシクロ脂
肪族スルフィドと併用し得ることはなんら記載も示唆も
ない。さらに、前記特公昭48−8251号公報にはシクロ脂
肪族スルフィドにフェノール系酸化防止剤として重合型
フェノール化合物を併用し得ることはなんら記載も示唆
もない。
【0005】本発明者は、前記特開平6−306213号公報
に提案したポリオレフィン組成物に満足することなく、
さらに耐熱水性の改善されたポリオレフィン組成物を得
るべく鋭意研究した。その結果、本発明者はポリオレフ
ィンに分子量1,000〜4,000の特定の重合型フェノール化
合物及び特定のチオエーテル系化合物をそれぞれ特定量
配合してなる組成物が上述のポリオレフィン組成物の欠
点を解決することができることを見い出し、この知見に
基づき本発明を完成した。以上の記述から明らかなよう
に、本発明の目的は成形品としたときの該成形品の耐熱
水性に優れた水系接触使用に対して安定化されたポリオ
レフィン組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1) ポリオレフィン100重量部に対して、下記一般式
(1)で示される分子量1,000〜4,000の重合型フェノール
化合物(以下、化合物Aという。)及び下記一般式(2)
で示されるチオエーテル系化合物(以下、化合物Bとい
う。)をそれぞれ0.05〜5重量部配合してなる安定化さ
れたポリオレフィン組成物。
【化4】
【化5】 (式中、Rは炭素原子数4〜8の第三級アルキル基を示
し、R1は炭素原子数1〜5のアルキル基若しくはアル
コキシ基を示し、R2及びR3は各々独立して水素原子又
は炭素原子数1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基
を示し、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立し
て水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。
nは正の整数を示す。R10は炭素数8〜28のアルキル基
を示す。) (2) ポリオレフィン100重量部に対して、リン系酸化防
止剤0.05〜1重量部をさらに配合してなる前記第1項記
載の安定化されたポリオレフィン組成物。
【0007】本発明で用いるポリオレフィンは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチル-ペ
ンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1などのα-オレフィ
ンの結晶性単独重合体、これら2種以上のα-オレフィ
ンの結晶性、低結晶性若しくは非晶性ランダム共重合体
又は結晶性ブロック共重合体、非晶性エチレン-プロピ
レン-非共役ジエン 3元共重合体、非晶性エチレン-環
状アルケン共重合体(たとえば、非晶性エチレン-テト
ラシクロドデセン共重合体)などのポリオレフィン、上
述のα-オレフィンと酢酸ビニル若しくはアクリル酸エ
ステルとの共重合体、該共重合体のケン化物、これらα
-オレフィンと不飽和シラン化合物との共重合体、これ
らα-オレフィンと不飽和カルボン酸若しくはその無水
物との共重合体、該共重合体と金属イオン化合物との反
応生成物、上述のポリオレフィンを不飽和カルボン酸若
しくはその誘導体で変性した変性ポリオレフィン、上述
のポリオレフィンを不飽和シラン化合物で変性したシラ
ン変性ポリオレフィンなどを例示することができ、これ
らポリオレフィンの単独使用はもちろんのこと、2種以
上のポリオレフィンを混合して用いることもできる。
【0008】また、上述のポリオレフィンに各種合成ゴ
ム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエン系ゴム、アクリ
ロニトリル-ブタジエン系ゴム、スチレン-ブタジエン-
スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチ
レンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-
スチレンブロック共重合体、スチレン-プロピレン-ブチ
レン-スチレンブロック共重合体、エチレン-エチレン-
ブチレン-エチレンブロック共重合体、エチレン-プロピ
レン-ブチレン-エチレンブロック共重合体など)又は熱
可塑性合成樹脂(たとえばポリスチレン、スチレン-ア
クリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエ
ン-スチレン共重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカー
ボネート、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素樹
脂、石油樹脂(たとえばC5系石油樹脂、水添C5系石油
樹脂、C9系石油樹脂、水添C9系石油樹脂、C5-C9
重合石油樹脂、水添C5-C9共重合石油樹脂、酸変性C9
系石油樹脂などの軟化点80〜200℃の石油樹脂)、DC
PD樹脂(たとえばシクロペンタジエン系石油樹脂、水
添シクロペンタジエン系石油樹脂、シクロペンタジエン
-C5共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-C5共重
合石油樹脂、シクロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、
水添シクロペンタジエン-C9共重合石油樹脂、シクロペ
ンタジエン-C5-C9共重合石油樹脂、水添シクロペンタ
ジエン-C5-C9共重合石油樹脂などの軟化点80〜200℃
のDCPD樹脂)などを混合して用いることもできる。
結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン成分を70重量
%以上含有する結晶性プロピレン共重合体であって、結
晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体、結晶性エ
チレン-プロピレンブロック共重合体、結晶性プロピレ
ン-ブテン-1ランダム共重合体、結晶性エチレン-プロピ
レン-ブテン-1 3元共重合体、結晶性プロピレン-ヘキ
セン-ブテン-1 3元共重合体及びこれらの2種以上の混
合物が特に好ましく用いられる。
【0009】本発明で用いられる化合物Aは前記特開昭
62−45658号公報に記載された製造方法によって得るこ
とができる。すなわち、化合物Aは、一般式(3)
【化6】 (ただし、式中、R1、R2及びR3は上記したものと同
じ。)で表されるフェノール化合物と一般式(4)
【化7】 (ただし、式中、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は上
記したものと同じ。)で表されるビス(ヒドロキシアル
キル)ベンゼン化合物を、ブレンステッド酸(硫酸、塩
酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸など)、ルイス酸
(三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体触媒など)、
陽イオン交換樹脂、シリカ-アルミナなどの固体酸など
のアルキル化反応触媒の存在下に反応させて、一般式
(5)
【化8】 (ただし、式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7、R8、R9及びnは上記したものと同じ。)で表さ
れる化合物を製造し、さらに炭素数4〜8のビニリデン
型オレフィン化合物又は第3級アルコールを前記アルキ
ル化触媒の存在下に反応させて得ることができる。
【0010】一般式(3)で表されるフェノール化合物
としては、具体的には、o-又はp-クレゾール、o-又はp-
メトキシフェノール、o-又はp-エチルフェノール、o-又
はp-プロピルフェノール、o-又はp-ブチルフェノール、
o-又はp-アミルフェノール、o-又はp-シクロペンチルフ
