JP2018083860A - 複合粒子を含む粉体組成物およびその製造方法 - Google Patents

複合粒子を含む粉体組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐ブロッキング性およびハンドリング性に優れ、且つ、良好な複合材料シートを形成し得る複合粒子を得ることができる、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法を提供する。【解決手段】樹脂および無機粒子Aを含む複合混合物を粉砕して複合粒子を含む粉体組成物を得る粉砕工程を有する、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法であって、前記粉砕工程時に、前記複合混合物に対して、以下の式(1)で表される値が40%以上90%以下となる関係を満たすように、前記無機粒子Bを添加することを特徴とする、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法。{(無機粒子Bの比表面積×前記無機粒子Bの質量)/(前記粉体組成物の比表面積×前記粉体組成物の質量)}×100 ・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、複合粒子を含む粉体組成物および複合粒子を含む粉体組成物の製造方法に関するものである。
近年、熱伝導性などの特性を有する、樹脂および無機粒子を含む複合材料を用いたシート状の部材(複合材料シート)が種々の用途に用いられている。
ここで、複合材料シートは、通常、例えば熱伝導性および導電性などの所望の特性を発揮し得る無機材料と樹脂とを含む複合混合物を用いて、当該複合混合物をシート状に形成することにより製造されている。また、複合混合物をシート状に形成するにあたっては、当該複合混合物がシート化に適した良好な粉体形状および粉体流動性を有するよう、予め、当該複合混合物を解砕、粉砕して複合粒子とした上でシート状に形成することがある。
例えば、特許文献1では、無機材料としての炭素材料とアクリル樹脂とを混合した組成物を、解砕機に投入して解砕し、当該解砕した組成物を圧延成形することにより、熱伝導シート用のシートを形成している。
国際公開第2016/129257号
しかしながら、特許文献1などに記載の従来の方法では、樹脂等を含む組成物(複合混合物)を解砕等した場合であっても、得られた複合粒子中の樹脂に起因したべた付きにより複合粒子同士が膠着して塊状体となる(ブロッキングする)ため、複合粒子としての粉体流動性に劣る虞があることが明らかとなった。このような塊状体は、通常、数cm〜数十cm程度の大きさを有する。従って、複合粒子がブロッキングすると、複合粒子のハンドリング性が悪化し、例えば、当該複合粒子を用いて複合材料シートを形成する際に、複合粒子を均一に供給することが困難となる。結果として、複合粒子の耐ブロッキング性が低いと、良好な複合材料シートを得難い。そして、このような複合粒子のブロッキングの問題は、例えば、粘着性の高い樹脂を用いたり、樹脂の配合量を高めたりして複合材料シートに更なる粘着性および/または柔軟性を与えた場合に、更に顕在化し得ると考えられる。
そこで、本発明は、耐ブロッキング性およびハンドリング性に優れ、且つ、良好な複合材料シートを形成し得る複合粒子を得ることができる、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐ブロッキング性およびハンドリング性に優れ、且つ、良好な複合材料シートを形成し得る複合粒子を含む粉体組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、樹脂および無機粒子を含む複合混合物を粉砕するに際し、当該複合混合物に含まれている無機粒子と同じ又は異なる無機粒子を、添加する無機粒子と得られる複合粒子を含む粉体組成物とが所定の関係を満たすように、タイミングをずらして更に添加することに着目した。そして、本発明者らは、このように複合混合物に無機粒子を更に添加すれば、複合粒子のブロッキングを抑制して良好なハンドリング性を実現でき、良好な複合材料シートを形成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法は、樹脂および無機粒子Aを含む複合混合物を粉砕して複合粒子を含む粉体組成物を得る粉砕工程を有する、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法であって、前記粉砕工程時に、前記複合混合物に対して、以下の式(1):
{(無機粒子Bの比表面積×前記無機粒子Bの質量)/
(前記粉体組成物の比表面積×前記粉体組成物の質量)}×100 ・・・(1)
で表される値が40%以上90%以下となる関係を満たすように、前記無機粒子Bを添加することを特徴とする。このように、上記下限以上の関係を満たすように無機粒子Bを添加して複合混合物を粉砕すれば、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子にブロッキングが生じることを抑制し、優れたハンドリング性を与えることができる。また、無機粒子Bを添加させる際の関係が上記上限以下となるようにすれば、例えば、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子を用いて良好な複合材料シートを得ることができる。
なお、本発明において、無機粒子Aおよび無機粒子Bは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、本発明において、「比表面積」は、本明細書の実施例に記載の方法に従って求めることができる。
また、本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法は、前記無機粒子Bの添加量が、前記無機粒子Aの含有量の80質量%以上500質量%以下であることが好ましい。無機粒子Bの添加量を上記下限以上とすれば、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子の耐ブロッキング性およびハンドリング性をより高め、より良好な複合材料シートを得ることができるからである。また、添加する無機粒子Bの添加量を上記上限以下にすれば、例えば、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子を用いて形成した複合材料シートに良好な強度を与えることができるからである。
また、本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法は、前記無機粒子Bの添加量が、前記無機粒子Aの含有量および前記無機粒子Bの添加量の合計の30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。無機粒子Bの添加量を上記下限以上とすれば、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子の耐ブロッキング性およびハンドリング性をより高め、より良好な複合材料シートを得ることができるからである。また、添加する無機粒子Bの添加量を上記上限以下にすれば、例えば、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子を用いて形成した複合材料シートに良好な強度を与えることができるからである。
そして、本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法は、前記無機粒子Aおよび前記無機粒子Bが粒子状炭素材料であることが好ましい。無機粒子Aおよび無機粒子Bが共に粒子状炭素材料であれば、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子が熱伝導性および導電性に優れ、例えば、当該複合粒子を、熱伝導性に優れた熱伝導シートの形成に好適に用いることができるからである。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の複合粒子を含む粉体組成物は、樹脂、無機粒子Aおよび無機粒子Bを含む複合粒子を含む粉体組成物であって、前記無機粒子Aは前記複合粒子の内部に偏在し、前記無機粒子Bは前記複合粒子の表層部に偏在し、以下の式(2):
