JPH0827361A - エポキシ樹脂組成物の製造方法及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物の製造方法及びエポキシ樹脂組成物

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JPH0827361A
JPH0827361A JP18190594A JP18190594A JPH0827361A JP H0827361 A JPH0827361 A JP H0827361A JP 18190594 A JP18190594 A JP 18190594A JP 18190594 A JP18190594 A JP 18190594A JP H0827361 A JPH0827361 A JP H0827361A
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英一 浅野
Kazutoshi Tomiyoshi
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Hatsuji Shiraishi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボイドの発生が非常に少なく、成形性に優れ
た硬化物を与え、半導体装置の封止樹脂として好適なエ
ポキシ樹脂組成物を工業的に有利に製造する。 【構成】 エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、硬化
触媒を必須成分とし、無機質充填剤を好ましくは73体
積%以上含有するエポキシ樹脂組成物を製造する際、未
硬化の状態で予め該組成物に配合する一部又は全部の無
機質充填剤表面を該組成物に配合する一部又は全部のエ
ポキシ樹脂及び/又は硬化剤で表面処理した後、該表面
処理後の無機質充填剤を他の成分と均一に混合し、混練
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイドの発生が非常に
少なく、成形性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組
成物を工業的に有利に得ることができるエポキシ樹脂組
成物の製造方法及びこの方法により得られるエポキシ樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
半導体パッケージの薄型化に伴い、種々の問題が発生し
てきている。例えば最近では、プリント基板に実装する
前にパッケージが吸湿していた場合、高温の半田槽に浸
漬させると、パッケージ中で水蒸気爆発が起こり、クラ
ックが入る問題が指摘されている。
【0003】そこで、この種の問題の対策として、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂のような比較的粘度の低いエポキ
シ樹脂を用い、かつ無機質充填剤を多量に充填すること
で吸湿量を減らし、パッケージクラックを防止する方向
で検討がなされている。
【0004】しかしながら、無機質充填剤の充填量が特
に73体積%以上になると、半導体パッケージ中に多数
のボイドが発生し、半導体の信頼性が低下するといった
不具合が大きな問題となっている。この問題点について
は、混練時間を長くしたり、混練温度を上げて樹脂粘度
を下げた状態で十分長い時間混練することで対応してい
るが、ボイド発生を皆無にするに至っていないのが現状
であった。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、ボイド発生が非常に少なく成形性に優れた
硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を工業的に有利に製
造することができるエポキシ樹脂組成物の製造方法及び
この方法で得られるエポキシ樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹
脂、硬化剤、無機質充填剤、硬化触媒を必須成分とする
エポキシ樹脂組成物を製造する際、未硬化の状態で予め
前記組成物に配合する一部又は全部の無機質充填剤表面
を前記組成物に配合する一部又は全部のエポキシ樹脂及
び/又は硬化剤で表面処理した後、この表面処理無機質
充填剤を残りの成分と均一に混合し、混練することによ
り、無機質充填剤表面の空気や無機質充填剤の凝集物中
に含まれる空気が除去され、半導体パッケージを封止し
てもボイドの発生がなく、しかも溶融粘度が従来の方法
で製造したものに比較して非常に低く、成形性に優れた
硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を工業的に有利に製
