JP3119113B2 - 表面処理樹脂成形体 - Google Patents
表面処理樹脂成形体Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリア性、透明性
かつ可撓性に優れた被膜が形成された表面処理樹脂成形
体に関するものである。
かつ可撓性に優れた被膜が形成された表面処理樹脂成形
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸素、窒素、炭酸ガス、水蒸気等の気体
の透過度が極めて小さいガスバリア材は包装用材料等の
分野において需要が増大している。ガスバリア性をプラ
スチックフィルムまたはシート等の成形体材料に付与す
るためには、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
塩化ビニリデン系共重合体、芳香族系ナイロン等の気体
不透過性素材で成形体を形成する、これらの気体不透
過性素材を他の材料にラミネートまたはコーティングす
る、アルミ箔をフィルム状材料にラミネートする、
金属酸化物を蒸着する等の方法が知られている。
の透過度が極めて小さいガスバリア材は包装用材料等の
分野において需要が増大している。ガスバリア性をプラ
スチックフィルムまたはシート等の成形体材料に付与す
るためには、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
塩化ビニリデン系共重合体、芳香族系ナイロン等の気体
不透過性素材で成形体を形成する、これらの気体不透
過性素材を他の材料にラミネートまたはコーティングす
る、アルミ箔をフィルム状材料にラミネートする、
金属酸化物を蒸着する等の方法が知られている。
【0003】しかし、の気体不透過性素材の内、エチ
レンビニルアルコール共重合体や芳香族系ナイロンは耐
湿性に劣り、雰囲気の湿度が大きくなるに従ってガスバ
リア性が大幅に低下するという問題があり、塩化ビニリ
デン系共重合体は塩素原子を含んでいるため、公害の原
因となる恐れがある。また、のアルミ箔ラミネートフ
ィルムでは、包装された内容物を外から見ることができ
ず、の金属蒸着フィルムは可撓性に劣るため蒸着層に
クラックが生じ易く、ガスバリア性の低下を引き起こす
という問題があった。
レンビニルアルコール共重合体や芳香族系ナイロンは耐
湿性に劣り、雰囲気の湿度が大きくなるに従ってガスバ
リア性が大幅に低下するという問題があり、塩化ビニリ
デン系共重合体は塩素原子を含んでいるため、公害の原
因となる恐れがある。また、のアルミ箔ラミネートフ
ィルムでは、包装された内容物を外から見ることができ
ず、の金属蒸着フィルムは可撓性に劣るため蒸着層に
クラックが生じ易く、ガスバリア性の低下を引き起こす
という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記諸問題
を考慮して、ガスバリア性に優れ、透明であり、被処理
物の物性を損なわないような可撓性を有する表面処理被
膜を形成し得る表面被覆用組成物を見出し、このような
優れた特性をもつ表面処理樹脂成形体を提供することを
目的とする。
を考慮して、ガスバリア性に優れ、透明であり、被処理
物の物性を損なわないような可撓性を有する表面処理被
膜を形成し得る表面被覆用組成物を見出し、このような
優れた特性をもつ表面処理樹脂成形体を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の表面処理樹脂成
形体は、分子内に1級および/または2級アミノ基を有
し、かつSi(OR1)基(R1は同一または異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を
表す)を含まない高分子有機化合物(A)と、前記高分
子有機化合物(A)の有するアミノ基と反応し得る官能
基を分子内に有する化合物(B)と、下記一般式(I)
で示される有機シラン化合物(C)および/またはその
加水分解縮合物と、(式中、R2は同一または異なって
いてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、
ビニル基または炭素鎖に直結したメルカプト基、または
メタクリロイル基を表し、R3は同一または異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を
表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数でかつ
m+nはSiの原子価と一致する)アルコールとを含有
する表面被覆用組成物で樹脂成形体表面を被覆したもの
であるところに要旨を有する。
形体は、分子内に1級および/または2級アミノ基を有
し、かつSi(OR1)基(R1は同一または異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を
表す)を含まない高分子有機化合物(A)と、前記高分
子有機化合物(A)の有するアミノ基と反応し得る官能
基を分子内に有する化合物(B)と、下記一般式(I)
で示される有機シラン化合物(C)および/またはその
加水分解縮合物と、(式中、R2は同一または異なって
いてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、
ビニル基または炭素鎖に直結したメルカプト基、または
メタクリロイル基を表し、R3は同一または異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を
表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数でかつ
m+nはSiの原子価と一致する)アルコールとを含有
する表面被覆用組成物で樹脂成形体表面を被覆したもの
であるところに要旨を有する。
【0006】上記高分子有機化合物(A)が、ポリエチ
レンイミン類であることが最も好ましい。上記化合物
(B)が、アミノ基と反応し得る官能基と共にSi(O
R4)基(R4は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基またはアシル基を表わす)を有する
化合物であることが好ましく、Si(OR4)基を有し
かつアミノ基と反応し得る官能基としてエポキシ基を有
する化合物であることが最も好ましい。また、化合物
(B)と有機シラン化合物(C)の共加水分解縮合物が
組成物に含まれていてもよい。
レンイミン類であることが最も好ましい。上記化合物
(B)が、アミノ基と反応し得る官能基と共にSi(O
R4)基(R4は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基またはアシル基を表わす)を有する
化合物であることが好ましく、Si(OR4)基を有し
かつアミノ基と反応し得る官能基としてエポキシ基を有
する化合物であることが最も好ましい。また、化合物
(B)と有機シラン化合物(C)の共加水分解縮合物が
組成物に含まれていてもよい。
【0007】上記表面処理樹脂成形体の処理面に金属ま
たは金属酸化物蒸着層が積層されたもの、表面処理樹脂
成形体の処理面または上記蒸着層の上に、単一または複
数層の熱可塑性樹脂が積層された表面処理樹脂成形体も
のも本発明に含まれる。これらの表面処理樹脂成形体
は、ガスバリア材として最適である。
たは金属酸化物蒸着層が積層されたもの、表面処理樹脂
成形体の処理面または上記蒸着層の上に、単一または複
数層の熱可塑性樹脂が積層された表面処理樹脂成形体も
のも本発明に含まれる。これらの表面処理樹脂成形体
は、ガスバリア材として最適である。
【0008】
【作用】本発明で用いられる高分子有機化合物(A)と
しては、分子内に1級および/または2級アミノ基を有
し、かつSi(OR1)基(R1は同一または異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を
表す)を含まない化合物であれば特に限定されない。高
分子有機化合物(A)(以下、単に有機化合物(A)と
いう)は、主として、形成される被膜に可撓性を付与す
る役割を担う。有機化合物(A)は化合物(B)との反
応点としての上記アミノ基を有していなければならない
が、加水分解性のSi(OR1)基が有機化合物(A)
中に含まれていると、得られる被膜の架橋度が密になり
すぎて、可撓性が低下してしまうため、有機化合物
(A)を上記の様に限定した。
しては、分子内に1級および/または2級アミノ基を有