ェノール、2,3-ジメチルフェノール、3,4-ジメチルフェ
ノール、2,5-ジメチルフェノール、3-メトキシ-2-メチ
ルフェノール、3-メトキシ-4-メチルフェノール、2,3,5
-トリメチルフェノール、3,4,5-トリメチルフェノール
などが挙げられ、これらは単独で又は混合物として使用
される。このような、フェノール水酸基に対してo-位及
びp-位の3箇所のうち2箇所が水素原子であるフェノー
ル化合物を用いる理由は、ビス(ヒドロキシアルキル)
ベンゼン化合物がアルキル化反応して、ゲル化せずに線
状のフェノール重合体を生成せしめるのに2箇所のアル
キル化反応部位を必要とするためである。一般式(4)
で表されるビス(ヒドロキシアルキル)ベンゼン化合物
としてはm-ビス(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベン
ゼン、p-ビス(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼ
ン、m-ビス(1-ヒドロキシエチル)ベンゼン、p-ビス
(1-ヒドロキシエチル)ベンゼン、m-ビス(1-ヒドロキ
シ-1-エチルエチル)ベンゼン、p-ビス(1-ヒドロキシ-
1-エチルエチル)ベンゼンなどが挙げられ、特に好まし
くは、一般式(6)
【化9】 (ただし、2個のヒドロキシ-i-プロピル基は互いにm-
位若しくはp-位に結合している。)で表されるm-ビス
(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼン及びp-ビス
(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼンが挙げら
れ、これらは単独で又は混合物として用いることができ
る。炭素数4〜8のビニリデン型オレフィン化合物とし
ては、2-メチル-1-プロペン、2-メチル-1-ブテン、2,4,
4-トリメチル-1-ペンテンなどが挙げられる。また、炭
素数4〜8の第3級アルコールとしては、t-ブタノー
ル、t-ペンタノール、2,4,4-トリメチル-2-ペンタノー
ルなどが挙げられる。
【0011】化合物Aの分子量が1,000を大きく下回る
場合、化合物Aが熱水によって容易にポリオレフィン組
成物から抽出されるため、ポリオレフィン組成物の耐熱
水性の改善効果が充分に発揮されず、また、分子量が4,
000を大きく超えると前述の抽出の問題は解決されるも
ののポリオレフィン組成物中における化合物Aの移行性
が低下するため、化合物Aの酸化防止効果が充分に発揮
されない。これら化合物Aの単独使用はもちろんのこ
と、2種以上の化合物Aを併用することもできる。該化
合物Aの配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対し
て0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
0.05重量部を大きく下回る配合ではポリオレフィン組成
物の耐熱水性の改善効果が充分に発揮されず、また5重
量部を大きく超える配合では、それ以上の耐熱水性の改
善効果が期待できず実際的でないばかりでなくまた不経
済である。
【0012】本発明で用いられる化合物Bとしては1-
[β-(オクチルチオ)エチル]-3-(オクチルチオ)シ
クロヘキサン、1-[β-(オクチルチオ)エチル]-4-
(オクチルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(2-エチル
ヘキシルチオ)エチル]-3-(2-エチルヘキシルチオ)
シクロヘキサン、1-[β-(2-エチルヘキシルチオ)エ
チル]-4-(2-エチルヘキシルチオ)シクロヘキサン、1
-[β-(ノニルチオ)エチル]-3-(ノニルチオ)シク
ロヘキサン、1-[β-(ノニルチオ)エチル]-4-(ノニ
ルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ドデシルチオ)エ
チル]-3-(ドデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-
(ドデシルチオ)エチル]-4-(ドデシルチオ)シクロ
ヘキサン、1-[β-(テトラデシルチオ)エチル]-3-
(テトラデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(テト
ラデシルチオ)エチル]-4-(テトラデシルチオ)シク
ロヘキサン、1-[β-(ヘキサデシルチオ)エチル]-3-
(ヘキサデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ヘキ
サデシルチオ)エチル]-4-(ヘキサデシルチオ)シク
ロヘキサン、1-[β-(オクタデシルチオ)エチル]-3-
(オクタデシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(オク
タデシルチオ)エチル]-4-(オクタデシルチオ)シク
ロヘキサン、1-[β-(ドコシルチオ)エチル]-3-(ド
コシルチオ)シクロヘキサン、1-[β-(ドコシルチ
オ)エチル]-4-(ドコシルチオ)シクロヘキサン、1-
[β-(オクタコシルチオ)エチル]-3-(オクタコシル
チオ)シクロヘキサン及び1-[β-(オクタコシルチ
オ)エチル]-4-(オクタコシルチオ)シクロヘキサン
などを例示でき、特に1-[β-(オクタデシルチオ)エ
チル]-3-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン及び1-
[β-(オクタデシルチオ)エチル]-4-(オクタデシル
チオ)シクロヘキサンが好ましい。これら化合物Bの単
独使用はもちろんのこと、2種以上の化合物Bを併用す
ることもできる。該化合物Bの配合割合は、ポリオレフ
ィン100重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1
〜2重量部である。0.05重量部を大きく下回る配合では
ポリオレフィン組成物の耐熱水性の改善効果が充分に発
揮されず、また5重量部を大きく超える配合では、それ
以上の耐熱水性の改善効果が期待できず実際的でないば
かりでなくまた不経済である。
【0013】本発明の組成物にあっては、リン系酸化防
止剤を併用することによって、相乗的に耐熱水性及び着
色防止性の改善効果が発揮されるので併用することが好
ましい。リン系酸化防止剤としてはジステアリル-ペン
タエリスリトール-ジフォスファイト、ジフェニル-ペン
タエリスリトール-ジフォスファイト、ビス(ノニルフ
ェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファイト、カ
テシル-2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニルフォスファ
イト、カテシル-2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルフォスフ
ァイト、α-ナフチルカテシルフォスファイト、2,2'-メ
チレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)-2-ナフチ
ルフォスファイト、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6
-t-ブチルフェニル-ジ-トリデシルフォスファイト)、
1,1,3-トリス(2-メチル-4-ジ-トリデシルフォスファイ
ト-5-t-ブチルフェニル)ブタン、トリラウリルトリチ
オフォスファイト、トリセチルトリチオフォスファイ
ト、ジ(ラウリルチオ)ペンタエリスリトールジフォス
ファイト、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェ
ナンスレン-10-オキサイド、10-ヒドロキシ-9,10-ジヒ
ドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキ
サイド、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニル
フェニル)フォスファイト、トリス(2,4-ジ-ノニルフ
ェニル)フォスファイト、トリス(モノ,ジノニルフェ
ニル)フォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェ
ニル)フォスファイト、トリス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メ
チルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチ
ルフェニル)ペンタエリスリトール-ジフォスファイ
ト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタ
エリスリトール-ジフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブ
チル-4-s-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジフ
ォスファイト、
【0014】ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトール-ジフォスファイト、ビス(2,6-ジ-
t-ブチル-4-n-オクタデシルオキシカルボニルエチル-フ
ェニル)ペンタエリスリトール-ジフォスファイト、ビ
ス[2,6-ジ-t-ブチル-4-(2',4'-ジ-t-ブチルフェニル
オキシカルボニル)-フェニル]ペンタエリスリトール-
ジフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ヘキサ
デシルオキシカルボニル-フェニル)ペンタエリスリト
ール-ジフォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチル
フェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイト、
テトラキス(2,4-ジ-t-ブチル-5-メチルフェニル)-4,
4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイト、テトラキス
(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)-4,4'-ビフェニ
レン-ジ-フォスフォナイト、テトラキス(2,4,6-トリ-t
-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォ
ナイト、テトラキス(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-オクタデシ
ルオキシカルボニルエチル-フェニル)-4,4'-ビフェニ
レン-ジ-フォスフォナイト、テトラキス[2,6-ジ-t-ブ
チル-4-(2',4'-ジ-t-ブチルフェニルオキシカルボニ
ル)-フェニル]-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナ
イト、テトラキス(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ヘキサデシル
オキシカルボニル-フェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-
フォスフォナイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェ
ニル)-3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)
-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-ジフ
ォスファイト、テトラキス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェニル)-3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチ
ル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-
ジフォスファイト、テトラキス(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-
オクタデシルオキシカルボニルエチル-フェニル)-3,9-
ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-ジフォスファイ
ト、テトラキス[2,6-ジ-t-ブチル-4-(2',4'-ジ-t-ブ
チルフェニルオキシカルボニル)-フェニル]-3,9-ビス
(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テト
ラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-ジフォスファイト、
テトラキス(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ヘキサデシルオキシ
カルボニル-フェニル)-3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒ
ドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン-ジフォスファイト、
【0015】ビス[2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t
-ブチルフェニル)]-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフ
ォナイト、ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチ
ルフェニル)]-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイ
ト、ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-ブチ
ルフェニル)]-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイ
ト、ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル)]-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイト、
ビス[2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェ
ニル)]-3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチ
ル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-
ジフォスファイト、ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ
-t-ブチルフェニル)]-3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒ
ドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン-ジフォスファイト、ビス[2,2'-エチリ
デン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)]-3,9-ビ
ス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-ジフォスファイ
ト、ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル)]-3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチ
ル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-
ジフォスファイト、トリス[2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチ
ルフェニル)]-トリエタノールアミン-トリフォスファ
イト、トリス[2,2'-ビス(4,6-ジ-t-アミルフェニ
ル)]-トリエタノールアミン-トリフォスファイト、ト
リス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)]-トリエタノールアミン-トリフォスファイト、ト
リス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-アミルフェニ
ル)]-トリエタノールアミン-トリフォスファイト、ト
リス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)]-トリエタノールアミン-トリフォスファイト、ト
リス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-アミルフェニ
ル)]-トリエタノールアミン-トリフォスファイト、2,
2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルフォスフ
ァイト、2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ノニル
フォスファイト、2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)ラウリルフォスファイト、2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)トリデシルフォスファイト、2,2'-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ミリスチルフォスファイ
ト、2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ステアリル
フォスファイト、2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、2,
2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチ
ル-4-メチルフェニル)フォスファイト、2,2'-ビス(4,
6-ジ-t-ブチルフェニル)(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニ
ル)フォスファイト、
【0016】2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)
(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-オクタデシルオキシカルボニル
エチル-フェニル)フォスファイト、2,2'-ビス(4,6-ジ
-t-ブチルフェニル)[2,6-ジ-t-ブチル-4-(2',4'-ジ-
t-ブチルフェニルオキシカルボニル)-フェニル]フォ
スファイト、2,2'-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)
(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ヘキサデシルオキシカルボニル
-フェニル)フォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4-
メチル-6-t-ブチルフェニル)オクチルフォスファイ
ト、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニ
ル)ノニルフォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4-メ
チル-6-t-ブチルフェニル)ラウリルフォスファイト、
2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)
トリデシルフォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4-メ
チル-6-t-ブチルフェニル)ミリスチルフォスファイ
ト、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニ
ル)ステアリルフォスファイト、2,2'-メチレン-ビス
(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)(2,4-ジ-t-ブチルフ
ェニル)フォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4-メチ
ル-6-t-ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェニル)フォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4-メ
チル-6-t-ブチルフェニル)(2,4,6-トリ-t-ブチルフェ
ニル)フォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル
-6-t-ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-オクタ
デシルオキシカルボニルエチル-フェニル)フォスファ
イト、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェ
ニル)[2,6-ジ-t-ブチル-4-(2',4'-ジ-t-ブチルフェ
ニルオキシカルボニル)-フェニル]フォスファイト、
2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)
(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ヘキサデシルオキシカルボニル
-フェニル)フォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4,6
-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、2,2'
-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ノニルフ
ォスファイト、2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル
フェニル)ラウリルフォスファイト、2,2'-メチレン-ビ
ス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)トリデシルフォスファ
イト、2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)ミリスチルフォスファイト、2,2'-メチレン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ステアリルフォスファイ
ト、2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)
(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、2,2'-メ
チレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-
ブチル-4-メチルフェニル)フォスファイト、2,2'-メチ
レン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)(2,4,6-トリ-t
-ブチルフェニル)フォスファイト、
【0017】2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフ
ェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-オクタデシルオキシカ
ルボニルエチル-フェニル)フォスファイト、2,2'-メチ
レン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)[2,6-ジ-t-ブ
チル-4-(2',4'-ジ-t-ブチルフェニルオキシカルボニ
ル)-フェニル]フォスファイト、2,2'-メチレン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-
ヘキサデシルオキシカルボニル-フェニル)フォスファ
イト、2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフ
ェニル)オクチルフォスファイト、2,2'-エチリデン-ビ
ス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)ノニルフォスファ
イト、2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフ
ェニル)ラウリルフォスファイト、2,2'-エチリデン-ビ
ス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)トリデシルフォス
ファイト、2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-ブチ
ルフェニル)ミリスチルフォスファイト、2,2'-エチリ
デン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)ステアリル
フォスファイト、2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t
-ブチルフェニル)(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォス
ファイト、2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-ブチ
ルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)フ
ォスファイト、2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-
ブチルフェニル)(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)フ
ォスファイト、2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-
ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-オクタデシル
オキシカルボニルエチル-フェニル)フォスファイト、
2,2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニ
ル)[2,6-ジ-t-ブチル-4-(2',4'-ジ-t-ブチルフェニ
ルオキシカルボニル)-フェニル]フォスファイト、2,
2'-エチリデン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)
(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ヘキサデシルオキシカルボニル
-フェニル)フォスファイト、2,2'-エチリデン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルフォスファイ
ト、2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)ノニルフォスファイト、2,2'-エチリデン-ビス(4,
6-ジ-t-ブチルフェニル)ラウリルフォスファイト、2,
2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)トリ
デシルフォスファイト、2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ
-t-ブチルフェニル)ミリスチルフォスファイト、2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ステアリ
ルフォスファイト、
【0018】2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル
フェニル)(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイ
ト、2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)フォスファ
イト、2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)フォスファイ
ト、2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-オクタデシルオキシカルボ
ニルエチル-フェニル)フォスファイト、2,2'-エチリデ
ン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)[2,6-ジ-t-ブチ
ル-4-(2',4'-ジ-t-ブチルフェニルオキシカルボニル)
-フェニル]フォスファイト、2,2'-エチリデン-ビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-
ヘキサデシルオキシカルボニル-フェニル)フォスファ
イト、2,2'-チオ-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニ
ル)オクチルフォスファイト、2,2'-チオ-ビス(4-メチ
ル-6-t-ブチルフェニル)ノニルフォスファイト、2,2'-
チオ-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)ラウリルフ
ォスファイト、2,2'-チオ-ビス(4-メチル-6-t-ブチル
フェニル)トリデシルフォスファイト、2,2'-チオ-ビス
(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)ミリスチルフォスフ
ァイト、2,2'-チオ-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニ
ル)ステアリルフォスファイト、2,2'-チオ-ビス(4-メ
チル-6-t-ブチルフェニル)(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスファイト、2,2'-チオ-ビス(4-メチル-6-t-
ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニ
ル)フォスファイト、2,2'-チオ-ビス(4-メチル-6-t-
ブチルフェニル)(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)フ
ォスファイト、2,2'-チオ-ビス(4-メチル-6-t-ブチル
フェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-オクタデシルオキシ
カルボニルエチル-フェニル)フォスファイト、2,2'-チ
オ-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)[2,6-ジ-t-
ブチル-4-(2',4'-ジ-t-ブチルフェニルオキシカルボニ
ル)-フェニル]フォスファイト及び2,2'-チオ-ビス(4
-メチル-6-t-ブチルフェニル)(2,6-ジ-t-ブチル-4-n-
ヘキサデシルオキシカルボニル-フェニル)フォスファ
イトなどを例示でき、特にジステアリル-ペンタエリス
