JP3295630B2 - 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品 - Google Patents

電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品

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JP3295630B2
JP3295630B2 JP30510297A JP30510297A JP3295630B2 JP 3295630 B2 JP3295630 B2 JP 3295630B2 JP 30510297 A JP30510297 A JP 30510297A JP 30510297 A JP30510297 A JP 30510297A JP 3295630 B2 JP3295630 B2 JP 3295630B2
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resin molding
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体封止用エポ
キシ樹脂成形材料、特に環境対応の観点から要求される
ノンハロゲン系の電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料
で、耐湿性、耐リフロークラック性、高温放置特性など
厳しい信頼性を要求されるVLSIの封止用に好適な成
形材料及びその成形材料で素子を封止した電子部品に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ、ICなどの電
子部品封止の分野ではエポキシ樹脂成形材料が広く用い
られている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特
性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着
性などの諸特性にバランスがとれているためである。こ
れらのエポキシ樹脂成形材料の難燃化は主にテトラブロ
モビスフェノールAのジグリシジルエーテル等のブロム
化樹脂と酸化アンチモンの組合せにより行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境保護の観点
からダイオキシンの問題に端を発し、デカブロムをはじ
めハロゲン化樹脂についても規制の動きがある。同様に
アンチモン化合物も毒性面から規制の動きがあり、電子
部品封止用エポキシ樹脂成形材料についても脱ハロゲン
化(脱ブロム化)、脱アンチモン化の要求が出てきてい
る。また、プラスチック封止ICの高温放置特性にブロ
ムイオンが悪影響を及ぼすことが知られており、この観
点からもブロム化樹脂量の低減が望まれている。本発明
はかかる状況に鑑みなされたもので、脱ハロゲン化、脱
アンチモン化で、かつ高温保管特性の優れた電子部品封
止用エポキシ樹脂材料を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記の課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の窒素化合
物及び燐化合物を配合することにより上記の目的を達成
しうることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を持つエ
ポキシ樹脂、(B)次式(I)
【化5】 (Rは炭素数1〜4の炭化水素基、Rはアミノ基ま
たは炭素数1〜10の炭化水素基、mは2〜10の整
数、nは1〜10の整数を示す。)で示され、窒素含有
量が5〜20重量%であるフェノール性水酸基を持つ窒
素化合物、(C)無機充填剤を必須成分とする成形材料
であって、(B)成分の含有量が、充填剤(C)を除く
配合成分の合計量に対して窒素原子の量が0.2〜1
0.0重量%となる量であり、(C)成分の含有量が成
形材料全体に対して70重量%以上であることを特徴と
する電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料、 (2)(B)成分の窒素化合物の軟化点が50〜110
℃である上記(1)記載の電子部品封止用エポキシ樹脂
成形材料、 (3)有機燐化合物(D)を(C)無機充填剤を除く他
の配合成分の合計量に対して燐原子の含有量が0.2〜
3.0重量%となる量含むことを特徴とする上記(1)
または(2)記載の電子部品封止用エポキシ樹脂成形材
料、 (4)赤リンを含むことを特徴とする上記(1)または
(2)記載の電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料、 ()(D)成分の有機燐化合物が次式(III)である
上記(3)記載の電子部品封止用エポキシ樹脂成形材
料、
【化7】 (式中の3個のRは炭素数1〜4のアルキル基またはア
ルコキシ基を示し、全て同一でも異なっていてもよ
い。) ()(A)成分が下記一般式(IV)のエポキシ樹脂を
含むことを特徴とする上記(1)〜()記載のいずれ
かの電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料、
【化8】 (ここで、R〜Rは水素または炭素数1〜10の炭
化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。nは
0〜3を示す。) (7)上記(1)〜()記載のいずれかの電子部品封
止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備え
る電子部品、である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
成分のエポキシ樹脂としては、電子部品封止用エポキシ
樹脂成形材料で一般に使用されているもので特に限定は
ないが、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじ
めとするフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂
をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビフェノール
などのジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタ
ン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピクロルヒド
リンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ
樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノ−ル類の共縮合樹
脂のエポキシ化物、ナフタレン環を有するエポキシ樹
脂、ナフトールアラルキル樹脂のエポキシ化物、トリメ
チロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキ
シ樹脂、オレフィン結合を過酢酸などの過酸で酸化して
得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、及び脂環族エポキシ
樹脂などが挙げられ、接着性、吸湿性の点からは下記一
般式(IV)のビフェノール型ジエポキシ樹脂が好適であ
る。これにより耐リフロークラック性及び耐湿性に優れ
た成形材料が得られる。
【化9】 (ここで、R1〜R4は水素または炭素数1〜10の炭化
水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。n
は0〜3を示す。)
【0007】これを例示すると、4,4’−ビス(2,
3−エポキシプロポキシ)ビフェニルや4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’
−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹
脂、エピクロルヒドリンと4,4’−ビス(2,3−エ
ポキシプロポキシ)ビフェノールや4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’
−テトラメチルビフェノールとを反応して得られるエポ
キシ樹脂等が挙げられる。中でも4,4’−ビス(2,
3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テト
ラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ま
しい。このビフェノール型ジエポキシ樹脂は、エポキシ
樹脂全量に対し60重量%以上使用することが好まし
い。60重量%未満では当該エポキシ樹脂の低吸湿性、
高接着性の特長が発揮されず、耐はんだ性に対して効果
が小さいためである。これらのエポキシ樹脂を単独又は
2種類以上併用して使用することができる。
【0008】本発明において用いられる(B)成分のフ
ェノール性水酸基を持つ窒素化合物は次式(I)で示さ
れる化合物である。
【化10】 (R1は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R2はアミノ
基または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、m、nは
それぞれ1〜10の整数を示す) (B)成分の化合物はすなわち、フェノール性水酸基を
持つ化合物とトリアジン環を持つ化合物との共縮重合物
で、次に示すm個の構造(1)とn個の構造(2)とを
骨格中にランダムに含むものである。ただし、R1は炭
素数1〜4の炭化水素基、R2はアミノ基または炭素数
1〜10の炭化水素基、m、nはそれぞれ1〜10の整
数である。
【化11】
【化12】 ここで、R2のアミノ基としては1級、2級および3級
アミノ基のいずれも使用できる。たとえば、1級アミノ
基としてはアミノ基、2級アミノ基としてはモノメチル
アミノ基、モノエチルアミノ基、モノブチルアミノ基、
アニリノ基、ナフチルアミノ基等、3級アミノ基として
はジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミ
ノ基等が挙げられる。R2の炭化水素基としてはたとえ
ば、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等
が挙げられる。
【0009】この化合物を例示するならば、次式(V)
〜(X)
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】 で示される化合物などが挙げられる。
【0010】これらの化合物中の窒素原子の含有量は5
〜20重量%であることが必要である。窒素原子の含有
量が5重量%より小さい場合は難燃性が低下する。20
重量%より大きい場合は化合物の材料中への分散性が悪
くなり、流動性や熱時硬度等が低下する。また、化合物
の軟化点は50〜110℃のものが好適に使用できる。
50℃より低い場合はブロッキング性が悪く、また成形
時のボイド発生を来しやすい。110℃より高い場合は
材料中での分散性が悪く、流動性や熱時硬度等が低下し
がちである。好ましくは70〜100℃である。これら
の化合物の添加量は、充填剤を除く他の全配合成分に対
して、窒素原子の含有量が0.2〜10.0重量%の範
囲内であることが必要である。0.2重量%より少ない
場合は難燃効果が発揮されず、10.0重量%を超えた
場合は吸水率の増加が顕著になり、耐湿性の低下を生じ
る。好ましくは0.5〜7.0重量%である。
【0011】本発明においては硬化剤として1分子中に
2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物を必要に
応じて使用することができる。フェノール性水酸基を有
する化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレ
ノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、
ビスフェノールFなどのフェノール類又はα−ナフトー
ル、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフ
トール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデ
ヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合
