JP2812924B2 - ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体 - Google Patents

ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体

Info

Publication number
JP2812924B2
JP2812924B2 JP27027496A JP27027496A JP2812924B2 JP 2812924 B2 JP2812924 B2 JP 2812924B2 JP 27027496 A JP27027496 A JP 27027496A JP 27027496 A JP27027496 A JP 27027496A JP 2812924 B2 JP2812924 B2 JP 2812924B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
hydrogen atom
lower alkyl
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27027496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09132767A (ja
Inventor
哲也 山本
昭夫 中
由貴子 堀
忠弘 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP27027496A priority Critical patent/JP2812924B2/ja
Publication of JPH09132767A publication Critical patent/JPH09132767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2812924B2 publication Critical patent/JP2812924B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、可撓性に
優れ、かつガスバリア性の湿度および温度依存性が極め
て小さい被膜を形成し得るガスバリア用表面処理用組成
物および該組成物によって表面処理された樹脂成形体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸素、窒素、炭酸ガス、水蒸気等の気体
の透過度が極めて小さいガスバリア材は包装用材料等の
分野において需要が増大している。ガスバリア性をプラ
スチックフィルムまたはシート等成形体材料に付与する
ためには、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニリデン系共重合体、ポリメタキシリレンアジパミ
ド等の気体不透過性素材で成形体を作成する、これら
の気体不透過性素材を他の材料にラミネートまたはコー
ティングする、アルミ箔をフィルム状材料にラミネー
トする、金属酸化物を蒸着する等の方法が知られてい
る。
【0003】しかし、の気体不透過性素材の内、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体やポリメタキシリレン
アジパミドは吸湿性が大きく、吸湿に伴ってガスバリア
性が大幅に低下するという問題があり、塩化ビニリデン
系共重合体は塩素原子を含んでいるため公害の原因とな
る恐れがある。また、のアルミ箔ラミネートフィルム
では、包装された内容物を外から見ることができず、
の金属蒸着フィルムは可撓性等を低下させるため、包装
時に蒸着層にクラックを生じ易く、ガスバリア性の低下
を引き起こすという問題があった。
【0004】これらの問題を解決するために、緻密な分
子構造を有し、耐候性、硬度、耐薬品性に優れたポリシ
ロキサンを用いて、プラスチックフィルムの表面処理を
行なうことが研究されている。しかしながらポリシロキ
サンの原料として用いられるテトラアルコキシシラン
は、加水分解縮合反応点が4つもあるため縮合時の体積
収縮率が大きく、クラックやピンホールのない被覆膜を
得ることは困難であった。
【0005】そこで加水分解縮合反応点が3つしかない
アルキルトリアルコキシシランを単独もしくはテトラア
ルコキシシランと共加水分解縮合を行なうことによっ
て、クラックやピンホールの発生を抑えることが提案さ
れた。しかしアルキルトリアルコキシシランは反応性が
低いので、アルキルトリアルコキシシランの単独使用で
は縮合せずに残存する単量体が多くなり、またテトラア
ルコキシシランとの併用ではなかなか均一な共加水分解
縮合ができないのが現状であった。さらにこれらのシラ
ン系表面処理用組成物は、プラスチックフィルム素材と
の親和性がなく濡れ性が悪いので、成膜性に劣るという
問題もあった。
【0006】また特開平2−286331号公報には、
アルコキシシランを加水分解縮合し、プラスチックフィ
ルムに被覆することが示されているが、この方法ではア
ルコキシシラン成分のみをフィルムにコーティングする
ため、フィルムの可撓性が著しく損なわれるものであっ
た。
【0007】上記観点から、例えば特開平1−2785
74号公報には、テトラアルコキシシシラン等のアルコ
キシシラン加水分解物を反応性ウレタン樹脂と組み合わ
せることによって表面処理被膜のクラックを抑えること
が開示されている。しかし、反応性ウレタン樹脂は溶媒
として用いられているアルコール類と反応するため、ア
ルコキシシラン加水分解物と反応性ウレタン樹脂が充分
複合化されずに相分離を起こして、被膜が不透明になる
ことがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記諸問
題を考慮して、透明性、被処理物の物性を損なわないよ
うな可撓性を有し、かつガスバリア性の湿度および温度
依存性の極めて小さいガスバリア用表面処理用組成物を
提供することを目的とし、また該組成物によって表面処
理された樹脂成形体を提供することを第2の目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は表面処理用組成
物が、(1)下記一般式(I)で示されるシラン化合物
