JPH0820628A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JPH0820628A
JPH0820628A JP6155557A JP15555794A JPH0820628A JP H0820628 A JPH0820628 A JP H0820628A JP 6155557 A JP6155557 A JP 6155557A JP 15555794 A JP15555794 A JP 15555794A JP H0820628 A JPH0820628 A JP H0820628A
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三素 村山
Koji Yuzuriha
幸治 杠
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)一般式 【化1】 で示される二官能性エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分
中、50重量%以上含有するエポキシ樹脂、(B)少な
くともフェノール性水酸基3個を骨格中に含有する樹脂
を主成分とするフェノール系硬化剤、及び(C)無機充
填剤、を必須成分とし、全体の樹脂組成物に対して前記
(C)無機充填剤を85〜97重量%の割合で含有する
ことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【効果】 本発明により得られる半導体封止用エポキシ
樹脂組成物は溶融状態において低粘度になるため、無機
充填剤の含有量を増加することが可能であり、得られる
半導体装置は熱応力が小さく、熱時強度が高いために耐
クラック性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体封止用エポキシ
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子は大型化、高集積化の
傾向が高まり、従来のエポキシ樹脂組成物で半導体を封
止した場合、チップやリードフレームと封止樹脂との線
膨張率の差によって発生する熱応力によりチップにクラ
ックが生じたり、ボンディング線が切断されるなど、半
導体部品の信頼性が低下するという問題があった。ま
た、半導体の実装の高集積化に伴い、樹脂封止半導体を
溶融半田中に浸漬したり、赤外リフロー装置などで実装
する方法がとられており、何れも200℃を超える熱処
理によってパッケージにクラックを発生させるという問
題があった。
【0003】熱応力を小さくするとともに実装時に発生
するパッケージクラックを防ぐためにシリカフィラー等
の無機充填剤の含有量を増加させ、線膨張係数を小さく
したり、熱時のパッケージ強度を高めることが有効であ
ることが知られている。特にパッケージクラックの場合
は、パッケージ自体の吸湿水分が実装時の熱処理によっ
てパッケージ内で急激に気化して発生する応力がパッケ
ージ自体の強度を超えたときにクラックが発生する。従
って無機充填剤の含有量を増加させることがパッケージ
の熱時強度を高めるだけでなく、樹脂部分が吸湿する水
分の絶対量を低下させることで実装時のパッケージクラ
ックを防止するのに役立つ(尾形正次ら,”低熱膨張性
エポキシ樹脂系成形材料”第38回熱硬化性樹脂講演討
論会,123-126(1988)、石井利昭ら,”エポキシ成形材
料の流動性に及ぼす球形充填剤の粒度分布の影響”第4
3回熱硬化性樹脂講演討論会,141-144(1993))。
【0004】しかしながら、従来半導体封止用として広
く用いられているオルソクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂とフェノールノボラック硬化剤の組み合わせに対
して、シリカフィラーの含有量を増加させていくと、成
形時の流動性が極端に低下していき、良好なパッケージ
成形品を得るにはフィラー含有量を85重量%未満に押
さえる必要があり、実装時の耐パッケージクラック性も
不充分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するため種々の検討の結果なされたものであり、
その目的とするところは、成形性を損なうことなく実装
時の熱履歴に対する抵抗性が高く、信頼性に優れた半導
体装置を与える封止用樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
【0007】
【化1】
【0008】で示される二官能性エポキシ樹脂をエポキ
シ樹脂成分中、50重量%以上含有するエポキシ樹脂、
(B)少なくともフェノール性水酸基3個を骨格中に含
有する樹脂を主成分とするフェノール系硬化剤、及び
(C)無機充填剤、を必須成分とし、全体の樹脂組成物
に対して前記(C)無機充填剤を85〜97重量%の割
合で含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹
脂組成物である。
【0009】上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂
は、下記一般式(2)で表されるビスフェノール化合物
とエピクロルヒドリンとを反応させることにより合成さ
れる。
【0010】
【化2】
【0011】この反応は通常のビスフェノールA型のエ
ポキシ樹脂を合成する反応と同様の操作にて行うことが
できる。例えば一般式(2)で示されるビスフェノール
化合物をモル比で約10倍量のエピクロルヒドリンに溶
解した後、水酸化ナトリウムの存在下で30〜100
℃、好ましくは50〜80℃の範囲で1〜5時間反応さ
せる。この時の水酸化ナトリウムの使用量はビスフェノ
ール化合物1モルに対して概略等モルであることが望ま
しい。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧留
去し、メチルイソブチルケトン等の溶媒を加えて溶解
し、生成する無機塩を濾過、水洗して除去する。その後
再び溶媒を減圧留去することによって目的のエポキシ樹
脂を得ることができる。
【0012】本発明において用いられるエポキシ樹脂
は、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂が50重量%
以上含有されることが望ましい。これは一般式(1)で
