JP3201045B2 - 安定化されたポリオレフィン組成物 - Google Patents

安定化されたポリオレフィン組成物

Info

Publication number
JP3201045B2
JP3201045B2 JP2974393A JP2974393A JP3201045B2 JP 3201045 B2 JP3201045 B2 JP 3201045B2 JP 2974393 A JP2974393 A JP 2974393A JP 2974393 A JP2974393 A JP 2974393A JP 3201045 B2 JP3201045 B2 JP 3201045B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bis
compound
weight
long
polyolefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2974393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06220260A (ja
Inventor
洋一 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP2974393A priority Critical patent/JP3201045B2/ja
Publication of JPH06220260A publication Critical patent/JPH06220260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3201045B2 publication Critical patent/JP3201045B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定化されたポリオレ
フィン組成物に関する。さらに詳しくは、熱交換システ
ムにおいて使用される加熱媒体との長期接触使用に対し
て優れた安定性を有する成形品が得られる安定化された
ポリオレフィン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリオレフィンは比較的安価でか
つ優れた機械的性質を有するので、射出成形品、中空成
形品、フィルム、シート、繊維など各種の成形品の製造
に用いられている。しかしながら、ポリオレフィンとり
わけプロピレン系重合体は、該重合体中に酸化を受けや
すい第3級炭素を有しているため、成形加工時および実
用時に熱酸化劣化を受けやすい。このため、従来からか
かる熱酸化劣化を防止する目的で、各種の酸化防止剤が
広く用いられている。しかしながら、各種酸化防止剤を
配合してなるポリオレフィン組成物を成形し、得られた
成形品を有機溶媒などの加熱媒体と長期間接触する熱交
換システムなどの用途に用いた場合、該組成物に配合し
た酸化防止剤が加熱媒体によって抽出されるため、加熱
媒体との長期接触により耐熱酸化劣化性(以下、長期熱
安定性という。)が著しく低下するといった問題が起こ
る。
【0003】このため、従来からポリオレフィン組成物
の長期熱安定性を向上する目的で、該ポリオレフィンに
各種のフェノール系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防
止剤とを併用することが広く行われている。また、特開
昭53−16745号公報にはプラスチックを酸化に対して安
定化するために、プラスチック材料に分子量1000〜4000
の4,4'-チオ-ビス-(ジアルキルフェノール)-ホルムア
ルデヒド縮合物を酸化防止剤として添加する酸化に対す
るプラスチックの安定化法が提案され、該公報には前記
縮合物は酸化防止剤として単独で使用できるだけでな
く、他の老化防止剤と組み合わせて使用し得ることが記
載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長期熱
安定性の問題点を解決するため、ポリオレフィンに、各
種のフェノール系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防止
剤とを併用した従来公知のポリオレフィン組成物は、長
期熱安定性についてかなりの改善は見られるものの、い
まだ充分満足できるものではない。また、前記特開昭53
−16745号公報に提案されたプラスチックの安定化法
は、長期熱安定性についてはほとんど改善されず、該公
報には他の老化防止剤としてジアルキルジスルフィド、
2,4-ビス(オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t
-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジンもしくは2,4-ビス
[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾールと組み合わ
せて使用し得ることはなんら記載も示唆もない。
【0005】本発明者は、ポリオレフィン組成物に関す
る上述の問題点を解決した組成物すなわち長期熱安定性
の改善されたポリオレフィン組成物を得るべく鋭意研究
した。その結果、ポリオレフィンに分子量1,000〜4,000
の4,4'-チオ-ビスフェノール-脂肪族アルデヒド縮合物
および特定のチオエーテル系化合物をそれぞれ特定量配
