JP2002167416A - フェノール樹脂、これを用いた樹脂組成物及び封止用樹脂成形材料並びに電子部品装置 - Google Patents

フェノール樹脂、これを用いた樹脂組成物及び封止用樹脂成形材料並びに電子部品装置

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JP2002167416A
JP2002167416A JP2000366203A JP2000366203A JP2002167416A JP 2002167416 A JP2002167416 A JP 2002167416A JP 2000366203 A JP2000366203 A JP 2000366203A JP 2000366203 A JP2000366203 A JP 2000366203A JP 2002167416 A JP2002167416 A JP 2002167416A
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resin
molding material
sealing
phenol
phenolic
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JP2000366203A
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Haruaki To
晴昭 陶
Takeshi Oshita
毅 大下
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Tgが高く、低吸湿であり、成形収縮率が低
く、接着性が高く、流動性に優れた組成物、成形材料を
実現できる樹脂、この樹脂を用いた組成物及び封止用樹
脂成形材料並びにこの成形材料により封止した素子を備
えた電子部品装置を提供する。 【解決手段】(A1)主鎖骨格に繰り返し単位(a)及
び/又は(b)を有するフェノール樹脂、及び(A2)
主鎖骨格に繰り返し単位(c)を有するフェノール樹
脂、を含有するフェノール樹脂(A)、これを含む樹脂
組成物及び封止用樹脂成形材料、並びにこの封止用樹脂
成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置。 【化1】 (ここで、nは1〜5の整数、l及びmはそれぞれ独立
に0〜5の整数を示し、l+mが1以上となるように選
ばれる。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止用樹脂成形材
料、積層用又は接着剤の材料として好適なフェノール樹
脂、樹脂組成物及び封止用樹脂成形材料により素子を封
止して得られる電子部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ、IC等の電子
部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面か
ら樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く
用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電
気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との
接着性などの諸特性にバランスがとれているためであ
る。特に、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
とフェノールノボラック硬化剤の組み合わせは、これら
特性バランスに優れており、封止用樹脂成形材料のベー
ス樹脂として広範囲に使用されている。
【0003】近年、電子部品のプリント配線板への高密
度実装化が進むに伴い、電子部品装置は従来のDIP(D
ual In-line Package)等のピン挿入型のパッケージが減
少し、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Out-
line Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、
TSOP(Thin Small Out-line Package)、BGA(Bal
l Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等の
小型薄型の表面実装型のパッケージが増加している。表
面実装型パッケージは従来のピン挿入型のものと実装方
法が異なり、配線板表面に仮止めされた後、はんだバス
やリフロー装置等ではんだ付け処理されるため、パッケ
−ジ全体がはんだ付け温度にさらされる。この結果、半
導体パッケージが吸湿している場合、はんだ付け時に吸
湿水分が急激に気化膨張し、接着界面の剥離やパッケー
ジクラックが発生するという現象が表面実装型パッケー
ジの問題となっている。さらに、BGA、CSPにおい
ては片面モールドの表面実装型であるため、反りが大き
な問題となっている。
【0004】これらの問題に対処するため、成形材料の
改良が活発に進められてきた。リフロ−時のパッケ−ジ
クラックを改良するため、成形材料の樹脂成分であるエ
ポキシ樹脂や硬化剤の見直しが行われた結果、従来のオ
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂より吸湿性及
び接着性に優れたビフェニル骨格型エポキシ樹脂を配合
した各種の成形材料が提案されている(特開昭64−6
5116号公報、特開平3−207714号公報な
ど)。現在、このビフェニル型エポキシ樹脂を配合した
成形材料が表面実装型パッケ−ジの封止用として実用化
され始めており、表面実装型パッケージの耐リフロー性
向上に大きく貢献している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ビフェニル型エポキシ樹脂を配合した成形材料は、従来
のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を配合し
た成形材料に比べて耐リフロー性は格段に優れているも
のの、ガラス転移点(Tg)が低下する問題があり、使
用される範囲は限定される。そのため、さらなる低吸
湿、高接着な樹脂が求められている。本発明はかかる状
況に鑑みなされたもので、Tgが高く、低吸湿であり、
成形収縮率が低く、接着性が高く、流動性に優れた組成
物、成形材料を実現できる樹脂、この樹脂を用いた組成
物及び封止用樹脂成形材料並びにこの成形材料により封
止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の繰り返
し単位を有する化合物を含有するフェノール樹脂により
上記の目的を達成しうることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち、本発明は(1)(A1)主鎖骨
格に繰り返し単位(a)及び/又は(b)を有するフェ
ノール樹脂、及び(A2)主鎖骨格に繰り返し単位
(c)を有するフェノール樹脂、を含有するフェノール
樹脂(A)、
【化3】 (ここで、nは1〜5の整数、l及びmはそれぞれ独立
に0〜5の整数を示し、l+mが1以上となるように選
ばれる。) (2)(A3)主鎖骨格に繰り返し単位(d)及び/又
は(e)を有するフェノール樹脂をさらに含有する上記
(1)記載のフェノール樹脂(A)。
【化4】 (ここで、o及びpはそれぞれ独立に0〜5の整数を示
し、o+pが1以上となるように選ばれる。) (3)繰り返し単位(c)を1〜30モル%含有する上
記(1)又は(2)記載のフェノール樹脂(A)、
(4)繰り返し単位(a)を1〜30モル%含有する上
記(1)〜(3)のいずれかに記載のフェノール樹脂
(A)、(5)繰り返し単位(b)を1〜30モル%含
有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のフェノー
ル樹脂(A)、(6)上記(1)〜(5)のいずれかに
記載のフェノール樹脂(A)を含有する樹脂組成物、
(7)エポキシ樹脂(B)をさらに含有する上記(6)
記載の樹脂組成物、及び(8)上記(6)又は(7)記
載樹脂組成物を用いた封止用樹脂成形材料、並びに
(9)上記(8)記載の封止用樹脂成形材料で封止され
た素子を備えた電子部品装置に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のフェノール樹脂(A)
は、(A1)主鎖骨格に繰り返し単位(a)及び/又は
(b)を有するフェノール樹脂、及び(A2)主鎖骨格
に繰り返し単位(c)を有するフェノール樹脂、を含有
するフェノール樹脂であって、(A3)主鎖骨格に繰り
返し単位(d)及び/又は(e)を有するフェノール樹
脂をさらに含有していてもよい。
【化5】 (ここで、nは1〜5の整数、l及びmはそれぞれ独立
に0〜5の整数を示し、l+mが1以上となるように選
ばれる。)
【化6】 (ここで、o及びpはそれぞれ独立に0〜5の整数を示
し、o+pが1以上となるように選ばれる。)
【0009】このようなフェノール樹脂(A)として
は、(1)繰り返し単位(a)を主鎖骨格に含むフェノ
ール樹脂、(2)繰り返し単位(b)を主鎖骨格に含む
フェノール樹脂、(3)繰り返し単位(a)及び(b)
を主鎖骨格にランダムに、規則的に又はブロック状に含
むフェノール樹脂の少なくとも1種を含有し、さらに
(4)繰り返し単位(c)を主鎖骨格に含むフェノール
樹脂を含有するものであって、(5)繰り返し単位
(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の2種以上
を主鎖骨格にランダムに、規則的に又はブロック状に含
むフェノール樹脂、及び(6)繰り返し単位(a)、
(b)、(c)、(d)及び(e)のうちの1種単独で
構成される樹脂を1種又は2種以上含んでいてもよい。
なかでも、高Tgの観点からは、繰り返し単位(b)を
含む2核体成分を主成分とし、さらに繰り返し単位
(c)を含む2核体成分を含有するフェノール樹脂が好
ましい。
【0010】フェノール樹脂(A)中に含まれる繰り返
し単位(a)、(b)及び(c)は、それぞれフェノー
ル樹脂中に1〜30モル%含有していることが好まし
い。繰り返し単位数l、m、n、o及びpはそれぞれ独
立に0〜5の整数を示し、l+mが1以上、nが1以上
となるように選ばれることが必要である。フェノール樹
脂(A)の総核体数(合計の核体数)l+m+n+o+
pは、本発明の要求特性をバランスよく実現するために
数平均が2〜20であること、すなわち、フェノール樹
脂(A)全体の平均核体数が2〜20であることが好ま
しく、2〜10であることがより好ましい。また、フェ
ノール樹脂(A)の数平均分子量は1500以下が好ま
しく、1200以下がより好ましい。ここで、数平均分
子量はGPCによるポリスチレン換算値をいう。
【0011】本発明のフェノール樹脂(A)を得る方法
には特に制限はないが、たとえば、次のようなナフトー
ルの自己酸化による分子内閉環反応を用いる方法が利用
できる。ナフトール類20〜90モル%含有するフェノ
ール類及びp−ヒドロキシベンズアルデヒドを含有する
アルデヒド類を、一般的なノボラック樹脂と同様、必要
に応じて酸触媒等の触媒を用いて初期反応を行う。アル
デヒド類にホルマリンを用いている場合は、100℃前
後で還流反応を行う。この反応を1〜8時間程度行い、
その後、強酸及び/又は超強酸存在下、系内の水を抜き
ながら120〜180℃まで昇温する。このときの雰囲
気は酸化性雰囲気(たとえば空気気流中)とする。2〜
24時間この状態を続けることにより、系内に上記繰り
返し単位(a)及び/又は(b)を有するフェノール樹
脂(A1)、及び上記繰り返し単位(c)を有するフェ
ノール樹脂(A2)が生成する。その後、未反応モノマ
ーを除去することにより、所望のフェノール樹脂(A)
を得ることができる。
【0012】フェノール樹脂(A)の合成に用いられる
ナフトール類としては、1−ナフトールを必須成分と
し、それ以外に、たとえば、2−ナフトール、1,5−
ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタ
レン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒ
ドロキシナフタレン等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上を1−ナフトールと組み合わせて用いてもよい。
また、フェノール類としては特に制限はなく、通常のフ
ェノール樹脂合成に用いられるフェノール化合物を用い
ることができ、たとえば、フェノール、o−クレゾー
ル、p−クレゾール、m−クレゾール、ブチルフェノー
ル、キシレノール、ノニルフェノール、アリルフェノー
ル等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】フェノール樹脂(A)の合成に用いられる
アルデヒド類としては、p−ヒドロキシベンズアルデヒ
ドを用いれば特に制限はなく、それ以外に、たとえば、
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、サリチルアルデヒド等のフェノール樹脂合成に用い
られるアルデヒド類が挙げられ、これらの1種又は2種
以上をp−ヒドロキシベンズアルデヒドと組み合わせて
用いてもよい。
【0014】フェノール樹脂(A)の合成に用いられる
フェノール類とアルデヒド類の配合比率は、目的のフェ
ノール樹脂(A)が得られれば特に制限はないが、フェ
ノール類/アルデヒド類のモル比が1/0.3〜1/1
であることが好ましい。
【0015】フェノール樹脂(A)の合成に用いられる
触媒としては、目的のフェノール樹脂(A)が得られれ
ば特に制限はないが、たとえば、初期反応で用いられる
触媒としては、シュウ酸等の弱酸、塩酸等の強酸、超強
酸などが挙げられ、その後の反応(分子内閉環反応)で
用いられる触媒としては、塩酸、硫酸、パラトルエンス
ルホン酸、トリフルオロ酢酸等の強酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸、メタンスルホン酸等の超強酸などが挙
げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組合
わせて用いてもよい。触媒の配合量は、目的のフェノー
ル樹脂(A)が得られれば特に制限はないが、フェノー
ル類1モルに対して0.0001〜0.1モルが好まし
く、0.001〜0.05モルがより好ましい。
【0016】本発明は、また樹脂組成物を提供するもの
である。フェノール樹脂(A)を含む本発明の樹脂組成
物は、封止用樹脂成形材料、積層用又は接着剤の材料と
して用いることができ、エポキシ樹脂(B)をさらに含
有する樹脂組成物は、封止用樹脂成形材料、積層用又は
接着剤の材料としてより好適に用いることができる。
【0017】本発明の樹脂組成物に用いられるエポキシ
樹脂(B)は、封止用樹脂成形材料、積層用又は接着剤
の材料に一般に使用されているもので特に制限はない
が、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェ
ニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂をはじめとするフ
ェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カ
テコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフ
ェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトー
ル、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデ
ヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合
させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールS、アルキル置換又は非置換のビ
フェノール等のジグリシジルエーテルであるビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチ
ルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹
脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒ
ドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸
等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得ら
れるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエンとフェノ−ル類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ナ
フタレン環を有するエポキシ樹脂、フェノール・アラル
キル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル
型フェノール樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロ
パン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレ
フィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂
肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、硫黄原子含有
エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】樹脂組成物にエポキシ樹脂(B)を用いた
場合は、フェノール樹脂(A)はエポキシ樹脂(B)の
硬化剤として作用する。本発明の樹脂組成物には、フェ
ノール樹脂(A)を単独で用いても、その他の硬化剤を
併用してもよい。本発明の樹脂組成物にフェノール樹脂
(A)に加えて用いられる硬化剤としては、封止用樹脂
成形材料、積層用又は接着剤の材料に一般に使用されて
いるもので特に制限はないが、たとえば、フェノール、
クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフ
ェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、
β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトー
ル類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチル
アルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触
媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェ
ノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジ
メトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフ
ェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナ
フトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール
樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペ
ンタジエンから共重合により合成されるジクロペンタジ
エン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラッ
ク樹脂等のジクロペンタジエン型フェノール樹脂、テル
ペン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独
で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発
明の樹脂組成物にこれらの硬化剤を併用する場合、フェ
ノール樹脂(A)の配合量は特に制限はないが、硬化剤
全量に対して30重量%以上が好ましく、50重量%以
上がより好ましい。
【0019】本発明の樹脂組成物中のフェノール樹脂
(A)とエポキシ樹脂(B)の配合比は特に制限はない
が、エポキシ樹脂と(B)とフェノール樹脂(A)を含
む硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポ
キシ基数に対する硬化剤中の水酸基数の比(硬化剤中の
水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)が、それぞ
れの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2であるこ
とが好ましく、0.6〜1.5であることがより好まし
く、0.8〜1.2であることがさらに好ましい。
【0020】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール樹脂のフェノー
ル性水酸基の硬化反応を促進するために、硬化促進剤を
配合することができる。本発明において用いられる硬化
促進剤としては、一般に使用されているもので特に制限
はないが、たとえば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ
(4,3,0)ノネン、5、6−ジブチルアミノ−1,
8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等
のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレ
イン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、
1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノ
ン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキ
シ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメ
トキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベ
ンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、
フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる
分子内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、
トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミ
ン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイ
ミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、ト
リブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)
ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィ
ン等のホスフィン化合物及びこれらのホスフィン化合物
に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニル
メタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加
してなる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニ
ルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニル
ホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−
メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチ
ルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニ
ルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられ、これら
を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される
量であれば特に制限されるものではないが、樹脂組成物
に対して0.005〜3重量%が好ましく、0.01〜
1重量%がより好ましい。0.005重量%未満では短
時間での硬化性に劣る傾向があり、3重量%を超えると
硬化速度が速すぎて硬化反応の制御が困難になる傾向が
ある。
【0021】本発明の樹脂組成物には、用途に応じてそ
の他の添加剤を適宜配合することができる。
【0022】本発明の樹脂組成物は、封止用樹脂成形材
料として好適に用いられる。本発明の封止用樹脂成形材
料には、フェノール樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及
び硬化促進剤に加えてさらに無機充填剤を配合すること
が好ましい。本発明に用いられる無機充填剤は、吸湿性
及び線膨張係数の低減、並びに熱伝導性、強度及び難燃
性の向上のために封止用樹脂成形材料に配合されるもの
であり、たとえば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミ
ナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化
ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステラ
イト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等
の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維な
どが挙げられ、さらに、難燃効果のある無機充填剤とし
ては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水
酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられ、これらを単独で用い
ても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、
線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性
の観点からはアルミナが好ましく、無機充填剤の形状は
成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球形が好まし
い。無機充填剤の配合量は、封止用樹脂成形材料に対し
て60体積%以上が好ましく、65〜95体積%がより
好ましく、70〜90体積%がさらに好ましい。60体
積%未満では上記の特性向上効果が不十分となる傾向が
あり、95体積%を超えると流動性が低下して成形が困
難になる傾向がある。また、無機充填剤の平均粒径は1
〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好まし
い。1μm未満では封止用樹脂成形材料の粘度が上昇し
やすく、50μmを超えると樹脂成分と無機充墳剤とが
分離しやすくなり、硬化物が不均一になったり硬化物特
性がばらついたり、狭い隙間への充填性が低下したりす
る傾向がある。
【0023】本発明の封止用樹脂成形材料には、さら
に、その他の添加剤として、エポキシシラン、アミノシ
ラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、アルキルシラ
ン、有機チタネート、アルミニウムアルコレート等のカ
ップリング剤などの表面処理剤、ブロム化エポキシ樹脂
や三酸化アンチモン、赤リン、リン酸エステル等のリン
化合物、メラミン、メラミン誘導体、メラミン変性フェ
ノール樹脂、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸
誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物、シ
クロホスファゼン等のリン及び窒素含有化合物、酸化亜
鉛、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、モ
リブデン酸亜鉛等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、複合金属水酸化
物、ジシクロペンタジエニル鉄等の金属元素を含む化合
物などの難燃剤、ハイドロタルサイト類、マグネシウ
ム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスか
ら選ばれる元素の含水酸化物等のイオントラップ剤、高
級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポ
リオレフィン系ワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチ
レン等の離型剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコ
ーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤などを
必要に応じて配合することができる。
【0024】本発明の樹脂組成物及び封止用樹脂成形材
料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、
いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法と
して、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分
