JPH08154696A - L−ケトヘキソースの製造方法 - Google Patents

L−ケトヘキソースの製造方法

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JPH08154696A
JPH08154696A JP7252038A JP25203895A JPH08154696A JP H08154696 A JPH08154696 A JP H08154696A JP 7252038 A JP7252038 A JP 7252038A JP 25203895 A JP25203895 A JP 25203895A JP H08154696 A JPH08154696 A JP H08154696A
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ketohexose
tagatose
fructose
psicose
sorbose
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Takeshi Ikumori
健 何森
Keiji Tsuzaki
桂二 津▲崎▼
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/24Preparation of compounds containing saccharide radicals produced by the action of an isomerase, e.g. fructose

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 L−ケトヘキソースの工業的製造方法の確立
を課題とする。 【解決手段】 D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ
を用いてL−プシコース又はL−ソルボースからそれぞ
れL−フラクトース又はL−タガトースを製造する方法
により解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、L−ケトヘキソー
スの製造方法に関するものであり、更に詳細には、L−
プシコース又はL−ソルボースに作用しそれぞれL−フ
ラクトース又はL−タガトースを生成する酵素を用いて
L−プシコース又はL−ソルボースからそれぞれL−フ
ラクトース又はL−タガトースを製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】L−フラクトース及びL−タガトース
は、L−ケトヘキソースに分類される単糖類で、自然界
には殆ど存在しない希少糖質である。その製造方法とし
ては、原理的には、有機化学的手法により製造すること
が可能である。即ち、L−グルコース又はL−マンノー
スをカセイソーダ、ピリジンなどのアルカリ性薬剤の共
存下で異性化させてL−フラクトースを製造する。ま
た、L−ガラクトースを同様にアルカリ性薬剤の共存下
で異性化させてL−タガトースを製造する。しかし、実
際には、原料となるL−グルコース、L−マンノースや
L−ガラクトースを入手することが困難であり、L−フ
ラクトースおよびL−タガトースを十分量製造する好適
な方法は現在まで報告されていない。尚、L−タガトー
スについては、本発明者等が先に特開平5−30898
4号公報でクレブジエラ属に属する細菌を用いて、ガラ
クチトールからの製造方法を開示した。しかし、この製
造方法は、大量の菌体および長時間の培養を必要とし、
精製も煩雑で未だ実現していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、生化学工業が急
速に発達し、糖質化学の分野においても、新たな糖質の
開発が望まれている。L−フラクトース又はL−タガト
ースは、大量製造方法が確立されていない。従って、未
だ、食品工業、医薬品工業、化学工業などの工業原料と
して使用されるに至っていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、L−フラ
クトース及びL−タガトースなどのL−ケトヘキソース
を生化学的手段により大量、安価に製造することを目的
に鋭意研究した。その結果、本発明者等が先に発見し、
特開平6−125776号公報で開示しているD−ケト
ヘキソース・3−エピメラーゼが、意外にもL−ケトヘ
キソースに作用し、とりわけ、L−プシコース又はL−