し、かつSi(OR1)基(R1は同一または異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を
表す)を含まない化合物であれば特に限定されない。高
分子有機化合物(A)(以下、単に有機化合物(A)と
いう)は、主として、形成される被膜に可撓性を付与す
る役割を担う。有機化合物(A)は化合物(B)との反
応点としての上記アミノ基を有していなければならない
が、加水分解性のSi(OR1)基が有機化合物(A)
中に含まれていると、得られる被膜の架橋度が密になり
すぎて、可撓性が低下してしまうため、有機化合物
(A)を上記の様に限定した。
【0009】具体的には、ポリエチレンイミン類、例え
ば日本触媒社製エポミンシリーズ(エポミンSP−00
3、エポミンSP−006、エポミンSP−012、エ
ポミンSP−018、エポミンSP−103、エポミン
SP−110、エポミンSP−200、エポミンSP−
300、エポミンSP−1000、エポミンSP−10
20等)、ポリアリルアミン類(例えば日東紡績社製P
AA−L、PAA−H等)、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートやジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレートのホモ
ポリマー、前記アミノ基含有(メタ)アクリレートと他
の(メタ)アクリレート類や(メタ)アクリル酸とのコ
ポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアミン類等が挙
げられる。
ば日本触媒社製エポミンシリーズ(エポミンSP−00
3、エポミンSP−006、エポミンSP−012、エ
ポミンSP−018、エポミンSP−103、エポミン
SP−110、エポミンSP−200、エポミンSP−
300、エポミンSP−1000、エポミンSP−10
20等)、ポリアリルアミン類(例えば日東紡績社製P
AA−L、PAA−H等)、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートやジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレートのホモ
ポリマー、前記アミノ基含有(メタ)アクリレートと他
の(メタ)アクリレート類や(メタ)アクリル酸とのコ
ポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアミン類等が挙
げられる。
【0010】形成された被膜をガスバリア材として用い
る場合、高分子有機化合物(A)を選択すると、表面被
覆用組成物の成膜性が良好になる。さらに表面被覆用組
成物の安定性や得られる被膜のガスバリア性が良好であ
ることが見出されたので、本発明では、ポリエチレンイ
ミン類の使用が特に好ましい。また、有機化合物(A)
の好ましい分子量は250〜20万である。より好まし
くは250〜10万の範囲である。分子量が250より
小さいと形成された被膜の可撓性に劣り、20万より大
きいと、形成された被膜の透明性に劣ることがある。
る場合、高分子有機化合物(A)を選択すると、表面被
覆用組成物の成膜性が良好になる。さらに表面被覆用組
成物の安定性や得られる被膜のガスバリア性が良好であ
ることが見出されたので、本発明では、ポリエチレンイ
ミン類の使用が特に好ましい。また、有機化合物(A)
の好ましい分子量は250〜20万である。より好まし
くは250〜10万の範囲である。分子量が250より
小さいと形成された被膜の可撓性に劣り、20万より大
きいと、形成された被膜の透明性に劣ることがある。
【0011】本発明に用いられる化合物(B)として
は、上記有機化合物(A)中のアミノ基と反応し得る官
能基を分子内に有する化合物であれば特に限定されな
い。該官能基とはエポキシ基、カルボキシル基、イソシ
アネート基、オキサゾリニル基等である。化合物(B)
は、有機化合物(A)と有機シラン化合物(C)との相
溶化を高める効果があることが見出された。また化合物
(B)がさらに加水分解性縮合基であるSi(OR4)
基(R4基は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基またはアシル基を表わす)を有して
いれば、有機化合物(A)と反応する前もしくは反応後
に加水分解縮合が進行し、また後述の有機シラン化合物
(C)の加水分解性縮合基と共加水分解縮合を起こして
縮重合が進行していくため、速やかに緻密な被膜を形成
することができる。
は、上記有機化合物(A)中のアミノ基と反応し得る官
能基を分子内に有する化合物であれば特に限定されな
い。該官能基とはエポキシ基、カルボキシル基、イソシ
アネート基、オキサゾリニル基等である。化合物(B)
は、有機化合物(A)と有機シラン化合物(C)との相
溶化を高める効果があることが見出された。また化合物
(B)がさらに加水分解性縮合基であるSi(OR4)
基(R4基は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基またはアシル基を表わす)を有して
いれば、有機化合物(A)と反応する前もしくは反応後
に加水分解縮合が進行し、また後述の有機シラン化合物
(C)の加水分解性縮合基と共加水分解縮合を起こして
縮重合が進行していくため、速やかに緻密な被膜を形成
することができる。
【0012】化合物(B)の具体例としてはフェニルグ
リシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエー
テル、グリセロールジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジ
グリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ
ジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジル
エーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールSジグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールテトラグリシジルエーテル等のグリシジルエーテ
ル類;アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグ
リシジルエステル等のグリシジルエステル類;β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
イソプロポキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン等のエポキシ基とSi(OR4)基
(R4は前記と同じ意味)を有するシランカップリング
剤(以下エポキシ基含有シランカップリング剤と省略す
ることがある);γ−イソシアノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−イソシアノプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
イソシアノプロピルメチルジエトキシシラン等のイソシ
アネート基およびSi(OR4)基(R4は前記と同じ意
味)含有シランカップリング剤(以下イソシアネート基
含有シランカップリング剤と省略することがある);ト
リレンジイソシアネート、1,4−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート等のイソシアネート類が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上を用いることができる。ま
た、化合物(B)がアミノ基と反応し得る官能基を有す
る高分子有機化合物、またはさらにSi(OR4)基を
有する高分子有機化合物であってもよい。
リシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエー
テル、グリセロールジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジ
グリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ
ジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジル
エーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールSジグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールテトラグリシジルエーテル等のグリシジルエーテ
ル類;アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグ
リシジルエステル等のグリシジルエステル類;β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
イソプロポキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン等のエポキシ基とSi(OR4)基
(R4は前記と同じ意味)を有するシランカップリング
剤(以下エポキシ基含有シランカップリング剤と省略す
ることがある);γ−イソシアノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−イソシアノプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
イソシアノプロピルメチルジエトキシシラン等のイソシ
アネート基およびSi(OR4)基(R4は前記と同じ意
味)含有シランカップリング剤(以下イソシアネート基
含有シランカップリング剤と省略することがある);ト
リレンジイソシアネート、1,4−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート等のイソシアネート類が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上を用いることができる。ま
た、化合物(B)がアミノ基と反応し得る官能基を有す
る高分子有機化合物、またはさらにSi(OR4)基を
有する高分子有機化合物であってもよい。
【0013】本発明においては、アミノ基との反応性が
良好で、形成される被膜の耐湿性が優れている点から、
エポキシ基含有シランカップリング剤を化合物(B)と
して使用することが好ましい。
良好で、形成される被膜の耐湿性が優れている点から、
エポキシ基含有シランカップリング剤を化合物(B)と
して使用することが好ましい。
【0014】本発明において化合物(B)としてエポキ
シ基含有シランカップリング剤もしくはイソシアネート
基含有シランカップリング剤を用いる場合は、有機化合
物(A)との反応前か反応後に加水分解縮合を行うこ
と、そして後述の有機シラン化合物(C)の加水分解性
縮合基と共加水分解縮合を行うことが可能である。
シ基含有シランカップリング剤もしくはイソシアネート
基含有シランカップリング剤を用いる場合は、有機化合
物(A)との反応前か反応後に加水分解縮合を行うこ
と、そして後述の有機シラン化合物(C)の加水分解性
縮合基と共加水分解縮合を行うことが可能である。
【0015】本発明に用いられる有機シラン化合物
(C)としては、下記一般式(I)で表されるものであ
れば特に限定されない。 R2 mSi(OR3)n …(I) (式中、R2は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素
鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を
表し、R3は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0また
は正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原
子価と一致する)。
(C)としては、下記一般式(I)で表されるものであ
れば特に限定されない。 R2 mSi(OR3)n …(I) (式中、R2は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素
鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を
表し、R3は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0また
は正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原
子価と一致する)。
【0016】具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロ
ポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、
ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラ
ン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニ
ルトリブトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等
のアルコキシシラン類、またこれらの錯体化合物、メチ
ルトリアセトキシシラン、トリメチルシラノール等、ま
たはこれらの化合物を含む高分子有機化合物類が挙げら
れ、これらの1種または2種以上を用いることができ
る。中でも、形成された被膜が良好な耐湿性を示す点か
ら、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好
ましい。
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロ
ポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、
ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラ
ン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニ
ルトリブトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等
のアルコキシシラン類、またこれらの錯体化合物、メチ
ルトリアセトキシシラン、トリメチルシラノール等、ま
たはこれらの化合物を含む高分子有機化合物類が挙げら
れ、これらの1種または2種以上を用いることができ
る。中でも、形成された被膜が良好な耐湿性を示す点か
ら、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好
ましい。
【0017】被膜形成時の乾燥の際に有機シラン化合物
(C)の蒸発を防ぐため、有機シラン化合物(C)は予
め加水分解縮合を行うことが好ましい。この加水分解縮
合反応は公知の触媒を用いることができ、また溶媒とし
て用いられるアルコール中で反応させるのが有利であ
る。化合物(B)としてエポキシ基含有シランカップリ
ング剤もしくはイソシアネート含有シランカップリング
剤等のSi(OR4)基含有化合物を用いた場合は、有
機シラン化合物(C)と予め共加水分解縮合を行うこと
も可能である。有機シラン化合物(C)は、形成された
被膜の耐湿性を向上させる効果がある。
(C)の蒸発を防ぐため、有機シラン化合物(C)は予
め加水分解縮合を行うことが好ましい。この加水分解縮
合反応は公知の触媒を用いることができ、また溶媒とし
て用いられるアルコール中で反応させるのが有利であ
る。化合物(B)としてエポキシ基含有シランカップリ
ング剤もしくはイソシアネート含有シランカップリング
剤等のSi(OR4)基含有化合物を用いた場合は、有
機シラン化合物(C)と予め共加水分解縮合を行うこと
も可能である。有機シラン化合物(C)は、形成された
被膜の耐湿性を向上させる効果がある。
【0018】本発明の表面被覆用組成物は、高分子有機
化合物(A)、化合物(B)、有機シラン化合物(C)
およびアルコールとから構成され、溶媒であるアルコー
ル以外の各化合物の合計量(すなわち組成物の固形分に
相当する)を100重量%としたときの各化合物の好ま
しい使用量を説明する。ポリエチレンイミン(A)は、
1〜40重量%が好ましい。ポリエチレンイミン(A)
が1重量%より少ないと、形成された被膜をガスバリア
材として用いたときのガスバリア性が不充分であり、ま
た被膜の可撓性が低下する。40重量%より多いと形成
された被膜の耐水性が劣ることがある。より好ましい
(A)の使用量は5〜30重量%の範囲であり、さらに
好ましくは5〜20重量%である。化合物(B)は0.
