JPH08196236A - 液状栄養食および高カロリー栄養剤 - Google Patents

液状栄養食および高カロリー栄養剤

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JPH08196236A
JPH08196236A JP7026174A JP2617495A JPH08196236A JP H08196236 A JPH08196236 A JP H08196236A JP 7026174 A JP7026174 A JP 7026174A JP 2617495 A JP2617495 A JP 2617495A JP H08196236 A JPH08196236 A JP H08196236A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液状栄養食として、高カロリー、良好なチュ
ーブ流動性、低浸透圧、耐加熱処理性を有する液状栄養
食および液状栄養食を収納した高カロリー栄養剤を提供
する。 【構成】 本発明の液状栄養食は、蛋白質、脂質、炭水
化物、ビタミンおよびミネラルを含有する液状栄養食で
あって、該液状栄養食のエネルギー値が1.5kcal
/ml以上であり、蛋白質は、全乳蛋白およびカゼイン
ナトリウムを主成分とし、かつ、全乳蛋白とカゼインナ
トリウムは重量比が1:1〜1:3となるように配合さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、経口または経管投与さ
れる液状栄養食に関する。
【0002】
【従来の技術】経口・経管栄養食は、例えば、外科手術
を受ける患者の術前または術後の栄養管理のために、病
院などで用いられている。病院などで利用されている濃
厚流動食には、粉末状タイプのものと液状タイプのもの
があるが、取り扱いの簡便性から液状タイプのものが好
まれている。液状タイプの流動食、つまり、液状栄養食
としては、数カ月間の室温保存が可能な乳化安定性、短
時間に細いチューブを用いた投与が可能なチューブ流動
性、下痢などの副作用を少なくするために低浸透圧性、
良好な風味などといった点が要求される。また、液状栄
養食としては、加熱滅菌されていることが好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記要求を考慮して、
本発明者らが検討したところ、液状栄養食の蛋白質とし
て、カゼインナトリウムを単独で用いると、蛋白質の安
定性は高いが、高カロリー(エネルギー値が1.5kc
al/ml以上)に調整した場合に液状栄養食の粘度が
上昇し流動性が悪くなることを知見した。また、液状栄
養食の蛋白質として、全乳蛋白を単独で用いて加熱滅菌
処理すると蛋白質の凝集沈殿が生じることがあることも
知見した。そこで、本発明の目的は、液状栄養食とし
て、十分に高カロリーであり、かつ、チューブ流動性も
よく、さらに、加熱滅菌しても凝集沈殿が生じない液状
栄養食およびこの液状栄養食を用いた高カロリー栄養剤
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミンおよびミネラル
を含有する液状栄養食であって、該液状栄養食のエネル
ギー値が1.5kcal/ml以上であり、前記蛋白質
は、全乳蛋白およびカゼインナトリウムを主成分とし、
かつ、全乳蛋白とカゼインナトリウムは重量比が1:1
〜1:3となるように配合されている液状栄養食であ
る。そして、全乳蛋白は、例えば、ミルク蛋白濃縮物で
ある。前記炭水化物は、例えば、デキストリンである。
前記デキストリンは、DE値が15〜30のデキストリ
ンであることが好ましい。また、前記エネルギー値は、
1.5〜3.0kcal/mlであることが好ましい。
前記液状栄養食の蛋白質含有量が42mg/ml以上で
あることが好ましい。また、上記目的を達成するもの
は、上記の液状栄養食と、該液状栄養食を収納した容器
とからなり、少なくとも液状栄養食が加熱滅菌されてい
る高カロリー栄養剤である。
【0005】そこで、本発明の液状栄養食について説明
する。本発明の液状栄養食は、蛋白質、脂質、炭水化
物、ビタミンおよびミネラルを含有する液状栄養食であ
って、液状栄養食のエネルギー値が1.5kcal/m
l以上であり、蛋白質は、全乳蛋白およびカゼインナト
リウムを主成分とし、かつ、全乳蛋白とカゼインナトリ
ウムは重量比が1:1〜1:3となるように配合されて
