JP3286550B2 - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JP3286550B2
JP3286550B2 JP05476197A JP5476197A JP3286550B2 JP 3286550 B2 JP3286550 B2 JP 3286550B2 JP 05476197 A JP05476197 A JP 05476197A JP 5476197 A JP5476197 A JP 5476197A JP 3286550 B2 JP3286550 B2 JP 3286550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム変性スチレン系
樹脂組成物に関し、特に、優れた衝撃強度、均一な光沢
性及び熱安定性などの特性を有するゴム変性スチレン系
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スチレン系樹脂(例えばABS樹
脂など)は、成形加工性、物理的性質及び機械的性質に
ついて良好な評価がなされ、特にそれらの成形品が優れ
た外観と良好な光沢を示すため、電気や電子製品及び車
輛部品に広く使われる。しかし、使用者の品質への要求
が高まるにつれ、スチレン系樹脂の衝撃強度及び光沢性
においてより改善が要求され、特にスチレン系樹脂の成
形品において光沢むらができたり、成形品上の同一箇所
でもみる方向により、外観光沢の差が生ずる問題が指摘
される。また、成形加工業者が射出成形品のゲート部の
外観の改善を図って、ピンゲートを使用して高温で射出
成形することが多い。この傾向につれてスチレン系樹脂
の熱安定性に対する要求もさらに高くなっている。その
ため、スチレン系樹脂の優れた衝撃強度を保ちながら、
製品の光沢むらを無くし、かつ樹脂加工時の熱安定性を
一層改善することがこの分野の重要な課題である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み、本発明
は、優れた衝撃強度、均一な光沢、且つ、良好な熱安定
性を備えたゴム変性スチレン系樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、スチレン系単量体、アクリロニトリル系単
量体及び任意成分としてこれらと共重合可能な単量体よ
りなるスチレン系共重合体(A) とグラフトゴム粒子より
なるゴム変性スチレン系樹脂組成物において、グラフト
ゴム粒子が重量平均粒径0.05〜0.8 μmの乳化グラフト
ゴム粒子(B) 、と重量平均粒子径 0.1〜10μmの塊状
(または溶液)グラフトゴム粒子(C) からなり、且つ、
乳化グラフトゴム粒子(B) の表面にグラフトしているス
チレン系共重合体の平均厚さが30〜160 Åであり、塊状
(または溶液)グラフトゴム粒子(C) の表面にグラフト
しているスチレン系共重合体の平均厚さが90〜350 Åで
あり、ゴム分が5〜45重量%、スチレン系共重合体が95
〜55重量%であることを特徴とするゴム変性スチレン系
樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に於て、前記スチレン系共
重合体(A) は、スチレン系単量体90〜50重量部と、アク
リロニトリル系単量体10〜50重量部及び必要に応じてこ
れらと共重合可能な単量体0〜40重量部を塊状、溶液、
懸濁または乳化重合により得られるものであり、好まし
くは塊状または溶液重合法により得られるものである。
また、前記スチレン系共重合体(A) の重量平均分子量は
60,000〜400,000 であり、好ましくは80,000〜300,000
の範囲で用いられる。本発明のスチレン系共重合体(A)
に使用されるスチレン系単量体としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−t
−ブチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロロス
チレン、m−クロロスチレン、2,5 −ジクロロスチレ
ン、3,4 −ジクロロスチレン、2,4,6 −トリブロムスチ
レン、2,5 −ジブロムスチレンなどがあり、中でもスチ
レンまたはα−メチルスチレンが望ましい。
【0006】本発明に使用されるアクリロニトリル系単
量体の具体例としては、アクリロニトリル、α−メチル
アクリロニトリルなどがあるが、好ましくはアクリロニ
トリルである。本発明においてスチレン系共重合体(A)
に用いられる共重合可能な単量体としては、例えば(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量
体、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが
ある。また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
ては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
ベンジル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはメタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチルである。
【0007】マレイミド系単量体としては、例えば、マ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−イソプロピルマ
レイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイ
ミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−2,3 −ジメチルフェニルマレイミド、N−
2,4 −ジメチルフェニルマレイミド、N−2,3 −ジエチ
ルフェニルマレイミド、N−2,4 −ジエチルフェニルマ
レイミド、N−2,6 −ジメチルフェニルマレイミド、N
−2,3 −ジクロロフェニルマレイミド、N−2,4 −ジク
ロロフェニルマレイミド、N−2,3 −ジブロモフェニル
マレイミド、N−2,4 −ジブロモフェニルマレイミド等
