JPH08302086A - ポリプロピレン系樹脂用マスターバッチおよび難白化性ポリプロピレン系樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂用マスターバッチおよび難白化性ポリプロピレン系樹脂の製造方法

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JPH08302086A
JPH08302086A JP10622295A JP10622295A JPH08302086A JP H08302086 A JPH08302086 A JP H08302086A JP 10622295 A JP10622295 A JP 10622295A JP 10622295 A JP10622295 A JP 10622295A JP H08302086 A JPH08302086 A JP H08302086A
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whitening
polypropylene
ethylene
based resin
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JP10622295A
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Masayuki Yamaguchi
政之 山口
Hiroshi Miyata
寛 宮田
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造場所による制約や製造機への投入に際し
ての制約を受けることなく難白化性に優れたポリプロピ
レン系樹脂を製造することができる方法、およびそれを
可能にする上記改質材を提供する。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂(A)20〜65重量
%と(a)〜(d)の要件を満たすエチレン/α−オレ
フィン共重合体エラストマー(B)80〜35重量%か
らなるポリプロピレン系樹脂マスターバッチ用組成物及
びこのマスターバッチを配合することを特徴とする難白
化性ポリプロピレン系樹脂の製造方法。 (a)α−オレフィンの炭素数が4以上20以下、
(b)α−オレフィンの含量が65重量%より多く95
重量%以下、(c)23℃における密度が0.88g/
cm3未満、(d)示差走査型熱量計による結晶融解ピ
ークが観測されない

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難白化性ポリプロピレン
系樹脂の製造方法およびポリプロピレン系樹脂に難白化
性をもたらす改質材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂(以下PPとい
う)は優れた耐熱性およびコストパフォーマンスを背景
に、自動車部品、家電製品、文具、日用品、容器などの
用途に幅広く用いられている。しかしながら、ポリプロ
ピレン系樹脂は折り曲げたり、衝撃を受けた際に白化を
生じることが多く、商品価値を損なうため改良が望まれ
ていた。このような難白化への要求は自動車内装材、家
電製品、日用品、文具、容器などを中心に極めて大きい
が、満足できる改質材はこれまでに知られていなかっ
た。
【0003】このような現状の中、本発明者らは、
(a)α−オレフィンが炭素数4以上20以下、(b)
α−オレフィン含量が65重量%より多く95重量%以
下、(c)23℃における密度が0.88g/cm3
満、さらに(d)示差走査型熱量計により結晶融解ピー
クが観測されない、以上4つの要件を満たすエチレン/
α−オレフィン共重合体エラストマーはPPの白化を低
減する優れた改質材であることを見いだした(特願平7
−17208号、特願平7−17209号)。
【0004】しかしながら、上述のエチレン/α−オレ
フィン共重合体エラストマーは非晶性である、ガラ
ス転移温度が室温より低い、等の性質に起因し、自着が
激しくペレット形状を保持しないため、移送や輸送が困
難であるので、これを添加して難白化性の改良されたポ
リプロピレン系樹脂を製造するにあたり、その場所に制
約を受けることになる。また、同様の理由で製造機への
投入も困難であり、製造機への投入前にリボン形状など
投入が可能な形状に整える必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決するためになされたものであり、製造場所による
制約や製造機への投入に際しての制約を受けることなく
難白化性に優れたポリプロピレン系樹脂を製造すること
ができる方法、およびそれを可能にする上記改質材の提
供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂
(A)20〜65重量%と(a)〜(d)の要件を満た
すエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー
(B)80〜35重量%からなるポリプロピレン系樹脂
マスターバッチ用組成物、及び本マスターバッチを配合
することによる難白化性ポリプロピレン系樹脂の製造方
