JP3095643B2 - 高濃度糖混合液からの高純度オリゴ糖類の製造法 - Google Patents

高濃度糖混合液からの高純度オリゴ糖類の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度オリゴ糖類の精
製法に関し、詳しくはシュークロース及びオリゴ糖類を
含有する高濃度糖混合液からオリゴ糖類を精製するに際
し、当該糖混合液にα−グルコシダーゼを作用させ、精
製する目的物質であるオリゴ糖類を分解することなく、
シュークロースのみを単糖類にまで分解し、しかる後に
クロマト分離によって効率よく単糖類を除去することを
特徴とする高純度オリゴ糖類の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素工学の進展とともに、各種の
オリゴ糖類が開発されてきた。これらのオリゴ糖類はグ
ルコース、フラクトース等の単糖類や、シュークロー
ス、ラクトース等の二糖類等を原料として、主に微生物
等の転移酵素による作用で製造する方法と、多糖類を分
解酵素や化学的な方法を用いる等して分解する方法によ
り製造されている。
【0003】例えば本発明者らは、特公昭63-62184号公
報に記載されているようにシュークロースを原料とし
て、アスペルギルス(Aspergillus)属またはフザリウム
(Fusarium)属等の微生物の生産するフラクトース転移酵
素をシュークロースに作用させることによりフラクトオ
リゴ糖を製造する方法を発明している。しかしこのよう
に転移酵素を利用したオリゴ糖類の製造法を用いた場
合、生成したオリゴ糖類以外に、転移反応により副生し
た例えばグルコースやフラクトースのような単糖類、未
反応の原料である例えばシュークロースのような二糖類
が大量に含まれてしまうことは避けられない。また多糖
類分解酵素を用いてオリゴ糖類を製造する場合もオリゴ
糖の段階までで分解を停止させることは困難であり、実
際上単糖類や二糖類が生成してしまうことは不可避であ
る。
【0004】フラクトオリゴ糖を例に挙げると、フラク
トオリゴ糖とはシュークロースにフラクトース分子が1
分子以上結合した少糖類で、三〜五糖類が主成分となっ
ている(以下GFnと称する)。このフラクトオリゴ糖は
難う蝕性で、しかも生体内の消化酵素では消化されない
難消化性糖であり、さらには、腸内におけるビフィズス
菌の特異的生育促進効果や体内脂質の低下作用等の優れ
た作用を有することが本発明者らによって明らかにされ
ている。しかし、これらの優れた性質はフラクトオリゴ
糖のみが有するもので単糖類やシュークロースには認め
られず、高品質のフラクトオリゴ糖を製造するためには
これらの単糖類やシュークロースを取り除く必要が生じ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの単糖類、シュ
ークロース等の二糖類、オリゴ糖類の混合物からオリゴ
糖類のみを精製する手段としてイオン交換クロマト法、
活性炭クロマト法あるいはゲル濾過法等が一般的に考え
られる。しかしこれらの手法では二糖類であるシューク
ロースと、三糖類以上のオリゴ糖、例えばフラクトオリ
ゴ糖の場合は1-ケストース(GF2)との分離が悪く、この
ような条件下でオリゴ糖類を精製しようとすれば低い収
率になることは避けられない。そこで本発明者らは特公
昭63-51000号公報に記載されているようにイオン交換ク
ロマト法を用い、同じ糖液を何度も繰り返しクロマトに
かけるリサイクル法を発明している。しかし本法では工
程が煩雑になり、設備も複雑化し、コスト高につながる
等の問題点が挙げられている。このように単糖類及び二
糖類を減少させたオリゴ糖類高含有物を安価に工業的規
模で製造する方法には未だ改善すべき課題が残されてい
るのが現状である。
【0006】そこでさらに本発明者らはサッカロミセス
・セレビジー(Saccharomyces cerevisiae)IAM4518由来
のα−グルコシダーゼを、転移酵素反応後の糖混合液に
反応させ、オリゴ糖類を分解することなくシュークロー
スをグルコースとフラクトースに分解し、分画効率を上
げる方法をすでに検討していた(特開昭59-95895)。し
かし当該酵素は比較的低い濃度ではシュークロースを効
率よく分解するものの、糖濃度の上昇に伴って反応が阻
害されるという特性があった。すなわち、Bx.10という
比較的低い糖濃度では効率よく作用するものの、Bx.30
では、4倍の時間をかけても尚シュークロースは残存し
ており、さらに高濃度であるBx.50以上では全く反応し
ないという特性を示す(比較例1参照)。オリゴ糖類の
製造はその生産効率からもより高い糖濃度で実施するこ
とが望ましく、Bx.50以上で生産されるオリゴ糖類も多
い。しかしこの濃度ではサッカロミセス・セレビジーIA
M4518由来のα−グルコシダーゼは作用しないため、低
い糖濃度まで希釈しなくてはならないという問題点が存
在していた。
【0007】
【問題点を解決するための手段】そこで本発明者らは、
高い糖濃度においても、糖混合液中のオリゴ糖類成分を
分解することなく、シュークロースのみをグルコースと
フラクトースに分解するα-グルコシダーゼを探索した
ところ、ビール酵母由来のα-グルコシダーゼが目的と
する酵素を生産することを見い出した。そして、該酵素
を糖混合液に作用させた後に通常の精製手段を用いるこ
とにより、従来よりもはるかに効率よく高純度オリゴ糖
類を製造できることを確認し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、シュークロース及びオリゴ糖類
を含有するBx.30以上の高濃度糖混合液からオリゴ糖類
を精製するに際し、当該糖混合液にα−グルコシダーゼ
を作用させシュークロースを単糖類に分解、除去するこ
とを特徴とする高純度オリゴ糖類の製造法に関する。
【0008】本発明における、α-グルコシダーゼを生
産する微生物としてはビール酵母、特にサッカロミセス
・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)IFO751
株、別名サッカロミセス・カールスベルゲンシス(Sacch
aromyces carlsbergensis)と呼ばれる菌株が好ましい。
本菌株が生産するα−グルコシダーゼの生産条件につい
て以下に述べるが、これらはあくまでも例示であって、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】培地としては炭素源、窒素源、無機塩類等
を含むものが用いられる。炭素源としては主にマルトー
ス、グルコース、シュークロース等の糖類が用いられる
が、マルトースが最も好ましく、また培地中の糖濃度
は、0.5〜50重量%好ましくは1〜20重量%が適当であ
る。窒素源としては、酵母エキス、マルトエキス、肉エ
キス、コーンスティープリカー、ペプトン等の有機また
は無機の窒素化合物が用いられ、濃度は0.5〜5重量%が
適当である。また必要に応じて、無機塩類として、リン
酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、鉄塩、マグネシウム
塩等を加える。培地のpHは5〜8好ましくは6.5〜7.0に
調節する。
【0010】培養は、上記培地に一白金耳酵母種菌を加
え、20〜30℃好ましくは28℃で24〜72時間、通気攪拌培
養あるいは振盪培養で行なわれ、その活性は菌体1gあた
り10〜200単位に達する。なお、α-グルコシダーゼの活
性は、H.HALVORSON等、Biochem.Biophys.Acta.,30,28(1
958)に記載の方法によって測定し、pH6.8、37℃でパラ
ニトロフェニル-α-D-グルコピラノシドから1分間に
1μmolのパラニトロフェノールを生成する酵素量を1
単位とした。
【0011】培養終了後に本菌体を培養液から濾過また
は遠心分離等の手段で分離した菌体を得るか、あるいは
菌体分離後の培養濾液、さらには分離した菌体をフレン
チプレス、ガラスビーズ細胞破砕機、超音波破砕機等を
用いて破砕した菌体破砕液、さらにはこの菌体破砕液よ
り酵素を抽出し限外濾過法、硫安塩析法、溶剤沈澱法、
ゲル濾過法、各種クロマトグラフ法等の酵素精製に関す
る常法のいずれかあるいは組み合わせを用い、単離精製
あるいは部分精製したα-グルコシダーゼを得ることが
できる。またさらに、得られた菌体、単離精製あるいは
部分精製したα-グルコシダーゼから、常法を用いて固
定化菌体または固定化酵素を得る事も可能である。
【0012】酵素反応にはこれらの菌体、菌体分離後の
培養濾液、菌体破砕液、精製酵素、部分精製酵素、固定
化菌体、固定化酵素等を用いて、糖混合液(シュークロ
ース、オリゴ糖類を含む)1gあたり1〜500単位加え、反
応液のBx.を1〜80、pH4〜8好ましくはpH6〜7で、反応温
度20〜80℃好ましくは35〜40℃で12時間程度反応させる
と、反応物中のシュークロースをグルコースとフラクト
ースからなる単糖類に分解でき、反応終了後の糖液混合
物中のシュークロースの含有量を大幅に減らすことがで
きる。
【0013】このようにして得られた主に単糖類と三糖
類以上のオリゴ糖類からなる糖混合液をクロマト分離法
等の通常の精製手段を用いることにより、シュークロー
スを含む混合液と比較してはるかに容易に、高純度オリ
ゴ糖類を収率良く、安価で工業的に製造することができ
る。また本発明が応用できる範囲は、シュークロースと
α−グルコシダーゼによって分解され難いオリゴ糖類の
混合液であれば良く、具体的にはシュークロースを原料
として製造されるフラクトオリゴ糖、シュークロースと
デンプンを原料として作られるカップリングシュガー
(林原生物化学研究所社製、グルコシルシュークロース
混合液)やテアンデロース混合液、シュークロースと乳
糖を原料として作られる乳果オリゴ糖(塩水港精糖社
製、ラクトシュークロース混合液)等に用いられ、当該
酵素によって、それぞれの糖混合液中のシュークロース
をグルコースとフラクトースに分解して除去することが
できる。
【0014】
【実施例】以下に実施例を示すが、これはあくまでも例
示であって、本発明はこれに限定されるものではない。実施例1 サッカロミセス・パストリアヌス(Saccharomyces pasto
rianus)IFO751株をマルトース2%、ペプトン2%、酵
母エキス1%を含む培地に一白金耳植菌し、28℃で2
4時間振盪培養した。この培養液200mlを種母液と
して、マルトース15%、ペプトン2%、酵母エキス1
%を含む15lの培地に植菌し、30lジャーファーメ
ンター中で温度28℃、400rpmの条件下で48時
間通気攪拌培養を行った。培養後、培養液から菌体を遠
心分離法で集め、α-グルコシダーゼを含む菌体950
gを得た。菌体1g当たりのα−グルコシダーゼ活性は
160単位であった。この菌体を以下の実験に供した。
【0015】(イ)フラクトオリゴ糖含有シロップであ
るメイオリゴG(明治製菓社製、糖組成としてグルコー
ス28.1%、フラクトース4.3%、シュークロース
12.8%、フラクトオリゴ糖54.8%(GF2、G
F3、GF4を含む))を、pH7.0、Bx.10,3
0,50に調整した。次いでこの溶液に基質1g当たり
40単位になるようにそれぞれ上記α−グルコシダーゼ
を含む菌体を加え、37℃で12時間反応させた。その
後10分間煮沸失活させ遠心分離法で菌体を除去し、反
応液の糖組成を調べたところ表1のようになった。
【0016】
【表1】
【0017】(ロ)上記α−グルコシダーゼを含む菌体
に50mMリン酸緩衝液を等量加え超音波破砕機で充分
に破砕し、菌体破砕液を得た。この菌体破砕液を、pH
7.0、Bx.10,40,60のメイオリゴG液に基質1
g当たり40単位加え、37℃で12時間反応させ、前
記(イ)と同様の操作を行った。反応後の糖組成は表2
のようになった。
【0018】
【表2】
【0019】(ハ)上記α−グルコシダーゼを含む菌体
に0.1%トリトンX−100、50mMリン酸緩衝液
(1mM EDTAナトリウム及び1mMメルカプトエ
タノールを含む)を等量加え、超音波破砕機で充分に破
砕し菌体破砕液を得た。この菌体破砕液を遠心分離し、
酵素抽出液を得た。この酵素液より、各種クロマト法を
組み合わせ、α−グルコシダーゼを単離精製した。本酵
素はポリアクリルアミドゲル電気泳動ならびに等電点電
気泳動法で単一であることが確認され、SDSポリアク
リルアミドゲル電気泳動法で分子量が約65000であ
ることが確認できた。本精製酵素を、pH7.0、Bx.
10,30,55のメイオリゴG液に基質1g当たり40
単位加え、37℃で12時間反応させ、前記(イ)と同
様の操作を行った。反応後の糖組成は表3のようになっ
た。
【0020】
【表3】
【0021】このBx.55より得られた糖液(組成とし
て単糖類44.3%、シュークロース0.6%、フラク
トオリゴ糖55.1%(GF2、GF3、GF4を含
む))74.5g(固形分として41.0g)をイオン
交換クロマト法で分離を試みた。イオン交換クロマト用
レジン、アンバーライトCG6000Na型(オルガノ
社製)380mlを直径22mm、高さ1000mmの
カラムに充填し、上記糖液を導入しSV=0.2(1.
27ml/分)で水で溶出した。溶出液は6.4mlず
つ分画し、高速液体クロマトグラフでそれぞれの画分の
糖組成を分析した。この分画図を第1図に示す。GFn
の含有量が高い画分16〜27を集めたところ、固形分
として15.7g、固形分回収率38.2%を得た。こ
れをフラクトオリゴ糖画分として、糖組成を調べたとこ
ろ単糖類0.9%、シュークロース0.4%、GFnと
して98.7%であった。フラクトオリゴ糖の固形分回
収率は71.9%であった。
【0022】実施例2 実施例1(ハ)と同様のサッカロミセス・パストリアヌ
ス株の精製α-グルコシダーゼを、pH7.0、Bx.1
0,30,55の乳果オリゴ糖液(塩水港精糖社製、糖組
成として単糖類16.8%、シュークロース26.7
%、ラクトース15.8%、ラクトシュクロース40.
4%を含む)に基質1gあたり40単位加え、37℃で
12時間反応させ、前記実施例1(イ)と同様の操作を
行った。反応後の糖組成は表4のようになった。
【0023】
【表4】
【0024】そこでこのBx.55の糖液42.5g(固
形分として23.4g)を実施例1(ハ)と同様のアン
バーライトレジンによるイオン交換クロマト法で分画
し、ラクトシュークロース含量の高い画分を回収したと
ころ、固形分として9.34g、固形分回収率として3
9.9%であった。糖組成は単糖類1.0%、シューク
ロース0.1%、ラクトース15.0%、ラクトシュー
クロース71.9%であった。ラクトシュークロースの
固形分回収率は71.0%であった。
【0025】実施例3 実施例1(ハ)と同様のサッカロミセス・パストリアヌ
ス株の精製α−グルコシダーゼをpH7.0、Bx.10,
30,55のテアンデロース混合液(単糖類39.2
%、シュークロース20.0%、マルトオリゴ糖9.2
%、テアンデロース31.6%を含む)に基質1g当た
り40単位加え、37℃で12時間反応させ、前記実施
例1(イ)と同様の操作を行った。反応後の糖組成は表
5のようになった。
【0026】
【表5】
【0027】そこでこのBx.55の糖液21.0g(固
形分として11.55g)を実施例1(ハ)と同様のア
ンバーライトレジンによるイオン交換クロマト法で分画
し、オリゴ糖類含量の高い画分を回収したところ、固形
分として3.58g、固形分回収率として31.0%で
あった。糖組成は単糖類3.1%、シュークロース0.
1%、マルトオリゴ糖14.0%、テアンデロース8
2.85%であった。テアンデロースの固形分回収率は
81.5%であった。
【0028】実施例4 市販の部分精製α−グルコシダーゼ凍結乾燥粉末(Sigm
a社製、TypeIV、ビール酵母由来)をpH7.0、Bx.1
0,30,55のメイオリゴG液に基質1g当たり40単
位加え、12時間反応させ(Bx.55では反応の進行が
遅かったため反応時間を延長して51時間反応させ
た)、前記実施例1(イ)と同様の操作を行った。反応
後の糖組成は表6のようになった。
【0029】
【表6】
【0030】そこでこのBx.55の糖液44.1g(固
形分として24.3g)を実施例1(ハ)と同様のアン
バーライトレジンによるイオン交換クロマト法で分画
し、フラクトオリゴ糖(GFn)含量の高い画分を回収
したところ、固形分として7.79g、固形分回収率と
して32.0%であった。糖組成は単糖類2.8%、シ
ュークロース2.0%、フラクトオリゴ糖95.2%で
あった。フラクトオリゴ糖の固形分回収率は56%であ
った。
【0031】比較例1 サッカロミセス・セレビジー(Saccharomyces cerevisia
e)IAM4518株を実施例1と同様の方法で培養し、α−グ
ルコシダーゼを含む菌体約300gを得た。この菌体を
pH7.0、Bx.10,30,55のメイオリゴG液に基
質1g当たり40単位加え、12時間反応させ(Bx.3
0、55では反応の進行が遅かったため48時間反応さ
せた)、前記実施例1(イ)と同様の操作を行った。反
応後の糖組成は表7のようになった。
【0032】
【表7】
【0033】比較例2 実施例1(ハ)と同様の方法で、α−グルコシダーゼ処
理を行なわないメイオリゴG液についてもアンバーライ
トレジンによるクロマト分画処理を行った。この分画結
果を第2図に示す。GFnの含有量が高い画分16〜2
3を集めたところ、固形分として3.52g、固形分回
収率8.58%を得た。これをフラクトオリゴ糖画分と
して、糖組成を調べたところ単糖類0%、ショ糖0.8
%、GFnとして99.2%であった。フラクトオリゴ
糖の固形分回収率は26.5%であった。この結果と実
施例1(ハ)で行われている結果を比較すると、本発明
によるα−グルコシダーゼ処理を実施することによりフ
ラクトオリゴ糖の精製収率が2.7倍に上昇した。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法によれば、シュークロース
及びオリゴ糖類を含有する高濃度糖混合液からオリゴ糖
類を精製するに際し、当該糖混合液にα−グルコシダー
ゼを作用させることにより、精製する目的物質であるオ
リゴ糖類を分解することなく、シュークロースのみを単
糖類にまで分解し、しかる後にクロマト分離等によって
効率よく単糖類を除去することができる。従ってオリゴ
糖類の精製収率を著しく上昇させ、より経済的に高純度
オリゴ糖類を製造することが可能である。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のα−グルコシダーゼ処理を行なった
糖混合液をイオン交換クロマトグラフで分画した図。
【図2】 従来のα−グルコシダーゼ処理を行なわない
糖混合液をイオン交換クロマトグラフで分画した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12N 9/24 C12R 1:85) (C12P 19/16 C12R 1:85) (72)発明者 足立 堯 埼玉県坂戸市千代田5丁目3番1号 明 治製菓株式会社 生物科学研究所内 審査官 斎藤 真由美 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/00 - 19/64 C07H 1/00 - 23/00 C12N 9/00 - 9/99 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シュークロース及びオリゴ糖類を含有する
    Bx.30以上の高濃度糖混合液からオリゴ糖類を精製する
    に際し、当該糖混合液にサッカロミセス・パストリアヌ
    ス(Saccharomyces pastorianus)IFO 751によって生産さ
    れるα−グルコシダーゼ、またはビール酵母が生産する
    α−グルコシダーゼでありType IVに分類されるα−グ
    ルコシダーゼを作用させ、シュークロースを単糖類に分
    解、除去することを特徴とする高純度オリゴ糖類の製造
    法。
  2. 【請求項2】オリゴ糖類がフラクトオリゴ糖、ラクトシ
    ュークロースあるいはテアンデロースであることを特徴
    とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】α−グルコシダーゼが、固定化されている
    ことを特徴とする請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】シュークロース及びオリゴ糖類を含有する
    高濃度糖混合液の濃度がBx.50以上であることを特徴と
    する請求項1記載の製造法。
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JPH08140691A (ja) 1996-06-04

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