いる。
【0006】蛋白質としては、全乳蛋白とカゼインナト
リウムが使用される。全乳蛋白としては、全乳そのも
の、また全乳の濃縮物、全乳より調整された蛋白質、例
えば、スキムミルク、スキムミルクの濃縮物、ミルク蛋
白濃縮物、また、脱脂乳より乳糖を除いたものなどが使
用される。特に、ミルク蛋白濃縮物、例えば、脱脂乳の
限外濾過濃縮物が好ましい。
【0007】カゼインナトリウムは、カゼインのナトリ
ウム塩である。そして、液状栄養食には、この全乳蛋白
質とカゼインナトリウムとが、重量比にて1:1〜1:
3となるように配合されている。重量比は、原料中の蛋
白質重量比である。このように、蛋白質重量比が1:1
〜1:3となるように配合されているため、本発明の液
状栄養食は、加熱滅菌を行っても凝集沈殿が生じなく、
また、流動性も良好である。全乳蛋白質/カゼインナト
リウムが1以下であれば、加熱処理による沈殿凝集物の
形成がなく、1/3以上であれば、低粘度とすることが
できる。
【0008】また、液状栄養食における総蛋白質の濃度
は、42mg/ml〜88mg/mlであることが好ま
しく、この範囲であれば、液状栄養食の高カロリー性、
低浸透圧性、流動性などの点において優れたものとな
る。また、液状栄養食における全乳蛋白質の濃度は、1
4mg/ml〜44mg/mlであることが好ましく、
また、カゼインナトリウムの濃度は、28mg/ml〜
59mg/mlであることが好ましい。この範囲でれあ
ば、耐加熱滅菌性、液状栄養食の高カロリー性、低浸透
圧性、流動性などの点においてより優れたものとなる。
【0009】脂質としては、一般に食用として利用され
ているものが使用できる。例えば、大豆油、コーン油、
サフラワー油、トウモロコシ油、ココヤシ油、ヒマワリ
油、オリーブ油などの植物性油脂、獣油(例えば、牛
脂、ラード)、乳脂肪などの動物性脂肪、MCT油(中
性脂肪、中程度の鎖長のトリグリセライド)、さらに、
高度不飽和脂肪酸(例えば、エイコサペンタエン酸、ド
コサヘキサエン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノ
レン酸、リノール酸)などが使用できる。特に、リノー
ル酸を含有することにより大豆油が好適である。また、
液状栄養食における脂質の濃度は、33mg/ml〜8
9mg/mlであることが好ましく、この範囲であれ
ば、液状栄養食の高カロリー性、低浸透圧性、流動性な
どの点において優れたものとなる。
【0010】炭水化物いわゆる糖質としても、一般に食
用として利用されているものが使用できる。例えば、澱
粉、デキストリン、ラクトース、シュクロース、グルコ
ース、フラクトース、マルトースなどが使用される。特
に、デキストリンが好ましい。デキストリンとしては、
DE値15〜30のものが好ましい。DE値が15以上
であれば、粘性も低く、液状栄養食の流動性を低下させ
ることがなく好ましい。また、DE値が30以下であれ
ば、浸透圧が高すぎず、液状栄養食の浸透圧も十分に低
いものとなる。また、液状栄養食におけるデキストリン
の濃度は、160mg/ml〜350mg/mlである
ことが好ましく、この範囲であれば、液状栄養食の高カ
ロリー性、低浸透圧性、流動性などの点において優れた
ものとなる。
【0011】ビタミンとしては、ビタミンA、B1
2,B6,B12,C,D,E,ナイアシン、パントテン
酸、葉酸、ビタミンKなどが使用され、これらの数種の
ものを適宜組合せて使用する。ミネラルとしては、ナト
リウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄など
が使用され、これらの数種のものを適宜組合わせて使用
する。また、ビオチン、コリン、亜鉛、マンガン、銅、
ヨウ素なども合わせて使用してもよい。
【0012】液状栄養食には、必要により、乳化剤、リ
ン酸塩、クエン酸塩などの塩類、果汁、香料を添加して
もよい。乳化剤としては、食用として使用される公知の
ものが好適に使用される。例えば、レシチン、リゾレシ
チン、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン、デ
カグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、酒石酸モノグリセリド、蔗糖脂肪酸エステル、コン
ドロイチン硫酸ナトリウム、などが使用される。なお、
乳化剤は、脂質の重量を1とした場合に0.01〜0.
