JPH08199117A - コーティング用組成物および樹脂成形体 - Google Patents

コーティング用組成物および樹脂成形体

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JPH08199117A
JPH08199117A JP7012039A JP1203995A JPH08199117A JP H08199117 A JPH08199117 A JP H08199117A JP 7012039 A JP7012039 A JP 7012039A JP 1203995 A JP1203995 A JP 1203995A JP H08199117 A JPH08199117 A JP H08199117A
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JP
Japan
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group
compound
coating
silane compound
coating composition
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Withdrawn
Application number
JP7012039A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Akio Naka
昭夫 中
Yukiko Hori
由貴子 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子内に芳香環とアミノ基を有するシラン化
合物(A)および該シラン化合物(A)中のアミノ基と
の反応性を有する官能基を分子内に持つ化合物(B)を
含むコーティング用組成物である。 【効果】 芳香環を有するシラン化合物(A)を使用し
ているので、耐水性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、可撓
性に優れている上に、高湿度の環境下でも優れたガスバ
リア性を示すものであり、ガスバリア性の耐湿度依存性
を改良することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水性、耐薬品性、耐
候性、耐熱性、可撓性に優れ、特にガスバリア特性の湿
度依存性が小さいコーティング用組成物および該組成物
で処理された樹脂成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸素、窒素、炭酸ガス、水蒸気等の気体
の透過度が極めて小さいガスバリヤ材は包装用材料等の
分野において需要が増大している。ガスバリヤ性をプラ
スチックフィルムまたはシート等成形体材料に付与する
ためには、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニリデン系共重合体、ポリメタキシリレンアジパミ
ド等の気体不透過性素材で成形体を作成する、これら
の気体不透過性素材を他の材料にラミネートまたはコー
ティングする、アルミ箔をフィルム状材料にラミネー
トする、金属酸化物を蒸着する等の方法が知られてい
る。
【0003】しかし、の気体不透過性素材の内、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体やポリメタキシリレン
アジパミドは吸湿性が大きく、吸湿に伴ってガスバリヤ
性が大幅に低下するという問題があり、塩化ビニリデン
系共重合体は塩素原子を含んでいるため公害の原因とな
る恐れがある。また、のアルミ箔ラミネートフィルム
では、包装された内容物を外から見ることができず、
の金属蒸着フィルムは可撓性等を低下させるため、包装
時に蒸着層にクラックを生じ易く、ガスバリヤ性の低下
を引き起こすという問題があった。
【0004】これらの問題を解決するために、緻密な分
子構造を有し、耐候性、硬度、耐薬品性に優れたポリシ
ロキサンを用いて、プラスチックフィルムの表面処理を
行なうことが研究されている(例えば特開平2−286
331号、特開平4−233952号)。しかしながら
ポリシロキサンの原料として用いられるテトラアルコキ
シシランは、加水分解縮合反応点が4つもあるため縮合
時の体積収縮率が大きく、クラックやピンホールのない
被膜を得ることは困難である。また加水分解縮合反応点
が3つしかないアルキルトリアルコキシシランを単独で
使用するか、もしくはテトラアルコキシシランと共加水
分解縮合を行う方法は、クラックやピンホールの発生が
若干抑制されるが、アルキルトリアルコキシシランの反
応性が低いので、アルキルトリアルコキシシランの単独
使用では縮重合が完了せず残存する単量体シランが多く
なったり、またテトラアルコキシシランと併用してもな
かなか均一な共加水分解縮合ができないという問題があ
る。
【0005】さらにこれら従来のシラン系コーティング
用組成物は、プラスチックフィルム等の樹脂成形体との
親和性がないため濡れ性が悪く成膜性に劣っていたり、
アルコキシシラン成分のみからなるものであるため、ガ
スバリア被膜の可撓性が悪く、実際の使用状態ではガス
バリア性を全く発揮できないという問題があった。
【0006】本願発明者らは上記問題の解決に成功し、
可撓性に優れ、クラックやピンホールの発生がなく、優
れたガスバリア性を示すシラン系コーティング用組成物
を数多く提案した(例えば特開平5−331417号、
特願平5−163509号等)が、さらに高性能なガス
バリア性を発揮することができる様に一貫して研究開発
に取り組んでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、より優れ
たガスバリア材を提供するために、シラン系ガスバリア
性被膜が高湿度下ではそのガスバリア性が低下する、す
なわちガスバリア性の耐湿度依存性が悪いという問題を
解決することを課題とする。そして、耐水性、耐薬品
性、耐候性、耐熱性、可撓性等の諸特性に優れ、かつ湿
度依存性のないガスバリア性被膜を形成し得るコーティ
ング用組成物を提供すること、およびこの様に優れたガ
スバリア性被膜を表面に有しガスバリア材として有用な
樹脂成形体を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明のコーティング用組成物は、分子内に芳香環とアミ
ノ基を有するシラン化合物(A)および該シラン化合物
(A)中のアミノ基との反応性を有する官能基を分子内
に持つ化合物(B)を含むところに要旨を有する。本発
明のコーティング用組成物には、さらに下記一般式(I)
で代表される有機金属化合物(C)が含まれていてもよ
く、耐熱性、耐薬品性がより一層向上する。 R1 mM(OR2)n ……(I) (式中Mは金属元素を表わし、R1 は同一または異なっ
ていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール
基、不飽和脂肪族残基または炭素鎖に直結した官能基を
表わし、R2 は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基またはアシル基を表わし、mは0ま
たは正の整数、nは1以上の整数でかつm+nは金属元
素Mの原子価と一致する)
【0009】また、前記シラン化合物(A)がビニルベ
ンジルアミノシランであることは、本発明の好ましい実
施態様であり、これらのコーティング用組成物で処理さ
れている樹脂成形体、および用途がガスバリア材である
該樹脂成形体も本発明に含まれる。
【0010】
【作用】本発明のコーティング用組成物において用いら
れるシラン化合物(A)は、分子内に芳香環およびアミ
ノ基を有していることが必要である。アミノ基は、後述
の化合物(B)との反応点となり、シラン化合物(A)
と化合物(B)からなる可撓性に優れたガスバリア性被
膜を形成する役割を担う。芳香環は、今回ガスバリア性
の耐湿度依存性の向上に寄与することが見出されたた
め、シラン化合物(A)中に芳香環が存在することを必
須要件とした。
【0011】上記(A)の具体例としては、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジ
ルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、N−β
−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリブトキシシラン、N−β−(N−ビニルベン
ジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N
−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジイソプロポキシシラン、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルメチルジブトキシシラン、N−β−(N−ビニルベ
ンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルエチルジメ
トキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエ
チル)−γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルエチルジイソプロポキシシラン、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルエチルジブトキシシラン等のビニルベンジルアミノ
シラン類が挙げられ、これらの1種または2種以上を用
いることができる。
【0012】本発明に用いられる化合物(B)として
は、上記シラン化合物(A)中のアミノ基との反応性を
有する官能基を分子内に持つことが必要であり、該官能
基にはエポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート
基、オキサゾリニル基等が挙げられる。これらの官能基
はシラン化合物(A)中のアミノ基と架橋反応する働き
を有し、架橋効果を上げるためには化合物(B)中に官
能基が2個以上存在していることが好ましい。これらの
官能基は化合物(B)中において同一であっても異なっ
ていてもよい。アミノ基との反応性の点からはエポキシ
基またはイソシアネート基が好ましい。また、得られる
コーティングフィルム被膜の耐水性をより向上させるた
めには、化合物(B)が芳香環またはその水素添加環を
有していることが好ましい。
【0013】本発明で利用できる化合物(B)の具体例
としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グ
リセロールジグリシジルエーテル等の脂肪族ジグリシジ
ルエーテル類;グリセロールトリグリシジルエーテル、
ジグリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジ
ルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のポリグ
リシジルエーテル類;アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、o−フタル酸ジグリシジルエステル等の脂肪族およ
び芳香族ジグリシジルエステル類;ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテ
ル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルSジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシ
ジルエーテル、および次式で表される
【0014】
【化1】
【0015】等の芳香環またはその水素添加環(核置換
誘導体も含む)を有するグリシジル類;あるいはグリシ
ジル基を官能基として有するオリゴマー類(例えばビス
フェノールAジグリシジルエーテルオリゴマーの場合は
下式の様に表わせる。n=0のものとnが1以上のもの
との混合物であってもよく、nが1以上のものが15重
量%以下、より好ましくは10重量%以下となる様にn
=0のものと混合することがガスバリア性の点から推奨
される);
【0016】
【化2】
【0017】ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、1,4−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ト
リフェニルメタントリイソシアネート、トリジンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネート等のイソシアネート類;
酒石酸、アジピン酸等のジカルボン酸類;ポリアクリル
酸等の含カルボキシル基重合体;オキサゾリニル基含有
重合体等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上
を用いることができる。
【0018】シラン化合物(A)は化合物(A)単独で
も加水分解縮合反応を起こしてフィルム化するが、化合
物(B)はシラン化合物(A)に対して架橋剤的役割を
果たし、フィルム化によって形成される3次元網目構造
に可撓性を付与する効果を有する。すなわち、架橋点間
の分子量をバランス良くとる働きを有するので、シラン
化合物(A)のアミノ基当量Xに対して、化合物(B)
の官能基当量Yが、Y/Xとして0.1〜1.0にする
ことが好ましい。より好ましいY/Xは、0.4〜1.
0、最も好ましい範囲は0.6〜0.9である。Y/X
が0.1より少ないと、ガスバリア性の湿度依存性が大
きくなったり、得られるフィルムの可撓性が不充分とな
る。1.0より大きくなると、シラン化合物(A)に由
来するポリシロキサン部分によって発現する性能である
ガスバリア性や、その他耐水性、耐薬品性、耐候性、耐
熱性等が悪化してしまう。
【0019】化合物(B)として分子中にイソシアネー
ト基および/またはエポキシ基を有する化合物を用いる
場合には、これらの官能基が、加水分解反応やコーティ
ング時に必要に応じて用いられる溶媒との反応を起こし
易いので、シラン化合物(A)との反応点を確保するた
めにこれらの副反応を防ぐ必要がある。従って、予め化
合物(B)とシラン化合物(A)中のアミノ基と反応さ
せてから、シラン化合物(A)を加水分解縮合反応さ
せ、その後にコーティングすることが推奨される。すな
わち、化合物(B)の官能基とシラン化合物(A)のア
ミノ基が反応することによって、シラン化合物(A)の
アミノ基末端部分に化合物(B)がつながった化合物が
得られるので、これをシラン化合物(A)のもう一端の
アルコキシシラン部分で、ある程度加水分解縮合反応さ
せた後(これがコーティング用組成物となる)に、後述
の条件下で被膜化させれば、さらに緻密なフィルムを得
ることができる。
【0020】本発明法で用いられるコーティング用組成
物には、下記一般式(I) で表わされる有機金属化合物
(C)を含むものであってもよい。 R1 mM(OR2)n ……(I) (ただし、式中M、R1 、R2 、m、nの持つ意味は前
記と同じである)
【0021】具体例としては、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプ
ロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラ
ン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン
類;チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライ
ソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド等のチタ
ニウムアルコキシド類;ジルコニウムテトラエトキシ
ド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウ
ムテトラブトキシド等のジルコニウムアルコキシド類;
アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプ
ロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニ
ウムアルコキド類;テトラアセトキシシラン、メチルト
リアセトキシシラン等のアシロキキシラン類;トリメチ
ルシラノール等のシラノール類が挙げられ、これらの1
種または2種以上を用いることができる。あるいはこれ
らの加水分解縮合物を用いてもよい。
【0022】有機金属化合物(C)および/またはその
加水分解縮合物は、シラン化合物(A)に対して0〜3
00モル%程度、好ましくは0〜100モル%の使用が
適している。300モル%より多く使用すると、シラン
化合物(A)中のアミノ基を触媒として粒子化し、急に
ゲル化することがあるため好ましくない。
【0023】上記有機金属化合物(C)は、シラン化合
物(A)のシラノール基と反応してシロキサン結合を形
成する。このため、コーティング用組成物の分子量が大
きくなり、塗膜のタッキングを防止する効果が向上す
る。特に、テトラメトキシシランや、テトラエトキシシ
ラン等の4官能アルコキシシランが上記効果が大きいた
め好ましく利用できる。
【0024】シラン化合物(A)自体の加水分解縮合反
応は、水の存在下で進行する。このときのシラン化合物
(A)と水(W)のモル比W/Aは、0.01〜3.0
が好ましい。0.01より小さいと、コーティング膜形
成時にクラックを生じ易く、さらに膜の乾燥に時間がか
かり生産性に劣るものとなる。W/Aは0.1以上とす
ることがより好ましい。また水が多過ぎると、加水分解
反応が進行してコーティング液の保存安定性が悪くなっ
ていくので、W/Aは3.0以下、好ましくは2.0以
下、より好ましくは0.8以下とする。
【0025】本発明においては、シラン化合物(A)と
化合物(B)を反応させた後、シラン化合物(A)の加
水分解縮合反応を行い、その後必要に応じて、有機金属
化合物(C)を加えて反応させる方法が、コーティング
用組成物の安定性が最も良好となるため好ましい。
【0026】加水分解縮重合反応は、水分の存在下で進
行していくが、コーティング時に用いられる溶媒中で行
う方が、そのままコーティングできるため便利である。
溶媒としては、加水分解縮合が進行し得るだけの水分を
共有できる溶媒であれば特に限定されないが、具体的に
は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル等のアルコール類;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳
香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭
化水素類;メチルアセテート、エチルアセテート、プロ
ピルアセテート、ブチルアセテート等のアセテート類;
その他エチルフェノールエーテル、プロピルエーテル、
テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらの1種以上を
混合して用いることができる。これらの中でもアルコー
ル類が好ましく用いられる。またこれらの溶媒中で前述
の加水分解縮合反応を行うことが望ましい。
【0027】以上の様に、水と、必要に応じて用いられ
る溶媒によって溶液状態のコーティング用組成物が得ら
れる。コーティング用組成物の固形分は5〜50重量%
とすることが好ましい。5重量%より少ないと、厚ぬり
が難しい。また組成物が希薄すぎて結果的に水分量(W
/A)が3.0を超え易く、保存安定性が悪くなる。5
0重量%を超えても保存安定性は悪化する。本発明法で
用いられるコーティング用組成物中には、本発明の効果
を損なわない範囲で、硬化触媒、濡れ性改良剤、可塑
剤、消泡剤、増粘剤等の無機、有機系各種添加剤を必要
に応じて添加することができる。
【0028】本発明のコーティング用組成物の被塗物と
して用いられる基材には樹脂成形体が用いられる。素材
樹脂としては特に限定されないが、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、
ポリエチレン-2,6- ナフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートやこれらの共重合体等のポリエステル系樹脂;
ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、
ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セロファン、ポリ
イミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフォ
ン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、アイオノマ
ー樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂;メラミン樹脂、
ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ユリア樹脂、珪
素樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。形状は、フィ
ルム(シート)状、ボトル状等用途に応じて適宜選択さ
れ、特に加工のし易さの点からは熱可塑性フィルムが最
適である。
【0029】コーティング法としては特に限定されず、
ロールコーティング法、ディップコーティング法、バー
コーティング法、ノズルコーティング法あるいはこれら
を組み合わせた方法が採用される。なお、被覆を行う前
に樹脂成形体にコロナ処理等の表面活性化処理や、ウレ
タン樹脂等の公知のアンカー処理を行ってもよい。ま
た、コーティングフィルムにラミネート処理や他の公知
の処理を行うこともできる。
【0030】コーティング後は、被膜の硬化および乾燥
を行う。本発明のコーティング用組成物は常温でも硬化
・乾燥する。より速く硬化・乾燥させるときには、樹脂
成形体の耐熱温度以下で加熱するとよい。また、加温・
加湿雰囲気下で乾燥させて被膜化してもよい。加温する
場合は50℃以上に、加湿する場合は相対湿度(RH)
を5%以上とすることが好ましい。乾燥処理時間は、加
温・加湿条件によって適宜変更することができるが、加
水分解縮合を充分反応させるためには1秒以上行うこと
が好ましく、生産性の観点から1分以内、好ましくは3
0秒以内である。
【0031】被膜の厚みは、乾燥後で0.001〜20
μm程度が好ましい。0.001μmより薄いと被膜が
均一にならずピンホールが発生し易いと共に、コーティ
ングフィルムとしてのガスバリア性や耐薬品性等の物性
が発現しにくい。0.1μm以上が好ましく、0.5μ
m以上がより好ましい。一方20μmより厚くすると被
膜にクラックが生じ易くなるので好ましくない。10μ
m以下とすることが好ましく、より好ましい厚みは5μ
m以下である。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、特性試験の評価方法は次のように行った。 〈酸素透過度〉JIS K 7126 B法に準じ、温
度20℃でMOCON社製の酸素透過率測定装置を用い
て測定した。 〈可撓性〉コーティング用組成物を12μmポリエチレ
ンテレフタレート(以下PETと略す)にディッピング
法で所定の厚さに塗布した後、乾燥した被覆フィルムを
180°に折り曲げ、クラックが生じなかったものを○、
クラックが生じたものを×とした。 〈透明性〉可撓性評価試験と同様にして被覆処理したP
ETフィルムを未処理のものと目視によって比較し、透
明度に差がないものを○、白濁等の濁りが生じたものを
×とした。
【0033】実施例1 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、N−
β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン50g、レゾルシノールジ
グリシジルエーテル15gとトルエン30gを仕込み、
80℃で2時間反応させた。反応後冷却し、水2.0g
とメタノール100gの混合液を加えて撹拌し、コーテ
ィング用組成物1を得た。この組成物を12μmPET
フィルムに乾燥後に2.0μm厚となる様に塗布し、1
00℃で30秒間乾燥した。得られたコーティングフィ
ルムの特性試験を行い、結果を表1に示した。
【0034】実施例2 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、N−
β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン50g、レゾルシノールジ
グリシジルエーテル15gとトルエン30gを仕込み、
80℃で2時間反応させた。反応後冷却して、水2.0
gとメタノール5gを加えて、室温で2時間撹拌した。
さらにテトラメトキシシラン20gとトルエン95gを
加え、コーティング用組成物2を得た。この組成物を1
2μmPETフィルムに乾燥後に2.0μm厚となる様
に塗布し、100℃、20%RHで5秒間乾燥した。得
られたコーティングフィルムの特性試験を行い、結果を
表1に示した。
【0035】実施例3 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、N−
β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン50g、キシリレンジイソ
シアネート10gとトルエン30gを仕込み、80℃で
2時間反応させた。反応後冷却して、水2.0gとメタ
ノール5gを加えて、室温で2時間撹拌した。さらにテ
トラメトキシシラン20gとトルエン95gを加え、コ
ーティング用組成物3を得た。この組成物を12μmP
ETフィルムに乾燥後に2.0μm厚となる様に塗布
し、100℃、20%RHで5秒間乾燥した。得られた
コーティングフィルムの特性試験を行い、結果を表1に
示した。
【0036】実施例4 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、N−
β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン50g、エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル10gとトルエン30gを仕込
み、80℃で2時間反応させた。反応後冷却して、水
2.0gとメタノール5gを加えて、室温で2時間撹拌
した。さらにテトラメトキシシラン20gとトルエン9
5gを加え、コーティング用組成物2を得た。この組成
物を12μmPETフィルムに乾燥後に2.0μm厚と
なる様に塗布し、100℃、20%RHで5秒間乾燥し
た。得られたコーティングフィルムの特性試験を行い、
結果を表1に示した。
【0037】比較例1 N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン50gとトルエン30
gに水2.0gとメタノール5gを加えて、室温で2時
間撹拌し、比較コーティング用組成物1を得た。この組
成物を12μmPETフィルムに乾燥後に2.0μm厚
となる様に塗布し、100℃、20%RHで5秒間乾燥
した。得られたコーティングフィルムの特性試験を行
い、結果を表1に示した。
【0038】比較例2 N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン50gとトルエン30
gに水2.0gとメタノール5gを加えて、室温で2時
間撹拌し、さらにテトラメトキシシラン20gとトルエ
ン95gを加え、比較コーティング用組成物2を得た。
この組成物を12μmPETフィルムに乾燥後に2.0
μm厚となる様に塗布し、100℃、20%RHで5秒
間乾燥した。得られたコーティングフィルムの特性試験
を行い、結果を表1に示した。
【0039】比較例3 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン50g、レゾルシノ
ールジグリシジルエーテル15gとトルエン30gを仕
込み、80℃で2時間反応させた。反応後冷却して、水
2.0gとメタノール100gを加えて、比較コーティ
ング用組成物3を得た。この組成物を12μmPETフ
ィルムに乾燥後に2.0μm厚となる様に塗布し、10
0℃、20%RHで5秒間乾燥した。得られたコーティ
ングフィルムの特性試験を行い、結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物は、芳香
環を有するシラン化合物(A)を使用しているので、耐
水性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、可撓性に優れている
上に、高湿度の環境下でも優れたガスバリア性を示すも
のであり、ガスバリア性の耐湿度依存性を改良すること
ができた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に芳香環とアミノ基を有するシラ
    ン化合物(A)、および該シラン化合物(A)中のアミ
    ノ基との反応性を有する官能基を分子内に持つ化合物
    (B)を含むことを特徴とするコーティング用組成物。
  2. 【請求項2】 さらに下記一般式(I) で代表される有機
    金属化合物(C)が含まれているものである請求項1に
    記載のコーティング用組成物。 R1 mM(OR2)n ……(I) (式中Mは金属元素を表わし、R1 は同一または異なっ
    ていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール
    基、不飽和脂肪族残基または炭素鎖に直結した官能基を
    表わし、R2 は同一または異なっていてもよく、水素原
    子、低級アルキル基またはアシル基を表わし、mは0ま
    たは正の整数、nは1以上の整数でかつm+nは金属元
    素Mの原子価と一致する)
  3. 【請求項3】 前記シラン化合物(A)がビニルベンジ
    ルアミノシランである請求項1または2に記載のコーテ
    ィング用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のコーテ
    ィング用組成物で処理されていることを特徴とする樹脂
    成形体。
  5. 【請求項5】 用途がガスバリア材である請求項4に記
    載の樹脂成形体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513212A (ja) * 2003-10-21 2007-05-24 デグサ ゲーエムベーハー ガスに対するバリアー層を製造するための組成物

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JP2007513212A (ja) * 2003-10-21 2007-05-24 デグサ ゲーエムベーハー ガスに対するバリアー層を製造するための組成物

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