JPH08138472A - 押ボタン装着孔の構造及びその部分の成形金型の構造 - Google Patents
押ボタン装着孔の構造及びその部分の成形金型の構造Info
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- JPH08138472A JPH08138472A JP28082794A JP28082794A JPH08138472A JP H08138472 A JPH08138472 A JP H08138472A JP 28082794 A JP28082794 A JP 28082794A JP 28082794 A JP28082794 A JP 28082794A JP H08138472 A JPH08138472 A JP H08138472A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 合成樹脂製の筺体3に設ける押ボタン装着孔
4の構造であって、該装着孔4の筺体裏面302側から
中程に至るまでの内側面402を、筺体表面301側か
ら中程に至るまでの内側面401より全周囲にわたって
拡げた形状に形成して上記中程に段差平面403を形成
し、成形時のバリ404の発生が段差平面403の縁で
押ボタンの摺動方向に生ずるようにし、押ボタンを装着
したときに該押ボタンの側面と上記内側面402及び上
記段差平面403とで形成される空間Cの高さ以内にバ
リ404が収まるようにした構造。 【効果】 バリ404が空間Cに収まっているので、押
ボタンの装着が安定し、かつ押ボタンの作動が阻害され
ない。また、バリの発生を許容してバリによる不都合を
構造によって排除するものであるので、成形工程の管理
が容易となる。
4の構造であって、該装着孔4の筺体裏面302側から
中程に至るまでの内側面402を、筺体表面301側か
ら中程に至るまでの内側面401より全周囲にわたって
拡げた形状に形成して上記中程に段差平面403を形成
し、成形時のバリ404の発生が段差平面403の縁で
押ボタンの摺動方向に生ずるようにし、押ボタンを装着
したときに該押ボタンの側面と上記内側面402及び上
記段差平面403とで形成される空間Cの高さ以内にバ
リ404が収まるようにした構造。 【効果】 バリ404が空間Cに収まっているので、押
ボタンの装着が安定し、かつ押ボタンの作動が阻害され
ない。また、バリの発生を許容してバリによる不都合を
構造によって排除するものであるので、成形工程の管理
が容易となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は押ボタンによる操作部を
有する電気機器の当該押ボタンの装着構造に係り、特に
電気機器筺体の少くとも上記操作部が合成樹脂製である
場合の、当該操作部の押ボタン装着孔の構造と、該押ボ
タン装着孔部分の成形金型構造に関する。
有する電気機器の当該押ボタンの装着構造に係り、特に
電気機器筺体の少くとも上記操作部が合成樹脂製である
場合の、当該操作部の押ボタン装着孔の構造と、該押ボ
タン装着孔部分の成形金型構造に関する。
【0002】
【従来技術】例えば電話機のような電気機器はその操作
部にダイヤルボタン等の押ボタンを有し、該押ボタンは
筺体(ハウジング)の操作部に表裏貫通した孔に装着さ
れる。この孔を装着孔ということとする。
部にダイヤルボタン等の押ボタンを有し、該押ボタンは
筺体(ハウジング)の操作部に表裏貫通した孔に装着さ
れる。この孔を装着孔ということとする。
【0003】筺体又はその操作部のパネルを合成樹脂に
より作成する場合、従来は図4(A)又は(B)に示す
ような構造の成形金型によっている。
より作成する場合、従来は図4(A)又は(B)に示す
ような構造の成形金型によっている。
【0004】図4(A)に示す金型は、押ボタン装着孔
と形状が合致した柱状体111を有する型構体(以下、
第1型構体という。)11と平板状の型構体(以下、第
2型構体という。)12の組み合せでなり、また、図4
(B)に示す金型は図4(A)に示す第1型構体11と
同様の第1型構体11と、該第1型構体11の柱状体1
11の先端が嵌合する凹部121を有する第2型構体1
2との組み合せでなり、該第1及び第2型構体11,1