2となるように添加される。
【0013】そして、液状栄養食は、例えば、上述した
蛋白質、炭水化物、ミネラルに任意量の水を添加して混
ぜ合わせて液状物とし、この液状物に上述した脂質に乳
化剤を添加し混合したもの、およびビタミン類、ミネラ
ル類を添加し混合し(予備乳化)、さらに必要量に水を
添加して、ホモジナイザーなどを用いて乳化させること
により作成される。なお、ビタミン類は、脂溶性ビタミ
ンと水溶性ビタミンに区分し、脂溶性ビタミンは脂質に
乳化剤とともに添加してもよい。
【0014】本発明の液状栄養食は、エネルギー値が
1.5kcal/ml以上であり、特に、好ましくは、
エネルギー値が1.5〜3.0kcal/mlである。
3.0kcal/ml以下であれば、浸透圧および粘度
上昇も高くなく好ましい。さらに、エネルギー値は、
1.5〜2.0kcal/mlであることが好ましい。
また、浸透圧は、700mOsm以下であり、粘度が4
0cp以下(23℃)であり、NPC/N値が120〜
200であることが好ましい。
【0015】次に、本発明の高カロリー栄養剤について
説明する。この高カロリー栄養剤は、上述した液状栄養
食と、この液状栄養食を収納した容器とからなり、少な
くとも液状栄養食が加熱滅菌されている。このため、保
存、輸送が容易であり、かつ、すぐに使用できる。ま
た、保存時における蛋白質の凝集沈殿の生成もない。高
カロリー栄養剤の製法としては、液状栄養食をあらかじ
め加熱滅菌した後、無菌的に容器に充填する方法(例え
ば、UHT滅菌法とアセプティック包装法を併用した方
法)、また、液状栄養食を容器に充填した後、容器とと
もに加熱滅菌する方法(例えば、オートクレーブ法)が
考えられる。なお、UHT滅菌法としては、滅菌対象物
が液状物であるので、間接加熱式(例えば、プレート式
熱交換器もしくはチューブラー式熱交換器を用いるも
の)が行われる。
【0016】液状栄養食としては、上述したものが好適
に使用される。容器としては、軟質合成樹脂(例えば、
可塑化塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレン−α
−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリフル
オロカーボン、ポリイミドなど)により形成された密閉
型であり加熱滅菌可能な軟質容器が好適である。また、
紙にアルミ箔さらには合成樹脂(例えば、ポリエチレ
ン)がラミネートされた素材により形成されたものなど
も使用され、このラミネート容器は、アセプティック包
装法に好適である。
【0017】加熱滅菌は、オートクレーブ法の場合で、
110〜120℃、10〜30分程度の加熱処理が好適
である。UHT滅菌法を用いた間接加熱滅菌法の場合で
は、130〜150℃、2〜60秒程度の加熱処理が好
適である。
【0018】
【実施例】次に、本発明の液状栄養食の具体的実施例に
ついて説明する。
【0019】(実施例1)6000mlの温水(80
℃)に、ミルク蛋白濃縮物、商品名TMP(蛋白質含量
81%、森永乳業株式会社製)353g、カゼインナト
リウム[商品名ALANATE180(蛋白質含量92%),日本
プロテン株式会社製]463g、乳化剤としてデカグリ
セリン脂肪酸エステル15g、炭水化物としてデキスト
リン(DE値27、商品名サンオリゴ5・6、参松工業
株式会社製)2625gを添加し、TKホモミクサー
(特殊機化工業株式会社製)を用いて溶解・分散させて
液状物を作成した。
【0020】758gの大豆油に、第2の乳化剤として
デカグリセリン酒石酸モノグリセリド25gを溶解した
脂質配合物を作成した。上述の液状物に、この脂質配合
物と、後述する組成のビタミンおよびミネラル混合物を
添加し、TKホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)
を用いて予備乳化した後、水を添加し総量を10000
mlに調整した。
【0021】ビタミンおよびミネラル混合物は、ビタミ
ンA25,000IU、ビタミンB125mg、ビタミ
ンB225mg、ビタミンB625mg、ビタミンB12
0mg、ビタミンD32,500IU、ビタミンE75
0IU、ビタミンC1g、ニコチン酸アミド250m
g、パントテン酸カルシウム100mg、葉酸50m
g、塩化ナトリウム7.4g、塩化カリウム15g、塩
化マグネシウム15.8g、クエン酸鉄0.7gの混合
物を用いた。
【0022】そして、水を添加して調整した予備乳化物
を高圧ホモジナイザー(マントンゴーリン株式会社製)
を用いて、一段目100kg/cm2、二段目300k
g/cm2の2段階均質化処理をワンセットとし、4回
繰り返して行い乳化状の本発明の液状栄養食(実施例