{(前記無機粒子Bの比表面積×前記無機粒子Bの質量)/
(前記粉体組成物の比表面積×前記粉体組成物の質量)}×100 ・・・(2)
で表される、前記無機粒子Bによる被覆率が40%以上90%以下であることを特徴とする。無機粒子Bによる被覆率が上記下限以上であれば、粉体組成物に含まれる複合粒子にブロッキングが生じることを抑制し、優れたハンドリング性を与えることができる。また、無機粒子Bによる被覆率が上記下限以上であれば、例えば、粉体組成物に含まれる複合粒子を用いて良好な複合材料シートを得ることができる。
なお、本発明において、「被覆率」とは、上記の式(2)によって算出される値(%)である。
本発明によれば、耐ブロッキング性およびハンドリング性に優れ、且つ、良好な複合材料シートを形成し得る複合粒子を得ることができる、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、耐ブロッキング性およびハンドリング性に優れ、且つ、良好な複合材料シートを形成し得る複合粒子を含む粉体組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法は、例えば、所望の特性を有する複合材料シート等の成形体の形成に用いることが可能な、複合粒子を提供するために使用することができる。本発明の製造方法に従って得られた粉体組成物に含まれる複合粒子を用いて形成した複合材料シートは、例えば、発熱体に放熱体を取り付ける際に発熱体と放熱体との間に挟み込んで発熱体から良好に放熱させる、熱伝導シートとして使用することができる。
また、本発明の複合粒子を含む粉体組成物は、例えば、本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法に従って製造することができ、上記同様の用途に使用することができる。
(複合粒子を含む粉体組成物の製造方法)
本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法は、樹脂および無機粒子Aを含む複合混合物を粉砕して複合粒子を含む粉体組成物を得る粉砕工程を有する方法であり、当該粉砕工程時に、所定の条件で複合混合物に対して無機粒子Bを添加することを特徴とする。また、本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法は、例えば、上記粉砕工程の前に、後述する混練工程などのその他の工程を更に有していてもよい。複合粒子の製造方法が上記粉砕工程を有し、且つ、粉砕工程時に所定の条件で無機粒子Bを添加しなければ、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子のブロッキングを良好に抑制できない。つまり、上記複合粒子に良好な耐ブロッキング性を与え、ハンドリング性を良好にすることができず、良好な複合材料シートを得ることができない。
<混練工程>
本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法が任意に有し得る混練工程では、例えば、後述する粉砕工程に先立ち、樹脂、無機粒子A並びに任意の繊維状炭素材料および添加剤を混練することにより複合混合物を得る。また、混練工程で得られた複合混合物を、後述する粉砕工程にて用いることができる。
なお、混練工程で用いる樹脂、無機粒子A並びに任意の繊維状炭素材料および添加剤は、粉砕工程にて後述する樹脂、無機粒子A並びに任意の繊維状炭素材料および添加剤に従うことができる。
ここで、混練方法は、特に限定されることなく、ニーダー、ロール、ヘンシェルミキサー、ホバートミキサー、ハイスピードミキサー、二軸混錬機等の混練装置を用いて行うことができる。また、混練は、酢酸エチルやメチルエチルケトン等の溶媒の存在下で行ってもよい。混練温度は、例えば5℃以上150℃以下とすることができる。
<粉砕工程>
本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法では、樹脂および無機粒子Aを含む複合混合物を粉砕して複合粒子を含む粉体組成物を得る粉砕工程を有する。そして、粉砕工程時には、所定の関係を満たすように、複合混合物に無機粒子Bを添加することが必要である。
<<複合混合物>>
複合混合物は、樹脂および無機粒子Aを含み、任意に繊維状炭素材料および添加剤を更に含んでいてもよい。そして、複合混合物としては、例えば、上述した混練工程に従って得られた複合混合物を用いてもよく、市販品を用いてもよい。
[樹脂]
樹脂としては、特に限定されることなく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。
[[熱可塑性樹脂]]
中でも、樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂を用いれば、例えば、樹脂および無機粒子Aを加熱しながら混合することにより、均一に混合された複合混合物を得易いからである。また、例えば、得られた複合粒子を加熱しながら加圧(加熱プレス)して複合材料シートを成形する場合に、シート表面の平滑性を良好にできるなど、成形性に優れるからである。なお、通常、熱可塑性樹脂を含む複合粒子は加熱によりブロッキングし易くなるところ、本発明の製造方法では、複合混合物の粉砕工程時に上記所定の条件にて無機粒子Bを添加しているため、熱可塑性樹脂を含む複合粒子であってもブロッキングを良好に抑制できる。
そして、熱可塑性樹脂としては、常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂、常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
−常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂−
中でも、樹脂としては、少なくとも常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂を用いれば、例えば、樹脂および無機粒子Aを混合して複合混合物を得る際に、より均一に混合し易いからである。なお、通常、常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂を含む複合粒子は加熱により特にブロッキングし易くなるところ、本発明の製造方法では、複合混合物の粉砕工程時に上記所定の条件にて無機粒子Bを添加しているため、常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂を含む複合粒子であってもブロッキングを良好に抑制できる。
ここで、本明細書において、「常温」とは23℃を指し、「常圧」とは、1atm(絶対圧)を指す。
また、常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂としては、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂を用いることが好ましい。常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂を用いれば、上記効果に加え、複合粒子、および、例えば、複合粒子を用いて得られる複合材料シートの耐熱性、耐油性、および耐薬品性を向上させることができるからである。
常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂の粘度は、特には限定されないが、混練性、流動性、架橋反応性が良好で、成形性にも優れるという点からは、温度105℃における粘度が、500mPa・s〜30000mPa・sであることが好ましく、550mPa・s〜25000mPa・sであることがより好ましい。