ソルボースによく作用してそれぞれL−フラクトース又
はL−タガトースを多量生成することを見いだし、L−
フラクトース又はL−タガトースの工業的製造方法とし
ての全く新しい製造方法を確立して本発明を完成した。
【0005】本発明に用いるD−ケトヘキソース・3−
エピメラーゼは、通常、D−ケトヘキソース・3−エピ
メラーゼ産生能を有する微生物を培養して、D−ケトヘ
キソース・3−エピメラーゼを生成させればよい。
【0006】微生物としては、例えば、シュードモナス
属に属する細菌が適しており、具体的には、特開平3−
266996号公報に開示されているシュードモナス
チコリ ST−24(FERM BP−2736)及び
その変異株などが有利に利用できる。
【0007】培養方法は、常法にしたがって、炭素源、
窒素源、無機塩、ビタミンなどを含む栄養培地に約1乃
至5日間培養し、望ましくは、液体培地に通気撹拌など
により好気的条件下で培養し、得られる菌体又は培養上
清などの培養物からD−ケトヘキソース・3−エピメラ
ーゼを採取すればよい。通常、培養物を粗D−ケトヘキ
ソース・3−エピメラーゼとして利用することができ
る。必要ならば、培養物を濾過、遠心分離、塩析、透
析、濃縮、凍結乾燥など公知の方法で部分精製して採取
し、利用することができる。更に高度の精製を必要とす
る場合には、例えば、イオン交換体への吸着・溶出、ゲ
ル濾過、等電点分画、電気泳動、高速液体クロマトグラ
フィー、アフィニティークロマトグラフィー、更には、
モノクローナル抗体への吸着・溶出などを組合わせて最
高純度に高めて利用することも随意である。
【0008】また、D−ケトヘキソース・3−エピメラ
ーゼ、又はその酵素活性を有する微生物を公知の方法で
固定化し、本発明のL−プシコース又はL−ソルボース
を原料とし、これらからそれぞれL−フラクトース又は
L−タガトースへの変換反応に繰返し利用することも、
また、連続反応に利用することも有利に実施できる。こ
の変換反応は、通常、次の条件で行われる。基質濃度
は、1乃至60w/v%、望ましくは、約5乃至50w
/v%、反応温度は10乃至70℃、望ましくは、約3
0乃至60℃、反応pHは5乃至10、望ましくは、約
7乃至10、酵素活性は基質グラム当たり1単位以上、
望ましくは、10乃至5,000単位の範囲から選ばれ
る。反応時間は、適宜選択できるが、経済的にバッチ反
応の場合には、通常、5乃至50時間の範囲から選ばれ
る。
【0009】変換反応後の反応溶液は、原料のL−プシ
コース又はL−ソルボースと共に、新たに生成したL−
フラクトース又はL−タガトースを含有しており、これ
をそのまま甘味料、保湿剤、結晶析出防止剤、照り付与
剤などとして利用することも有利に実施できる。通常、
反応溶液は、常法に従い、活性炭を用いて脱色し、H型
及びOH型イオン交換樹脂を用いて脱塩して精製し、濃
縮して、シラップ状製品を得る。必要ならば、更にこの
濃縮液を、例えば、アルカリ金属型又はアルカリ土類金
属型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグ
ラフィーにより、新たに生成したL−フラクトース又は
L−タガトース高含有画分と、原料のL−プシコース又
はL−ソルボース高含有画分とを分離採取し、このL−
フラクトース又はL−タガトース高含有画分を精製、濃
縮し、シラップ状製品を得ることも、更に、晶出させ
て、結晶状製品を得ることも有利に実施できる。また、
この分離採取されたL−プシコース又はL−ソルボース
高含有画分を再度、変換反応の原料に用いることも有利
に実施できる。
【0010】このようにして得られたL−フラクトース
又はL−タガトースは、甘味料として好適であり、飲食
物、飼料、餌料、歯みがき、口中香錠、舌下錠、内服薬
などの経口摂取物の甘味付けや、嗜好性向上などに有利
に利用できる。また、発酵用炭素源、試薬、化学品・医
薬品の原料、中間体などとしても有利に利用できる。
【0011】以下、実験に基づき、D−ケトヘキソース
・3−エピメラーゼのL−ケトヘキソースに対する活性
について説明する。
【0012】
【実験】D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼの各種
L−ケトヘキソースに対する相対酵素活性を求めた。L
−プシコース、L−フラクトース、L−ソルボース及び
L−タガトースからなる4種類のL−ケトヘキソースを
それぞれ基質とし、これに実施例1の方法で製造した精