1)を作成した。この液状栄養食のエネルギー値は、
2.0kcal/ml、浸透圧650mOsm、粘度2
5cp(23℃)、蛋白質濃度72mg/ml、全乳蛋
白質:カゼインナトリウム=2:3(29mg/ml:
43mg/ml)、脂質濃度75mg/ml、炭水化物
(糖質)濃度260mg/mlであった。この液状栄養
食は、高カロリー調整物であるが、上記のように低粘度
であり、浸透圧も低く、低甘味であり非常に飲みやすい
ものであり、また、チューブ流動性も良好であった。
【0023】(実施例2)実施例1の液状栄養食200
gを塩化ビニル樹脂製軟質容器に充填した後、オートク
レーブ滅菌(115℃、20分)して本発明の高カロリ
ー栄養剤(実施例2)を作成した。この高カロリー栄養
剤では、40℃にて2週間保存しても、蛋白質の沈殿凝
集は生成しなかった。
【0024】(実施例3)実施例1の液状栄養食をプレ
ート型滅菌器内を通過させて滅菌(135℃、30秒)
した後、外層より紙、アルミ箔、ポリエチレンのラミネ
ート材により形成された容器内に、アセプティック包装
装置を用いて、無菌的に200g充填して、本発明の高
カロリー栄養剤(実施例3)を作成した。この高カロリ
ー栄養剤を40℃にて2週間保存後、開封したが蛋白質
の沈殿凝集は見られなかった。
【0025】(実施例4)実施例1の液状栄養食800
mlに水200mlを添加して、エネルギー値1.6k
cal/mlの液状栄養食(実施例4)を作成した。こ
の液状栄養食は、浸透圧430mOsm、粘度15cp
(23℃)、蛋白質濃度58mg/ml、全乳蛋白質:
カゼインナトリウム=2:3、脂質濃度60mg/m
l、炭水化物(糖質)濃度208mg/mlであった。
この液状栄養食は、高カロリー調整物、低粘度、低浸透
圧、低甘味であり非常に飲みやすいものであり、また、
チューブ流動性も良好であった。
【0026】(実施例5)実施例4の液状栄養食200
gを塩化ビニル樹脂製軟質容器に充填した後、オートク
レーブ滅菌(115℃、20分)して本発明の高カロリ
ー栄養剤(実施例5)を作成した。この高カロリー栄養
剤では、40℃にて2週間保存しても、蛋白質の沈殿凝
集は生成しなかった。
【0027】(実施例6)実施例1におけるミルク蛋白
濃縮物添加量を444g、カゼインナトリウムの添加量
を391gとした以外は、実施例1と同様に行い、本発
明の液状栄養食(実施例6)を作成した。この液状栄養
食の粘度は23cp(23℃)であり、全乳蛋白質:カ
ゼインナトリウム=1:1(36mg/ml:36mg
/ml)であり、エネルギー値、浸透圧、蛋白質濃度、
脂質濃度、炭水化物(糖質)濃度は実施例1と同じであ
る。この液状栄養食は、高カロリー調整物であるが、上
記のように低粘度であり、浸透圧も低く、低甘味であり
非常に飲みやすいものであり、また、チューブ流動性も
良好であった。
【0028】(実施例7)実施例6の液状栄養食200
gを塩化ビニル樹脂製軟質容器に充填した後、オートク
レーブ滅菌(115℃、20分)して本発明の高カロリ
ー栄養剤(実施例2)を作成した。この高カロリー栄養
剤では、40℃にて2週間保存しても、蛋白質の沈殿凝
集は生成しなかった。
【0029】(実施例8)実施例1におけるミルク蛋白
濃縮物添加量を222g、カゼインナトリウムの添加量
を587gとした以外は、実施例1と同様に行い、本発
明の液状栄養食(実施例8)を作成した。この液状栄養
食の粘度は36cp(23℃)であり、全乳蛋白質:カ
ゼインナトリウム=1:3(18mg/ml:54mg
/ml)であり、エネルギー値、浸透圧、蛋白質濃度、
脂質濃度、炭水化物(糖質)濃度は実施例1と同じであ
る。この液状栄養食は、高カロリー調整物であるが、上
記のように低粘度であり、浸透圧も低く、低甘味であり
非常に飲みやすいものであり、また、チューブ流動性も
良好であった。
【0030】(実施例9)実施例8の液状栄養食200
gを塩化ビニル樹脂製軟質容器に充填した後、オートク
レーブ滅菌(115℃、20分)して本発明の高カロリ
ー栄養剤(実施例2)を作成した。この高カロリー栄養
剤では、40℃にて2週間保存しても、蛋白質の沈殿凝
集は生成しなかった。
【0031】(比較例1)実施例1におけるミルク蛋白
濃縮物添加量を889g、カゼインナトリウムの添加量
を0gとした以外は、実施例1と同様に行い、液状栄養
食を作成した。この液状栄養食の粘度は15cp(23
℃)であり、全乳蛋白質:カゼインナトリウム=1:0
(72mg/ml:0mg/ml)であり、エネルギー
値、浸透圧、蛋白質濃度、脂質濃度、炭水化物(糖質)
濃度は実施例1と同じである。そして、この液状栄養食
200gを塩化ビニル樹脂製軟質容器に充填した後、オ
ートクレーブ滅菌(115℃、20分)して栄養剤を作
成した。この高カロリー栄養剤では、40℃にて保存中