−常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂−
また、複合混合物には、常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂を含めることもできる。常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)、アクリル酸とアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、ポリメタクリル酸またはそのエステル、ポリアクリル酸またはそのエステルなどのアクリル樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂;ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン−プロピレン共重合体;ポリメチルペンテン;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリ酢酸ビニル;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリビニルアルコール;ポリアセタール;ポリエチレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート;ポリスチレン;ポリアクリロニトリル;スチレン−アクリロニトリル共重合体;アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ニトリルゴム);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂);スチレン−ブタジエンブロック共重合体またはその水素添加物;スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその水素添加物;ポリフェニレンエーテル;変性ポリフェニレンエーテル;脂肪族ポリアミド類;芳香族ポリアミド類;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルニトリル;ポリエーテルケトン;ポリケトン;ポリウレタン;液晶ポリマー;アイオノマー;などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、ゴムは、「樹脂」に含まれるものとする。
[[熱硬化性樹脂]]
更に、本発明の効果を著しく損なわない限り、樹脂として、熱硬化性樹脂を用いてもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、天然ゴム;ブタジエンゴム;イソプレンゴム;ニトリルゴム;水素化ニトリルゴム;クロロプレンゴム;エチレンプロピレンゴム;塩素化ポリエチレン;クロロスルホン化ポリエチレン;ブチルゴム;ハロゲン化ブチルゴム;ポリイソブチレンゴム;エポキシ樹脂;ポリイミド樹脂;ビスマレイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂;フェノール樹脂;不飽和ポリエステル;ジアリルフタレート樹脂;ポリイミドシリコーン樹脂;ポリウレタン;熱硬化型ポリフェニレンエーテル;熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[[樹脂の含有割合]]
複合混合物中の樹脂の含有割合は、特に制限されることなく、35質量%以上であることが好ましく、95質量%以下であることが好ましい。樹脂の含有割合が上記下限以上であれば、複合粒子に柔軟性をより付与し、例えば、複合粒子を複合材料シート等に成形する際の加工性に優れるからである。また、樹脂の含有割合が上記上限以下であれば、複合粒子のブロッキングをより抑制し、ハンドリング性をより向上させ得るからである。
[無機粒子A]
複合混合物に含まれる無機粒子Aとしては、特に限定されることなく、例えば、複合粒子を用いて得られる複合材料シートに付与したい所望の特性を発揮し得る任意の無機粒子とすることができる。このような無機粒子としては、例えば、粒子状炭素材料、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化チタン等が挙げられる。そして、例えば、複合材料シートに高い熱伝導性を付与する場合には、上述した中でも、無機粒子Aが、粒子状炭素材料、窒化ホウ素、および/または窒化アルミニウムであることが好ましい。また、例えば、複合材料シートに高い光反射性を付与する場合には、上述した中でも、無機粒子Aが酸化チタンであることが好ましい。
以下、本発明の製造方法に従って得られる粉体組成物に含まれる複合粒子を用いてなる複合材料シートを熱伝導シートとして使用する例について記載する場合があるが、本発明はこの一例に限られない。
[[粒子状炭素材料]]
粒子状炭素材料としては、特に限定されることなく、例えば、人造黒鉛、鱗片状黒鉛、薄片化黒鉛、天然黒鉛、酸処理黒鉛、膨張性黒鉛、膨張化黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック;などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、粒子状炭素材料としては、膨張化黒鉛を用いることが好ましい。膨張化黒鉛を使用すれば、複合材料シートの熱伝導性を向上させることができるからである。
−膨張化黒鉛−
ここで、粒子状炭素材料として好適に使用し得る膨張化黒鉛は、例えば、鱗片状黒鉛などの黒鉛を硫酸などで化学処理して得た膨張性黒鉛を、熱処理して膨張させた後、微細化することにより得ることができる。そして、市販の膨張化黒鉛としては、例えば、伊藤黒鉛工業株式会社製のEC1500、EC1000、EC500、EC300、EC100、EC50(いずれも商品名)等が挙げられる。
[[無機粒子Aの粒子径]]
ここで、無機粒子Aの粒子径は、体積平均粒子径で100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましい。無機粒子Aの粒子径が上記下限以上であれば、例えば、複合粒子を用いてなる複合材料シートにより良好な強度を与えることができるからである。また、無機粒子Aの粒子径が上記上限以下であれば、例えば、樹脂および無機粒子Aを混合する際の混合容易性、および/または、複合粒子をシート化する際の成形性に優れるからである。
なお、本明細書において、「体積平均粒子径」とは、レーザー回折法で測定された粒子径分布(体積基準)において小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径(D50)を表し、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
また、本発明において、無機粒子Aのアスペクト比(長径/短径)は、1以上10以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましい。
また、本発明において、無機粒子Aなどの「無機粒子のアスペクト比」は、無機粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、任意の50個の無機粒子について、最大径(長径)と、最大径に直交する方向の粒子径(短径)とを測定し、長径と短径の比(長径/短径)の平均値を算出することにより求めることができる。
ここで、無機粒子Aの体積平均粒子径およびアスペクト比を測定する際には、例えば、複合混合物に含まれている樹脂に対する良溶媒を用いて樹脂を溶解させる、または、樹脂を熱分解させる等の任意の手法を用いて複合混合物から無機粒子Aを取り出して行うことができる。
[[無機粒子Aの含有割合]]
