JP5145650B2 - 透明バリア性積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

透明バリア性積層フィルム及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は透明バリア性積層フィルム及びその製造方法に関し、更に詳しくは包装材料として十分に透明な高い紫外線透過率を有し、且つ酸素ガス、水蒸気等の透過を回避し、内容物の変質等を防止する優れたバリア性を有する透明バリア性積層フィルム及びその製造方法に関する。
従来、透明基材フィルム上にアルミナ蒸着膜層を形成し、さらに前記アルミナ蒸着層上にバリア剤をコーティングすることによって、ガスバリア性を向上させることが行われている。例えば特許文献1には、高分子樹脂組成物からなる基材上に、無機化合物からなる蒸着膜を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は(b)塩化錫の少なくともいずれか一つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするガスバリア性被膜を第2層として積層することにより、レトルト処理後のガスバリア性の低下及び接着強度の劣化を抑制したガスバリア性積層フィルムを得ることが記載されている。また、特許文献2には、透明高分子フィルム上に金属酸化物層(A層)を気相成長法で形成した後、成分a(ポリビニルアルコール)、成分b(テトラメトキシシラン等のアルコキシシランの(部分)加水分解物、その(部分)縮合物又はこれらの混合物)、成分c(硬化触媒)、成分d(ポリビニルアルコール可溶性溶剤を全溶剤中50重量%以上含有する溶媒)からなり、成分a/成分b=5/1〜1/2(重量比)であり、pH3〜11に調整されたコーティング剤層をA層上に塗布し、次いで、該コーティング剤層を加熱して硬化皮膜を形成する、ガスバリア性、耐溶剤性、耐熱性、耐薬品性、耐水性、可撓性に優れ、しかも密着性の良い、透明バリア性積層フィルムの製造方法が記載されている。さらに、特許文献3にはベースプラスチックフィルムの全光線透過率を100%としたとき、酸化アルミニウム蒸着後の全光線透過率を90〜95%の範囲でベースプラスチックフィルムに酸化アルミニウム蒸着膜を形成した蒸着フィルムの蒸着層上に、10μmの膜にした場合、酸素透過率(単位cc/m2/day)および水蒸気透過率(単位g/m2/day)の少なくとも一方が100以下のガスバリア性樹脂の水溶液もしくは水分散液のコーティングにより、保護層を形成して、全光線透過率が、ベースプラスチックフィルムの光線透過率を100%としたとき透明バリア性フィルムの全光線透過率を100%以上にすることが記載されている。
特許第2790054号公報 特許第3403880号公報 特許2000−185364号公報
しかしながら特許文献1〜3には、包装材料として十分に透明な高い紫外線透過率を有し、且つ高い酸素バリア性及び高い水蒸気バリア性に有し、耐レトルト・ボイル適性を備える透明バリア性積層フィルムを得るための蒸着条件、蒸着層上に形成するバリアコート層の乾燥条件、透明バリア性積層フィルムの形成後の後エージング処理を検討することには言及されていない。
本発明が解決しようとする課題は、包装材料として十分に透明な高い紫外線透過率を有し、且つ高い酸素バリア性及び高い水蒸気バリア性を有し、耐レトルト・ボイル適性を備える透明バリア性積層フィルム及びその製造方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は、透明バリア性積層フィルムに関する課題を解決するもので、透明プラスチック基材フィルム上に、366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の無機酸化物の蒸着膜を設け、この蒸着膜層上に、分子内に1級および/または2級アミノ基を有し、かつSi(OR1)基(但し、前記式中R1は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を含まない高分子有機化合物(A)と、前記高分子有機化合物(A)の有するアミノ基と反応し得る官能基を分子内に有する化合物(B)と、一般式:R2mSi(OR3)n(但し、式中、R2は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を表し、R3は同一または異なっていても良く、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原子価と一致する。)で示される有機シラン化合物(C)および/またはその加水分解縮合物とアルコールとを含有するバリア性コート剤からなるバリア性被膜を形成したことを特徴とする透明バリア性積層フィルムを要旨とする。
