JP3387814B2 - ガスバリア性表面処理樹脂成形体 - Google Patents

ガスバリア性表面処理樹脂成形体

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JP3387814B2 JP05858998A JP5858998A JP3387814B2 JP 3387814 B2 JP3387814 B2 JP 3387814B2 JP 05858998 A JP05858998 A JP 05858998A JP 5858998 A JP5858998 A JP 5858998A JP 3387814 B2 JP3387814 B2 JP 3387814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高湿度雰囲気
下においても低湿度雰囲気下と同程度の耐酸素透過性を
示すことができるガスバリア性表面処理層を有する表面
処理樹脂積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸素、窒素、炭酸ガス、水蒸気等の気体
の透過度が極めて小さいガスバリア材は包装用材料等の
分野において需要が増大している。ガスバリア性をプラ
スチックフィルムまたはシート等の樹脂成形体に付与す
るためには、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
塩化ビニリデン系共重合体、ポリメタキシリレンアジパ
ミド等の気体不透過性素材で成形体を作成する、これ
らの気体不透過性素材を他の材料にラミネートまたはコ
ーティングする、アルミ箔をフィルム状材料にラミネ
ートする、金属酸化物を蒸着する等の方法が知られて
いる。
【0003】しかし、の気体不透過性素材の内、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体やポリメタキシリレン
アジパミドは吸湿性が大きく、吸湿に伴ってガスバリア
性が大幅に低下するという問題があり、塩化ビニリデン
系共重合体は塩素原子を含んでいるため公害の原因とな
る恐れがある。また、のアルミ箔ラミネートフィルム
では、包装された内容物を外から見ることができず、
の金属蒸着フィルムは可撓性等を低下させるため、包装
時に蒸着層にクラックを生じ易く、ガスバリア性の低下
を引き起こすという問題があった。
【0004】これらの問題を解決するために、緻密な分
子構造を有し、耐候性、硬度、耐薬品性に優れたポリシ
ロキサンを用いて、プラスチックフィルムの表面処理を
行うことが研究されている。例えば、本発明者らによっ
てポリシロキサン系の表面処理用組成物が既に出願され
ている(特開平8−165365、特開平8−1653
66号等)。これらの発明は、アミノ基を有するシラン
化合物と、アミノ基との反応性を有する化合物を必須成
分とする組成物を開示しており、高湿度雰囲気下での耐
水蒸気透過性や耐酸素透過性の向上に成功したものであ
る。ただ、アミノ基を有するシラン化合物は比較的価格
が高いため、高性能でありながら汎用されにくいという
商業的な問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、高
湿度雰囲気下でも優れた耐酸素透過性を発揮し得る新た
な組成物を見出して、種々の分野に適用できるガスバリ
ア性の表面処理樹脂成形体を提供することを課題として
掲げた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のガスバリア性表
面処理樹脂成形体は、溶媒と、下記必須成分 (A)テトラメトキシシランおよび/またはその加水分
解縮合物と、 (B)ポリアクリルアミドとを、
【0007】
【数2】
【0008】となるように含む表面処理用組成物から形
成された表面処理層を有し、かつ、20℃、90%RH
での酸素透過度が20cc/m2 ・24hrs・atm
以下であるところに最大の特徴を有するものである。
【0009】テトラメトキシシランおよび/またはその
加水分解縮合物と、極性の高い官能基を有するポリアク
リルアミドを特定比率で組み合わせることによって、高
湿度雰囲気下においても低い酸素透過度のガスバリア層
を形成することができる。
【0010】20℃、90%RHでの酸素透過度が、2
0℃、0%RHでの酸素透過度の2.4倍以下である表
面処理樹脂成形体は、より優れた耐酸素透過性を示すも
のとして好ましく利用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の表面処理樹脂成形体は、
有機金属化合物および/またはその加水分解縮合物と極
性の高い官能基を有する(メタ)アクリル系重合体を必
須成分とする表面処理用組成物から形成された表面処理
層を有するものである。有機金属化合物は、空気中の水
分等によっても起り得る加水分解縮合反応によって重合
し、緻密な3次元硬化体を形成する。しかし、有機金属
化合物を単独で表面処理層形成のために使用しても、脆
い皮膜しか得られず、ガスバリア性を発揮することがで
きない。一方、極性の高い官能基を有する(メタ)アク
リル系重合体は、単独でも皮膜となるものが多く、ま
た、極性官能基が水素結合を形成するので、良好なガス
バリア性を発揮するが、高湿度雰囲気下では水素結合が
