JP3451732B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱放散性に優れ、高出
力デバイスの封止樹脂などとして好適な樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
半導体素子の高出力化に伴い、熱放散性の良好なパッケ
ージ用の封止樹脂や接着剤が要望されている。このよう
な要望に対し、従来は充填剤として結晶性シリカを用い
ることで対応してきたが、現在は結晶性シリカを用いる
ことでは満足できる特性を得ることができない状況にな
ってきている。このため最近では、充填剤としてアルミ
ナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライ
ドなどが利用されるようになってきたが、耐湿性や熱伝
導性の面でまだ満足できるレベルのものではなく、最近
の高速化、高出力化するデバイスを封止するには、特に
熱伝導性が不十分である。
【0003】なお、通常この種の高出力デバイスを封止
する場合、セラミックパッケージで封止するか、銅やア
ルミニウム製の放熱板を内蔵するリードフレームを用い
て封止されている。
【0004】しかしながら、セラミックパッケージを使
用した場合、材料のコストが高い上、量産性に欠けると
いう欠点があり、放熱板内蔵フレームを用い、従来のエ
ポキシ樹脂組成物で封止した場合、放熱板が半導体素子
と膨張係数が大きく異なるアルミニウムや銅のため、温
度サイクルなどで大きな応力が発生し、信頼性を損なう
結果となっている。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、熱放散性が良好で、高出力デバイスの封止用樹脂等
として好適な樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、封
止樹脂の熱放散性を改善するため鋭意検討を重ねた結
果、厚みが0.1〜50μmの熱硬化性樹脂で被覆した
平均粒径が5〜30μmの金属粉末をエポキシ樹脂組成
物に配合することにより、封止樹脂の熱放散性を大幅に
改善できると共に、電気絶縁性その他の特性を維持で
き、高出力デバイスの封止用樹脂として極めて有用であ
ることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】従って、本発明は、エポキシ樹脂に平均粒
径が5〜30μmの金属粉末を厚みが0.1〜50μm
の熱硬化性樹脂で被覆した充填剤を配合してなることを
特徴とする樹脂組成物を提供する。
【0008】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の樹脂組成物は、上述したように充填剤とし
て金属粉末を有機樹脂で被覆したものを基材樹脂に配合
してなるものである。
【0009】ここで、使用できる金属の種類としては、
熱伝導性に優れる銅、銀、アルミニウム、銅とタングス
テンとの合金、銅とモリブデンとの複合材などが適して
いるが、もちろんこれに限られるものではない。これら
の中でも銅とモリブデンとの複合材粉末が、膨張係数が
小さく、しかも熱伝導性に優れていることから特に望ま
しい。
【0010】金属粉末の平均粒径は、5〜30μm、好
ましくは10〜20μmの範囲がよく、また最大粒径が
500μm以下、特に200μm以下であることが望ま
しい。平均粒径が5μm未満であると、組成物の溶融粘
度が高くなる場合があり、30μmを超えると粗すぎて
充填量が増やせなくなる場合がある。また、最大粒径が
500μmを超えると、粒子の径が大きすぎて薄膜で塗
布することが困難である上、トランスファー成形用とし
て使用する場合、成型時金型のゲートを閉塞し、未充填
となったり、インサート物のワイヤー等を変形させるな
どの問題を引き起こす場合がある。
【0011】金属粉末の形状としては、球状、破砕状い
ずれでもよいが、高充填化により熱伝導性を向上させる
目的から、更には金属粒子表面を均一に有機樹脂で被覆
するためにも球状が望ましい。
【0012】これら金属粉末を被覆する有機樹脂として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用可能で
あるが、基材樹脂の種類に応じて選択することが望まし
い。具体的な被覆樹脂を例示すると、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、架橋ポリエチレン、ポリイミド、
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ
素樹脂等を挙げることができ、基材樹脂がエポキシ樹脂
の場合は、被覆樹脂はエポキシ樹脂、ポリイミド、ポリ
スチレン等、基材樹脂がシリコーン樹脂の場合は、シリ
コーン樹脂、ポリイミド、シリコーンゴム等、基材樹脂
がポリエチレンの場合は、被覆樹脂はポリエチレン、ポ
リプロピレン、架橋ポリエチレン等という如く選択する
ことができる。
【0013】被覆樹脂の厚さは、0.1μm以上で50
μm以下、好ましくは0.2〜20μm、特に好ましく
は0.5〜10μmの範囲とすることがよい。0.1μ
mより薄いと十分な絶縁性を保持することが困難である
上、樹脂との混練時に充填剤同士の接触により被覆樹脂
層が剥離し、絶縁性を損なう場合がある。一方、50μ
mを超えると、十分な熱伝導性を付与することが困難に