示されるエポキシ樹脂が低粘度であり、フェノール系硬
化剤、無機充填剤を配合して成形材料とした際に成形時
の溶融粘度を低くすることができ、結果として無機充填
剤の充填率を高めることができるので好ましい。エポキ
シ樹脂成分のうち一般式(1)のエポキシ樹脂が50重
量%未満になるとこの低粘度化、高充填化の効果が得ら
れないので好ましくない。
【0013】エポキシ樹脂成分のうち50重量%未満の
範囲で一般式(1)以外のエポキシ樹脂を用いることが
できる。これらについて例示すると、フェノール、o-
クレゾール等のフェノール類とホルムアルデヒドの反応
物であるノボラック化合物をエポキシ化したノボラック
系エポキシ樹脂、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)-メ
タン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニ
ル)エタン等の三価以上のフェノール類から誘導される
グリシジルエーテル化合物、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ハイドロキノン、レゾルシン等の二価フェ
ノール類又はテトラブロムビスフェノールA等のハロゲ
ン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテ
ル化合物、フェノール類と芳香族カルボニル化合物との
縮合反応により得られる多価フェノール類のグリシジル
エーテル化合物、p-アミノフェノール、m-アミノフェ
ノール、4-アミノメタクレゾール、6-アミノメタクレ
ゾール、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジ
アミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニル
エーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,4
-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-
アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフ
ェノキシフェニル)プロパン、p-フェニレンジアミン、
m-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、2,
6-トルエンジアミン、p-キシリレンジアミン、m-キ
シリレンジアミン、1,4-シクロヘキサンビス(メチル
アミン)、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)等
から誘導されるアミン系エポキシ樹脂、p-オキシ安息
香酸、m-オキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等の芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエス
テル系化合物、5,5-ジメチルヒダントイン等から誘導
されるヒダントイン系エポキシ化合物、2,2-ビス(3,
4-エポキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス[4-
(2,3-エポキシプルピル)シクロヘキシル]プロパン、
ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4-エポキシシ
クロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート等の脂環式エポキシ樹脂、N,N-ジグリ
シジルアニリン等があり、これらのエポキシ樹脂の1種
または2種以上が使用される。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる
硬化剤としては、フェノール性水酸基を少なくとも3個
骨格中に含有する樹脂が主成分であることが好ましい。
フェノール性水酸基が2個以下である場合、一般式
(1)の二官能エポキシ樹脂を充分に架橋、硬化させる
ことができず、結果として耐熱性、物理特性が低下する
ので好ましくない。フェノール系硬化剤成分のうち、フ
ェノール性水酸基を3個以上含有する成分が50重量%
以上であれば充分な架橋、硬化反応が可能であり、耐熱
性、物理特性に優れた硬化物を与えるので好ましい。
【0015】フェノール系硬化剤の構造については特に
限定されるものではないが例を挙げると、トリス-(4-
ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、
o-クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポ
リビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノー
ル類、さらにはフェノール類、ナフトール類又はビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、
4,4'-ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、
ナフタレンジオール等の2価フェノール類のホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒ
ドロキシベンズアルデヒド、p-キシリレングリコール
等の縮合剤によって合成される多価フェノール性化合物
等である。
【0016】本発明において用いられる無機充填剤は全
体の樹脂組成物に対して85〜97重量%の割合で含有
されることが望ましい。85重量%以上になるとエポキ
シ樹脂組成物から硬化して得られる半導体自体の吸水性
が低下するとともに、パッケージの熱時強度が向上する
ために、半田接続実装時の熱履歴によってパッケージに
クラックが発生することを防ぐことが可能となる。一方
97重量%を超えると、成形時の溶融粘度が高くなり、
流動性が極端に低下して樹脂封止半導体の良好な成形品
が得られないので好ましくない。
【0017】本発明の無機充填剤は特に限定されるもの
ではないが、通常球状あるいは破砕状の溶融シリカ、結
晶シリカ等のシリカ粉末やアルミナ粉末、ガラス粉末等
を用いることができる。2種以上の充填剤の併用も可能