そして、複合混合物中の無機粒子Aの含有割合は、特に制限されることなく、例えば、5質量%以上とすることが好ましく、50質量%以下とすることが好ましい。無機粒子Aの含有割合が上記下限以上であれば、例えば、複合粒子を用いてなる複合材料シートに所望の特性を更に発揮させると共に、更に良好な強度を与えることができるからである。また、無機粒子Aの含有割合が上記上限以下であれば、複合粒子、および、例えば、当該複合粒子を用いてなる複合材料シートに更に良好な柔軟性を付与することができるからである。
[繊維状炭素材料]
複合混合物が更に含み得る繊維状炭素材料としては、特に限定されることなく、例えば、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、有機繊維を炭化して得られる炭素繊維、およびそれらの切断物などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば、複合混合物に繊維状炭素材料を更に含有させれば、複合粒子を用いて得られ得る複合材料シートの熱伝導性を更に向上させることができると共に、粒子状炭素材料の粉落ちを防止することもできる。なお、繊維状炭素材料を配合することで粒子状炭素材料の粉落ちを防止することができる理由は、明らかではないが、繊維状炭素材料が三次元網目構造を形成することにより、熱伝導性や強度を高めつつ粒子状炭素材料の脱離を防止しているためであると推察される。
上述した中でも、繊維状炭素材料としては、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体を用いることがより好ましい。カーボンナノチューブなどの繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、例えば、複合粒子を用いて得られ得る複合材料シートの熱伝導性および強度を更に向上させることができるからである。
[[カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体]]
−性状−
ここで、繊維状炭素材料として好適に使用し得る、カーボンナノチューブを含む繊維状炭素ナノ構造体は、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)のみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
また、繊維状炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、複合粒子を用いて得られ得る複合材料シートの熱伝導性および強度を更に向上させることができるからである。
なお、3層以上の多層カーボンナノチューブのみからなる繊維状炭素ナノ構造体のラマンスペクトルには、RBMが存在しない。従って、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、繊維状炭素ナノ構造体の凝集を抑制して炭素ナノ構造体の分散性を高めることができるからである。また、繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)が15nm以下であれば、複合粒子を用いて得られ得る複合材料シートの熱伝導性および強度を十分に高めることができるからである。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体としては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満の炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超の炭素ナノ構造体を用いることがより好ましく、3σ/Avが0.50超の炭素ナノ構造体を用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を使用すれば、繊維状炭素材料の配合量が少量であっても、複合粒子を用いて得られ得る複合材料シートの熱伝導性および強度を十分に高めることができるからである。従って、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の配合により複合材料シートの硬度が上昇する(即ち、柔軟性が低下する)のを抑制して、複合材料シートの熱伝導性および柔軟性を十分に高いレベルで並立させることができるからである。
なお、「繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)」および「繊維状炭素ナノ構造体の直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。そして、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
更に、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積は、600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることが更に好ましく、2500m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることが更に好ましい。CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が600m2/g以上であれば、複合粒子を用いて得られ得る複合材料シートの熱伝導性および強度を十分に高めることができるからである。また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が2500m2/g以下であれば、繊維状炭素ナノ構造体の凝集を抑制して複合材料シート中のCNTの分散性を高めることができるからである。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
−調製方法−
そして、上述した性状を有するCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
ここで、スーパーグロース法により製造したCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体が含まれていてもよい。
[[繊維状炭素材料の含有割合]]
そして、複合混合物中の繊維状炭素材料の含有割合は、0質量%とすることができるが、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、1質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。繊維状炭素材料の含有割合が上記下限以上であれば、複合粒子を用いて得られ得る複合材料シートの熱伝導性および強度を更に向上させることができると共に、粒子状炭素材料と併用した際に粒子状炭素材料が粉落ちすることをより防止できるからである。また、繊維状炭素材料の含有割合が上記上限以下であれば、繊維状炭素材料の配合により複合混合物の柔軟性が低下することを抑制できるからである。
[添加剤]
複合混合物が更に含み得る添加剤としては、特に限定されることなく、例えば、脂肪酸エステルなどの可塑剤;赤リン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤などの難燃剤;フッ素オイル(ダイキン工業株式会社製のデムナムシリーズ)のように可塑剤と難燃剤とを兼ねる添加剤;ウレタンアクリレートなどの靭性改良剤;酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの吸湿剤;シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物などの接着力向上剤;ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などの濡れ性向上剤;無機イオン交換体などのイオントラップ剤;等が挙げられる。
また、複合混合物中の添加剤の含有割合は、添加剤の効果に応じて任意に選択することができる。