(A)と、
【0010】
【化3】
【0011】[式中A1 はアルキレン基、R1 は水素原
子、低級アルキル基、または
【0012】
【化4】
【0013】(式中A2 は直接結合またはアルキレン基
を、R5,R6 は水素原子または低級アルキル基を示す)
で表わされる基、R2 は水素原子または低級アルキル
基、R3は同一または異なる低級アルキル基、アリール
基または不飽和脂肪族残基、R4は水素原子、低級アル
キル基またはアシル基を意味し(ただしR1,R2,R5,R
6のうち少なくとも1つが水素原子である)、wは0、
1、2のいずれか、zは1〜3の整数を表わす(ただし
w+z=3である)]
【0014】芳香環もしくはその水添化環を有し、かつ
前記シラン化合物(A)中のアミノ基および/またはS
i(OR4 )基との反応性をもつ官能基を分子内に2個
以上有する化合物(B)と、下記一般式(II)で示され
る有機金属化合物(C1 ) R7 mM(OR8n …(II) (式中MはSiを除く金属元素、R7 は同一または異な
っていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール
基または不飽和脂肪族残基を表わし、R8 は同一または
異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基または
アシル基を表わし、mは0または正の整数、nは1以上
の整数でかつm+nは金属元素Mの原子価と一致す
る)、または該有機金属化合物(C1 )と下記一般式(I
II) で示される有機シラン化合物(C2 )との混合物で
ある有機金属化合物(C1 +C2 )[なお、有機金属化
合物(C1 )と有機金属化合物(C1 +C2 )の両者を
併せて「有機金属化合物(C)」とする] R9 oSi(OR10p …(III) (式中、R9 は同一または異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残
基を表わし、R10は同一または異なっていてもよく、水
素原子、低級アルキル基またはアシル基を表わし、oは
0または正の整数、pは1以上の整数でかつo+pはS
iの原子価と一致する)との反応生成物(ABC)、
(2)上記シラン化合物(A)が、上記有機金属化合物
(C)と上記有機化合物(B)との反応前かまたは反応
後に(共)加水分解縮合した反応生成物(PABC)、
の(1)〜(2)よりなる群から選択される1種以上の
反応性化合物、および溶媒(D)を有することを特徴と
するガスバリア用表面処理用組成物に関するものであ
る。また、樹脂成形体表面の少なくとも片面を上記表面
処理用組成物で処理した表面処理樹脂成形体も本発明に
含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる下記一
般式(I)で示されるシラン化合物(A)
【0016】
【化5】
【0017】(ただし、式中A1,R1,R2,R3,R4,w,
zの持つ意味は前記と同じである)としては、上記式
(I)で表わされる分子内にアミノ基と加水分解縮合性
基を有するシラン化合物であれば特に限定されない。
【0018】上記(A)の具体例としては、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリイソプロポキシシラン、N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルトリブトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルメチルジイソプロポキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、N
−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルエチルジメト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルエチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルエチルジイソプロポキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルエチルジブトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルト
リブトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジイソプロポキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、γ−
アミノプロピルエチルジメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルエチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルエ
チルジイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルエチ
ルジブトキシシラン、γ−アミノプロピルトリアセトキ
シシラン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を
用いることができる。
【0019】本発明の表面処理用組成物には、前記シラ
ン化合物(A)と有機金属化合物(C)と化合物(B)
との反応生成物(ABC)や前記シラン化合物(A)
が、前記有機金属化合物(C)と有機化合物(B)との
反応前か反応後に(共)加水分解縮合した反応生成物
(PABC)が必須的に含まれる。有機金属化合物
(C)としては、下記一般式(II)で示される有機金属
化合物(C1 )であるか、またはこの有機金属化合物
(C1 )と下記一般式(III) で表される有機シラン化合
物(C2 )との混合物である有機金属化合物(C1 +C
2 )が用いられる。
【0020】有機金属化合物(C1 )は、下記一般式
(II)で表わせるものであれば特に限定されない。 R7 mM(OR8n …(II) (ただし、M, R7,R8,m,nは前記と同じ意味を持
つ)
【0021】具体例としては、チタニウムテトラエトキ