合してなる組成物が上述のポリオレフィン組成物の欠点
を解決することができることを見い出し、この知見に基
づき本発明を完成した。以上の記述から明らかなよう
に、本発明の目的は熱交換システムにおいて使用される
長期熱安定性に優れた成形品が得られる安定化されたポ
リオレフィン組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。ポリオレフィン100重量部に対して、分子量1,000
〜4,000の4,4'-チオ-ビスフェノール-脂肪族アルデヒド
縮合物(以下、化合物Aという)および下記〜から
選ばれた1種または2種以上のチオエーテル系化合物
(以下、化合物Bという)をそれぞれ0.05〜5重量部配
合してなる安定化されたポリオレフィン組成物。 ジアルキルジスルフィド 2,4-ビス(オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ
-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン 2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾール
【0007】本発明で用いるポリオレフィンは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチル-ペ
ンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1などのα-オレフィ
ンの結晶性単独重合体、これら2種以上のα-オレフィ
ンの結晶性、低結晶性もしくは非晶性ランダム共重合体
または結晶性ブロック共重合体、非晶性エチレン-プロ
ピレン-非共役ジエン 3元共重合体などのポリオレフィ
ン、上述のα-オレフィンと酢酸ビニルもしくはアクリ
ル酸エステルとの共重合体、該共重合体のケン化物、こ
れらα-オレフィンと不飽和シラン化合物との共重合
体、これらα-オレフィンと不飽和カルボン酸もしくは
その無水物との共重合体、該共重合体と金属イオン化合
物との反応生成物、上述のポリオレフィンを不飽和カル
ボン酸もしくはその誘導体で変性した変性ポリオレフィ
ン、上述のポリオレフィンを不飽和シラン化合物で変性
したシラン変性ポリオレフィンなどを例示することがで
き、これらポリオレフィンの単独使用はもちろんのこ
と、2種以上のポリオレフィンを混合して用いることも
できる。
【0008】また、上述のポリオレフィンに各種合成ゴ
ム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエン系ゴム、アクリ
ロニトリル-ブタジエン系ゴム、スチレン-ブタジエン-
スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチ
レンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-
スチレンブロック共重合体、スチレン-プロピレン-ブチ
レン-スチレンブロック共重合体など)または熱可塑性
合成樹脂(たとえばポリスチレン、スチレン-アクリロ
ニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチ
レン共重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素樹脂、石油
樹脂(たとえばC5系石油樹脂、水添C5系石油樹脂、C
9系石油樹脂、水添C9系石油樹脂、C5-C9共重合石油
樹脂、水添C5-C9共重合石油樹脂、酸変性C9系石油樹
脂など)、DCPD樹脂(たとえばシクロペンタジエン
系石油樹脂、水添シクロペンタジエン系石油樹脂、シク
ロペンタジエン-C5共重合石油樹脂、水添シクロペンタ
ジエン-C5共重合石油樹脂、シクロペンタジエン-C9
重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン-C9共重合石油
樹脂、シクロペンタジエン-C5-C9共重合石油樹脂、水
添シクロペンタジエン-C5-C9共重合石油樹脂などの軟
化点80〜200℃のDCPD樹脂)などを混合して用いる
こともできる。結晶性プロピレン単独重合体、プロピレ
ン成分を70重量%以上含有する結晶性プロピレン共重合
体であって、結晶性エチレン-プロピレンランダム共重
合体、結晶性エチレン-プロピレンブロック共重合体、
結晶性プロピレン-ブテン-1ランダム共重合体、結晶性
エチレン-プロピレン-ブテン-1 3元共重合体、結晶性
プロピレン-ヘキセン-ブテン-1 3元共重合体およびこ
れらの2種以上の混合物が特に好ましく用いられる。
【0009】本発明で用いられる化合物Aとしては4,4'
-チオ-ビス(2-メチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス
(2,5-ジメチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス(2-メチ
ル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス(2-t-ブ
チル-5-メチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス(2-t-ブ
チル-5-イソプロピルフェノール)、4,4'-チオ-ビス
(2,5-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス(2-