請求項2に記載の発明は透明性ガスバリア性積層フィルムの製造方法に関する課題を解決するもので、透明プラスチック基材フィルム上に、366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の無機酸化物の蒸着膜を形成し、この蒸着膜層上に、分子内に1級および/または2級アミノ基を有し、かつSi(OR1)基(但し、前記式中R1は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を含まない高分子有機化合物(A)と、前記高分子有機化合物(A)の有するアミノ基と反応し得る官能基を分子内に有する化合物(B)と、一般式:R2mSi(OR3)n(但し、式中、R2は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を表し、R3は同一または異なっていても良く、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原子価と一致する。)で示される有機シラン化合物(C)および/またはその加水分解縮合物とアルコールとを含有するバリア性コート剤を塗布してバリア性被膜を形成することを特徴とする透明バリア性積層フィルムの製造方法を要旨とする。
本発明において、無機酸化物の蒸着膜は、酸化アルミニウム、酸化珪素等により構成することができるが、特に酸化アルミニウムの蒸着膜は、蒸着膜とガスバリア性被膜により、従来相反していた酸化アルミニウム蒸着膜の透明性とガスバリア性を両立させ、好ましい効果をあげることができる。その場合、酸化アルミニウム蒸着膜は、アルミニウム蒸気と酸素を気相中で反応させながらその反応系を調整して366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の範囲に調整して形成する。紫外線透過率が82%以下では透明バリア性積層フィルムの透明性向上が得られない。また、94%以上では蒸着膜自体の反応活性が低くバリア性コート剤との反応が不十分となるため酸素バリア性及び水蒸気バリア性向上の効果が損なわれる。
本発明において用いる酸化アルミニウム蒸着膜の厚みは好ましくは100〜400Åである。100Å以下のときは、蒸着膜自体のバリア性が低く蒸着膜上にバリア性コート剤の塗工を行っても十分なバリア性が得られない。逆に400Å以上に蒸着膜が厚くなると後加工適性に欠ける透明バリア性積層フィルムとなってしまい、実用性に乏しいフィルムとなってしまう。
段落0006に記載の方法に代えて、酸化アルミニウム、酸化珪素等からなる蒸着膜を形成し、その上に酸素ガスによるプラズマ処理面を形成し、このプラズマ処理面上にバリア性コート剤を塗布するようにしてもよい。その場合、蒸着膜は、366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の範囲に調整して形成する。紫外線透過率が82%以下では透明バリア性積層フィルムの透明性向上が得られない。また、94%以上では蒸着膜自体の反応活性が低くバリア性コート剤との反応が不十分となるため酸素バリア性及び水蒸気バリア性向上の効果が損なわれる。また蒸着膜の厚みは好ましくは100〜400Åである。100Å以下のときは、蒸着膜自体のバリア性が低く蒸着膜上にバリア性コート剤の塗工を行っても十分なバリア性が得られない。逆に400Å以上に蒸着膜が厚くなると後加工適性に欠ける透明バリア性積層フィルムとなってしまい、実用性に乏しいフィルムとなってしまう。
本発明において、製造したガスバリア性積層フィルムに40〜80℃の温度下でエージング処理を施すことが好ましい。このエージング処理により、紫外線透過率の向上はもとより、ガスバリア性被膜の架橋反応が進行し著しくバリア性能が向上する。
この発明によれば、包装材料として十分に透明な高い紫外線透過率を有し、且つ高い酸素バリア性及び高い水蒸気バリア性を有し、耐レトルト・ボイル適性を備える透明バリア性積層フィルムを製造することができる。
上記の発明について以下に図面等を用いて更に詳細に説明する。
図1は本発明の係る透明バリア性積層フィルムの構成を示す。
本発明に係る透明バリア性積層フィルム1は、透明プラスチック基材フィルム2上に、366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の無機酸化物の蒸着膜3を形成し、この蒸着膜3上に、分子内に1級および/または2級アミノ基を有し、かつSi(OR1)基(但し、前記式中R1は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を含まない高分子有機化合物(A)と、前記高分子有機化合物(A)の有するアミノ基と反応し得る官能基を分子内に有する化合物(B)と、一般式:R2mSi(OR3)n(但し、式中、R2は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を表し、R3は同一または異なっていても良く、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原子価と一致する。)で示される有機シラン化合物(C)および/またはその加水分解縮合物とアルコールとを含有するバリア性コート剤からなるバリア性被膜4を形成してなるものである。