が挙げられ、好ましくはN−フェニルマレイミドであ
る。
【0008】本発明の組成物において、ゴム分は樹脂組
成物に対して5〜45重量%であり、且つ、その分散して
いるグラフトゴム粒子はグラフト共重合体の形で存在す
る。言い換えれば、乳化グラフトゴム粒子(B) のグラフ
ト共重合体と塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C)
のグラフト共重合体を含むものである。
【0009】前記乳化グラフトゴム粒子(B) を製造する
方法は、ジエン系ゴムラテックス50〜85重量部(固形
分)の存在下に、スチレン系単量体90〜50重量%と、ア
クリロニトリル系単量体10〜50重量%及びこれらと共重
合可能な単量体0〜40重量部からなる単量体混合物50〜
15重量部をグラフト重合させて、重量平均粒径が0.05〜
0.8 μmの乳化グラフトゴム粒子(B) のラテックスを得
る。前記ジエン系ゴムラテックスは、共役ジエン単量体
100〜60重量%と共重合可能な不飽和単量体0〜40重量
%からなる単独重合体(homopolymer )またはその共重
合体(copolymer)である。前記共役ジエン単量体は次式
のように表される。
【0010】
【化1】
【0011】ここで、R は水素、メチル、又は塩素であ
り、共重合可能な不飽和単量体は、スチレン系単量体、
アクリロニトリル系単量体、メタクリル酸エステル系単
量体、アクリル酸エステル系単量体またはその混合物が
その例である。
【0012】本発明に使用されるジエン系ゴムラテック
スの代表例としては、ポリブタジエン、ブタジエン−ス
チレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体などが挙
げられる。上記ジエン系ゴムラテックスは前記単量体を
直接重合することにより平均粒径0.05〜0.8 μmにさせ
るか、または重合により0.05〜0.18μmの小粒径のゴム
ラテックスにしたのち、さらに公知のゴム肥大化法によ
って 0.2〜0.8 μmのゴムラテックスに肥大させてもよ
い。前記ゴム肥大化法としては、有機酸、金属塩類或は
カルボン酸基を有する高分子凝集剤などを添加する化学
的肥大化法、機械攪拌による機械的肥大化法、または冷
凍肥大法などが挙げられる。そして、前記化学的肥大法
に用いられる高分子凝集剤としては、例えばアクリル酸
ブチル−メタクリル酸共重合体がある。
【0013】前記乳化グラフトゴム粒子(B) を製造する
方法は、一般に公知のグラフト重合技術より、ゴム状重
合体の存在下に、スチレン系単量体、アクリロニトリル
系単量体、及び必要に応じて添加したこれらと共重合可
能な単量体からなる混合物をグラフト重合に付し、化学
的な結合により前記単量体混合物からなるスチレン系共
重合体をジエン系ゴムにグラフトさせ、しかも、単量体
とジエン系ゴムとの割合及び重合条件の選定により、ジ
エン系ゴムにグラフトして所期のスチレン系共重合体の
グラフト厚さを得る。通常グラフト重合反応において、
重合温度、開始剤の種類、ゴム状重合体の物理的または
化学的な物性(例えば、ゴムの膨潤指数、ゴムの共重合
成分及び含有量など)、粒子の大きさ、単量体の添加速
度、単量体とゴムとの予めの含浸の程度、連鎖移動剤、
乳化剤の使用量と種類などの諸因子が、ジエン系ゴムに
グラフトしたスチレン系共重合体の厚さに影響を及ぼ
す。
【0014】前記乳化グラフト重合により重合して生成
したスチレン系共重合体はその一部が化学結合の形でジ
エン系ゴムに結合し、その他の一部が遊離状共重合体
(freecopolymer)の形をしている。また、乳化グラフ
トゴム粒子の電子顕微鏡の写真によれば、ゴム粒子内に
スチレン系共重合体を吸蔵していることが可能である。
その吸蔵程度は物性の要求により調節される。また、そ
の一部のスチレン系共重合体はゴム粒子の表面にグラフ
トし、この部分のスチレン系共重合体が、本発明におけ
る乳化グラフトゴム粒子(B) のグラフト厚さとなってい
る。
【0015】前記グラフト重合反応に添加される開始剤
または触媒は、通常重合可能な単量体に対して0.01〜5.
0 重量部の範囲内、好ましくは 0.1〜3.0 重量部であ
り、その添加量は単量体及び所期の重合条件により決め
られ、前記開始剤を次第に増量添加することにより、グ
ラフト重合反応の進行に寄与することができる。
【0016】また、前記グラフト共重合体の分子量は、
グラフト重合温度の制御、および/または分子量調節剤
を添加することにより調節することができる。この分子
量調節剤としては、メルカプタン系化合物、ハロゲン化
合物、テルペン系化合物などがあり、より具体的な例と
しては、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメ
ルカプタン、α−メチルスチレン二量体などが挙げられ
る。
【0017】前記グラフト重合の単量体混合物は連続又
は逐次に重合システムに添加し、さらに好ましくは同時
に開始剤を連続または逐次に添加して行われる。前記開
始剤としては従来のラジカル重合反応開始剤を用いるこ
とができ、例えばペルオキシ化合物、アゾ化合物または
硫酸塩ペルオキシド化合物などがあり、適当なペルオキ
シ化合物としては、例えばジクミルペルオキシド、tert
−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、クメ
ンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシ
ドなどがある。
【0018】前記ジエン系ゴムラテックスと単量体混合
物との重合反応は、不活性ガス雰囲気下、20〜100 ℃の
温度で攪拌を行い、また1〜8atm に加圧することもで
きる。反応により90%の単量体を重合させるには、通常
重合時間2〜10時間が必要であり、好ましくは3〜8時
間である。
【0019】乳化グラフトゴム粒子(B) のグラフト共重
合体を製造するために使用され得るスチレン系単量体、
アクリロニトリル系単量体及びこれらと共重合可能な単
量体は、前記スチレン系共重合体(A) について説明した
ものとは同一であるので、その重複説明を省く。
【0020】本発明に使用する乳化グラフトゴム粒子
(B) の重量平均粒径は0.05〜0.8 μm、好ましくは0.06