イソプロピル-5-メチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス
(2-イソアミル-5-イソプロピルフェノール)などの4,
4'-チオ-ビスフェノールとホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドな
どの脂肪族アルデヒドとの分子量1,000〜4,000の縮合物
を例示でき、特に分子量1,000〜3,000の4,4'-チオ-ビス
(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)-ホルムアルデヒド
縮合物が好ましい。
【0010】該化合物Aの分子量が1,000未満の場合、
化合物Aが加熱媒体によって容易にポリオレフィン組成
物から抽出されるため、ポリオレフィン組成物の長期熱
安定性の改善効果が充分に発揮されず、また、分子量が
4,000を超えると前述の抽出の問題は解決されるものの
ポリオレフィン組成物中における化合物Aの移行性が低
下するため、化合物Aの酸化防止効果が充分に発揮され
ない。また、これら化合物Aの単独使用はもちろんのこ
と、2種以上の化合物Aを併用することもできる。該化
合物Aの配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対し
て0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
0.05重量部未満の配合ではポリオレフィン組成物の長期
熱安定性の改善効果が充分に発揮されず、また5重量部
を超えても構わないが、それ以上の長期熱安定性の改善
効果が期待できず実際的でないばかりでなくまた不経済
である。
【0011】本発明で用いられる化合物Bとしてはジノ
ニルジスルフィド、ジラウリルジスルフィド、ジミリス
チルジスルフィド、ジパルミチルジスルフィド、ジステ
アリルジスルフィド、ジベヘニルジスルフィド、2,4-ビ
ス(オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチ
ルアニリノ)-1,3,5-トリアジンおよび2,4-ビス[(オ
クチルチオ)メチル]-o-クレゾールなどを例示でき
る。特にジステアリルジスルフィド、2,4-ビス(オクチ
ルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリ
ノ)-1,3,5-トリアジンおよび2,4-ビス[(オクチルチ
オ)メチル]-o-クレゾールが好ましい。これら化合物
Bの単独使用はもちろんのこと、2種以上の化合物Bを
併用することもできる。該化合物Bの配合割合は、ポリ
オレフィン100重量部に対して0.05〜5重量部、好まし
くは0.1〜2重量部である。0.05重量部未満の配合では
ポリオレフィン組成物の長期熱安定性の改善効果が充分
に発揮されず、また5重量部を超えても構わないが、そ
れ以上の長期熱安定性の改善効果が期待できず実際的で
ないばかりでなくまた不経済である。
【0012】本発明の組成物にあっては、通常ポリオレ
フィンに添加される各種の添加剤たとえばフェノール系
(ただし、化合物Aを除く。)、チオエーテル系(ただ
し、化合物Bを除く。)、リン系などの酸化防止剤、光
安定剤、重金属不活性化剤(銅害防止剤)、透明化剤、
造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキン
グ剤、無滴剤、過酸化物の如きラジカル発生剤、難燃
剤、難燃助剤、顔料、ハロゲン捕捉剤、金属石ケン類な
どの分散剤もしくは中和剤、有機系や無機系の抗菌剤、
無機充填剤(たとえばタルク、マイカ、クレ−、ウォラ
ストナイト、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、パ
ーライト、ケイソウ土、アスベスト、炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ
素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化
亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ニウム、ガラス繊維、チタン酸カリウム、炭素繊維、カ
ーボンブラック、グラファイトおよび金属繊維など)、
カップリング剤(たとえばシラン系、チタネート系、ボ
ロン系、アルミネート系、ジルコアルミネート系など)
の如き表面処理剤で表面処理された前記無機充填剤、ま
たは有機充填剤(たとえば木粉、パルプ、故紙、合成繊
維、天然繊維など)を本発明の目的を損なわない範囲で
併用することができる。
【0013】本発明の組成物はポリオレフィンに前記の
化合物Aおよび化合物Bならびに通常ポリオレフィンに
添加される前述の各種添加剤のそれぞれ所定量を通常の
混合装置たとえばヘンシェルミキサー(商品名)、スー
パーミキサー、リボンブレンダー、バンバリミキサーな
どを用いて混合し、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブ
ラベンダーまたはロールなどで、溶融混練温度150℃〜3
20℃、好ましくは180℃〜290℃で溶融混練ペレタイズす
ることにより得ることができる。得られた組成物は射出
成形法、押出成形法、ブロー成形法などの各種成形法に
より目的とする成形品の製造に供される。