5〜30重量%が好ましい。化合物(B)が0.5重量
%より少ないと、ポリエチレンイミン(A)と有機シラ
ン化合物(C)を相溶化させることができないため形成
された被膜の物性が劣り、30重量%より多いと、表面
被覆用組成物の安定性が悪化する。より好ましい(B)
の使用量は1〜20重量%の範囲であり、さらに好まし
くは1〜10重量%である。
化合物(A)、化合物(B)、有機シラン化合物(C)
およびアルコールとから構成され、溶媒であるアルコー
ル以外の各化合物の合計量(すなわち組成物の固形分に
相当する)を100重量%としたときの各化合物の好ま
しい使用量を説明する。ポリエチレンイミン(A)は、
1〜40重量%が好ましい。ポリエチレンイミン(A)
が1重量%より少ないと、形成された被膜をガスバリア
材として用いたときのガスバリア性が不充分であり、ま
た被膜の可撓性が低下する。40重量%より多いと形成
された被膜の耐水性が劣ることがある。より好ましい
(A)の使用量は5〜30重量%の範囲であり、さらに
好ましくは5〜20重量%である。化合物(B)は0.
5〜30重量%が好ましい。化合物(B)が0.5重量
%より少ないと、ポリエチレンイミン(A)と有機シラ
ン化合物(C)を相溶化させることができないため形成
された被膜の物性が劣り、30重量%より多いと、表面
被覆用組成物の安定性が悪化する。より好ましい(B)
の使用量は1〜20重量%の範囲であり、さらに好まし
くは1〜10重量%である。
【0019】有機シラン化合物(C)は5〜90重量%
が好ましい。化合物(C)が5重量%より少ないと形成
された被膜の耐湿性が不足する。しかし90重量%を超
えて使用すると、被膜の可撓性が低下するため好ましく
ない。より好ましい(C)の使用量は10〜90重量%
の範囲であり、さらに好ましくは30〜80重量%であ
る。
が好ましい。化合物(C)が5重量%より少ないと形成
された被膜の耐湿性が不足する。しかし90重量%を超
えて使用すると、被膜の可撓性が低下するため好ましく
ない。より好ましい(C)の使用量は10〜90重量%
の範囲であり、さらに好ましくは30〜80重量%であ
る。
【0020】本発明ではアルコールを溶媒として用い
る。ポリエチレンイミン(A)、化合物(B)および有
機シラン化合物(C)を溶解するからである。例えば、
メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール等のアルコール類である。ま
た、これらのアルコール類に、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエ
ン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類、その他、テトラヒドロフラ
ン、プロピルエーテル、水等の1種または2種以上を混
合して用いてもよい。
る。ポリエチレンイミン(A)、化合物(B)および有
機シラン化合物(C)を溶解するからである。例えば、
メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール等のアルコール類である。ま
た、これらのアルコール類に、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエ
ン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類、その他、テトラヒドロフラ
ン、プロピルエーテル、水等の1種または2種以上を混
合して用いてもよい。
【0021】本発明の組成物の調整方法は特に限定され
ないが、予め有機化合物(A)と化合物(B)を反応さ
せてから有機シラン化合物(C)を加える方法や、有機
化合物(A)の存在下で化合物(B)と有機シラン化合
物(C)を反応させながら(C)を[(B)が加水分解
性基を有する場合は(B)も]を加水分解する方法等
が、表面被覆用組成物の安定性を高める点で好ましく採
用される。
ないが、予め有機化合物(A)と化合物(B)を反応さ
せてから有機シラン化合物(C)を加える方法や、有機
化合物(A)の存在下で化合物(B)と有機シラン化合
物(C)を反応させながら(C)を[(B)が加水分解
性基を有する場合は(B)も]を加水分解する方法等
が、表面被覆用組成物の安定性を高める点で好ましく採
用される。
【0022】本発明の表面被覆用組成物には、本発明の
効果を損なわない範囲で、硬化触媒、濡れ性改良剤、可
塑剤、消泡剤、増粘剤等の無機・有機系各種添加剤を必
要に応じて添加することもできる。
効果を損なわない範囲で、硬化触媒、濡れ性改良剤、可
塑剤、消泡剤、増粘剤等の無機・有機系各種添加剤を必
要に応じて添加することもできる。
【0023】本発明の表面処理樹脂成形体は、これまで
説明してきた表面被覆用組成物によって被覆されたもの
である。成形体を形成する樹脂の種類は特に限定されな
いが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートやこれらの共重合
体等のポリエステル系樹脂、ポリアミド類、ポリスチレ
ン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニ
トリル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セロファ
ン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォ
ン、ポリエーテルケトン、アイオノマー樹脂、フッ素樹
脂等の熱可塑性樹脂や、メラミン樹脂、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、珪素樹脂等の熱硬
化性樹脂等が挙げられる。成形体の形状としては、フィ
ルム状、シート状、ボトル状等用途に応じて選択でき
る。特に加工のし易さから、熱可塑性プラスチックフィ
ルムが好ましい。
説明してきた表面被覆用組成物によって被覆されたもの
である。成形体を形成する樹脂の種類は特に限定されな
いが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートやこれらの共重合
体等のポリエステル系樹脂、ポリアミド類、ポリスチレ
ン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニ
トリル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セロファ
ン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォ
ン、ポリエーテルケトン、アイオノマー樹脂、フッ素樹
脂等の熱可塑性樹脂や、メラミン樹脂、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、珪素樹脂等の熱硬
化性樹脂等が挙げられる。成形体の形状としては、フィ
ルム状、シート状、ボトル状等用途に応じて選択でき
る。特に加工のし易さから、熱可塑性プラスチックフィ
ルムが好ましい。
【0024】表面被覆用組成物を上記樹脂成形体に被覆
する方法は特に限定されず、例えばロールコーティング
法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダ
イコーティング法等やこれらを組み合わせた方法を採用
できる。中でも、ダイコーティング法は、表面被覆用組
成物の安定性を増す理由で好ましい。なお、被覆を行う
前に樹脂成形体にコロナ処理等の表面活性化処理や、ウ
レタン樹脂等の公知のアンカー処理も行うことができ
る。また、表面被覆用組成物を樹脂成形体に被覆した後
に、ラミネート処理や他の公知の処理を行ってもよい。
する方法は特に限定されず、例えばロールコーティング
法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダ
イコーティング法等やこれらを組み合わせた方法を採用
できる。中でも、ダイコーティング法は、表面被覆用組
成物の安定性を増す理由で好ましい。なお、被覆を行う
前に樹脂成形体にコロナ処理等の表面活性化処理や、ウ
レタン樹脂等の公知のアンカー処理も行うことができ
る。また、表面被覆用組成物を樹脂成形体に被覆した後
に、ラミネート処理や他の公知の処理を行ってもよい。
【0025】表面被覆用組成物の被覆後は被膜の硬化お
よび乾燥を行うが、より早く硬化・乾燥させたい場合に
は樹脂成形体の耐熱温度以下で加熱することが好まし
い。また、加熱に加えて加湿を行えば、さらに速やかに
硬化・乾燥が完了する。被膜の厚みは、乾燥後で0.0
1〜20μmの範囲が適している。好ましくは0.1〜
15μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
被膜が0.01μmより薄いと被膜にピンホールが発生
しやすくなり、20μmより厚いと被膜にクラックが生
じることがある。
よび乾燥を行うが、より早く硬化・乾燥させたい場合に
は樹脂成形体の耐熱温度以下で加熱することが好まし
い。また、加熱に加えて加湿を行えば、さらに速やかに
硬化・乾燥が完了する。被膜の厚みは、乾燥後で0.0
1〜20μmの範囲が適している。好ましくは0.1〜
15μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
被膜が0.01μmより薄いと被膜にピンホールが発生
しやすくなり、20μmより厚いと被膜にクラックが生
じることがある。
【0026】本発明の表面処理樹脂成形体の処理面に、
さらに金属または金属酸化物蒸着層を積層してもよい。
これらの蒸着層の積層によって、さらに高度なガスバリ
ア性を樹脂成形体に付与することができる。本発明の表
面被覆用組成物で処理された処理面は蒸着層との密着性
に優れており、蒸着層を積層しても高い可撓性を有して
いることが見出された。蒸着層構成金属としてはアルミ
ニウムが好ましく、金属酸化物としてはシリカやアルミ
ナが好ましい。蒸着方法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法
(PVD)や、化学蒸着法(CVD)等公知の方法を採
用できる。
さらに金属または金属酸化物蒸着層を積層してもよい。
これらの蒸着層の積層によって、さらに高度なガスバリ
ア性を樹脂成形体に付与することができる。本発明の表
面被覆用組成物で処理された処理面は蒸着層との密着性
に優れており、蒸着層を積層しても高い可撓性を有して
いることが見出された。蒸着層構成金属としてはアルミ
ニウムが好ましく、金属酸化物としてはシリカやアルミ
ナが好ましい。蒸着方法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法
(PVD)や、化学蒸着法(CVD)等公知の方法を採
用できる。
【0027】さらに、表面処理樹脂成形体の処理面また
は上記蒸着層の上に、単一または複数層の熱可塑性樹脂
を積層することもできる。熱可塑性樹脂層は、耐水蒸気
性を向上させると共に、成形体に、ヒートシール性、印
刷性、安全性等の性能を付与する効果を有する。熱可塑
性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の汎用ポリオレフ
ィン系の樹脂がヒートシール性、耐水蒸気性に優れてお
り好ましい。その他、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリ
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニル
アルコール、セロファン、ナイロン等が使用でき、これ
らの熱可塑性樹脂にポリ塩化ビニリデンをコートしたフ
ィルムを積層してもよい。
は上記蒸着層の上に、単一または複数層の熱可塑性樹脂
を積層することもできる。熱可塑性樹脂層は、耐水蒸気
性を向上させると共に、成形体に、ヒートシール性、印
刷性、安全性等の性能を付与する効果を有する。熱可塑
性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の汎用ポリオレフ
ィン系の樹脂がヒートシール性、耐水蒸気性に優れてお
り好ましい。その他、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリ
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニル
アルコール、セロファン、ナイロン等が使用でき、これ
らの熱可塑性樹脂にポリ塩化ビニリデンをコートしたフ
ィルムを積層してもよい。
【0028】本発明の表面被覆成形体と熱可塑性樹脂と
の積層は、公知の接着剤を用いるドライラミネートや、
エクストルージョンラミネート、ホットメルトラミネー
ト等の公知の方法を採用できる。積層時に用いる接着剤
としては、特に限定されず、ポリウレタン系、ポリエス
テル系、エポキシ系、アルキルチタネート系、ポリエチ
レンイミン系、ポリブタジエン系、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体系、低分子ポリエチレン、ワックス等が例示
される。接着性を上げるために、コロナ処理等の表面被
覆を行ってもよい。
の積層は、公知の接着剤を用いるドライラミネートや、
エクストルージョンラミネート、ホットメルトラミネー
ト等の公知の方法を採用できる。積層時に用いる接着剤
としては、特に限定されず、ポリウレタン系、ポリエス
テル系、エポキシ系、アルキルチタネート系、ポリエチ
レンイミン系、ポリブタジエン系、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体系、低分子ポリエチレン、ワックス等が例示
される。接着性を上げるために、コロナ処理等の表面被
覆を行ってもよい。
【0029】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお酸素透過度は、温
度20℃、湿度90%Rhの条件で、MOCON社製の
酸素透過率測定装置により測定した結果である。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお酸素透過度は、温
度20℃、湿度90%Rhの条件で、MOCON社製の
酸素透過率測定装置により測定した結果である。
【0030】実施例1 エポミンSP−006{ポリエチレンイミン;日本触媒
の商品名;高分子有機化合物(A)}6.98g、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン{化合物