はずれるため、極端にガスバリア性が悪化してしまう。
ところが本発明者等は、両者を特定比率で組み合わせる
ことによって、低湿度雰囲気下と高湿度雰囲気下での酸
素透過度があまり変わらない良好なガスバリア性を示す
表面処理層が得られることを見出した。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0012】本発明で用いられる表面処理用組成物は、
高湿度雰囲気下で酸素透過度が増大するのを防ぐため
に、必須成分(A)として、下記一般式(I)で示され
る有機金属化合物および/またはその加水分解縮合物を
含有していなければならない。 R1 mM(OR2n …(I) [式中Mは金属元素、R1 は同一または異なっていても
よく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、ビニル
基または炭素鎖に直結したメルカプト基、または(メ
タ)アクリロイル基を表し、R2 は同一または異なって
いてもよく、水素原子、低級アルキル基またはアシル基
を表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数で、
かつm+nは金属元素Mの原子価と一致する。]なお、
「低級アルキル基」とは、炭素数1〜5のアルキル基を
示すものとする。
【0013】上記一般式(I)中、金属元素Mは、S
i、Ti、Zr、Alが好ましい。具体例としては、上
記式中MがSiであるテトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メ
チルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシ
シラン、エチルトリブトキシシラン、n−プロピルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチル
ジブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリブトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシ
シラン類;テトラヒドロキシシラン;テトラアセトキシ
シラン、メチルトリアセトキシシラン等のアシロキシシ
ラン類;トリメチルシラノール等のシラノール類;Mが
Tiであるチタニウムテトラエトキシド、チタニウムテ
トライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド等
のチタニウムアルコキシド類;MがZrであるジルコニ
ウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポ
キシド、ジルコニウムテトラブトキシド等のジルコニウ
ムアルコキシド;MがAlであるアルミニウムトリエト
キシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニ
ウムトリブトキシド等のアルミニウムアルコキシド;が
挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることが
できる。
【0014】これらの有機金属化合物のうち、一般式
(I)中のmが0であるM(OR2 n (なおM、R2
およびnの意味は前記と同じ)は、反応点が多いため速
やかに緻密な皮膜を作ることができるため好ましい。こ
のような化合物は、上記のうちのテトラアルコキシシラ
ン類、テトラヒドロキシシラン、テトラアセトキシシラ
ン類、チタニウムテトラアルコキシド類、ジルコニウム
テトラアルコキシド類、アルミニウムトリアルコキシド
類である。
【0015】表面処理用組成物を樹脂成形体にコーティ
ングした後、縮重合させながら乾燥する際に、未反応の
有機金属化合物の蒸発を防ぐためには、有機金属化合物
をコーティング前に予め加水分解縮合して高分子量化し
ておくことが好ましい。この加水分解縮合反応は公知の
酸または塩基触媒を用いることができ、また後述の溶媒
中で反応させるのが有利である。なお、表面処理用組成
物が、まだ加水分解縮合していない有機金属化合物を含
む場合には、組成物の安定性を保持しながら加水分解縮
合を促進させるために、酢酸、塩酸、硝酸等の無機酸を
触媒として組成物に添加することが好ましい。あまり急
激に加水分解縮合が起ると、コーティング前に組成物が
ゲル化してしまうことがあるからである。
【0016】本発明で用いられる表面処理用組成物の第
2の必須成分は、アミド基を有する(メタ)アクリル系
重合体(B)である。アミド基は水素結合を形成するた
め、皮膜のガスバリア性が良好となる。また、アミド基
は、表面処理層と、樹脂成形体とあるいは樹脂成形体上
に形成された他の樹脂層との密着性を良好にする働きも
有する。さらに、前記必須成分(A)と混合して表面処
理用組成物としても、保存安定性が良好である。アミド
基を持たないか、または(メタ)アクリル系でない重合
体を用いた場合には、組成物の安定性が悪く、必須成分
(A)と重合体とが分離したり、ゲル化してしまうため
好ましくない。組成物の安定性が悪いと、樹脂成形体上
にコーティングして表面処理層を形成する際に、均一な
皮膜を得ることができなかったり、コーティングそのも
のが困難になってしまうからである。これらの観点か
ら、本発明では、アミド基を有する(メタ)アクリル系