【0014】本発明において熱交換システムとは、主に
加熱もしくは冷却用の熱源部、それらを接続する管類、
そしてその管類中を循環する加熱媒体とから構成され
る。また、熱交換システムに使用される加熱媒体として
は水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グ
リセリン、シリコンオイル、植物性油、ポリブテン、鉱
物油、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジクロ
ルベンゼン、ジフェニルオキサイドおよびこれらの2種
以上の混合物などを例示できる。
【0015】
【作用】本発明において、化合物Aはラジカル連鎖禁止
剤として作用し、また化合物Bは過酸化物分解剤として
化合物Aの酸化防止作用に対して相乗的に作用し、長期
熱安定性を著しく改善しているものと考えられる。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で用いた評価
方法は次の方法によった。 1)長期熱安定性:得られたペレットを用いて長さ50m
m、巾25mm、厚み2mmの試験片を射出成形法により作成
した。テストチューブ(内径34mm、外径45mm、長さ350m
m)にエチレングリコールを主成分とする日産純正ロン
グ ライフ クーラント(商品名;以下、LLCと略記す
る。)300mlおよび試験片を入れ、該試験片をLLC中
に浸漬した。試験片をLLC浸漬したテストチューブ
は、温度120℃に調節したテストチューブ老化試験器を
用いてLLC浸漬処理を行った。なお、LLCは5,000
時間で取り替え、各テストチューブには実施例および比
較例のそれぞれ1種類の試験片を入れた。長期熱安定性
は後述の各表に記載した所定の時間LLC浸漬処理した
試験片を用いて、オーブンライフ試験により評価した。
すなわち、該試験片を用いて温度150℃に調節した循環
熱風オーブンに入れ、試験片が完全劣化するまでの時間
(引張強度が0になるまでの時間)を測定(JIS K
7212に準拠)することにより長期熱安定性を評価した。
長期熱安定性が優れる材料とは、10,000時間LLC浸漬
処理した試験片のオーブンライフ値が大きいものをい
う。
【0017】実施例1〜7、比較例1〜12 ポリオレフィンとしてMFR(230℃における荷重2.16k
gを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量)6.0g/10
分の安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重
合体100重量部に、化合物Aとして分子量2,800の4,4'-
チオ-ビス(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)-ホルム
アルデヒド縮合物、化合物Bとしてジステアリルジスル
フィド、2,4-ビス(オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-
3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジンもしくは
2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾールお
よび他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の第1表に記載
した配合割合でヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、
3分間攪拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で200
℃にて溶融混練処理してペレット化した。また比較例1
〜12としてMFRが6.0g/10分の安定化されていない粉
末状結晶性プロピレン単独重合体100重量部に後述の第
1表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例
1〜7に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。得
られたペレットを用いて前記の試験方法により長期熱安
定性の評価を行った。これらの結果を第1表に示した。
【0018】実施例8〜14、比較例13〜24 ポリオレフィンとしてMFR7.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性エチレン-プロピレンランダム共重
合体(エチレン含有量2.5重量%)100重量部に、化合物
Aとして分子量1,390の4,4'-チオ-ビス(2-メチルフェ
ノール)-アセトアルデヒド縮合物、化合物Bとしてジ
ラウリルジスルフィド、2,4-ビス(オクチルチオ)-6-
(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-ト
リアジンもしくは2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]
-o-クレゾールおよび他の添加剤のそれぞれ所定量を後
述の第2表に記載した配合割合でヘンシェルミキサー
(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したのち、口径40mm
の単軸押出機で200℃にて溶融混練処理してペレット化