混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融
混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができ
る。封止用樹脂成形材料は、成形条件に合うような寸法
及び重量でタブレット化すると使いやすい。
【0025】本発明の封止用樹脂成形材料により封止し
た素子を備えた電子部品装置としては、リードフレー
ム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリ
コンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジス
タ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデン
サ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必
要な部分を本発明の封止用樹脂成形材料で封止した、電
子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置
としては、たとえば、リードフレーム上に半導体素子を
固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード
部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明
の封止用樹脂成形材料を用いてトランスファ成形等によ
り封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、P
LCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Qua
d Flat Package)、SOP(Small Outline Packag
e)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TS
OP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin
Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テ
ープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発
明の封止用樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carri
er Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワ
イヤボンディング、フリップチップボンディング、はん
だ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオー
ド、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵
抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用樹脂成形
材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、
ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、裏面に配
線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭
載し、バンプまたはワイヤボンディングにより素子と有
機基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用
樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Arra
y)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。
また、プリント回路板にも本発明の封止用樹脂成形材料
は有効に使用できる。
【0026】本発明の封止用樹脂成形材料を用いて素子
を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最
も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形
法等を用いてもよい。
【0027】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2リットルのフラスコ
に1−ナフトール144g、フェノール94g、p−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド73.2g及び37%ホルマ
リン32gを入れ、オイルバス中で100℃に昇温す
る。発熱反応を伴う初期反応が触媒の添加なしに起こ
る。1時間還流反応を続け、5規定塩酸2mlを加え、
系内の水が還流する温度で4時間反応させた後、165
℃まで昇温して8時間反応を続ける。その後減圧下18
0℃で3時間濃縮を行い未反応フェノールを除去して、
数平均分子量709、未反応ナフトール3.8%、多分
散度1.57、水酸基当量151のフェノール樹脂1を
得た。得られたフェノール樹脂1のGPCチャートを図
1に示す。得られたフェノール樹脂1を71.6部(重
量部 以下同じ)、エポキシ当量196のメチル基置換
ビフェニル骨格型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株
式会社製商品名YX−4000H)を65部、エポキシ
当量393の臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂(住
友化学株式会社製商品名−400T)を15部、トリフ
ェニルホスフィンを2.5部、平均粒子径17.5μ
m、比表面積3.8m 2/gの球状溶融シリカを120
0部、エポキシシランカップリング剤(γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン)を4部、カルナバワッ
クス(クラリアント社製)を3部及びカーボンブラック
(三菱化学株式会社製商品名MA−100)を1部をそ
れぞれ配合し、8インチ径の加熱ロールを使用して、9
0℃、10分混練して、封止用樹脂成形材料1を得た。
【0029】実施例2 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2リットルのフラスコ
に1−ナフトール144g、フェノール113g、p−
ヒドロキシベンズアルデヒド19.5g、37%ホルマ
リン52g及びシュウ酸2gを入れ、オイルバス中で1
00℃に昇温する。系内の水が還流する温度で1時間反
応させた後、150℃まで昇温し、5規定塩酸3mlを
添加し、12時間反応を続ける。その後減圧下180℃
で4時間濃縮を行い、数平均分子量495、未反応ナフ
トール6.3%、多分散度1.67、水酸基当量170
のフェノール樹脂2を得た。得られたフェノール樹脂2
のGPCチャートを図2に示す。フェノール樹脂1のか
わりにフェノール樹脂2を80.6部を用い、溶融シリ
カの配合量を1300部とした以外は実施例1と同様に
して封止用樹脂成形材料2を得た。
【0030】実施例3 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2リットルのフラスコ
に1−ナフトール144g、フェノール100g、p−
ヒドロキシベンズアルデヒド39g、37%ホルマリン
39g及びシュウ酸1gを入れ、オイルバス中で100
℃に昇温する。系内の水が還流する温度で1時間反応さ
せた後、150℃まで昇温し、5規定塩酸3mlを添加
し、12時間反応を続ける。その後減圧下180℃で4
時間濃縮を行い、数平均分子量533、未反応ナフトー
ル5.6%、多分散度1.67、水酸基当量168のフ
ェノール樹脂3を得た。得られたフェノール樹脂3のG
PCチャートを図3に示す。フェノール樹脂1のかわり
にフェノール樹脂3を79.6部を用い、溶融シリカの
配合量を1300部とした以外は実施例1と同様にして
封止用樹脂成形材料3を得た。
【0031】実施例4 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2リットルのフラスコ
に1−ナフトール144g、フェノール94g、p−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド58.6g、37%ホルマリ
ン25.6g及びシュウ酸2gを入れ、オイルバス中で
100℃に昇温する。系内の水が還流する温度で1時間
反応させた後、150℃まで昇温し、5規定塩酸3ml
を添加し、12時間反応を続ける。その後減圧下180
℃で4時間濃縮を行い、数平均分子量616、未反応ナ
フトール8.7%、多分散度1.60、水酸基当量15
4のフェノール樹脂4を得た。得られたフェノール樹脂
4のGPCチャートを図4に示す。フェノール樹脂1の
かわりにフェノール樹脂4を73部を用い、溶融シリカ
の配合量を1250部とした以外は実施例1と同様にし
て封止用樹脂成形材料4を得た。
【0032】上記で得られたフェノール樹脂1〜4の測
定及び試験は次のように行った。数平均分子量(Mn)
及び多分散度(Mw/Mn)の測定は、株式会社日立製
作所製高速液体クロマトグラフィL6000及び島津製
作所製データ解析装置C−R4Aを用いて行なった。分
析用GPCカラムは、東ソー株式会社製G2000HX
L+G3000HXLを使用した。試料濃度は0.2
%、移動相はテトラハイドロフランを用い、流速1.0
ml/minで測定を行った。ポリスチレン標準サンプ
ルを用いて検量線を作成し、それを用いて数平均分子量
等を計算した。実施例において示した数平均分子量は、
すべてポリスチレン換算値である。
【0033】比較例1〜2 フェノール樹脂1のかわりに硬化剤として水酸基当量1
72のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株式会社
製商品名ザイロックXL−225)又は水酸基当量14
0のナフトール樹脂(日本化薬株式会社製NH−700
0)を用いた以外は実施例1と同様にして、それぞれ封
止用樹脂成形材料5及び6を得た。硬化剤及び溶融シリ
カの配合量は、エポキシ樹脂/硬化剤の当量比が実施例
1と等しくなるように調整した。
【0034】実施例及び比較例の封止用樹脂成形材料1
〜6を次の各試験により評価した。結果を表1に示す。
なお、封止用樹脂成形材料の成形は、トランスファ成形
機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、
硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は180
℃で5時間行った。 (1)スパイラルフロー(SF:流動性の指標) EMMI−1−66(ASTM D3133)に準じた
スパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ
樹脂成形材料を上記条件で成形し、流動距離(cm)を
求めた。 (2)ゲルタイム(GT) 封止用樹脂成形材料3gを用いて、JSR製キュラスト
メータで温度180℃におけるトルク曲線の立ち上がり
までの時間(s)を測定した。 (3)ガラス転移点(Tg)、線膨張係数(α1、α
2) 封止用成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して作
製した19mm×4mm×4mmの試験片を、理学電気
株式会社製の熱機械分析装置(TMA−8141BS、
TAS−100)を用いて、昇温速度5℃/minの条
件で測定した。線膨張曲線の屈曲点からガラス転移温度
(Tg、単位:℃)を求め、Tg以下の傾きからガラス
領域の線膨張係数α1を、Tg以上の傾きからゴム領域
の線膨張係数α2を求めた。 (4)吸湿率 JIS−K−6911に準拠した直径50mm、厚さ3
mmの円板金型を用いて封止用成形材料を上記条件で成
形、後硬化して作製した成形品を、85℃、85%RH