〜0.6 μmである。乳化グラフトゴム粒子(B) にグラフ
トしたスチレン系共重合体の平均厚さは30〜160 Å、好
ましくは40〜140 Å、より好ましくは40〜100 Åであ
る。グラフトした平均厚さが30Å未満の場合、樹脂組成
物の衝撃強度と伸びを改善する効果が得られず、しかも
樹脂組成物の流動性も低下する。一方、グラフトした平
均厚さが 160Åを超える場合、樹脂組成物の流動性が低
下するのみでなく、衝撃強度も低下する。
【0021】前記乳化グラフトゴム粒子(B) のラテック
スは、適量な凝固剤を添加して凝固させる必要がある。
一般に使用される凝固剤としては、硫酸、酢酸などの酸
類、アルカリ土類金属塩、例えば塩化カルシウムなどの
カルシウム塩類、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム
塩類や、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩類があ
り、好ましくはアルカリ土類金属塩が用いられる。凝固
が完了した重合体スラリーは脱水工程によって水分を除
去し、さらに、乾燥処理を経て粉末状乳化グラフトゴム
粒子(B) のグラフト共重合体とすることもできる。
【0022】本発明に使用する塊状(または溶液)グラ
フトゴム粒子(C) を製造するには、ゴム状重合体5〜30
重量部と合計 100重量部の下記単量体混合物を塊状及び
/または溶液重合法により重合させる。この単量体混合
物はスチレン系単量体90〜50重量部と、アクリロニトリ
ル系単量体10〜50重量部及びこれらと共重合可能な単量
体0〜40重量部とを含む。単量体の転化率を40〜90重量
%にしてなる、グラフト共重合体溶液から脱揮工程によ
り未反応単量体及び揮発分を除いて、重量平均粒径 0.1
〜10μmの塊状または溶液グラフトゴム粒子(C) を得
る。
【0023】本発明に使用する塊状(または溶液)グラ
フトゴム粒子(C) は、連続的に塊状または溶液重合反応
を行う反応器によってつくられる。反応器としては、例
えばプラグフロー反応器、完全混合式反応器(CST
R)、またはスタティックミキサー型プラグフロー反応
器などが例示でき、前記反応器の1種を単独使用する
か、2種以上を併用することもでき、好ましくは完全混
合式反応器が使用される。前記反応器は1個のみ使用、
または同時に2個もしくは3個以上併用することもでき
る。本発明において塊状(または溶液)グラフトゴム粒
子(C) を製造する際、重合開始剤を投入することができ
る。その重合開始剤としてはアシルペルオキシド、エス
テルペルオキシド、ケタールペルオキシド、炭酸エステ
ルペルオキシド、及びニトリル基とシクロヘキシル基と
を有するアゾ化合物などが挙げられる。前記重合開始剤
の添加量としては、通常単量体 100重量部に対して0.01
〜1.0重量部である。
【0024】前記反応器における反応温度は80〜200 ℃
に制御し、好ましくは90〜160 ℃の範囲内とし、また、
反応器の圧力は1〜5kg/cm の間に制御し、原料溶液が
反応器内に滞在する時間は1〜5時間であることが好ま
しい。なお、重合体の分子量をコントロールするため、
例えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカ
プタン、テルピノレンなどの連鎖移動剤を使用してもよ
い。
【0025】重合体が重合終了した後、通常は得られた
グラフト共重合体溶液を予熱器により 200〜280 ℃に加
熱し、そして、脱揮処理により未反応単量体と揮発分を
除去する。一般にその脱揮処理のためには減圧脱気槽ま
たは押出機などの脱気装置を使用し揮発分を除去する。
揮発分はコンデンサーで収集して回収液とし、さらに回
収液の水分を除去してからあらためて原料溶液として使
用することができる。揮発分を除去した重合ホットメル
ト体は押出しペレタイジングにより塊状(または溶液)
グラフトゴム粒子(C) が得られる。
【0026】本発明に使用される塊状(または溶液)グ
ラフトゴム粒子(C) に用いるゴム状重合体としては共役
ジエンゴム、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム、クロロブタジエンゴムなどであり、ブタジエンゴム
が好ましい。ブタジエンゴムにはハイシス(Hi-Cis) 及
びローシス(Low-Cis)の2つのタイプがある。ハイシス
ブタジエンゴムとしてはシス(Cis)/ビニル(Vinyl)の
典型的な組成が94〜98%/1〜5%で、残部組成がトラ
ンス構造であり、ムーニー粘度が20〜120 分で、分子量
範囲が 100,000〜800,000 のものが好ましい。一方、ロ
ーシスブタジエンゴムとしては、シス/ビニルの典型的
な組成が20〜40%/1〜20%で、残部組成がトランス構
造であり、ムーニー粘度が20〜120 のものである。その
他のゴム材料としては、アクリロニトリル/ブタジエン
ゴム、スチレン/ブタジエンゴムと、それらの混合物が
挙げられる。また、本発明に適するスチレン/ブタジエ
ン共重合ゴムにおいては、その重合のタイプにはジブロ
ック(di-block) 共重合、トリブロック(tri-block )
共重合、ランダム(random)共重合、星型(star type)
共重合などがある。前記スチレン/ブタジエン共重合ゴ
ムについて、スチレン/ブタジエンの重量割合範囲が5
/95ないし80/20のものが好ましい。また分子量範囲は
50,000〜600,000 が好ましい。本発明に適するゴムとし
ては、好ましくはブタジエンゴム及びスチレン/ブタジ
エンゴムであり、さらに好ましくはブタジエンゴムであ
る。
【0027】本発明における塊状(または溶液)グラフ
トゴム粒子(C) に使用されるスチレン系単量体、アクリ
ロニトリル系単量体及びこれらと共重合可能な単量体の
種類については、前記スチレン系共重合体(A) について
説明したものと同一であるので、その重複説明を省く。
又、グラフトゴム粒子製造の際、使用しうる溶剤として
は、例えばトルエン、エチレンベンゼン、メチルエチル
ケトンなどがある。
【0028】本発明の塊状(または溶液)グラフトゴム
粒子(C) の製造において生成したスチレン系共重合体