した。また比較例13〜24としてMFRが7.0g/10分の安
定化されていない粉末状結晶性エチレン-プロピレンラ
ンダム共重合体(エチレン含有量2.5重量%)100重量部
に後述の第2表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合
し、実施例8〜14に準拠して溶融混練処理してペレット
を得た。得られたペレットを用いて前記の試験方法によ
り長期熱安定性の評価を行った。これらの結果を第2表
に示した。
【0019】実施例15〜21、比較例25〜36 ポリオレフィンとしてMFR4.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性エチレン-プロピレンブロック共重
合体(エチレン含有量8.5重量%)100重量部に、化合物
Aとして分子量2,300の4,4'-チオ-ビス(2-メチル-6-t-
ブチルフェノール)-プロピオンアルデヒド縮合物、化
合物Bとしてジミリスチルジスルフィド、2,4-ビス(オ
クチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニ
リノ)-1,3,5-トリアジンもしくは2,4-ビス[(オクチ
ルチオ)メチル]-o-クレゾールおよび他の添加剤のそ
れぞれ所定量を後述の第3表に記載した配合割合でヘン
シェルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合した
のち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処理
してペレット化した。また比較例25〜36としてMFRが
4.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エチレン
-プロピレンブロック共重合体(エチレン含有量8.5重量
%)100重量部に後述の第3表に記載の添加剤のそれぞ
れ所定量を配合し、実施例15〜21に準拠して溶融混練処
理してペレットを得た。得られたペレットを用いて前記
の試験方法により長期熱安定性の評価を行った。これら
の結果を第3表に示した。
【0020】実施例22〜28、比較例37〜48 ポリオレフィンとしてMFR8.0g/10分の安定化されて
いない粉末状結晶性プロピレン単独重合体70重量%、M
FR7.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エチ
レン-プロピレン-ブテン-1 3元共重合体(エチレン含
有量2.5重量%、ブテン-1含有量4.5重量%)5重量%、
MI(190℃における荷重2.16kgを加えた場合の10分間
の溶融樹脂の吐出量)5.0g/10分の安定化されていない
粉末状チーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体
10重量%およびムーニー粘度ML1+4(100℃)25の安定化
されていない粉末状非晶性エチレン-プロピレンランダ
ム共重合体(プロピレン含有量25重量%)15重量%とか
らなる合計100重量部に、化合物Aとして分子量3,750の
4,4'-チオ-ビス(2-イソアミル-5-イソプロピルフェノ
ール)-ブチルアルデヒド縮合物、化合物Bとしてジス
テアリルジスルフィド、2,4-ビス(オクチルチオ)-6-
(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-ト
リアジンもしくは2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]
-o-クレゾールおよび他の添加剤のそれぞれ所定量を後
述の第4表に記載した配合割合でヘンシェルミキサー
(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したのち、口径40mm
の単軸押出機で200℃にて溶融混練処理してペレット化
した。また比較例37〜48としてMFRが8.0g/10分の安
定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体70
重量%、MFRが7.0g/10分の安定化されていない粉末
状結晶性エチレン-プロピレン-ブテン-1 3元共重合体
(エチレン含有量2.5重量%、ブテン-1含有量4.5重量
%)5重量%、MIが5.0g/10分の安定化されていない
粉末状チーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体
10重量%およびムーニー粘度ML1+4(100℃)が25の安定
化されていない粉末状非晶性エチレン-プロピレンラン
ダム共重合体(プロピレン含有量25重量%)15重量%と
からなる合計100重量部に後述の第4表に記載の添加剤
のそれぞれ所定量を配合し、実施例22〜28に準拠して溶
融混練処理してペレットを得た。得られたペレットを用
いて前記の試験方法により長期熱安定性の評価を行っ
た。これらの結果を第4表に示した。
【0021】第1表〜第4表に示される各種添加剤は下
記の通りである。 化合物A[1]:分子量2,800の4,4'-チオ-ビス(2-t-
ブチル-5-メチルフェノール)-ホルムアルデヒド縮合物 化合物A[2]:分子量1,390の4,4'-チオ-ビス(2-メ
チルフェノール)-アセトアルデヒド縮合物 化合物A[3]:分子量2,300の4,4'-チオ-ビス(2-メ
チル-6-t-ブチルフェノール)-プロピオンアルデヒド縮