の条件で500時間吸湿させて、吸湿前後の重量を測定
してその増加率を吸湿率とした。 (5)成形収縮率 上記(4)と同様に作製した円板状成形品の直径Lを測
定し、金型の直径L0(50mm)と比較して、次式よ
り成形収縮率を算出した。 成形収縮率=(L0−L)/L0×100 (6)アルミピール強度(接着性の指標) アルミニウムピール試験用金型を用いて、封止用樹脂成
形材料を上記条件で成形、後硬化して、30μm厚のア
ルミ箔上に100mm×70mm×3mmの試験片を作
製し、10mm幅のアルミ箔を垂直方向に引き剥がし、
その強度を測定した。測定は東洋ボールドウィン株式会
社製テンシロンを用い、ヘッドスピード50mm/分の
条件で行った。 (7)曲げ試験 封止用成形材料を上記条件で成形、後硬化して作製した
70mm×10mm×3mmの試験片を、東洋ボールド
ウィン株式会社製テンシロンを用いてヘッドスピード
1.5mm/分の条件で、JIS−K−6911に準拠
した3点支持型の曲げ試験を行い、曲げ弾性率(E、単
位:GPa)、曲げ強度(S、単位:MPa)、破断伸
び(ε、単位:%)を求めた。 (8)耐リフロー性 寸法20mm×14mm×2mm厚、42アロイリー
ド、80ピンのQFP(Quad Flat Package、チップサ
イズ:8mm×10mm)を、封止用樹脂成形材料を用
いて上記条件で成形、後硬化して作製し、恒温恒湿槽を
用いて85℃、85%RHの条件で一定時間加湿した直
後に、ベ−パ−フェイズリフロ−装置を用いて215℃
で90秒加熱し、室温に冷却した後、実体顕微鏡及び超
音波探査装置を用いてクラックの有無を観察し、試験パ
ッケージ数(5)に対するクラック発生パッケージ数で
評価した。
【0035】
【表1】
【0036】本発明のフェノール樹脂(A)を含有しな
い比較例の封止用樹脂成形材料は、十分な特性を満たし
ていない。すなわち、比較例1はTgが低く成形収縮率
が高い。比較例2は成形収縮率が高い上に流動性、接着
性及び耐リフロー性にも劣っている。これに対して実施
例1〜4の封止用樹脂成形材料は、Tgが高く、流動
性、吸湿率、成形収縮率、接着性及び耐リフロー性のい
ずれも良好である。
【0037】
【発明の効果】実施例で示したように、本発明になるフ
ェノール樹脂をエポキシ樹脂硬化剤に用いた封止用樹脂
成形材料は、流動性及びガラス転移点等が優れ、これを
用いて作製した半導体装置は、耐リフロー性に優れてい
る。電子部品装置の分野、特にQFP(フラットパッケ
ージ)、BGA等ではパッケージが薄型、小型になると
ともに素子が大型化し、高いガラス転移点及び耐リフロ
ー性が要求されており、本発明になるフェノール樹脂、
これを用いた樹脂組成物及び封止用樹脂成形材料は、こ
れらの製品へ広く適用でき、工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたフェノール樹脂1のGPC
クロマトグラフである。
【図2】実施例2で得られたフェノール樹脂2のGPC
クロマトグラフである。
【図3】実施例3で得られたフェノール樹脂3のGPC
クロマトグラフである。
【図4】実施例4で得られたフェノール樹脂4のGPC
クロマトグラフである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J033 CA02 CA05 CA10 CA11 CA12 CA22 CA29 CB03 CC03 CC08 CC09 CD03 CD04 HA04 HA12 HA21 HA28 HB03 HB06 HB09 4J036 AA01 AC02 AD07 AD08 AF06 AF08 AG03 AG05 AH15 AJ05 AJ08 AJ14 AJ19 AK02 AK04 DB05 DB06 FB07 FB08 JA07 4M109 AA01 BA01 BA03 BA05 CA21 EA02 EB03 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB13 EB19 EC03 EC05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A1)主鎖骨格に繰り返し単位(a)及
    び/又は(b)を有するフェノール樹脂、及び(A2)
    主鎖骨格に繰り返し単位(c)を有するフェノール樹
    脂、を含有するフェノール樹脂(A)。 【化1】 (ここで、nは1〜5の整数、l及びmはそれぞれ独立
    に0〜5の整数を示し、l+mが1以上となるように選
    ばれる。)
  2. 【請求項2】(A3)主鎖骨格に繰り返し単位(d)及
    び/又は(e)を有するフェノール樹脂をさらに含有す
    る請求項1記載のフェノール樹脂(A)。 【化2】 (ここで、o及びpはそれぞれ独立に0〜5の整数を示
    し、o+pが1以上となるように選ばれる。)
  3. 【請求項3】繰り返し単位(c)を1〜30モル%含有
    する請求項1又は請求項2記載のフェノール樹脂
    (A)。
  4. 【請求項4】繰り返し単位(a)を1〜30モル%含有
    する請求項1〜3のいずれかに記載のフェノール樹脂
    (A)。
  5. 【請求項5】繰り返し単位(b)を1〜30モル%含有
    する請求項1〜4のいずれかに記載のフェノール樹脂
    (A)。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のフェノー
    ル樹脂(A)を含有する樹脂組成物。
  7. 【請求項7】エポキシ樹脂(B)をさらに含有する請求
    項6記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項6又は請求項7記載樹脂組成物を用
    いた封止用樹脂成形材料。
  9. 【請求項9】請求項8記載の封止用樹脂成形材料で封止
    された素子を備えた電子部品装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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