重合体を、第2の必須成分(B)とした。
【0017】(メタ)アクリル系重合体は、アクリロイ
ル基またはメタクリロイル基を有する単量体、すなわち
(メタ)アクリル系単量体から合成される。そして、そ
の単量体の一部または全部が、アクリロイル基またはメ
タクリロイル基と共に、アミド基を有する単量体(単量
体B−1とする)であることが必要である。
【0018】アミド基含有単量体としては、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、メチルアルコキシ(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチルプロピル(メタ)アクリルアミド、等
が挙げられる。これらの単量体B−1のうちの1種また
は2種以上を混合して単量体成分として用いることがで
きる。
【0019】(メタ)アクリル系重合体を合成するため
に、上記単量体B−1と共に、その他の(メタ)アクリ
ル系単量体(単量体B−2とする)を用いてもよい。単
量体B−2の具体例としては、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、第3級ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、第3級ブチルシクロヘキシル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキ
シ基含有単量体;メタクリロイルオキシエチルアシッド
フォスフェート等の(メタ)アクリロイルオキシアルキ
ルアシッドフォスフェート類またそのアルキレンオキシ
ド付加物、(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシッ
ドフォスファイト類またはそのアルキレンオキシド付加
物、グリシジル(メタ)アクリレートやメチルグリシジ
ル(メタ)アクリレート等エポキシ基含有ビニル系モノ
マーとリン酸または亜リン酸あるいはこれらの酸性エス
テル類とのエステル化合物等のリン酸基含有単量体;N,
N'−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート;スル
ホエチル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニト
リル;2,4 −ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2,2',4
−トリヒドロキシベンゾフェノンとグリシジル(メタ)
アクリレートとを反応して得られる2−ヒドロキシ−4
−[3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ
プロポキシ]ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4
−[3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ
プロポキシ]ベンゾフェノン等の紫外線吸収性単量体等
が挙げられる。
【0020】なお、若干量(単量体成分中10重量%以
下程度)であれば、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族単量体;酢酸ビニル等のビニル
エステル;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の窒
素含有単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲ
ン含有単量体;ビニルエーテル;ビニルスルホン酸、ス
チレンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体等の(メ
タ)アクリル系単量体以外の単量体を共重合させてもよ
い。
【0021】必須成分(B)の(メタ)アクリル系重合
体の中で好ましいものは、上記単量体(B−1)のどれ
か1種の単量体の単独重合体、または(B−1)中の2
種以上の単量体の共重合体である。また、(B−1)中
の1種以上の単量体と(B−2)の1種以上の単量体と
の共重合体も好ましく用いられるが、(B−1)中の1
種以上の単量体の使用量は、(B−2)の1種以上の単
量体の使用量より多くすることが、重合体中の極性官能
基を増やすために好ましい。
【0022】(メタ)アクリル系重合体のなかで最も好
ましいものはポリアクリルアミドであり、表面処理用組
成物の保存安定性やガスバリア性、湿度依存性等の特性
が非常に優れている表面処理層を形成することができ
る。またアミド基の極性が大きいので、難接着性のポリ
オレフィン系成形体であってもコロナ放電処理等を施す
と、表面処理層が良好に密着する。
【0023】表面処理用組成物は、必須成分(A)の有
機金属化合物および/またはその加水分解縮合物と、必
須成分(B)の(メタ)アクリル系重合体とを、
【0024】
【数3】
【0025】となるように含有することが必要である。
(A)/(B)が0.5より小さいと、高湿度雰囲気下
でのガスバリア性が悪くなる。しかし、(A)が(B)
の3.0倍を超えると、(B)、すなわち極性基を有す
る(メタ)アクリル系重合体が少なくなるので、ガスバ
リア性そのものが不充分となるため好ましくない。より
