JPH0818740B2 - シ−ト排出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、シート排出装置（以下排紙装置という）に
係り、より詳しくは加熱による画像定着手段を備えた複
写機、レーザービームプリンタあるいは印刷機等の画像
形成装置におけるシート排出性能を向上した排出装置に
関する。

（ロ）従来の技術 従来、静電型電子複写機等の画像形成装置において
は、原稿の画像を一旦静電潜像とした感光体上に記録
し、その上にトナーを付着し、その後シートにトナー像
を転写し、更にシート上のトナー像を定着し、装置外に
シートを排出するといったプロセスが行なわれており、
シート上に転写されたトナー像を定着する方法として、
一般的に加熱手段が用いられている。具体的には、第８
図に示すように、定着部１は定着ローラ２を有し、該ロ
ーラ２の内部にヒータ３が設けられ、図示しない温度調
節装置によって定着ローラ２の表面温度が200℃前後に
保たれ、更に定着に際してシートＰへのトナー像の定着
性を良くするため定着ローラ２の下側からシリコンゴム
等よりなる押圧ローラ５が圧接するように構成されてお
り、シートＰがローラ2,5間を通過すると、未定着のト
ナー像が定着ローラ２による加熱そして押圧ローラ５に
よる加圧によってシートＰ上に強固に定着されるが、上
記定着に際して、定着ローラ２による加熱および押圧ロ
ーラ５による加圧によって、定着部１を通過したシート
Ｐには、第８図に示すように上向のカールが付されてし
まう不都合があった。

一方、画像形成装置の小型化のため、従来から第９図
に示すように上述した定着部１の上側に排紙装置６を配
設するようにしているが、このような配置では装置の小
型化、コンパクト化は計れるものの、シートＰが定着部
１を出た後、湾曲する排紙ガイド７によって上記シート
Ｐのカール方向に反転させるため、シートＰのカールが
非常に大きくなってしまう傾向にあった。

そこで、上記のような排紙装置６では、第９図に示さ
れているように、排紙性能を良くするための突起9aを設
けた排紙ローラ９と該排紙ローラ９を下側より弾性的に
押圧する加圧ローラ10とからなる加圧ローラ対11を配置
し、該加圧ローラ対11により通過するシートＰに逆方向
のカールを形成するような力を加えて、シートＰのカー
ルを取るようにすることが提案されている。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上述したシートに対して下方を凸にカ
ール付けしながら排出するシート加圧排出装置は、排出
ローラ９の下方に加圧ローラ10があり、かつカール付け
のための該加圧ローラ10の外周面は、通常の排出ローラ
対よりもニップに対して排出順に張り出しているため、
シートの後端は加圧ローラ10から浮きやすく、加圧ロー
ラに載たままの状態になりやすい。従って、前記したシ
ートＰのカールが除去され、腰の強い厚手のシートＰで
は排紙ローラ９の突起9aによるけり出しによって排紙ト
レイ12上に確実に排出されるものの、腰の弱い薄手のシ
ートＰでは上記突起9aによるけり出しが有効に作用せ
ず、シートＰの後端が第９図に示すように加圧ローラ10
に載ったままの状態となりトレイに上への排紙が整然と
行なわれないという欠点があった。

なお、排紙トレイ12上へのシートＰの落下を確実にす
べく、排紙トレイ12の深さｌを大きくすることも検討さ
れたが、この方式では装置が大型化し、また排紙トレイ
12上にシートＰが多数収納されてくるとやはり排紙不良
を生ずるという不都合があった。また、排紙ローラ９側
方下部に排出されたシートを排紙トレイ12に向けて誘導
する排紙コロを固設しても確実に排紙し得るようにはな
るが、この場合、加圧ローラ10により折角取り除かれた
カールが再び上記排紙コロによって復元されてしまうと
いう不都合があった。

（ニ）問題を解決するための手段 本発明は、上述問題点を解消することを目的とするも
のであって、排紙ローラ及び該排紙ローラの下方に配置
された加圧ローラを有し、搬送されて来るシートを下方
を凸にカール付けしながら排出する加圧排出手段と、上
記加圧排出手段より排出されたシートを積載するシート
積載手段と、上記加圧排出手段の下流側において排出さ
れるシートの上面に接触し上記シート積載手段に向けて
付勢案内する排出案内手段と、を備え、かつ該排出案内
手段は、スリットを有するボスと、該ボスから半径方向
に延びるアームと、該アームに配置されておもり部材を
嵌入し得る嵌入部と、を有し、前記ボスを、前記排紙ロ
ーラの軸に前記スリットから嵌合してなる、ことを特徴
としている。

