JPH08176079A - ジヒドロキシスチルベン化合物とその製造方法 - Google Patents
ジヒドロキシスチルベン化合物とその製造方法Info
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- JPH08176079A JPH08176079A JP7889395A JP7889395A JPH08176079A JP H08176079 A JPH08176079 A JP H08176079A JP 7889395 A JP7889395 A JP 7889395A JP 7889395 A JP7889395 A JP 7889395A JP H08176079 A JPH08176079 A JP H08176079A
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Abstract
体に用いられる電荷搬送物質として有用で、高分子型の
電荷搬送物質に誘導することもできるジヒドロキシスチ
ルベン化合物とその製造方法を提供すること。 【構成】 下記一般式IIで表わされることを特徴とする
スチルベン化合物。一般式II 【化1】 (式中、Ar1,Ar2は置換もしくは無置換の炭素環式
芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一でも異なってい
てもよい。R1,R2、水素又は置換もしくは無置換のア
ルキル基、置換もしくは無置換のアシル基を表し、それ
ぞれ同一でも異なっていてもよい)
Description
及びその製造方法に関し、詳しくは有機電荷搬送物質と
して有用なジヒドロキシスチルベン化合物及びその製造
方法に関する。
感光体の光導電性素材として用いられているものにセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機物質がある。
ここにいう「電子写真方式」とは、一般に光導電性の感
光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電せし
め、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散
せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの
着色材と高分子物質などの結着剤とから構成される検電
微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形成するよ
うにした画像形成法の一つである。この様な電子写真法
において感光体に要求される基本的な特性としては、
(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所
において電荷の逸散が少ないこと、(3)光照射によっ
て速やかに電荷を逸散せしめうることなどが挙げられ
る。
の長所を持っていると同時に、さまざまな欠点をも有し
ているのが実状である。例えば現在広く用いられている
セレンは前記(1)から(3)の条件は十分に満足する
が、製造する条件はむずかしく、製造コストが高くな
り、可撓性がなく、ベルト状に加工することが難しく、
熱や機械的な衝撃に鋭敏なため取扱いに注意を要するな
どの欠点もある。硫化カドミウムや酸化亜鉛は、結着剤
としての樹脂に分散させて感光体として用いられている
が、平滑性、硬度、引張り強度、耐摩擦性などの機械的
な欠点があるためにそのままでは反復して使用すること
ができない。近年、これら無機物質の欠点を排除するた
めにいろいろな有機物質を用いた電子写真用感光体が提
案され、実用に供されているものもある。例えばポリ−
N−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロフル
オレン−9−オンとからなる感光体(米国特許第348
4237号明細書に記載)、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ールをピリリウム塩系色素で増感してなる感光体(特公
昭48−25658号公報に記載)、有機顔料を主成分
とする感光体(特開昭47−37543号公報に記
載)、染料と樹脂とからなる共晶錯体を主成分とする感
光体(特開昭47−10735号公報に記載)、トリフ
ェニルアミン化合物を色素増感してなる感光体(米国特
許第3,180,730号)、トリアリールアミン誘導
体を電荷輸送材料として用いる感光体(特開昭58−6
5440)、アミン誘導体を電荷輸送材料として用いる
感光体(特開昭57−195254号公報)、ポリ−N
−ビニルカルバゾールとアミン誘導体を電荷輸送材料と
して用いる感光体(特開昭58−1155号公報)、多
官能第3アミン化合物の中でもベンジジン化合物を光導
電材料として用いる感光体(米国特許第3,265,4
96号、特公昭39−11546号公報、特開昭53−
27033号公報)などである。これらの感光体は優れ
た特性を有しており実用的にも価値が高いと思われるも
のであるが、電子写真法において、感光体に対するいろ
いろな要求を考慮すると、まだ、これらの要求を十分に
満足するものが得られていないのが実状である。
べた従来の感光体のもつ種々の欠点を解消し、電子写真
法において要求される条件を十分満足しうる電子写真感
