JP4011496B2 - L−グルコースの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業の属する技術分野】
本発明は、L−フラクトースからのL−グルコースへの変換方法、L−グルコースを含有する酵素反応液、およびD−アラビノース イソメラーゼ含有酵素剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生化学工業が発達し、糖質化学の分野においても、従来、殆ど必要としなかった各種希少糖質の需要が起こりつつあり、これらの糖質の安定な製造方法の確立が望まれている。酵素反応による各種単糖類の製造方法は、例えば、本発明者らが先に特許出願した、特許文献1にD−アラビノースイソメラーゼ、特許文献2にL−リボースイソメラーゼ等のアルドースイソメラーゼ、特許文献3、や特許文献4にケトース3−エピメラーゼ等を用いる酵素反応による製造方法が記載されており、比較的容易に製造することが可能となった。
【0003】
一方、アルドヘキソースに分類される単糖類で、自然界にはほとんど存在しない希少糖であるL−グルコースは、各種の用途が期待されていたにもかかわらず、それらの供給量が少なく、高価値たることから、未だ工業的に広く利用されるには至っていない。L−グルコースの製造方法については、有機化学反応による製造方法の報告はあるものの、ほとんど研究されていないのが実情である。唯一酵素反応としてキャンディダ ユチリス(Candida utilis)の生産するD−キシロース イソメラーゼがL−フラクトースからL−グルコースを生産することは確認されている(特許文献5)。しかし、D−アラビノース イソメラーゼがL−フラクトースからL−グルコースを生産する報告は未だ存在しない。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−113875号公報
【特許文献2】
特願平8−144831号
【特許文献3】
特開平6−125776号公報
【特許文献4】
特開平8−154696号公報
【特許文献5】
米国特許第4,463,0093号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工業的に大量かつ安価に製造することのできるL−グルコースの製造方法、L−グルコースを含有する酵素反応液、及びD−アラビノース イソメラーゼ含有酵素剤を提供することを課題とする発明である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決することを目的として、L−グルコースを生化学的手法により、大量かつ安価に製造し得る方法について鋭意研究した。その結果、D−アラビノース イソメラーゼ(EC 5.3.1.3)をL−フラクトースに作用させたとき、意外にも、L−フラクトースからL−グルコースが生成することを新規に見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、L−フラクトースに酵素を作用させてL−グルコースに変換することを特徴とするL−グルコースの製造法を要旨とする。
【0008】
L−フラクトースとしてL−プシコースあるいはL−ソルビトールから変換したL−フラクトースを用いており、その場合、本発明は、L−プシコースあるいはL−ソルビトールから変換したL−フラクトースに酵素を作用させてL−グルコースに変換することを特徴とするL−グルコースの製造法を要旨とする。
【0009】
酵素として固定化酵素を用いており、その場合、本発明は、L−フラクトースに、必要に応じL−プシコースあるいはL−ソルビトールから変換したL−フラクトースに、固定化酵素を作用させてL−グルコースに変換することを特徴とするL−グルコースの製造法を要旨とする。
【0010】
酵素としてD−アラビノース イソメラーゼを用いており、その場合、本発明は、L−フラクトースに、必要に応じL−プシコースあるいはL−ソルビトールから変換したL−フラクトースに、D−アラビノース イソメラーゼ、好ましくは固定化D−アラビノース イソメラーゼを作用させてL−グルコースに変換することを特徴とするL−グルコースの製造法を要旨とする。
【0011】
L−フラクトースとしてL−フラクトース含有溶液を用いており、その場合、本発明は、L−フラクトース含有溶液に、必要に応じL−プシコースあるいはL−ソルビトールから変換したL−フラクトース含有溶液に、D−アラビノース イソメラーゼ、好ましくは固定化D−アラビノース イソメラーゼを作用させてL−グルコースに変換することを特徴とするL−グルコースの製造法を要旨とする。
【0012】