(B);以下GTMSと略す}9.25g、メタノール
25.1gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3時間撹
拌した。この反応溶液にテトラメトキシシラン{有機シ
ラン化合物(C);以下MSと略す}72.0gとメタ
ノール11.1gの混合液を加え1時間撹拌し、表面被
覆用組成物1を得た。この組成物1をバーコーターで1
2μmのPETに塗布し、80℃で30秒乾燥した。処
理層の膜厚は1.0μmで透明であった。また、酸素透
過度は2.1cc/m2・24hrs・atmであっ
た。
の商品名;高分子有機化合物(A)}6.98g、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン{化合物
(B);以下GTMSと略す}9.25g、メタノール
25.1gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3時間撹
拌した。この反応溶液にテトラメトキシシラン{有機シ
ラン化合物(C);以下MSと略す}72.0gとメタ
ノール11.1gの混合液を加え1時間撹拌し、表面被
覆用組成物1を得た。この組成物1をバーコーターで1
2μmのPETに塗布し、80℃で30秒乾燥した。処
理層の膜厚は1.0μmで透明であった。また、酸素透
過度は2.1cc/m2・24hrs・atmであっ
た。
【0031】実施例2 エポミンSP−018{ポリエチレンイミン;日本触媒
の商品名;高分子有機化合物(A)}7.18g、GT
MS{化合物(B)}3.25g、メタノール21.1
gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3時間撹拌した
後、室温でメタノール5gと水0.1gの混合物を15
分間で滴下し、1時間撹拌した。さらにこの反応溶液に
MS{有機シラン化合物(C)}52.0g、メタノー
ル15.4gの混合液を加え室温で3時間撹拌し、表面
被覆用組成物2を得た。この組成物2をダイコーターで
12μmのPETに塗布し、100℃、20%Rhで乾
燥した。ダイコーターの乾燥炉の長さは3mで塗工速度
は10m/分であった。処理層の膜厚は2.5μmで透
明であった。また酸素透過度は2.0cc/m2・24
hrs・atmであった。
の商品名;高分子有機化合物(A)}7.18g、GT
MS{化合物(B)}3.25g、メタノール21.1
gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3時間撹拌した
後、室温でメタノール5gと水0.1gの混合物を15
分間で滴下し、1時間撹拌した。さらにこの反応溶液に
MS{有機シラン化合物(C)}52.0g、メタノー
ル15.4gの混合液を加え室温で3時間撹拌し、表面
被覆用組成物2を得た。この組成物2をダイコーターで
12μmのPETに塗布し、100℃、20%Rhで乾
燥した。ダイコーターの乾燥炉の長さは3mで塗工速度
は10m/分であった。処理層の膜厚は2.5μmで透
明であった。また酸素透過度は2.0cc/m2・24
hrs・atmであった。
【0032】実施例3 エポミンSP−300{ポリエチレンイミン;日本触媒
の商品名;高分子有機化合物(A)}7.22g、γ−
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン{化合物
(B)}3.25g、エタノール36.1g、テトラエ
トキシシラン{有機シラン化合物(C)}72.0gを
混合して65℃で窒素雰囲気下4時間撹拌し、表面被覆
用組成物3を得た。この組成物3をバ−コーターで12
μmのPETに塗布し、100℃、20%Rhで30秒
乾燥した。処理層の膜厚は2.4μmで透明であった。
また、酸素透過度は1.1cc/m2・24hrs・a
tmであった。
の商品名;高分子有機化合物(A)}7.22g、γ−
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン{化合物
(B)}3.25g、エタノール36.1g、テトラエ
トキシシラン{有機シラン化合物(C)}72.0gを
混合して65℃で窒素雰囲気下4時間撹拌し、表面被覆
用組成物3を得た。この組成物3をバ−コーターで12
μmのPETに塗布し、100℃、20%Rhで30秒
乾燥した。処理層の膜厚は2.4μmで透明であった。
また、酸素透過度は1.1cc/m2・24hrs・a
tmであった。
【0033】実施例4 エポミンSP−300{高分子有機化合物(A)}を
7.18gと、β−(3,4ーエポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン{化合物(B)}4.7
2gおよびメタノール21.1gを混合して、55℃で
窒素雰囲気下2時間撹拌した。この反応溶液にMS{有
機シラン化合物(C)}55.0g、メタノール15.
4gの混合液を加え室温で1時間撹拌し、表面被覆用組
成物4を得た。この組成物4をバーコーターで12μm
のPETに塗布し、100℃、20%Rhで10秒乾燥
した。処理層の膜厚は2.7μmで透明であった。ま
た、酸素透過度は3.50cc/m2・24hrs・a
tmであった。
7.18gと、β−(3,4ーエポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン{化合物(B)}4.7
2gおよびメタノール21.1gを混合して、55℃で
窒素雰囲気下2時間撹拌した。この反応溶液にMS{有
機シラン化合物(C)}55.0g、メタノール15.
4gの混合液を加え室温で1時間撹拌し、表面被覆用組
成物4を得た。この組成物4をバーコーターで12μm
のPETに塗布し、100℃、20%Rhで10秒乾燥
した。処理層の膜厚は2.7μmで透明であった。ま
た、酸素透過度は3.50cc/m2・24hrs・a
tmであった。
【0034】実施例5 エポミンSP−006{高分子有機化合物(A)}を
6.89gと、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル{化合物(B)}1.25gおよびメタノール80.
0gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3時間撹拌し
た。この反応溶液にMS{有機シラン化合物(C)}6
0.0gを加え1時間撹拌し、表面被覆用組成物5を得
た。この組成物5をバーコーターで20μmのOPPに
塗布し、80℃で30秒乾燥した。処理層の膜厚は1.
5μmで透明であった。また、酸素透過度は5.3cc
/m2・24hrs・atmであった。
6.89gと、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル{化合物(B)}1.25gおよびメタノール80.
0gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3時間撹拌し
た。この反応溶液にMS{有機シラン化合物(C)}6
0.0gを加え1時間撹拌し、表面被覆用組成物5を得
た。この組成物5をバーコーターで20μmのOPPに
塗布し、80℃で30秒乾燥した。処理層の膜厚は1.
5μmで透明であった。また、酸素透過度は5.3cc
/m2・24hrs・atmであった。
【0035】実施例6 7.18gのエポミンSP−018{高分子有機化合物
(A)}とテトラヒドロフラン30.1gの混合液を激
しく撹拌しながら、1.25gのヘキサメチレンジイソ
シアネート{化合物(B)}を10分間で滴下し、その
後65℃で窒素雰囲気下3時間撹拌した。この反応溶液
にMS{有機シラン化合物(C)}49.0g、テトラ
ヒドロフラン15.4gの混合液を加え室温で1時間撹
拌し、表面被覆用組成物6を得た。この組成物6をバー
コーターで12μmのPETに塗布し、100℃、20
%Rhで10秒乾燥した。処理層の膜厚は4.5μmで
透明であった。また、酸素透過度は1.1cc/m2・
24hrs・atmであった。
(A)}とテトラヒドロフラン30.1gの混合液を激
しく撹拌しながら、1.25gのヘキサメチレンジイソ
シアネート{化合物(B)}を10分間で滴下し、その
後65℃で窒素雰囲気下3時間撹拌した。この反応溶液
にMS{有機シラン化合物(C)}49.0g、テトラ
ヒドロフラン15.4gの混合液を加え室温で1時間撹
拌し、表面被覆用組成物6を得た。この組成物6をバー
コーターで12μmのPETに塗布し、100℃、20
%Rhで10秒乾燥した。処理層の膜厚は4.5μmで
透明であった。また、酸素透過度は1.1cc/m2・
24hrs・atmであった。
【0036】実施例7 7.22gのエポミンSP−018{高分子有機化合物
(A)}、GTMS{化合物(B)}3.56g、メタ
ノール51.1gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3
時間撹拌した。この反応溶液にMシリケート51{有機
シラン化合物(C’);MSのオリゴマー;多摩化学工
業の製品名}52.0g、メタノール15.4gの混合
液を加え室温で1時間撹拌し、表面被覆用組成物7を得
た。この組成物7をバーコーターで12μmのPETに
塗布し、100℃、20%Rhで10秒乾燥した。処理
層の膜厚は2.7μmで透明であった。また、酸素透過
度は1.3cc/m2・24hrs・atmであった。
(A)}、GTMS{化合物(B)}3.56g、メタ
ノール51.1gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3
時間撹拌した。この反応溶液にMシリケート51{有機
シラン化合物(C’);MSのオリゴマー;多摩化学工
業の製品名}52.0g、メタノール15.4gの混合
液を加え室温で1時間撹拌し、表面被覆用組成物7を得
た。この組成物7をバーコーターで12μmのPETに
塗布し、100℃、20%Rhで10秒乾燥した。処理
層の膜厚は2.7μmで透明であった。また、酸素透過
度は1.3cc/m2・24hrs・atmであった。
【0037】実施例8 実施例1で得られた表面被覆フィルムの処理面上に、武
田薬品社製の接着用ウレタンコート剤A310とA3を
10:1(重量比)で混合した接着剤を、乾燥後の厚み
が0.5μmとなる様に塗布し、乾燥後、厚さ50μm
のポリプロピレンフィルムを貼り合わせた。この積層体
の酸素透過度は、1.8cc/m2・24hrs・at
mであった。
田薬品社製の接着用ウレタンコート剤A310とA3を
10:1(重量比)で混合した接着剤を、乾燥後の厚み
が0.5μmとなる様に塗布し、乾燥後、厚さ50μm
のポリプロピレンフィルムを貼り合わせた。この積層体
の酸素透過度は、1.8cc/m2・24hrs・at
mであった。
【0038】実施例9 352gのエポミンSP−018{高分子有機化合物
(A)}と、GTMS{化合物(B)}200g、メタ
ノール1000gを混合して65℃で窒素雰囲気下3時
間撹拌した。この、反応溶液にMS{有機シラン化合物
(C)}2500gとメタノ−ル750gの混合液を3
0分かけて60℃で滴下し、1時間撹拌して表面被覆用
組成物10を得た。この組成物10を12μmのPET
に乾燥後の厚みが3μmになる様に塗布し、100℃、
20%Rhで5秒間乾燥した。得られた表面被覆フィル
ムを、フィルム用高周波誘導加熱方式の蒸着機にセット
し、10-4Torrの真空下で、一酸化珪素を80m/
分の速度で処理面側に蒸着した。得られた蒸着フィルム
の蒸着層の厚みは500Åであった。また、酸素透過度
は0.4cc/m2・24hrs・atmであった。
(A)}と、GTMS{化合物(B)}200g、メタ
ノール1000gを混合して65℃で窒素雰囲気下3時
間撹拌した。この、反応溶液にMS{有機シラン化合物
(C)}2500gとメタノ−ル750gの混合液を3
0分かけて60℃で滴下し、1時間撹拌して表面被覆用
組成物10を得た。この組成物10を12μmのPET
に乾燥後の厚みが3μmになる様に塗布し、100℃、
20%Rhで5秒間乾燥した。得られた表面被覆フィル
ムを、フィルム用高周波誘導加熱方式の蒸着機にセット
し、10-4Torrの真空下で、一酸化珪素を80m/
分の速度で処理面側に蒸着した。得られた蒸着フィルム
の蒸着層の厚みは500Åであった。また、酸素透過度
は0.4cc/m2・24hrs・atmであった。
【0039】実施例10 実施例9で得られた蒸着フィルムの蒸着層に、武田薬品
社製の接着用ウレタンコート剤A310とA3を10:
1(重量比)で混合した接着剤を、乾燥後の厚みが0.
5μmとなる様に塗布し、乾燥後、厚さ50μmのポリ
プロピレンフィルムを貼り合わせた。この積層体11の
酸素透過度は、0.3cc/m2・24hrs・atm
であった。
社製の接着用ウレタンコート剤A310とA3を10:
1(重量比)で混合した接着剤を、乾燥後の厚みが0.
5μmとなる様に塗布し、乾燥後、厚さ50μmのポリ
プロピレンフィルムを貼り合わせた。この積層体11の
酸素透過度は、0.3cc/m2・24hrs・atm
であった。
【0040】比較例1 7.18gのエポミンSP−018{高分子有機化合物
(A)}、GTMS{化合物(B)}3.73g、メタ
ノール51.1gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3
時間撹拌し、比較表面被覆用組成物1を得た。この比較
組成物1をバーコーターで12μmのPETに塗布し、
100℃、20%Rhで30秒乾燥した。処理層の膜厚
は2.5μmで透明であった。また、酸素透過度は6
7.0cc/m2・24hrs・atmであった。有機
シラン化合物(C)が加えられていないため、酸素透過
度が劣っていた。
(A)}、GTMS{化合物(B)}3.73g、メタ
ノール51.1gを混合して、65℃で窒素雰囲気下3
時間撹拌し、比較表面被覆用組成物1を得た。この比較
組成物1をバーコーターで12μmのPETに塗布し、
100℃、20%Rhで30秒乾燥した。処理層の膜厚
は2.5μmで透明であった。また、酸素透過度は6
7.0cc/m2・24hrs・atmであった。有機
シラン化合物(C)が加えられていないため、酸素透過
度が劣っていた。
【0041】比較例2 エポミンSP−012{高分子有機化合物(A);ポリ
エチレンイミン;日本触媒の商品名}を7.18g、M
S{有機シラン化合物(C)}52.0g、メタノール
55.4gを混合し、窒素雰囲気下65℃で3時間撹拌
し、比較表面被覆用組成物2を得た。この比較組成物2
をバーコーターで12μmのPETに塗布し、100
℃、20%Rhで10秒乾燥した。処理層の膜厚は2.