なる場合がある。
【0014】被覆方法としては、金属粉末表面に樹脂を
均一に被覆できれば特に制限はなく、例えば被覆用樹脂
を有機溶剤に溶解した溶液中に金属粉末を入れて懸濁さ
せた後、スプレードライで乾燥する方法、ジェット機構
を利用し、核になる金属粒子の分散と有機樹脂を溶解し
たスプレー溶液を衝突させ、金属粉末粒子の表面にコー
ティング皮膜を形成し、これを乾燥させることで皮膜を
固定化する方法、均一に流動化する金属粒子に有機樹脂
を溶解したスプレー溶液をスプレーすることで金属表面
をコーティングする流動層造粒コーティング装置を使用
するコーティング方法等を例示することができる。被覆
厚みの調整は、金属粉末の表面積と溶液中における有機
樹脂の濃度で行うのが容易である。被覆厚みを厚くする
ときは溶液濃度を濃くし、被覆厚みを薄くするときは低
濃度の有機樹脂溶液を用いればよい。
【0015】また、高速乾式粉砕機型のメカノフュージ
ョン、ハイブリタイザーシステム等を利用しても金属粒
子表面にコーティングすることができる。この場合も金
属粒子の表面積を考慮し、金属粉末の重量と被覆する有
機樹脂の重量の比率を変えることで皮膜厚さを調整する
ことができる。
【0016】被覆樹脂が熱硬化性樹脂である場合、樹脂
で金属粒子表面を被覆した後、確実に反応を進行させる
ために100℃以上の温度で加熱硬化することが推奨さ
れる。加熱温度は、樹脂によって異なるが、エポキシ樹
脂の場合は120℃以上、好ましくは150〜200℃
の温度範囲で0.5〜2時間の条件、ポリイミドでは、
150℃以上、好ましくは180〜300℃で0.5〜
2時間の条件を採用することができる。
【0017】なお、金属粉末を樹脂で被覆する際、有機
ケイ素化合物、チタネート系カップリング剤やアルミニ
ウム系カップリング剤を用いることがよく、これにより
金属表面と有機樹脂の接着力を強固にすることができ
る。このような有機ケイ素化合物としては、アルコキシ
基(特に炭素数1〜5)含有シランが挙げられ、下記構
造のものを例示することができる。
【0018】
【化1】
【0019】また、上記した有機ケイ素化合物などの2
種以上を併用することや、加水分解物の使用もなんら差
し支えない。この種の表面処理剤の使用量は、金属粒子
の比表面積と処理剤の分子占有面積で決められるもので
あるが、通常金属粒子重量に対して0.05〜5重量
%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。処理す
る方法としては、有機ケイ素化合物などの表面処理剤を
そのままの状態で金属粒子表面に噴霧してもよいし、純
水と混合したものを噴霧してもよい。なお、上記したよ
うなシランカップリング剤の場合は、予めDBU(1,
8−ジアザビスシクロ(5,4,0)−ウンデセン−
7)等の強塩基を含んだ純水と混合して使用する方がよ
い。また、このような表面処理剤を被覆樹脂を溶解した
溶液中に予め溶解させて上述した被覆方法で金属粒子を
被覆する方法を採用することもできる。
【0020】このような有機樹脂で被覆した金属粒子
は、充填剤として基材樹脂に配合することによって、基
材樹脂に高熱放散性を付与することができると共に、低
膨張係数、低応力も付与することもできるものである。
【0021】この場合、上記有機樹脂で被覆した金属粉
末の配合量は、使用する金属の比重にもよるが、一般に
500〜6000部、好ましくは1000〜5000部
の範囲である。配合量が500部未満では、膨張係数が
大きくなり半導体素子に加わる応力が増大し、素子特性
の劣化を招くばかりでなく熱放散性が不十分となる場合
がある。一方、6000部を超えると、成形時の粘度が
高くなり、成形性が悪くなる場合がある。一般に低膨張
化と熱放散性を両立させるためには、この有機樹脂で被
覆した金属粉末を多量に配合した方がよく、そのために
は球状と破砕品のブレンド、あるいは球状品のみを用い
た方がよい。
【0022】かかる有機樹脂被覆金属粉末を配合する基
材樹脂としては、種類を問わず、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂のいずれでもよい。熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ
アミド等を例示することができる。とりわけ基材樹脂と
しては、良好な熱放散性が必要とされる分野に使用され
る樹脂、特に高出力デバイス封止用樹脂が好適であり、
このような封止用樹脂組成物としては、エポキシ樹脂組
成物やシリコーン樹脂組成物を代表例として挙げること
ができる。
【0023】まず、エポキシ樹脂組成物について説明す
ると、エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、
(B)硬化剤を主成分とし、これに充填剤としての
(C)上記有機樹脂で被覆した金属粉末その他の成分を
配合したものである。
【0024】ここで、(A)エポキシ樹脂としては、1
分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するものであれ
ばいずれのものも使用可能である。このようなエポキシ
樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、