法に関するものである。
【0007】(a)α−オレフィンの炭素数が4以上2
0以下 (b)α−オレフィンの含量が65重量%より多く95
重量%以下 (c)23℃における密度が0.88g/cm3未満 (d)示差走査型熱量計による結晶融解ピークが観測さ
れない 以下にその詳細について説明する。
【0008】本発明のマスターバッチにおけるポリプロ
ピレン系樹脂(A)、およびマスターバッチを配合する
ポリプロピレン系樹脂としてはプロピレン単独重合体、
エチレン含量が0.5〜12重量%のエチレン/プロピ
レンランダム共重合体、エチレン含量が0.5〜12重
量%,ブテン−1のようなα−オレフィン含量が0.5
〜20重量%のプロピレン/エチレン/α−オレフィン
三元共重合体、エチレン含量が1〜60重量%のインパ
クトポリプロピレン(ブロックPPと称されることもあ
る)、シンジオタクチック構造である結晶性ポリプロピ
レン系樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種
以上が用いられる。本発明のマスターバッチにおけるポ
リプロピレン系樹脂(A)とマスターバッチを配合する
ポリプロピレン系樹脂は同一のものであってもよいし、
異なっていてもよい。また、いずれのポリプロピレン系
樹脂も230℃,2.16kg荷重のもとで測定される
MFRが0.1〜100g/10分であることが好まし
い。この範囲内であると、本発明によって得られる難白
化性ポリプロピレン系樹脂の成形加工性が優れる。本発
明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合
体エラストマーのα−オレフィンは炭素数4以上20以
下のものであり、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセ
ン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン
−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデ
セン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコ
セン−1等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が用いられる。なかでも入手の容易さからブテン−1、
ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が好まし
い。
【0009】本発明において用いられるエチレン/α−
オレフィン共重合体エラストマーのα−オレフィン含量
は65重量%より多く95重量%以下、好ましくは70
重量%以上90重量%以下である。α−オレフィン含量
が65重量%以下または95重量%以上では本発明のマ
スターバッチのPPに対する難白化性改良効果が小さく
なる。
【0010】本発明において用いられるエチレン/α−
オレフィン系共重合体エラストマーの23℃における密
度は0.88g/cm3未満である。密度が0.88g
/cm3以上のエチレン/α−オレフィン共重合体を用
いると、本発明のマスターバッチのPPに対する難白化
性改良効果が乏しくなる。
【0011】本発明において用いられるエチレン/α−
オレフィン共重合体エラストマーは示差走査型熱量計
(DSCと略称される)により結晶融解ピークが観測さ
れないことを特徴とする。結晶融解ピークを示すエチレ
ン/α−オレフィン共重合体を用いると、本発明のマス
ターバッチのPPに対する難白化性改良効果が乏しくな
る。示差走査型熱量計は市販のものが用いられ、一般的
な方法で測定される。すなわち、アルミニウムパンに封
入された5〜50mgの試料を昇温速度5〜40℃/分
で、−100〜230℃の範囲を測定される。
【0012】本発明において用いられるエチレン/α−
オレフィン共重合体エラストマーの分子量は特に制限さ
れるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)によって測定した数平均分子量がポ
リエチレン換算で5000〜1000000であること
が好ましく、さらに好ましくは10000〜60000
0である。この数平均分子量が5000未満ではマスタ
ーバッチ中のPPが65重量%でも本発明のマスターバ
ッチが自着する恐れがあり、一方、数平均分子量が10
00000を越えると本発明のマスターバッチのPPに
対する分散性が低下する恐れがある。
【0013】本発明において用いられるエチレン/α−
オレフィン共重合体エラストマーの分子量分布(Mw/
Mn)は特に制限はないが、3以下が好ましい。一般に
分子量分布が大きくなると組成分布も大きくなることが
知られている。組成分布が広いと本発明のマスターバッ
チのPPに対する難白化性改良効果が乏しくなることが
ある。組成分布の指標としてGPCにより分画した高分
子量留分10%中の平均α−オレフィン含量(モル%)
に対する低分子量留分10%中の平均α−オレフィン含
量(モル%)の比を用いる。両者の比が1.2以下が好
ましく、さらに好ましくは1.15以下である。
【0014】本発明で用いるエチレン/α−オレフィン
