JPS6036027Y2 - コンバインにおける穀稈搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコンバインにおける殻稈搬送装置に関するも
のである。

従来におけるこの種のものは、殻稈引起し装置の後部に
株元搬送体および上部搬送体を位置させながら、これら
の後部に調整不能な穂先搬送体と長短稈調整が可能な縦
搬送体とを位置させていた。

したがって、株元を挾持しながら脱穀フィートチエンま
で搬送する縦搬送体を殻稈の長さに応じて傾斜角を適宜
調整する場合は上記穂先搬送体に前端が接当して殻稈に
適した状態に調整ができなかった。

また、長稈の刈取時などにおいて、縦搬送体の前端部が
穂先搬送体に対してあまりにも接近して位置するため搬
送される殻稈の姿勢が不安定となり、その搬送受継ぎが
確実にできない等の欠点を有していた。

そこで、本案では、上部搬送体と株元搬送体との終端に
穂先搬送体の始端と縦搬送体の始端とをそれぞれ臨ませ
ておき、穂先移送体と縦搬送体とを始端が上下動自在に
なるように構成し穂先搬送体の始端の降下位置で、上部
搬送体と略平行となり、縦搬送体の上昇時には、その途
中から穂先搬送体も一定間隔を保持して同時に一体的に
上昇作動するべく構成し、通常は、縦搬送体の昇降作動
で扱深さの調整が行え、極長稈に対しては穂先搬送体を
、縦搬送体の大きな上昇作動と一体に上昇せしめて対応
でき、各搬送体の最小限の作動操作にて確実な穀稈搬送
が行えるコンバインにおける殻稈搬送装置を提供せんと
するものである。

以下本考案の実施例を例示図面について詳述すると、Ａ
はコンバインの機体本体で前部に殻稈引起装置１および
刈取装置１０を設けている。

そして殻稈引起装置１の後部には上部搬送体３と株元搬
送体２を位置させている。

１１は掻込みホイル、６は上部搬送体３の後部に設けた
穂先搬送体であり、後部を高く位置させているとともに
後方回動中心部７を中心に前端側か上下動自在に構成さ
れている。

しかも、穂先搬送体６の始端が下降した状態では、第１
図に示す如く上部搬送体３と略平行となるように構成し
ている。

１２は穂先搬透体６を常時下向きに引張る引張バネで基
部を機枠本体Ａの一部に連結している。

１３は穂先搬送体６の搬送タイン、１４は穂先搬送ケー
スである。

また、５は下方始端部を株元搬送体２に接近して位置さ
せるとともに後端を脱穀フィートチエン４の近傍まで高
く位置させた縦搬送体であり、中間取付部８を中心に傾
斜調節自在で長短稈調節ができるように構成されている
。

１５は縦搬送体５の中稈部に設けたストッパー用固定金
具、９は縦搬送体５の下部に上向き状に突設した突起ア
ームである。

尚１６は分草杆、１７は引起タイン、１８は扱胴、１９
はクローラ−型走行装置、２０は穂先搬送体６の伝導軸
である。

従って、刈取作業を行う場合は殻稈引起装置１および刈
取装置１０などを作動させると同時にクローラ−型走行
装置１９を駆動して機体を前進させる。

すると、圃場に植立する殻稈は引起装置１により最適な
角度に引起されると同時に株元を刈取装置１０にて刈取
られる。

そして、刈取られた殻稈は掻込みホイル１１にて株元搬
送体２に掻込まれ、上部搬送体３の回動により順次後方
に搬送される。

モして殻稈の穂先側は上部搬送体３より穂先搬送体６に
受継がれ、同時に株元側は株元搬送装置２より縦搬送体
５に受継がれて上方に向けて搬送される。

そして、殻稈の長さが短い場合は、上記縦搬送体５が中
間取付部８を中心に反時計方向に回動した状態に位置し
ており、したがって、第１図に示すように縦搬送体５の
下端が株元搬送体２に接近して位置しており、同時に同
縦搬送体５の上端は第３図に示すようにフィートチエン
４に接近して位置する。