合物 化合物A[4]:分子量3,750の4,4'-チオ-ビス(2-イ
ソアミル-5-イソプロピルフェノール)-ブチルアルデヒ
ド縮合物 化合物B[1]:ジラウリルジスルフィド 化合物B[2]:ジミリスチルジスルフィド 化合物B[3]:ジステアリルジスルフィド 化合物B[4]:2,4-ビス(オクチルチオ)-6-(4-ヒ
ドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル アニリノ)
-1,3,5-トリアジン 化合物B[5]:2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]
-o-クレゾール
【0022】フェノール系酸化防止剤1:1,3,5-トリメ
チル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン フェノール系酸化防止剤2:ビス[3,3-ビス(3'-t-ブ
チル-4'-ヒドロキシフェニ
ル)ブチリックアシッド]エチレングリコールエス
テル フェノール系酸化防止剤3:ビス[2-(3'-t-ブチル-5'
-メチル-2'-ヒドロキシベ
ンジル)-4-メチル-6-t-ブチルフェニル]テレフタ
レート フェノール系酸化防止剤4:分子量740の4,4'-チオ-ビ
ス(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)-ホルムアルデヒ
ド縮合物 フェノール系酸化防止剤5:分子量5,500の4,4'-チオ-
ビス(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)-ホルムアルデ
ヒド縮合物
【0023】チオエーテル系酸化防止剤1:ジミリスチ
ルチオジプロピオネート チオエーテル系酸化防止剤2:ペンタエリスリトール-
テトラキス(3-ラウリルチ
オプロピオネート) チオエーテル系酸化防止剤3:ビス[2-メチル-4-(3-
ラウリルチオプロピオニル
オキシ)-5-t-ブチルフェニル]スルフィド チオエーテル系酸化防止剤4:3,9-ビス(2-ラウリルチ
オエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン
【0024】リン系酸化防止剤1:ビス(2,4-ジ-t-ブ
チルフェニル)-ペンタエリスリトール-ジフォスファイ
ト リン系酸化防止剤2:ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトー ル-ジ
フォスファイト リン系酸化防止剤3:テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフ
ェニル)-4,4'-ビフェニレ ン-ジ-
フォスフォナイト リン系酸化防止剤4:2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t
-ブチルフェニル)フルオ ロフォ
スファイト Ca−St:ステアリン酸カルシウム
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】第1表に記載の実施例および比較例は、ポ
リオレフィンとして結晶性プロピレン単独重合体を用い
た場合である。第1表からわかるように、実施例1〜7
は本発明にかかわる化合物Aおよび化合物Bを配合した
ものであり、実施例1〜7と比較例1(化合物Aを単独
に配合したもの:前記特開昭53−16745号公報に提案さ
れた組成物)とをくらべてみると、実施例1〜7は化合
物Bの併用によって長期熱安定性が著しく改善されてい
ることがわかる。実施例1〜3の組成物において化合物
Bの替わりにチオエーテル系酸化防止剤1〜4をそれぞ
れ配合した比較例2〜5と実施例1〜7をくらべてみる
と、比較例2〜5の長期熱安定性は比較例1と同程度も
しくは若干改善されるもののいまだ充分ではない。ま
た、化合物Aの替わりにフェノール系酸化防止剤1〜3
および化合物Bもしくはチオエーテル系酸化防止剤1、
3をそれぞれ配合した比較例6〜10と実施例1〜7をく
らべてみると、比較例6〜10はLLC浸漬処理の初期の
段階におけるオーブンライフ値には優れるものの、長期
熱安定性においてはいまだ充分ではない。
【0030】さらに、実施例1の組成物において化合物
Aの替わりに、化合物Aの要件のひとつである分子量が
本発明の範囲外であるフェノール系酸化防止剤4〜5を
それぞれ配合した比較例11〜12と実施例1〜7をくらべ
てみると、比較例11〜12の長期熱安定性はいまだ充分で
はない。すなわち、比較例11はLLC浸漬処理の初期の
段階におけるオーブンライフ値には優れるものの、長期
のLLC浸漬処理によって著しい長期熱安定性の低下を
もたらし、また比較例12は比較例11の如き低下現象はみ
られないものの、LLC浸漬処理のいずれの段階におい
てもオーブンライフ値が小さいことがわかる。従って、
本発明にかかわる化合物Aおよび化合物Bの2成分の配
合を同時に満たさない比較各例は、本発明の効果を奏さ
ないことが明らかである。すなわち、本発明で得られる
長期熱安定性は、本発明において化合物Aおよび化合物
Bを併用したときにはじめてみられる特有の効果である
といえる。
【0031】第2表〜第4表は、ポリオレフィンとして
それぞれ結晶性エチレン-プロピレンランダム共重合
体、結晶性エチレン-プロピレンブロック共重合体また
は結晶性プロピレン単独重合体、結晶性エチレン-プロ