製D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼを作用させ
て、基質に対する酵素活性を求めた。反応条件は、基質
0.1M溶液(pH7.5)とし、酵素量を基質グラム
当たり、11単位加え、30℃で24時間反応させた。
対照の基質として、D−タガトースを使用し、この相対
酵素活性を100とした。結果は、表1に示した。
【0013】
【表1】
【0014】表1の結果から明らかなように、D−ケト
ヘキソース・3−エピメラーゼは、L−ケトヘキソース
の変換反応にも作用することが判明し、とりわけ、L−
プシコースによく作用して、L−プシコースをL−フラ
クトースに変換することが判明した。また、L−プシコ
ースとL−フラクトースとの変換反応は、平衡反応であ
って、その平衡点は、L−プシコースとL−フラクトー
スが、ほぼ3:7で圧倒的にL−フラクトース側に片寄
っており、L−フラクトースを製造する上で好都合であ
ることも判明した。また、L−ソルボースとL−タガト
ースとの変換反応も、平衡反応により行われることが判
明した。
【0015】以下、本発明の実施例を述べる。
【0016】
【実施例1】硫酸アンモニウム0.2w/v%、リン酸
一カリウム0.24w/v%、リン酸二カリウム0.5
6w/v%、硫酸マグネシウム・7水塩0.01w/v
%、酵母エキス0.5w/v%、D−グルコース1w/
v%及び脱イオン水からなる培養液をジャーファーメン
ターに取り、120℃で20分間滅菌した後、シュード
モナス チコリ ST−24(FERM BP−273
6)の種培養液1v/v%を無菌的に添加し、通気撹拌
しながら30℃で40時間培養した。得られた培養液8
0Lを遠心分離して集菌し、これを活性アルミナを用い
て磨砕し、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に
て酵素を抽出した。
【0017】この粗酵素抽出液を塩化マンガン存在下で
ポリエチレングリコール6000(以下、「PEG」と
略記する。)を用いた分画沈澱法を繰返して精製した。
即ち、0.1M塩化マンガン存在下でPEGの濃度が5
w/v%から18w/v%の間に生ずる沈澱を同一緩衝
液に溶解した。このPEG分画を2回繰返して精製し
た。次いで50℃で20分間の熱処理を行い、変性蛋白
質を遠心分離により除去した後、『DEAE−トヨパー
ル650M』に吸着させ、塩化カリウムを用いて溶出す
ることにより精製した。限外濾過(濾過膜は、東洋濾紙
『UK−10』を使用)により脱塩し、濃縮した後、
『セファデックスG150』(ファルマシア社製)を用
いたゲル濾過法により更に精製した。活性画分を濃縮
し、更にアンフォライン(LKB社製)を用いる焦点電
気泳動法により精製した。
【0018】本酵素の活性測定は次のように行った。即
ち、反応液組成は、50mM トリス塩酸緩衝液(pH
7.5)100μl、40mM D−タガトースを50
μl及び酵素液を50μlとした。反応は30℃で60
分間行い、生成物であるD−ソルボースを高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)により測定した。酵素活性
1単位は、1分間に1μmolのD−タガトースをエピ
マー化してD−ソルボースを生成する酵素量とした。
【0019】この酵素の精製工程を表2にまとめた。
【0020】
【表2】
【0021】表2の結果から明らかなように、この精製
工程によって、比活性は約290倍向上し、この時の活
性回収率は約2%であった。この精製D−ケトヘキソー
ス・3−エピメラーゼをL−プシコースの5w/v%水
溶液(pH7.5)に、L−プシコースグラム当たり
5,000単位の割合で加え、40℃で30時間反応し
た。反応後、反応液を常法に従って、活性炭を用いて脱
色し、次いで、『ダイヤイオンSK1B』(H型、三菱
化成工業株式会社製の商品)及び『ダイヤイオンWA3
0』(OH型、三菱化成工業株式会社製の商品)を用い
て脱塩して精製し、減圧濃縮してL−プシコースとL−
フラクトースとを含む濃度約60%の透明なシラップを
得た。次いで、『ダウエックス50W−X4』(塩型強
酸性カチオン交換樹脂、ダウケミカル社製の商品)を用
いるカラムクロマトグラフィーによりL−フラクトース
高含有画分とL−プシコース高含有画分とに分離し、更
に、このL−フラクトース高含有画分を、常法に従って
精製し濃縮し、晶出し、分離して結晶L−フラクトース
を原料に対して固形物当たり約60%の収率で得た。
【0022】本品の理化学的性質は、東京化成工業株式
会社から市販されている標準物質L−フラクトースのそ
れとよく一致した。本品は、甘味料、発酵用炭素源、試
薬、化学品、医薬品の原料、中間体などとして有利に利
用できる。また、本酵素反応が可逆的な反応であること
から、原料としてL−フラクトースを用いることによ
り、L−プシコースを製品として採取することも容易で
ある。
【0023】
【実施例2】L−プシコースの10w/v%水溶液(p
H7.0)に、実施例1の方法でPEG画分2回目まで
部分精製した酵素液を、L−プシコースグラム当たり
3,000単位の割合で加え、50℃で30時間反応さ
せた。反応後、反応液を実施例1と同様に、脱色し、脱
塩し、減圧濃縮してL−プシコースとL−フラクトース
とを約3:7の割合で含有する濃度約70%の透明なシ
ラップを、固形物当たり約90%の収率で得た。本品
は、上品な高甘味度甘味料として好適であり、各種飲食
物の甘味付け剤としてのみならず、保湿剤、結晶析出防
止剤、照り付与剤などとして有利に利用できる。
【0024】
【実施例3】実施例1の方法でPEG分画2回目まで部
分精製した酵素液を、『キトパールBCW2503』
(富士紡績株式会社製の商品)に固定化した。固定化は
樹脂に部分精製酵素を添加し30℃で2時間振盪して行
うことにより、酵素活性で約80%の酵素が固定化され
た。5w/v%のL−プシコース水溶液(pH7.5)
に、このようにして得た固定化酵素をL−プシコースグ
ラム当たり500単位の割合で加え、45℃で40時間
反応させた。反応後、反応液を実施例1と同様に、脱色
し、脱塩し、減圧濃縮してL−プシコースとL−フラク
トースとを約3:7の割合で含有する濃度約70%の透
明なシラップを、固形物当たり約90%の収率で得た。
本品は、上品な高甘味度甘味料として好適であり、各種
飲食物の甘味付け剤としてのみならず、保湿剤、結晶析
出防止剤、照り付与剤などとして有利に利用できる。
【0025】
【実施例4】実施例3の方法で得た固定化D−ケトヘキ
ソース・3−エピメラーゼを4w/v%のL−ソルボー
スを含有する0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)1
00mlに加え、45℃で90時間振盪して反応させ
た。次いで、固定化酵素を濾過分離した。
【0026】この反応液の上清を常法に従って活性炭で
脱色し、次いで、『ダイヤイオンSK1B』(H型、三
菱化成工業株式会社製の商品)、および『ダイヤイオン
WA30』(OH型、三菱化成工業株式会社製の商品)
を用いて脱塩し、減圧濃縮して、基質として用いたL−
ソルボースを不純物として含む約60%の透明なシラッ
プを得た。このシラップを『ダウエックス50WX4』
(Ca型カチオン交換樹脂、ダウケミカル社製の商品)
を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、濃縮
した後、L−タガトースを結晶化させて分蜜してL−タ
ガトース結晶を得た。L−タガトースのL−ソルボース
に対する収率は、固形物当たり約20%であった。
【0027】このようにして得られた製品を同定するた
めに、実験によりその理化学的性質を調べ、その性質を
文献に示されたD−タガトースの文献値と比較すると共
に、シグマ社から標準物質として市販されている試薬D
−タガトースの測定値と比較した。
【0028】(1)融点 本製品の測定値:131〜133℃ D−タガトースの文献値:134〜135℃ L−タガトースの文献値:133〜135℃ 文献:『ディクショナリー・オブ・オーガニック・コン
パウンズ』、第5版、第3巻、第5,097頁(198
2年)、チャップマン・アンド・ホール社
【0029】(2)比旋光度 本製品の測定値: [α]20 D = +6.1(c=5%、H2O) 試薬D−タガトースの測定値: [α]20 D = −5.8(c=5%、H2O)
【0030】(3)赤外線吸収スペクトル KBr錠剤法で測定した本製品の赤外線吸収スペクトル
を図1に示した。このスペクトルは、これとは別に測定
した標準物質としての試薬D−タガトースの赤外線吸収
スペクトルとよく一致した。
【0031】(4)高速液体クロマトグラフィーによる
分析 本製品をHPLC(装置及び条件:日本分光工業株式会
社製『880−PU』、日立製作所製『GL−C611
カラム』、溶離液は10-4M水酸化ナトリウム、温度は
