JPH08182422A - コンバインの穀稈搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 縦搬送装置４における株元挟持搬送装置３
を、扱深さ調節のために前支点周りに上下揺動自在に構
成し、株元挟持搬送装置３の終端部とフィードチェーン
５の始端部との間に補助搬送装置７を位置固定状態に設
け、株元挟持搬送装置３が短稈搬送姿勢をとるために前
支点周りに上昇揺動するに伴って、その株元挟持搬送装
置３により振り上げ変位させられ、かつ、株元挟持搬送
装置３が長稈搬送姿勢をとるために下降揺動するに伴っ
て下降後退する搬送穀稈の株元押し上げガイド２１を、
補助搬送装置７の下面側に設けてある。 【効果】 搬送穀稈が短稈であった場合、短稈がフィー
ドチェーンの始端部にかみこまれるのを防止できて、株
元先行搬送に起因する搬送穀稈の詰まりを回避でき、搬
送穀稈が長稈であった場合は、株元押し上げガイドに長
稈を円滑に乗り上がらせることができ、標準長さの穀稈
に対しても穀稈を円滑にガイドすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、刈取穀稈を穂先係止搬
送装置と株元挟持搬送装置とでフィードチェーンに搬送
供給する縦搬送装置を設け、前記株元挟持搬送装置を、
扱深さ調節のために前支点周りに上下揺動自在に構成
し、前記株元挟持搬送装置の終端部とフィードチェーン
の始端部との間に、刈取穀稈の稈身方向中間部に作用し
て後方への移送力を付与する補助搬送装置を、位置固定
状態に設けてあるコンバインの穀稈搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のコンバインの穀稈搬送装置で
は、補助搬送装置で搬送中の搬送穀稈をガイドする株元
払い出し杆を、補助搬送装置の下面側に搬送方向に沿っ
て配置してある。

【０００３】従来、この株元払い出し杆は、標準長さの
搬送穀稈に合うように、補助搬送装置の搬送面に対する
位置を設定して、前記補助搬送装置と株元挟持搬送装置
の間に固定してあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によれ
ば、株元払い出し杆は、標準長さの搬送穀稈に合うよう
に、補助搬送装置の搬送面に対する位置を設定して、前
記補助搬送装置と株元挟持搬送装置の間に固定してあっ
たために、標準長さの搬送穀稈については円滑にガイド
できるものの、搬送穀稈が短稈の場合には、株元払い出
し杆の位置が低すぎて、短稈の株元がフィードチェーン
の始端部に載りやすく、その結果、短稈の株元がフィー
ドチェーンの始端部に引きずられ株元先行搬送状態にな
って、フィードチェーンに詰まることがあった。

【０００５】一方、搬送穀稈が長稈の場合、長稈は短稈
よりも株元側が自重で垂れ下がりやすいことから、搬送
方向視で株元払い出し杆に対する長稈の乗り上がり角度
が大きくなって、株元払い出し杆に円滑に乗り上がりに
くかった。

【０００６】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、補助搬送装置で搬送する際に、搬送穀
稈の長短にかかわらず、搬送穀稈を円滑にガイドできる
ようにすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、株
元挟持搬送装置が短稈搬送姿勢をとるために前記前支点
周りに上昇揺動するに伴って、その株元挟持搬送装置に
より振り上げ変位させられ、かつ、前記株元挟持搬送装
置が長稈搬送姿勢をとるために下降揺動するに伴って下
降後退する搬送穀稈の株元押し上げガイドを、前記補助
搬送装置の下面側に設けてあることにある。

【０００８】

【作用】株元挟持搬送装置が短稈搬送姿勢をとるために
前支点周りに上昇揺動するに伴って、株元押し上げガイ
ドが、その株元挟持搬送装置により振り上げ変位させら
れるから、補助搬送装置で短稈を搬送中は、短稈の株元
を株元押し上げガイドにより押し上げて、フィードチェ
ーンの始端部よりも上方に位置させることができ、株元
がフィードチェーンの始端部に引きずられることに起因
する株元先行搬送状態を回避できる。