光体、特に積層型感光体に用いられる電荷搬送物質とし
て有用なスチルベン化合物を提供することにある。更に
本発明の他の目的は製造が容易でかつ比較的安価に行
え、耐久性にも優れた電子写真用感光体を提供すること
にある。
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりのジ
ヒドロキシスチルベン化合物とその製造方法である。す
なわち、(1)下記一般式Iで表わされるジヒドロキシ
スチルベン化合物。 一般式I
換の炭素環式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一で
も異なっていてもよい) (2)下記一般式IIで表わされるスチルベン化合物。 一般式II
換の炭素環式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一で
も異なっていてもよい。R1,R2は脱アルキル化または
脱アシル化によって容易にHに置き換わる基であればよ
く、例えば、置換もしくは無置換のアルキル基、好まし
くは低級アルキル基、置換もしくは無置換のアシル基を
表し、同一でも異なっていてもよい。ただし、R1,R2
が同時にアルキル基の場合は除く。) (3)下記一般式IIIで表されることを特徴とするヒド
ロキシ基を有するスチルベン化合物。 一般式III
置換の炭素環式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一
でも異なっていてもよい。R1は脱アルキル化または脱
アシル化によって容易にHに置き換わる基であればよ
く、例えば置換もしくは無置換のアルキル基、好ましく
は低級アルキル基、置換もしくは無置換のアシル基を表
す。) (4)下記一般式IVで表されることを特徴とするジアセ
トキシスチルベン化合物。 一般式IV
置換の炭素環式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一
でも異なっていてもよい。) (5)下記一般式V 一般式V
置換の炭素環式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一
でも異なっていてもよい。R1,R2は脱アルキル化また
は脱アシル化によって容易にHに置き換わる基であれば
よく、例えば水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
基、好ましくは低級アルキル基、置換もしくは無置換の
アシル基を表し、同一でも異なっていてもよい。ただ
し、R1,R2は同時に水素原子の場合はのぞく。)で表
されるスチルベン化合物を脱アルキル化または脱アシル
化させることを特徴とする下記一般式VI 一般式VI
置換の炭素環式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一
でも異なっていてもよい。R1は水素原子、置換もしく
は無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基
を表す。)で表されるヒドロキシ基を有するスチルベン
化合物の製造方法。 (6)下記一般式VII 一般式VII
置換の炭素環式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一
でも異なっていてもよい。)で表されるアルデヒド化合
物と下記一般式VIII 一般式VIII
は無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基
を表し、同一でも異なっていてもよい。Yは−P+
(R3)3X-(ここでR3はフェニル基または低級アルキ
ル基、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるホスホニ
ウム塩または−PO(OR4)2(ここでR4は低級アル
キル基を表す。)で表されるジアルキル亜燐酸基であ
る。〕で表されるリン化合物とを反応させることを特徴
とする上記(1)または(2)記載のスチルベン化合物
の製造方法。 (7)下記一般式IX 一般式IX
のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよ
い。)で表されるアミノ化合物と下記一般式X 一般式X Ar1X (式中、Ar1は、置換もしくは無置換の炭素環式芳香
族基の一価基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)およ
び下記一般式XI 一般式XI Ar2X (式中、Ar2は、置換もしくは無置換の炭素環式芳香
族基の一価基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表
されるハロゲン化合物とを反応させることを特徴とする
上記(2)に記載のスチルベン化合物の製造方法。
ヒドロキシスチルベン化合物及び前記一般式IIないし一
般式IVで示されるスチルベン化合物は何れも新規物質で
あり、前記一般式Iで示されるジヒドロキシスチルベン
化合物は前記一般式IIの化合物の脱アルキル化もしくは
脱アシル化によって得られる。詳しくは脱アルキル化の
場合、酸性試薬による開裂反応、塩基性試薬による開裂
反応が挙げられ、酸性試薬としては臭化水素、ヨウ化水
素、トリフルオロ酢酸、ピリジンの塩酸塩、濃塩酸、ヨ