8μmで白濁していた。また、酸素透過度は69.0c
c/m2・24hrs・atmであった。化合物(B)
が加えられていないため相溶性が悪く、白濁して酸素透
過度の劣った被膜しか得られない。
エチレンイミン;日本触媒の商品名}を7.18g、M
S{有機シラン化合物(C)}52.0g、メタノール
55.4gを混合し、窒素雰囲気下65℃で3時間撹拌
し、比較表面被覆用組成物2を得た。この比較組成物2
をバーコーターで12μmのPETに塗布し、100
℃、20%Rhで10秒乾燥した。処理層の膜厚は2.
8μmで白濁していた。また、酸素透過度は69.0c
c/m2・24hrs・atmであった。化合物(B)
が加えられていないため相溶性が悪く、白濁して酸素透
過度の劣った被膜しか得られない。
【0042】比較例3 GTMS{化合物(B)}5.25g、MS{有機シラ
ン化合物(C)}52.0g、メタノール30.4gを
混合し、65℃で1時間撹拌し、比較表面被覆用組成物
3を得た。この比較組成物3をバーコーターで12μm
のPETに塗布し、100℃、20%Rhで5分間乾燥
した。処理層の膜厚は2.5μmで透明であったが、一
部クラックが入っていた。また、酸素透過度は72.0
cc/m2・24hrs・atmであった。高分子有機
化合物(A)が存在していないため、可撓性、酸素透過
度に劣っている。
ン化合物(C)}52.0g、メタノール30.4gを
混合し、65℃で1時間撹拌し、比較表面被覆用組成物
3を得た。この比較組成物3をバーコーターで12μm
のPETに塗布し、100℃、20%Rhで5分間乾燥
した。処理層の膜厚は2.5μmで透明であったが、一
部クラックが入っていた。また、酸素透過度は72.0
cc/m2・24hrs・atmであった。高分子有機
化合物(A)が存在していないため、可撓性、酸素透過
度に劣っている。
【0043】
【発明の効果】本発明の表面処理樹脂成形体は、アミノ
基含有高分子有機化合物(A)と、この化合物(A)と
反応し得る化合物(B)と加水分解性の有機シラン化合
物(C)を組合せた表面被覆用組成物を用いてその表面
が処理されているので、表面には、ガスバリア性に優
れ、透明であり、可撓性を有する被膜が形成されてい
る。従って、本発明の表面処理樹脂成形体は、包装分野
や各種分野で有用である。
基含有高分子有機化合物(A)と、この化合物(A)と
反応し得る化合物(B)と加水分解性の有機シラン化合
物(C)を組合せた表面被覆用組成物を用いてその表面
が処理されているので、表面には、ガスバリア性に優
れ、透明であり、可撓性を有する被膜が形成されてい
る。従って、本発明の表面処理樹脂成形体は、包装分野
や各種分野で有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−120215(JP,A) 特開 平2−68126(JP,A) 特開 昭55−62973(JP,A) 特開 平5−331417(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 201/10
Claims (4)
- 【請求項1】 分子内に1級および/または2級アミノ
基を有し、かつSi(OR1)基(R1は同一または異な
っていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシ
ル基を表す)を含まない高分子有機化合物(A)と、前記高分子有機化合物(A)の有する アミノ基と反応し
得る官能基を分子内に有する化合物(B)と、 下記一般式(I)で示される有機シラン化合物(C)お
よび/またはその加水分解縮合物と、 R2 mSi(OR3)n …(I) (式中、R2は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素
鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を
表し、R3は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0また
は正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原
子価と一致する)アルコールとを含有する表面被覆用組
成物で樹脂成形体表面を被覆したものであることを特徴
とする表面処理樹脂成形体。 - 【請求項2】 上記表面処理樹脂成形体の処理面に金属
または金属酸化物蒸着層が積層されたものである請求項
1に記載の表面処理樹脂成形体。 - 【請求項3】 請求項1に記載の表面処理樹脂成形体の
処理面または請求項2に記載の蒸着層の上に、単一また
は複数層の熱可塑性樹脂が積層されたものである請求項
1または2に記載の表面処理樹脂成形体。 - 【請求項4】 用途がガスバリア材である請求項1〜3
のいずれかに記載の表面処理樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07104220A JP3119113B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 表面処理樹脂成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07104220A JP3119113B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 表面処理樹脂成形体 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000207344A Division JP3343106B2 (ja) | 1995-04-27 | 2000-07-07 | 表面被覆用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08295848A JPH08295848A (ja) | 1996-11-12 |
JP3119113B2 true JP3119113B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=14374885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07104220A Expired - Fee Related JP3119113B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 表面処理樹脂成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3119113B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2184310A1 (en) | 2008-11-10 | 2010-05-12 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Gas barrier composition and laminate |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000007978A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-01-11 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | コーティング材及び積層体 |
US20070196663A1 (en) | 2006-02-21 | 2007-08-23 | The Trustees Of Princeton University | High-yield activation of polymer surfaces for covalent attachment of molecules |
US8956731B2 (en) | 2008-02-27 | 2015-02-17 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Gas barrier sheet |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP07104220A patent/JP3119113B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2184310A1 (en) | 2008-11-10 | 2010-05-12 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Gas barrier composition and laminate |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08295848A (ja) | 1996-11-12 |
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