は、一部がゴム状重合体と化学的に連結し、その他の一
部は遊離状共重合体(free copolymer)となっている。
また、塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C) の内部
に前記スチレン系共重合体を吸蔵し、且つ、吸蔵したス
チレン系共重合体の粒径は0.01〜0.3 μmの範囲内であ
る。ゴム粒子の内部に吸蔵するスチレン系共重合体の数
は一個(単一吸蔵)あるいは複数個もあり得る。一方、
スチレン系共重合体の一部はゴム粒子(C) の表面にグラ
フトしており、本発明に使用する塊状(または溶液)グ
ラフトゴム粒子(C) のグラフト厚さになるものである。
前記グラフト厚さは、グラフト重合反応の温度、滞在時
間、ゴム特性(例えば、分子量、重合成分、ミクロ構造
の 1,2−ビニル(vinyl)量など)、連鎖移動剤及び溶剤
の種類、使用量、開始剤の種類、反応器のタイプ、攪拌
速度、相逆転前後における特定の操作条件などにより加
減制御できる。
【0029】塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C)
は、ゴム粒子の重量平均粒径が0.1〜10μmで、かつゴ
ム粒子表面にグラフトしたスチレン系共重合体の平均厚
さは90〜350 Åであり、好ましくは重量平均粒径 0.2〜
7μm、グラフト平均厚さ100〜300 Å以上である。グ
ラフト平均厚さが90Å未満の場合は、均一な光沢性を有
する樹脂が得られず、且つ樹脂の熱安定性も低下し、グ
ラフト平均厚さが350 Åを超える場合は、樹脂の流動性
が低下する。
【0030】本発明のゴム変性したスチレン系樹脂組成
物は、スチレン系共重合体(A) と、乳化グラフトゴム粒
子(B) と、塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C) な
どからなる混合物から押出機により製造することができ
る。ここで、乳化グラフトゴム粒子(B) と塊状(または
溶液)グラフトゴム粒子(C) とのゴム分の合計含有量が
樹脂組成物の5重量%より低い場合は、樹脂組成物の衝
撃強度及び伸びが劣化し、一方、45重量%より高い場合
は、樹脂組成物の流動性と光沢の均一性が悪くなり、且
つ熱安定性も低下する。
【0031】本発明において、ゴム粒子の重量平均粒径
とは、樹脂組成物からミクロトーム(microtome)により
作った薄膜を染色して倍率10,000倍の透過型電子顕微鏡
により撮った写真中の約 200〜1000個のゴム分散粒子
を、それぞれ粒径測定をし、次式により重量平均粒径を
求める。
【0032】
【数1】
【0033】ここで、ni はゴム粒径がDiのゴム粒子
数を示す。
【0034】また、本発明において、ゴム粒子にグラフ
トしたスチレン系共重合体の平均厚さとは、まず、樹脂
組成物をアセトンで溶かし、その可溶分を遠心分離で除
去して、得られたゲル分をアセトンに分解させて分散液
とし、次いで、数滴の前記分散液をエポキシ樹脂系接着
剤の主剤に滴下して、その主剤とゲル分を十分混合さ
せ、真空乾燥してアセトンを除去した後にエポキシ樹脂
系接着剤の硬化剤を添加して十分混合させ、さらに加熱
して硬化させて、ゲル分がエポキシ樹脂に十分に分散し
た試験片を作る。(ここで、使用したエポキシ樹脂系接
着剤は商品名Araldite rapid(Ciba-Geigy社) の市販品
である。)前記の如くして得られた試験片を四酸化オス
ミウム(OsO4)で染色してから、ミクロトームで薄膜を
作り、倍率60,000倍の透過型電子顕微鏡を使って写真を
撮る。前記四酸化オスミウムにより染色されて、ゴム部
分とエポキシ樹脂部分は黒色に染色され、一方、硬質ス
チレン系共重合体のグラフト層は染色されないで白色と
なる。写真に撮った25個以上のゴム粒子を、トレーシン
グ紙にゴムとグラフト層の外形を透写して、別々に切抜
いて重さを量り、グラフト層の面積値に換算し、さら
に、その面積値でゴム粒子の周長を割ると粒径Diのゴ
ム粒子のグラフト厚さ(ti)を計算できる。本発明で
いうグラフト平均厚さはゴム粒子25個以上について測定
した値の平均値である。
【0035】本発明においては必要に応じてさらに、例
えばフェノール系やチオプロピオネート系酸化防止剤を
添加することにより所望の特性を有する樹脂組成物を得
ることができ、また、スチレン系樹脂組成物の物性や成
形特性を改良するための光安定剤、紫外線吸収剤、充填
剤、着色剤、可塑剤及び帯電防止剤などを適量添加して
もよい。又、重合体合金用樹脂、例えば、ポリ炭酸エス
テル、ポリアミド、ポリエステル(PET、PBT)、
ポリフェニレンエーテル、ポリクロロエチレン、ポリメ
タクリル酸メチル、エチレン−メタクリル酸メチル共重
合体、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン塊状共重
合体、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
水素化スチレン−ブタジエン塊状共重合体などを添加す
ることもでき、それらの配合量は樹脂組成物 100重量部
に対して通常5〜200 重量部である。
【0036】本発明の樹脂組成物を得るための混合方法
としては、具体的には、一般に使用されているヘンシェ
ルミキサーでドライ混合した後、例えば押出し混合器、
ニーダー、またはバンバリーミキサーなどの混合機によ
り溶融混合させることができる。
【0037】本発明の樹脂組成物は、例えば、射出成形
法、押出成形法、圧縮成形法、吹込成形法、熱成形法
(例えば真空成形法)などの成形方法を適用して成形品
とすることができる。
【0038】
【実施例】次に、本発明の組成物を実施例と物性データ
に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明はかかる
実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例に
おいて、特にことわらない限り%及び部と記載したもの
は重量%及び重量部を示す。
【0039】<製造例> <製造例I−1>スチレン−アクリロニトリル共重合体
(A-1) の作製 スチレン76重量%とアクリロニトリル24重量%との原料
を速度12kg/hrで混合し、さらにエチレンビスステアリ