2を組み合わせることで上記柱状体111の周囲に形成
される成形空間Aに溶融した合成樹脂が流れ込み、やが
て硬化することにより押ボタンの装着孔を有する筺体
(又は操作部パネル、以下、筺体とする。)が成形され
る。
と形状が合致した柱状体111を有する型構体(以下、
第1型構体という。)11と平板状の型構体(以下、第
2型構体という。)12の組み合せでなり、また、図4
(B)に示す金型は図4(A)に示す第1型構体11と
同様の第1型構体11と、該第1型構体11の柱状体1
11の先端が嵌合する凹部121を有する第2型構体1
2との組み合せでなり、該第1及び第2型構体11,1
2を組み合わせることで上記柱状体111の周囲に形成
される成形空間Aに溶融した合成樹脂が流れ込み、やが
て硬化することにより押ボタンの装着孔を有する筺体
(又は操作部パネル、以下、筺体とする。)が成形され
る。
【0005】筺体を成形するときには、溶けた合成樹脂
が成形空間Aの細部に行き渡るように当該成形空間Aに
圧力が加えられるが、筺体表面の特に上記装着孔周縁に
現われるウエルド(しわ状の傷で、合成樹脂の硬化時の
収縮により現われる。)を極力少なくするために、上記
圧力はかなり高く設定される。その結果、合成樹脂は第
1型構体11と第2型構体12との接触部分の僅かな隙
間Bに入りこみ、これにより図4(A)に示す構造の金
型により成形した筺体13には、図4(C)又は(D)
に示すように、押ボタン14の装着孔131の下端周縁
又は上端周縁に水平状のバリ132が生じ、また図4
(B)に示す構造の金型により成形した筺体13には、
図4(E)又は(F)に示すように、押ボタン装着孔1
31の下端周縁又は上端周縁に垂直状のバリ132が生
ずる。なお、図4(C)及び(E)に示す筺体13は、
その表面側が第1型構体11により成形されたものであ
り(すなわち、第1型構体11をキャビティ側とし、第
2型構体12をコア側とする。)、図4(D)及び
(F)に示す筺体13は、その表面側が第2型構体12
により成形されたものである(すなわち、第1型構体1
1をコア側とし、第2型構体12をキャビティ側とす
る。)。
が成形空間Aの細部に行き渡るように当該成形空間Aに
圧力が加えられるが、筺体表面の特に上記装着孔周縁に
現われるウエルド(しわ状の傷で、合成樹脂の硬化時の
収縮により現われる。)を極力少なくするために、上記
圧力はかなり高く設定される。その結果、合成樹脂は第
1型構体11と第2型構体12との接触部分の僅かな隙
間Bに入りこみ、これにより図4(A)に示す構造の金
型により成形した筺体13には、図4(C)又は(D)
に示すように、押ボタン14の装着孔131の下端周縁
又は上端周縁に水平状のバリ132が生じ、また図4
(B)に示す構造の金型により成形した筺体13には、
図4(E)又は(F)に示すように、押ボタン装着孔1
31の下端周縁又は上端周縁に垂直状のバリ132が生
ずる。なお、図4(C)及び(E)に示す筺体13は、
その表面側が第1型構体11により成形されたものであ
り(すなわち、第1型構体11をキャビティ側とし、第
2型構体12をコア側とする。)、図4(D)及び
(F)に示す筺体13は、その表面側が第2型構体12
により成形されたものである(すなわち、第1型構体1
1をコア側とし、第2型構体12をキャビティ側とす
る。)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の金型によっ
て成形された筺体13は、上記したように押ボタン14
の装置孔131周縁に水平状又は垂直状にバリ132が
生ずるため、図4(C)又は(D)に示す構造の筺体1
3では、その装着孔131に押ボタン14が装着できな
かったり(バリ132が大きい場合)、又は装着できた
としてもバリ132が押ボタンの側面に当って当該押ボ
タン操作が円滑にできない恐れが非常に強い(押ボタン
14を押下したとき、押ボタン14の側面にバリ132
が引掛って元の位置まで復帰できない等)。
て成形された筺体13は、上記したように押ボタン14
の装置孔131周縁に水平状又は垂直状にバリ132が
生ずるため、図4(C)又は(D)に示す構造の筺体1
3では、その装着孔131に押ボタン14が装着できな
かったり(バリ132が大きい場合)、又は装着できた
としてもバリ132が押ボタンの側面に当って当該押ボ
