JPH08273205A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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Publication number
JPH08273205A
JPH08273205A JP7097815A JP9781595A JPH08273205A JP H08273205 A JPH08273205 A JP H08273205A JP 7097815 A JP7097815 A JP 7097815A JP 9781595 A JP9781595 A JP 9781595A JP H08273205 A JPH08273205 A JP H08273205A
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JP
Japan
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optical disc
area
reflectance
optical
optical disk
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Application number
JP7097815A
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Inventor
Akira Nishizawa
昭 西沢
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造工程を複雑化させることなく再生機の誤
動作を防止することができる光ディスクを提供する。 【構成】 光ディスク1において、再生面の反対の非再
生面は、少なくともその一部が再生波長における光反射
率が、再生装置にて光ディスクの装着を認識できないよ
うな低い光反射率の低反射率エリア7を有す。これによ
り、光ディスクを誤装着した場合における再生時に、リ
ードインエリアを照射した時の反射光量が少なくなり、
光ディスクの存在を確認できなくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再生時の誤動作を防止
する光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンパクトディスク(CD)を
はじめとする光ディスクは、情報量の多さ、取り扱いの
簡便さから広く普及している。現在使用されている光デ
ィスクのほとんどは、片面側から再生用のレーザ光を照
射して情報を再生するようになっており、その反射側の
面には光学的な情報は何ら記録されておらず、記憶され
た情報の内容等に関する情報がプリント等されたラベル
面となっている。通常、光ディスクを再生する場合に
は、一般的にはラベル面を上側にして再生機にセットす
ることにより行なわれるが、使用者が誤ってラベル面を
下側にセットして再生操作を開始する場合もある。
【0003】しかしながら、従来の再生機や光ディスク
にあっては、このような光ディスクの誤装着に対する保
護対策を何ら施してないことから、再生機によっては再
生動作を何度も繰り返し試みたり、時によっては再生機
のディスク回転数が異常に増加するという問題点があっ
た。例えば、ある種の再生機においては、通常再生時に
は600rpmでディスクが回転していたものが、異常
時には1800rpmにまで回転数が増加し、異常音が
して再生機自体が壊れたり、或いはディスクが回転テー
ブルから飛び出す場合もあった。
【0004】また、レーザディスクのように1.2mm
の基板を2枚貼り合わせた光ディスクのような場合に
は、裏面側には信号が入っていないことを使用者に知ら
せるために、[この面には信号が記録されていません]
等の文字が再生されるような信号を予め形成しておき、
誤操作を防止することも行なわれている。更には、最近
にあっては、デジタルコンパクトディスク(DCD)の
ように、厚さ0.6mmの基板を2枚貼り合わせて、記
録容量を簡単に2倍にして大容量化に対応し得るように
した光ディスクも開発されているが、この場合、裏面を
使用するほど情報量を必要としない場合には、前述のレ