（ホ）作用 上述構成に基づき、シートが加圧排出手段に挾持され
てシート積載手段に向けて排出されると、シートの先端
が排出案内手段に当接して該排出案内手段を揺動し、該
排出案内手段はシートによって上方に押し上げられシー
トを上方からその自重等で軽く押圧した状態でシートを
シート積載手段に向けて通過させ、シートの後端が加圧
排出手段から外された時点で自由状態となったシートの
後端が排出案内手段の復元による押圧によりシート積載
手段方向に押し下げられて加圧排出手段から外れ、シー
トは確実にシート積載手段に向けて落下され収納され
る。また、排出案内手段は、ボスを、排出ローラの軸に
スリットから嵌合することにより容易に取付けられる。
更に、アームの嵌入部におもり部材を選択的に嵌入する
ことにより、排出案内手段の付勢力を容易に調節し得
る。

（ヘ）実施例 以下、図面に沿って、本発明による実施例について説
明する。なお、第8,9図に示した従来装置と同一部分は
同一の符合を用いて説明を行なう。

排紙装置６は、第１図に示すように、ヒータ３を内蔵
する定着ローラ２と押圧ローラ５からなる定着部１の上
方に配設され、該定着部１から送り出された定着済みの
シートは搬送ローラ対13、排紙装置６のカバー15内に配
設された排紙ガイド７を経て、加圧ローラ対11へと導び
かれるようになっている。そして、該加圧ローラ対11
は、周囲に多数の突起9aを有する排紙ローラ９と該ロー
ラ９の下方に配設された加圧ローラ10とからなり、第２
図に示すように、上記排出ローラ９は図示しない駆動源
により回転される駆動軸16に固定され、また、上記加圧
ローラ10は排紙装置６内部の適宜部位から突設されたス
テイ17（第１図参照）に回動自在に配設されたローラ受
け19に回転自在に支承され、ステイ17とローラ受け19と
の間に介装されたバネ部材20により上記排紙ローラ９に
向けて弾性的に押圧されるようになっており、更に、上
記加圧ローラ対11は、第２図に詳示されているように、
駆動軸16の軸方向に適宜間隔をおいて複数個配設されて
いる。

そして、上記複数個の加圧ローラ対11,11の近傍の駆
動軸16上には、第１〜３図に示すように、駆動軸16に直
交する方向に突出し駆動軸16の軸線回りに対してのみフ
リーに移動し得るように排紙補助アーム21が嵌合される
ようになっている。即ち、該補助アームのボス22eには
その軸線方向にスリット22dが形成されており、該スリ
ット22dからボス22eを駆動軸16に嵌合することにより、
該補助アーム21は取付けられる。そして、該排紙補助ア
ーム21は、該アーム21と一体に設けられかつ該アーム21
とは駆動軸16に対して他の直交する方向に突出された当
接部21bがカバー15から突設されたストッパ22に当接す
ることによって、通常第１図に示すようにその先端部21
aが排紙ローラ９と加圧ローラ10との接触位置より僅か
に下方に位置するように構成されている。また、上記排
紙補助アーム21の内側には、第３図に示されているよう
におもり嵌入部21cが形成され、該嵌入部21cに適宜重量
のおもり部材23が嵌入され、加圧ローラ対11を通過する
シートに対して排紙補助アーム21による押圧荷重が調節
できるようになっている。

本実施例は以上のような構成よりなるので、シートＰ
が排紙ローラ９と加圧ローラ10からなる加圧ローラ対11
に挾持されて排紙トレイ12に向けて排出されると、シー
トＰの先端が排紙補助アーム21に当接して該アーム21を
駆動軸16の回りに回動し、排紙補助アーム21は第４図に
示すようにシートＰによって上方に押し上げられ、シー
トＰを上方からおもり部材23を含めたその自重で軽く押
圧した状態で排紙トレイ12に向けて通過させる。そし
て、シートＰの後端が第５図に示すように排紙ローラ９
から外れた時点で、自由状態となったシートＰの後端が
排紙補助アーム21の自重に基づく復元によるその先端部
21aの押圧によって排紙トレイ12方向に押し下げられ
て、シートＰは第６図に示すように確実に排紙トレイ12
に向けて落下されて収納される。