60℃、流速は1ml/分、検出器は島津製作所製『R
ID−6A』)で分析したところ、その溶出位置は、標
準物質としての試薬D−プシコース、D−フラクトー
ス、D−ソルボースなどのD−ケトヘキソースとは異な
り、試薬D−タガトースと同一の22.2分であった。
【0032】以上の結果から明らかなように、本製品の
融点、赤外線吸収スペクトル、およびHPLCによる分
析値は、文献に示されたD−タガトースの文献値、また
はその標準物質としての試薬D−タガトースの測定値と
よく一致した。比旋光度については、標準物質としての
試薬D−タガトースの実測値と絶対値においてほぼ一致
し、旋光性(+、−)が逆であったことから、本発明の
方法で得られた製品は、L−タガトースであると判断さ
れる。
【0033】本製品は、稀少糖質としての試薬用途のみ
ならず、食品工業、医薬品工業、化学品工業における原
料、中間体などとしても有利に利用できる。
【0034】
【発明の効果】上記したことから明らかなように、本発
明は、従来得ることの極めて困難であったL−フラクト
ース及びL−タガトースを、生化学的方法により容易に
製造する方法を確立するものである。特に、D−ケトヘ
キソース・3−エピメラーゼを用いてL−プシコースを
原料としてL−フラクトースを生産できることを見出だ
したことは、L−フラクトースの製造方法にとって、極
めて有利である。すなわち、原料となるL−プシコース
は酸化還元反応によってD−タガトースあるいはD−プ
シコースから生産できるため、L−フラクトースの大量
生産が可能となった。
【0035】また、L−ソルボースを原料として、L−
タガトースを生産できることを見い出したことは、L−
タガトースの製造にとって極めて有利であり、原料のL
−ソルボースがソルビトールから大量、安価に生産され
ることから見ても好都合である。
【0036】従って、本発明の方法は、L−フラクトー
ス及びL−タガトースの工業的製造方法として好適であ
り、大量、安価な供給を容易にし、希少糖質としての試
薬用途のみならず、従来予想すらできなかった食品工
業、医薬品工業、化学品工業など広範な工業用途への途
を拓くものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で得たL−タガトースの赤外線吸
収スペクトルを示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−プシコース又はL−ソルボースを含
    有する溶液に、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ
    を作用させてそれぞれL−フラクトース又はL−タガト
    ースを生成せしめ、これを採取することを特徴とするL
    −ケトヘキソースの製造方法。
  2. 【請求項2】 D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ
    が、シュードモナス属に属する微生物由来の酵素である
    請求項1記載のL−ケトヘキソースの製造方法。
  3. 【請求項3】 L−ケトヘキソースを採取する方法が、
    塩型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグ
    ラフィーにより分離精製されたL−フラクトース又はL
    −タガトースを採取する方法である請求項1又は2記載
    のL−ケトヘキソースの製造方法。
  4. 【請求項4】 L−プシコース又はL−ソルボースを含
    有する溶液に、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ
    を作用させてそれぞれL−フラクトース又はL−タガト
    ースを生成せしめ、これを採取することを特徴とするL
    −ケトヘキソース含有甘味料の製造方法。
JP7252038A 1994-10-05 1995-09-06 L−ケトヘキソースの製造方法 Pending JPH08154696A (ja)

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TW084110431A TW399099B (en) 1994-10-05 1995-10-04 Process for producing L-ketohexose
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