造し得ることを知見し、本発明をなすに至ったものであ
る。
【0007】この場合、本発明者は、多量の無機質充填
剤、特に73体積%以上もの無機質充填剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物を用いて半導体装置を封止する場合、
多数のボイドが発生する原因を詳細に調査した結果、無
機質充填剤の表面が樹脂で均一に被覆されておらず、一
部空気を巻き込んだ状態で樹脂中に分散していたり、あ
るいは無機質充填剤同士が凝集し、中に空気を抱え込ん
でいることがボイドの原因であること、更に、この無機
質充填剤の被覆の不均一性が、上記のように無機質充填
剤を予めエポキシ樹脂又は硬化剤で表面処理する工程を
行ってエポキシ樹脂組成物を製造することで満足に改善
し得ることを知見し、本発明をなすに至ったものであ
る。
【0008】従って、本発明は、エポキシ樹脂、硬化
剤、無機質充填剤、硬化触媒を必須成分とするエポキシ
樹脂組成物を製造する際、未硬化の状態で予め該組成物
に配合する一部又は全部の無機質充填剤表面を該組成物
に配合する一部又は全部のエポキシ樹脂及び/又は硬化
剤で表面処理した後、該表面処理した無機質充填剤を残
りの成分と均一に混合し、混練することを特徴とするエ
ポキシ樹脂組成物の製造方法、及びこの製造方法で得ら
れたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明に係わるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹
脂、硬化剤、無機質充填剤、硬化触媒等を配合してなる
ものである。
【0010】ここで、第1成分のエポキシ樹脂として
は、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するもの
であれば特に制限はなく、具体的にはビスフェノ−ルA
型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エ
ポキシ樹脂、グリシジル型エポキシ樹脂、ビフェニル型
エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、シクロ
ペンタジエン含有エポキシ樹脂等の下記式で示されるエ
ポキシ樹脂等を例示することができる。なお、これらエ
ポキシ樹脂は1種を単独で使用しても2種以上を組み合
わせて使用してもよいが、無機質充填剤を高充填するた
めにはこれらの中でもビフェニル型エポキシ樹脂、ナフ
タレン環含有エポキシ樹脂が好適に使用される。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】 (nは0〜6の整数である。)
【0014】また、上記エポキシ樹脂は、軟化点が50
〜100℃でエポキシ当量が100〜400であること
が好ましい。
【0015】なお、エポキシ樹脂として必要により難燃
化のためブロム化エポキシ樹脂を使用することもでき
る。
【0016】次に、第2成分の硬化剤としては、代表的
なフェノール樹脂が好適に使用され、例えばフェノール
ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェ
ノールメタン、フェノールアラルキル樹脂、ナフタレン
環含有フェノール樹脂、シクロペンタジエン含有フェノ
ール樹脂、テルペン環含有フェノール樹脂などのフェノ
ール性水酸基を2個以上有するものが好適に使用され
る。
【0017】上記フェノール樹脂の中でも、特に軟化点
が60〜120℃の範囲であるものが好ましく、また水
酸基当量が90〜150のものが望ましい。
【0018】本発明では、上記エポキシ樹脂とフェノー
ル樹脂とをエポキシ樹脂中のエポキシ基の量(a)とフ
ェノール樹脂中のフェノール性水酸基の量(b)との比
がa/b=0.5〜2、特に0.8〜1.5となる範囲
で配合することが好ましい。更に、フェノール樹脂の使
用量は、通常エポキシ樹脂100部(重量部、以下同
様)に対して30〜150部、特に40〜120部の範
囲が好ましく、配合量が30部に満たないと十分な強度
が得られない場合があり、150部を超えると未反応の
フェノール樹脂が残って耐湿性が低下する場合がある。
【0019】本発明において、無機質充填剤は、封止材
の膨張係数を小さくし、半導体素子に加わる応力を低下
させるためのものである。具体例としては、破砕状、球
状の形状を持った溶融シリカ、結晶性シリカが主に用い
られるが、この他にアルミナ、窒化珪素、窒化アルミな
ども使用可能である。
【0020】無機質充填剤の平均粒径は、5〜40μ
m、特に10〜30μmの範囲が好適である。
【0021】無機質充填剤の充填量は、適宜選定される