リトール-ジフォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブ
チルフェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイ
ト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ペンタエリスリ
トール-ジフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-
メチルフェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファ
イト、ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトール-ジフォスファイト及び2,2'-エチリデン-
ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フルオロフォスファ
イトが好ましい。これらリン系酸化剤の単独使用はもち
ろんのこと、2種以上のリン系酸化剤を併用することも
できる。該リン系酸化剤の配合割合は、ポリオレフィン
100重量部に対して0.05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.
5重量部である。
【0019】本発明の組成物にあっては、通常ポリオレ
フィンに添加される各種の添加剤たとえばフェノール系
(ただし、化合物Aを除く。)、チオエーテル系(ただ
し、化合物Bを除く。)などの酸化防止剤、光安定剤、
重金属不活性化剤(銅害防止剤)、透明化剤、造核剤、
滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、無
滴剤、過酸化物の如きラジカル発生剤、難燃剤、難燃助
剤、顔料、ハロゲン捕捉剤、金属石ケン類などの分散剤
若しくは中和剤、有機系や無機系の抗菌剤、無機充填剤
(たとえばタルク、マイカ、クレー、ウォラストナイ
ト、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、パーライ
ト、ケイソウ土、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化
マグネウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイ
ト、塩基性アルミニウム・リチウム・ヒドロキシ・カー
ボネート・ハイドレート、二酸化ケイ素、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫
化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス繊維、チタン酸カ
リウム、炭素繊維、カーボンブラック、グラファイト及
び金属繊維など)、カップリング剤(たとえばシラン
系、チタネート系、ボロン系、アルミネート系、ジルコ
アルミネート系など)の如き表面処理剤で表面処理され
た前記無機充填剤、又は有機充填剤(たとえば木粉、パ
ルプ、故紙、合成繊維、天然繊維など)を本発明の目的
を損なわない範囲で併用することができる。
【0020】本発明の組成物はポリオレフィンに前記の
化合物A及び化合物B並びに通常ポリオレフィンに添加
される前述の各種添加剤のそれぞれ所定量を通常の混合
装置たとえばヘンシェルミキサー(商品名)、スーパー
ミキサー、リボンブレンダー、バンバリミキサーなどを
用いて混合し、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベ
ンダー又はロールなどで、溶融混練温度150℃〜320℃、
好ましくは180℃〜290℃で溶融混練ペレタイズすること
により得ることができる。得られた組成物は射出成形
法、押出成形法、ブロー成形法などの各種成形法により
目的とする成形品の製造に供される。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例で用いた評価方法
は次の方法によった。耐熱水性:得られたペレットを用
いて長さ50mm、巾50mm、厚み2mmの試験片を射出成形法
により作成し、該試験片を用いてステンレス製水槽中に
浸漬し、熱水浸漬処理を行った。水槽には130℃のスチ
ームを導入し水温を98±2℃に保ち、水位を一定となる
ように熱水をオバーフローさせ、熱水抽出される各種配
合物の飽和水溶液とならないようにした。耐熱水性は、
後述の各表に記載した所定の時間熱水浸漬処理した試験
片を用いて、オーブンライフ試験により評価した。すな
わち、該試験片を用いて温度150℃に調節した循環熱風
オーブンに入れ、試験片が完全劣化するまでの時間(引
張強度が0になるまでの時間)を測定(JIS K 7212
に準拠)することにより耐熱水性を評価した。耐熱水性
が優れる材料とは、30,000時間熱水浸漬処理した試験片
のオーブンライフ値が大きいものをいう。
【0022】実施例1〜9、比較例1〜17 ポリオレフィンとしてメルトフローレート(230℃にお
ける荷重21.18Nを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量;以下MFRと略記する。)6.0g/10分の安定化さ
れていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体100重量
部に、化合物Aとして分子量1,552のp-クレゾール、m-
ビス(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼン及びt-
ブタノールの反応生成物、化合物Bとして1-[β-(オ
クチルチオ)エチル]-3-(オクチルチオ)シクロヘキ
サン又は1-[β-(オクチルチオ)エチル]-4-(オクチ
ルチオ)シクロヘキサン及び他の添加剤のそれぞれ所定
量を後述の表1に記載した配合割合でヘンシェルミキサ
ー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したのち、口径40
mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処理してペレット
化した。また比較例1〜17としてMFRが6.0g/10分の
安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体
100重量部に後述の表1に記載の添加剤のそれぞれ所定
量を配合し、実施例1〜9に準拠して溶融混練処理して
ペレットを得た。得られたペレットを用いて前記の試験
方法により耐熱水性の評価を行った。これらの結果を表
1に示した。
【0023】実施例10〜18、比較例18〜34 ポリオレフィンとしてMFR4.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性プロピレン単独重合体80重量%及び
MFR7.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エ
チレン-プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量
2.5重量%)20重量%とからなる合計100重量部に、化合
物Aとして分子量1,048の2,3,5-トリメチルフェノー
ル、m-ビス(1-ヒドロキシエチル)ベンゼン及びt-ブタ
ノールの反応生成物、化合物Bとして1-[β-(ドデシ
ルチオ)エチル]-3-(ドデシルチオ)シクロヘキサン
又は1-[β-(ドデシルチオ)エチル]-4-(ドデシルチ
オ)シクロヘキサン及び他の添加剤のそれぞれ所定量を
後述の表2に記載した配合割合でヘンシェルミキサー
(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したのち、口径40mm
の単軸押出機で200℃にて溶融混練処理してペレット化
した。また比較例18〜34としてMFRが4.0g/10分の安