本発明において、透明プラスチック基材フィルム2として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6ナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン或いはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、セルロース、酢酸セルロース、或いはこれらのポリマーの共重合体、或いはポリマーブレンドからなるフィルムを適用することができる。
上記の透明プラスチックフィルムの表面には、その上に形成する無機酸化物の蒸着膜との密着性を向上させるために必要に応じて、所望の表面処理層を設けてもよい。
この表面処理層として、コロナ処理層、オゾン処理層、酸素ガス若しくは窒素ガスを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いた酸化処理層を設けることができる。
次に無機酸化物の蒸着膜3について説明すると、無機酸化物の蒸着膜3としては、例えば、化学気相成長法、又は物理気相成長法、或いはその両者を併用して、形成したものを適用することができる。
また、本発明において、無機酸化物の蒸着膜として、酸化アルミニウムの蒸着膜を用いることにより、蒸着膜とガスバリア性被膜により、従来相反していた酸化アルミニウム蒸着層の透明性とガスバリア性を両立させ、好ましい効果をあげることができる。その場合、酸化アルミニウムニウム蒸着膜は、アルミニウム蒸気と酸素を気相中で反応させながらその反応系を調整して366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の範囲に調整して形成する。紫外線透過率が82%以下では透明バリア性積層フィルムの透明性向上が得られない。また、94%以上では蒸着膜自体の反応活性が低くバリア性コート剤との反応が不十分となるため酸素バリア性及び水蒸気バリア性向上の効果が損なわれる。
また、本発明において用いる酸化アルミニウム蒸着膜の厚みは好ましくは100〜400Åである。100Å以下のときは、蒸着膜自体のバリア性が低く蒸着膜上にバリア性コート剤の塗工を行っても十分なバリア性が得られない。逆に400Å以上に蒸着膜が厚くなると後加工適性に欠ける透明バリア性積層フィルムとなってしまい、実用性に乏しいフィルムとなってしまう。
また、上記した方法に代えて、酸化アルミニウム、酸化珪素等からなる蒸着膜を形成し、その上に酸素ガスによるプラズマ処理面を形成し、このプラズマ処理面上にバリア性コート剤を塗布するようにしてもよい。その場合、蒸着膜は、366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の範囲に調整して形成する。紫外線透過率が82%以下では透明バリア性積層フィルムの透明性向上が得られない。また、94%以上では蒸着膜自体の反応活性が低くバリア性コート剤との反応が不十分となるため酸素バリア性及び水蒸気バリア性向上の効果が損なわれる。また蒸着膜の厚みは好ましくは100〜400Åである。100Å以下のときは、蒸着膜自体のバリア性が低く蒸着膜上にバリア性コート剤の塗工を行っても十分なバリア性が得られない。逆に400Å以上に蒸着膜が厚くなると後加工適性に欠ける透明バリア性積層フィルムとなってしまい、実用性に乏しいフィルムとなってしまう。
次に、上記の物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について説明する。物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、透明プラスチック基材フィルム2上に蒸着する真空蒸着法、または原料として金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて透明プラスチック基材フィルムの表面に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
物理気相成長法において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
図2は、物理気相成長法の巻き取り式真空蒸着装置の一例の概略の構成を示す。
図2に示すように、巻き取り式真空蒸着装置41の真空チャンバー42の中で、巻き出しロール43から繰り出す透明プラスチック基材フィルム2は、ガイドロール44、45を介して、冷却したコーティング・ドラム46に案内される。
コーティング・ドラム46上に案内された透明プラスチックフィルム2の上に、るつぼ47で熱せられた蒸着膜48、例えば、金属アルミニウム、あるいは酸化アルミニウムを蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹き出し口49より酸素ガスを噴出させ、これをマスク50、50を介して、透明プラスチック基材フィルム2のほうに供給しながら、酸化アルミニウムの蒸着膜を製膜し、次いで蒸着膜を形成した透明基材フィルム2をガイドロール45′、44′を経て送り出し、巻き取りロール51に巻き取ることによって、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