共重合体エラストマーの製造方法は特に限定されず、チ
タン系触媒、バナジウム系触媒またはメタロセン系の触
媒など種々の触媒を用いて製造することができる。なか
でも、上述の分子量、分子量分布および組成分布を満た
したエチレン/α−オレフィン共重合体エラストマーを
得ることが容易なメタロセン系の触媒を用いることが好
ましい。
【0015】すなわち、(a)周期表4族の遷移金属を
含む遷移金属化合物と、(b)これと反応してイオン性
の錯体を形成する化合物、さらに必要に応じて(c)有
機金属化合物からなる触媒の存在下で、エチレンとα−
オレフィンを共重合することにより、エチレン/α−オ
レフィン共重合体エラストマーを製造することができ
る。
【0016】重合は、バッチ式、半連続式、連続式のい
ずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変え
て2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合
終了後に得られる共重合体は、従来公知の方法により重
合溶液から分離回収され乾燥して固体状の共重合体を得
る。
【0017】本発明のマスターバッチはポリプロピレン
系樹脂(A)20〜65重量%とエチレン/α−オレフ
ィン共重合体エラストマー(B)80〜35重量%から
なることを特徴とする。ポリプロピレン系樹脂(A)の
重量分率が20%未満であるとマスターバッチが自着す
る恐れがあり、65%を越えると難白化性をもたらすた
めに必要となるマスターバッチの添加量が増加し、マス
ターバッチ添加前のポリプロピレン系樹脂の性能が発現
しにくくなる恐れがある。
【0018】本発明のマスターバッチはその結晶の重心
の平均距離である長周期をマスターバッチを構成するポ
リプロピレン系樹脂単独のそれよりも30%以上大きい
ことが望ましく、本性質によってマスターバッチのPP
に対する難白化性改良効果がさらに優れる。また、マス
ターバッチが添加された難白化性ポリプロピレン系樹脂
もマスターバッチ添加前に比べて長周期が大きくなるこ
とが望ましく、本性質によって難白化性が優れたものに
なる。長周期は小角X線によって求めることができる
が、ラマン分光法と結晶化度の測定からも見積もること
もできる。結晶化度は広角X線、密度、熱分析などによ
って評価することができる。
【0019】また、本発明のマスターバッチは動的粘弾
性の温度依存性などによって評価されるPP相のガラス
転移温度が、マスターバッチを構成するポリプロピレン
系樹脂単独よりも5℃以上低下することが望ましく、本
性質によって、マスターバッチのPPに対する難白化性
改良効果がさらに優れる。また、マスターバッチが添加
された難白化性ポリプロピレン系樹脂もマスターバッチ
添加前に比べてPP相のガラス転移温度が低下すること
が望ましく、本性質によって難白化性が優れたものにな
る。
【0020】本発明のマスターバッチはペレット形状で
あることが好ましく、これによってマスターバッチの取
り扱いは一層容易になる。ペレット化の手法は任意であ
り、既知の方法が用いられる。例えば、本発明のマスタ
ーバッチを構成するポリプロピレン系樹脂とエチレン/
α−オレフィン共重合体エラストマーを均一に溶融混合
し、押出し機にて押し出した後、ホットカットやストラ
ンドカットされる。この場合、カットを水中で行っても
よいし、エアーを吹きかけながら行ってもよい。さら
に、均一混合した後に2本ロールなどでシート状にし、
シートペレタイズ機によってペレット化してもよい。ま
た、ストランド外層と内層を別のポリマーで構成するこ
とのできる装備を持った押出し機を使用して外層にポリ
プロピレン系樹脂、内層にエチレン/α−オレフィン共
重合体エラストマーを配する二層構造のストランドをカ
ットしてペレット化すると自着がさらに抑えられるため
有効である。
【0021】また、本発明のマスターバッチはその表面
に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ス
テアリン酸、ポリオレフィンパウダーのうち1種もしく
は2種以上を打粉することによって自着を一層抑えるこ
とができるので有効である。ポリオレフィンパウダーと
してはポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂のパ
ウダーが挙げられる。特に、難白化性ポリプロピレン系
樹脂の透明性が重要である場合にはポリオレフィンパウ
ダーを用いることが好ましい。
【0022】さらに本発明のマスターバッチには自着防
止を目的として、シリコンオイル、滑剤、ステアリン
酸、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、アンチブロッキ
ング剤、ポリエチレンワックスなどを添加することが望
ましい。
【0023】本発明のマスターバッチには、必要に応じ
て硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライ
ト、ベントナイト、セリサナイト、ゼオライト、ネフェ
リンシナイト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、
フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ド
ロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、
石こう、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルー
ン、石英、石英ガラスなどの無機充填剤や有機,無機顔
料を配合することもできる。また、結晶核剤、透明化
剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、耐候性安定剤、発泡
剤、防黴剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃
助剤等を必要に応じて添加してもよい。さらに、本発明
のマスターバッチの性能を損なわない程度に直鎖状高密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、分岐低密
度ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル−
ペンテン−1、エチレン/プロピレン共重合体エラスト
マーなどの樹脂を添加してもよい。
【0024】また、難白化性に優れたポリプロピレン系
複合材料を製造する場合、本発明のマスターバッチを配
合する手法は簡便であり好ましく、PPペレットとマス
ターバッチをドライブレンドして成形機に投入するだけ
で分散性に優れた複合材料を得ることが可能になる。マ
スターバッチの添加量は難白化性ポリプロピレン系樹脂
中に重量分率で1%以上50%以下であることが好まし
い。1%未満では難白化性が改良できない恐れがあり、
50%を超えるとポリプロピレン系樹脂本来の特性が損
なわれる恐れがある。
【0025】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を説明する
が、これらは例示的なものであって、限定的なものでは
ない。実施例中の各種測定およびエチレン/α−オレフ
ィン共重合体エラストマーの合成は下記の方法により行
った。
【0026】(エチレン/α−オレフィン共重合体のα
−オレフィン含量の測定)ο−ジクロロベンゼンを溶媒
に100MHz、13C−NMRスペクトル(日本電子
(株)製 JNM GX400)測定により算出した。
【0027】(分子量、分子量分布の測定)溶媒にο−
ジクロロベンゼンを用いて140℃におけるゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(ミリポア(株)社製
150C型GPC)にてポリエチレン換算で求めた。
【0028】(白化の測定)1mm厚みの平板を90゜
折曲げて、白化の状態を目視によって観察した。
【0029】参考例1 エチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの合成 5lのオートクレーブにトルエン400mlおよびブテ
ン−1 1100mlを加え40℃に昇温した。さら
に、全圧が8kg/cm2になるようにエチレンを導入
した。次に、別の反応容器にトルエン10ml、メチル
アルミノキサン3mmol、ジフェニルメタン(シクロ
ペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジク
ロライド3μmolを加え、この混合溶液を20分間撹
拌した後、オートクレーブに導入し、重合を開始した。
この重合は全圧を8kg/cm2に保つようにエチレン
を連続的に導入し、40℃で60分間行った。
【0030】重合終了後、多量のエタノールによりポリ
マーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行った。そ
の結果、ブテン−1含量が77重量%のエチレン/ブテ
ン−1共重合体エラストマーを102g得た。数平均分
子量45000、Mw/Mn=2.6、23℃の密度は
0.863g/cm3であり、DSC測定を行っても結
晶融解ピークは観測できなかった。また、〔低分子量留
分10%中の平均α−オレフィン含量(モル%)〕/
〔高分子量留分10%中の平均α−オレフィン含量(モ
ル%)〕として求められる組成分布差は1.10であっ
た。
【0031】参考例2 エチレン/ブテン−1共重合体エラストマーの合成 ブテン−1をヘキセン−1に変え、ヘキセン−1含量が
82重量%のエチレン/ヘキセン−1共重合体エラスト
マーを得た。このエラストマーの数平均分子量は990
00、Mw/Mn=2.1、23℃の密度は0.860
g/cm3であり、DSC測定を行っても結晶融解ピー
クは観測できなかった。また、組成分布差は1.06で
あった。
【0032】実施例1 インパクトPP(東ソーポリプロJ7090B、エチレ
ン含量:7.0%、MFR:9.0g/10分)90g
と参考例1で得られたエチレン/ブテン−1共重合体エ
ラストマー90g、熱安定剤としてヒンダードフェノー
ル系安定剤(イルガノックス1010(チバ・ガイギー
社製))、リン系安定剤(イルガフォス168(チバ・
ガイギー社製))をそれぞれ1000ppm、滑剤とし