定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体80
重量%及びMFRが7.0g/10分の安定化されていない粉
末状結晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体(エ
チレン含有量2.5重量%)20重量%とからなる合計100重
量部に後述の表2に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配
合し、実施例10〜18に準拠して溶融混練処理してペレッ
トを得た。得られたペレットを用いて前記の試験方法に
より耐熱水性の評価を行った。これらの結果を表2に示
した。
【0024】実施例19〜27、比較例35〜51 ポリオレフィンとしてMFR4.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性エチレン-プロピレンブロック共重
合体(エチレン含有量8.5重量%)100重量部に、化合物
Aとして分子量2,534のp-t-ブチルフェノール、m-ビス
(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼン及び2,4,4-
トリメチル-1-ペンテンの反応生成物、化合物Bとして1
-[β-(オクタデシルチオ)エチル]-3-(オクタデシ
ルチオ)シクロヘキサン又は1-[β-(オクタデシルチ
オ)エチル]-4-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン
及び他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の表3に記載し
た配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、3
分間攪拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で200℃
にて溶融混練処理してペレット化した。また比較例35〜
51としてMFRが4.0g/10分の安定化されていない粉末
状結晶性エチレン-プロピレンブロック共重合体(エチ
レン含有量8.5重量%)100重量部に後述の表3に記載の
添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例19〜27に準拠
して溶融混練処理してペレットを得た。得られたペレッ
トを用いて前記の試験方法により耐熱水性の評価を行っ
た。これらの結果を表3に示した。
【0025】実施例28〜36、比較例52〜68 ポリオレフィンとしてMFR8.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性プロピレン単独重合体70重量%、M
FR7.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エチ
レン-プロピレン-ブテン-1 3元共重合体(エチレン含
有量2.5重量%、ブテン-1含有量4.5重量%)5重量%、
メルトインデックス(190℃における荷重21.18Nを加え
た場合の10分間の溶融樹脂の吐出量;以下MIと略記す
る。)5.0g/10分の安定化されていない粉末状チーグラ
ー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体10重量%及びム
ーニー粘度ML1+4(100℃)25の安定化されていない粉末
状非晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体(プロ
ピレン含有量25重量%)15重量%とからなる合計100重
量部に、化合物Aとして分子量3,848の3-メトキシ-4-メ
チルフェノール、p-ビス(1-ヒドロキシ-1-エチルエチ
ル)ベンゼン及びt-ペンタノールの反応生成物、化合物
Bとして1-[β-(オクタコシルチオ)エチル]-3-(オ
クタコシルチオ)シクロヘキサン又は1-[β-(オクタ
コシルチオ)エチル]-4-(オクタコシルチオ)シクロ
ヘキサン及び他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の表4
に記載した配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に
入れ、3分間攪拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機
で200℃にて溶融混練処理してペレット化した。また比
較例52〜68としてMFRが8.0g/10分の安定化されてい
ない粉末状結晶性プロピレン単独重合体70重量%、MF
Rが7.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エチ
レン-プロピレン-ブテン-1 3元共重合体(エチレン含
有量2.5重量%、ブテン-1含有量4.5重量%)5重量%、
MIが5.0g/10分の安定化されていない粉末状チーグラ
ー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体10重量%及びム
ーニー粘度ML1+4(100℃)が25の安定化されていない粉
末状非晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体(プ
ロピレン含有量25重量%)15重量%とからなる合計100
重量部に後述の表4に記載の添加剤のそれぞれ所定量を
配合し、実施例28〜36に準拠して溶融混練処理してペレ
ットを得た。得られたペレットを用いて前記の試験方法
により耐熱水性の評価を行った。これらの結果を表4に
示した。
【0026】表1〜表4に示される各種化合物及び添加
剤は下記の通りである。 化合物A[1]:分子量1,552のp-クレゾール、m-ビス
(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼン及びt-ブタ
ノールの反応生成物(下式(7))
【化10】 化合物A[2]:分子量1,048の2,3,5-トリメチルフェ
ノール、m-ビス(1-ヒドロキシエチル)ベンゼン及びt-
ブタノールの反応生成物(下式(8))
【化11】 化合物A[3]:分子量2,534のp-t-ブチルフェノー
ル、m-ビス(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼン
及び2,4,4-トリメチル-1-ペンテンの反応生成物(下式
(9))
【化12】 化合物A[4]:分子量3,848の3-メトキシ-4-メチルフ
ェノール、p-ビス(1-ヒドロキシ-1-エチルエチル)ベ
ンゼン及びt-ペンタノールの反応生成物(下式(10))
【化13】 化合物B[1]:1-[β-(オクチルチオ)エチル]-3-
(オクチルチオ)シクロヘキサン 化合物B[2]:1-[β-(オクチルチオ)エチル]-4-
(オクチルチオ)シクロヘキサン 化合物B[3]:1-[β-(ドデシルチオ)エチル]-3-
(ドデシルチオ)シクロヘキサン 化合物B[4]:1-[β-(ドデシルチオ)エチル]-4-
(ドデシルチオ)シクロヘキサン 化合物B[5]:1-[β-(オクタデシルチオ)エチ
ル]-3-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン 化合物B[6]:1-[β-(オクタデシルチオ)エチ
ル]-4-(オクタデシルチオ)シクロヘキサン 化合物B[7]:1-[β-(オクタコシルチオ)エチ
ル]-3-(オクタコシルチオ)シクロヘキサン 化合物B[8]:1-[β-(オクタコシルチオ)エチ
ル]-4-(オクタコシルチオ)シクロヘキサン リン系酸化防止剤1:ジステアリル-ペンタエリスリト
ール-ジフォスファイト リン系酸化防止剤2:ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファイト リン系酸化防止剤3:ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェニル)ペンタエリスリトール-ジフォスファイト リン系酸化防止剤4:テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフ
ェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジ-フォスフォナイト93重
量%及び酸化亜鉛7重量%の混合物 リン系酸化防止剤5:2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t
-ブチルフェニル)フルオロフォスファイト
【0027】フェノール系酸化防止剤1:1,3,5-トリメ
チル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン フェノール系酸化防止剤2:ビス[3,3-ビス(3'-t-ブ
チル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッド]エ
チレングリコールエステル フェノール系酸化防止剤3:ビス[2-(3'-t-ブチル-5'
-メチル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチル-6-t-ブチ
ルフェニル]テレフタレート フェノール系酸化防止剤4:トリス(4-t-ブチル-3-ヒ
ドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート フェノール系酸化防止剤5:1,1,3-トリス(2-メチル-5
-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン フェノール系酸化防止剤6:分子量753のp-クレゾー
ル、m-ビス(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼン
及びt-ブタノールの反生成物(下式(11))
【化14】 フェノール系酸化防止剤7:分子量5,548のp-クレゾー
ル、m-ビス(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ベンゼン
及びt-ブタノールの反応生成物(下式(12))
【化15】 チオエーテル系酸化防止剤1:ジミリスチルチオジプロ
ピオネート チオエーテル系酸化防止剤2:ペンタエリスリトール-
テトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート) チオエーテル系酸化防止剤3:3,9-ビス(2-ラウリルチ
オエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン Ca−St:ステアリン酸カルシウム
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】表1に記載の実施例及び比較例は、ポリオ
レフィンとして結晶性プロピレン単独重合体を用いた場
合である。表1からわかるように、実施例1〜9は本発
明にかかわる化合物A及び化合物Bを配合したものであ
り、実施例1〜9と比較例1(化合物Aを単独に配合し
たもの:前記特開昭62−45658号公報に提案された組成
物)とをくらべてみると、実施例1〜9は化合物Bの併
用によって耐熱水性が著しく改善されていることがわか
る。実施例1〜3の組成物において化合物Bの替わりに
チオエーテル系酸化防止剤1〜3をそれぞれ配合した比
較例2〜4(比較例2及び比較例3は、前記特開昭62−
45658号公報に提案されたチオエーテル系抗酸化剤併用
系組成物)と実施例1〜9をくらべてみると、比較例2
〜4の耐熱水性は比較例1と同程度若しくは若干改善さ
れるもののいまだ充分ではない。また、化合物Aの替わ
りにフェノール系酸化防止剤1〜5及び化合物B若しく
はチオエーテル系酸化防止剤1、3をそれぞれ配合した
比較例5〜15(比較例11、14及び15は、前記特開平2−
265939号公報に提案された組成物)と実施例1〜9をく
らべてみると、比較例5〜15は熱水浸漬処理の初期の段
階におけるオーブンライフ値には優れるものの、耐熱水
性においてはいまだ充分ではない。さらに、実施例3の
組成物において化合物Aの替わりに、化合物Aの要件の
ひとつである分子量が本発明の範囲外であるフェノール
系酸化防止剤6〜7をそれぞれ配合した比較例16〜17と
実施例1〜9をくらべてみると、比較例16〜17の耐熱水
性はいまだ充分ではない。すなわち、比較例16は熱水浸
漬処理の初期の段階におけるオーブンライフ値には優れ
るものの、長期の熱水浸漬処理によって著しい耐熱水性
の低下をもたらし、また比較例17は比較例16の如き低下
現象はみられないものの、熱水浸漬処理のいずれの段階
においてもオーブンライフ値が小さいことがわかる。従
って、本発明にかかわる化合物A及び化合物Bの2成分
の配合を同時に満たさない各比較例は、本発明の効果を
奏さないことが明らかである。すなわち、本発明で得ら
れる耐熱水性は、本発明において化合物A及び化合物B
を併用したときにはじめてみられる特有の効果であると
いえる。さらに、実施例1〜4の組成物において、各種
リン系酸化防止剤を併用した実施例5〜9は、実施例1
〜4にくらべて化合物A及び化合物Bの優れた耐熱水性
の改善効果が阻害されることなく、リン系酸化防止剤併
用による耐熱水性改善の顕著な相乗効果が認められるこ
とがわかる。
【0033】表2〜表4は、ポリオレフィンとしてそれ
ぞれ結晶性プロピレン単独重合体及び結晶性エチレン-
プロピレンランダム共重合体の混合物、結晶性エチレン
-プロピレンブロック共重合体又は結晶性プロピレン単
独重合体、結晶性エチレン-プロピレン-ブテン-1 3元
共重合体、チーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重
合体及び非晶性エチレン-プロピレンランダム共重合体
の混合物を用いたものであり、これらについても上述と
同様の効果が確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明の組成物は、従来公知の耐熱水性
を改善したポリオレフィン組成物に比較して、(1)成形
品としたときの該成形品の耐熱水性が著しく優れてい
る。(2)耐熱水性が著しく優れていることから、各種成
形分野の耐熱水性を要求される用途(たとえば電気ポッ
ト、電気炊飯器及び給湯設備などの家電用品や床暖房パ
イプなどの水廻り用部品)に好適に使用することができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に対して、下
    記一般式(1)で示される分子量1,000〜4,000の重合型フ
    ェノール化合物及び下記一般式(2)で示されるチオエー
    テル系化合物をそれぞれ0.05〜5重量部配合してなる安
    定化されたポリオレフィン組成物。 【化1】 【化2】 (式中、Rは炭素原子数4〜8の第三級アルキル基を示
    し、R1は炭素原子数1〜5のアルキル基若しくはアル
    コキシ基を示し、R2及びR3は各々独立して水素原子又
    は炭素原子数1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基
    を示し、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立し
    て水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。
    nは正の整数を示す。R10は炭素数8〜28のアルキル基
    を示す。)
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン100重量部に対して、リ
    ン系酸化防止剤0.05〜1重量部をさらに配合してなる請
    求項1記載の安定化されたポリオレフィン組成物。
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