次にバリア性被膜4に関して説明する。このガスバリア性被膜4は、分子内に1級および/または2級アミノ基を有し、かつSi(OR1)基(但し、前記式中R1は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を含まない高分子有機化合物(A)と、前記高分子有機化合物(A)の有するアミノ基と反応し得る官能基を分子内に有する化合物(B)と、一般式:R2mSi(OR3)n(但し、式中、R2は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を表し、R3は同一または異なっていても良く、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原子価と一致する。)で示される有機シラン化合物(C)および/またはその加水分解縮合物とアルコールとを含有するバリア性コート剤を蒸着膜3上に塗布してなるものである。
前記高分子有機化合物(A)の具体例として、ポリエチレンイミン類、例えば日本触媒社製エポミンシリーズ(エポミンSP−003、エポミンSP006、エポミンSP−012、エポミンSP−018、エポミンSP−103、エポミンSP−110、エポミンSP200、エポミンSP−300、エポミンSP−1000、エポミンSP−1020等)、ポリアリルアミン類(例えば日東紡績社製PAA−L、PAA−H等)、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレートのホモポリマーや、これらのアミノ基含有(メタ)アクリレートと他の(メタ)アクリレート類や(メタ)アクリル酸とのコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアミン類等の高分子有機化合物が挙げられる。
上記した高分子有機化合物のうち、特にポリエチレンイミン類が好ましい。
また、高分子有機化合物(A)の好ましい分子量は250〜20万であり、より好ましくは250〜10万の範囲である。分子量が250より小さいと形成された被膜の可撓性に劣り、20万より大きいと、形成された被膜の透明性に劣り好ましくない。
次に化合物(B)として、上記高分子有機化合物(A)中のアミノ基と反応し得る官能基を分子内に有する化合物であれば特に限定されない。前記官能基としてエポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、オキサゾリニル基等が挙げられる。この化合物(B)には、高分子有機化合物(A)と有機シラン化合物C)との相溶性を高める効果がある。この化合物(B)はアミノ基と反応し得る官能基と共にSi(OR4)基(但し、R4は同一または異なってもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を有する化合物であることが好ましく、Si(OR4)基(但しR4は前記と同じ意味)を有し且つアミノ基と反応し得る官能基としてエポキシ基を有する化合物であることが望ましい。化合物(B)と有機シラン化合物(C)の共加水分解縮合物がバリア性コート剤に含まれていてもよい。化合物(B)がSi(OR4)基(但しR4は前記と同じ意味)を有していれば、高分子有機化合物(A)と反応する前もしくは反応後に加水分解縮合が進行し、また後述の有機シラン化合物(C)の加水分解性縮合基と共加水分解縮合を起こして縮重合が進行していくため、速やかに緻密な被膜を形成することができる。
化合物(B)の具体例として、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパングリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類;アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル類等のグリシジルエステル類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−5エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシシランγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基とSi(OR4)基(但しR4は前記と同じ意味)を有するシランカップリング剤(以下エポキシシランカップリング剤と略称する);γ−イソシアノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアノプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアノプロピルメチルジエトキシシラン等のイソシアネート基およびSi(OR4)基(但しR4は前記と同じ意味)含有シランカップリング剤(以下イソシアネート基含有シランカップリング剤と略称する);トリレンジイソシアネート、1,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。また、化合物(B)がアミノ基と反応し得る官能基を有する高分子有機化合物であってもよい。