が、好ましくは組成物全体の73体積%以上、より好ま
しくは73〜90体積%、更に好ましくは78〜86体
積%である。充填量が少な過ぎると硬化物の吸水率が多
くなり、パッケージを基板に実装する際に容易にパッケ
ージが破壊してしまう。一方、多過ぎると吸水率を大幅
に低下させることが可能であるが、組成物の溶融粘度が
高くなりすぎて良好な成形品が得られない場合がある。
なお、73体積%以上の高充填化を可能とするためには
球状と破砕品とのブレンド、あるいは球状品のみを用
い、かつ最密充填を可能とするように予め粒度分布を調
整することが望ましい。
【0022】この種の無機質充填剤は、予めシランカッ
プリング剤で表面処理して使用することが好適であり、
この表面処理は後述の方法により行なうことができる。
【0023】更に、硬化触媒としては、イミダゾール又
はその誘導体、トリフェニルホスフィン、トリス−p−
メトキシフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホス
フィン等のホスフィン誘導体、ジアザビシクロウンデセ
ン(DBU)等のシクロアミジン誘導体が代表例として
挙げられるが、中でもホスフィン誘導体が電気特性、耐
湿信頼性の面から望ましい。
【0024】硬化触媒の添加量は、エポキシ樹脂100
部に対して0.001〜5部、特に0.1〜2部が好ま
しい。添加量が0.001部に満たないと短時間で硬化
させることができない場合があり、5部を超えると硬化
速度が速すぎて良好な成形品が得られないばかりか、保
存安定性も低下してしまう場合がある。
【0025】本発明組成物には、低応力化のためシリコ
ーン系の可とう性付与剤を添加することが望ましく、例
えばシリコーンゴムパウダー、シリコーンゲル、有機樹
脂とシリコーンポリマーとのブロックポリマー等が挙げ
られる。
【0026】低応力剤の添加量は、組成物全体の0.5
〜10重量%、特に1〜5重量%が望ましく、0.5重
量%に満たないと十分な耐衝撃性を与えない場合があ
り、10重量%を超えると機械的強度が不十分になる場
合がある。
【0027】本発明に係わるエポキシ樹脂組成物には、
必要に応じ、その他の成分として例えばカルナバワック
ス、高級脂肪酸、合成ワックス類等の離型剤、更にシラ
ンカップリング剤、酸化アンチモン、リン化合物などを
配合してもよい。なお、これら成分の添加量は、本発明
の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0028】本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法に
おいては、上記したエポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填
剤、硬化触媒を配合してなるエポキシ樹脂組成物を製造
する際、未硬化の状態で予め無機質充填剤表面をエポキ
シ樹脂及び/又は硬化剤により表面処理した後、この表
面処理無機質充填剤と残りの成分とを均一に混合、混練
するものである。
【0029】ここで、無機質充填剤の表面処理は、組成
物に配合する一部又は全部のエポキシ樹脂もしくは硬化
剤、又はエポキシ樹脂と硬化剤とを使用して、組成物に
配合する一部又は全部の無機質充填剤を処理する。
【0030】上記処理において、無機質充填剤の処理に
使用するエポキシ樹脂及び硬化剤は、組成物に配合する
エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量の10重量%以上、特
に25重量%以上の割合で使用することが好適であり、
10重量%未満では無機質充填剤の表面を均一に処理す
ることが難しく、確実にボイドを減少させることができ
ない場合がある。なお、ボイドのない成形品を得るため
には、少なくともエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂
と硬化剤との合計量の25重量%以上のエポキシ樹脂及
び/又は硬化剤で無機質充填剤表面を処理することが好
ましく、25重量%未満では、無機質充填剤表面を十分
処理することができず、ボイドが発生し易くなる場合が
ある。
【0031】また、上記表面処理では、組成物に配合す
る無機質充填剤の50重量%以上、特に70〜100重
量%を処理することが望ましく、50重量%未満では未
処理の無機質充填剤が多すぎて樹脂と充填剤表面の濡れ
が悪くなり、ボイド発生の原因となる場合がある。
【0032】更に、無機質充填剤の表面処理方法として
は、典型的にはエポキシ樹脂、硬化剤と無機質充填剤と
を混合する方法が採用される。例えば上記エポキシ樹
脂、硬化剤を有機溶剤に溶解した溶液中に無機質充填剤
を入れて懸濁させた後、スプレードライで乾燥する方法