ルアミド 3.0g/hrと、ベンゾイルペルオキシドと、第
三ドデシルメルカプタンと、後述する反応で揮発分を除
去し凝縮して得られた回収液とを併せてフィード液と
し、内部温度が 108℃に保持され、容積が45リットルの
攪拌器付き連続式釜型反応器に供給し、且つ、その反応
液中にトルエンの割合が15%、重合率が55%に維持され
るようにして反応させた。
【0040】反応液が脱揮装置を経て揮発分を除去され
造粒されれば、スチレン−アクリロニトリル共重合体の
ペレットが得られる。一方、その除去された揮発分はコ
ンデンサーで凝縮して回収液になり、さらに連続的に前
記原料混合液と合流再使用される。この方法によりベン
ゾイルペルオキシドの使用量をコントロールしながら、
また第三ドデシルメルカプタンの使用量をコントロール
して反応速度を調節し、約12kg/hrの速度によりメルト
インデックスが 3.0であるスチレン−アクリロニトリル
共重合体(A-1) が得られた。
【0041】<製造例I−2>スチレン−アクリロニト
リル−メタクリル酸メチル共重合体(A-2) の作製 <製造例I−1>と同一の製造方法により、スチレン68
重量%と、アクリロニトリル22重量%と、メタクリル酸
メチル10重量%とを原料として反応させることにより、
メルトインデックスが 2.0であるスチレン−アクリロニ
トリル−メタクリル酸メチル共重合体(A-2) が作られ
た。
【0042】<製造例I−3>スチレン−アクリロニト
リル−α−メチルスチレン共重合体(A-3) の作製 <製造例I−1>と同一の製造方法により、スチレン68
重量%と、アクリロニトリル22重量%と、α−メチルス
チレン10重量%とを原料として反応させることにより、
メルトインデックスが 1.5であるスチレン−アクリロニ
トリル−α−メチルスチレン共重合体(A-3) が作られ
た。
【0043】<製造例I−4>スチレン−アクリロニト
リル−N−フェニルマレイミド共重合体(A-4) の作製 <製造例I−1>と同一の製造方法により、スチレン68
重量%と、アクリロニトリル22重量%と、N−フェニル
マレイミド10重量%とを原料として反応させることによ
り、メルトインデックスが 1.0であるスチレン−アクリ
ロニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体(A-4) が
作られた。
【0044】 <製造例II−1>乳化グラフトゴム粒子(B-1) の製造 成 分 重量部 1,3−ブタジエン 95.0 アクリロニトリル 5.0 過硫酸カリウム 15.0 ピロりん酸ナトリウム 3.0 オレイン酸カリウム 1.5 蒸留水 140.0 第三ドデシルメルカプタン 0.2 上記組成により反応温度65℃の下で12時間反応を行わ
せ、転化率94%、固形分含有量約40%、重量平均粒径
0.1μmの合成ゴムラテックスを得る。
【0045】また、以下のような成分によるカルボキシ
ル基を有する高分子凝集剤を作製する。
【0046】 成 分 重量部 n−アクリル酸エチル 85 メタクリル酸 15 第三ドデシルメルカプタン 0.3 オレイン酸カリウム 2.0 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.0 クメンヒドロペルオキシド 0.4 ホルムアルデヒド化次硫酸ナトリウム 0.3 蒸留水 200 上記組成により反応温度75℃の下で5時間反応を行わ
せ、転化率95%、PH6.0のカルボキシル基を有する高分
子凝集剤を得る。
【0047】次で、そのカルボキシル基を有する高分子
凝集剤(固形分)3重量部を使用して、合成ゴムラテッ
クス(固形分) 100重量部を肥大化させ、PH8.5 、重量
平均粒径が0.30μmの肥大化ゴムラテックスを作製す
る。
【0048】最後に、その肥大化ゴムラテックスを用い
次に示す処方でグラフト重合反応を行い、乳化グラフト
ゴム粒子(B-1) を作製した。
【0049】 成 分 重量部 肥大化ゴムラテックス 100.0 スチレン 25.0 アクリロニトリル 8.3 オレイン酸カリウム 1.2 第三ドデシルメルカプタン 0.2 クメンヒドロペルオキシド 0.5 硫酸第一鉄溶液(0.2%) 3.0 ホルムアルデヒド化次硫酸ナトリウム溶液(10%) 3.0 エチレンジアミンテトラ酢酸溶液(0.25%) 20.0 蒸留水 200.0 上記組成中のスチレン/アクリロニトリルを連続添加方
式で反応システムに5時間かけて供給し重合を行わせ、
得られたグラフトゴム乳液を塩化カルシウム(CaCl2
で凝固・脱水して、さらに含水量が2%以下になる様乾
燥し、ゴム粒子の重量平均粒径が 0.3μmの乳化グラフ
トゴム粒子(B-1) (ゴム含有量75重量%)を得る。
【0050】<製造例II−2>乳化グラフトゴム粒子(B
-2) の作製 <製造例II−1>で作製した合成ゴムラテックス(ゴム
重量平均粒径 0.1μm)を用い、次に示すような処方で
直接グラフト重合反応を行わせ、ゴム含有量が50重量%
の乳化グラフトゴム粒子(B-2)を作成した。得られたゴ
ム粒子の重量平均粒径は 0.1μmである。
【0051】 成 分 重量部 合成ゴムラテックス(0.1 μm)(固形分) 100.0 スチレン 75.0 アクリロニトリル 25.0 オレイン酸カリウム 2.0 第三ドデシルメルカプタン 0.6 クメンヒドロペルオキシド 1.4 硫酸第一鉄溶液(0.2%) 8.6 ホルムアルデヒド化次硫酸ナトリウム溶液(10%) 8.6 エチレンジアミンテトラ酢酸溶液(0.25%) 57.0 蒸留水 200.0 <製造例II−3>乳化グラフトゴム粒子(B-3) の作製 <製造例II−1>と同じような作製方法によるが、その
グラフト重合反応の組成のみを次のように変えた。
【0052】 成 分 重量部 肥大化ゴムラテックス(固形分) 100.0 スチレン 22.0 アクリロニトリル 8.3 メタアクリル酸メチル 3.0 オレイン酸カリウム 1.2 第三ドデシルメルカプタン 0.2 クメンヒドロペルオキシド 0.5 硫酸第一鉄溶液(0.2%) 3.0 ホルムアルデヒド化次硫酸ナトリウム溶液(10%) 3.0 エチレンジアミンテトラ酢酸溶液(0.25%) 20.0 蒸留水 200.0 上記処方により作製されたゴムグラフト乳液を塩化カル