化合物(B)として、エポキシ基含有シランカップリング剤もしくはイソシアネート基含有シランカップリング剤が、アミノ基との反応性が良好で、形成される被膜の耐湿性が優れているので、好ましい。また、エポキシ基含有シランカップリング剤もしくはイソシアネート基含有シランカップリング剤を用いる場合は、高分子有機化合物(A)との反応前か反応後に加水分解縮合を行うこと、そして後述の有機シラン化合物(C)の加水分解性縮合基との加水分解縮合を行う事が可能である。
有機シラン化合物(C)は、一般式:R2mSi(OR3)n(但し、式中、R2は同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を表し、R3は同一または異なっていても良く、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原子価と一致する)で表されるものであれば特に限定されない。
有機シラン化合物(C)として、具体的に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジエチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、またはこれらの錯体化合物、メチルトリアセトキシシラン、トリメチルシラノール等、またはこれらの化合物を含む高分子有機化合物類が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いる事が出来る。中でも、形成された被膜が良好な耐湿性を示す点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
被膜形成時の乾燥の際に有機シラン化合物(C)の蒸発を防ぐため、有機シラン化合物(C)は、予め加水分解縮合を行う事が望ましい。この加水分解縮合反応に関しては、公知の触媒を用いることができる。また溶媒として用いられるアルコール中で反応させるのが有利である。化合物(B)としてエポキシ基含有シランカップリング剤かもしくはイソシアネート基含有シランカップリング剤等のSi(OR4)基(但しR4は前記と同じ意味)含有化合物を用いた場合は、有機シラン化合物(C)と予め共加水分解縮合を行うことも可能である。有機シラン化合(C)は、形成された被膜の耐湿性を向上させる効果を有する。
アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類を用いることができる。これらのアルコール類に、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、ベンゼン、キシレン類等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、その他テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、水等の一種または二種以上を混合しても良い。
バリア性コート剤を蒸着膜上に塗布する方法としては例えばロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法等を採用することができる。
バリア性コート剤を蒸着膜上に塗布して得られた透明バリア性積層フィルムについて、40〜80℃の温度化で1日乃至数日間エージング処理を行う。この処理により紫外線透過率の向上はもとより、バリア性に関してもガスバリア性コート剤の被膜の架橋反応が進行し、バリア性に関して著しく性能が向上する。
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にEB式蒸着装置を用いて反応性蒸着法により、酸素ガス供給量を調整し、366nmにおける紫外線透過率が88%となるように調整して、厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を製膜して酸化アルミニウム蒸着フィルムを得た。
(蒸着条件)
蒸着条件:アルミニウム
巻き取り側チャンバー内の真空度:2.3×10-3mbar
酸素導入前のコーティングチャンバー内の真空度:2.9×10-4mbar
酸素導入後のコーティングチャンバー内の真空度:4.3×10-4mbar
フィルムの搬送速度:500m/min
このアルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に塗布するバリア性コート剤を次のようにして作製した。ポリエチレンイミン6.98g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.25g、メタノール25.1gを混合して、65℃で、窒素雰囲気下で3時間攪拌して反応溶液を得た。この反応溶液にテトラメトキシシラン72.0gとメタノール11.1gの混合液を加え1時間攪拌してバリア性コート剤を作製した。このバリア性コート剤を酸化アルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に塗布し、140℃で30秒間乾燥させ、厚みが0.2μmのバリア性被膜を形成して透明バリア性積層フィルムを得た。得られた透明バリア性積層フィルムに対して55℃で72時間エージング処理を行った。
実施例1と同様にして、但し蒸着膜の厚さを300Åにして透明バリア性積層フィルムを得た。
(蒸着条件)
蒸着条件:アルミニウム
巻き取り側チャンバー内の真空度:2.3×10-3mbar
酸素導入前のコーティングチャンバー内の真空度:2.9×10-4mbar
酸素導入後のコーティングチャンバー内の真空度:4.3×10-4mbar
フィルムの搬送速度:500m/min
そして実施例1と同様にして55℃で72時間エージング処理を行った。
実施例1と同様にして透明バリア性積層フィルムを得た。この透明バリア性積層フィルムに対して、80℃で24時間エージング処理を行った。
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にEB式蒸着装置を用いて反応性蒸着法により、酸素ガス供給量を調整し、366nmにおける紫外線透過率が92%となるように調整して、厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を製膜して酸化アルミニウム蒸着フィルムを得た。
(蒸着条件)
蒸着条件:アルミニウム
巻き取り側チャンバー内の真空度:2.3×10-3mbar
酸素導入前のコーティングチャンバー内の真空度:2.9×10-4mbar
酸素導入後のコーティングチャンバー内の真空度:4.3×10-4mbar
フィルムの搬送速度:500m/min
次いで実施例1において用いたバリア性コート剤を酸化アルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に塗布し、140℃で30秒間乾燥させ、厚みが0.2μmのバリア性被膜を形成して透明バリア性積層フィルムを得た。得られた透明バリア性積層フィルムに対して55℃で72時間エージング処理を行った。
[比較例1]
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にEB式蒸着装置を用いて反応性蒸着法により、酸素ガス供給量を調整し、366nmにおける紫外線透過率が80%となるように調整して、厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を製膜して酸化アルミニウム蒸着フィルムを得た。
(蒸着条件)
蒸着条件:アルミニウム
巻き取り側チャンバー内の真空度:2.3×10-3mbar
酸素導入前のコーティングチャンバー内の真空度:2.9×10-4mbar
酸素導入後のコーティングチャンバー内の真空度:4.3×10-4mbar
フィルムの搬送速度:500m/min
このアルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に実施例1において用いたバリア性コート剤を酸化アルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に塗布し、140℃で30秒間乾燥させ、厚みが0.2μmのバリア性被膜を形成して透明バリア性積層フィルムを得た。得られた透明バリア性積層フィルムに対して55℃で72時間エージング処理を行った。
[比較例2]
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にEB式蒸着装置を用いて反応性蒸着法により、酸素ガス供給量を調整し、366nmにおける紫外線透過率が96%となるように調整して、厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を製膜して酸化アルミニウム蒸着フィルムを得た。
(蒸着条件)
蒸着条件:アルミニウム
巻き取り側チャンバー内の真空度:2.3×10-3mbar
酸素導入前のコーティングチャンバー内の真空度:2.9×10-4mbar
酸素導入後のコーティングチャンバー内の真空度:4.3×10-4mbar
フィルムの搬送速度:500m/min
このアルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に実施例1において用いたバリア性コート剤を酸化アルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に塗布し、140℃で30秒間乾燥させ、厚みが0.2μmのバリア性被膜を形成して透明バリア性積層フィルムを得た。得られた透明バリア性積層フィルムに対して55℃で72時間エージング処理を行った。