タン操作が円滑にできない恐れが非常に強い(押ボタン
14を押下したとき、押ボタン14の側面にバリ132
が引掛って元の位置まで復帰できない等)。
【0007】また、図4(E)に示す構造の筺体13で
は、その装着孔131に押ボタン14を装着したとき、
押ボタン下端に当該押ボタン14の抜け止めのために設
けられた裾部141にバリ132が当接し、押ボタン1
4が所定の位置(筺体13の裏面によって作動規制され
る位置)に所定の姿勢で装着できず、また、バリ132
の高さの違いが左右で極端な場合には、押ボタン14の
装着姿勢が極端に傾き、押ボタン14の上側端が装着孔
131の内側面に当接して前記と同様押ボタン14の操
作が円滑でなくなる恐れがある。
は、その装着孔131に押ボタン14を装着したとき、
押ボタン下端に当該押ボタン14の抜け止めのために設
けられた裾部141にバリ132が当接し、押ボタン1
4が所定の位置(筺体13の裏面によって作動規制され
る位置)に所定の姿勢で装着できず、また、バリ132
の高さの違いが左右で極端な場合には、押ボタン14の
装着姿勢が極端に傾き、押ボタン14の上側端が装着孔
131の内側面に当接して前記と同様押ボタン14の操
作が円滑でなくなる恐れがある。
【0008】また、図3(F)に示す構造の筺体13で
は、筺体13の表面側にバリ132がしょう立するの
で、押ボタン14を押下したとき当該バリ132が指に
当って不快感があるばかりか、場合によってはバリ13
2の鋭い縁によって傷を受ける恐れもある。
は、筺体13の表面側にバリ132がしょう立するの
で、押ボタン14を押下したとき当該バリ132が指に
当って不快感があるばかりか、場合によってはバリ13
2の鋭い縁によって傷を受ける恐れもある。
【0009】いずれにしてもバリ132の発生は好まし
いことではない。然しながらバリ132を完全になくす
ことは不可能であるため、従来からバリ132の発生を
許容範囲内に収めるための努力がなされている。すなわ
ち、成形時の合成樹脂の溶融温度管理、金型の温度管
理、印加圧力管理等を非常に厳しくしなければならず、
しかも、これらの管理の条件は、金型の外周環境条件の
変化(温度、湿度等の季節的又は日々の変化)に常に左
右されるため、随時、成形条件の調整を必要とする等、
成形工程に極めて高度な技術、ノウハウを必要とする。
いことではない。然しながらバリ132を完全になくす
ことは不可能であるため、従来からバリ132の発生を
許容範囲内に収めるための努力がなされている。すなわ
ち、成形時の合成樹脂の溶融温度管理、金型の温度管
理、印加圧力管理等を非常に厳しくしなければならず、
しかも、これらの管理の条件は、金型の外周環境条件の
変化(温度、湿度等の季節的又は日々の変化)に常に左
右されるため、随時、成形条件の調整を必要とする等、
成形工程に極めて高度な技術、ノウハウを必要とする。
【0010】本発明は以上の問題を解決するために提案
するもので、バリが発生しても、それが押ボタンの操作
や装着姿勢に悪影響を与ぼさず、かつ安全な押ボタン装
着孔の構造と、該押ボタン装着孔部分の成形金型構造を
得ることを課題とする。
するもので、バリが発生しても、それが押ボタンの操作
や装着姿勢に悪影響を与ぼさず、かつ安全な押ボタン装
着孔の構造と、該押ボタン装着孔部分の成形金型構造を
得ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明は、筺体の操作部に設ける押ボタンの装着孔
を、その中程から上記操作部の裏面側に至る内側面を、
上記中程から上記操作部の表面側に至る内側面より全周
囲にわたって拡げた形状とすることにより、押ボタンを
嵌め込んだ状態で上記押ボタンの側面と装着孔の内側面
との間に、その全周囲にわたって上記操作部の表面側に
貫通しない空間が形成されるようにし、上記筺体の成形
過程において、当該装着孔の上記中程の周縁に上記押ボ
タンの摺動方向に生ずるバリが上記空間の高さ以内に収
まるような構造としたものである。
め、本発明は、筺体の操作部に設ける押ボタンの装着孔
を、その中程から上記操作部の裏面側に至る内側面を、
上記中程から上記操作部の表面側に至る内側面より全周
囲にわたって拡げた形状とすることにより、押ボタンを
嵌め込んだ状態で上記押ボタンの側面と装着孔の内側面
との間に、その全周囲にわたって上記操作部の表面側に
貫通しない空間が形成されるようにし、上記筺体の成形
過程において、当該装着孔の上記中程の周縁に上記押ボ
タンの摺動方向に生ずるバリが上記空間の高さ以内に収
まるような構造としたものである。
【0012】また、上記構造の押ボタン装着孔部分の成
形金型は、周囲形状が押ボタン装着孔の操作部表面側平
面形状に合致した柱状体を有する第1の型構体と、該第
1の型構体の柱状体先端部と同一形状の凹部を有する第
2の型構体との組み合わせでなり、該第2の型構体の上
記凹部の上端縁部全周にわたり、上記凹部の内壁面を平
面状に形成し、かつ上記柱状体周辺の成形空間より低い
高さを有する突堤を形成した構造としたものである。
形金型は、周囲形状が押ボタン装着孔の操作部表面側平
面形状に合致した柱状体を有する第1の型構体と、該第
1の型構体の柱状体先端部と同一形状の凹部を有する第
2の型構体との組み合わせでなり、該第2の型構体の上
記凹部の上端縁部全周にわたり、上記凹部の内壁面を平
面状に形成し、かつ上記柱状体周辺の成形空間より低い
高さを有する突堤を形成した構造としたものである。
【0013】
【作用】第1の型構体(以下、第1型構体という。)の
柱状体先端部を第2の型構体(以下、第2型構体とい
う。)の凹部に嵌め込んで組み立て、これによって当該
第1型構体と第2型構体との間に形成される成形空間に
溶融合成樹脂を流し込み、所定の圧力をかけながら合成
樹脂を硬化させて筺体を成形する。このとき、上記第2
型構体の凹部の周囲に設けられた突堤により、この部分
の合成樹脂は排除されるので、装着孔の中程から操作部
の裏面側にかけては操作部の表面側より広い巾に形成さ
れ、この部分が押ボタンを装着したときに当該押ボタン
の側面との間に形成される空間となる。
柱状体先端部を第2の型構体(以下、第2型構体とい
う。)の凹部に嵌め込んで組み立て、これによって当該
第1型構体と第2型構体との間に形成される成形空間に
溶融合成樹脂を流し込み、所定の圧力をかけながら合成
樹脂を硬化させて筺体を成形する。このとき、上記第2
型構体の凹部の周囲に設けられた突堤により、この部分
の合成樹脂は排除されるので、装着孔の中程から操作部
の裏面側にかけては操作部の表面側より広い巾に形成さ
れ、この部分が押ボタンを装着したときに当該押ボタン
の側面との間に形成される空間となる。
【0014】また、第1型構体と第2型構体とが突合す
る面は、上記柱状体と上記突堤(凹部)との突合部分で
筺体の平面に対し垂直な面となるので、成形時のバリは
上記空間の上端縁部において押ボタンの摺動方向に生ず
る。これによってバリによる押ボタンの摺動不良がなく
なる。
る面は、上記柱状体と上記突堤(凹部)との突合部分で
筺体の平面に対し垂直な面となるので、成形時のバリは
上記空間の上端縁部において押ボタンの摺動方向に生ず
る。これによってバリによる押ボタンの摺動不良がなく
なる。
【0015】また、上記枠体によって形成される上記空
間の高さは、予測されるバリの高さよりも高くなるよう
に設定されており、これによって装着孔に生ずるバリは
上記空間内に収まるので、押ボタンの装着姿勢が安定
し、当該押ボタンは所定の位置に規格通りに装着され
る。
間の高さは、予測されるバリの高さよりも高くなるよう
に設定されており、これによって装着孔に生ずるバリは
上記空間内に収まるので、押ボタンの装着姿勢が安定
し、当該押ボタンは所定の位置に規格通りに装着され
る。
【0016】
【実施例】図1〜図3はいずれも本発明の実施例を説明
するものであり、図1は筺体の操作部に設けられる押ボ
タンの装着孔部分の斜視図、図2は装着孔に押ボタンを
装着したときの断面図、図3は成形金型の装着孔成形部
分の断面図である。なお、図1は部分的に切断した状態
で、筺体の裏面側を上側にして描いてあり、図2及び図
3は筺体の表面側を上側にしてそれぞれ描いてある。
するものであり、図1は筺体の操作部に設けられる押ボ
タンの装着孔部分の斜視図、図2は装着孔に押ボタンを
装着したときの断面図、図3は成形金型の装着孔成形部
分の断面図である。なお、図1は部分的に切断した状態
で、筺体の裏面側を上側にして描いてあり、図2及び図
3は筺体の表面側を上側にしてそれぞれ描いてある。
【0017】理解し易いように、まず図3によって実施