[無機粒子B]
粉砕工程では、例えば、上述した複合混合物を粉砕して複合粒子を含む粉体組成物を得るに際し、当該複合混合物に所定の条件で無機粒子Bを添加する。
無機粒子Bとしては、上述した無機粒子Aと同様の粒子が挙げられる。また、複合粒子および複合粒子を用いてなる複合材料シートに所望の特性をより発揮させる観点からは、無機粒子Aおよび無機粒子Bは同一の粒子であることが好ましい。更に、例えば、複合粒子および複合粒子を用いてなる複合材料シートに優れた熱伝導性を付与する観点からは、上述した無機粒子Aおよび無機粒子Bの少なくとも一方が粒子状炭素材料であることが好ましく、少なくとも上述した無機粒子Aが粒子状炭素材料であることがより好ましく、無機粒子Aおよび無機粒子Bの両方が粒子状炭素材料であることが更に好ましい。そして、粒子状炭素材料としては、無機粒子Aについて前述した粒子状炭素材料と同様の例を挙げることができる。
[[無機粒子Bの粒子径]]
ここで、無機粒子Bの粒子径は、体積平均粒子径で100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましい。無機粒子Bの粒子径が上記下限以上であれば、ハンドリング性により優れると共に、無機粒子Bが添加された複合混合物を粉砕する際に無機粒子Bが複合混合物の内部に入り込まずに表層部により良好に付着し易いからである。また、無機粒子Bの粒子径が上記上限以下であれば、上述した式(1)で表される値および後述の式(2)で表される被覆率をより高め、複合粒子のブロッキングをより抑制できるからである。
[[無機粒子Bの比表面積]]
また、無機粒子Bの比表面積は、0.005m/g以上であることが好ましく、0.01m/g以上であることがより好ましく、0.1m/g以下であることが好ましく、0.05m/g以下であることがより好ましい。無機粒子Bの比表面積が上記下限以上であれば、上述した式(1)で表される値および後述の式(2)で表される被覆率を更に高め、複合粒子のブロッキングを更に抑制できるからである。また、無機粒子Bの比表面積が上記上限以下であれば、ハンドリング性に更に優れると共に、無機粒子Bを添加すると共に複合混合物を粉砕する際に無機粒子Bが複合混合物の内部に入り込まずに表層部に更に良好に付着し易いからである。
[[無機粒子Bの添加量]]
そして、複合粒子中の無機粒子Bの添加量は、上述した無機粒子Aの含有量および無機粒子Bの添加量の合計の30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。無機粒子Bの含有割合が上記下限以上であれば、上述した式(1)で表される値および後述の式(2)で表される被覆率を更に高め、複合粒子のブロッキングを更に抑制できるからである。また、無機粒子Bの含有割合が上記上限以下であれば、例えば、複合粒子を用いて得られる複合材料シートの強度をより良好にすることができるからである。
<<粉砕方法>>
粉砕は、例えば、上述した樹脂、無機粒子A並びに任意の繊維状炭素材料および添加剤を含む複合混合物を粉砕できれば特に特に限定されることなく、カッターミル、ハンマーミル、ビーズミル、振動ミル、流星型ボールミル、サンドミル、ボールミル、ロールミル、三本ロールミル、ジェットミル、高速回転式粉砕機等を用いて行うことができる。中でも、カッターミルまたはハンマーミルを用いることが望ましい。
また、粉砕条件は、粉砕後の所望の粒子径に合わせて粉砕装置、粉砕強度などを適宜調整すればよい。例えば、粉砕強度の調整は、粉砕装置の容量;複合混合物に含まれる樹脂、無機粒子A並びに任意の繊維状炭素材料および添加剤の種類、性状、含有割合;無機粒子Bの種類、性状、添加量;粉砕装置に設けられた撹拌羽のサイズおよび形状;粉砕温度、粉砕時間、粉砕速度(撹拌羽の回転速度など)等の粉砕条件;並びにこれらの組み合わせ等の多くの要素を制御して、被粉砕物に加えるエネルギーを調整することで行える。中でも、作業容易性の観点からは、粉砕強度の調整は、粉砕時間および粉砕速度の制御により行うことが好ましく、例えば、粉砕速度および/または粉砕時間を大きくすることにより粉砕強度を高めることができる。
[無機粒子Bの添加条件]
ここで、本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法では、粉砕工程時に添加する無機粒子Bの比表面積および添加量(質量)が、以下の式(1):
{(無機粒子Bの比表面積×無機粒子Bの質量)/
(粉体組成物の比表面積×粉体組成物の質量)}×100 ・・・(1)
で表される値が40%以上90%以下となる関係を満たす必要がある。無機粒子Bの添加量が上記範囲内の関係を満たさなければ、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子の粉体流動性を良好にし、ブロッキングを良好に抑制することができない。従って、無機粒子Bの添加量が上記範囲内の関係を満たさなければ、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子は、樹脂のべた付き等に起因してハンドリング性に劣る。
また、上記式(1)で表される値は、50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、80%以下であることが好ましい。無機粒子Bの添加量が上記下限以上の関係を満たせば、添加された無機粒子Bが複合混合物の表層部により良好に付着して表面を十分に覆う。従って、得られる複合粒子にブロッキングが生じることをより抑制し、より優れたハンドリング性を与えることができるからである。また、無機粒子Bの添加量が上記上限以下の関係を満たせば、無機粒子Bを過度に添加することなく、例えば、複合粒子を用いて複合材料シートを形成した場合に、当該複合材料シートの強度をより良好にできるからである。
なお、本発明において、「粉砕工程時」とは、複合混合物を粉砕する前;複合混合物を粉砕している最中;または、複合混合物を粉砕する前から粉砕している最中の間;を指す。従って、無機粒子Bの複合混合物への添加は、複合混合物を粉砕する前;複合混合物を粉砕している最中;または、複合混合物を粉砕する前から粉砕している最中の間;に、連続的または非連続的に行うことができる。また、無機粒子Bの添加は、全添加量分を一括で投入してもよく、徐々に投入してもよい。
<<複合粒子を含む粉体組成物>>
上述した粉砕工程を経て得られた粉体組成物は、複合粒子を含み、例えば、当該複合粒子とは別に、添加された無機粒子Bの若干量を更に含んでいてもよい。ここで、粉体組成物が複合粒子とは別に更に含み得る無機粒子Bの若干量(含有量)は、無機粒子Bの全添加量の10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることが更に好ましい。つまり、粉体組成物は複合粒子のみからなり、添加された無機粒子Bの全てが複合粒子を構成していることが更に好ましい。
[複合粒子]
ここで、粉体組成物に含まれる複合粒子は、上述した樹脂、無機粒子A、無機粒子B並びに任意の繊維状炭素材料および添加剤を含む。また、複合粒子では、通常、例えば、後述する本発明の粉体組成物に含まれる複合粒子のように、無機粒子Aが内部に偏在し、無機粒子Bが表層部に偏在している。より具体的には、複合粒子は、通常、樹脂、無機粒子A並びに任意の繊維状炭素材料および添加剤を含む粒子本体の表層部を、無機粒子Bが覆っている構造を有している。このように無機粒子Bで表層部が被覆されることにより、複合粒子の耐ブロッキング性およびハンドリング性を向上させ、良好な複合材料シートを得ることができると推察される。
[[複合粒子の粒子径]]
そして、複合粒子の粒子径は、体積平均粒子径で300μm以上であることが好ましく、400μm以上であることがより好ましく、1000μm以下であることが好ましく、750μm以下であることがより好ましい。複合粒子の粒子径が上記下限以上であれば、上述した式(1)で表される値および後述の式(2)で表される被覆率をより良好に維持し、複合粒子のブロッキングをより抑制し得るからである。また、複合粒子の粒子径が上記上限以下であれば、例えば、複合粒子を用いて複合材料シートを形成した場合に、当該複合材料シートの強度をより良好にできるからである。