[比較例3]
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にEB式蒸着装置を用いて反応性蒸着法により、酸素ガス供給量を調整し、366nmにおける紫外線透過率が88%となるように調整して、厚さ100Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を製膜して酸化アルミニウム蒸着フィルムを得た。
(蒸着条件)
蒸着条件:アルミニウム
巻き取り側チャンバー内の真空度:2.3×10-3mbar
酸素導入前のコーティングチャンバー内の真空度:2.9×10-4mbar
酸素導入後のコーティングチャンバー内の真空度:4.3×10-4mbar
フィルムの搬送速度:500m/min
このアルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に実施例1において用いたバリア性コート剤を酸化アルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に塗布し、140℃で30秒間乾燥させ、厚みが0.2μmのバリア性被膜を形成して透明バリア性積層フィルムを得た。得られた透明バリア性積層フィルムに対して55℃で72時間エージング処理を行った。
[比較例4]
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にEB式蒸着装置を用いて反応性蒸着法により、酸素ガス供給量を調整し、366nmにおける紫外線透過率が88%となるように調整して、厚さ500Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を製膜して酸化アルミニウム蒸着フィルムを得た。
(蒸着条件)
蒸着条件:アルミニウム
巻き取り側チャンバー内の真空度:2.3×10-3mbar
酸素導入前のコーティングチャンバー内の真空度:2.9×10-4mbar
酸素導入後のコーティングチャンバー内の真空度:4.3×10-4mbar
フィルムの搬送速度:500m/min
このアルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に実施例1において用いたバリア性コート剤を酸化アルミニウム蒸着フィルムの蒸着膜面に塗布し、140℃で30秒間乾燥させ、厚みが0.2μmのバリア性被膜を形成して透明バリア性積層フィルムを得た。得られた透明バリア性積層フィルムに対して55℃で72時間エージング処理を行った。
[実験例]
上記の実施例1〜4及び比較例1〜4の透明バリア性積層フィルムについて、エージング処理の前後の366nmにおける紫外線透過率並びに酸素透過度及び水蒸気透過度について測定した。
(1)紫外線透過度の測定
分光光度計(島津製作所(株)製、機種名:UV−2000)を使用し、透過光の366nmにおける直線光と散乱光の合計値を全光線として透過率を測定した。
(2)酸素透過度の測定
酸素透過度の測定は、MOCON社製OXTRANにより、温度23℃、湿度90%RHの条件下に行った。
(3)水蒸気透過度の測定
水蒸気の測定は、MOCON社製PERMATRANにより、温度40℃、湿度100%RHの条件下に行った。
実施例1〜4及び比較例1〜4の各フィルムについてエージング前後の366nmにおける紫外線透過率、酸素バリア性及び水蒸気バリア性について調べた。
測定の結果は表1に示す。
Figure 0005145650
表1に示すように、実施例1〜4にの各透明バリア性積層フィルムはエージング処理後高い紫外線透過率を示した。また、酸化透過率及び水蒸気透過率は低く優れたバリア性を示すことが分かった。それに対し比較例1、4おいてはエージング処理による紫外線透過率の上昇は僅かしかみられず94%以上の高い紫外線透過率は得られなかった。比較例例2〜3においては94%以上の高い紫外線透過率が得られたが、エージング処理後の酸素透過度は0.5〜0.6cc/m2・day・atmに止まり、実施例1〜4におけるような低い酸素透過度は得られなかった。また、エージング処理後の水蒸気透過度も1.2〜1.4g/m2・dayに止まり、実施例1〜4におけるような低い水蒸気透過度は得られなかった。
次に実施例1〜4及び比較例1〜4のエージング処理後の各透明バリア性積層フィルムについて、各透明バリア性積層フィルムのバリア性被膜面側にPEF(ボリエチレンフィルム)30μmをドライラミネートし、貼り合わせにより得られたフィルムについて、テスター産業(株)製ゲルボフレックステスターを用いて耐屈曲性テストを行い、屈曲による酸素透過度及び水蒸気透過度の低下について調べた。
Figure 0005145650
実施例1〜4については屈曲回数5回までは酸素透過度及び水蒸気透過度の低下は見られなかった。しかし屈曲回数50回になると、酸素透過度は0.9〜1.2cc/m2・day・atm、水蒸気透過度は1.2〜1.6g/m2・dayに低下した。此れに対し、比較例2〜4においては屈曲回数5回で酸素透過度は0.8〜9.2cc/m2・day・atm、水蒸気透過度は1.6〜4.3g/m2・dayと、屈曲回数50回で酸素透過度は3.8〜36.8cc/m2・day・atm、水蒸気透過度は4.1〜13.7g/m2・dayと屈曲回数の増加につれて大幅の低下が見られた。