に蛋白質の沈殿凝集が見られた。
【0032】(比較例2)実施例1におけるミルク蛋白
濃縮物添加量を667g、カゼインナトリウムの添加量
を196gとした以外は、実施例1と同様に行い、液状
栄養食を作成した。この液状栄養食の粘度は16cp
(23℃)であり、全乳蛋白質:カゼインナトリウム=
3:1(54mg/ml:18mg/ml)であり、エ
ネルギー値、浸透圧、蛋白質濃度、脂質濃度、炭水化物
(糖質)濃度は実施例1と同じである。この液状栄養食
200gを塩化ビニル樹脂製軟質容器に充填した後、オ
ートクレーブ滅菌(115℃、20分)して栄養剤を作
成した。この高カロリー栄養剤では、40℃にて保存中
に蛋白質の沈殿凝集が見られた。
【0033】(比較例3)実施例1におけるミルク蛋白
濃縮物添加量を531g、カゼインナトリウムの添加量
を326gとした以外は、実施例1と同様に行い、液状
栄養食を作成した。この液状栄養食の粘度は19cp
(23℃)であり、全乳蛋白質:カゼインナトリウム=
3:2(43mg/ml:30mg/ml)であり、エ
ネルギー値、浸透圧、蛋白質濃度、脂質濃度、炭水化物
(糖質)濃度は実施例1と同じである。この液状栄養食
200gを塩化ビニル樹脂製軟質容器に充填した後、オ
ートクレーブ滅菌(115℃、20分)して栄養剤を作
成した。この高カロリー栄養剤では、40℃にて保存中
に蛋白質の若干の沈殿凝集が見られた。
【0034】(比較例4)実施例1におけるミルク蛋白
濃縮物添加量を0g、カゼインナトリウムの添加量を7
83gとした以外は、実施例1と同様に行い、液状栄養
食を作成した。この液状栄養食の粘度は63cp(23
℃)であり、全乳蛋白質:カゼインナトリウム=0:1
(0mg/ml:72mg/ml)であり、エネルギー
値、浸透圧、蛋白質濃度、脂質濃度、炭水化物(糖質)
濃度は実施例1と同じである。この液状栄養食は、粘度
が高く、チューブ流動性が悪かった。
【0035】(実験例)炭水化物(糖質)として、実施
例1に用いたデキストリンとDE値の異なる表1に示す
数種のデキストリンを用いて液状栄養食を作成した。デ
キストリン以外は、実施例1と同様とした。
【0036】
【表1】
【0037】液状栄養食の浸透圧としては、700mO
sm以下であることが好ましく、粘度としては、40c
p以下であることが好ましい。本発明では、炭水化物は
デキストリンに限定されるものでないが、デキストリン
を使用する場合には、DE値が15〜30のものが好適
であることがわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の液状栄養食は、蛋白質、脂質、
炭水化物、ビタミンおよびミネラルを含有する液状栄養
食であって、該液状栄養食のエネルギー値が1.5kc
al/ml以上であり、前記蛋白質は、全乳蛋白および
カゼインナトリウムを主成分とし、かつ、全乳蛋白とカ
ゼインナトリウムは重量比が1:1〜1:3となるよう
に配合されている液状栄養食である。このため、十分に
高カロリーであり、チューブ流動性もよく、さらに、加
熱滅菌しても凝集沈殿が生じることがなく安定した液状
栄養食である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 2/52 A61K 9/08 J 31/70 31/715 38/17 38/00 ADD A61K 37/22 ADD

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミンおよ
    びミネラルを含有する液状栄養食であって、該液状栄養
    食のエネルギー値が1.5kcal/ml以上であり、
    前記蛋白質は、全乳蛋白およびカゼインナトリウムを主
    成分とし、かつ、全乳蛋白とカゼインナトリウムは重量
    比が1:1〜1:3となるように配合されていることを
    特徴とする液状栄養食。
  2. 【請求項2】 前記全乳蛋白は、ミルク蛋白濃縮物であ
    る請求項1に記載の液状栄養食。
  3. 【請求項3】 前記炭水化物は、デキストリンである請
    求項1または2に記載の液状栄養食。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし5のいずれかに記載の液
    状栄養食と、該液状栄養食を収納した容器とからなり、
    少なくとも液状栄養食が加熱滅菌されていることを特徴
    とする高カロリー栄養剤。
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Cited By (24)

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