【０００９】また、株元挟持搬送装置が長稈搬送姿勢を
とるために下降揺動するに伴って、株元押し上げガイド
が下降後退するから、搬送方向視で株元押し上げガイド
に対する長稈の乗り上がり角度が小さくなり、株元押し
上げガイドに長稈を円滑に乗り上がらせることができ
る。

【００１０】なお、標準長さの穀稈に対しては、株元押
し上げガイドを上記二通りの場合の中間の位置にさせる
ことで、穀稈を円滑にガイドすることができる。

【００１１】

【発明の効果】従って、補助搬送装置で搬送する際に、
搬送穀稈の長短にかかわらず、搬送穀稈を円滑にガイド
することができて、作業性を向上させることができた。

【００１２】

【実施例】以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説
明する。図１にコンバイン前部の側面図を示してある。
このコンバインは、穀稈を引起こす引起こし装置１を設
け、刈取穀稈を穂先係止搬送装置２と株元挟持搬送装置
３とでフィードチェーン５に搬送供給する縦搬送装置４
を設け、前記株元挟持搬送装置３を、前側株元挟持搬送
装置３Ａと後側株元挟持搬送装置３Ｂとに分割形成する
とともに、後側株元挟持搬送装置３Ｂを、扱深さ調節の
ために前支点Ｐ周りに、油圧シリンダ６を介して上下揺
動自在に構成し、後側株元挟持搬送装置３Ｂの終端部と
フィードチェーン５の始端部との間に、刈取穀稈の稈身
方向中間部に作用して後方への移送力を付与する補助挟
持搬送装置７（補助搬送装置の一例）を設けて構成して
ある。

【００１３】前記穀稈引起こし装置１には穀稈の長さを
検出するためのセンサ（図示せず）を設けてあり、この
センサの検出結果に基づいて、制御装置８により前記後
側株元挟持搬送装置３Ｂを前支点Ｐ周りに、所定量だけ
揺動可能に構成してある。

【００１４】前記後側株元挟持搬送装置３Ｂを構成する
に、図２（イ），（ロ），図３に示すように、第１搬送
フレーム９に枢支された複数個のスプロケット１０に突
起付きの搬送チェーン１１を巻回し、この搬送チェーン
１１の挟持搬送面に挟持レール１２を対設し、前記第１
搬送フレーム９に、これの上部と搬送チェーン１１の一
部を覆うカバー１３を設けてある。

【００１５】前記補助挟持搬送装置７は、穂先係止搬送
装置２の終端部のすぐ下方の位置に配置した状態で、刈
取前処理部Ａに固定してある。この補助挟持搬送装置７
は、第２搬送フレーム１４に枢支された複数個のスプロ
ケット１５に突起付きの搬送チェーン１６を巻回し、搬
送チェーン１６の挟持搬送面に挟持レール１７を対設し
て構成してある。複数個のスプロケット１５のうち駆動
スプロケット１５ａは穂先係止搬送装置２の転輪１８の
回転軸１９に取り付けてある。

【００１６】図２（イ），（ロ）に示すように、前記後
側株元挟持搬送装置３Ｂが短稈搬送姿勢をとるために前
支点Ｐ周りに上昇揺動するに伴って、その後側株元挟持
搬送装置３Ｂにより振り上げ変位させられ、かつ、後側
株元挟持搬送装置３Ｂが長稈搬送姿勢をとるために下降
揺動するに伴って下降後退する搬送穀稈の株元押し上げ
ガイド板２１（株元押し上げガイドの一例で、以下、ガ
イド板２１と略称する）を、前記補助挟持搬送装置７に
おける第２搬送フレーム１４の下面に設けてある。

【００１７】このガイド板２１は、補助挟持搬送装置７
の下面側において、一端部側が補助挟持搬送装置７の搬
送面よりも外方側に突出するように配置した状態で、補
助挟持搬送装置７の搬送方向に沿う軸芯周りに揺動自在
に、その他端部を前記第２搬送フレーム１４の下面に連
結してある。