させて得られる樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、
フェノール類とジメトキシパラキシレンから合成される
キシリレン基を有するフェノール・アラルキル樹脂など
があり、単独又は2種類以上併用してもよい。
【0012】(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の
フェノール性水酸基を持つ窒素化合物及びその他併用す
るフェノール化合物の当量比((B)成分及び併用する
フェノール化合物の合計水酸基数/(A)のエポキシ基
数)は、特に限定はされないが、それぞれの未反応分を
少なく抑えるために0.7〜1.3の範囲に設定するこ
とが好ましい。
【0013】また、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬
化反応を促進する硬化促進剤を必要に応じて使用するこ
とができる。この硬化促進剤としては、例えば、1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの
ジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリエチレン
ジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールア
ミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノールなどの三級アミン類、2−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィ
ン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニ
ウム・テトラフェニルボレートなどのテトラ置換ホスホ
ニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチル
イミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモ
ルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニ
ルボロン塩などがある。
【0014】本発明においては難燃剤成分として有機燐
化合物(D)や赤リンを併せて使用することができる。
本発明において用いられる(D)成分の有機燐化合物と
しては、特に限定はないが、次式(II)、次式(III)
で示される有機燐化合物が好ましい。赤リンはフェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂などの有機化合物やアルミナ、チ
タニアなどの金属酸化物で表面処理して用いることもで
きる。
【化19】 (式中の8個のRは炭素数1〜4のアルキル基を示し、
全て同一でも異なっていてもよい。Arは芳香族環を示
す。)
【化20】 (式中の3個のRは炭素数1〜4のアルキル基またはア
ルコキシ基を示し、全て同一でも異なっていてもよ
い。)
【0015】式(II)で示される有機燐化合物を例示す
ると、次式(XI)〜(XV)
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】 で示される化合物などが挙げられる。
【0016】式(III)で示される有機燐化合物を例示
すると、次式(XVI)、(XVII)
【化26】
【化27】 で示される化合物などが挙げられる。
【0017】その他にメラミン誘導体、トリアジン環を
有する化合物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導
体等の窒素化合物も用いることができる。これらの窒素
化合物は単独又は2種以上併用して使用することができ
る。これらの燐化合物の添加量は、充填剤を除く他の配
合成分の合計量に対して、燐原子の含有量が0.2〜
3.0重量%の範囲内であることが好ましい。0.2重
量%より少ない場合は難燃効果が発揮されず、3.0重
量%を超えた場合は耐湿性の低下や、成形時にこれらの
燐化合物がしみ出し、外観の阻害が起こりやすい。
【0018】本発明においては、(B)成分の特定の窒
素化合物を使用することで信頼性、成形性の優れたノン
ハロゲン、ノンアンチモンの難燃性電子部品封止用エポ
キシ樹脂成形材料を提供するものである。窒素化合物ま
たは燐化合物と窒素化合物の併用が難燃化に良いことは
一般的に知られているが、本発明は、特に半導体封止用
エポキシ樹脂成形材料として、優れた信頼性を発揮でき
る特定の窒素化合物または燐化合物と窒素化合物の組合
せ及び量比を提供するものである。
【0019】また、充填剤としては吸湿性低減及び強度
向上の観点から無機充填剤を用いることが必要である。
本発明における(C)成分の無機質充填剤としては、溶
融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カル
シウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化ホウ素、ベリ
リア、ジルコニア、などの粉体、又はこれらを球形化し
たビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、ア
ルミナなどの単結晶繊維、ガラス繊維などを1種類以上
配合して用いることができる。さらに、難燃効果のある
無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、硼酸亜鉛などが上げられ、これらを単独または
併用して用いることもできる。無機質充填剤の配合量と
しては、吸湿性、線膨張係数の低減及び強度向上の観点
から70重量%以上が好ましい。さらに好ましくは80
〜95重量%である。上記の無機充填剤の中で、線膨張
係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点
からはアルミナが好ましく、充填剤形状は成形時の流動
性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。
【0020】その他の添加剤として高級脂肪酸、高級脂
肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワ
ックスなどの離型剤、カーボンブラックなどの着色剤、
エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、ビニ
ルシラン、アルキルシラン、有機チタネート、アルミニ
ウムアルコレートなどのカップリング剤などを用いるこ
とができる。
【0021】本発明における成形材料は、各種原材料を
均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用い
ても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量
の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシ
ングロール、押出機等によって溶融混練した後、冷却、
粉砕する方法を挙げることができる。
【0022】リードフレーム、配線済みのテープキャリ
ア、配線板、ガラス、シリコンウエハなどの支持部材
に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリ
スタなどの能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイルなど
の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封
止用成形材料で封止して、電子部品を製造することがで
きる。このような電子部品としては、たとえば、テープ
キャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の
成形材料で封止したTCPを挙げることができる。ま
た、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤーボン
ディング、フリップチップボンディング、はんだなどで
接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サ
イリスタなどの能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗
体、コイルなどの受動素子を、本発明の成形材料で封止
したCOBモジュール、ハイブリッドIC、マルチチッ
プモジュールなどを挙げることができる。電子部品を封
止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も
一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法
等を用いてもよい。
【0023】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】実施例1〜12 エポキシ当量200、軟化点67℃のクレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、エポキシ当量188、融点106
℃のビフェニル骨格型エポキシ樹脂(油化シェルエポキ
シ製;エピコートYX−4000H)、水酸基当量10
6、軟化点83℃のフェノールノボラック樹脂、水酸基
当量167、軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹
脂(三井東圧製;ミレックスXL−225)、トリフェ
ニルホスフィン、カルナバワックス、カーボンブラッ
ク、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、溶融シリカ及び本発明の(B)成分
として下記式(V)の窒素含有量8重量%、軟化点75
℃の窒素化合物1、下記式(V)の窒素含有量15重量
%、軟化点100℃の窒素化合物2、また燐化合物とし
てフェノール樹脂及びアルミナで表面処理した赤リン、
下記式(XI)の有機燐化合物1、下記式(XVI)の有機
燐化合物2を、それぞれ表1に示す重量比で配合し、混
練温度80〜90℃、混練時間10分の条件でロール混
練を行い、実施例1〜12の成形材料を作製した。
【0025】比較例1〜20 難燃剤として、下記式(V)の窒素含有量3重量%、軟
化点70℃の窒素化合物3、下記式(V)の窒素含有量
22重量%、軟化点120℃の窒素化合物4、窒素含有
量67重量%のメラミン、また燐化合物としてフェノー
ル樹脂及びアルミナで表面処理した赤リン、下記式(X
I)の有機燐化合物1、下記式(XVI)の有機燐化合物
2、あるいは、エポキシ当量375、軟化点80℃、臭
素含量48重量%の臭素化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂と三酸化アンチモンを組合せて用い、実施例と同様
に表2、表3に示す配合で、比較例1〜20の成形材料
を作製した。
【0026】
【化28】
【化29】
【化30】
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】作製した合計32種類の成形材料を、次の
各試験により評価した。 (1)スパイラルフロー(流動性の指標) EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金
型を用いて成形し、流動距離を求めた。 (2)耐リフロークラック性 8×10mmのシリコーンチップを搭載した外形寸法2
0×14×2mmの80ピンフラットパッケージをトラ
ンスファ成形により作製し、85℃/85%の条件で加
湿して所定時間毎に240℃/10秒の条件でリフロー
処理を行い、クラックの有無を観察した。なお、フラッ
トパッケージは、トランスファプレスにて180±3
℃、6.9±0.17MPa、90秒の条件で成形材料
を成形し、その後180±5℃、5時間後硬化を行って
作製した。 (3)耐湿性 線幅10μm、厚さ1μmのアルミ配線を施した6×6
×0.4mmのテスト用シリコーンチップを搭載した外
形寸法19×14×2.7mmの80ピンフラットパッ
ケージをトランスファ成形により作製し、前処理を行っ
た後、加湿して所定時間毎にアルミ配線腐食による断線
不良数を調べた。なお、フラットパッケージはトランス
ファプレスにて180±3℃、6.9±0.17MP
a、90秒の条件で成形材料を成形し、その後180±
5℃、5時間後硬化を行って作製した。前処理は85
℃、85%RH、72時間の条件でフラットパッケージ