[[複合粒子の比表面積]]
また、複合粒子の比表面積は、例えば、0.0040m/g以上であることが好ましく、0.0045m/g以上であることがより好ましく、0.01m/g以下であることが好ましく、0.0090m/g以下であることがより好ましい。複合粒子の比表面積が上記下限以上であれば、例えば、複合粒子を用いて複合材料シートを形成した場合に、当該複合材料シートの強度をより良好にできるからである。また、複合粒子の比表面積が上記上限以下であれば、上述した式(1)で表される値および後述の式(2)で表される被覆率を更に高め、複合粒子のブロッキングを更に抑制し得るからである。
[[粉体組成物の粒子径]]
複合粒子を含む粉体組成物の粒子径は、体積平均粒子径で300μm以上であることが好ましく、400μm以上であることがより好ましく、1000μm以下であることが好ましく、750μm以下であることがより好ましい。粉体組成物の粒子径が上記下限以上であれば、上述した式(1)で表される値および後述の式(2)で表される被覆率をより良好に維持し、複合粒子のブロッキングをより抑制し得るからである。また、粉体組成物の粒子径が上記上限以下であれば、例えば、複合粒子を用いて複合材料シートを形成した場合に、当該複合材料シートの強度をより良好にできるからである。
なお、粉体組成物の体積平均粒子径は、本明細書の実施例に記載した方法に従って測定することができる。
[粉体組成物の比表面積]
また、複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は、0.0040m/g以上であることが好ましく、0.0045m/g以上であることがより好ましく、0.01m/g以下であることが好ましく、0.0090m/g以下であることがより好ましい。粉体組成物の比表面積が上記下限以上であれば、例えば、複合粒子を用いて複合材料シートを形成した場合に、当該複合材料シートの強度をより良好にできるからである。また、複合粒子を含む粉体組成物の比表面積が上記上限以下であれば、上述した式(1)で表される値および後述の式(2)で表される被覆率を更に高め、複合粒子のブロッキングを更に抑制し得るからである。
なお、粉体組成物の比表面積は、本明細書の実施例に記載した方法に従って測定することができる。
(複合粒子を含む粉体組成物)
本発明の粉体組成物は被覆率が所定の範囲内であることを特徴とする。また、本発明の粉体組成物に含まれる複合粒子は、少なくとも、樹脂、所定の部分に存在する無機粒子Aおよび無機粒子Bを含み、任意に、繊維状炭素材料および添加剤などを更に含んでいてもよい。ここで、複合粒子が含み得る樹脂、無機粒子A、無機粒子B、繊維状炭素材料および添加剤は、上述した本発明の製造方法についての樹脂、無機粒子A、無機粒子B、繊維状炭素材料および添加剤と同様の種類とすることができ、その好適な性状および含有量も同様とすることができる。
そして、本発明の複合粒子を含む粉体組成物は、例えば、上述した本発明の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法に従って製造することができる。
本発明の複合粒子を含む粉体組成物は、上記所定の被覆率を有しているため、本発明の粉体組成物が含む複合粒子は耐ブロッキング性およびハンドリング性に優れる。また、本発明の粉体組成が含む複合粒子を用いて良好な複合材料シートを得ることができる。従って、本発明の粉体組成物に含まれる複合粒子を用いれば、例えば、所望の特性を有する複合材料シートなどを良好に形成することができる。
<被覆率>
本発明の複合粒子を含む粉体組成物が満たすべき被覆率は、以下の式(2):
{(無機粒子Bの比表面積×無機粒子Bの質量)/
(粉体組成物の比表面積×粉体組成物の質量)}×100 ・・・(2)
で表すことができ、40%以上90%以下の範囲内であることを必要とする。被覆率が上記下限以上でなければ、得られる粉体組成物に含まれる複合粒子の粉体流動性を良好にし、ブロッキングを良好に抑制することができない。従って、被覆率が上記下限以上でなければ、複合粒子は、樹脂のべた付き等に起因してハンドリング性に劣る。また、被覆率が上記上限以下でなければ、例えば、粉体組成物に含まれる複合粒子を用いて良好な複合材料シートを得ることができない。
また、被覆率は、50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、80%以下であることが好ましい。被覆率が上記下限以上であれば、無機粒子Bが複合混合物の表層部により良好に付着して表面を十分に覆う。従って、複合粒子の耐ブロッキング性およびハンドリング性をより向上させることができるからである。また、被覆率が上記上限以下であれば、例えば、複合粒子を用いて複合材料シートを形成した場合に、当該複合材料シートの強度をより良好にできるからである。
また、本発明の粉体組成物に含まれる複合粒子の好適な粒子径および比表面積は、上述した複合粒子についての粒子径および比表面積と同様であり、得られる効果も同様である。
更に、本発明の粉体組成物の好適な粒子径および比表面積も、上述した粉体組成物についての粒子径および比表面積を同様であり、得られる効果も同様である。
なお、本発明の粉体組成物が含む複合粒子の具体的な構造としては、例えば、樹脂と、無機粒子Aとを含み、任意に繊維状炭素材料および添加剤を更に含む粒子本体の表層部に無機粒子Bが偏在している構造が挙げられる。そして、複合粒子の耐ブロッキング性およびハンドリング性を更に向上させる観点からは、無機粒子Bは、複合粒子の表面から複合粒子の半径の10%以下の範囲内のみに偏在していることが好ましく、複合粒子の表面から複合粒子の半径の5%以下の範囲内のみに偏在していることがより好ましく、粒子本体の表面に付着しており、粒子本体の内部には存在しないことが更に好ましい。また、複合粒子に所望の特性を更に良好に発揮させる観点からは、無機粒子Aは、複合粒子の表面には存在しないことが好ましい。
なお、複合粒子の構造は、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて複合粒子の断面を観察することにより、確認することができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
そして、実施例および比較例において、無機粒子および粉体組成物の密度、体積平均粒子径および比表面積;複合粒子の耐ブロッキング性;複合材料シートの強度;は、それぞれ以下の方法に従って測定または評価した。
<密度>
無機粒子および粉体組成物の密度(g/m)は、真密度測定器(株式会社セイシン企業製、製品名「MAT−7000」)を用いて、それぞれについて測定した。なお、測定温度:25℃、サンプル質量:2g、溶媒:N−ブタノール、脱気時間:10分の条件とした。ここで、粉体組成物の密度については、粉体組成物が複合粒子以外の成分(例えば、無機粒子B)も含む場合は、当該複合粒子以外の成分も含めた平均値として算出した。
そして、得られた密度は、後述する比表面積の算出に用いた。
<体積平均粒子径>
無機粒子および粉体組成物の体積平均粒子径(m)は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(日機装製、製品名「マイクロトラックMT3300EX−II」)を用いて測定した。具体的には、無機粒子および粉体組成物について粒子径分布を得た。そして、得られたそれぞれの粒子径分布(体積基準)において小径側から計算した累積体積が50%となる中心粒子径(D50)を、無機粒子および複合粒子の体積平均粒子径として算出した。なお、粉体組成物の体積平均粒子径については、粉体組成物が複合粒子以外の成分(例えば、無機粒子B)も含む場合は、当該複合粒子以外の成分も含めた平均値として算出した。
そして、得られた体積平均粒子径は、後述する比表面積の算出に用いた。