シウム(CaCl)で凝集・脱水を施し、さらに含
水量2%以下に乾燥させて、乳化グラフトゴム粒子(B-
3) (ゴム含有量75重量%)を得た。そのゴム粒子の重
量平均粒径は0.30μmである。
【0053】<製造例II−4>乳化グラフトゴム粒子(B
-4) の作製 <製造例II−1>と同じような作製方法によるが、その
グラフト重合反応の処方のみを次のように変えた。
【0054】 成 分 重量部 肥大化ゴムラテックス(固形分) 100.0 スチレン 22.5 アクリロニトリル 7.8 α−メチルスチレン 1.0 N−フェニルマレイミド 2.0 オレイン酸カリウム 1.2 第三ドデシルメルカプタン 0.2 クメンヒドロペルオキシド 0.5 硫酸第一鉄溶液(0.2%) 3.0 ホルムアルデヒド化次硫酸ナトリウム溶液(10%) 3.0 エチレンジアミンテトラ酢酸溶液(0.25%) 20.0 蒸留水 200.0 上記組成により作製されたゴムグラフト乳液を塩化カル
シウム(CaCl2 )で凝集・脱水を施し、さらに含水量が
2%以下になるまで乾燥させて、乳化グラフトゴム粒子
(B-4) (ゴム含有量75重量%)を得た。そのゴム粒子の
重量平均粒径は0.30μmである。
【0055】<製造例II−5>乳化グラフトゴム粒子(B
-5) の作製 <製造例II−1>と同じような作製方法によるが、その
グラフト重合反応の処方のみを次のように変えた。
【0056】 成 分 重量部 肥大化ゴムラテックス(固形分) 100.0 スチレン 8.4 アクリロニトリル 2.8 オレイン酸カリウム 2.0 第三ドデシルメルカプタン 0.1 クメンヒドロペルオキシド 0.2 硫酸第一鉄溶液(0.2%) 1.1 ホルムアルデヒド化次硫酸ナトリウム溶液(10%) 1.1 エチレンジアミンテトラ酢酸溶液(0.25%) 7.3 蒸留水 200.0 上記組成のうち、スチレン/アクリロニトリルを連続添
加方式で1時間かけて反応システムに続けて供給し重合
を行わせて得られたゴムグラフト乳液を塩化カルシウム
(CaCl2 )で凝集・脱水して、さらに含水量2%以下に
なるまで乾燥し、乳化グラフトゴム粒子(B-5) (ゴム含
有量90重量%) を得た。そのゴム粒子の重量平均粒径は
0.3μmである。
【0057】<製造例II−6>乳化グラフトゴム粒子(B
-6) の作製 <製造例II−1>と同じような作製方法によるが、その
グラフト重合反応の処方のみを次のように変えた。
【0058】 成 分 重量部 肥大化ゴムラテックス(固形分) 100.0 スチレン 300.0 アクリロニトリル 100.0 オレイン酸カリウム 0.5 第三ドデシルメルカプタン 2.2 クメンヒドロペルオキシド 5.4 硫酸第一鉄溶液(0.2%) 32.5 ホルムアルデヒド化次硫酸ナトリウム溶液(10%) 32.5 エチレンジアミンテトラ酢酸溶液(0.25%) 22.0 蒸留水 200.0 上記のうちスチレン/アクリロニトリルを連続添加の方
式で反応システムに8時間かけて供給して重合を行わ
せ、得られたゴムグラフト乳液を塩化カルシウム(CaCl
2 )で凝集・脱水して、さらに含水量が2%以下になる
まで乾燥し、乳化グラフトゴム粒子(B-6) (ゴム含有量
20重量%)を得た。そのゴム粒子の重量平均粒径は0.30
μmである。
【0059】<製造例III −1>塊状(または溶液)グ
ラフトゴム粒子(C-1) の作製 ベンゾイルペルオキシド0.08重量部を開始剤とし、ポリ
ブタジエン 6.6重量部(旭化成製、商品名Asadene 55A
S)をスチレン74.4重量部と、アクリロニトリル25.6重
量部と、エチルベンゼン30重量部の中に完全に溶解させ
てフィード溶液となし、そして、そのフィード溶液を連
続的に、その内部に冷却循環パイプを付けたプロペラ式
攪拌器を備えた体積が45リットルの第1反応器に仕込
み、反応温度を 100℃、攪拌速度は 150rpm に保持して
反応させた。第1反応器中の単量体転化率が15%になる
と、反応混合物を連続的に取り出して順を追って第2、
3、4反応器に仕込みながら、第3反応器には第三ドデ
シルメルカプタン 0.1重量部を添加し、第2反応器で相
逆転現象を発生させる。前記第2、3、4反応器の構造
は第1反応器と同一であるが、各々の反応温度が 105
℃、 110℃、 125℃で、攪拌速度を夫々 270rpm 、150r
pm、110rpmに保持させる。前記混合物の転化率が60%に
達すると、混合物を取り出して脱揮装置に入れ、未反応
の単量体及び揮発分を除去し、押出してペレットにし
て、塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C-1) を得
た。得られたゴム粒子の重量平均粒径は0.95μm、ゴム
含有量が10重量%である。
【0060】<製造例III −2>塊状(または溶液)グ
ラフトゴム粒子(C-2) の作製 <製造例III −1>と同じ製造方法により、ただし、開
始剤としてのベンゾイルペルオキシドを0.12重量部、第
1反応器の単量体転化率を16%、攪拌速度を140rpmに変
更し、又第2反応器の反応温度を 110℃、攪拌速度を30
0rpmに変更し、反応させた生成物を押出してペレットに
して塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C-2) を得
た。得られたゴム粒子の重量平均粒径は0.75μm、ゴム
含有量は10重量%である。
【0061】<製造例III −3>塊状(または溶液)グ
ラフトゴム粒子(C-3) の作製 <製造例III −1>と同じ製造方法で、ただし、開始剤
としてのベンゾイルペルオキシドを0.05重量部とし、さ
らに、第三ドデシルメルカプタン 0.2重量部を第2反応
器に添加し、第1反応器の単量体転化率を19%、攪拌速
度を270rpmとなし、第2反応器の攪拌速度を250rpmとし
て、相逆転が第1反応器に発生させるように変更し反応
させたものを押出してペレットにして塊状(または溶
液)グラフトゴム粒子(C-3) を得た。得られたゴム粒子
の重量平均粒径は 1.0μm、ゴム含有量は10重量%であ
る。
【0062】<製造例III −4>塊状(または溶液)グ
ラフトゴム粒子(C-4) の作製 第三ドデシルメルカプタンとベンゾイルペルオキシドを