シド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウム
テトラブトキシド等のチタニウムアルコキシド類;ジル
コニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプ
ロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等のジルコ
ニウムアルコキシド類;アルミニウムトリエトキシド、
アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ
ブトキシド等のアルミニウムアルコキド類が挙げられ
る。
【0022】有機シラン化合物(C2 )としては、下記
一般式(III) で表わせるものであれば特に限定されな
い。 R9 oSi(OR10p …(III) (ただし、R9,R10, o, pは前記と同じ意味を持つ)
【0023】具体例としては、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプ
ロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラ
ン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン
類;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシ
ラン等のアシロキキシラン類;トリメチルシラノール等
のシラノール類が挙げられる。
【0024】なお、有機金属化合物(C1 )と有機金属
化合物(C1 +C2 )の両者を併せて「有機金属化合物
(C)」とする。これらの1種または2種以上を用いて
前記シラン化合物(A)と加水分解して縮合させると、
共加水分解縮合物が生成する。
【0025】加水分解縮重合は、シラン化合物(A)と
有機金属化合物(C)と水の存在で進行していくが、
(A)または(C)中の加水分解性基を加水分解縮合さ
せる場合は、後述の溶媒(D)中で反応させる方が表面
処理用組成物としては有利である。シラン化合物(A)
と有機金属化合物(C)の合計と水のモル比(A+C)
/Wは0.1〜3が好ましい。0.1より小さいと縮重
合中にゲル化を起こし易くなり、3より多いと反応に時
間がかかり過ぎ、また未反応化合物が残存する可能性も
ある。反応時間は特に限定されないが、加水分解縮重合
反応が完結していることが好ましい。これは予め縮重合
した化合物を用いる場合には、充分に加水分解縮重合が
行なわれている方が体積収縮が少なくなり、表面処理被
膜中のクラックの発生を抑制できるためである。
【0026】この場合、有機金属化合物(C)および/
またはその加水分解縮合物は、シラン化合物(A)に対
して1〜200モル%程度、好ましくは1〜100モル
%使用されることが望まれる。200%より多く使用す
ると、シラン化合物(A)中のアミンを触媒として粒子
化し、急にゲル化することがある。
【0027】本発明に用いられる芳香環もしくはその水
添化環を有し、かつ前記シラン化合物(A)中のアミノ
基および/またはSi(OR4 )基との反応性をもつ官
能基を分子内に2個以上有する化合物(B)の該官能基
とは、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル
基、オキサゾリン基、アルコキシシリル基等であって、
これらの官能基は化合物(B)中、同一であっても異な
っていてもよい。
【0028】また、耐水性の面から、化合物(B)の官
能基はシラン化合物(A)のアミノ基と反応するのが好
ましく、化合物(B)の官能基も反応性の面から、イソ
シアネート基、エポキシ基が好ましい。化合物(B)の
具体例としては、トリレンジイソシアネート、1,4−
ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
等のイソシアネート類;ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ヒドロキ
ノンジグリリジルエーテル、o−フタル酸ジグリシジル
エステル、テトラフタル酸ジグリシジルエステルビスフ
ェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジ
グリシジルエーテル、および、下式で示される化合物
【0029】
【化6】
【0030】や芳香環を有する場合はその各置換誘導体
等のエポキシ基含有化合物が挙げられる。これらのう
ち、1種または2種以上を用いることができるが汎用性
の面から、ビスフェノールAジグリシジルエーテルが好
ましい。化合物(B)は、オリゴマーとなったものも用
いることもできる。ビスフェノールAジグリシジルエー
テルを例として挙げると、オリゴマーは次式で表わすこ
とができる。
【0031】
【化7】
【0032】オリゴマーとして、n=1以上のもの、あ
るいはn=0とn=1以上のものともの混合物も用いる
ことができるが、n=1が化合物(B)中の15重量%
以下でかつn=0が化合物(B)の85重量%以上、よ
り好ましくは、n=1が化合物(B)中の10重量%以
下でかつn=0が化合物(B)の90重量%以上が望ま
しい。n=1が化合物(B)中の15重量%より多い
と、ガスバリア性が低下することがある。
【0033】この化合物(B)の使用量は、シラン化合
物(A)のアミノ基当量(X)に対して、化合物(B)
の官能基当量(Y)が、Y/Xの比として、0.1〜
1.0が好ましく、より好ましくは、0.4〜1.0、
さらに好ましくは、0.6〜0.9であることが望まし
い。Y/Xの比が0.4より小さいと、ガスバリア性の
湿度依存性が大きくなったり、被膜の可撓性が不充分と
なり、1.0より大きいとガスバリア性が低下すること
がある。化合物(B)は分子中に芳香環もしくは、その
水添化環を含むが、これは、被膜のガスバリア性の湿度
依存性を極めて小さくする効果がある。
【0034】化合物(B)の官能基がイソシアネート基
もしくはエポキシ基である場合は、イソシアネート基も
しくはエポキシ基の加水分解反応または溶媒(D)との
反応を防ぐため、シラン化合物(A)中のアミノ基と反
応させた後、シラン化合物(A)と有機金属化合物
(B)の共加水分解縮合を行なうことが好ましい。
【0035】本発明で用いられる溶媒(D)としては、
シラン化合物(A)および化合物(B)が溶解するよう
な溶媒であれば特に限定されないが、具体的には、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、
ペンタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等
のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類;メチル
アセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、
ブチルアセテート等のアセテート類;その他エチルフェ
ノールエーテル、プロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン等が挙げられ、これらの1種以上を混合して用いるこ
とができる。これらの中でもアルコール類が好ましく用
いられる。またこれらの溶媒を用いて前述の加水分解縮
合反応を行なうことが望ましい。
【0036】本発明の表面処理用組成物には、本発明の
効果を損なわない範囲で、硬化触媒、濡れ性改良剤、可
塑剤、消泡剤、増粘剤等の無機、有機系各種添加剤を必
要に応じて添加することができる。
【0037】本発明の表面処理用組成物によって被覆さ
れる基材としては樹脂成形体が使用される。成形体を形
成する樹脂としては特に限定されないが、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートやこれらの共重合体等のポリエステル
系樹脂;ポリオキシメチレン、ポリアミド系樹脂;ポリ
スチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアク
リロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セ
ロファン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェ
ニレンスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルケト
ン、アイオノマー樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂;
メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、
ユリア樹脂、珪素樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられ
る。
【0038】成形体の形状としては、フィルム状、シー
ト状、ボトル状等用途に応じて選択できる。特に加工の
し易さから、熱可塑性プラスチックフィルムが好まし
い。
【0039】表面処理用組成物を上記樹脂成形体に被覆
する方法は特に限定されず、ロールコーティング法、デ
ィップコーティング法、バーコーティング法、ノズルコ
ーティング法あるいはこれらを組み合わせた方法が採用
される。なお、被覆を行なう前に樹脂成形体にコロナ処
理等の表面活性化処理や、ウレタン樹脂等の公知のアン
カー処理を行なうこともできる。また表面処理用組成物
を樹脂成形体に被覆した後にラミネート処理や他の公知
の処理を行なってもよい。
【0040】被覆後は被膜の硬化および乾燥を行なう
が、本発明の表面処理用組成物は常温でも硬化・乾燥す
る。より早く硬化・乾燥させる場合には、樹脂成形体の
耐熱温度以下で加熱するとよい。被膜の厚みは、乾燥後
で0.001〜20μm、より好ましくは0.01〜1
0μmが適している。0.001μmより薄いと被膜が
均一にならずピンホールが発生し易くなり、また20μ
mより厚くすると被膜にクラックが生じ易くなるので好
ましくない。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、特性試験の評価方法は次のように行なった。 〈酸素透過度〉JIS K 7126 B法に従い20
℃で測定した。 〈可撓性〉表面処理用組成物を12μmポリエチレンテ
レフタレート(以下PETと略す)に所定の厚さに塗布
した後、乾燥した被覆フィルムを180°に折り曲げ、
クラックが生じなかったものを○、クラックが生じたも
のを×とした。 〈透明性〉可撓性評価試験と同様にして被覆処理したP
ETフィルムを未処理のものと目視によって比較し、透
明度に差がないものを○、白濁等の濁りが生じたものを
×とした。
【0042】実施例1 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン50gと、テトラブ
トキシチタン2g、ビスフェノールAジグリシジルエー
テル25g、イソプロピルアルコール30gを仕込み、
70℃に加熱し3時間反応し、冷却して水1.5g、イ
ソプロピルアルコール100gを加えて、ガスバリア用
表面処理用組成物を得た。この組成物を12μm厚のポ
リエチレンテレフタレートフィルムにバーコーターによ
り厚み2.0μmに塗布し、80℃で1分間乾燥した。
得られた表面処理フィルムの物性は、可撓性○、透明性
○、0%Rhにおける酸素透過度が8.97cc/m2
・24hrs・atm、85%Rhにおける酸素透過度
が10.98cc/m2 ・24hrs・atmであっ
た。
【0043】比較例1 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン50gにイソプ
ロピルアルコール100g、水1.5gを加え、21℃
で24時間撹拌し比較表面処理用組成物1を得た。この
組成物1を12μm厚のPETフィルムにバーコーター
により厚み2.0μmに塗布し、80℃で1分間乾燥し
た。得られた表面処理フィルムの物性を表−1に示し
た。
【0044】比較例2〜3 表−1に示したように種々の条件を変えた以外は、比較
例1と同じようにして表面処理フィルムを作成し、物性
試験を行なった。結果を表−1に併記した。
【0045】比較例4 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、テト
