JPH08157255A - 高密度MnZnフェライトの製造方法 - Google Patents

高密度MnZnフェライトの製造方法

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JPH08157255A
JPH08157255A JP6323747A JP32374794A JPH08157255A JP H08157255 A JPH08157255 A JP H08157255A JP 6323747 A JP6323747 A JP 6323747A JP 32374794 A JP32374794 A JP 32374794A JP H08157255 A JPH08157255 A JP H08157255A
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JP
Japan
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powder
grain size
high density
present
sintering
Prior art date
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Pending
Application number
JP6323747A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Fujimura
美一 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来より磁気特性に優れ、微小で均一な結晶
組織からなるヘッド材料の製造方法を供する。 【構成】 鉄、マンガン、亜鉛の硝酸塩とアミノ酸との
錯体の溶液を沸点以上に加熱して得られた粉末を使用し
て成形体を作製し、この成形体を一次焼結して相対密度
が97%以上の焼結体とし、更にHIP処理して、平均
結晶粒径が10μm以下である高密度MnZnフェライ
トとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度磁気記録用ヘッ
ド材料に使用される高密度MnZnフェライトの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA(オフィスオートメーショ
ン)およびHA(ホームオートメーション)化の推進に
伴い、オフィスコンピューターおよびパーソナルコンピ
ューターの普及はめざましいものがある。これらのコン
ピューターの外部記憶装置として必要不可欠なものにフ
ロッピーディスク装置(FDD)及びハードディスク装
置(HDD)がある。これらの装置に使用される磁気ヘ
ッド用フェライトとしては高密度かつ超精密な加工を施
すために、できるだけ結晶粒径が小さく、粒径分布がシ
ャープなものが要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高密度磁気記録用ヘッ
ド材としてのMnZnフェライトは、通常、従来からの
粉末冶金的なプロセスで製造されており、どうしても工
程が長くなるためにコストの低減が難しいという欠点が
あった。また、微小な結晶粒径を得るために長時間の原
料混合および仮焼後に長時間の微粉砕を行うことが必要
不可欠であった。これら長時間の粉砕は、生産能力を低
下させるばかりでなく、不純物の混入による特性の劣化
という点で問題があった。したがって本発明が解決しよ
うとする課題の一つは、製造プロセスを短縮化すること
によって製造コストを低減し、安価なヘッド材を提供す
ることにある。もう一つの課題は、原料の均一混合及び
不純物の混入量を極度に減少させたフェライト粉末を用
いることによって従来よりも特性の優れたヘッド材を提
供することにある。さらには、微細で粒度分布のシャー
プな粉末を用いることにより、従来よりも結晶粒径が微
細で粒径分布が均一なヘッド材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、高密度
かつ小粒径で磁気特性の優れたヘッド材を安価に提供す
ることができる。
【0005】すなわち、本発明においては、鉄、マンガ
ン、亜鉛の硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を溶媒の沸
点以上に加熱して粉末を得る。このようにして得られた
粉末を成形し、焼結した後に熱間静水圧プレス(HI
P)処理を施すことで得られるものである。
【0006】本発明の製造方法において、それぞれの金
属成分はイオンとして溶液中で均一に混合されるので、
原子レベルで組成が均一に混合されるので、原子レベル
で組成が均一な酸化物磁性粉末が得られる。さらに、粉
末粉砕工程を必要としないために、粉砕工程で生じる不
純物の汚染がない。これらのことにより、本発明におい
ては、磁気特性の優れたヘッド材を提供することができ
る。
【0007】また、本発明においては、成形及び焼結に
適した微細で、かつ粒度分布がシャープである粉末を直
接得ることができるために、低温焼結でも十分に緻密化
した焼結体を得ることができる。そのために、得られる
焼結体は高密度であり、結晶粒径の小さいものとなる。
【0008】また、本発明の粉末製造方法においては、
従来一般的に行われてきた予焼、粉砕といった工程を必
要としないために、その分、製造プロセスを短縮するこ
とができ、製造コストを低減することができる。よっ
て、安価な製品を提供することができる。
【0009】
【作用】本発明の製造方法において、それぞれの金属成
分はイオンとして溶液中で均一に混合される。さらにこ
の溶液を加熱乾燥することにより、溶液の溶媒を除去す
ると残留物が自己発火する。この反応は、高温かつ短時
間であるため、粉末粒径が0.5μm程度と微細で、な
おかつ組成が均一であり、スピネル率の高い粉末が得ら
れる。さらに粉末粒径が微細でかつ粒度分布がシャープ
であるために、1100℃程度の比較的低温の焼結温度
でも焼結体の相対密度は98%程度となる。さらにこの
焼結体の平均結晶粒径は4μm程度と非常に微細であ
る。よって、この焼結体に熱間静水圧プレス(HIP)
処理を施すことで得られる製品は、相対密度が99.9