得られる反応溶液を、強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグロマトグラフィーにより分画してL−グルコースを高含有画分を得ており、その場合、本発明は、L−フラクトース含有溶液に、必要に応じL−プシコースあるいはL−ソルビトールから変換したL−フラクトース含有溶液に、D−アラビノースイソメラーゼ、好ましくは固定化D−アラビノース イソメラーゼを作用させてL−グルコースに変換し、得られる反応溶液を、強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグロマトグラフィーにより分画してL−グルコースを高含有画分を得ることを特徴とするL−グルコースの製造法を要旨とする。
【0013】
L−グルコースを甘味料として得ており、その場合、本発明は、L−フラクトース、必要に応じL−プシコースあるいはL−ソルビトールから変換したL−フラクトース、好ましくはL−フラクトース含有溶液に、酵素、好ましくは固定化酵素、より具体的にはD−アラビノース イソメラーゼ、好ましくは固定化D−アラビノース イソメラーゼを作用させてL−グルコースに変換し、必要に応じ得られる反応溶液を、強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグロマトグラフィーにより分画してL−グルコースを高含有画分を得ることを特徴とする甘味料の製造法、ならびに、該方法で製造された甘味料を要旨とする。
【0014】
また、本発明は、L−フルクトースをL−グルコースに変換する作用を有するD−アラビノース イソメラーゼを要旨とする。
【0015】
さらにまた、本発明は、L−フルクトースをL−グルコースに変換する作用を有するD−アラビノース イソメラーゼを含有する酵素剤を要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のL−グルコースの製造方法は、原料としてL−フラクトースを用いることを特徴としている。本発明の製造方法で用いるL−フラクトースは、生物化学的手法によって生産できることがすでに明らかとなっている。「ジャーナル オブ ファーメンテーション ビオエンジニアリング」第81巻、351乃至353頁(1996年)に記載された、L−プシコースからD−タガトース3−エピメラーゼを作用させて得られるL−フラクトースを例示することができる。また、特開平8−103286号公報に記載された、L−ソルビトールからL−フラクトース産生能を有する細菌(クレブジエラ プランティコーラ IFO 3317)を接触させて生成されるL−フラクトースを例示することができる。
【0017】
本発明に用いる酵素は、L−フラクトースからL−グルコースを生成する限り、その由来、起源を問わず、天然であろうと遺伝子組換え型であろうと、何れの酵素も利用でき、D−アラビノース イソメラーゼが好ましいものとして例示される。
D−アラビノース イソメラーゼは国際的な酵素番号「EC5.3.1.3」のペントース イソメラーゼとしては最も古くから研究されている酵素であり、例えば、メソッズ イン エンザイモロジー(Methods in Enzymology) 第41巻462−465頁(Academic Press Inc、1975年)に記載されている酵素である。D−アラビノースおよびD−リブロースの異性化を触媒する酵素であり、D−アラビノースおよびL−フコースが主な基質である。したがって、本発明に用いるD−アラビノース イソメラーゼは、L−フラクトースからL−グルコースを生成する限り、その由来、起源を問わず、天然であろうと遺伝子組換え型であろうと、何れのD−アラビノース イソメラーゼをも利用できる。
【0018】
D−アラビノース イソメラーゼは各種の微生物から容易に入手が可能である。D−アラビノースが存在する培養条件の時に、誘導的に生産される。通常、D−アラビノース イソメラーゼ産生能を有する微生物を培養して得ることができる。例えば、D−アラビノース イソメラーゼは各種の微生物をD−アラビノースを炭素源として培養すると、D−アラビノースが誘導剤となって菌体内に生産される。アエロバクター アエロゲネス(Aerobacter aerogenes) PRL-R3〔「ジャーナル オブ バクテリオロジー」第88巻、838−844(1964)〕などD−アラビノースに生育する各種微生物で酵素活性を得ることが容易に可能である。クレブシェラ ニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae) IFO 3318も同じようにD−アラビノース培地で培養する(栄養源、例えば、窒素源、無機塩および炭素源としてD−アラビノースあるいはL−フコースを含む培地、望ましくは、微酸性ないし微アルカリ性の液体培地に植菌し、温度約20℃〜35℃で、1〜10日間好気的条件下で培養する)ことで、菌体内にD−アラビノース イソメラーゼを誘導的に生産する。実施例1の40b株は、クレブシェラ ニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae)IFO 3318 を用いている。該微生物は、独立行政法人製品評価基盤機構・生物遺伝資源センター(NBRC)から入手可能である。