グリシジル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹
脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、シクロペンタジエ
ン含有エポキシ樹脂などを挙げることができ、これらの
エポキシ樹脂を適宜組み合わせてもよい。また、エポキ
シ樹脂のエポキシ当量は50〜400の範囲が好まし
い。更に、難燃化のためにブロム化エポキシ樹脂を使用
することもできる。
【0025】(B)成分の硬化剤は、(A)成分のエポ
キシ樹脂の硬化剤として作用するもので、種々のものを
使用することができるが、半導体封止用としてはフェノ
ール樹脂が好ましい。このようなフェノール樹脂として
は、1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個以
上有するものであれば、いずれのものも使用可能であ
る。このようなフェノール樹脂としては、例えばフェノ
ールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリ
フェノールメタン、フェノールアラルキル樹脂、ナフタ
レン環含有フェノール樹脂、シクロペンタジエン含有フ
ェノール樹脂などのフェノール性水酸基を2個以上有す
るものを挙げることができる。本発明において、フェノ
ール樹脂の物性は、軟化点が60〜120℃、水酸基当
量としては90〜300のものが好ましい。
【0026】フェノール樹脂の配合量は、エポキシ基と
水酸基の当量比が0.5〜2の範囲であればよく、特に
制限されないが、通常エポキシ樹脂100部(重量部、
以下同様)に対して30〜200部、好ましくは40〜
150部の範囲がよい。配合量が30部より少ないと十
分な強度が得られず、一方200部を超えると未反応の
フェノール樹脂が残って耐湿性を低下させる場合があ
る。
【0027】室温で液状のエポキシ樹脂組成物を得るに
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、あるいは脂環式エポキシ樹脂に酸無
水物硬化剤、あるいはアミン系硬化剤を配合することで
得ることができる。この場合、酸無水物硬化剤として
は、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等
を例示することができる。また、アミン系硬化剤として
は、ジアミノジフェニルメタン、メタンフェニレンジア
ミン等で代表されるものを例示することができる。
【0028】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物には、
上記有機樹脂で被覆した金属粉末以外の充填剤を配合し
てもよく、このような充填剤としては、例えばシリカ粉
末、アルミナ、三酸化アンチモン、タルク、炭酸カルシ
ウム、チタンホワイト、クレー、マイカ、ベンガラ、ガ
ラス繊維、炭素繊維等を挙げることができ、これらは
(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤の合計
100部に対して0〜300部、特に0〜100部の範
囲とすることができる。
【0029】また、エポキシ樹脂組成物には低応力化の
ためシリコーン系の可撓性付与剤を添加することができ
る。例えば、シリコーンゴムパウダー、シリコーンゲ
ル、有機樹脂とシリコーンポリマーとのブロックポリマ
ー等を挙げることができる。このような低応力化剤の使
用量は、組成物全体の0.5〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%程度とすることがよい。0.5重量%未満
の配合量では、十分な耐衝撃性を与えることができない
場合があり、10重量%を超えると、機械的強度が不十
分となる場合がある。
【0030】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
必要に応じてカルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワッ
クス類などの離型剤、更にシランカップリング剤、酸化
アンチモン、リン化合物などを配合してもよい。
【0031】一方、上記有機樹脂で被覆した金属粉末を
シリコーン樹脂組成物に配合して本発明の樹脂組成物と
する場合、シリコーン樹脂組成物としては、付加反応硬
化型、有機過酸化物架橋型等の公知組成のものを使用す
ることができる。
【0032】本発明の樹脂組成物は、上記した各成分を
加熱ロールによる溶融混練、ニーダーによる溶融混練、
連続押し出し機による溶融混練、あるいは均一に混合す
ることで製造することができる。
【0033】本発明の樹脂組成物は、有機樹脂で被覆し
た金属粉末を配合しているので、熱放散性が良好である
と共に、電気絶縁性などの問題点がなく、このためI
C、LSI、トランジスター、ダイオード、サイリスタ
ー等の半導体装置の封止に好適に使用することができ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、熱放散性に優れ
ると共に、電気絶縁性が確実であるため、半導体素子の
封止樹脂等として好適に使用することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例と比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、下記の例において部はいずれも重量