開始剤として、ポリブタジエン 6.6重量部(旭化成製、
商品名Asadene 55AS) をスチレン74.4重量部と、アクリ
ロニトリル25.6重量部と、エチルベンゼン30重量部の混
合物の中に完全に溶かしてフィード溶液とし、そして、
このフィード溶液をその内部に冷却循環パイプを付けた
プロペラ式攪拌器を備え体積が45リットルの第1反応器
に連続的に仕込み、反応温度を95℃、攪拌速度は120rpm
に保持させる。第1反応器中の単量体転化率が14%にな
ったところで、反応混合物を連続的に取り出して順に第
2、3、4反応器に仕込みながら、第2反応器には第三
ドデシルメルカプタン0.08重量部を添加することによ
り、相逆転現象を発生させる。前記第2、3、4反応器
の構造は第1反応器と同一であるが、反応温度は順を追
って 105℃、 115℃、130℃で、攪拌速度は夫々200rp
m、150rpm、110rpmに保持させる。混合物の転化率が60
%に達すると、混合物を取り出して脱揮装置に入れ、未
反応の単量体及び揮発分を除去し、押出してペレットに
して塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C-4) を得
た。得られたゴム粒子の重量平均粒径は 3.3μm、ゴム
含有量は10重量%である。
【0063】本発明における上記の実施例と比較例によ
り作製された樹脂組成物の物性の測定基準は次に示す通
りである。
【0064】一、メルトインデックス(MI):AST
M D−1238に準拠して測定する。単位はg/10min
で表す。
【0065】二、アイゾッド衝撃強度(IZOD):A
STM D−256に準拠して測定する。単位はkg・cm
/cm で表す。
【0066】三、延伸倍率:ASTM D−638に準
拠して測定する。単位は%で表す。
【0067】四、光沢勾配(光沢均一性):ガードナー
(Gardener 60° Incidence angle)ASTM D−5
23に準拠して測定する。単位は%を採用し、試験片は
長さ 300mm、幅25mm、厚さ3mmの射出成形品であり、そ
の射出ゲートは端縁から15mmの距離にあり、その射出ゲ
ートからそれぞれ5cm(Gloss 1)、25cm(Gloss 2)
離れた箇所での光沢度の差を測定することにより光沢勾
配を判断する方法とする。その勾配が小さいほど光沢均
一性がよいことを示すものとする。
【0068】五、酸化開始温度(OIT):昇温速度が
10℃/min の測定条件下で、DSC装置(Du Pont 2910
-DSC)を使用して測定する。そのOIT値が低いほど、
重合体がより早めに酸化し、安定性が劣ることを意味す
る。
【0069】<実施例1><製造例I−1>で作製した
スチレン系共重合体(A-1) 70重量%と、<製造例II−1
>で作製した乳化グラフトゴム粒子(B-1) 20重量%と、
<製造例III −1> で作製した塊状(または溶液)グ
ラフトゴム粒子(C-1) 10重量%とを混合し、さらに適量
の滑剤及び酸化防止剤を添加し、Werner & Pfleiderer
ZSK 35の押出機により 220℃で混合押出しペレットを作
り、ゴム含有量が16重量%のゴム変性スチレン系樹脂組
成物を得る。そして、それを 220℃で射出成形して試験
片を作る(射出機は震雄社製番号SM−90)。この試験片
についてメルトインデックス、アイゾッド衝撃強度、伸
び、光沢均一性、OITなどの物性を測定し、結果は表
1に示す。
【0070】<実施例2>表1に示すような成分の原料
を均一混合した後、実施例1と同一処理方法で試験片を
成形して測定を行う。その物性を測定した結果は表1に
示す。
【0071】<実施例3>表1に示すような成分の原料
を均一混合した後、実施例1と同一処理方法で試験片を
成形して測定を行う。その物性を測定した結果は表1に
示す。
【0072】<実施例4>表1に示すような成分の原料
を均一混合した後、実施例1と同一処理方法で試験片を
成形して測定を行う。その物性を測定した結果は表1に
示す。
【0073】<実施例5>表1に示すような成分の原料
を均一混合した後、実施例1と同一処理方法で試験片を
成形して測定を行う。その物性を測定した結果は表1に
示す。
【0074】<実施例6>表1に示すような成分の原料
を均一混合した後、実施例1と同一な処理方法で試験片
を成形して測定を行う。その物性を測定した結果は表1
に示す。
【0075】<比較例1>実施例1と同一操作条件と
し、ただし、乳化グラフトゴム粒子(B) のグラフト共重
合体を(B-5) に変え、かつ、塊状(または溶液)グラフ
トゴム粒子(C) を(C-3) に変えて、試験片を成形し、前
記のような物性を測定する。その結果は表1に示す。
【0076】<比較例2>実施例1と同一操作条件と
し、ただし、乳化グラフトゴム粒子(B) を(B-5) に変
え、試験片を成形し上記のような物性を測定する。その
結果は表1に示す。
【0077】<比較例3>実施例1と同一操作条件と
し、ただし、乳化グラフトゴム粒子(B) を(B-5) に変
え、かつ、塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C) を
(C-2) に変えて、試験片を成形し上記のような物性を測
定する。その結果は表1に示す。
【0078】<比較例4>実施例1と同一操作条件と
し、ただし、乳化グラフトゴム粒子(B) を(B-2) に変
え、かつ、塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C) を
(C-3) に変えて、試験片を成形し上記のような物性を測
定する。その結果は表1に示す。
【0079】<比較例5>実施例1と同一操作条件と
し、ただし、乳化グラフトゴム粒子(B) を(B-6) に変
え、かつ、塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C) を
(C-3) に変えて、試験片を成形し前記した物性を測定す
る。その結果は表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】<実施例7>表2に示す組成の原料を均一
混合した後に、実施例1と同一処理方法により、ただ