酵素を大量に構成的に産生する変異株を用いることは、D−アラビノース、あるいはL−フコースなどの高価な炭素源を必要としないので特に有利である。
【0019】
通常、得られた培養菌体からD−アラビノース イソメラーゼを抽出し、そのまま、あるいは固定化して反応に用いるが、それらに限定されない。つまり、用いる酵素の形態については、▲1▼菌体から酵素を取り出してから固定化する方法、▲2▼菌体を有機溶媒などで処理し菌体膜の透過性をよくし、処理菌体を酵素として用いる方法などいろいろが用いられる。実施例として記載しているものは、▲2▼の菌体をトルエン処理して菌体を死滅させるが菌体内の酵素は活性を保つ方法を用いた結果を記載している。
すなわち、D−アラビノース イソメラーゼは、使用目的に応じて、必ずしも高純度に精製されたものでなくてもよく、粗酵素であっても用いることができる。粗酵素の具体的例としては、例えば、当該酵素産生能を有する微生物自体を、又、その培養物や部分精製した培養物を用いることができる。
【0020】
これらの酵素は、公知の手法により固定化して繰り返し用いることもできる。固定化法としては、イオン交換樹脂にイオン結合する方法や酵素と酵素を結合させる架橋法、酵素を包み込む方法の包括法が例示される。
固定化微生物及び固定化D−アラビノース イソメラーゼは、L−フラクトースからL−グルコースを連続的に製造する酵素反応に用いることができる。
【0021】
本発明のD−アラビノース イソメラーゼを用いる酵素反応は、通常、下記の条件で行われる。
▲1▼基質としてのL−フラクトースを含有する溶液として、通常、水溶液を用い、その基質濃度は、L−フラクトースの含有重量で約0.1%乃至80W/v%、望ましくは、約1乃至60vW/V%、更に望ましくは、約1乃至50W/V%の範囲から適宜選ばれる。
▲2▼酵素反応温度は、使用するD−アラビノース イソメラーゼの由来や性状により変動するが、通常、約1乃至80℃、望ましくは、約10乃至80℃、より望ましくは約30乃至70℃の範囲から選ばれる。
▲3▼同様に、酵素反応pHも使用するD−アラビノース イソメラーゼの由来、性状により変動するが、通常、約3乃至11、望ましくは、約5乃至10、更に望ましくは、約7乃至10の範囲から選ばれる。
▲3▼本発明の酵素反応に用いるD−アラビノース イソメラーゼの使用量は、全基質重量グラム当たり約0.1単位以上望ましくは、約1単位以上、更に望ましくは、約10乃至5,000単位の範囲から選ばれる。
▲4▼反応時間は、使用する基質量、酵素量、温度、pH条件等により変動するが、通常、バッチ式の場合、経済性を考慮して、約3乃至100時間、望ましくは約5乃至50時間の範囲で行う。
【0022】
このようにして得られる酵素反応液は、未反応のL−フラクトースと、新たに生成したL−グルコースを含有しており、この酵素反応液をそのまま利用することができる。または、未反応のL−フラクトースを除去し、新たに生成したL−グルコースのみを分取して利用することができる。
いずれにせよ通常、前記酵素反応溶液は、定法にしたがって、活性炭を用いて脱色し、H型、OH型イオン交換樹脂を用いて脱塩し、精製し、濃縮してシラップ状製品とする。
さらに必要ならば、このシラップ状製品を、例えば、アルカリ金属型又はアルカリ土類金属型酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにより、L−グルコース高含有画分と、未反応のL−フラクトース高含有画分に分画し、さらには、必要に応じて濃縮してシラップ状のL−グルコース高含有物とすることも随意である。
この際、L−フラクトース高含有画分は、次のD−アラビノース イソメラーゼ酵素反応の基質として利用すれば、L−グルコースの製造コストをより低減させることができる。
【0023】
いずれの段階の酵素反応液は、食品、化粧品、医薬品、農薬、化学工業等の分野に有利に用いることができる。
その代表的な用途としては、甘味剤、保湿剤、結晶析出防止剤、照り付与剤、腑形剤等として用いることができる。
【0024】
【作用】
各種の用途が期待されていたにもかかわらず、それらの供給量が少なく、高価値たることから、未だ工業的に広く利用されるには至っていないL−グルコースについて、L−フラクトースを原料として酵素、特にD−アラビノース イソメラーゼを作用させてることにより工業的に大量かつ安価に製造することのできる製造方法を確立することができた。併せてL−グルコースを含有する酵素反応液、及びD−アラビノース イソメラーゼ含有酵素剤を提供することができた。
従って、本発明の製造方法は、L−グルコースの工業的製造方法として好適であり、大量、安価な供給を容易にし、甘味剤、保湿剤、結晶析出防止剤、照り付与剤、腑形剤等の用途のみならず、従来予想すらできなかった食品工業、医薬品工業、化学工業など広範な工業用途への利用の道を拓くものである。
【0025】
【実施例】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0026】
実施例1
D−アラビノース イソメラーゼの調製
Klebsiella pneumoniae 40b株〔「ジャーナル オブ ファーメンテーション アンド ビオエンジニアリング」第79巻621乃至622頁(1995)〕を0.5%D−アラビノースを含む0.5%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム(pH7.0)、塩化マンガンを終濃度1mMの2Lの液体培地を用いて、2.5L容量の培養装置中で通気量1.8L/min、撹拌速度500rpmの最適培養条件で24時間培養して増殖させた。
菌体を9000×g、4℃で10分間遠心して細胞を回収し、50mMグリシン緩衝液(pH9)で洗浄した細胞を10%トルエン溶液に懸濁後、室温、撹拌速度180rpmで15分間処理した。処理後同緩衝液で2回洗浄し、D−アラビノース イソメラーゼ活性のあるトルエン処理細胞を得た。これをD−アラビノース イソメラーゼとして用いた。
【0027】
酵素反応
2gのL−フルクトースを含む200mlのグリシン緩衝液(pH9)に上記のトルエン処理細胞を添加し、最適条件で反応させたところ、35%の収率で生産物が得られ平衡に達した。
活性炭処理、除たんぱく質(25%MgSO4)、脱イオン(ダイアイオンSK1B H+、アンバーライトIRA−411CO3 2+)後、25%までロータリーエバポレータで減圧濃縮後、アンバーライトCR−1220Ca2+を用いたイオン交換カラムクロマトグラフィーで生産物を精製した。
L−グルコース画分を集め、約80%まで濃縮し、L−グルコースの結晶を核として加えて4℃で結晶化させた。この、一連の操作により最終的に2gのL−フルクトースから0.7gの結晶L−グルコースを得た。
【0028】
実験
本実施例で得た精製L−グルコース標品(純度99%)についてその同定試験を行った。当該標品の核磁気共鳴(13C−NMR)の測定は、ジオキサンを内部標準とする『JNM−A400型』核磁気共鳴分光器(日本電子株式会社製)を用いて行った。当該標品の高速液体クロマトグラフィー(HPC)分析は、以下に示す条件下で行った。その結果を下記に示す。
【0029】
(1)13C−NMRスペクトル
本実施例の方法で得た精製L−グルコース標品の13C−NMRスペクトルを図1に示す。このスペクトルは、これとは別に測定した比較物質として試薬D−グルコース(シグマ社製)の図2とよく一致した。なお、D−グルコースとL−グルコースは同じ13C−NMRスペクトルを示すことは分かっている。
(2)HPLC
本実施例の方法で得た精製L−グルコース標品をHPLC(装置及び条件:HPLC装置は、『880−PU』(日本分光化学株式会社製);カラムは、『GL=C611カラム』(日立製作所製);溶離液は、10-4M水酸化ナトリウム水溶液;カラム内温度は、60℃;流速は、1ml/ 分;検出器は、『IRD−6A』(島津製作所製)で分析したところ、その溶出液位置は、比較物質としてのD−グルコース(シグマ社製)と同じ16分であった。
【0030】
本実施例の方法で得た精製L−グルコース標品は、上記の結果等から、L−グルコースであると同定した。
【0031】
本実施例で得られた製品中に含まれるL−グルコースは、従来のL−グルコースと同様、甘味料、保湿剤、結晶析出防止剤、照り付与剤、腑形剤等として、飲食物、飼料、餌料、歯磨きなどの用途に、又、発酵用炭素源、試薬、化学品、化粧品、医薬品、及びそえらの製造原料や中間体としても有利に用いることができる。
【0032】
【発明の効果】
このように、本発明は、比較的簡単な酵素反応のみにより、当業界において求められていた希少糖であるL−グルコースを工業的に製造する方法を確立した点において、斯界に与える影響は極めて大きいと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の方法で得たL−グルコースの13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】比較物質のD−グルコースの13C−NMRスペクトルを示す図である。

Claims (5)

  1. L−フラクトースに酵素D−アラビノース イソメラーゼを作用させてL−グルコースに変換することを特徴とするL−グルコースの製造法。
  2. L−フラクトースとしてL−プシコースあるいはL−ソルビトールから変換したL−フラクトースを用いる請求項1のL−グルコースの製造法。
  3. 酵素として固定化酵素を用いる請求項1または2のL−グルコースの製造法。
  4. L−フラクトースとしてL−フラクトース含有溶液を用いる請求項1、2または3のL−グルコースの製造法。
  5. 得られる反応溶液を、強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにより分画してL−グルコース高含有画分を得る請求項のL−グルコースの製造方法。
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