好ましい比率は、(A)/(B)が1.5〜2.0の範
囲である。
【0026】本発明で用いられる表面処理用組成物は、
上記必須成分(A)および(B)の他に、溶媒を含み、
溶液状となっている。溶媒が存在することにより加水分
解縮合反応が進行し易く、また樹脂成形体上にコーティ
ングする際にも取り扱い易いためである。なお、コーテ
ィング後に溶媒は揮発してしまうので、表面処理樹脂成
形体の表面処理層には溶媒は存在していない。
【0027】溶媒としては特に限定されないが、必須成
分(A)および(B)を溶解する、もしくは分散させ得
る溶媒が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、
2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等
のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、ベンゼ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル類、その他、テトラヒドロフラン、プロピ
ルエーテル、水等があげられ、これらの1種または2種
以上を混合して用いることができる。
【0028】溶媒の量は、コーティングする際に取り扱
い易く、また皮膜化する際に、硬化と乾燥が進行し易い
ように、適宜設定すればよいが、組成物の固形分を5〜
50重量%とすることが好ましい。5重量%より少ない
と、厚ぬりが難しく、希薄すぎて乾燥に時間がかかる。
50重量%を超えても、保存安定性が悪化することがあ
る。
【0029】表面処理用組成物の調製方法は特に限定さ
れない。また、組成物には、本発明の効果を損なわない
範囲で、硬化触媒、濡れ性改良剤、可塑剤、消泡剤、増
粘剤等の無機・有機系各種添加剤を必要に応じて添加し
てもよい。
【0030】本発明の表面処理樹脂成形体は、これまで
説明してきた表面処理用組成物を、樹脂成形体に直接ま
たは他の層を介して塗工等の手段で層状とし、乾燥させ
て表面処理層を形成したものである。樹脂成形体の形状
としては、公知の方法で成形したフィルムやシート、あ
るいは容器等、特に限定されない。また表面処理層は、
少なくとも樹脂成形体のいずれか一方の面上に、形成さ
れていればよい。
【0031】樹脂成形体を製造するための素材樹脂とし
ては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体;
ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン-
2,6- ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートやこ
れらの共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメ
チレン;ポリアミド系樹脂;ポリスチレン、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリ
酢酸ビニル、ポリカーボネート、セロファン、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフォン、
ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、アイオノマー樹
脂、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂等の熱可塑性樹
脂;メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、ユリア樹脂、珪素樹脂等の熱硬化性樹脂;ゴム類等
が挙げられ、これらは公知の帯電防止剤、滑剤、紫外線
吸収剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0032】また2種以上の樹脂が複合・積層された成
形体であってもかまわない。例えば、表面処理層と樹脂
成形体との密着性を向上させるために使用するアンカー
コート層が樹脂成形体上に塗布したもの、異種素材のフ
ィルムを2層以上積層したものなどである。積層手段と
しては、公知の接着剤を用いるドライラミネートや、エ
クストルージョンラミネート法、ホットメルトラミネー
ト法、コーティング法等を採用することができる。
【0033】樹脂成形体上に直接表面処理層を形成する
ときは、樹脂成形体と表面処理層の密着性を向上させる
ために、コロナ処理やグロー放電処理等の表面活性化処
理を行ってもよい。
【0034】一方、樹脂成形体上に直接表面処理層を形
成せずに、他の層を介して表面処理層を形成した形態の
ものも、本発明の表面処理樹脂成形体に含まれる。この
ときの「他の層」としては、表面処理層と樹脂成形体と
の密着性を向上させるために使用するアンカーコート層
や、ガスバリア性を更に向上させるための金属蒸着層、
意匠性を付与するための紙等が挙げられる。
【0035】表面処理用組成物をコーティングする方法
としては特に限定されず、ロールコーティング法、ディ
ップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーテ
ィング法、スプレーコーティング法、カーテンフローコ
ーティング法等、あるいはこれらを組み合わせた方法を