ウ化マグネシウムエーテラート、塩化アルミニウム、臭
化アルミニウム、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三ヨウ
化ホウ素等が、塩基性試薬としては水酸化カリウム、リ
チウムジフェニルホスフィド、ナトリウムチオラート等
を挙げることができる。溶媒としてはジクロロメタン、
THF、DMF、ピリジン、ブタノール等を挙げること
ができ、反応温度は用いる試薬の反応性によるが、一般
的には室温〜200℃の間で行われる。また脱アシル化
の場合は、酸性またはアルカリ性下で脱アシル化するこ
とによって製造される。この時の酸性及び塩基性試薬と
して、例えば塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等を挙げることができ、反応溶媒としてはメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2
−メトキシエタノール、1,2−ジメトキシエタン、ビ
ス(2−メトキシエチル)エーテル、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメ
チルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノンなどを挙げることができる。又、前記一般式II
で表わされるスチルベン化合物は前記一般式IXで表わさ
れるアミノ化合物と前記一般式X及び前記一般式XIで表
わされるハロゲン化合物とを、銅粉、酸化銅あるいはハ
ロゲン化銅等と、縮合反応中に生ずるハロゲン化水素を
中和するのに充分な量のアルカリ性物質を加え、溶媒の
存在下または無溶媒下で、窒素雰囲気下、150〜25
0℃程度の温度において反応させることによって製造さ
れる。
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、水素化ナトリウム等を挙げることができる。
また、反応溶媒としてはニトロベンゼン、ジクロルベン
ゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、テトラヒドロフラン、
二硫化炭素等を挙げることができる。更に前記一般式I
ないし前記一般式IIは前記一般式VIIで表わされるアル
デヒド化合物と前記一般式VIIIで表されるリン化合物と
を塩基性触媒の存在下、室温から100℃程度の温度に
おいて反応させることによっても製造される。この場
合、塩基性触媒としてはフェニルリチウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、ナトリウムアミド、水素化ナ
トリウム及びナトリウムメチラート、カリウム−t−ブ
トキサイドなどのアルコラートを挙げることができる。
また反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙
げることができる。中でも極性溶媒、例えばN,N−ジ
メチルホルムアミド及びメチルスルホキシドが好適であ
る。
に対する安定性、2)縮合成分(前記一般式VII及びVII
Iの化合物)の反応性、3)前記塩基性触媒の溶媒中に
おける縮合剤としての反応性によって広範囲に選択する
ことができる。例えば極性溶媒を用いるときは、実際に
は室温から100℃、好ましくは室温から80℃であ
る。しかし、反応時間の短縮または活性の低い縮合剤を
使用するときは更に高い温度でもよい。又、前記一般式
IIにおけるアルキル基の具体例として例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が炭素環式芳香
族基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル
基、アントリル基、ピレニル基等が、アシル基としては
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基を挙げること
ができる。
る。 実施例1 4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−3,5−ジ
メトキシスチルベンの製造 3,5−ジメトキシ−4’−アミノスチルベン4.11
g(16.1mmol)をパラヨードトルエン60gに
採り、これに銅粉2.05g(32.2mmol)と炭
酸カリウム8.90g(64.4mmol)を加え、窒
素気流下、209℃で6時間撹拌した。この反応液を5
0℃まで冷却した後、セライトと共に熱濾過し、濾液を
クロロホルムで抽出した。この抽出物の溶媒を留去し、
シリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン)し
た結果、白黄色粉末5.07g(収率72.3%)を得
た。これを酢酸エチル−エタノールの混合溶媒から再結
晶して、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−
3,5−ジメトキシスチルベンの白黄色板状晶4.58
g(収率65.3%)を得た。融点は134.0〜13
5.0℃、元素分析値はC30H29NO2として下記のと
おりであった。
法)を図1に示したが以下のような吸収が認められた。 δCH(トランスオレフィン)=965cm-1 実施例2 4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−3,5−ジ
ヒドロキシスチルベンの製造 4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−3,5−ジ
メトキシスチルベン4.36g(10.0mmol)と
90%ナトリウムチオエチラート14.02g(15
0.2mmol)をモレキュラーシブス4A処理した
N,N−ジメチルホルムアミド40mlに加え、窒素気
流下、145〜155℃で12時間撹拌した。この反応
液を室温まで冷却した後、氷水500mlに注ぎ、濃塩
酸を加えて酸性とし、エーテル抽出を行った。この抽出
物の溶媒を留去して、シリカゲルカラムクロマト処理
(溶離液;トルエン/酢酸エチル5/1vol.)した
結果、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−3,
5−ジヒドロキシスチルベン1.65g(収率40.5
%)の黄色針状晶を得た。融点は161.3℃(TG−
DTA吸熱ピーク)であった。元素分析値はC28H25N
O2として下記のとおりであった。
法)を図2に示したが以下のような吸収が認められた。 νsOH=3450cm-1 δCH(トランスオレフィン)=965cm-1 実施例3 N−(4−メチルフェニル)−N−(1−ピレニル)−
4’−アミノ−3,5−ジアセトキシスチルベンの製造 トリフェニル−3,5−ジアセトキシベンジルホスホニ
ウムブロミド2.75g(5.0mmol)と60%水
素化ナトリウム0.60g(15.0mmol)を乾燥
したテトラヒドロフラン(THF)60mlに採り、室
温で2時間撹拌した。これにN−(4−ホルミルフェニ
ル)−N−(4−メチルフェニル)−1−アミノピレン
2.06g(5.0mmol)を先のTHF20mlに
採り、この溶液を30分かけて滴下した。室温で4時間
撹拌した後、氷水600mlに注ぎ、塩酸を加え中和
し、更に1時間撹拌した。これを酢酸エチルを用いて抽
出し、3回水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を減圧下留去して赤色油状物を得た。この油状物に無
水酢酸30mlとトルエン30mlを加え、4時間加熱
還流した後、放冷しトルエンを用いて抽出、水洗を行
い、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して
赤色油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロ
マト処理(溶離液トルエン/酢酸エチル20/1vo
l)し、未反応アルデヒド1.15gとN−(4−メチ
ルフェニル)−N−(1−ピレニル)−4’−アミノ−
3,5−ジアセトキシスチルベン1.01g(収率3
3.6%)を得た。これをノルマルヘキサンで晶析し
て、N−(4−メチルフェニル)−N−(1−ピレニ
ル)−4’−アミノ−3,5−ジアセトキシスチルベン
0.90g(収率29.9%)、融点185.5−18
8.5℃の白黄色粉末を得た。元素分析値はC41H31N
O4として下記のとおりであった。
法)を図3に示したが、以下のような吸収が認められ
た。 νCO 1765cm-1 νCOO 1195cm-1 δCH(トランスオレフィン)965cm-1 実施例4 4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−3,5−ジ
メトキシスチルベンの製造 N,N−ビス(4−メチルフェニル)−N−(4−ホル
ミルフェニル)アミン87.40g(0.29mol)
と3,5−ジメトキシベンジルホスホン酸ジエチル8
9.37g(0.31mol)をDMF600mlに採
り、撹拌しながらカリウム−t−ブトキシサイド51.
61g(0.46mol)を10分かけて投入し、室温
で3時間反応させた。この内容物を氷水3000mlに
あけ、酢酸を加えて中和し、生成した沈殿物を濾取し、
水洗し、さらにメタノール洗浄後、乾燥して粗製物12
4.73g(収率98.7%)を得た。これをシリカゲ
ルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン/シクロヘキ
サン3/2vol)した後、酢酸エチル/エタノールの
混合溶媒から再結晶して、4’−ビス(4−メチルフェ
ニル)アミノ−3,5−ジメトキシスチルベンの白黄色
立方晶108.43g(収率85.8%)を得た。融点
は135.5〜136.5℃、元素分析値はC30H29N
O2として下記のとおりであった。
法)を測定したが、実施例1で得られた図1と同じもの
が得られた。
アセトキシスチルベンの製造 N−(4−ホルミルフェニル)−N,N−ビス(4−メ
チルフェニル)アミン1.21g(4.0mmol)と
3,5−ジアセトキシベンジルホスホン酸ジエチル1.
65g(4.8mmol)を乾燥したTHF25mlに
採り、60%水素化ナトリウム0.38g(9.6mm
ol)を加えて、室温で36時間撹拌した。この内容物
を氷水300mlにあけ、酢酸で中和し、酢酸エチルを
用いて3回抽出し、この抽出層を6回水洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥してから溶媒を減圧下留去して黄褐色
油状物を得た。油状物をシリカゲルカラムクロマト処理
(溶離液;トルエン/酢酸エチル20/1vol.)
し、黄色粉末を得た。これをn−ヘキサンより再結晶し
て4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−3,5−
ジアセトキシスチルベン0.11g(5.6%)、融点
122.5−123.5℃の黄色針状晶を得た。元素分
析値はC32H29NO4として下記のとおりであった。ま
た、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図4に示
した以下のような吸収が認められた。
ヒドロキシスチルベンの製造 4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−3,5−ジ
アセトキシスチルベン0.36g(0.7mmol)を
メタノール20mlに採り、加熱還流下、36%塩酸水
溶液1.5mlを滴下し、30分間撹拌した。この内容
物を水100mlに注ぎ、酢酸エチルで2回抽出を行
い、この抽出層を3回水洗、硫酸マグネシウムで乾燥
し、シリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン
/酢酸エチル5/1vol.)した結果、4’−ビス
(4−メチルフェニル)アミノ−3,5−ジヒドロキシ
スチルベン0.27g(収率90.0%)の黄色針状晶
を得た。融点は161.0〜165.5℃であった。元
素分析値はC28H25NO2として下記のとおりであっ
た。
法)を測定したが、実施例2で得られた図2と同じもの
が得られた。
キシ−5−メトキシスチルベンの製造 4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−3,5−ジ
メトキシスチルベン31.07g(71.34mmo
l)をモレキュラーシブス4A処理したN,N−ジメチ
ルホルムアミド175mlに採り、窒素気流下、90%
ナトリウムチオエチラート20.00g(214.01
mmol)を加え、130℃で3時間撹拌した。この反
応液を室温まで冷却した後、氷水1500mlに注ぎ、
濃塩酸を加えて酸性とし、2回エーテル抽出を行った。
この抽出物の溶媒を留去して、シリカゲルカラムクロマ
ト処理(溶離液;トルエン/酢酸エチル5/1vo
l.)した結果、4’−ビス(4−メチルフェニル)ア
ミノ−3−ヒドロキシ−5−メトキシスチルベン28.
06g(収率93.3%)の黄色粉末を得た。非晶質で
あった。元素分析値はC29H27NO2として下記のとお
りであった。
法)を図5に示したが以下のような吸収が認められた。 νsOH=3440cm-1 δCH(トランスオレフィン)=960cm-1 〔応用例〕電荷発生物質としてダイアンブルー(シーア
イピグメントブルー25、C.I.No.21180)7
6部、ポリエステル樹脂〔バイロン200,(株)東洋
紡績製〕の2%テトラヒドロフラン溶液1260部およ
びテトラヒドロフラン3700部をボールミル中で粉砕
混合し、得られた分散液をアルミニウム蒸着したポリエ
ステルベースよりなる導電性支持体のアルミニウム面上
にドクターブレードを用いて塗布し、自然乾燥して厚さ
約1μmの電荷発生層を形成した。
チルベン化合物2部、ポリカーボネート樹脂〔パンライ
トK1300、(株)帝人製〕2部およびテトラヒドロ
フラン16部を混合溶解して溶液とした後、これを前記
電荷発生層上にドクターブレードを用いて塗布し、80
℃で2分間、ついで120℃で5分間乾燥して厚さ約2
μmの電荷搬送層を形成せしめて感光体を作製した。 VPO(ボルト)−1068、E1/2(ルックス・
秒)1.32
て、新規なジヒドロキシスチルベン化合物とその製造方
法が提供できる。この化合物はジヒドロキシル基を高分
子化の官能基として利用することにより、高分子型の電
荷搬送物質に誘導することができる。
トル図、
トル図、
トル図、
トル図、
トル図。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式Iで表わされることを特徴と
するジヒドロキシスチルベン化合物。一般式I 【化1】 (式中、Ar1,Ar2は、置換もしくは無置換の炭素環
式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一でも異なって
いてもよい) - 【請求項2】 下記一般式IIで表わされることを特徴と
するスチルベン化合物。一般式II 【化2】 (式中、Ar1,Ar2は、置換もしくは無置換の炭素環
式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一でも異なって
いてもよい。R1,R2は置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアシル基を表し、同一でも異
なっていてもよい。) - 【請求項3】 下記一般式IIIで表されることを特徴と
するヒドロキシ基を有するスチルベン化合物。 一般式III 【化3】 (式中、Ar1,Ar2は、置換もしくは無置換の炭素
環式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一でも異なっ
ていてもよい。R1は置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアシル基を表す。) - 【請求項4】 下記一般式IVで表されることを特徴とす
るジアセトキシスチルベン化合物。 一般式IV 【化4】 (式中、Ar1,Ar2は、置換もしくは無置換の炭素環
式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一でも異なって
いてもよい。) - 【請求項5】 下記一般式V一般式V 【化5】 (式中、Ar1,Ar2は、置換もしくは無置換の炭素環
式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一でも異なって
いてもよい。R1,R2は水素原子、置換もしくは無置換
のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基を表し、
同一でも異なっていてもよい。ただし、R1,R2は同時
に水素原子の場合はのぞく。)で表されるスチルベン化
合物を脱アルキル化または脱アシル化させることを特徴
とする下記一般式VI一般式VI 【化6】 (式中、Ar1,Ar2は、置換もしくは無置換の炭素環
式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一でも異なって
いてもよい。R1は水素原子、置換もしくは無置換のア
ルキル基、置換もしくは無置換のアシル基を表す。)で
表されるヒドロキシ基を有するスチルベン化合物の製造
方法。 - 【請求項6】 下記一般式VII一般式VII 【化7】 (式中、Ar1,Ar2は、置換もしくは無置換の炭素環
式芳香族基の一価基を表し、それぞれ同一でも異なって
いてもよい。)で表されるアルデヒド化合物と下記一般
式VIII 一般式VIII 【化8】 〔式中、R1,R2は水素原子、置換もしくは無置換の
アルキル基、置換もしくは無置換のアシル基を表し、同
一でも異なっていてもよい。Yは−P+(R3)3X-(こ
こでR3はフェニル基または低級アルキル基、Xはハロ
ゲン原子を表す。)で表されるホスホニウム塩または−
PO(OR4)2(ここでR4は低級アルキル基を表
す。)で表されるジアルキル亜燐酸基である。〕で表さ
れるリン化合物とを反応させることを特徴とする請求項
1または請求項2記載のスチルベン化合物の製造方法。 - 【請求項7】 下記一般式IX 一般式IX 【化9】 (式中、R1,R2は、置換もしくは無置換のアルキル基
であって同一でも異なっていてもよい。)で表されるア
ミノ化合物と下記一般式X 一般式X Ar1X (式中、Ar1は、置換もしくは無置換の炭素環式芳香
族基の一価基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)およ
び下記一般式XI 一般式XI Ar2X (式中、Ar2は、置換もしくは無置換の炭素環式芳香
族基の一価基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表
されるハロゲン化合物とを反応させることを特徴とする
請求項2に記載のスチルベン化合物の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07889395A JP3541076B2 (ja) | 1994-04-06 | 1995-04-04 | ジヒドロキシスチルベン化合物とその製造方法 |
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JP6851394 | 1994-04-06 | ||
JP6-68513 | 1994-10-28 | ||
JP6-265299 | 1994-10-28 | ||
JP26529994 | 1994-10-28 | ||
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JPH08176079A true JPH08176079A (ja) | 1996-07-09 |
JP3541076B2 JP3541076B2 (ja) | 2004-07-07 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006036701A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Ricoh Co Ltd | 新規なホスホン酸エステル固相支持体、オレフィン固相支持体及びそれらの製造方法ならびに、それらを用いたオレフィン化合物の製造法 |
JP2009520045A (ja) * | 2005-12-17 | 2009-05-21 | メルク パテント ゲーエムベーハー | 共役ポリマー、その調製及びその使用 |
-
1995
- 1995-04-04 JP JP07889395A patent/JP3541076B2/ja not_active Expired - Fee Related
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