そして、この状態では殻稈の挟持位置が株元寄りとなっ
て順次搬送されて脱穀されるものである。

また、長稈を刈取る場合は、縦搬送体５を上述とは逆に
時計方向に回動した状態に固定する。

そうすると、縦搬送体５の下端が第２図に示すように株
元搬送体２に対して離れて位置することになる。

そして、株元搬送体２から縦搬送体５に受継がれる際に
殻稈の挟持位置が上方に変わり、さらに縦搬送体５から
フィートチエン４に受継がれる際にも挟持位置が上方に
変る。

したがって、刈取られた殻稈が長稈の場合はフィートチ
エン４の挟持位置が自動的に上方になり、脱穀時には常
に一定の扱ぎ深さとなるように縦搬送体５によって長短
稈調節装置Ｂを構成している。

また、縦搬送体５の下端部が上方に上がると、同縦搬送
体５に突設した突起アーム９が穂先搬送体５の下面に接
当し、第２図で示すように穂先搬送体６を上方に押上げ
て縦搬送体５と穂先搬送体６を一定の間隔をおいて連動
するように構成している。

したがって、株元を挟持搬送する縦搬送体５が穂先搬送
体６に接近しすぎることがなく適宜間隔を設けている。

本案の実施例にもとづく作用効果は次の通りであり、コ
ンバインの穂先搬送体と縦搬送体において、上記穂先搬
送体を後方回動中心部を中心にして下方始端部を上下動
自在に構成しながら、かつ上記縦搬送体を中間取付部を
中心にして傾斜調節自在とするとともに同縦搬送体に突
起アームを設けて穂先搬送体の下面に接当自在として押
上げ連動自在としたものであるから縦搬送体の傾斜角を
殻稈の長さに応じて自在に調整でき、穂先搬送体に邪魔
されるようなことがない。

したがって、縦搬送体による長短稈調節は容易かつ確実
に行い得て殻稈の搬送脱穀を能率的に行うことができる
ものである。

また、縦搬送体に突設した突起アームの働きによって縦
搬送体の下端部が穂先搬送体に接近するのを防止して一
定の間隔を保つように構成したので搬送受継される殻稈
が安定した姿勢で移動するため、その搬送は常時確実に
行われて不測に脱落したり、穂先部を損傷するようなこ
とがなく、全体として構造簡単で搬送装置をコンパクト
に構成することができるものである。

この考案によれば、通常の作業においては、縦搬送体の
みの昇降で抜法調整がなされて調整操作が最小限の作動
にて行われるため、動力使用面で有利であり、極長稈の
刈取りの場合には該搬送体の一定上昇以上で連動して一
体的に穂先搬送体が上昇し、縦搬送体が大きく上昇して
も支障なく、極長稈の株元、穂先の挟持搬送効率がよく
、かつ確実な搬送受渡しが行え、また短稈時には、穂先
搬送体は下降し、上部搬送体と略平行になっているので
、穂先が穂先搬送体から外れて搬送不能になるのを防止
できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本案装置の要部概略側面図、第３図、
第４図は同正面図である。 Ａ：機枠本体、Ｂ：長短稈調節装置、１：殻稈引起装置
、 ２ 二株元搬送体、 二上部搬送体、 ４：脱穀フィートチエン、 ５：縦搬送体、 ６：穂 光搬送体、 ：後方回動中心部、 ：中間取付 部、 ９：突起アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 殻稈引起装置１の後部に株元搬送体２および上部搬送体
   ３を位置させるとともに、これらの後方には殻稈の株元
   を挾持して脱穀フィートチエン４まで持上げ搬送する縦
   搬送体５と殻稈の穂先部を挟持搬送する穂先搬送体６と
   を設けたものにおいて、上部搬送体３の終端に後続の穂
   先搬送体６の始端を臨ませて同穂先搬送体６の始端を臨
   ませて同穂先搬送体６を後方回動部７を中心に始端から
   上下動自在になるべく構成し、しかも穂先搬送体６の始
   端の降下回動状態で、上部搬送体３に穂先搬送体６が略
   平行となるべく構成し、また株元搬送体２の終端に後続
   の縦搬送体５の始端を、上下動自在に臨ませ、縦搬送体
   ５の上昇行途中から穂先搬送体６が縦搬送体５と一定間
   隔を保持して一体に上昇作動すべく構成してなるコンバ
   インにおける殻稈搬送装置。