てステアリン酸カルシウム2000ppm、シリコンオ
イル(東芝シリコーンTSF451−1M)5000p
pmを設定温度200℃にて内容積200ccのラボプ
ラストミルインターナルミキサー(東洋精機製作所製)
で混練した。得られた複合材料をラボプラストミル単軸
押出し機に投入し、ストランドカットを行いペレット化
し、さらにペレットにタルク(富士タルク製、LSM#
300)を打粉し、マスターバッチとした。
【0033】得られたマスターバッチ30gをインパク
トPP(東ソーポリプロJ7030B、エチレン含量:
7.0%、MFR:3.0g/10分)180gとペレ
ットブレンドし、これに少量のカーボンブラックを添加
して射出成形(ミニマット、住友重機械工業製)を行っ
て1mm厚みの平板を得た。得られた平板は突き出しピ
ンによる白化が認められず難白化性に優れていた。
【0034】比較例1 実施例1と同様の成形条件でマスターバッチを添加して
いないインパクトPPの成形を行ったが、突き出しピン
による白化を生じた。また、成形試料を90゜折曲げた
場合、マスターバッチ添加系は白化が生じなかったのに
対して、無添加系は著しい白化が生じた。
【0035】実施例2 ポリプロピレン単独重合体(東ソーポリプロJ5200
A、MFR:20g/10分)72gと参考例2のエチ
レン/ヘキセン−1共重合体エラストマー108g、熱
安定剤としてヒンダードフェノール系安定剤(イルガノ
ックス1010(チバ・ガイギー社製))、リン系安定
剤(イルガフォス168(チバ・ガイギー社製))をそ
れぞれ1000ppm、滑剤としてステアリン酸カルシ
ウム5000ppmを設定温度200℃にて内容積20
0ccのラボプラストミルインターナルミキサー(東洋
精機製作所製)で混練した。得られた複合材料をラボプ
ラストミル単軸押出し機に投入し、ストランドカットを
行いペレット化し、さらにペレットにポリプロピレンパ
ウダーを打粉し、マスターバッチとした。
【0036】得られたマスターバッチ20gをエチレン
/プロピレンランダム共重合体(東ソーポリプロJ60
80A、エチレン含量:3.2%、MFR:8.0g/
10分)180gとペレットブレンドし、射出成形(ミ
ニマット、住友重機械工業製)を行って1mm厚みの平
板を得た。得られた平板は突き出しピンによる白化が認
められず難白化性に優れており、透明性にも優れてい
た。
【0037】比較例2 実施例2と同様の成形条件でマスターバッチを添加して
いないエチレン/プロピレンランダム共重合体の成形を
行ったが、突き出しピンによる白化を生じ、透明性を損
なった。また、成形試料を90゜折曲げた場合、マスタ
ーバッチ添加系は白化が生じなかったのに対して、無添
加系は著しい白化が生じた。
【0038】比較例3 実施例1において、インパクトPPを30gと共重合体
エラストマーを150gとした以外は同様の手法で混練
してストランドカットを行ったが、自着が激しくペレッ
ト化することはできなかった。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明のマスターバッ
チは使用に際して取り扱いが容易であると共に、本マス
ターバッチをポリプロピレン系樹脂に配合することによ
って容易に難白化性に優れたポリプロピレン系複合材料
を得ることができ、自動車内装材、家電製品、日用品、
容器などに適したものとなる。
【0040】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂(A)20〜65重
    量%と(a)〜(d)の要件を満たすエチレン/α−オ
    レフィン共重合体エラストマー(B)80〜35重量%
    からなるポリプロピレン系樹脂マスターバッチ用組成
    物。 (a)α−オレフィンの炭素数が4以上20以下 (b)α−オレフィンの含量が65重量%より多く95
    重量%以下 (c)23℃における密度が0.88g/cm3未満 (d)示差走査型熱量計による結晶融解ピークが観測さ
    れない
  2. 【請求項2】請求項1に記載のマスターバッチの表面に
    炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ステ
    アリン酸、ポリオレフィンパウダーのうち1種または2
    種以上が打粉されていることを特徴とするマスターバッ
    チ。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂に請求項1または2
    に記載のマスターバッチを配合することを特徴とする難
    白化性ポリプロピレン系樹脂の製造方法。
JP10622295A 1995-04-28 1995-04-28 ポリプロピレン系樹脂用マスターバッチおよび難白化性ポリプロピレン系樹脂の製造方法 Pending JPH08302086A (ja)

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Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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