部を示す まず、下記のような方法により下記に示した有機樹脂で
被覆した金属粉末A〜Eを製造した。 <有機樹脂で被覆した金属粉末の製造>金属粉末A,B,E 表面酸化物層を除去した平均粒径23μm、比表面積
1.5m2/gの球状銅粉末10kgを、エポキシ当量
200、軟化点65℃のエポキシ樹脂58部、エポキシ
当量280の臭素化エポキシ樹脂6部、水酸基当量11
0、軟化点65℃のフェノール樹脂36部、シランカッ
プリング剤としてKBM903を1.5部、触媒として
トリフェニルホスフィン1.0部よりなるエポキシ樹脂
組成物を銅表面の被覆厚みに応じて、表1に示す量をア
セトン10リットルに溶解した溶液に添加し、充分に混
合した後、溶剤をロータリーエバポレーターである程度
除去し、次いでスプレードライで乾燥した。乾燥後、1
60℃で更に2時間処理することで樹脂被覆銅粉末を得
た。
【0036】
【表1】
【0037】
【0038】金属粉末A:エポキシ樹脂で約10μmの
厚みで表面を被覆した平均粒径23μmの球状銅粉 金属粉末B:エポキシ樹脂で約0.5μmの厚みで表面
を被覆した平均粒径23μmの球状銅粉 金属粉末D:平均粒径23μmの球状銅粉そのまま 金属粉末E:エポキシ樹脂で約0.05μmの厚みで表
面を被覆した平均粒径23μmの球状銅粉
【0039】[実施例1,2、比較例1,2] エポキシ当量189、軟化点106℃のビフェニル型エ
ポキシ樹脂49.8部、エポキシ当量280の臭素化エ
ポキシ樹脂6.2部、水酸基当量170、軟化点70℃
のアラルキルフェノール樹脂36.2部、トリフェニル
ホスフィン0.7部、三酸化アンチモン10部、カルナ
バワックス1.5部、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン10部、カーボンブラック1部、及び表2
に示した有機樹脂で被覆した金属粉末と球状シリカ(F
B74、電気化学製)を均一に混合した後、80℃のミ
キシングロールで5分間溶融混練し、シート状にして取
り出し冷却、粉砕することによりエポキシ樹脂組成物を
製造した。
【0040】得られたエポキシ樹脂組成物を用い、17
5℃、2分の条件でトランスファー成形により試験片を
作成し、180℃で4時間ポストキュアーを行った。
【0041】この試験片について、スパイラルフロー、
曲げ強度、ガラス転移温度、熱膨張係数、熱伝導度、及
び体積抵抗率を測定した。
【0042】また、耐湿性を調べるために、上記エポキ
シ樹脂組成物を用いて、175℃、2分の条件でトラン
スファー成形によりアルミニウム配線腐食測定用半導体
装置を14ピンデュアルインラインパッケージに封止
し、180℃で4時間ポストキュアーを行った。次い
で、このパッケージを127℃の飽和水蒸気雰囲気中に
所定時間放置し、不良発生率を調べた。
【0043】これらの結果を表2に併記する。
【0044】
【表2】
【0045】[実施例3] エポキシ化ビスフェノールA(エピコート828、油化
シェル社製)38部、シリコーン変性エポキシ樹脂20
部、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(MH70
0、新日本理化製)42部、金属粉末A1350部、D
BU−ベンジルテトラフェニルボレート(UCAT−5
002、サンアポロ製)3部、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン1.5部を均一に混合し、液状エ
ポキシ樹脂組成物を得た。
【0046】この組成物の硬化物の熱伝導率は4.1W
/mK、体積抵抗率は5×1015Ω−cmであった。ま
た、ガラスエポキシ基板に搭載した試験用ICに樹脂組
成物をドロップし、硬化させて試験素子を10個封止し
た。この封止素子をプレッシャークッカー試験機により
121℃、2気圧で200時間処理した後、アルミ配線
の腐食を調べたが、不良は全く見いだせなかった。
【0047】
【0048】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−311045(JP,A) 特開 昭62−235316(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂に平均粒径が5〜30μm
    の金属粉末を厚みが0.1〜50μmの熱硬化性樹脂で
    被覆した充填剤を配合してなることを特徴とする樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 上記金属粉末が銅粉末又は銅とタングス
    テンとの合金粉末であることを特徴とする請求項1記載
    の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記熱硬化性樹脂がアルコキシ基含有シ
    ランを含む熱硬化性樹脂を加熱硬化させてなることを特
    徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂又はポ
    リイミドであることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項記載の樹脂組成物。
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