し、乳化グラフトゴム粒子(B) を同時に(B-1) と(B-2)
を使用することによりゴム粒子の重量平均粒径がそれぞ
れ 0.1μmと 0.3μmである二山分布をなすようにさせ
て試験片を成形し、前記した物性を測定する。その結果
は表2に示す。
【0082】<実施例8>表2に示す組成の原料を均一
混合した後に、実施例1と同一処理方法、ただし、乳化
グラフトゴム粒子(B) を同時に(B-1) と(B-2) を使用す
ることにより、ゴム粒子の重量平均粒径がそれぞれ 0.1
μmと 0.3μmである二山分布をなすようにさせて試験
片を成形し、前記した物性を測定する。その結果は表2
に示す。
【0083】<実施例9>表2に示す組成の原料を均一
混合した後、実施例1と同一処理方法により、試験片を
成形し前記した物性を測定する。その結果は表2に示
す。
【0084】<実施例10>表2に示す組成の原料を均
一混合した後、実施例1と同一処理方法により、試験片
を成形し前記した物性を測定する。その結果は表2に示
す。
【0085】<実施例11>表2に示す組成の原料を均
一混合した後、実施例1と同一処理方法により、試験片
を成形し前記した物性を測定する。その結果は表2に示
す。
【0086】<実施例12>表2に示す組成の原料を均
一混合した後に、実施例1と同一処理方法により、ただ
し、乳化グラフトゴム粒子(B) として同時に(B-1) と(B
-2) を使用することにより、ゴム粒子の重量平均粒径が
それぞれ 0.1μmと 0.3μmである二山分布となるよう
にして試験片を成形し、前記した物性を測定する。その
結果は表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】上記比較例1、2、3の試験結果より、本
発明の樹脂組成物における乳化グラフトゴム粒子(B) に
グラフトした硬質スチレン系共重合体のグラフト平均厚
さが30Å未満の場合、衝撃強度と伸びが改良されないの
みならず、樹脂の流動性も悪くなることが明らかにわか
る。また、比較例5に於て得られた結果からわかるよう
に、乳化グラフトゴム粒子(B) にグラフトした硬質スチ
レン系共重合体のグラフト平均厚さが 160Åを越える場
合、樹脂の流動性が劣り、衝撃強度も低下する。さら
に、比較例1、4、5から得た結果からわかるように、
塊状(または溶液)グラフトゴム粒子(C) にグラフトし
た硬質スチレン系共重合体のグラフト平均厚さが90Åよ
り低い場合、良好な光沢均一性と熱安定性を有する樹脂
が得られない。一方、実施例1〜12の測定結果から明ら
かにわかるように、本発明によれば何れも前記各成分の
種類及び使用量についての限定により、樹脂組成物は良
好な衝撃強度及び光沢均一性を得ることができ、かつ、
その樹脂を成形品にした場合、熱安定性も大きく改善さ
れ、大いに産業上の利用価値が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04 C08L 25/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体、アクリロニトリル系
    単量体及び任意成分としてこれらと共重合可能な単量体
    よりなるスチレン系共重合体(A) とグラフトゴム粒子よ
    りなるゴム変性スチレン系樹脂組成物において、グラフ
    トゴム粒子が重量平均粒径0.05〜0.8 μmの乳化グラフ
    トゴム粒子(B) と、重量平均粒径0.1〜10μmの塊状
    (または溶液)グラフトゴム粒子(C) からなり、且つ、
    乳化グラフトゴム粒子(B) の表面にグラフトしているス
    チレン系共重合体の平均厚さが30〜160 Åであり、塊状
    (または溶液)グラフトゴム粒子(C) の表面にグラフト
    しているスチレン系共重合体の平均厚さが90〜350 Åで
    あり、ゴム分が5〜45重量%、スチレン系共重合体が95
    〜55重量%であり、以下の方法で測定した光沢勾配の値
    が0.1〜1.4であることを特徴とするゴム変性スチレン系
    樹脂組成物。<光沢勾配の測定方法> ゴム変性スチレン系樹脂組成物から長さ300mm、幅25m
    m、厚さ3mmの射出成形品を作製し、これを試験片と
    し、ASTM D-523に準拠して、該試験片のガードナー(Gar
    dener)光沢度(入射角60℃、単位%)を、射出ゲートか
    ら5cm及び25cm離れた箇所について測定する。得られた
    2つの光沢度の差を、光沢勾配の値とする。なお、射出
    ゲートは試験片の端部から15mmの距離にあり、試験片は
    220℃で射出する。
  2. 【請求項2】 前記乳化グラフトゴム粒子(B) が二山の
    ゴム粒径分布を有し、重量平均粒径がそれぞれ0.06〜0.
    15μmと0.17〜0.6 μmであり、塊状(または溶液)グ
    ラフトゴム粒子(C) の重量平均粒径が 0.2〜7μmであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のゴム変性スチレン
    系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記乳化グラフトゴム粒子(B) の表面に
    グラフトしている硬質スチレン系共重合体の平均厚さが
    40〜140 Åであり、塊状(または溶液)グラフトゴム粒
    子(C) の表面にグラフトしている硬質スチレン系共重合
    体の平均厚さが 100〜300 Åであることを特徴とする請
    求項1に記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記塊状(または溶液)グラフトゴム粒
    子(C) の重量平均粒径が 0.2〜1.5 μmであることを特
    徴とする請求項2に記載のゴム変性スチレン系樹脂組成
    物。
JP05476197A 1997-03-10 1997-03-10 ゴム変性スチレン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3286550B2 (ja)

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