ーザディスクの場合と同様に、裏面側に[この面には信
号が記録されていません]等の情報を刻印しておいて上
述したような再生機の異常動作が生じることを防ぐこと
が一般的に行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように裏面側に[この面には信号が記録されていませ
ん]等のメッセージ情報を再生可能に記録することは、
ディスク生産工程からすれば、余分なスタンパを用いて
記録面を形成する工程が1つ追加されることになり、生
産効率及びコスト削減に反することになる。そこで、裏
面側の基板には何ら反射膜を設けないで、再生面側の基
板のみに反射膜を設けてこれらを貼り合わせることも考
えられるが、この場合、一般的に接着剤として用いる紫
外線硬化樹脂が透明なため、光ピックアップより見る
と、同一反射膜を表裏から見る状況となるために表面も
裏面も光学的には等価であり、どちらからでも信号を読
み取ることが可能となる。
【0006】この時、1.2mm厚の単板を裏面側から
再生しようとする場合には、光ピックアップのフォーカ
ス動作範囲内での戻り光量が少ないことからディスクが
あるとは判断せず、従って、その後の再生操作は中止さ
れるが、これよりも薄い0.6mm厚の貼り合わせ光デ
ィスクの場合には、ディスクが誤装着されてもこのフォ
ーカス動作範囲内で規定の反射率の光量が得られ、再生
機は再生動作を続行してしまう。すなわち、この再生動
作によって、正常に近い信号が再生されてしまうが、再
生の線方向が逆のため、信号処理ができる部分とできな
い部分が生じてしまう結果となる。この場合、再生機は
正常に動作しているが、信号処理ができる所とそうでな
い所が生じるため、前述したようにディスクの回転数が
増加したり、暴走が生ずる等の予想外の動作を引き起こ
してしまうという問題点がある。
【0007】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的は、製造工程を複雑化させることなく再生機の誤動作
を防止することができる光ディスクを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、再生機の誤
動作について鋭意研究の結果、再生機は再生波長に対し
て高い反射率のものが挿入されると光ディスクが挿入さ
れたものと判断して再生動作を続行することから、光デ
ィスクの裏面側の反射率をある程度低く設定してやれ
ば、誤動作を防止することができる、という知見を得る
ことにより本発明に至ったものである。すなわち、本発
明は、光ディスクにおいて、再生面の反対の非再生面
は、少なくともその一部が再生波長における光反射率
が、再生装置にて光ディスクの装着を認識できないよう
な低い光反射率の低反射率エリアを有すように構成した
ものである。
【0008】
【作用】本発明は、以上のように構成することにより、
光ディスクが表裏誤って再生機に装着された場合には、
再生当初の動作で光ピックアップから照射されたレーザ
光の光反射率は、低反射率エリアの存在のために例えば
40%以下となり、従って、再生機は戻りレーザ光量が
少ないために光ディスクが装着されたものとは認識せ
ず、そこで、再生動作が中断されることになる。
【0009】この場合、非再生面の全域に亘って光反射
率40%以下の低反射率エリアとする必要はなく、少な
くとも再生初期時に光ピックアップが光ディスクの存在
確認の為に反射率の確認を行なうエリア、すなわちリー
ドインエリアに相当する部分の光反射率が40%以下、
好ましくは30%以下となるように設定すればよい。光
反射率を40%以下に設定する方法は種々採用すること
ができ、例えば、上記したリードインエリアに相当する
部分に、光反射率が40%以下となるような光遮蔽層を
設ければよい。このような光遮蔽層の形成位置は、ディ
スクの表面に限らず、ディスクの厚さ方向の内部に設け
てもよい。
【0010】また、信号形成基板部と信号非形成基板部
とを接着剤層により貼り合わせて製造される貼り合わせ
型の光ディスクの場合には、上述のようにディスク表面
のみならず、ディスク内部として例えばリードインエリ
アに相当する範囲の接着剤層の上部または下部に光反射
率が40%以下となる光遮蔽層を設けるようにしてもよ
い。更に、このような貼り合わせ型の光ディスクの場合
には、信号非形成基板部の基板として光反射率が40%
以下となるような着色板を使用したり、或いはこの基板
樹脂に混合物を加えて濁らせることにより、光反射率を
40%以下に設定することもできる。また、別の方法と
しては信号非形成基板部の表面を粗面化することでも光
反射率を低下させる事ができる。例えば最大面粗さRm
ax=1μで十分である。これは厚さ1.2mmの単板
にも応用可能である。
【0011】いずれにしても、非再生面の少なくともリ
ードインエリアに対応する部分における、再生波長に対
する光反射率が40%以下となるような構造ならば、ど
のような構造でもよい。
【0012】
【実施例】以下に、本発明に係る光ディスクの一実施例
を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る光
ディスクの非再生面を示す平面図、図2は図1に示す光
ディスクの拡大断面図である。
【0013】図示するようにこの光ディスク1は、単板
型のCD−ROMを示しており、信号ピット2が形成さ
れた、例えばポリカーボネイト樹脂製の基板3と、この
信号ピット2側に形成された金膜薄膜よりなる反射膜4
と、この反射膜4上に形成された保護膜5と、必要に応
じてこの保護膜5上に形成されるレーベル層6とにより
主に構成されている。尚、レーベル層6は、このディス
クに記憶されている情報に関する情報をプリント等の手
段により視覚的に表記するところであり、省略すること
もできる。
【0014】上記基板3は、再生レーザ光の波長に対し
て透明な材料、例えば上述のようにポリカーボネイト樹
脂で構成され、従って、この基板3側が再生面となり、
この反対側面(図中上面)が非再生面となる。そして、
この非再生面において、上記再生レーザ光の波長に対す
る光反射率が、再生装置にて光ディスクの装着を認識で
きないような低い光反射率、例えば40%以下、好まし
くは30%以下となるような低反射率エリア7を形成す
る。具体的には、この低反射率エリア7は、再生機へデ
ィスクを装着したときに光ピックアップがディスクの存
在を確認にくるリードインエリア8に少なくとも対応さ
せて設ける。
【0015】このリードインエリア8とは、CD−RO
Mの場合には、図1に示すようにディスクにおいて直径
が44mmから50mmのリング状の範囲を称し、再生
時には、光ピックアップが必ずこの位置にアクセスして
ディスクの存在を確認する。従って、本発明では少なく
ともこのリードインエリア8に相当する部分の光反射率
を40%以下に設定する。光反射率を40%以下に設定
する手法としては、図2に示すようにレーベル層6の上
面のリードインエリア8に、リング状に例えば艶消し、
または黒色インクの印刷を施すことにより光遮蔽層9を
設けて、この部分における光反射率を低くすればよい。
インクとしては、黒色のものに限らず、遮光性の高い例
えば、顔料を分散させたものを用いることができる。
【0016】また、インクに限らず、樹脂中にカーボン
ブラック、酸化鉄、アルミナ等の微粒子を分散させたも
のをリング状に形成してもよい。更には、艶消しの方法
として、上記エリア8に相当する部分に研磨紙等で研磨
することにより表面の面粗度をJISに定めるRaが1
μm以上となるように表面を荒くするようにしてもよ
い。この場合には、ある程度の透過率はあるが反射率の
高くない(40%以下)光遮蔽層が得られる。また、こ
のような光遮蔽層9は、非再生面側の最上面に形成する
必要はなく、レーベル層6と保護膜5との間、図2中に
て一点鎖線で示すように保護膜5と反射膜4の間に設け
るようにしてもよく、いずれにしても誤って光ディスク
を装着したときに光反射率40%以下の低反射率エリア
7を形成し得るならばその手法は問わない。
【0017】また、上記実施例では、リードインエリア
8に相当する部分のみに光遮蔽層9を設けるようにした
が、これに限定されず、光遮蔽層形成工程の簡便性を考
慮して非再生面側のディスク面全面に亘って光遮蔽層を
形成するようにしてもよい。次に、以上のように構成さ
れた本実施例の動作について説明する。図3は正常装着
時の光ディスクと光ピックアップとの関係を示す図であ
り、光ピックアップ10は、案内レール11に沿って光
ディスク1の半径方向へ移動可能としている。
【0018】まず、正常に再生操作が行なわれる場合に
ついて説明する。光ディスク1が再生機に装着される
と、光ピックアップ10は自動的に案内レール11に沿
ってディスク半径方向へ移動し、これを光ディスク10
のリードインエリア8(ディスク中心より44mm〜5
0mmのリング状の範囲内)の領域に位置させてレーザ
光Lを発射する。この時、レーザ光の反射光は、光ディ
スク1が再生面を下方にして正常に装着されていること
から40%より大きな反射率を示しており、従って、強
い反射光を検出した光ピックアップは、光ディスクが装
着されたものと認識し、再生動作を続行する。すなわ
ち、光ディスク1が回転すると同時に、光ピックアップ
が焦点合わせに行く。
【0019】そして、正規の信号が出るようにディスク
の回転数を変化させたり、または、焦点が信号面に合う
ように光ピックアップのレンズが上下動することにな
る。そして、基板3に形成された信号ピット2からなる
情報が光位相差による強度変化等を利用して読み取られ
ることになる。
【0020】次に、誤装着時の動作について説明する。
図4は誤装着時の光ディスクと光ピックアップとの関係
を示す図である。この誤装着とは、使用者が誤って光デ
ィスクの表裏を逆にして再生機に装着した場合であり、
まず、光ディスク1が再生機に装着されると、光ピック
アップ10は、自動的に案内レール11に沿ってディス
ク半径方向へ移動し、これを光ディスクのリードインエ
リア8の領域に位置させてレーザ光Lを発射する。ここ
で、本実施例にあってはこのリードインエリア8に対応
する部分の非再生面には、光遮蔽層9が形成してあるこ
とから、光ピックアップ10へ戻る反射光量は40%以
下となり、従って、光ピックアップ10にとっては反射
光が少な過ぎることから光ディスクが装着されたとは認
識せず、そのまま再生動作は中断されることになる。
【0021】このように本発明においては、非再生面の
リードインエリアに対応する部分に光反射率40%以下
の光遮蔽膜9を設けるなどして低反射率エリア7を形成
したので、ディスクを表裏誤って装着した時には光ディ
スクを装着したと認識されず、従って、ディスク回転が
暴走するなどの誤動作が発生することを未然に防止する
ことができる。尚、光遮蔽層として、金属薄膜のように
遮光性はあっても反射率が高くて40%を越えるものは
使用することはできない。
【0022】上記実施例にあっては、単板型の光ディス
クを例にとって説明したが、これに限定されず、例えば
2枚の基板同士を接着剤で貼り合わせてなる貼り合わせ
型の光ディスクにも適用し得る。図5は貼り合わせ型の
光ディスクを示す断面図であり、ここで用いる光ディス
クは、貼り合わせ型とはいえ、記憶する情報量が少ない
ことから片面は信号の形成していない非再生面となる。
すなわち、光ディスク12は、再生面側である信号形成
基板部13と信号非形成基板部14とを例えば紫外線硬
化樹脂或いは通常の樹脂よりなる接着剤層15により貼
り合わせて形成される。
【0023】具体的には、信号形成基板部13は、信号
ピット2の形成されたポリカーボネート樹脂等よりなる
第1の基板16と、この信号ピット2側に形成される反
射膜17と、この反射膜17の表面に必要に応じて形成
される保護膜18とにより主に構成される。尚、この保
護膜は省略することも可能である。一方、信号非形成基
板部14は、信号が何ら形成されていないポリカーボネ
ート樹脂等よりなる第2の基板19と、必要に応じてこ
の表面に形成されるレーベル層19とにより主に構成さ
れる。
【0024】そして、この信号非形成基板部14の、少
なくともリードインエリア21に相当する部分が、前述
の単板型の光ディスクと同様に再生波長に対する光反射
率が40%以下となる低反射率エリア22として構成さ
れる。このリードインエリア21は、貼り合わせ型CD
−ROMの場合は、前述の単板型CD−ROMと同様に
ディスク中心より44mmから50mmの範囲のリング
状のエリアとなる。図5に示す場合には、このリードイ
ンエリア21に対応する部分の非再生面側ディスク表面
に、先に説明したと同様な光遮蔽層23を設けて、この
部分の光反射率を40%以下となるように設定してい
る。この場合にも、前述の単板型の光ディスクの場合と
同様に、光ディスク12の表裏が誤って再生機に装着さ
れると、リードイン時における再生波長に対する光反射
率が40%以下と小さいことから反射光量が少なくなり
過ぎ、再生動作が中断されることになり、ディスク回転
が暴走する等の異状事態の発生を未然に防止することが
できる。
【0025】この貼り合わせ型の光ディスクの場合に
も、低反射率エリア22を形成する手法は、図5に示す
構造に限られずに種々存在し、例えば図6中の実線に示
すように光遮蔽層23を、第2の基板19と接着剤層1
5との間に設けたり、或いは図6中の一点鎖線で示すよ
うに接着剤層15と保護膜18との間に設けたりするこ
ともできる。光遮蔽層23を接着剤層15の上部、すな
わち、これと第2の基板19との間に介在させる場合に
は、両基板の接着前に第2の基板19の対応部分に印刷
等の手法により上記光遮蔽層23を形成すればよい。ま
た、光遮蔽層23を接着剤層15の下部、すなわちこれ
と保護膜18との間に介在させる場合には、第1の基板
16側の保護膜18を塗布形成後、この表面の対応部分
に印刷等の手法により上記光遮蔽層23を形成すればよ
い。
【0026】また、上記実施例では、リードインエリア
に対応する部分のみに、光遮蔽層23を設けて部分的な
低反射率エリア22を形成したが、これに限定されず、
この遮蔽層23をディスクの非再生面側全面に亘って形
成するようにしてもよい。このようにディスク再生面側
全面に亘って低反射率エリア22とする他の手法として
は、図7に示すように第2の基板19自体を着色するよ
うにしてもよい。具体的には、第2の基板19のベース
樹脂にカーボンブラックやフタロシアニン等の着色剤
(顔料)を適当量混入させて光反射率が40%以下とな
るように設定すればよい。
【0027】また、着色剤を混入することに代えて、第
2の基板19の母材に対して光反射率を低下させる混合
物を添加させるようにしてもよい。この添加混合物とし
ては、例えばシリカ粒(SiO2 )、チタンホワイト粒
(TiO)、アルミナ粒(Al23 )、酸化鉄粒(F
23 )の不溶性の微粒子を用い、これを分散混入さ
せる。
【0028】また、他の添加混合物としては、第2の基
板の母材に対して相溶性がなく、且つ屈折率の異なるも
のを混入させる。例えば第2の基板19の母材としてポ
リカーボネート樹脂を用いる場合には、この屈折率は
1.58であることから、これとは屈折率のことなる相
溶性のない樹脂を用いる。このような樹脂としては、例
えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂等を挙げることができ、これら
の屈折率は1.49から1.55の値に入っていて、屈
折率差は少ないが、相溶性がないために白濁し、そのた
めに光反射率が低下して良好な結果を得ることができ
る。尚、第2の基板の母材は、ポリカーボネート樹脂に
限定されず、上記した光反射率を得られるならば、どの
ような混合物でもよい。このように第2の基板の樹脂
に、着色剤を入れたり、屈折率の異なる材料を混入させ
たりする手段は、印刷等の別工程を経ることがないの
で、製造工程数も少なくて済む。
【0029】次に、実際に光ディスクを製造してそれを
評価したときの結果について説明する。 [実施例1]単板型のコンパクトディスクのレーベル層
面上の直径40mmから50mmの間に、黒色のインキ
と透明のインキの混合比を種々変更して作成したインキ
をスクリーン印刷により塗布して、光反射率の異なる光
遮蔽層を種々形成した。この光ディスクを誤装着時と同
様に表裏反転させて再生機に装着して再生操作を行なっ
たところ、再生波長に対する光反射率が40%を越えた
光ディスクの場合には、誤って再生動作が続行された。
光反射率が40%以下で30%までの場合には、再生動
作が続行されたり、中止されたりした。また、光反射率
が30%以下の場合には、完全に再生動作は中止され、
良好な結果を得ることができた。
【0030】[実施例2]ポリカーボネート樹脂中にバ
ナシルフタロシアニンなる着色剤を加えて練りロールに
て十分に分散させ、これをホットプレスして1.2mm
の基板を作成した。この基板の再生波長における光反射
率は20%であった。この基板を直径120mmに切断
したコンパクトディスクの透明なレーベル層面上に接着
した。そして、接着させた着色基板側から再生を試みた
ところ、再生機は再生動作を行なわず、良好な結果を得
ることができた。
【0031】[実施例3]ポリカーボネート樹脂によ
り、厚さ0.6mmの高密度光ディスク基板を2枚作成
した。この内、1枚の基板の信号面側に50nmのアル
ミニウム反射膜を形成し、その上に、スピンコータによ
り接着剤として紫外線硬化樹脂を厚さ30ミクロンだけ
塗布した。この紫外線硬化樹脂の上に、アルミニウム反
射膜を形成していない他方の基板を乗せ、これに紫外線
を照射することにより両基板を貼り合わせて貼り合わせ
型の光ディスクを形成した。この光ディスクを通常のC
D−ROM再生機に装着して再生操作を行なったとこ
ろ、光ディスクのどちらの面を光ピックアップに向けて
も再生動作が行なわれてしまい、好ましくなかった。
【0032】次に、この光ディスクを、高密度光ディス
ク再生機に装着して、正規な再生面側から再生操作を行
なったところ、正常な再生動作が実行されたが、裏面
(非再生面)側を再生させようとしたところ、ディスク
の回転数が異常に増加するなどの異常動作をし、好まし
くなかった。次に、この光ディスクを再生面側でない面
(非再生面)に、JIS#800相当の研磨紙(サンド
ペーパ)でリードインエリアに相当する部分と同一半径
部分にスリガラス状に傷を付け、再生波長に対する光反
射率が30%程度になるように光遮蔽層を形成した。こ
の光ディスクを通常のCD−ROM再生機に装着し、再
生動作を行なったところ、光ディスクの正規の再生面側
では初期動作が行われたが、裏面側では、光反射率が低
いために再生動作は行なわれず、良好な結果が得られ
た。
【0033】また、この光ディスクを高密度光ディスク
用再生機に装着し、正規の再生面側から再生動作を行な
ったところ正常な再生動作を行なったが、裏面を再生し
ようとしたところ、光反射率が低いために再生動作は行
なわれず、良好な結果が得られた。
【0034】[実施例4]基板の厚さを0.6mmから
1.2mmに変えて、実施例3の場合と同様な実験を行
なったところ、実施例3と全く同様な結果を得ることが
できた。ただし、この場合、高密度光ディスク用再生機
は、1.2mmの基板が正常に再生できるものを用い
た。
【0035】[実施例5]実施例3で用いた研磨紙の粗
さ(番手)を種々変更して同様な実験を行なった。その
結果、番手が#200、#400、#800(実施例3
と同じ)の場合には、光反射率が30%以下であり、非
再生面側に対しては再生動作が実行できず、良好な結果
が得られた。また、番手が#1200、#2000の場
合には、光反射率が50%位であり、非再生面側に対し
て再生動作が実行されたり、されなかったりして、再生
誤動作防止には信頼性が若干劣り、好ましくなかった。
【0036】更に、番手が#4000、#6000、#
8000の場合には、問題なく再生動作が実行されてし
まい、再生誤動作防止の見地からは、全く好ましくなか
った。すなわち、研磨紙の番手を変えて#800より小
さくすると基板表面の凹凸が大きくなって乱反射の確立
が大きくなり、再生誤動作防止機能を果たすことが可能
となる。尚、上記実施例にあっては、再生専用の光ディ
スクについて述べたが、これに限定されず、追記型の光
ディスク及び記録再生用の光ディスク等の各種の光ディ
スクにも適用し得る。
【0037】更には、上述した直径120mmの光ディ
スクに限定されず、レーザディスク等の、他のサイズの
光ディスクにも適用し得る。この場合には、そのサイズ
の規格に対応して、リードインエリア部分に前述した低
反射率エリアを形成すればよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ディス
クによれば、次のように優れた作用効果を発揮すること
ができる。光ディスクの非再生面側の少なくともリード
インエリアに対応する部分に再生波長における反射率が
40%以下となる低反射率エリアを設けるようにしたの
で、光ディスクを表裏間違えて誤装着した場合には、リ
ードイン操作時に反射光量が不足し、再生機には光ディ
スクが装着されたものと認識できないので、誤って再生
動作が行なわれることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスクの非再生面を示す平面
図である。
【図2】図1に示す光ディスクの拡大断面図である。
【図3】正常装着時の光ディスクと光ピックアップとの
関係を示す図である。
【図4】誤装着時の光ディスクと光ピックアップとの関
係を示す図である。
【図5】貼り合わせ型の本発明の光ディスクを示す拡大
断面図である。
【図6】貼り合わせ型の他の実施例に係る光ディスクを
示す拡大断面図である。
【図7】貼り合わせ型の更に他の実施例に係る光ディス
クを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…光ディスク、2…信号ピット、3…基板、4…反射
膜、5…保護膜、6…レーベル層、7…低反射率エリ
ア、8…リードインエリア、9…光遮蔽層、10…光ピ
ックアップ、12…光ディスク、13…信号形成基板
部、14…信号非形成基板部、15…接着剤層、16…
第1の基板、17…反射膜、18…保護膜、19…第2
の基板、20…レーベル層、21…、リードインエリ
ア、22…低反射率エリア、23…光遮蔽層、L…レー
ザ光、O…ディスク中心。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクにおいて、再生面の反対の非
    再生面は、少なくともその一部が再生波長における光反
    射率が、再生装置にて光ディスクの装着を認識できない
    ような低い光反射率の低反射率エリアを有していること
    を特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 前記低反射率エリアは、前記光ディスク
    のリードインエリアに対応する部分であることを特徴と
    する請求項1記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 少なくとも基板と、反射膜と、保護膜と
    を積層してなる光ディスクにおいて、前記反射膜上に、
    リードインエリアに相当する範囲に再生波長における光
    反射率が、再生装置にて光ディスクの装着を認識できな
    いような低い光反射率となるように光遮蔽層を設けるよ
    うに構成したことを特徴とする光ディスク。
  4. 【請求項4】 信号形成基板部と信号非形成基板部を接
    着剤層により貼り合わせてなる光ディスクにおいて、前
    記信号非形成基板部は、少なくともリードインエリアに
    相当する範囲が、再生波長における光反射率が、再生装
    置にて光ディスクの装着を認識できないような低い光反
    射率になされた低反射率エリアであることを特徴とする
    光ディスク。
  5. 【請求項5】 前記リードインエリアに相当する範囲
    に、再生波長における光反射率が、再生装置にて光ディ
    スクの装着を認識できないような低い光反射率の光遮蔽
    層を設けてなることを特徴とする請求項4記載の光ディ
    スク。
  6. 【請求項6】 前記リードインエリアに相当する範囲の
    前記接着剤層の上部または下部に、光反射率が、再生装
    置にて光ディスクの装着を認識できないような低い光反
    射率の光遮蔽層を設けてあることを特徴とする請求項4
    記載の光ディスク。
  7. 【請求項7】 前記信号非形成基板部の基板は、再生波
    長における光反射率が、再生装置にて光ディスクの装着
    を認識できないような低い光反射率の着色板であること
    を特徴とする請求項4記載の光ディスク。
  8. 【請求項8】 前記信号非形成基板部の基板は、再生波
    長における光反射率が、再生装置にて光ディスクの装着
    を認識できないような低い光反射率となるような混合物
    を含んでいることを特徴とする請求項4記載の光ディス
    ク。
  9. 【請求項9】 前記低い光反射率は、40%以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至8記載の光ディスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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