<比表面積>
無機粒子および粉体組成物の比表面積(m/g)は、上述の通りそれぞれ算出した密度および体積平均粒子径の値を用いて、以下の式(3):
比表面積(m/g)=
6/(密度(g/m)×体積平均粒子径(m)) ・・・(3)
に従って求めた。
そして、得られた比表面積は、上述した式(1)で表される値および上述した式(2)で表される被覆率の算出に用いた。
<耐ブロッキング性>
複合粒子の耐ブロッキング性(粉体流動性)は、ふるい法により評価した。具体的には、目開き1.4mmのメッシュでふるいをかけた複合粒子80gを、200mLのガラスビーカーの上部口と同じ高さから、圧力をかけずに当該ビーカーに投入した。次に、複合粒子を投入したビーカーの内径と同じ内径を有する400gの重りを、ビーカー内の複合粒子の上からゆっくりと乗せた。重りを乗せてから1分経過した後に重りを取り除き、複合粒子のロスがないように重りの外部底面についた複合粒子をビーカー内に払い落とした。
続いて、複合粒子が入っているビーカーの上部口の上に、線径1.1mm、目開き11.3mm、上記上部口よりも大きなサイズ(一辺が150mmの正方形)のメッシュを乗せ、更に、当該メッシュの上からバットを乗せた。次に、ビーカー、メッシュ、バットを固定しながら上下面を逆さに返し、ビーカーをメッシュから真上に15cm引き上げた。そして、メッシュをゆっくり5cm持ち上げ、持ち上げてから1分経過後にメッシュに残った複合粒子を別のバットに移した。なお、上下面を逆さに反してもビーカー内部の底部から複合粒子がほとんど落下してこない場合は、ビーカーをメッシュから離さずに、ビーカーの外部をスパチュラ等で軽く叩いて複合粒子をメッシュ上に落とした。またビーカーを引き上げた際にビーカー内部に複合粒子が付着している場合も、ビーカーの外部をスパチュラ等で軽く叩いて複合粒子をメッシュ上に落とした。
そして、以下の式(4):
耐ブロッキング性(%)=(メッシュを通過した複合粒子の質量(g))/
(メッシュ上に残った複合粒子の質量(g)+メッシュを通過した複合粒子の質量(g))×100% ・・・(4)
に従って、複合粒子の耐ブロッキング性を求めた。求めた値が大きいほど複合粒子が粉体流動性に優れ、ブロッキングし難いことを示す。
<強度>
複合材料シートの強度は引張強度(MPa)として以下の通り測定した。即ち、JIS K6251に準拠して、複合材料シートをダンベル2号にて打ち抜き成型し、試料片を作製した。そして、引張試験機(株式会社島津製作所製、製品名「AG−IS20kN」)を用いて、試料片の両末端から1cmの箇所をつまみ、温度23℃で、試料片の表面から出る法線に対して垂直な方向に、500mm/分の引張速度で引っ張り、破断強度(引張強度)を測定した。
(実施例1)
<CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の調製>
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によってSGCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体を得た。
得られた繊維状炭素ナノ構造体はBET比表面積が800m2/gであった。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に選択した100本の繊維状炭素ナノ構造体の直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)が1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.58であった。また、得られた繊維状炭素ナノ構造体は、主に単層CNT(「SGCNT」とも称する)により構成されていた。
<繊維状炭素ナノ構造体の易分散性集合体の調製>
[分散液の調製]
繊維状炭素材料としての、上述で得られた繊維状炭素ナノ構造体を400mg量り取り、溶媒としてのメチルエチルケトン2L中に混ぜ、ホモジナイザーにより2分間撹拌し、粗分散液を得た。次に、湿式ジェットミル(株式会社常光製、製品名「JN−20」)を使用し、得られた粗分散液を湿式ジェットミルの0.5mmの流路に100MPaの圧力で2サイクル通過させて、繊維状炭素ナノ構造体をメチルエチルケトンに分散させた。そして、固形分濃度0.20質量%の分散液を得た。
[溶媒の除去]
その後、上述で得られた分散液をキリヤマろ紙(No.5A)を用いて減圧ろ過し、シート状の易分散性集合体を得た。
<組成物の調製>
樹脂としての常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂(ダイキン工業株式会社製、商品名「ダイエルG―101」)を100部と、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC−100」、体積平均粒子径:190μm)を30部と、繊維状炭素材料としての繊維状炭素ナノ構造体の易分散性集合体を0.1部とを、ホバートミキサー(株式会社小平製作所製、製品名「ACM−5LVT型」、容量:5L)に投入した。そして、80℃に加温して、30分間撹拌混合することにより、複合混合物を得た。
次に、得られた複合混合物と、無機粒子Bである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC−100」、体積平均粒子径:190μm)20部とを、フリースピードミル(ラボネクト株式会社製、製品名「FS20」)に一括で投入した。そして、撹拌羽根の速度=8400rpmにて、30秒間(表1に示す粉砕強度「弱」に相当)粉砕することにより、複合粒子を含む粉体組成物を得た。
このとき、添加した無機粒子Bの比表面積は0.0178m/gであった。また、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.00583m/g、被覆率(または、上述した式(1)で表される値)は41%であった。
<複合材料シートの形成>
次いで、得られた複合粒子5gを、サンドブラスト処理を施した厚み50μmのPETフィルム(保護フィルム)で挟み、ロール間隙550μm、ロール温度50℃、ロール線圧50kg/cm、ロール速度1m/分の条件にて圧延成形し、厚み0.5mmの複合材料シートを得た。
(実施例2)
組成物の調製において、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を20部に、無機粒子Bである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を30部にして、複合粒子の被覆率を71%とした以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。なお、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.00498m/gであった。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
組成物の調製において、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を35部に、無機粒子Bである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を15部にして、複合粒子の被覆率を42%とした以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。なお、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.00421m/gであった。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
