JP3856061B2 - 触媒組成物及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂組成物の硬化触媒として有用な触媒組成物、及び保存安定性及び流動性が良好であり、成形性、作業性等の特性に優れた硬化物を与える上記触媒組成物を配合したエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、半導体産業の中で樹脂封止型のダイオード、トランジスタ、IC、LSI、超LSIが主流となっており、中でもエポキシ樹脂、硬化剤及びこれに各種添加剤を配合したエポキシ樹脂組成物は、一般に他の熱硬化性樹脂に比べ成形性、接着性、電気特性、機械的特性、耐湿性等に優れているため、エポキシ樹脂組成物で半導体装置を封止することが多く行われている。しかし、最近においてはこれらの半導体装置は集積度が益々大きくなり、それに応じてチップ寸法も大きくなりつつある。
【0003】
一方、これに対してパッケージ外形寸法は電子機器の小型化、軽量化の要求に伴い、小型化、薄型化が進んでいる。更に、半導体部品を回路基板へ取り付ける方法も、基板上の部品の高密度化のため半導体部品の表面実装がよく行われるようになってきた。
【0004】
しかしながら、半導体装置を表面実装する場合、半導体装置全体を半田槽に浸漬するか、又は半田が溶融する高温ゾーンを通過させる方法が一般的であるが、その際の熱衝撃により封止樹脂層にクラックが発生したり、リードフレームやチップと封止樹脂との界面に剥離が生じたりする。このようなクラックや剥離は、表面実装時の熱衝撃以前に半導体装置の封止樹脂層が吸湿していると更に顕著なものとなるが、実際の作業工程においては、封止樹脂層の吸湿は避けられず、このため実装後のエポキシ樹脂で封止した半導体装置の信頼性が大きく損なわれる場合がある。
【0005】
そのため、このようなポップコーン対策として、これまでフィラー高充填による低吸湿化が行われてきた。また、薄型パッケージの成形性向上を図るため、エポキシ樹脂組成物の低粘度化が行われ、更に、生産性の向上に対応し、成形サイクル短縮のための速硬化触媒も検討されてきた。
【0006】
しかしながら、従来の硬化触媒、例えば第3級アミン化合物、イミダゾール系化合物、第3級ホスフィン化合物等のリン系化合物などを用いた場合には、混練時に粘度が高くなるという問題点があった。更に、速硬化用触媒として、触媒量を増量した場合は、ゲル化物が多くなるという問題があった。また、特にリン系触媒は、エポキシ樹脂中に混練りされた場合、触媒効果が失活する問題があった。
【0007】
このように従来の触媒は、エポキシ樹脂組成物の硬化触媒として用いた場合、近年の要望に応え得る高品質の硬化物を与えるとは言い難いものであった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、エポキシ樹脂組成物の硬化触媒として好適な触媒組成物、及び保存安定性及び流動性が良好で、ゲル化物が少なく、成形性、作業性等の特性に優れた硬化物を与える触媒組成物を配合したエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、エポキシ樹脂用硬化触媒に顔料、特に酸素含有量0.1〜1.2重量%のカーボンブラックを特定量添加混合した触媒組成物が、これをエポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤を下記に示す特定量で含有するエポキシ樹脂組成物に配合した場合、硬化触媒と上記顔料との相互作用により上記触媒組成物が優れた潜在性触媒として働き、保存安定性及び流動性が良好で、速やかに硬化し、ゲル化物が少なく、成形性、作業性等の特性に優れた硬化物を与えることを知見し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は、
(1)リン系化合物、第3級アミン化合物及びイミダゾール化合物から選ばれる1種又は2種以上のエポキシ樹脂用塩基性硬化触媒100重量部に対して、顔料としてカーボンブラック5〜30重量部を添加混合してなることを特徴とする触媒組成物、及び、
(2)顔料が、酸素含有量0.1〜1.2重量%のカーボンブラックである上記触媒組成物、
(3)(イ)エポキシ樹脂 100重量部
(ロ)硬化剤 30〜100重量部
(ハ)無機質充填剤
前記エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量100重量部に対して200〜1,000重量部
(ニ)上記触媒組成物
前記エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部
を配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物
を提供する。
【0011】
以下、本発明について更に詳しく説明すると、本発明の触媒組成物は、エポキシ樹脂用硬化触媒100重量部に対して、顔料5〜30重量部を添加混合してなるものである。
【0012】
ここで、硬化促進剤である硬化触媒としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート等のホスフィン系化合物などの有機リン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のシクロアミジン誘導体などの第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。
【0013】
上記硬化触媒の粒径は、微粉であるほど良好であり、平均粒径が200μm以下、特に100μm以下であり、更に好ましくは0.5〜100μm、とりわけ5〜50μmであることが好適である。平均粒径が200μmより大きいと、均一分散されないため良好な顔料との相互作用混合物が得られない場合がある。
【0014】
これらの硬化触媒と共に相互作用混合物として使用される顔料としては、例えばカーボンブラックの他、フタロシアニン系、ジオキサン系、アントラキノン系、コバルト系、チタン系、クロム系、鉛系、カドミウム系などの各種顔料が挙げられるが、特にカーボンブラックが好適に使用される。
【0015】
カーボンブラックとしては、例えば炭化水素を炉中で熱分解して製造するオイルファーネスブラック、アセチレン、メタンを原料とするサーマルブラック法によるカーボンブラック等がある。これらカーボンブラックの具体例としては、デンカブラック(電気化学工業(株)製)、三菱カーボン#3250B((株)三菱マテリアル)、旭カーボンA−70((株)旭カーボン)、ラーベン1255デンス(コロンビアカーボン(株))等がある。特に本発明では、デンカブラックが好適に使用される。
【0016】
ここで、カーボンブラックは、下記のような表面官能基を有するものである。
【0017】
【化1】
【0018】
本発明では、上記カーボンブラックの官能基であるケトン基、カルボキシル基、酸無水物、水酸基等と上記硬化触媒が相互作用し、得られた相互作用混合物が潜在性に優れた触媒となる。前述した触媒は、塩基性触媒であり、上記カーボンブラックのケトン基等の官能基との相互作用が常温で容易に進行する。特にリン系触媒は、エポキシ樹脂中に混練りされた場合、触媒効果が失活する問題があったが、このような相互作用混合物である本発明の触媒組成物を使用することにより、リン系触媒のエポキシ樹脂中での失活問題を解決することができる。
【0019】
カーボンブラック中のケトン基等の官能基量は、元素分析から酸素量として測定され、上記カーボンブラックの酸素含有量は、0.1〜1.2重量%、好ましくは0.1〜0.6重量%である。酸素含有量が1.2重量%を超えると、触媒が失活して硬化反応が悪くなる場合があり、0.1重量%未満では、十分な反応生成物が得られず潜在性触媒としての効果が得られない場合が生じる。
【0020】
これらの硬化触媒と顔料との混合方法は、溶融混合法、ドライブレンド法などを採用することができる。ドライブレンド法の場合は、顔料は微粉が好ましく、かさ密度で0.01〜0.3g/mlが良好であり、特に0.1〜0.25g/mlが好ましい。かさ密度が0.3g/mlを超えると、顔料と硬化触媒が均一分散できないため、特に潜在性触媒としての特性が得られない場合があり、0.01g/ml未満では、作業中に飛散し易いため、取り扱いが不便になる場合がある。
【0021】
混合方法としては、例えばブレンダー法、ヘンシェル法、パンミル法、パワーミル法、バーチカル法等を挙げることができる。
【0022】
溶融混合法の場合、触媒の融点以上の温度で混合する必要があり、触媒と顔料との混合物の融点は、見掛け上、触媒の融点以上の温度になる。
【0023】
本発明の触媒組成物は、硬化触媒100重量部に対して上記顔料を5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部の割合で添加混合する。顔料の添加量が5重量部未満では、満足な添加効果が得られず、30重量部を超えると触媒が失活し易くなり、硬化性が低下してしまう。
【0024】
次に、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、上記触媒組成物等を配合してなるものである。
【0025】
このエポキシ樹脂組成物を構成するエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ樹脂を少なくとも2個有するものであれば如何なるものであってもよい。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、シクロペンタジエン含有エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、これらエポキシ樹脂を適宜組み合わせてもよいが、中でも無機質充填剤を高充填するためビフェニル型エポキシ樹脂やナフタレン環含有エポキシ樹脂が望ましい。これらエポキシ樹脂は、軟化点が50〜100℃でエポキシ当量が100〜400を有するものが望ましい。更に、難燃化のためブロム化エポキシ樹脂を使用することができる。
【0026】
本発明の硬化剤としては、酸無水物、アミン化合物、フェノール化合物など、エポキシ樹脂の硬化剤として従来公知のものをいずれも使用可能であるが、代表的な硬化剤であるフェノール樹脂が好適に使用され、フェノール樹脂としては、例えばノボラック型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、シクロペンタジエン含有フェノール樹脂、テルペン環含有フェノール樹脂などのフェノール性水酸基を2個以上有するものが挙げられる。前記フェノール樹脂の中では、軟化点が60〜120℃を有するものが好ましい。水酸基当量としては90〜150のものが好ましい。