であることは言うまでもない。
【0018】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
には、硬化促進剤、難燃剤、充填材、着色剤、離型剤及
び表面処理剤が含有される。
【0019】硬化促進剤としては、例えば2-メチルイ
ミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールなどの
イミダゾール類、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、ベンジルジメチルアミンなどのアミン
類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、
トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニル
ホスフィン−トリフェニルボロン、テトラフェニルホス
フィン−テトラフェニルボレートなどの有機リン化合物
などが挙げられる。2種以上を併用して用いることも差
し支えない。
【0020】難燃剤としては公知の添加型、反応型何れ
も用いることが可能であるが、例を挙げると、テトラブ
ロムビスフェノールAから誘導される臭素化エポキシ樹
脂、赤リン、リン酸エステルなどのリン系難燃剤、メラ
ミン、グアニジン、メラミンシアヌレートなどの窒素系
難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三
酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどの無機系難燃剤
などである。必要に応じて2種以上を併用することも差
し支えない。
【0021】着色剤としては、顔料、染料などを用いる
ことができるが、通常カーボンブラックなどを用いるの
が好ましい。
【0022】離型剤としては、例えば天然ワックス、合
成ワックス、高級脂肪酸またはその金属塩類、あるいは
パラフィンなどが挙げられるが特にこれらに限定される
ものではない。
【0023】本発明に用いられる表面処理剤とは、充填
剤の表面処理剤のことであり、公知のシランカップリン
グ剤、チタネート系あるいはアルミニウム系カップリン
グ剤等を用いることができる。
【0024】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、以上述べてきたような構成とすることによって、無
機充填剤の含有量を85%以上に高めても成形時の流動
性に優れ、良好な樹脂封止型半導体を得ることが可能に
なるものである。さらにこの半導体装置のパッケージは
充填剤含有量が高いために従来のパッケージに比べて吸
湿性が小さく、また熱時強度が高いためにプリント基板
などへの実装時に加わる高温の熱履歴を受けてもパッケ
ージクラックの発生を引き起こすことなく、高信頼性の
半導体装置を提供できるものである。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明
する。
【0026】(実施例1)1,4-ビス(p-ヒドロキシフ
ェノキシ)ベンゼンをグリシジルエーテル化して得られ
たエポキシ樹脂(C−1)(エポキシ当量:220[g/e
q])、油化シェルエポキシ(株)製テルペンフェノール樹
脂YLH−402(水酸基当量:170[g/eq])、住友
デュレズ(株)製フェノールノボラック樹脂PR−517
14(水酸基当量:103[g/eq])、平均粒径11μm
の球状溶融シリカ粉末、平均粒径30μmの球状溶融シ
リカ粉末、平均粒径6μmの破砕溶融シリカ粉末、硬化
促進剤(トリフェニルホスフィン)、その他の添加剤を
表1に示す割合で混合した後、ミキシングロールを使っ
て90℃で8分間混練した後、冷却粉砕し、半導体封止
用樹脂組成物を調整した。この封止用樹脂組成物を17
5℃/3分間の条件でトランスファー成形し、175℃
で6時間の後硬化を実施し成形試験片を作製した。
【0027】こうして得られた試験片の曲げ強度(JI
S K6911)を240℃にて測定した。また、TM
A(熱機械的試験)にて線膨張係数ならびにガラス転移
温度を測定した。さらに80pinQFPICを成形
し、後硬化後85℃85%の恒温恒湿機中で吸湿処理を
24時間、72時間、168時間行った後、IRリフロ
ー装置(240℃/10秒)で処理し、パッケージのク
ラックを観察した。結果を表2に示す。
【0028】(実施例2〜4、比較例1〜6)表1に示
す割合で各材料を混合した後、実施例1と同様にして各
種物性を測定した。測定結果を表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明により得られる半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物は溶融状態において低粘度になるため、
無機充填剤の含有量を増加することが可能であり、得ら
れる半導体装置は熱応力が小さく、熱時強度が高いため
に耐クラック性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式 【化1】 で示される二官能性エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分
    中、50重量%以上含有するエポキシ樹脂、(B)少な
    くともフェノール性水酸基3個を骨格中に含有する樹脂
    を主成分とするフェノール系硬化剤、及び(C)無機充
    填剤、を必須成分とし、全体の樹脂組成物に対して前記
    (C)無機充填剤を85〜97重量%の割合で含有する
    ことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール系硬化剤成分のうち、少なく
    ともフェノール性水酸基3個を骨格中に含有する樹脂が
    50重量%以上である、請求項1記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 硬化促進剤、難燃剤、充填材、着色剤、
    離型剤及び表面処理剤を含有する請求項1又は2記載の
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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