次に、第７図は参考例を示すもので、該参考例におい
ては、カバー15上方に適宜手段で固定部材25が固着され
ていて、該固定部材25から加圧ローラ対11に向けて近接
するように、かつ先端26aが排紙ローラ９と加圧ローラ1
0との接触位置より僅かに下方に位置するように、比較
的柔軟で弾性変形可能な材料よりなる板状のバネ部材26
が立設されている。なお、この実施例においてもバネ部
材26によるシートＰの排出作用は上述実施例とほぼ同様
であるので、以下、その作用についての説明は省略す
る。

更に、第10図は本発明に係る他の実施例の排紙装置を
示すもので、本実施例では上述実施例における排紙ロー
ラ９と加圧ローラ10とからなる加圧ローラ対11に代え
て、排紙ローラを構成する硬質ローラ30及び加圧ローラ
を構成する弾性ローラ31からなるローラ対が配置されて
おり、弾性ローラ31が硬質ローラ30を下側から押圧して
該ローラ対30,31を通過するシートＰに逆方向のカール
を形成するようになっている。このような構成において
も加圧ローラ対30,31下流側に排出案内手段を構成する
排紙補助アーム21が配置されるとシートＰの排出作用は
上述実施例とほぼ同様になる。

（ト）発明の効果 以上説明したように、本発明によると、搬送されて来
るシートを下方を凸にカール付けしながら排出する加圧
排出手段と、上記加圧排出手段より排出されたシートを
積載するシート積載手段と、上記加圧排出手段の下流側
において排出されるシートの上面に接触し上記シート積
載手段に向けて付勢案内する排出案内手段とを有するよ
うに構成したので、腰の弱いシートに対しても常に確実
にシートを加圧排出手段からシート積載手段に排出する
ことが可能となり、また、排出されるシートに対して極
く軽い荷重しか与えない構造であるため、加圧排出手段
によって矯正されたシートのカールが再び復元されるこ
とがなく、更には、極めて簡単な構造であるため、装置
が大型化せず、製作が容易で安価となる。

従って、下方を凸にカール付けしながら、シートを確
実に排出して、シート積載手段上にシートを整然と積載
することができる。

また、ボスを、スリットから排出ローラの軸に嵌合す
ることにより、加圧排出手段を組立てた状態にあって
も、容易に排出案内手段を組付けることができる。

更に、アームの嵌入部に、必要に応じておもり部材を
嵌入することにより、排出案内手段の付勢力を容易に調
整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る排紙装置の概略縦断面図、第２図
は第１実施例の加圧ローラ対及び排紙補助アームを示す
部分拡大斜視図、第３図は第１の実施例に係る排紙補助
アームの分解斜視図、第４〜６図は第１の実施例の作動
説明図、第７図は一部変更した参考例の排紙装置の部分
概略縦断面図、第８図は一般的な定着部を示す概略縦断
面図、そして第９図は排紙装置の既提案例を示す概略縦
断面図、第10図は一部変更した他の実施例の排出装置の
部分断面図である。 ６…シート排出装置（排紙装置）、9,10,11…加圧排出
手段（排紙ローラ、加圧ローラ、加圧ローラ対）、30,3
1…加圧排出手段（硬質ローラ、弾性ローラ、加圧ロー
ラ対）、12…シート積載手段（排紙トレイ）、21…排出
案内手段（排紙補助アーム）、21c…嵌入部、22d…スリ
ット、22e…ボス、Ｐ…シート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】排紙ローラ及び該排紙ローラの下方に配置
   された加圧ローラを有し、搬送されて来るシートを下方
   を凸にカール付けしながら排出する加圧排出手段と、 上記加圧排出手段より排出されたシートを積載するシー
   ト積載手段と、 上記加圧排出手段の下流側において排出されるシートの
   上面に接触し上記シート積載手段に向けて付勢案内する
   排出案内手段と、を備え、 かつ該排出案内手段は、スリットを有するボスと、該ボ
   スから半径方向に延びるアームと、該アームに配置され
   ておもり部材を嵌入し得る嵌入部と、を有し、前記ボス
   を、前記排紙ローラの軸に前記スリットから嵌合してな
   る、 シート排出装置。