【0027】
このフェノール樹脂の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対し30〜100重量部、好ましくは40〜70重量部である。30重量部未満では十分な強度が得られず、一方、100重量部を超えると未反応のフェノール樹脂が残って耐湿性が低下する。なお、フェノール樹脂の使用量は、上記範囲でエポキシ基に対する水酸基の当量比が0.5〜2.0、特に0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。
【0028】
本発明組成物に配合する無機質充填剤は、封止材の膨張係数を小さくし、半導体素子に加わる応力を低下させるためのものである。具体例としては、破砕状、球状等の形状をもった溶融シリカ、結晶性シリカ等が主に用いられる。この他にアルミナ、チッ化ケイ素、チッ化アルミなども使用可能である。
【0029】
無機質充填剤としては、平均粒径が5〜40μm、特に10〜30μmのものが好ましい。この種の無機質充填剤は、あらかじめシランカップリング剤で表面処理して使用したほうが望ましい。
【0030】
無機質充填剤の充填量は、樹脂成分(エポキシ樹脂及び硬化剤)の合計量100重量部に対して200〜1,000重量部、好ましくは500〜700重量部である。200重量部に満たないと膨張係数が大きくなって半導体素子に加わる応力が増大し素子特性が劣化し、1,000重量部を超えると成形時の粘度が高くなって成形性が悪くなる。
【0031】
次に、本発明では、硬化促進剤として上記触媒組成物を配合する。触媒組成物の配合量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量100重量部に対して混合物中の硬化触媒量が0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。0.1重量部未満では短時間で硬化させることができず、10重量部を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品が得られないばかりか、保存安定性も低下し、更に硬化物の抽出水塩素が多くなり、電気特性が低下する。
【0032】
本発明では、上記触媒組成物の他に、イミダゾールもしくはその誘導体、トリフェニルホスフィン、トリスp−メトキシフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのホスフィン誘導体、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7などのシクロアミジン誘導体等のエポキシ樹脂の硬化促進剤として従来より使用されている通常の硬化触媒を必要に応じて併用可能である。なお、これら他の硬化触媒の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0033】
本発明の触媒組成物を使用することにより、通常の触媒を配合した場合或いは通常の硬化触媒と顔料とを別個にエポキシ樹脂組成物に配合した場合よりも、ゲル化時間が長くなり、かつ所定条件下での硬化性(175℃/90秒)も良好である。つまり、本発明の触媒組成物は、通常の触媒を配合した場合或いは通常の硬化触媒と顔料とを別個に組成物中に配合した場合よりも、初期の硬化性が遅く、所定の硬化条件下(175℃/90秒)では、通常の触媒と硬化性において同等である、潜在性触媒としての特徴があり、本発明の触媒組成物を使用することにより、通常触媒よりも成形性が良好になる長所がある。
【0034】
なお、初期の硬化性が通常触媒よりも遅いため、初期の硬化性を要求される速硬化性触媒の用途に対しては、本発明の触媒組成物と通常触媒とを併用することが望ましい。
【0035】
更に、本発明では、上述した必須成分に加え、低応力化のためにシリコーン系の可撓性付与剤を添加することが好ましい。可撓性付与剤としては、例えばシリコーンゴムパウダー、シリコーンゲル、有機樹脂とシリコーンポリマーとのブロックポリマーなどが挙げられる。なお、このような可撓性付与剤を添加する代わりに二液タイプのシリコーンゴムやシリコーンゲルで無機質充填剤表面を処理してもよい。
【0036】
また、上記可撓性付与剤の使用量は、組成物全体の0.5〜10重量%、特に1〜5重量%とすることが好ましく、使用量が0.5重量%未満では十分な耐衝撃性が得られない場合があり、10重量%を超えると機械的強度が不十分になる場合がある。
【0037】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてその他の任意成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。このような任意成分としては、例えばカルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス類などの離型剤、MBS樹脂等の熱可塑性樹脂、シランカップリング剤、酸化アンチモン、リン化合物等が挙げられる。