実施例1〜4及び比較例1〜4のエージング処理後の各透明バリア性積層フィルムに二軸延伸ナイロン(ON)15μm及び塩素化ポリプロピレン(CPP)60μmをドライラミネートして形成した積層体を用いてレトルト用パウチを作製した。作製したパウチに水を入れ121℃/2atm/30分の条件でレトルト処理を行い、レトルト処理前後の酸素透過度及び水蒸気透過度を調べた。結果は表3に示す。
Figure 0005145650
実施例1〜4については、酸素透過度についてはレトルト前の0.2cc/m2・day・atmから0.5〜0.8cc/m2・day・atmへの低下が認められ、水蒸気透過度についてはレトルト前の0.3〜0.4g/m2・dayから0.7〜1.1g/m2・dayへの低下が見られた。此れに対し比較例2〜4においては酸素透過度については、レトルト前の0.3〜0.4cc/m2・day・atmから1.3〜4.4cc/m2・day・atmと大幅の低下が見られた。また水蒸気透過度についても、レトルト前の0.4〜1.1g/m2・dayから、レトルト後の2.1〜5.7g/m2・dayと大幅の低下が見られた。
本発明の透明バリア性積層フィルムは、紫外線透過率を有し、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、透明性の高いバリア性包装材料としても利用することができるものである。また、本発明の透明バリア性積層フィルムを用いてなるレトルト用パウチは、レトルト処理後の高いバリア性を維持するものであり、透明性の高いレトルト用パウチの材料として利用することができるものである。
本発明の透明バリア性積層フィルムの略断面図である。 巻き取り式真空蒸着装置の概略の構成図である。
符号の説明
1 透明バリア性積層フィルム
2 透明プラスチック基材フィルム
3 蒸着膜
4 バリア性被膜
41 巻き取り式真空蒸着装置
42 真空チャンバー
43 巻き出しロール
44 ガイドロール
45 ガイドロール
46 コーティングロール
47 るつぼ
48 蒸着膜
49 酸素ガス吹き出し口
50 マスク
51 巻き取りロール



Claims (3)

  1. 透明プラスチック基材フィルム上に、366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の範囲であって、膜厚が、200〜300Åである酸化アルミニウム蒸着膜を形成し、
    次いで、上記の酸化アルミニウム蒸着膜の上に、分子内に1級および/または2級アミノ基を有し、かつSi(OR)基(但し、前記式中Rは、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表す)を含まない高分子有機化合物(A)と、前記高分子有機化合物(A)の有するアミノ基と反応し得る官能基を分子内に有する化合物(B)と、下記一般式(I)で示される有機シラン化合物(C)および/またはその加水分解縮合物と、アルコールとを含有するバリア性組成物を塗布し、加熱乾燥してバリア性被膜を形成して透明バリア性積層フィルムを製造し、
    次いで、上記の透明バリア性積層フィルムを40〜80℃の温度で1日乃至72時間エ−ジング処理して、上記の透明バリア性積層フィルムの紫外線透過率を高めると共に酸素透過度および水蒸気透過度を低くすること
    を特徴とする透明バリア性積層フィルムの製造方法。
    mSi(OR)n....(I)
    (但し、式中、Rは同一または異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、ビニル基または炭素鎖に直結したメルカプト基、またはメタクリロイル基を表し、Rは同一または異なっていても良く、水素原子、低級アルキル基またはアシル基を表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数でかつm+nはSiの原子と一致する。)
  2. 酸化アルミニウム蒸着膜が、アルミニウム蒸気と酸素を気相中で反応させながらその反応系を調整して366nmにおける紫外線透過率が82〜94%の範囲に調整した酸化アルミニウム蒸着膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の透明バリア性積層フィルムの製造方法。
  3. 酸化アルミニウム蒸着膜が、酸化アルミニウム蒸着膜を形成し、その上に酸素ガスによるプラズマ処理面を形成することを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載の
    透明バリア性積層フィルムの製造方法。
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