ピレン-ブテン-1 3元共重合体、チーグラー・ナッタ系
高密度エチレン単独重合体および非晶性エチレン-プロ
ピレンランダム共重合体の混合物を用いたものであり、
これらについても上述と同様の効果が確認された。
【0032】
【発明の効果】本発明の組成物は、従来公知の長期熱安
定性を改善したポリオレフィン組成物に比較して、(1)
成形品としたときの該成形品の長期熱安定性が著しく優
れている。(2)長期熱安定性が著しく優れていることか
ら、各種成形分野の長期熱安定性を要求される用途、す
なわち熱交換システム(たとえばラジエータータンク、
リザーブタンクおよび暖房機用部品)に好適に使用する
ことができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン100重量部に対して、分子
    量1,000〜4,000の4,4'-チオ-ビスフェノール-脂肪族ア
    ルデヒド縮合物および下記〜から選ばれた1種また
    は2種以上のチオエーテル系化合物をそれぞれ0.05〜5
    重量部配合してなる安定化されたポリオレフィン組成
    物。 ジアルキルジスルフィド 2,4-ビス(オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ
    -t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン 2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾール
JP2974393A 1993-01-26 1993-01-26 安定化されたポリオレフィン組成物 Expired - Fee Related JP3201045B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2974393A JP3201045B2 (ja) 1993-01-26 1993-01-26 安定化されたポリオレフィン組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2974393A JP3201045B2 (ja) 1993-01-26 1993-01-26 安定化されたポリオレフィン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06220260A JPH06220260A (ja) 1994-08-09
JP3201045B2 true JP3201045B2 (ja) 2001-08-20

Family

ID=12284586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2974393A Expired - Fee Related JP3201045B2 (ja) 1993-01-26 1993-01-26 安定化されたポリオレフィン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3201045B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06220260A (ja) 1994-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5141995A (en) Modified propylene polymer composition and process of making composition
JP3201045B2 (ja) 安定化されたポリオレフィン組成物
JPH0469657B2 (ja)
JP2001302809A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JPH0689193B2 (ja) 改質プロピレン系重合体組成物の製造方法
JP3201072B2 (ja) 安定化されたポリオレフィン組成物
JPH11246712A (ja) 安定化されたポリオレフィン組成物
JP3064499B2 (ja) 変性ポリオレフィン組成物の製造方法
JPH0931251A (ja) ポリオレフィン組成物
JP2607132B2 (ja) 安定化されたポリオレフイン組成物
JPH10120833A (ja) 難燃性ポリオレフィン組成物
JP2747847B2 (ja) 難燃性ポリオレフイン組成物
JP2917172B2 (ja) 難燃性ポリオレフイン組成物
JP2696558B2 (ja) 難燃性ポリオレフイン組成物
JP2696553B2 (ja) 難燃性ポリオレフィン組成物
JP3324620B2 (ja) 結晶性ポリオレフィン組成物
JPH0920842A (ja) 安定化されたポリオレフィン組成物
JP2747845B2 (ja) 難燃性ポリオレフイン組成物
JP2747844B2 (ja) 難燃性ポリオレフイン組成物
JP2745077B2 (ja) 難燃性ポリオレフイン組成物
JPH0920841A (ja) 難燃性ポリオレフィン組成物
JP2747846B2 (ja) 難燃性ポリオレフイン組成物
JPH08311252A (ja) 安定化されたポリオレフィン組成物
JPH06102740B2 (ja) 水系接触用ポリオレフイン成形品
JPH04348149A (ja) 架橋ポリオレフィン組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees