JP2887689B2 - グリチルレチン酸モノグルクロナイドの製造法 - Google Patents
グリチルレチン酸モノグルクロナイドの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高甘味度甘味料として有用なグリチルレチ
ン酸モノグルクロナイドの製造法に関するものである。
ン酸モノグルクロナイドの製造法に関するものである。
グリチルレチン酸モノグルクロナイドは砂糖の約1000
倍の甘味を示し、類似化合物・グリチルリチンよりもは
るかに甘味が強いから、低カロリーの高甘味度甘味料と
して関心を持たれている。
倍の甘味を示し、類似化合物・グリチルリチンよりもは
るかに甘味が強いから、低カロリーの高甘味度甘味料と
して関心を持たれている。
従来、グリチルレチン酸モノグルクロナイドの製造法
としては二つの方法が知られており、その一つは、グリ
チルレチン酸とα−アセトブロモグルクロン酸メチルエ
ステルを反応させる合成法である(Arch.Pharm.311,100
1,1978)。しかしながら、この製造法は工程が複雑であ
るばかりか収率が悪く、また種々の副生成物ができて精
製が困難であるという欠点があり、甘味料原料の工業的
な製造法としては不適当である。
としては二つの方法が知られており、その一つは、グリ
チルレチン酸とα−アセトブロモグルクロン酸メチルエ
ステルを反応させる合成法である(Arch.Pharm.311,100
1,1978)。しかしながら、この製造法は工程が複雑であ
るばかりか収率が悪く、また種々の副生成物ができて精
製が困難であるという欠点があり、甘味料原料の工業的
な製造法としては不適当である。
いま一つの製造法は、甘草の根および根茎部から得ら
れる配糖体・グリチルリチンをβ−グルクロニダーゼで
処理し、その糖部分を構成する2分子のグルクロン酸の
うち末端の一つだけを加水分解反応により除去してグリ
チルレチン酸モノグルクロナイドを得る酵素的方法であ
る(Planta Medica 409〜413,1984)。この反応に必要
なβ−グルクロニダーゼは、従来、牛肝臓、カタツム
リ、大腸菌等から分離されたものを使うしかなかった
が、これら従来使用可能であったβ−グルクロニダーゼ
は、いずれも配糖体における糖部分の単糖間グリコシド
結合を切断するだけでなく糖部分とアグリコンとの間の
グリコシド結合も切断する作用があるから、グリチルレ
チン酸モノグルクロナイドだけを生成させるわけではな
く、必ず、グルクロン酸2分子が除かれたグリチルレチ
ン酸も生成させてしまう。二つの加水分解反応は同時に
並行して進行するから、反応が進むほどグリチルレチン
酸の量は増え、最終的にはすべてグリチルレチン酸まで
加水分解される。グリチルレチン酸モノグルクロナイド
が得られる適当な中間段階で反応を打切るにしても、副
生するグリチルレチン酸はまったく甘味を示さないか
ら、反応後これを分離しない限り真に高甘味度の甘味料
を得ることはできないが、分離精製は容易ではない。し
たがって、この酵素的方法によっても経済的にグリチル
レチン酸モノグルクロナイドを製造することは困難であ
った。
れる配糖体・グリチルリチンをβ−グルクロニダーゼで
処理し、その糖部分を構成する2分子のグルクロン酸の
うち末端の一つだけを加水分解反応により除去してグリ
チルレチン酸モノグルクロナイドを得る酵素的方法であ
る(Planta Medica 409〜413,1984)。この反応に必要
なβ−グルクロニダーゼは、従来、牛肝臓、カタツム
リ、大腸菌等から分離されたものを使うしかなかった
が、これら従来使用可能であったβ−グルクロニダーゼ
は、いずれも配糖体における糖部分の単糖間グリコシド
結合を切断するだけでなく糖部分とアグリコンとの間の
グリコシド結合も切断する作用があるから、グリチルレ
チン酸モノグルクロナイドだけを生成させるわけではな
く、必ず、グルクロン酸2分子が除かれたグリチルレチ
ン酸も生成させてしまう。二つの加水分解反応は同時に
並行して進行するから、反応が進むほどグリチルレチン
酸の量は増え、最終的にはすべてグリチルレチン酸まで
加水分解される。グリチルレチン酸モノグルクロナイド
が得られる適当な中間段階で反応を打切るにしても、副
生するグリチルレチン酸はまったく甘味を示さないか
ら、反応後これを分離しない限り真に高甘味度の甘味料
を得ることはできないが、分離精製は容易ではない。し
たがって、この酵素的方法によっても経済的にグリチル
レチン酸モノグルクロナイドを製造することは困難であ
った。
本発明の目的は、グリチルリチンの酵素的加水分解反
応によってグリチルレチン酸モノグルクロナイドを製造
する場合における上述のような問題点を解決し、収率の
向上と精製の簡易化を可能にすることにある。
応によってグリチルレチン酸モノグルクロナイドを製造
する場合における上述のような問題点を解決し、収率の
向上と精製の簡易化を可能にすることにある。
本発明によるグリチルレチン酸モノグルクロナイドの
製造法は二つあり、その第一は、本発明者らにより新た
に提供された新規β−グルクロニダーゼ、すなわち、2
−O−β−グルクロノシルグルクロン酸残基におけるグ
ルクロン酸間グリコシド結合を加水分解するがフェノー
ルフタレン−β−D−グルクロナイドにおけるグリコシ
ド結合には作用しない基質特異性を有するβ−グルクロ
ニダーゼを用いてグリチルリチンを加水分解することを
特徴とし、第二は、上記新規酵素を生産する能力を有す
る微生物を、グリチルレチン酸を添加した培地で培養
し、培養上清からグリチルレチン酸モノグルクロナイド
を採取することを特徴とするものである。
製造法は二つあり、その第一は、本発明者らにより新た
に提供された新規β−グルクロニダーゼ、すなわち、2
−O−β−グルクロノシルグルクロン酸残基におけるグ
ルクロン酸間グリコシド結合を加水分解するがフェノー
ルフタレン−β−D−グルクロナイドにおけるグリコシ
ド結合には作用しない基質特異性を有するβ−グルクロ
ニダーゼを用いてグリチルリチンを加水分解することを
特徴とし、第二は、上記新規酵素を生産する能力を有す
る微生物を、グリチルレチン酸を添加した培地で培養
し、培養上清からグリチルレチン酸モノグルクロナイド
を採取することを特徴とするものである。
本発明の製造法の第一において用いる新規β−グルク
ロニダーゼ(以下、本発明のβ−グルクロニダーゼとい
うことがある)は、クリプトコッカス属に属する酵母を
用いて本発明者らが初めて製造することに成功した特異
な性質を有するものであって、その理化学的性質の主な
ものは次のとおりである。
ロニダーゼ(以下、本発明のβ−グルクロニダーゼとい
うことがある)は、クリプトコッカス属に属する酵母を
用いて本発明者らが初めて製造することに成功した特異
な性質を有するものであって、その理化学的性質の主な
ものは次のとおりである。
基質特異性および作用 2−O−β−グルクロノシルグルクロン酸残基におけ
るグルクロン酸間グリコシド結合を加水分解するが、フ
ェノールフタレン−β−D−グルクロナイドにおけるグ
リコシド結合には作用しない。
るグルクロン酸間グリコシド結合を加水分解するが、フ
ェノールフタレン−β−D−グルクロナイドにおけるグ
リコシド結合には作用しない。
したがって、グリチルリチンに作用させると2−O−
β−グルクロノシルグルクロン酸残基からなる糖部分を
加水分解して分子末端のグルクロン酸を遊離させるが上
記糖部分とアグリコン部分との間のグリコシド結合は加
水分解しないので、グリチルレチン酸を生じさせること
なしにグリチルレチン酸モノグルクロナイドを生じさせ
る。
β−グルクロノシルグルクロン酸残基からなる糖部分を
加水分解して分子末端のグルクロン酸を遊離させるが上
記糖部分とアグリコン部分との間のグリコシド結合は加
水分解しないので、グリチルレチン酸を生じさせること
なしにグリチルレチン酸モノグルクロナイドを生じさせ
る。
至適pHおよび安定pH範囲 至適pH:約5.7 安定pH範囲:4.0〜7.5 至適温度および安定温度範囲 至適温度:50℃ 安定温度範囲:60℃以下 この酵素は、クリプトコッカス・マグナスMG−27(微
工研菌寄第11092号)等を用いて製造することができ
る。すなわち、誘導物質としてグルクロン酸残基含有天
然物を約0.01〜10%、好ましくは0.1〜2%含有する培
地で上記クリプトコッカス・マグナスその他β−グルク
ロニダーゼ生産能を有する微生物を培養する。使用可能
なグルクロン酸残基含有天然物としては、グリチルリチ
ン、2−O−β−グルクロノシルグルクロン酸(グルク
ロノビオース)、大豆サポニン、アルギン酸ナトリウ
ム、アラビアガム、およびこれらを含有する植物または
微生物培養物等がある。他の培地成分としては、酵母エ
キス、ポリペプトン、トリプトン、肉エキス、コーンス
ティープリカー、グルコース、フラクトース、シュクロ
ース、マルトース等、酵母培養に通常使用される窒素
源、炭素源等の中から任意のものを用いることができ
る。培養は、回分式、連続式のいずれによっても行うこ
とができる。20〜35℃で1〜7日間、好気的に培養を行
うと、本発明のβ−グルクロニダーゼが生産されて培養
液中に蓄積される。なお、微生物によって生産された酵
素は、一部が菌体外に出て培地中に蓄積されるが、一部
は菌体に保持されている。
工研菌寄第11092号)等を用いて製造することができ
る。すなわち、誘導物質としてグルクロン酸残基含有天
然物を約0.01〜10%、好ましくは0.1〜2%含有する培
地で上記クリプトコッカス・マグナスその他β−グルク
ロニダーゼ生産能を有する微生物を培養する。使用可能
なグルクロン酸残基含有天然物としては、グリチルリチ
ン、2−O−β−グルクロノシルグルクロン酸(グルク
ロノビオース)、大豆サポニン、アルギン酸ナトリウ
ム、アラビアガム、およびこれらを含有する植物または
微生物培養物等がある。他の培地成分としては、酵母エ
キス、ポリペプトン、トリプトン、肉エキス、コーンス
ティープリカー、グルコース、フラクトース、シュクロ
ース、マルトース等、酵母培養に通常使用される窒素
源、炭素源等の中から任意のものを用いることができ
る。培養は、回分式、連続式のいずれによっても行うこ
とができる。20〜35℃で1〜7日間、好気的に培養を行
うと、本発明のβ−グルクロニダーゼが生産されて培養
液中に蓄積される。なお、微生物によって生産された酵
素は、一部が菌体外に出て培地中に蓄積されるが、一部
は菌体に保持されている。
菌体外に溶出している本発明のβ−グルクロニダーゼ
を利用する場合は、まず培養液から菌体を遠心分離、濾
過などの方法で除く。得られた培養上清はそのままでも
粗酵素液として酵素反応に使用することができるが、精
製する場合は、たとえば硫酸アンモニウム塩析、アセト
ン、エタノール、イソプロパノール等による溶媒沈澱
法、ゲル濾過法、イオン交換樹脂法等、酵素精製の常法
を採用することができる。
を利用する場合は、まず培養液から菌体を遠心分離、濾
過などの方法で除く。得られた培養上清はそのままでも
粗酵素液として酵素反応に使用することができるが、精
製する場合は、たとえば硫酸アンモニウム塩析、アセト
ン、エタノール、イソプロパノール等による溶媒沈澱
法、ゲル濾過法、イオン交換樹脂法等、酵素精製の常法
を採用することができる。
菌体からβ−グルクロニダーゼを採取する場合は、菌
体を培養液から分取し、溶菌酵素を作用させるか超音波
破砕処理を施すかして菌体から酵素を遊離させ、遠心分
離して粗酵素液を採取、これを上記と同様にして精製す
る。
体を培養液から分取し、溶菌酵素を作用させるか超音波
破砕処理を施すかして菌体から酵素を遊離させ、遠心分
離して粗酵素液を採取、これを上記と同様にして精製す
る。
菌体に蓄積されたβ−グルクロニダーゼをそのままの
状態で酵素反応に使用することもできる。その場合は、
菌体を培養液から採取し、洗浄した菌体をそのまま酵素
反応に使用する。
状態で酵素反応に使用することもできる。その場合は、
菌体を培養液から採取し、洗浄した菌体をそのまま酵素
反応に使用する。
上記クリプトコッカス属酵母は本発明者らが広島県尾
道市の土壌から分離した菌株であって、その菌学的性質
は次のとおりである。
道市の土壌から分離した菌株であって、その菌学的性質
は次のとおりである。
細胞の形態および大きさ:楕円体状または卵形状 (3.0〜5.3μm)×(4.0〜5.3μm) 生育(YM寒天培地):クリーム色,平滑 仮性菌糸:形成せず 子のう胞子:形成せず 炭水化物の利用性 グルコース、ガラクトース、マルトース、シュクロー
ス、ラクトース、セロビオース、イノシトール、キシロ
ース、ラフィノース、マンニトール、可溶性デンプン、
アラビノース、イヌリン、グリセロールを利用する。
ス、ラクトース、セロビオース、イノシトール、キシロ
ース、ラフィノース、マンニトール、可溶性デンプン、
アラビノース、イヌリン、グリセロールを利用する。
メリビオース、エリスリトール、ラムノース、リビト
ールを利用しない。
ールを利用しない。
硝酸塩:還元しない デンプン様物質の生成:する ウレアーゼ:陽性 ゼラチンの液化性:なし 高浸透圧性培地(50%グルコース−YM培地)における生
育:生育せず 37℃における生育:生育せず 以上の諸特性をザ・イースト・ア・タキツノミック・
スタディ・第3版の記載と照合することにより、本菌株
はクリプトコッカス・マグナスであると同定された。
育:生育せず 37℃における生育:生育せず 以上の諸特性をザ・イースト・ア・タキツノミック・
スタディ・第3版の記載と照合することにより、本菌株
はクリプトコッカス・マグナスであると同定された。
本発明によるグリチルレチン酸モノグルクロナイドの
製造法は、上述のような本発明のβ−グルクロニダーゼ
に特有の基質特異性を利用するものである。
製造法は、上述のような本発明のβ−グルクロニダーゼ
に特有の基質特異性を利用するものである。
第一の製造法においては、濃度約0.1〜20重量%のグ
リチルリチン水溶液に本発明のβ−グルクロニダーゼを
加え、pH5.0〜7.5、温度約35〜60℃で、最高収率が達成
されるまで反応させればよい。酵素反応は、反応液を95
℃以上に加熱することにより停止させることができる。
酵素は、アルギン酸カルシウムゲル包括、グルタルアル
デヒド処理等、酵素固定化の常法により固定化して反応
に用いてもよい。また、菌体表面に本発明のβ−グルク
ロニダーゼが蓄積された菌体を、任意の反応装置を用い
てグリチルリチン溶液と接触させてもよい。
リチルリチン水溶液に本発明のβ−グルクロニダーゼを
加え、pH5.0〜7.5、温度約35〜60℃で、最高収率が達成
されるまで反応させればよい。酵素反応は、反応液を95
℃以上に加熱することにより停止させることができる。
酵素は、アルギン酸カルシウムゲル包括、グルタルアル
デヒド処理等、酵素固定化の常法により固定化して反応
に用いてもよい。また、菌体表面に本発明のβ−グルク
ロニダーゼが蓄積された菌体を、任意の反応装置を用い
てグリチルリチン溶液と接触させてもよい。
第二の製造法においては、本発明のβ−グルクロニダ
ーゼを生産する能力を有する微生物たとえば前記クリプ
トコッカス・マグナスMG−27を、グリチルリチン含有培
地で培養し、菌体が生産する酵素を培地中でグリチルリ
チンに作用させてグリチルレチン酸モノグルクロナイド
を生成させる。この場合の培地組成および培養条件は、
誘導物質を兼ねた基質としてグリチルリチンを培地に含
有させることを除けば、前記酵素製造のための培地と同
様にすることができる。グリチルリチンの濃度は約0.01
〜20重量%が適当である。
ーゼを生産する能力を有する微生物たとえば前記クリプ
トコッカス・マグナスMG−27を、グリチルリチン含有培
地で培養し、菌体が生産する酵素を培地中でグリチルリ
チンに作用させてグリチルレチン酸モノグルクロナイド
を生成させる。この場合の培地組成および培養条件は、
誘導物質を兼ねた基質としてグリチルリチンを培地に含
有させることを除けば、前記酵素製造のための培地と同
様にすることができる。グリチルリチンの濃度は約0.01
〜20重量%が適当である。
いずれの方法による場合も、酵素反応終了後は反応液
から(第二の製造法の場合は菌体を分離した培養上清か
ら)、イオン交換カラムクロマトグラフィー、膜分離濃
縮法など、任意の精製法により、目的物のグリチルレチ
ン酸モノグルクロナイドを採取する。
から(第二の製造法の場合は菌体を分離した培養上清か
ら)、イオン交換カラムクロマトグラフィー、膜分離濃
縮法など、任意の精製法により、目的物のグリチルレチ
ン酸モノグルクロナイドを採取する。
なお、本発明のβ−グルクロニダーゼによるグリチル
リチン加水分解物がグリチルレチン酸モノグルクロナイ
ドとグルクロン酸であり、グリチルレチン酸を含まない
ことは次の事実により確認された。
リチン加水分解物がグリチルレチン酸モノグルクロナイ
ドとグルクロン酸であり、グリチルレチン酸を含まない
ことは次の事実により確認された。
薄層クロマトグラフィー 加水分解物について薄層クロマトグラフィー分析を行
なったところ、グリチルリチンとグリチルレチン酸との
間に本物質のスポットが認められ、ほかにはグルクロン
酸と同じRf値のスポットが認められただけであった。一
方、市販の牛肝臓由来のβ−グルクロニダーゼによるグ
リチルリチンの徹底的加水分解産物にはこの物質の存在
は認められず、グリチルレチン酸およびグルクロン酸の
みのスポットが認められた。
なったところ、グリチルリチンとグリチルレチン酸との
間に本物質のスポットが認められ、ほかにはグルクロン
酸と同じRf値のスポットが認められただけであった。一
方、市販の牛肝臓由来のβ−グルクロニダーゼによるグ
リチルリチンの徹底的加水分解産物にはこの物質の存在
は認められず、グリチルレチン酸およびグルクロン酸の
みのスポットが認められた。
分子量 マススペクトルにより分子量測定の結果はM+Hが64
7であって、グリチルレチン酸モノグルクロナイドにつ
いての理論値と一致する。13 C−NMRスペクトル グリチルレチン酸モノグルクロナイド由来の36本のス
ペクトルが確認された。1 H−NMR 5.20ppmに糖が1分子結合したアノメリックプロトン
が確認された。
7であって、グリチルレチン酸モノグルクロナイドにつ
いての理論値と一致する。13 C−NMRスペクトル グリチルレチン酸モノグルクロナイド由来の36本のス
ペクトルが確認された。1 H−NMR 5.20ppmに糖が1分子結合したアノメリックプロトン
が確認された。
元素分析(C36H54O10・H2O) C(%) H(%) 実測値 65.04 8.49 理論値 65.18 8.55 〔実施例〕 以下、実施例を示して本発明を説明する。
実施例1 グリチルリチン1%、グルコース1%、ポリペプトン
0.5%、酵母エキス0.3%を含むpH6の培地100mlを入れた
500ml容坂口コルベン20本にクリプトコッカス・マグナ
スMG−27株を植菌し、30℃で4日間培養した。培養終了
後、遠心分離して、培養上清1800mlを得た。
0.5%、酵母エキス0.3%を含むpH6の培地100mlを入れた
500ml容坂口コルベン20本にクリプトコッカス・マグナ
スMG−27株を植菌し、30℃で4日間培養した。培養終了
後、遠心分離して、培養上清1800mlを得た。
この培養上清を、ダイヤイオンHP−20を1000ml充填し
たカラムに通し、グリチルレチン酸モノグルクロナイド
を吸着させた。次いで、30%エタノール3000mlで洗浄し
た後、吸着されたグリチルレチン酸モノグルクロナイド
を85%エタノール5000mlで溶離した。溶離液を減圧濃縮
し、乾燥物15gを得た。
たカラムに通し、グリチルレチン酸モノグルクロナイド
を吸着させた。次いで、30%エタノール3000mlで洗浄し
た後、吸着されたグリチルレチン酸モノグルクロナイド
を85%エタノール5000mlで溶離した。溶離液を減圧濃縮
し、乾燥物15gを得た。
この乾燥物を90%メタノール100mlに加熱溶解後、冷
却して、グリチルレチン酸モノグルクロナイドの結晶9g
を得た。この結晶をさらに90%メタノールから再結晶さ
せ、精製グリチルレチン酸モノグルクロナイド6gを得
た。
却して、グリチルレチン酸モノグルクロナイドの結晶9g
を得た。この結晶をさらに90%メタノールから再結晶さ
せ、精製グリチルレチン酸モノグルクロナイド6gを得
た。
実施例2 実施例1の培養工程で得られた菌体150g(wet)にグ
リチルリチン酸ジカリウム150gを加え、水を加えて全量
を1500mlとし、pHを5.5に調整して45℃で18時間酵素反
応を行なった。
リチルリチン酸ジカリウム150gを加え、水を加えて全量
を1500mlとし、pHを5.5に調整して45℃で18時間酵素反
応を行なった。
反応後、10,000rpmで20分間遠心分離して菌体を除
き、得られた培養Brothを減圧乾燥し、乾燥物145gを得
た。高速液体クロマトグラフィーによる分析を行なった
ところ、グリチルリチンとグリチルレチン酸モノグルク
ロナイドが50:50比率で存在していた。
き、得られた培養Brothを減圧乾燥し、乾燥物145gを得
た。高速液体クロマトグラフィーによる分析を行なった
ところ、グリチルリチンとグリチルレチン酸モノグルク
ロナイドが50:50比率で存在していた。
実施例3 グルクロノビオース1%、ポリペプトン0.5%、酵母
エキス0.3%を含むpH6.0の培地100mlを入れた500mlの坂
口フラスコ10本にクリプトコッカス・マグナスMG−27株
を植菌し、28℃で3日間、往復振とう培養した。
エキス0.3%を含むpH6.0の培地100mlを入れた500mlの坂
口フラスコ10本にクリプトコッカス・マグナスMG−27株
を植菌し、28℃で3日間、往復振とう培養した。
培養終了後、遠心分離して培養液から菌体を除き、培
養上清900mlを得た。
養上清900mlを得た。
この培養上清にグリチルリチンの3%水溶液900mlを
加え、pHを5.7とし、45℃で18時間反応させた。反応
後、反応液をダイヤイオンHP−20のカラム(1000ml)に
吸着させ、30%エタノールml3000で洗浄した後、85%エ
タノール5000mlで溶離した。溶離液を減圧濃縮し、乾燥
物20gを得た。
加え、pHを5.7とし、45℃で18時間反応させた。反応
後、反応液をダイヤイオンHP−20のカラム(1000ml)に
吸着させ、30%エタノールml3000で洗浄した後、85%エ
タノール5000mlで溶離した。溶離液を減圧濃縮し、乾燥
物20gを得た。
この乾燥物を90%メタノールから再結晶させ、グリチ
ルレチン酸モノグルクロナイドの結晶13gを得た。
ルレチン酸モノグルクロナイドの結晶13gを得た。
実施例4 実施例1および実施例3で製造したグリチルレチン酸
モノグルクロナイド、実施例2で得られたグリチルレチ
ン酸モノグルクロナイド/グリチルリチン混合物、およ
びグリチルリチンの甘味倍数を、7名の専門パネルによ
り判定した。なお、標準試料としては4%砂糖水溶液を
用いた。
モノグルクロナイド、実施例2で得られたグリチルレチ
ン酸モノグルクロナイド/グリチルリチン混合物、およ
びグリチルリチンの甘味倍数を、7名の専門パネルによ
り判定した。なお、標準試料としては4%砂糖水溶液を
用いた。
その結果を表1に示す 表1試料 甘味倍数 4%砂糖水溶液 1 グリチルリチン 170 実施例1 938 実施例2 510 実施例3 961 〔発明の効果〕 本発明の新規β−グルクロニダーゼは上述のような特
性のものであるから、これを用いてグリチルリチンを処
理する本発明の製造法はグリチルレチン酸を副生するこ
となしにグリチルレチン酸モノグルクロナイドをきわめ
て高い収率で得られる特長がある。
性のものであるから、これを用いてグリチルリチンを処
理する本発明の製造法はグリチルレチン酸を副生するこ
となしにグリチルレチン酸モノグルクロナイドをきわめ
て高い収率で得られる特長がある。
したがって、本発明によれば高品質のグリチルレチン
酸モノグルクロナイド系甘味料を容易に製造することが
可能になる。
酸モノグルクロナイド系甘味料を容易に製造することが
可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:645) (56)参考文献 特開 昭56−137898(JP,A) 欧州公開297944(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 33/00 C12N 9/24 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】2−O−β−グルクロノシルグルクロン酸
残基におけるグルクロン酸間グリコシド結合を加水分解
するがフェノールフタレン−β−D−グルクロナイドに
おけるグリコシド結合には作用しない基質特異性を有す
るβ−グルクロニダーゼを用いてグリチルリチンを加水
分解することを特徴とするグリチルレチン酸モノグルク
ロナイドの製造法。 - 【請求項2】2−O−β−グルクロノシルグルクロン酸
残基におけるグルクロン酸間グリコシド結合を加水分解
するがフェノールフタレン−β−D−グルクロナイドに
おけるグリコシド結合には作用しない基質特異性を有す
るβ−グルクロニダーゼを生産する能力を有する微生物
を、グリチルリチン酸を添加した培地で培養し、培養上
清からグリチルレチン酸モノグルクロナイドを採取する
ことを特徴とするグリチルレチン酸モノグルクロナイド
の製造法。 - 【請求項3】微生物としてクリプトコッカス・マグナス
MG−27(微工研菌寄第11092号)を用いる請求項2記載
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2124152A JP2887689B2 (ja) | 1990-05-16 | 1990-05-16 | グリチルレチン酸モノグルクロナイドの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2124152A JP2887689B2 (ja) | 1990-05-16 | 1990-05-16 | グリチルレチン酸モノグルクロナイドの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0423998A JPH0423998A (ja) | 1992-01-28 |
JP2887689B2 true JP2887689B2 (ja) | 1999-04-26 |
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ID=14878227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2124152A Expired - Fee Related JP2887689B2 (ja) | 1990-05-16 | 1990-05-16 | グリチルレチン酸モノグルクロナイドの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2887689B2 (ja) |
-
1990
- 1990-05-16 JP JP2124152A patent/JP2887689B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0423998A (ja) | 1992-01-28 |
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