例に係る押ボタンの装着孔部分の成形金型構造から説明
する。
例に係る押ボタンの装着孔部分の成形金型構造から説明
する。
【0018】図3に示すように、実施例に係る金型は、
第1型構体1と第2型構体2との組み合せでなり、第1
型構体1を筺体3の表面側を成形するキャビティ側と
し、第2型構体2を筺体3の裏面側を成形するコア側と
している。以下、第1型構体1をキャビティとし、第2
型構体2をコアとして説明する。
第1型構体1と第2型構体2との組み合せでなり、第1
型構体1を筺体3の表面側を成形するキャビティ側と
し、第2型構体2を筺体3の裏面側を成形するコア側と
している。以下、第1型構体1をキャビティとし、第2
型構体2をコアとして説明する。
【0019】キャビティ1には、筺体3の操作部に設け
られる押ボタン5の装着孔4(図1又は図2参照)の操
作部表面側平面形状(実施例では矩形)に合致した周囲
形状の柱状体(実施例では断面が矩形の柱状体)101
が上記操作部の表面を成形する表面成形部102と一体
にして設けられており、このキャビティ1自体の構造は
前記従来例として説明した図4(B)に示す第1型構体
11の構造と同じである。
られる押ボタン5の装着孔4(図1又は図2参照)の操
作部表面側平面形状(実施例では矩形)に合致した周囲
形状の柱状体(実施例では断面が矩形の柱状体)101
が上記操作部の表面を成形する表面成形部102と一体
にして設けられており、このキャビティ1自体の構造は
前記従来例として説明した図4(B)に示す第1型構体
11の構造と同じである。
【0020】また、コア2には、上記キャビティ1の柱
状体101の先端部101Aと同一形状(実施例では矩
形)の凹部201が設けられており、この凹部201の
上端縁部分の全周にわたって突堤202が設けられてい
る。この突堤202は上記凹部201の形状に符合して
矩形枠体形状となっている。
状体101の先端部101Aと同一形状(実施例では矩
形)の凹部201が設けられており、この凹部201の
上端縁部分の全周にわたって突堤202が設けられてい
る。この突堤202は上記凹部201の形状に符合して
矩形枠体形状となっている。
【0021】また、当該突堤202の内側面202Aは
平面状であって凹部201の内壁面を形成しており、前
記操作部の裏面を成形する裏面成形部203からの高さ
は、成形空間A(柱状体101周辺の成形空間)の高さ
より低く設定されている。
平面状であって凹部201の内壁面を形成しており、前
記操作部の裏面を成形する裏面成形部203からの高さ
は、成形空間A(柱状体101周辺の成形空間)の高さ
より低く設定されている。
【0022】以上の構造において、凹部201の底部2
01Aは図3に示す構造では、裏面成形部203より低
い位置にあるが、当該裏面成形部203と同じ位置又は
それより高い位置としてもよく、更には底部201A自
体がなくてもよい(すなわち、凹部201がコア2の裏
面側に貫通していてもよい。)。要は、柱状体101の
先端部101Aを凹部201に嵌め込んでキャビティ1
とコア2を組み合わせたとき、上記柱状体101と上記
凹部201との突合面が裏面成形部203の平面に対し
て垂直であり、かつ当該突合面の長さが後で説明するバ
リの高さを確保できる長さとなっていればよい。なお、
図3には上記突合面に隙間Bが広く形成されるが如く描
いてあるが、当該隙間Bは実際には極めて僅かである。
01Aは図3に示す構造では、裏面成形部203より低
い位置にあるが、当該裏面成形部203と同じ位置又は
それより高い位置としてもよく、更には底部201A自
体がなくてもよい(すなわち、凹部201がコア2の裏
面側に貫通していてもよい。)。要は、柱状体101の
先端部101Aを凹部201に嵌め込んでキャビティ1
とコア2を組み合わせたとき、上記柱状体101と上記
凹部201との突合面が裏面成形部203の平面に対し
て垂直であり、かつ当該突合面の長さが後で説明するバ
リの高さを確保できる長さとなっていればよい。なお、
図3には上記突合面に隙間Bが広く形成されるが如く描
いてあるが、当該隙間Bは実際には極めて僅かである。
【0023】以上に説明した金型によって筺体を成形す
る方法について概略説明すると、キャビティ1とコア2
を図3に示す状態に組み合わせ、これによって形成され