【0038】
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、その製造に際し、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め70〜95℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルダーなどで混練、冷却し、粉砕するなどの方法で得ることができる。なお、成分の配合順序に特に制限はない。
【0039】
上述したように、本発明のエポキシ樹脂組成物はIC、LSI、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等の半導体装置の封止用に好適に使用できるものであり、プリント回路板の製造などにも有効に使用できる。ここで、半導体装置の封止を行う場合、半導体封止用樹脂組成物の成形温度は150〜180℃、ポストキュアーは150〜180℃で2〜16時間行うことが好ましい。
【0040】
【発明の効果】
本発明の触媒組成物は、潜在性に優れた触媒であり、エポキシ樹脂組成物の硬化促進剤として使用することにより、保存安定性及び流動性が良好で、かつ潜在性に優れ、ゲル化物が少なく、成形性、作業性等の特性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を得ることができるもので、エポキシ樹脂組成物の硬化触媒として好適である。本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記特性を有することから、半導体封止用樹脂等として有効に利用できる。
【0041】
【実施例】
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも重量部である。
【0042】
〔実験例1〕顔料の種類の検討
10Lのヘンシェルミキサーにトリフェニルホスフィン(TPP)3,000部、表1に示すような酸素含有量の異なる顔料(カーボンブラック)600部を入れ、5分間高速撹拌して、表1に示される触媒マスター(1)〜(5)を得た。
【0043】
次に、溶融破砕シリカ300部、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂60部、フェノールノボラック樹脂33部の系に触媒マスター(1)〜(5)1.0部を混練りしてエポキシ樹脂組成物を調製し、ゲル化時間及び硬化性を下記方法で測定した。結果を表1に示す。
ゲル化時間:
ゲル化時間を175℃で測定した。
硬化性:
175℃、70kg/cm2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの抗折棒を形成した時の熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果より、顔料として酸素含有量が0.1〜1.2重量%のカーボンブラックを使用した場合、より優れた特性を有する硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物が得られることが確認された。
【0046】
〔実験例2〕顔料の配合量の検討
10LのヘンシェルミキサーにTPP3,000部、顔料として触媒マスター(2)と同様のカーボンブラックを表2に示す所定量を入れ、5分間高速撹拌して、表2に示される触媒マスター(6)〜(9)を得た。
【0047】
次に、溶融破砕シリカ300部、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂60部、フェノールノボラック樹脂33部の系に触媒マスター(6)〜(9)の所定量を混練りしてエポキシ樹脂組成物を調製し、実験例1と同様の方法でゲル化時間及び硬化性を測定した。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2の結果より、顔料の配合量を硬化触媒100部に対して5〜30部の範囲とすると、より優れた特性を有する硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物が得られることが確認された。
【0050】
〔実験例3〕触媒組成物の製造法の検討
(イ)ヘンシェル法(ドライブレンド法):
10Lのヘンシェルミキサーに25℃でTPP3,000部、顔料として触媒マスター(2)と同様のカーボンブラック600部を入れ、5分間高速撹拌して、触媒マスター(2)を得た。
(ロ)ニーダー法(ドライブレンド法):
10Lのニーダーを80℃に加熱し、TPP3,000部、顔料として触媒マスター(2)と同様のカーボンブラック600部を入れ、10分間混練りすることにより、触媒マスター(10)を得た。
(ハ)フラスコ法(溶融混合法):
10Lのフラスコを150℃に加熱し、TPP3,000部、顔料として触媒マスター(2)と同様のカーボンブラック600部を入れ、10分間撹拌して、触媒マスター(11)を得た。
【0051】
溶融破砕シリカ300部、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂60部、フェノールノボラック樹脂33部の系に触媒マスター(2),(10),(11)1.0部を混練りしてエポキシ樹脂組成物を調製し、また、比較のため触媒マスター無添加のエポキシ樹脂組成物を調製し、実験例1と同様の方法でゲル化時間及び硬化性を測定した。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
表3の結果より、触媒組成物の製造方法としては、ドライブレンド法、溶融混合法のいずれをも採用できることがわかった。
【0054】
〔実施例、比較例〕
表4,5に示すようにエポキシ樹脂、フェノール樹脂、溶融石英粉末、溶融球状石英粉末、前記触媒マスター(2)を配合し、かつワックスE1.5部、顔料としてカーボンブラック;デンカブラック(電気化学工業(株)製)1.0部、ブロム化エポキシ樹脂6部、三酸化アンチモン7部、及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2部を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕してエポキシ樹脂組成物を調製した。
【0055】
これらのエポキシ樹脂組成物につき、以下の(ニ)〜(ヌ)に示す諸試験を行った。結果を表4,5に示す。
(ニ)スパイラルフロー
EMMI規格に準じた金型を使用して175℃、70kg/cm2の条件で測定した。
(ホ)熱時硬度
175℃、70kg/cm2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの抗折棒を形成した時の熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
(ヘ)保存安定性
各々の材料を25℃に放置した時にスパイラルフロー値がそれぞれの初期値の80%になったときの日数を示した。
(ト)ゲル化時間
組成物のゲル化時間を175℃で測定した。
(チ)ガラス転移温度
膨張係数175℃、70kg/cm2、成形時間2分の条件で4×4×15mmの試験片を成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたものを用い、ディラトメーターにより毎分5℃で昇温させることにより測定した。
(リ)溶融粘度
高化式フローテスター(島津製作所社製)を用いて175℃で測定した。
(ヌ)溶解試験
硬化前試料100gを300mlの広口ビンに秤量し、アセトン200mlを加え、振盪機にて30分間撹拌した。その後、溶解液を70メッシュの金網で濾過し、100℃の乾燥機で10分間乾燥し、金網上の残渣を薬包紙にとり秤量した。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
*1 成形不能
*2 測定不能
エポキシ樹脂A:
エポキシ化クレゾールノボラック樹脂(軟化点55℃、エポキシ当量200、日本化薬社製、EOCN1020−55)
エポキシ樹脂B:
エポキシ化ビフェノール誘導体(軟化点105℃、エポキシ当量190、油化シェル社製、YX4000H)
フェノール樹脂A:
フェノールノボラック樹脂(軟化点80℃、フェノール当量110、大日本インキ社製、TD−2131)
フェノール樹脂B:
フェノールアラルキル樹脂(軟化点70℃、フェノール当量170、三井東圧社製、ミレックスXL−225−3L)
TPP:トリフェニルホスフィン
【0058】
表4,5の結果より、触媒と顔料とを混合することにより得られる相互作用混合物である触媒組成物をエポキシ樹脂組成物の硬化促進剤として用い、かつ他成分を本発明範囲で配合すると、混練り時の粘度上昇も少なく、流動性、保存安定性が良好であり、ゲル化時間も長く成形性に優れた硬化物が得られることが確認された。
Claims (3)
- リン系化合物、第3級アミン化合物及びイミダゾール化合物から選ばれる1種又は2種以上のエポキシ樹脂用塩基性硬化触媒100重量部に対して、顔料としてカーボンブラック5〜30重量部を添加混合してなることを特徴とする触媒組成物。
- 顔料が、酸素含有量0.1〜1.2重量%のカーボンブラックである請求項1記載の触媒組成物。
- (イ)エポキシ樹脂 100重量部
(ロ)硬化剤 30〜100重量部
(ハ)無機質充填剤
前記エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量100重量部に対して200〜1,000重量部
(ニ)請求項1又は2記載の触媒組成物
前記エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部
を配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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CN115716908A (zh) * | 2022-11-21 | 2023-02-28 | 武汉轻工大学 | 中高分子量脂环族环氧树脂的合成方法及其在光电子封装领域的应用 |
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1997
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