JPH08208940A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JPH08208940A
JPH08208940A JP7020186A JP2018695A JPH08208940A JP H08208940 A JPH08208940 A JP H08208940A JP 7020186 A JP7020186 A JP 7020186A JP 2018695 A JP2018695 A JP 2018695A JP H08208940 A JPH08208940 A JP H08208940A
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rubber
styrene
weight
polymer
particles
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JP7020186A
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Masayuki Nozawa
正行 野沢
Masaya Fujita
昌也 藤田
Yasuji Shichijo
保治 七條
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/04Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to rubbers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F279/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of monomers having two or more carbon-to-carbon double bonds as defined in group C08F36/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光沢と機械的強度及び着色性に優れたゴム変
性スチレン系樹脂組成物を提供すること。 【構成】 ゴム状重合体をスチレン系モノマーに溶解し
グラフト重合して得られたゴム変性スチレン系樹脂組成
物であって、(1)ゴム状重合体はスチレン系重合体マ
トリックス中に、平均粒子径が0.5〜1.6μmの範
囲内の粒子状として分散しており、かつ(2)該ゴム状
重合体の分散粒子は、スチレン系重合体の一部が数平均
粒子径が0.13μm以上〜0.20μmで、かつその
粒子径分布が1.15〜1.35の範囲に分散内包した
サラミ構造を有しており、(4)該ゴム状重合体分散粒
子の、トルエン中の膨潤比が7〜12の範囲にあること
を特徴とする。 【効果】 機械的な強度、光沢、着色性に優れこれらの
バランスに富んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械的強度と光沢に優
れ、しかも着色性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のゴム変性スチレン系樹脂(HIP
S)は、ABS樹脂と比較して、耐衝撃性が低く、成形
品表面の光沢に劣り、また染顔料により調色した際の色
合いに劣る等の問題があった。そのため最近、耐衝撃性
と光沢のバランスを改良する目的で、ゴム粒子径を小さ
くし、シリコンオイル等で耐衝撃性を補償する方法でA
BS樹脂の特性に近づける方法が提案されている。しか
し、かかる方法で得られたHIPS組成物は、耐衝撃性
と光沢のバランスは改良されているものの、着色性にお
いては必ずしも満足できるものではなかった。
【0003】この欠点を改良するために、分散ゴム粒子
中に内包している芳香族モノビニル系重合体の粒子径を
微細にかつ均一にすることにより、着色性と機械的な性
質を改良する方法として特公平3−62723号公報、
特公平1−34453号公報などが提案されている。こ
の方法では特定のポリブタジエンを使用するとともに、
分散ゴム粒子中に内包している芳香族モノビニル系重合
体の粒子径を0.13ミクロン以下の微細でかつその粒
子数の90%は±0.04ミクロンの範囲内に均一にす
ることに特徴を有する。この方法では確かに着色性は改
良されているが、反面、機械的強度とくに引っ張り伸び
および落錘衝撃強度の低下が著しい。これらの機械的強
度が低下することにより、射出成型品の離型時あるいは
落下時に成形品が割れやすいという問題があり、改良が
望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる欠点
を克服し、光沢と機械的強度のバランスを低下させるこ
となく、着色性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、HIPS
におけるゴム粒子中に内包しているスチレン系重合体の
数平均粒子径および粒子径分布を特定範囲内に制御する
ことによって、上記目的に適合しうる、HIPSが得ら
れることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、ゴム状重合体をスチ
レン系モノマーに溶解しグラフト重合して得られたスチ
レン系重合体80〜96重量%とゴム状重合体20〜4
重量%からなるゴム変性スチレン系樹脂組成物であっ
て、(1)ゴム状重合体がスチレン系重合体マトリック
ス中に、体積平均粒子径が0.5〜1.6μmの範囲内
の粒子状として分散しており、かつ、(2)該ゴム状重
合体の分散粒子は、スチレン系重合体の一部が数平均粒
子径が0.13μm以上〜0.20μm迄で、かつその
粒子径分布が1.15〜1.35の範囲内で分散内包し
たサラミ構造をしており、(3)該ゴム状重合体の分散
粒子は、トルエン中の膨潤比が7〜12の範囲にあるこ
とを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物に関する
ものである。以下に本発明について詳しく説明する。
【0007】本発明のゴム変性スチレン系重合体組成物
を形成するスチレン系モノマーとは、スチレン系モノマ
ー単独の他に該スチレン系モノマーと共重合可能な他の
ビニル系モノマーとの併用をも意味する。スチレン系モ
ノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレ
ン、ビニルナフタレン等の芳香族モノビニル化合物等を
あげることができる。またスチレン系モノマーと共重合
可能なビニル系モノマーとしては、例えばメタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸、フェ
ニルマレイミド、あるいはハロゲン含有ビニル系モノマ
ー等が挙げられる。これらのモノマーは、その1種のみ
を用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい
が、スチレンを含む全スチレン系モノマーに対して、通
常30重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で
利用することができる。
【0008】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、スチレン系重合体マトリックス96〜80重量%に
対して、グラフト重合しているゴム状重合体が4〜20
重量%である。ゴム状重合体が4重量%未満では耐衝撃
性が不十分であり、20重量%を超えると剛性が実用的
な範囲以下に低下するため好ましくない。また本発明の
ゴム変性スチレン系樹脂組成物において、スチレン系重
合体マトリックス中にグラフト重合して分散しているゴ
ム状重合体の体積平均粒子径は、0.5〜1.6μm、
好ましくは0.8〜1.3μmであることが必要であ
る。平均粒子径が0.5μm未満では耐衝撃性が不十分
であり、1.6μmを越えると光沢が著しく低下する。
【0009】更に本発明の目的を達成するためには、該
分散ゴム状重合体粒子中に分散内しているスチレン系
重合体の数平均粒子径が0.13以上〜0.20μm
迄、好ましくは0.14〜0.19μm、より好ましく
は0.15〜0.18μmであることが必要である。分
散内包しているスチレン系重合体の数平均粒子径が0.
13μm以下では機械的強度が急激に低下する傾向があ
り、0.20μmを越えると着色性の低下が著しい。ま
た、着色性と機械的強度の物性バランスにおいて目的の
ものを得るためには、該分散ゴム状重合体粒子中に分散
内包しているスチレン系重合体の粒子径分布を1.15
〜1.35、好ましくは1.20〜1.30の範囲に制
御することが重要である。ここで粒子径分布が1.15
以下では、機械的強度、特に落錘衝撃強度が低下し、
1.35以上では、着色性が低下するので好ましくな
い。なお分散内包しているスチレン系重合体の粒子径を
微細かつ均一にすることは、着色性の向上に対しては効
果的であるが、必要以上に微細かつ均一にすることは、
機械的強度、特に引っ張り伸びや落錘衝撃強度の低下を
まねき、物性バランスを維持することが困難になり、本
発明の目的を達成することはできない。
【0010】更に本発明の目的を達成するためには、該
分散ゴム状重合体粒子の、トルエン中の膨潤比が7〜1
2、好ましくは8〜11の範囲にあることが必要であ
る。本発明では膨潤比が7より小さくなると耐衝撃性が
著しく低下し、12より大きくなると成型品に色むらや
光沢むらが生じやすくなり、外観が悪化するので好まし
くない。本発明で用いられるゴム状重合体としては、5
重量%スチレン溶液の25℃における溶液粘度(SV
値) が10〜100cps、好ましくは20〜90c
psであることが望ましい。溶液粘度(SV値)が10
cps以下では、ゴム粒子径が小さくなりすぎる傾向が
あり、機械的強度が低下するので好ましくなく、100
cps以上ではゴム粒子径が大きくなりすぎる傾向があ
り、光沢が低下するので好ましくない。
【0011】使用するゴム状重合体は、かかる条件を満
足するものであれば特に限定するものではなく、ポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプ
レン、ブタジエン−スチレンポリイソプレン共重合体、
天然ゴム等が使用できる。ポリブタジエン部分のミクロ
構造については、ローシスポリブタジエンゴムであって
もよいし、ハイシスポリブタジエンゴムであってもよ
く、ローシスポリブタジエンゴムとハイシスポリブタジ
エンゴムの混合物であってもよい。スチレン−ブタジエ
ン共重合体の構造は、ランダム型であってもよいし、ブ
ロック型あるいはテーパー型であってもよい。これらの
ゴム状重合体は、その1種のみを用いることもできる
し、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0012】本発明では、特にゴム状重合体としてスチ
レン−ブタジエン共重合体を用いた場合に、着色性と光
沢のバランスがより改良されるので、好ましくはゴム状
重合体としてスチレン−ブタジエン共重合体の含有量を
50重量%以上、より好ましくは75重量%以上の割合
で用いるとよい。ただしスチレン含有量の多いスチレン
−ブタジエン共重合体を用いた場合には、低温時の耐衝
撃強度が低下する傾向があるので、スチレン−ブタジエ
ン共重合体中のスチレン含有量は、好ましくは1〜20
重量%、より好ましくは1〜10重量%のものが望まし
い。
【0013】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に
は、必要に応じて種々の添加剤、例えば内部潤滑剤、可
塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、離型
剤、難燃剤、染顔料、シリコンオイル等の添加剤などを
配合する事もできる。これらの添加剤は、任意の段階で
添加することができる。たとえば、成形品の成形段階で
添加してもよいし、製品の重合段階で添加してもかまわ
ない。
【0014】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物を
得るためには、ゴム状重合体をスチレン系モノマーに溶
解し塊状重合法又は溶液重合法によってグラフト重合す
ることによって得られる。本発明の特に好ましい重合方
法としては、ゴム状重合体を予め特定量のポリスチレン
とともにスチレン系モノマーに混合溶解して原料溶液を
調整し、塊状重合法又は溶液重合法によってグラフト重
合することである。この場合原料溶液は、予め70〜1
20℃程度に予熱してから塔型又はスタティックミキサ
ー型等のプラグフロー型反応器に連続的に装入して塊状
重合又は溶液重合することが望ましい。かかるグラフト
重合時における原料混合溶液中のポリスチレン含有量が
多いほど、製造されるゴム状重合体分散粒子中に分散内
包しているスチレン系重合体の粒子径が小さくなる傾向
にある。従って本発明で規定するゴム状重合体分散粒子
中に分散内蔵しているスチレン系重合体の粒子径制御は
かかる混合溶液中へのポリスチレン配合量とゴム状重合
体配合量の調整によって行うことができる。
【0015】この場合、原料混合溶液中へのポリスチレ
ン配合量としては、2〜30重量%の範囲内とし、かつ
ゴム状重合体の含有率R(重量%)とポリスチレン含有
率P(重量%)の関係が0.2<P/R<3を満足し、さ
らに予熱段階ではゴム相反転前の状態に調整した上で、
プラグフロー型反応器内に供給し、ここでバックミキシ
ングのない撹拌条件下にてゴム相反転を生じさせつつグ
ラフト重合反応を進めることが好ましい。かかる調整に
よって本発明で規定するゴム状重合体分散粒子径及び分
散粒子中に分散内包するスチレン系重合体の粒子径等を
制御することが容易にできる。
【0016】またこの場合ポリスチレン溶解に伴う系内
の粘度を調整するために、必要に応じて溶媒を添加する
ことができる。かかる溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルエチ
ルケトン等のケトン類から選ばれた有機溶媒を原料混合
溶液100重量部に対して30重量部以下好ましくは1
0〜20重量部の割合で配合する。その他必要に応じ
て、重合開始剤としての有機過酸化物や連鎖移動剤、酸
化防止剤、ミネラルオイル等を適宜添加することができ
る。重合反応は原料溶液中のスチレン系モノマーの重合
転化率が60〜98重量%となるまで継続させた後で、
適宜加熱処理を施しながら減圧下の脱揮装置にて脱揮処
理して未反応モノマー及び溶媒等を除去することによっ
て所望のゴム変性スチレン系樹脂組成物を得ることがで
きる。なお膨潤比の調整は、通常は重合終了後に未重合
モノマーの除去前又は除去後における加熱処理温度、時
間等の条件を選定することによって行うことができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、樹脂の物性は次に示す方法に
より求めた。 (1)ゴム分散粒子径および粒子径分布の測定 30μm径のアパーチャーチューブを装着したコールタ
ーカウンター( コールター・マルチサイザーII型) にお
いて、樹脂ペレット2〜3粒をメチルエチルケトン/ア
セトン混合溶媒を用いてマトリックスを形成するポリス
チレン部分のみを溶解せしめた後、遠心分離機において
未溶解のゴム粒子部分と分離する。その後ジメチルホル
ムアミド電解質溶液に適度な濃度で分散させてゴム分散
粒子径及び粒子径分布を測定する。
【0018】(2)内包されたスチレン系重合体の粒子
径および粒子径分布の測定 樹脂を四酸化オスミウム染色し、超薄切片法により電子
顕微鏡写真を撮影する。1万倍に拡大した写真中の分散
ゴム粒子に内包された芳香族ビニル系重合体粒子のう
ち、0.05μm以上の粒子について、粒子の面積を求
め、円相当径を算出する。粒子500〜1000個につ
いて数平均粒子径および重量平均粒子径として表わす。
また、粒子径分布は重量平均粒子径/数平均粒子径とし
て求める。
【0019】(3)IZ衝撃強度 JIS K6871(ノッチつき)に準拠して測定し
た。 (4)ゴム含有量(Rc) ウィス法により求めた。 (5)膨潤比 樹脂1gを30mLのトルエンに溶解し、不溶物(ゴム
粒子)を遠心分離機で沈降させてその上澄み液を捨て、
沈降した膨潤ゲルを秤量し、さらにこの膨潤ゲルを恒量
になるまで乾燥した乾燥ゲルの重量を測定して次式によ
り求めた。膨潤比=(膨潤ゲル重量wt%−乾燥ゲルの
重量wt%)/乾燥ゲルの重量wt%
【0020】(6)曲げ弾性率 ASTM D−790に準拠して求めた。 (7)引っ張り伸び JIS K7113(測定速度500mm/min)に準拠して
求めた。 (8)落錘衝撃強度 JIS K7211に準拠し求めた。
【0021】(9)光沢 ASTM D−523に準拠して入射角60°で測定し
た。
【0022】(10)着色性 樹脂100重量部に対して、カーボンブラック0.05
重量部を添加し、成形品(縦75mm、横50mm、厚
み4mm)をつくる。同様に赤系染顔料、青系染顔料
0.05重量部を添加し、成形品をつくる。標準サンプ
ルとして、ポリスチレンにカーボンブラック、赤系染顔
料、青系染顔料を添加した成形品をつくり、それぞれの
樹脂について、染顔料により調色した際の色合い(染顔
料本来の色に対する、樹脂の染まり易さ) を評価する。
評価は10段階とし、最も着色性に優れたものを10と
する。
【0023】
【実施例】
実施例 1 原料液として下記混合物(a)を30リットル/hrの供給
速度で25リットルの内容積の完全混合槽型予熱器に連
続的に供給した。 混合物(a) スチレン:79重量%、 スチレン−ブタジエンゴム(SBR):6重量%、 ( SV値20cps、スチレン含有量2.5重量%) ポリスチレン(GP):15重量% 合計100重量部 エチルベンゼン(EB):10重量部 1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン(PO):0.02重量部 ミネラルオイル(PDS):2重量部 予熱器で80℃まで予熱した後、引き続き45リットル
の撹拌機付き塔型プラグフロー反応器の第1反応器に連
続的に全量装入して重合した。第1反応器内の重合温度
は、100〜115℃の範囲で流れ方向に沿って温度が
高くなるような温度勾配が生じるように調節した。予熱
器の出口では、ゴム状重合体はまだ相反転していない状
態であり、第1反応器で撹拌しながら重合した結果、第
1反応器の出口では重合液は相反転が終了した状態であ
った。次いで、内容積50リットルのスタティックミキ
サー型プラグフロー反応器を3基直列に配置した第2反
応器に上記重合液を連続的に全量装入して重合を継続し
てスチレンの重合転化率88%になるまで重合を進行さ
せ、この重合液を3ベント付き二軸押出機において23
0℃の加熱処理を施しながら減圧下で揮発性成分を除去
した後にペレット化した。得られた樹脂の物性値を表1
に示す。
【0024】実施例 2 前記実施例1において、原料液として下記の混合物
(b)を用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で
実験した。得られた樹脂の物性値を表1に示す。 混合物(b) スチレン:79重量%、 ブタジエンゴム(PB;SV値20cps):6重量%、 ポリスチレン(GP):15重量%、 合計100重量部 エチルベンゼン(EB):10重量部、 1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン(PO):0.02重量部 ミネラルオイル(PDS):2重量部
【0025】実施例 3 前記実施例1において、原料液として下記の混合物
(c)を用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で
実験した。得られた樹脂の物性値を表1に示す。 混合物(c) スチレン:86重量%、 スチレン−ブタジエン共重合体:2重量% (SBR;SV値75cps、スチレン含有量7.5重量%) ブタジエンゴム(PB;SV値85cps):2重量% ポリスチレン(GP):10重量% 合計100重量部 エチルベンゼン(EB):10重量部 1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン(PO):0.02重量部 ミネルオイル(PDS):2重量部
【0026】実施例 4 前記実施例1において、原料液として下記の混合物
(d)を用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で
実験した。得られた樹脂の物性値を表1に示す。 混合物(d) スチレン:86重量% ブタジエンゴム(PB; SV値85cps):4重量% ポリスチレン(GP):10重量% 合計100重量部 エチルベンゼン(EB):10重量部 1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン(PO):0.02重量部 ミネラルオイル(PDS):2重量部
【0027】比較例 1 前記実施例1において、原料液として下記の混合物
(e)を用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で
実験した。得られた樹脂の物性値を表1に示す。 混合物(e) スチレン :74重量% スチレン−ブタジエンゴム:6重量% (SBR;SV値20cps、スチレン含有量2.5重量
%) ポリスチレン(GP):20重量% 合計100重量部 エチルベンゼン(EB):10重量部 1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン(PO):0.02重量部 ミネラルオイル(PDS):2重量部 この比較例1では、ゴム粒子中に内包しているポリスチ
レンの粒子径が過度に微細かつ均一になり、着色性は良
好であるが、機械的強度とくに引っ張り伸び、落錘衝撃
強度が著しく低下している。
【0028】比較例 2 前記実施例1において、原料液として下記の混合物
(f)を用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で
実験した。得られた樹脂の物性値を表1に示す。 混合物(f) スチレン:82重量% ブタジエンゴム(PB;SV値170cps):6重量% ポリスチレン(GP):12重量% 合計100重量部 エチルベンゼン(EB):10重量部 1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン(PO):0.02重量部 ミネラルオイル(PDS):2重量部 この比較例2では、ゴム状重合体の溶液粘度が高く、分
散ゴム粒子径が大きくなったため、光沢が劣っている。
【0029】比較例 3 前記実施例1において、原料液として下記の混合物
(g)を用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で
実験した。得られた樹脂の物性値を表1に示す。 混合物(g) スチレン:94重量% ブタジエンゴム(PB;SV値85cps) :6重量% 合計 100重量部 エチルベンゼン(EB):10重量部 1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン(PO):0.02重量部 ミネラルオイル(PDS):2重量部 この比較例3では、ゴム粒子中に内包しているポリスチ
レンの粒子径が大きく不均一であり、着色性が著しく劣
っている。
【0030】比較例 4 前記実施例1において、原料液として下記の混合物
(h)を用い、2軸押出機の温度を210℃としたこと
以外は、全て実施例1と同じ条件で実験した。得られた
樹脂の物性値を表1 に示す。 混合物(h) スチレン:94重量% ブタジエンゴム(PB;SV値170cps):6重量% 合計100重量部 エチルベンゼン(EB):10重量部 1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン(PO):0.02重量部 ミネラルオイル(PDS):2重量部 この比較例4では、ゴム粒子中に内包しているポリスチ
レンの粒子径が大きく不均一であり、膨潤比も高いので
着色性が著しく劣っている。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によって得られるゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物は、機械的な強度が良いばかりでなく、
光沢、着色性に優れこれらのバランスに富んでいる。こ
のことから本発明による樹脂組成物は、特に良好な外観
特性が要求される電気・電子分野で使用されるフロント
パネル、ハウジングに使用される製品に好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体をスチレン系モノマーに溶
    解しグラフト重合して得られたスチレン系重合体80〜
    96重量%とゴム状重合体20〜4重量%からなるゴム
    変性スチレン系樹脂組成物であって、(1)ゴム状重合
    体はスチレン系重合体マトリックス中に、体積平均粒子
    径が0.5〜1.6μmの範囲内の粒子状として分散し
    ており、かつ(2)該ゴム状重合体の分散粒子は、スチ
    レン系重合体の一部が数平均粒子径が0.13μm以上
    〜0.20μm迄で、かつその粒子径分布が1.15〜
    1.35の範囲に分散内包したサラミ構造を有してお
    り、(3)該ゴム状重合体分散粒子の、トルエン中の膨
    潤比が7〜12の範囲にあることを特徴とするゴム変性
    スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ゴム状重合体をポリスチレンとともにス
    チレン系モノマーに溶解しグラフト重合して得られたも
    のである請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 ゴム状重合体の50重量%以上が、スチ
    レン含有量1〜20重量%のスチレン−ブタジエン共重
    合体である請求項1又は請求項2記載のゴム変性スチレ
    ン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ゴム状重合体の5重量%スチレン溶液の
    25℃における溶液粘度(SV値)が10〜100cp
    sである請求項1〜3に記載のゴム変性スチレン系樹脂
    組成物。
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