が採用され、更にジェット機構を利用し、核になる無機
質充填剤の分散したものと有機樹脂、硬化剤を溶解した
スプレー溶液を衝突させ、無機質充填剤の表面にコーテ
ィング皮膜を形成し、これを乾燥させることで皮膜を固
定化させる方法、均一に流動化した無機質充填剤に有機
樹脂を溶解したスプレー溶液をスプレーすることで無機
質充填剤表面をコーティングする流動層造粒コーティン
グ装置などによるコーティング法などを採用して行うこ
とができる。また、高速乾式粉砕機型のメカノフュージ
ョン、ハイブリタイザーシステムなどを利用しても無機
質充填剤表面に有機樹脂をコーティングすることができ
る他、加圧ニーダー等で無機質充填剤表面を処理しても
よい。
【0033】上記方法において、有機溶剤としては、ケ
トン系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、塩素
系溶剤などが主に用いられ、トルエンやキシレンのよう
な無極性溶剤も樹脂が可溶であれば用いることができる
が、これらの中ではメチルエチルケトン、アセトン、メ
チルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤が望ましい。
なお、有機溶剤としては沸点が200℃以下のものがよ
り好適に使用できる。
【0034】また、有機溶剤の除去は、150℃以下の
温度で減圧下で除去することが望ましい。150℃を超
える温度で長時間にわたって有機溶剤除去を行うと、硬
化触媒が未存在にも係わらずエポキシ樹脂が反応し、高
粘度化するといった問題が生じる恐れがある。なお、有
機溶剤の除去は、樹脂が硬化しない状態で維持できれば
いかなる方法であってもよい。
【0035】本発明では、上記処理工程において更にシ
ランカップリング剤のような表面処理剤を添加し、処理
してもよい。この際は、有機溶剤中にシランカップリン
グ剤等の表面処理剤を添加した後、無機質充填剤を加
え、表面処理剤と充填剤表面を反応させた後、エポキシ
樹脂等を加えて処理した方がよい。
【0036】上記処理した無機質充填剤は、無機質充填
剤と処理しようとする樹脂等との配合比率により粉末状
で得られたり、ブロック状であったりする。混練工程を
回転ロールのようなもので行う場合は、特に樹脂で表面
処理した無機質充填剤の形状にはとらわれない。連続混
練機で混練を行う際、粉末状の物はそのままの状態で次
工程に送れるが、ブロック状の物は次工程に送る前に予
め粉末状にしておくことが望ましい。
【0037】本発明方法では、前述の未硬化樹脂で処理
した無機質充填剤と、もし残余のエポキシ樹脂や硬化剤
が存在すればこの残余の樹脂粉末、硬化触媒、更には必
要に応じ各種添加剤を均一に混合し、加熱ロールや連続
混練機で混練することによりエポキシ樹脂組成物を製造
する。
【0038】このようにして得られる本発明のエポキシ
樹脂組成物は、SOP、SOJ、TSOP、TQFPな
どの半導体装置の封止用に有効に使用でき、ここで、半
導体装置の封止を行う場合は、従来より採用されている
成形法、例えばトランスファー成形、注型法などを採用
して行うことができる。この場合、エポキシ樹脂組成物
の成形温度は150〜180℃で30〜180秒、ポス
トキュアーは150〜180℃で2〜16時間行うこと
が望ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法
によれば、ボイドの発生が非常に少なく、成形性に優れ
た硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を工業的に有利に
製造することができる。よって、本発明方法により得ら
れるエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置
は、信頼性の高いものである。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
る。
【0041】〔実施例、比較例〕 処理シリカA,Bの製造:表1に示す樹脂をアセトン2
500部に完全に溶解した後、これに最密充填可能なよ
うに粒度調整した平均粒径28μmの球状シリカ100
0部を添加し、十分に攪拌混合した後、減圧下で最高温
度100℃まで加熱してアセトンを除去した。得られた
処理シリカが凝集していた場合は、ボールミルで粉砕し
た。 処理シリカC,Dの製造:最密充填可能なように粒度調
整した平均粒径28μmの球状シリカ1000部、シラ
ンカップリング剤(KBM403)及びDBU0.1部
をアセトン2500部に溶解し、完全に溶解させた後、
表1に示す樹脂を添加し、完全に溶解させた。その後、
減圧下で最高温度100℃まで加熱してアセトンを除去
した。得られた処理シリカが凝集していた場合は、ボー
ルミルで粉砕した。 処理シリカEの製造:最密充填可能なように粒度調整し
た平均粒径28μmの球状シリカ1000部、表1に示
す樹脂を100℃に加熱した加圧ニーダーに入れ、完全
に樹脂が溶融した状態で10分間混練した。その後、ニ
ーダーから取り出し、薄くシート状にして冷却した後、
微粉砕した。
【0042】
【表1】 *:ビフェニル型エポキシ樹脂(YX4000H:油化
シェル社製) エポキシ樹脂(EOCN4400:日本化薬社製) アラルキルフェノール樹脂(MYLEX:三井東圧社
製) テルペン環含有フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェ
ノール樹脂(MEH7710:明和化成社製) ビシクロペンタジエン含有フェノール樹脂(DPR50
00:日本石油化学社製) フェノールノボラック樹脂(TD2131:大日本イン
キ社製) 臭素含有エポキシ樹脂(BREN−S:日本化薬社製) KBM403(信越化学工業社製)
【0043】次に、表2に示すようにエポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、三酸化アンチモ
ン(PATOX C:日本精鉱社製)、シランカップリ
ング剤(KBM403:信越化学工業社製)、硬化触媒
(TPP:北興化学社製)、カルナバワックス、カーボ
ンブラック及び表1に示す処理シリカ又は未処理シリカ
を配合し、高速攪拌装置で均一になるまで混合した後、
連続混練機で混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0044】これらのエポキシ樹脂組成物について、以
下の(イ)〜(ホ)の諸特性を測定した。結果を表2に
示す。 (イ)スパイラルフロー EMMI規格に準じた金型を使用して175℃、70k
g/cm2の条件で測定した。 (ロ)機械的強度(曲げ強度、曲げ弾性率) JIS−K6911に準じて175℃、70kg/cm
2、成形時間2分の条件で10×100×4mmの抗折
棒を成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたもの
で測定した。 (ハ)溶融粘度 島津高化式フローテスターを用い、175℃における溶
融粘度を測定した。 (ニ)吸湿後の耐半田クラック性及び耐湿性 175℃、70kg/cm2、成形時間2分の条件でア
ルミニウム配線腐食測定用の耐湿性試験用半導体装置を
厚さ2mmのフラットパッケージに封止し、180℃で
4時間ポストキュアーした。この10個のパッケージを
85℃/85%RHの雰囲気中72時間放置して吸湿処
理を行った後、これを260℃の半田浴に10秒間浸漬
した。この時に発生するパッケージのクラック発生数を
確認した後、良品のみを120℃の飽和水蒸気雰囲気中
に500時間放置し、不良発生数を調べた。 (ホ)ボイド発生 4MDRAMのSOJパッケージを175℃/70kg
/cm2の成形条件で各々の組成物で成形した後、パッ
ケージ10個中における0.5mm以上のボイドを超音
波探傷装置で検出し、パッケージ1個当たりの平均値を
ボイド数とした。
【0045】表2の結果より、本発明方法により得られ
るエポキシ樹脂組成物は、ボイドの発生が非常に少な
く、成形性に優れた硬化物を与えることが確認された。
【0046】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 英一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 富吉 和俊 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 白石 初二 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、
    硬化触媒を必須成分としてエポキシ樹脂組成物を製造す
    る際、未硬化の状態で予め該組成物に配合する一部又は
    全部の無機質充填剤表面を該組成物に配合する一部又は
    全部のエポキシ樹脂及び/又は硬化剤で表面処理した
    後、該表面処理した無機質充填剤を残りの成分と均一に
    混合し、混練することを特徴とするエポキシ樹脂組成物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 無機質充填剤の量が組成物全体の73体
    積%以上である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造方法で得られ
    たエポキシ樹脂組成物。
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