〜100%で平均結晶粒径が6μm程度の高密度かつ結
晶粒径の小さいものになる。
【0010】また、本発明において得られたヘッド材に
おいては従来材に比べ初透磁率(μ)の高周波特性が優
れている。これは先に述べたように組成が均一であり不
純物の混入がないことと、粒径が小さく均一なために粒
界の面積が大きくなり比抵抗(ρ)が上昇し、渦電流損
失が減少したためであると考えられる。
【0011】さらに、本発明の粉末製造方法においては
従来一般的に行われてきた予焼、粉砕といった工程を必
要としないために、その分製造プロセスを短縮すること
ができ、製造コストを低減することができる。よって、
安価な製品を提供することができる。
【0012】以上のことより、本発明の製造方法による
と、高密度かつ小粒径で磁気特性の優れたヘッド材を安
価に提供することができる。
【0013】
【実施例】本発明の製造方法を実施例により、比較例と
対比して説明する。
【0014】(実施例)高純度の硝酸鉄(3価の鉄)、
硝酸マンガン、硝酸亜鉛を酸化鉄換算で30MnO−1
7ZnO−53Fe23(mol%)となるように秤量
し、純水中に溶解した。この溶液中にアミノ酢酸を硝酸
鉄(3価の鉄)、硝酸マンガン、硝酸亜鉛の総重量に対
して15wt%となるように添加し、混合した。次にこ
の溶液を300℃の加熱雰囲気中に噴霧し酸化物磁性粉
末を得た。この粉末に、0.015wt%のSiO2
0.03wt%のCaOおよびバインダーとしてPVA
5%水溶液を20wt%添加し、ボールミルにて30分
混合した後、スプレードライヤーにより乾燥造粒し、成
形用粉末を得た。この成形用粉末を水分調整後、乾式自
動プレス装置を用いて相対密度58〜60%になるよう
に成形し、得られた成形体を窒素雰囲気中で1000〜
1400℃の焼結温度で、3時間焼結(一次焼結)し、
焼結体を得た。さらにこの焼結体をArガス中で温度1
150℃、圧力1000Kg/cm2、保持時間4時間
の条件のもとHIP処理して試料を得た。
【0015】(比較例)比較例として、従来の工程によ
って高密度MnZnフェライトの製造を行った。30M
nO−17ZnO−53Fe23(mol%)となるよ
うに酸化鉄(3価の鉄)、酸化マンガン、酸化亜鉛を秤
量し、また、副成分として0.015wt%のSiO2
0.03wt%のCaOを添加し、ボールミルにて40
時間混合し、ろ過、乾燥した粉末を850℃、大気中で
2時間仮焼した。続いてこの粉末をボールミルにて20
時間粉砕し、バインダーとして5%PVA水溶液を20
wt%混合し、スプレードライヤーで造粒し、成形用粉
末を得た。水分調整後、この成形用粉末を乾式自動プレ
ス装置を用いて相対密度58〜60%になるように成形
し、得られた成形体を窒素雰囲気中で1100〜130
0℃の焼結温度で、3時間焼結(一次焼結)し、焼結体
を得た。さらにこの焼結体をArガス中で1250℃、
1000Kg/cm2、4時間HIP処理して試料を得
た。
【0016】実施例および比較例によって得られた試料
の磁気特性を表1に、また、実施例と比較例において、
それぞれ最も良好な特性を示した試料番号No3とNo
7について、平均結晶粒径と周波数5MHzにおける透
磁率との関係を図1に示す。図中Aは実施例No3に、
BはNo7に対応している。
【0017】
【表1】
【0018】また、No3およびNo7について、焼結
体の結晶粒径分布を図2に示した。
【0019】表1及び図1より本発明による試料では従
来材に比べμの高周波特性が優れていることがわかる。
また、本発明による工程で得られた試料は、従来材と比
較し、100℃低い焼結、HIP温度でほぼ理論値に近
い密度が得られている。これは、原料粉末の粒径が微細
でかつ粒度分布がシャープであるために焼結性が向上し
たためであると考えられる。このことにより、発熱体お
よび炉材の寿命が延び、さらに低コスト化が可能とな
る。また、本発明においては焼結温度は1000〜13
00℃が適当であり、1400℃以上になると結晶粒径
が大きくなり過ぎ好ましくなく、900℃以下であると
HIP処理後でもあまり密度が上がらずヘッド材として
使用できない。ちなみに高密度磁気記録用ヘッド材とし
ては相対密度で98%以上であることが必要とされてい
る。さらに、図2より本発明による試料は従来材に比べ
平均結晶粒径が小さく、粒径分布がシャープであること
がわかる。
【0020】
【発明の効果】以上述べたごとく本発明によれば、鉄、
マンガン、亜鉛の硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、
溶媒の沸点以上から400℃以下の温度で加熱して得ら
れる粉末を用いることで従来よりも磁気特性の優れた、
微小で均一な結晶組織からなるヘッド材を安価に提供す
ることが可能であり、工業的利用価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で得られた本発明品Aと、
比較材Bの平均結晶粒径と透磁率(at周波数5MH
z)の関係を示した特性図。
【図2】実施例および比較例で得られた本発明品Aと、
比較材Bのうちでそれぞれ最も特性が良かった試料の結
晶粒径の粒径分布を示したグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄、マンガン、亜鉛の硝酸塩とアミノ酸
    との錯体の溶液を、その溶媒の沸点以上に加熱して得ら
    れる粉末を成形、焼結した後に熱間静水圧プレス処理す
    ることを特徴とする高密度MnZnフェライトの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法において、焼結
    後の相対密度が97%以上で、かつHIP処理後の平均
    結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする高密度
    MnZnフェライトの製造方法。
JP6323747A 1994-11-30 1994-11-30 高密度MnZnフェライトの製造方法 Pending JPH08157255A (ja)

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