る成形空間Aに溶融した合成樹脂を当該成形空間Aに圧
力をかけながら流し込み、合成樹脂の硬化を待つ。合成
樹脂が硬化したのち、キャビティ1とコア2を図3にお
いて上下に分離して硬化後の合成樹脂、すなわち筺体3
を取り出す。以上の成形工程で、合成樹脂がキャビティ
1の柱状体101とコア2の凹部201との突合面に形
成されている僅かな隙間Bに流れ込み、これがバリとな
る。すなわち、押ボタンの装着孔4は図1に示すような
形状に成形される。
る方法について概略説明すると、キャビティ1とコア2
を図3に示す状態に組み合わせ、これによって形成され
る成形空間Aに溶融した合成樹脂を当該成形空間Aに圧
力をかけながら流し込み、合成樹脂の硬化を待つ。合成
樹脂が硬化したのち、キャビティ1とコア2を図3にお
いて上下に分離して硬化後の合成樹脂、すなわち筺体3
を取り出す。以上の成形工程で、合成樹脂がキャビティ
1の柱状体101とコア2の凹部201との突合面に形
成されている僅かな隙間Bに流れ込み、これがバリとな
る。すなわち、押ボタンの装着孔4は図1に示すような
形状に成形される。
【0024】なお、第1型構体1をコア側とし、第2型
構体2をキャビティ側としても本発明を実施することが
できる。
構体2をキャビティ側としても本発明を実施することが
できる。
【0025】次に図1及び図2によって押ボタン5の装
着孔4の構造と、該装着孔4に押ボタン5を装着した状
態について説明する。
着孔4の構造と、該装着孔4に押ボタン5を装着した状
態について説明する。
【0026】図1に示すように、装着孔4は筺体3の表
面301側(図1でいうと下側)の形状が押ボタン5の
操作部形状に合わせた穴(実施例では矩形)に形成さ
れ、筺体3の裏面302側(図1でいうと上側)の形状
が上記表面301側の穴をその全周囲にわたって拡げた
穴に形成された表裏に貫通する孔で構成されている。
面301側(図1でいうと下側)の形状が押ボタン5の
操作部形状に合わせた穴(実施例では矩形)に形成さ
れ、筺体3の裏面302側(図1でいうと上側)の形状
が上記表面301側の穴をその全周囲にわたって拡げた
穴に形成された表裏に貫通する孔で構成されている。
【0027】当該装着孔4の表面301側から中程に至
る内側面401と裏面302側から中程に至る内側面4
02とはいずれも筺体3の平面に対して略垂直に形成さ
れ(通常、成形金型から分離し易くするために、当該金
型を抜く方向に拡がる若干の傾斜が付いている。)、装
着孔4の中程には筺体3の表面301側と裏面302側
の穴の寸法差に基づく段差平面403が形成されてい
て、図2に示すように、押ボタン5を当該装着孔4に嵌
め込んだとき、上記内側面402と押ボタン5の側面5
01との間に、その全周囲にわたって空間Cが形成さ
れ、当該空間Cは上記段差平面403によって閉じられ
ていて、筺体3の表面301側には貫通していない。
る内側面401と裏面302側から中程に至る内側面4
02とはいずれも筺体3の平面に対して略垂直に形成さ
れ(通常、成形金型から分離し易くするために、当該金
型を抜く方向に拡がる若干の傾斜が付いている。)、装
着孔4の中程には筺体3の表面301側と裏面302側
の穴の寸法差に基づく段差平面403が形成されてい
て、図2に示すように、押ボタン5を当該装着孔4に嵌
め込んだとき、上記内側面402と押ボタン5の側面5
01との間に、その全周囲にわたって空間Cが形成さ
れ、当該空間Cは上記段差平面403によって閉じられ
ていて、筺体3の表面301側には貫通していない。
【0028】バリ404は、前記金型の説明で明らかな
ように、段差平面403の縁部分に裏面302側に向け
て垂直状に生ずる。このバリ404の高さhが前記空間
Cの高さH以下に収まるように当該空間Cの寸法が設定
される。この空間Cの寸法の設定は前記金型のコア2に
設けられている突堤202の高さの設定による。
ように、段差平面403の縁部分に裏面302側に向け
て垂直状に生ずる。このバリ404の高さhが前記空間
Cの高さH以下に収まるように当該空間Cの寸法が設定
される。この空間Cの寸法の設定は前記金型のコア2に
設けられている突堤202の高さの設定による。
【0029】以上に説明した装着孔4に押ボタン5を装
着すると、図2に示すようになる。押ボタン5は通常該
押ボタン5の操作によって作動するスイッチ(図示しな
い。)によって、反押下方向に弾圧付勢されており、操
作しないときには、その裾部502が筺体3の裏面30
2(作動規制面である。)に当接するまで図2における
上方向に押し上げられている。図2はこの状態で示して
ある。
着すると、図2に示すようになる。押ボタン5は通常該
押ボタン5の操作によって作動するスイッチ(図示しな
い。)によって、反押下方向に弾圧付勢されており、操
作しないときには、その裾部502が筺体3の裏面30
2(作動規制面である。)に当接するまで図2における
上方向に押し上げられている。図2はこの状態で示して
ある。
【0030】バリ404は前記したように装着孔4の内
側面401と同一平面に形成され(すなわち、押ボタン
5の摺動方向に生ずる。)、かつその高さhは前記空間
Cの高さHより低いので、図2に示すように、当該バリ
404が押ボタン5の側面501に引掛ったり、又は裾
部502に当ったりすることはない。従って、押ボタン
5の操作時の摺動が平滑であり、かつ当該押ボタン5が
規定された姿勢で正しく当該装着孔4に装着される。
側面401と同一平面に形成され(すなわち、押ボタン
5の摺動方向に生ずる。)、かつその高さhは前記空間
Cの高さHより低いので、図2に示すように、当該バリ
404が押ボタン5の側面501に引掛ったり、又は裾
部502に当ったりすることはない。従って、押ボタン
5の操作時の摺動が平滑であり、かつ当該押ボタン5が
規定された姿勢で正しく当該装着孔4に装着される。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、押ボ
タン装着孔の中程から筺体裏面側に至る内側面に空間を
形成し、筺体の成形時に金型のキャビティとコアの組み
合せ面で生ずるバリが上記空間において押ボタンの摺動
方向で上記空間の高さ以内に収まるような構造としたも
のであり、バリが押ボタンの側面側に突起したり、押ボ
タンの作動規制面(筺体の裏面)から突起したり、ある
いは操作面(筺体3の表面)から突起することがなく、
押ボタンの操作が円滑で、押ボタンを正しく装着でき、
かつ安全な押ボタン装着孔の構造が得られる。
タン装着孔の中程から筺体裏面側に至る内側面に空間を
形成し、筺体の成形時に金型のキャビティとコアの組み
合せ面で生ずるバリが上記空間において押ボタンの摺動
方向で上記空間の高さ以内に収まるような構造としたも
のであり、バリが押ボタンの側面側に突起したり、押ボ
タンの作動規制面(筺体の裏面)から突起したり、ある
いは操作面(筺体3の表面)から突起することがなく、
押ボタンの操作が円滑で、押ボタンを正しく装着でき、
かつ安全な押ボタン装着孔の構造が得られる。
【0032】また、本発明は、バリの発生を容認して、
当該バリによる不都合を装着孔の構造によって排除する
ようにしたものであるので、筺体(又は操作部)の成形
時の印加圧力、温度等、成形条件が緩やかになり、合成
樹脂成形工程の管理が容易となる。
当該バリによる不都合を装着孔の構造によって排除する
ようにしたものであるので、筺体(又は操作部)の成形
時の印加圧力、温度等、成形条件が緩やかになり、合成
樹脂成形工程の管理が容易となる。
【図1】本発明実施例に係る装着孔の斜視図
【図2】本発明実施例に係る装着孔に押ボタンを装着し
た状態の断面図
た状態の断面図
【図3】本発明実施例に係る成形金型の断面図
【図4】(A),(B)は従来例の金型の断面図、
(C)〜(F)は従来例の装着孔に押ボタンを装着した
状態の断面図
(C)〜(F)は従来例の装着孔に押ボタンを装着した
状態の断面図
1…第1型構体(キャビティ) 2…第2型構体
(コア) 3…筺体 4…装着孔 5…押ボタン 101…柱状体 201…凹部 202…突堤 401,402…内側面 403…段差平面 404…バリ 501…側面 502…裾部 A…成形空間 B…隙間 C…空間
(コア) 3…筺体 4…装着孔 5…押ボタン 101…柱状体 201…凹部 202…突堤 401,402…内側面 403…段差平面 404…バリ 501…側面 502…裾部 A…成形空間 B…隙間 C…空間
Claims (2)
- 【請求項1】 筺体の少くとも操作部が合成樹脂製であ
り、当該操作部に押ボタンが摺動可能に装着される機器
の上記操作部の表裏に貫通して設ける上記押ボタンの装
着孔の構造であって、当該装着孔の内側面高さ方向中程
から上記操作部の裏面側に至る部分を、当該装着孔の上
記中程から上記操作部の表面側に至る部分より全周囲に
わたって孔径を拡げた形状とすることにより、押ボタン
を嵌め込んだ状態で上記押ボタンの側面と当該装着孔の
内側面との間に、その全周囲にわたって上記操作部の表
面側に貫通しない空間が形成されるようにし、上記筺体
の成形過程において、当該装着孔の上記中程の周縁に上
記押ボタンの摺動方向に生ずるバリが上記空間の高さ以
内に収まるようにされている押ボタン装着孔の構造。 - 【請求項2】 周囲形状が押ボタンの装着孔の操作部表
面側平面形状に合致した柱状体を有する第1の型構体
と、該第1の型構体の柱状体先端部と同一形状の凹部を
有する第2の型構体との組み合わせでなり、該第2の型
構体の上記凹部の上端縁部分の全周にわたり、上記凹部
の内壁面を平面状に形成し、かつ上記柱状体周辺の成形
空間の高さより低い高さを有する突堤を形成した押ボタ
ン装置孔部分の成形金型構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28082794A JPH08138472A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 押ボタン装着孔の構造及びその部分の成形金型の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28082794A JPH08138472A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 押ボタン装着孔の構造及びその部分の成形金型の構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08138472A true JPH08138472A (ja) | 1996-05-31 |
Family
ID=17630542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28082794A Pending JPH08138472A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 押ボタン装着孔の構造及びその部分の成形金型の構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08138472A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009040001A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Tamura Plastic Mfg Co Ltd | 車両用外装品 |
JP2012196807A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-18 | Seiko Epson Corp | 射出成形品の製造装置及び製造方法 |
JP2017188240A (ja) * | 2016-04-04 | 2017-10-12 | 三菱電機株式会社 | 押釦スイッチ |
-
1994
- 1994-11-15 JP JP28082794A patent/JPH08138472A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009040001A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Tamura Plastic Mfg Co Ltd | 車両用外装品 |
JP2012196807A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-18 | Seiko Epson Corp | 射出成形品の製造装置及び製造方法 |
JP2017188240A (ja) * | 2016-04-04 | 2017-10-12 | 三菱電機株式会社 | 押釦スイッチ |
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