を加湿し、215℃、90秒間ベーパーフェーズリフロ
ー処理を行った。その後、加湿試験は2.02×105
Pa、121℃の条件で行った。 (4)高温放置特性 外形サイズ5×9mmで5μmの酸化膜を有するシリコ
ンサブストレート上にライン/スペースが10μmのア
ルミ配線を形成したテスト素子を使用して、部分銀メッ
キを施した42アロイのリードフレームに銀ペーストで
接続し、サーモニック型ワイヤボンダにより、200℃
で素子のボンディングパッドとインナリードをAu線に
て接続した。その後、トランスファ成形により、16ピ
ン型DIP(Dual Inline Package)
を作製し、得られた試験用ICを200℃の高温槽に保
管し、所定時間毎に取り出して導通試験を行い、不良数
を調べた。なお、試験用ICは、トランスファプレスに
て180±3℃、6.9±0.17MPa、90秒の条
件で成形材料を成形し、その後180℃±5℃、5時間
後硬化を行って作製した。 (5)難燃性 厚さ1/16インチの試験片を成形する金型を使用し、
トランスファプレスにて180±3℃、6.9±0.1
7MPa、90秒の条件で成形材料を成形し、その後1
80±5℃、5時間後硬化を行った。評価はUL−94
試験法に従った。評価結果を表4、表5、表6に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】本発明における(D)成分の窒素含有量が
本発明の限定より少ない比較例1、4、7、11、14
および17では、難燃性が悪く、UL−94試験にてV
−0を達成できず、V−1となっている。一方、窒素含
有量が20重量%を超える窒素化合物を用いた例では、
比較例2、5、8、12、15および18では流動性、
耐湿性が劣り、比較例3、6、9、13、16および1
9では耐リフロークラック性、耐湿性、高温放置特性が
劣っている。また(C)成分と(D)成分をともに含ま
ない比較例10、20では、特に高温放置特性が劣って
いる。
【0032】これに対して、(A)〜(C)成分を全て
含み、すなわち、難燃剤として特定の窒素化合物(B)
を配合し、成分含量も本発明の限定を満たす実施例1〜
12は、流動性、耐リフロークラック性、耐湿性、高温
放置特性のいずれも良好であり、難燃性も全てV−0と
良好である。
【0033】
【発明の効果】本発明によって得られる電子部品封止用
エポキシ樹脂成形材料は実施例で示したようにノンハロ
ゲン、ノンアンチモンで難燃化を達成でき、これを用い
てIC、LSIなどの電子部品を封止すれば成形性が良
好であり、耐湿性、高温放置特性などの信頼性に優れた
製品を得ることができ、その工業的価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (56)参考文献 特開 平11−189639(JP,A) 特開 平10−306201(JP,A) 特開 平10−292122(JP,A) 特開 平9−235449(JP,A) 特開 平8−337709(JP,A) 特開 平9−165495(JP,A) 特開 平8−311164(JP,A) 特開 平10−182792(JP,A) 特開 平11−189704(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/62 C08L 63/00 - 63/10 C08K 3/02 C08K 5/53 - 5/5397 H01L 23/29

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に2個以上のエポキシ基
    を持つエポキシ樹脂 (B)次式(I)で示され、窒素含有量が5〜20重量
    %であるフェノール性水酸基を持つ窒素化合物 【化1】 (Rは炭素数1〜4の炭化水素基、Rはアミノ基ま
    たは炭素数1〜10の炭化水素基、mは2〜10の整
    数、nは1〜10の整数を示す。) (C)無機充填剤 を必須成分とする成形材料であって、(B)成分の含有
    量が、充填剤(C)を除く配合成分の合計量に対して窒
    素原子の量が0.2〜10.0重量%となる量であり、
    (C)成分の含有量が成形材料全体に対して70重量%
    以上であることを特徴とする電子部品封止用エポキシ樹
    脂成形材料。
  2. 【請求項2】 (B)成分の窒素化合物の軟化点が50
    〜110℃である請求項1記載の電子部品封止用エポキ
    シ樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】 有機燐化合物(D)を(C)無機充填剤
    を除く他の配合成分の合計量に対して燐原子の含有量が
    0.2〜3.0重量%となる量含むことを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の電子部品封止用エポキシ樹
    脂成形材料。
  4. 【請求項4】 赤リンを含むことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の電子部品封止用エポキシ樹脂成形
    材料。
  5. 【請求項5】 (D)成分の有機燐化合物が次式(II
    I)である請求項3記載の電子部品封止用エポキシ樹脂
    成形材料。 【化3】 (式中の3個のRは炭素数1〜4のアルキル基またはア
    ルコキシ基を示し、全て同一でも異なっていてもよ
    い。)
  6. 【請求項6】 (A)成分が下記一般式(IV)のエポキ
    シ樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜各項記載の
    電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化4】 (ここで、R〜Rは水素または炭素数1〜10の炭
    化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。nは
    0〜3を示す。)
  7. 【請求項7】 請求項1〜各項記載のいずれかの電子
    部品封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子
    を備える電子部品。
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