採用するとよい。乾燥方法も、特に限定されない。
【0036】表面処理層の厚みは、乾燥後で0.01〜
20μm程度が好ましい。0.01μmより薄いと皮膜
が均一にならずピンホールが発生し易い。一方20μm
より厚くするとクラックが生じ易くなるので好ましくな
い。10μm以下とすることが好ましく、より好ましい
厚みは5μm以下である。
【0037】本発明の表面処理樹脂成形体は、20℃、
90%RHでの酸素透過度が、20cc/m2・24h
rs・atm以下でなければならない。この値を超える
ようでは、高湿度雰囲気下での酸素透過度が低いとは言
えないからである。また、20℃、90%RHでの酸素
透過度が、20℃、0%RHでの酸素透過度の2.4倍
以下であることが好ましい。すなわち、20℃、0%R
Hでの酸素透過度をOP1、20℃、90%RHでの酸
素透過度をOP2とし、「OP2/OP1」を「酸素透
過度の上昇度」と定義したとき、この上昇度が2.4倍
以下であることが好ましいということである。低湿度雰
囲気下での酸素透過度が、高湿度雰囲気下になっても極
端に増大してしまわないことを示す目安となる。
【0038】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお実施例で用いた特
性の評価方法は、下記の通りである。
【0039】〈保存安定性〉表面処理用組成物を作成し
た後、23℃で保存した時、4日以上ゲル化しなかった
ものを○、3日以内にゲル化してしまったものを×とし
た。
【0040】〈透明性〉積層フィルムを目視により比較
し、積層前と比較して透明度に差がないものを○とし、
白濁等の濁りを生じたものを×とした。
【0041】〈酸素透過度〉20℃で、0%RHのとき
と90%RHのときについて、MOCON社製の酸素透
過率測定装置を用いて酸素透過度を測定した。表中の測
定値の単位はcc/m2 ・24hrs・atmである。
【0042】実施例1 室温で撹拌しながら、水にポリアクリルアミド(分子量
7〜10万、以下PAAmと略す)を溶解させて、15
重量%PAAm水溶液を作成した。この水溶液に、テト
ラメトキシシラン(以下MSと略す)を、SiO2 /P
AAmが0.67(重量比)となるように加えた。また
触媒として酢酸をMSの0.1モル%となるように加え
た。透明な均一溶液になるまで撹拌を続け、表面処理用
組成物1を得た。この組成物を12μm厚のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚みが3μmにな
るようにコーティングした後、100℃で5分間乾燥
し、さらに60℃で3日間熟成して、表面処理樹脂成形
体1を得た。特性評価結果を表1に示した。
【0043】実施例2および比較例1〜5 表1に示した様に種々の条件を変更した以外は実施例1
と同様にして積層フィルムを得た。特性試験評価結果を
表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】なお、表1において、表面処理用組成物の
表現には、下記の略号を用いた。 MS :テトラメトキシシラン M51 :「M−シリケート51」(多摩化学製;テト
ラメトキシシランのオリゴマー) PAAm:ポリアクリルアミド PVA :ポリビニルアルコール
【0046】
【発明の効果】本発明の表面処理樹脂成形体は、有機金
属化合物および/またはその加水分解縮合物と、極性官
能基を有する(メタ)アクリル系重合体を組み合わせる
ことによって、高湿度雰囲気下であっても充分な耐酸素
透過性を有する表面処理層を樹脂成形体上に形成したも
のである。本発明の表面処理樹脂成形体は、低湿度雰囲
気下と高湿度雰囲気下で同程度のガスバリア性を発現す
るため、高湿度雰囲気下で酸素を遮断する必要のある包
装用材料として、あるいは他の各種分野において好適に
用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−3206(JP,A) 特開 平8−165365(JP,A) 特開 昭53−11951(JP,A) 特開 平2−289642(JP,A) 特開 昭51−33128(JP,A) 特開 平7−150106(JP,A) 特開 平9−11405(JP,A) 特開 平9−132767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/00 B32B 27/30 C08J 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒と、下記必須成分 (A)テトラメトキシシランおよび/またはその加水分
    解縮合物と、 (B)ポリアクリルアミドとを、 【数1】 となるように含む表面処理用組成物から形成された表面
    処理層を有し、かつ、20℃、90%RHでの酸素透過
    度が20cc/m2 ・24hrs・atm以下であるこ
    とを特徴とするガスバリア性表面処理樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 20℃、90%RHでの酸素透過度が、
    20℃、0%RHでの酸素透過度の2.4倍以下である
    請求項に記載の表面処理樹脂成形体。
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