ラエトキシシラン50g、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル25g、イソプロピルアルコール30gを仕
込み、70℃で3時間加熱し冷却後、水2.0g、イソ
プロピルアルコール200g、濃塩酸0.2gを加え、
21℃で24時間撹拌し、比較表面処理用組成物4を得
た。この組成物を比較例1と同様に塗布し、表面処理フ
ィルムを得た。物性試験の結果を表−2に併せて示し
た。
【0046】比較例5 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン50g、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル60g、イソプロピルアル
コール30gを加えて、70℃で3時間加熱し冷却後、
水1.5g、イソプロピルアルコール100gを加えて
比較表面処理用組成物5を得た。この組成物を比較例1
と同様に塗布し、表面処理フィルムを得た。物性試験の
結果を表−1に併せて示した。
【0047】比較例6 表−1に示したように種々の条件を変えた以外は、比較
例1と同じようにして表面処理フィルムを作成し、物性
試験を行なった。結果を表−1に併記した。
【0048】比較例7 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン50g20g、テト
ラエトキシシラン50g、レゾルシンジグリシジルエー
テル15gを仕込み、70℃で3時間加熱後冷却し、水
1.5g、イソプロピルアルコール100gを加えたと
ころ、溶液がゲル化した。
【0049】比較例8 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン50g、ジエチレン
グリコールジグリシジルエーテル10gを仕込み、70
℃で3時間加熱後冷却し、水1.5g、イソプロピルア
ルコール100gを加え、比較表面処理用組成物8を得
た。この組成物を比較例1と同様に塗布し、表面処理フ
ィルムを得た。物性試験の結果を表−1に併せて示し
た。
【0050】比較例9 撹拌機、温度計および冷却器を備えたフラスコに、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン50g、フェニルグ
リシジルエーテル20gを仕込み、70℃で3時間加熱
後冷却し、水1.5g、イソプロピルアルコール100
gを加え、比較表面処理用組成物9を得た。この組成物
を比較例1と同様に塗布し、表面処理フィルムを得た。
物性試験の結果を表−1に併せて示した。
【0051】
【表1】
【0052】表−1の( )の数字は重量を示す。 〔略号〕 APTMS :γ−アミノプロピルトリメトキシシラン APTES :γ−アミノプロピルトリエトキシシラン TBOT :テトラブトキシチタン NAEAPTMS:N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシ シラン ES :テトラエトキシシラン BisADGE :ビスフェノールAジグリシジルエーテル DEGDGE :ジエチレングリコールジグリシジルエーテル PhGE :フェニルグリシジルエーテル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 忠弘 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 183/04 C09D 183/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)下記一般式(I)で示されるシラン
    化合物(A)と、 【化1】 [式中A1 はアルキレン基、R1 は水素原子、低級アル
    キル基、または 【化2】 (式中A2 は直接結合またはアルキレン基を、R5,R6
    は水素原子または低級アルキル基を示す)で表わされる
    基、R2 は水素原子または低級アルキル基、R3は同一
    または異なる低級アルキル基、アリール基または不飽和
    脂肪族残基、R4は水素原子、低級アルキル基またはア
    シル基を意味し(ただしR1,R2,R5,R6のうち少なく
    とも1つが水素原子である)、wは0、1、2のいずれ
    か、zは1〜3の整数を表わす(ただしw+z=3であ
    る)] 芳香環もしくはその水添化環を有し、かつ前記シラン化
    合物(A)中のアミノ基および/またはSi(OR4
    基との反応性をもつ官能基を分子内に2個以上有する化
    合物(B)と、 下記一般式(II)で示される有機金属化合物(C1 ) R7 mM(OR8n …(II) (式中MはSiを除く金属元素、R7 は同一または異な
    っていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール
    基または不飽和脂肪族残基を表わし、R8 は同一または
    異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基または
    アシル基を表わし、mは0または正の整数、nは1以上
    の整数でかつm+nは金属元素Mの原子価と一致す
    る)、または該有機金属化合物(C1 )と下記一般式(I
    II) で示される有機シラン化合物(C2 )との混合物で
    ある有機金属化合物(C1 +C2 )[以下、有機金属化
    合物(C1 )と有機金属化合物(C1 +C2 )を「有機
    金属化合物(C)」とする] R9 oSi(OR10p …(III) (式中、R9 は同一または異なっていてもよく、水素原
    子、低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残
    基を表わし、R10は同一または異なっていてもよく、水
    素原子、低級アルキル基またはアシル基を表わし、oは
    0または正の整数、pは1以上の整数でかつo+pはS
    iの原子価と一致する)との反応生成物(ABC)、 (2)上記シラン化合物(A)が、上記有機金属化合物
    (C)と上記有機化合物(B)との反応前かまたは反応