組成物の調製において、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を20部に、無機粒子Bである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を30部にして、複合粒子の被覆率を60%とした。また、フリースピードミルの撹拌羽根の速度を16800rpm(粉砕強度「中」に相当)に変更した以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。なお、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.00588m/gであった。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
組成物の調製において、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を10部に、無機粒子Bである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を40部にして、複合粒子の被覆率を61%とした。また、フリースピードミルの撹拌羽根の速度を25000rpm、粉砕時間を60秒間(粉砕強度「強」に相当)に変更した以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。なお、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.00775m/gであった。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
組成物の調製において、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を50部に変更し、無機粒子Bを添加することなく、複合粒子の被覆率を0%とした以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
組成物の調製において、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を35部に、無機粒子Bである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を15部にして、複合粒子の被覆率を36%とした。また、フリースピードミルの撹拌羽根の速度を16800rpm(粉砕強度「中」に相当)に変更した以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。なお、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.00500m/gであった。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
組成物の調製において、フリースピードミルの撹拌羽根の速度を25000rpm、粉砕時間を60秒間(粉砕強度「強」に相当)に変更した以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。なお、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.0219m/gであった。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(比較例4)
組成物の調製において、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を40部に、無機粒子Bである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を10部にして、複合粒子の被覆率を31%とした以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。なお、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.00383m/gであった。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
(比較例5)
組成物の調製において、無機粒子Aである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を10部に、無機粒子Bである粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の量を40部にして、複合粒子の被覆率を114%とした以外は実施例1と同様にして、複合混合物、複合粒子を含む粉体組成物および複合材料シートを製造した。なお、得られた複合粒子を含む粉体組成物の比表面積は0.00417m/gであった。
そして、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
ここで、無機粒子Bによる被覆率は、あくまでも、添加した無機粒子Bの表面積および得られた複合粒子の表面積に基づく概算値であるため、100%を超えることがある。
Figure 2018083860
表1より、樹脂および無機粒子Aを含む複合混合物を粉砕する時に、所定の範囲内の関係(被覆率)を満たして無機粒子Bを添加した実施例1〜5では、当該関係が所定の関係未満または所定の関係超で無機粒子Bを添加した比較例1〜5に比べ、粉体組成物に含まれる複合粒子の良好な耐ブロッキング性およびハンドリング性と、得られた複合材料シートの良好な強度とを、両立できることが分かる。
本発明によれば、耐ブロッキング性およびハンドリング性に優れ、且つ、良好な複合材料シートを形成し得る複合粒子を得ることができる、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、耐ブロッキング性およびハンドリング性に優れ、且つ、良好な複合材料シートを形成し得る複合粒子を含む粉体組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 樹脂および無機粒子Aを含む複合混合物を粉砕して複合粒子を含む粉体組成物を得る粉砕工程を有する、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法であって、
    前記粉砕工程時に、前記複合混合物に対して、以下の式(1):
    {(無機粒子Bの比表面積×前記無機粒子Bの質量)/
    (前記粉体組成物の比表面積×前記粉体組成物の質量)}×100 ・・・(1)
    で表される値が40%以上90%以下となる関係を満たすように、前記無機粒子Bを添加することを特徴とする、複合粒子を含む粉体組成物の製造方法。
  2. 前記無機粒子Bの添加量が、前記無機粒子Aの含有量の80質量%以上500質量%以下である、請求項1に記載の複合粒子の製造方法。
  3. 前記無機粒子Bの添加量が、前記無機粒子Aの含有量および前記無機粒子Bの添加量の合計の30質量%以上80質量%以下である、請求項1または2に記載の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法。
  4. 前記無機粒子Aおよび前記無機粒子Bが粒子状炭素材料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合粒子を含む粉体組成物の製造方法。
  5. 樹脂、無機粒子Aおよび無機粒子Bを含む複合粒子を含む粉体組成物であって、
    前記無機粒子Aは前記複合粒子の内部に偏在し、
    前記無機粒子Bは前記複合粒子の表層部に偏在し、
    以下の式(2):
    {(前記無機粒子Bの比表面積×前記無機粒子Bの質量)/
    (前記粉体組成物の比表面積×前記粉体組成物の質量)}×100 ・・・(2)
    で表される、前記無機粒子Bによる被覆率が40%以上90%以下であることを特徴とする、複合粒子を含む粉体組成物。
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