【００１８】詳述すると、前記ガイド板２１は、前記第
２搬送フレーム１４から垂下した前後一対のブラケット
２２間に回動自在に架けわたしたピン２３を介して、前
記他端部を第２搬送フレーム１４に枢支連結してある。
そして、前記ピン２３の一端部を軸芯方向外方側に延出
するとともに、軸芯よりも下方側で搬送方向視Ｌ字形の
屈曲部２０を屈曲形成して、上昇揺動して来る前記後側
株元挟持搬送装置３Ｂのカバー１３に対する接当部を構
成してある。またガイド板２１の前記他端部を、枢支連
結部よりも第２搬送フレーム１４の内方側に少し延出し
て、ガイド板２１が所定の傾斜姿勢になったときに、そ
の延出端部２１ａが第２搬送フレーム１４の下面に接当
して、ガイド板２１のそれ以上の下方への揺動が規制さ
れるように構成してある〔図２（ロ）〕。

【００１９】図１に示すように、搬送経路を迂回する湾
曲取付けフレーム２６の遊端部からは、フィードチェー
ン５の始端部に対するバトンタッチ用の挟持レール杆２
５を、フィードチェーン５の始端部に対向する状態に、
前記フィードチェーン５の長手方向に沿って後向き片持
ち状に延出してある。

【００２０】上記構成によれば、図２（イ）に示すよう
に、後側株元挟持搬送装置３Ｂが短稈搬送姿勢をとるた
めに前支点Ｐ周りに上昇揺動するに伴って、後側株元挟
持搬送装置３Ｂのカバー１３がガイド板２１側の屈曲部
２０に接当して、ガイド板２１が振り上げ変位させられ
る。従って、補助挟持搬送装置７で短稈搬送中は、短稈
の株元がガイド板２１により押し上げられて、フィード
チェーン５の始端部よりも上方に位置し、フィードチェ
ーン５の始端部に引きずられにくくなる。

【００２１】また、後側株元挟持搬送装置３Ｂが長稈搬
送姿勢をとるために下降揺動するに伴って、ガイド板２
１が下降後退するから、図２（ロ）に示すように、搬送
方向視でガイド板２１に対する長稈の角度が緩やかにな
り、ガイド板２１に長稈を円滑に乗り上がらせることが
できる。この場合、ガイド板２１の前記延出端部２１ａ
が、第２搬送フレーム１４の下面に接当して、ガイド板
２１の下方への揺動が規制され、他方の揺動端部で長稈
を支持する。

【００２２】標準長さの穀稈に対しては、ガイド板２１
を上記二通りの場合の中間の位置にさせることで、穀稈
を円滑にガイドすることができる。

【００２３】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバイン前部の側面図

【図２】（イ）短稈搬送時における補助搬送装置周りの
縦断正面図 （ロ）長稈搬送時における補助搬送装置周りの縦断正面
図

【図３】刈取穀稈の搬送系統図

【符号の説明】

２ 穂先係止搬送装置 ３ 株元挟持搬送装置 ４ 縦搬送装置 ５ フィードチェーン ７ 補助搬送装置 ２１ 株元押し上げガイド Ｐ 前支点

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 刈取穀稈を穂先係止搬送装置（２）と株
   元挟持搬送装置（３）とでフィードチェーン（５）に搬
   送供給する縦搬送装置（４）を設け、前記株元挟持搬送
   装置（３）を、扱深さ調節のために前支点（Ｐ）周りに
   上下揺動自在に構成し、前記株元挟持搬送装置（３）の
   終端部とフィードチェーン（５）の始端部との間に、刈
   取穀稈の稈身方向中間部に作用して後方への移送力を付
   与する補助搬送装置（７）を、位置固定状態に設けてあ
   るコンバインの穀稈搬送装置であって、 前記株元挟持搬送装置（３）が短稈搬送姿勢をとるため
   に前記前支点（Ｐ）周りに上昇揺動するに伴って、その
   株元挟持搬送装置（３）により振り上げ変位させられ、
   かつ、前記株元挟持搬送装置（３）が長稈搬送姿勢をと
   るために下降揺動するに伴って下降後退する搬送穀稈の
   株元押し上げガイド（２１）を、前記補助搬送装置
   （７）の下面側に設けてあるコンバインの穀稈搬送装
   置。