    後に(共)加水分解縮合した反応生成物(PABC)、
    の(1)〜(2)よりなる群から選択される1種以上の
    反応性化合物、および溶媒(D)を有することを特徴と
    するガスバリア用表面処理用組成物。
  2. 【請求項2】 上記化合物(B)が分子内にエポキシ基
    を2個以上有する有機化合物である請求項1に記載のガ
    スバリア用表面処理用組成物。
  3. 【請求項3】 上記化合物(B)が分子内にイソシアネ
    ート基を2個以上有する有機化合物である請求項1に記
    載の表面処理用組成物。
  4. 【請求項4】 樹脂成形体表面の少なくとも片面を請求
    項1〜3のいずれかに記載のガスバリア用表面処理用組
    成物で処理した表面処理樹脂成形体。
JP27027496A 1996-10-11 1996-10-11 ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体 Expired - Fee Related JP2812924B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27027496A JP2812924B2 (ja) 1996-10-11 1996-10-11 ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27027496A JP2812924B2 (ja) 1996-10-11 1996-10-11 ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5163509A Division JP2742369B2 (ja) 1993-07-01 1993-07-01 ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09132767A JPH09132767A (ja) 1997-05-20
JP2812924B2 true JP2812924B2 (ja) 1998-10-22

Family

ID=17483974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27027496A Expired - Fee Related JP2812924B2 (ja) 1996-10-11 1996-10-11 ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2812924B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101913870B1 (ko) 2010-07-02 2018-10-31 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 배리어 조립체
TWI610806B (zh) 2012-08-08 2018-01-11 3M新設資產公司 障壁膜,製造該障壁膜之方法,及包含該障壁膜之物件

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09132767A (ja) 1997-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0671450B1 (en) Use of a surface treatment composition for coatings reducing the permeability for gases
JP2742369B2 (ja) ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体
US6162892A (en) Gas barrier composition and molded resin
JP2812120B2 (ja) 表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体
JP2812924B2 (ja) ガスバリア用表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体
JPH06279678A (ja) 水系表面処理用組成物および該組成物を用いた表面処理樹脂成形体、ガスバリヤ材および感熱熱転写熱スティック防止剤用塗料
JP3248374B2 (ja) ガスバリア性積層体
JP3277615B2 (ja) ガスバリヤ用表面処理用組成物
JP3119113B2 (ja) 表面処理樹脂成形体
JP3343106B2 (ja) 表面被覆用組成物
JP3248375B2 (ja) ガスバリア性積層体
JP3095698B2 (ja) 表面処理用組成物および表面処理樹脂成形体
JP3218765B2 (ja) ガスバリヤ用水系表面処理用組成物、および該組成物を用いた表面処理樹脂成形体ならびにガスバリヤ材
JP3082590B2 (ja) コーティングフィルムの製造方法
JPH08199117A (ja) コーティング用組成物および樹脂成形体
JP3781181B2 (ja) ガスバリア用包装材料
JPH11236547A (ja) 表面処理剤及び表面被処理材料
JP2002059519A (ja) ガスバリア性表面被覆成形体
JP2000256620A (ja) コーティング剤
JP3018927B2 (ja) コーティングフィルムの製造方法
CA2150364C (en) Surface treatment composition and surface-treated resin molding
JP2001152084A (ja) ガスバリア性表面被覆用組成物およびその製法、並びに表面被覆体
JP2003096391A (ja) ガスバリア用コーティング剤
JP2005001161A (ja) ガスバリア積層体の製造方法
JP2002059516A (ja) ガスバリア用透明フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980707

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees