JP4115555B2 - アゼピン構造を有する新規な三置換エチレン系化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用感光体並びに有機電界発光(EL)素子などに用いられる電荷輸送剤として有用な三置換エチレン系化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式において使用される感光体の光導電性素材として用いられているものに、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機物質がある。
ゼログラフィーの方式はすでにカールソンが米国特許第2,297,691号に明らかにしたように、画像露光の間に受けた照射量に応じその電気抵抗が変化する、通常は絶縁性の物質をコーティングした、支持体よりなる光導電性材料を用いる。この光導電性材料は一般に適当な間の暗順応の後、暗所で、まず一様な表面電荷を与えられる。次に、これは照射パターンの種々の部分に含まれる相対エネルギーに応じて表面電荷を減らす効果を有する照射のパターンに露光される。このようにして感光層表面に残った表面電荷又は静電潜像は次にその表面が適当な検電表示物質で接触されて可視像となる。このような表示物質すなわちトナーは絶縁液中に含まれようと乾燥担体中に含まれようと、電荷パターンに応じて、感光層表面上に付着させることができる。付着した表示物質は、熱圧力、溶媒蒸気のような公知の手段により定着することができる。又第2の支持体(例えば紙、フイルムなど)に転写することができる。同様に静電潜像を第2の支持体に転写し、そこで現像することも可能である。
電子写真法はこの様にして画像を形成するようにした画像形成法の一つである。このような電子写真法において感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な位置に帯電できること、(2)暗所において電荷の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸脱せしめうることなどがあげられる。従来用いられている前記無機物質は、多くの長所を持っていると同時にさまざまな欠点を有していることは事実である。例えば、現在広く用いられているセレンは、前記(1)〜(3)の条件は十分に満足するが、製造する条件がむずかしく、製造コストが高くなり、可撓性がなく、ベルト状に加工することがむずかしく、熱や機械的の衝撃に鋭敏なため取扱いに注意を要するなどの欠点もある。硫化カドミウムや酸化亜鉛は、結合剤としての樹脂に分散させて感光体として用いられているが、平滑性、硬度、引張り強度、耐摩擦性などの機械的な欠点があるためにそのままでは反復して使用することができない。
【0003】
近年、これら無機物質の欠点を排除するためにいろいろの有機物質を用いた電子写真用感光体が提案され、実用に供されているものもある。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロフルオレン−9−オンとからなる感光体(米国特許第3,484,237号)、ポリ−N−ビニルカルバゾールをピリリウム塩系色素で増感したもの(特公昭48−25658号)、有機顔料を主成分とする感光体(特開昭47−37543号)、染料と樹脂とからなる共晶錯体を主成分とする感光体(特開昭47−10735号)、ヒドラゾン系化合物を主成分とする感光体(特開昭57−101844号、同54−150128号)、芳香族三級アミン系化合物を主成分とする感光体(特公昭58−32372号)、および、スチルベン系化合物を主成分とする感光体(特開昭58−198043号)などである。これらの感光体は優れた特性を有するものであり、実用的にも価値が高いと思われるものであるが、電子写真法において、感光体に対するいろいろの要求を考慮すると、まだ、これらの要求を十分に満足するものが得られていないのが実情である。そこで、有機物質を用いた電子写真用感光体の研究は現在でも盛んに行われており、最近、公開された特許出願では、新規なヒドラゾン化合物(特開平8−143550号)やカルバゾール系スチルベン化合物(特開平8−59615号)および三置換エチレン系化合物(特開昭63−225660号、特開平9−59256号)などが開示されている。
【0004】
バンスライクおよびタンらは例えば米国特許第4,539,507号、同第4,720,432号、特開平5−234,681号においてフェニル基、フェニレン基、又はビフェニレン基を含む芳香第三級アミンを内部接合有機EL装置の正孔注入・輸送帯域に使用すると光出力の安定性が向上し、それによって動作寿命が延びることを明らかにした。その後更なる光出力の安定性を計るためにこの正孔注入輸送帯域に用いる芳香族第三級アミンの改良は多くの研究者により試みられ、多くの特許出願および学術文献への報告がなされている。その例をあげればビフェニル系の三級アミンに関してJapanese Journal ofApplied Physics,27,L269(1988)、特開昭59−194393号、Appl.Phys.Lett.66,2679(1995)、特開平5−234681号、同7−331238号、同8−48656号、およびWO95/09147号など、スダーバースト系の三級アミンに関して、Appl.Phys.Lett.65,807(1994)、特公平7−110940号などがある。しかしながらこれまで公知の化合物は、その性能が十分とはいえず、更なる改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は電子写真用感光体、有機電界発生素子などに用いられる新規な化合物を提供することを目的とする。
さらに本発明は電子写真用感光体並びに有機電界発光(EL)素子に用いられ、優れた電荷輸送能や、保存安定性を示す新規な三置換エチレン系化合物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討した結果、分子内に特定のアゼピン構造を有する三置換エチレン系化合物が、電荷輸送能や保存安定性が高く、上記目的を満足することを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち本発明は一般式(I)で表わされる三置換エチレン系化合物、
【0008】
【化2】
Figure 0004115555
【0009】
(式中、(A)はo−アリーレン基を表わす。Ar1 およびAr2 はアリール基を表わし、Ar3 はアリーレン基を表わす。R1 およびR2 はハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、ジアルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ又はジアリールアミノ基を表わす。sおよびmは0ないし4の整数を表わす。)
を提供するものである。
なお、本発明において、上記一般式(I)中の(A)、Ar1 、Ar2 、Ar3 、R1 およびR2 が示すそれぞれの基は、以下の説明から明らかなように無置換のものだけでなく、さらに置換基で置換されたものも包含する意味である。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、一般式(I)における(A)、Ar1 、Ar2 、Ar3 、R1 、R2 、sおよびmについて説明する。
【0011】
(A)は置換又は無置換のo−アリーレン基を表わすが、その具体例(無置換の基の例で示す)を示せば、例えば下記の基である。
【0012】
【化3】
Figure 0004115555
【0013】
(A)が置換基を有する場合、好ましい置換基は後述するR1 およびR2 と同義の基である。
【0014】
好ましい(A)は置換もしくは無置換のo−フェニレン基であり、特に好ましくは無置換又はアルキル基置換のo−フェニレン基である。
【0015】
Ar3 は置換又は無置換のアリーレン基を表わすが、詳しくは、置換又は無置換のフェニレン、ナフチレン、ビフェニレン又はアントリレン基などを表わす。
【0016】
Ar3 が置換基を有する場合、好ましい置換基は後述するR1 およびR2 と同義の基である。
【0017】
好ましいAr3 は置換又は無置換のフェニレン基であり、特に好ましくは無置換のp−フェニレン基である。
【0018】
Ar1 およびAr2 は置換又は無置換のアリール基を表わすが、詳しくは置換もしくは無置換のフェニル、ナフチル、フェナントレニル又はピレニル基などを表わす。Ar1 およびAr2 は互いに、直接もしくは間接に結合して環(好ましくは5〜7員環)を形成してもよい。Ar1 およびAr2 が置換基を有する場合、好ましい置換基は後述するR1 およびR2 と同義の基である。
【0019】
好ましいAr1 およびAr2 は置換もしくは無置換のフェニル基であり、特に好ましくは無置換もしくはアルキル基置換フェニル基である。
1 およびR2 はハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、ジアルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、又はジアリールアミノ基を表わすが、詳しくは、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素のハロゲン原子、無置換の基を例にとって言えば炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜36のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜36のアリールオキシ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数7〜42のN−アルキル−N−アリールアミノ基又は炭素数12〜48のジアリールアミノ基である。
【0020】
ハロゲン原子以外の場合をより具体的に示せば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ドデシル、もしくはシクロヘキシル、などのアルキル基、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、ナフタセニル、ペンタセニルもしくはペンタフェニルなどのアリール基、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、オクチルオキシ、もしくはドデシルオキシなどのアルコキシル基、フェノキシ、ナフトキシ、アントラセノキシ、もしくはペンタセノキシなどのアリールオキシ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジオクチルアミノもしくはN−エチル−N−ブチルアミノなどのジアルキルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ、N−イソプロピル−N−(3−メチルフェニル)アミノ、N−メチル−N−(1−ナフチル)アミノ、もしくはN−ブチル−N−(1−ナフタセニル)アミノなどのN−アルキル−N−アリールアミノ基、又は、ジフェニルアミノ、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ、N−(1−ナフチル)−N−(1−ナフチル)アミノ、N−フェニル−N−(1−アントラセニル)アミノ、もしくはN−(1−アントラセニル)−N−(1−フェナントレニル)アミノなどのジアリールアミノ基である。
【0021】
これらの基が置換基を有する場合、その置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、シリル基又はアゾリル基があげられる。
【0022】
1 およびR2 について好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基又はジアリールアミノ基であり、特に好ましくは、アルキル基又はジアルキルアミノ基である。
【0023】
sおよびmは0ないし4の整数を表わすが、好ましくは0又は1である。
【0024】
次に本発明の一般式(I)で表わされる化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【化4】
Figure 0004115555
【0026】
【化5】
Figure 0004115555
【0027】
【化6】
Figure 0004115555
【0028】
【化7】
Figure 0004115555
【0029】
次に本発明の化合物の合成法について以下説明する。代表的合成法を(スキーム1)に示した。
【0030】
【化8】
Figure 0004115555
【0031】
(スキーム1)における[]から一般式(I)で表わされる化合物を形成する反応(二重結合形式反応)はWittig−Horner−Emmons反応として有名であり、通常エタノール、トリエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中で、塩基としてはナトリウムやカリウムアルコキシド、水素化ナトリウム又はナトリウムアミドなどを用いて反応は行われる(「新実験化学講座」第14−(I)巻、238頁、1977、丸善(株))。化合物[]と[]の反応は好ましくは化合物[]と[]との反応モル比1:0.5〜1:1.5の範囲で、反応温度−10〜100℃、反応時間0.5〜48時間で行われるが、これに限定されるものではない。
ベンゾアゼピン、の合成は、B.Renfroe,C.Harrington,G.R.Proctor,”The Chemistry of Heterocyclic Compounds”,Vol.43、Part 1、1984、John Wiley & Sons Inc.およびH.C.Axtell et al.,J.Org.Chem.,56、3906(1991)に記載の方法に基づき行うことができる。
]から[]の合成は、金属銅触媒と塩素を用いるウルマン型反応を基本とした合成法であり(米国特許第4,764,625号参照)、[]から[]の合成はグリニャール試薬又はリチウム試薬とジメチルホルムアミド(DMF)やトリエチルオルソエステルの反応によるアルデヒド合成法である。
【0032】
【実施例】
以下に実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0033】
実施例1(例示化合物(1)の合成)
9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピン18.2g(75mmol)と1−ブロモ−4−ヨードベンゼン63.7g(225mmol)、水酸化カリウム5.0g(90mmol)および銅粉2.0gとデカリン50mlを混合し、窒素気流下外温200℃で約1週間加熱撹拌した。室温近くに冷却した後クロロホルムを加え、不溶物を除くためセライトろ過を行った。ろ液に水を加え、抽出操作を行い、得られた反応濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより9−(4−ブロモフェニル)トリベンズ[b,d,f]アゼピン15.5g(収率52%)を得ることができた。
9−(4−ブロモフェニル)−9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピン13g(33mmol)をテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、アルゴン気流化−78℃に冷却した。その中にn−ブチルリチウムの2.5M濃度のn−ヘキサン溶液を15.2ml(38mmol)滴下し後30分間撹拌した。次にその中にジメチルホルムアミド(DMF)3.9ml(50mmol)を滴下し、約1時間撹拌し、徐々に室温まで昇温した。反応液に希硫酸を加え、次にクロロホルムで抽出し、反応濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィで精製することにより、9−(4−ホルミルフェニル)−9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピン8.6g(収率75%)を得ることができた。
9−(4−ホルミルフェニル)トリベンズ[b,d,f]アゼピン8.0g(23.0mmol)とジフェニルメチルホスホン酸ジエチル7.6g(25.0mmol)のジメチルスルホキシド(DMSO)(50ml)溶液に95%カリウムt−ブトキシド3.0g(25.0mmol)を加えた。室温下約10時間撹拌し、反応液に水を加え、クロロホルム抽出操作を行ない、抽出液を濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製することにより、例示化合物(1)を白色結晶として8.0g(収率70%)得ることができた。
【0034】
実施例2(例示化合物(3)の合成)
実施例1で得た9−(4−ホルミルフェニル)−9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピン10.0g(28.8mmol)とビス(4−メチルフェニル)メチルホスホン酸ジエチル10.0g(30.0mmol)のDMSO(100ml)溶液にカリウムt−ブトキシド3.5g(30.0mmol)を加えた。以下実施例1と同様の操作により、例示化合物(3)を白色結晶として10.7g(収率72%)得ることができた。
【0035】
実施例3(例示化合物(9)の合成)
5H−ジベンズ[a,d]ジクロペプテン−5−オン10.0g(48.5mmol)をメタノールとテトラヒドロフラン(THF)の混合溶媒に溶かし、その中にNaBH4 1.0g(26.4mmol)を少しずつ加えた。約2時間撹拌後水を加え酢酸エチルで抽出操作を行い、抽出液を濃縮してメタノールで再結晶することにより、5−ヒドロキシ−5H−ジベンズ[a,d]シクロヘプテン9.6g(収率95%)を得た。
5−ヒドロキシ−5H−ジベンズ[a,d]シクロヘプテン9.0g(43.2mmol)とアセチルブロミド50mlを混合し、加熱還流を約30分行い、その後、過剰のアセチルブロミドを減圧留去し、残留物に亜リン酸トリエチル70g(421mmol)を加え徐々に150℃(外温)まで加熱した。副生するブロモエタンを系外に除きながら約2.5時間加熱した。その後過剰の亜リン酸トリエチルを減圧留去し、残留物に水と酢酸エチルを加え抽出操作を行い、抽出液を減圧濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより、5H−ジベンズ[a,d]シクロヘプテニルホスホネート11.3g(収率80%)を得た。
5H−ジベンズ[a,d]シクロヘプテニルホスホネート10.0g(30.5mmol)と実施例1に合成した9−(4−ホルミルフェニル)−9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピン9.7g(27.9mmol)をDMSOに溶かし、その中にカリウムt−ブトキシド3.4g(30.3mmol)を加え、室温下約20時間、50℃で約10時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出操作を行ない、抽出液の濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製すると例示化合物(9)を白色結晶として10.8g(収率74%)得ることができた。
【0036】
実施例4(例示化合物(10)の合成)
トリベンゾシクロヘプタトリエノンから実施例3と同様にして5−ヒドロキシ−5H−トリベンズ[a,d,f]シクロヘプテンを合成し、そのブロム化、ホスホネート化により、5H−トリベンゾ[a,d,f]シクロヘプテニルホスホネートを含有率75%で合成することができた。
このホスホネートと実施例3と同様にして9−(4−ホルミルフェニル)−9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピンを反応させることにより例示化合物(10)を白色結晶として収率71%で得ることができた。
【0037】
実施例5(例示化合物(16)の合成)
1−メトキシ−9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピンから実施例1と同様にして9−(4−ホルミルフェニル)−9H−トリベンズ[b,d,f]アゼピンを合成し、それと(4−ビフェニル)フェニルメチルホスホン酸ジエチルを反応させることにより例示化合物(16)を含有率68%で得ることができた。
【0038】
【発明の効果】
本発明による新規なアゼピン構造を有する三置換エチレン系化合物は電荷輸送能や保存安定性に優れ、電子写真感光体又は有機電界発光(EL)素子用材料に用いることにより、それらの性能を改良するのに効果がある。特に本発明の化合物は電子写真感光体に用いた時に高性能の感光体を与え、その性能を大幅に向上させた。

Claims (1)

  1. 一般式(I)で表わされる三置換エチレン系化合物。
    Figure 0004115555
    (式中、(A)はo−アリーレン基を表わす。Ar1 およびAr2 はアリール基を表わし、Ar3 はアリーレン基を表わす。R1 およびR2 はハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、ジアルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ又はジアリールアミノ基を表わす。sおよびmは0ないし4の整数を表わす。)
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