JP3039977B2 - 成形用金型 - Google Patents

成形用金型

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JP3039977B2 JP2285106A JP28510690A JP3039977B2 JP 3039977 B2 JP3039977 B2 JP 3039977B2 JP 2285106 A JP2285106 A JP 2285106A JP 28510690 A JP28510690 A JP 28510690A JP 3039977 B2 JP3039977 B2 JP 3039977B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、成形用金型に関し、詳しくは互いに交差す
る方向の2つのアンダーカット部をもつ成形品を成形す
る成形用金型に関する。
[従来の技術] 例えば、第5図に示す成形品90のように、意匠面90a
の裏面に略直角に延びた脚部90bをもち、この脚部90bに
より発生する製品のヒケを防止するためなどに形成され
る第1型抜き方向Xの第1アンダーカット部91と、組付
け用に形成される第1型抜き方向Xと交差する第1型抜
き方向Yの第2アンダーカット部92とをもつものは、第
6図に示す成形用金型で成形される。
この成形用金型は、上型80と、この上型80と傾斜ピン
81を介して相対的に第2型抜き方向Yに移動される第1
スライドコア82と、上型80と傾斜ピン83を介して相対的
に第2型抜き方向Yとは逆の方向に移動される第2スラ
イドコア84と、この第2スライドコア84とありみぞ85を
介して相対的に第1型抜き方向Xに移動される第3スラ
イドコア86とを具備するものである。
この成形用金型では、型開きにより、上型80が成形品
90の意匠面90aを形成し、第1スライドコア82に保持さ
れたスライドピン82aが脚部90bの第2アンダーカット部
92を形成し、第3スライドコア86が脚部90bの第1アン
ダーカット部91を形成する。
[発明が解決しようとする課題] しかし、第6図に示す型式の成形用金型では、例え
ば、第5図に破線で示すように、成形品90が意匠面90a
の裏面に脚部90bと略平行にボスやリブ等の突出部90cを
もてば、第1型抜き方向Xに移動する第3スライドコア
86が突出部90cと干渉するため、その成形品70を成形す
ることができない。
かといって、スライドピン82a側に第1アンダーカッ
ト部91を形成させんとしても、これでは第1アンダーカ
ット部91を形成させるスライドコアとスライドピン82a
とが干渉し、そのままではやはりその成形品を成形する
ことができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、
互いに交差する方向の2つのアンダーカット部とをもつ
成形品が同時にボスやリブ等の突出部をもった場合であ
っても、その成形品を成形可能な成形用金型を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の成形用金型は、第1型抜き方向の第1アンダ
ーカット部と、該第1型抜き方向と交差する第2型抜き
方向の第2アンダーカット部とをもつ成形品を成形する
成形用金型であって、 該第2型抜き方向に移動可能で該第2アンダーカット
部を形成する第1スライドコアと、 該第1スライドコアと係合し、該第1スライドコアの
移動により該第1スライドコアの移動から遅れて駆動さ
れる第2スライドコアと、 該第2スライドコアと係合し、該第2スライドコアの
移動により該第1型抜き方向に駆動され、該第1アンダ
ーカット部を形成する第3スライドコアとを具備するこ
とを特徴とするものである。
[作用] 本発明の成形用金型では、型開きによって、第1スラ
イドコアが第2型抜き方向に移動することにより第2ア
ンダーカット部を形成する。また、この第1スライドコ
アと係合する第2スライドコアは、第1アンダーカット
部を形成する第3スライドコアが第1スライドコアと干
渉しないように、第1スライドコアの移動により第1ス
ライドコアの移動から遅れて駆動される。そして、この
第2スライドコアと係合する第3スライドコアが第2ス
ライドコアの移動により第1型抜き方向に駆動されるこ
とにより第1アンダーカット部を形成する。
[実施例] 以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ
説明する。
この成形用金型は、第4図に示すように、自動車用コ
ンソールボックスの構成部品とされる成形品70を成形せ
んとするものである。この成形品70は、意匠面70aの裏
面に略直角に延びた脚部70bをもち、この脚部70bが製品
のヒケを防止するためなどに形成される第1型抜き方向
Aの第1アンダーカット部71と、組付け用に形成される
第1型抜き方向Aと交差する第1型抜き方向Bの第2ア
ンダーカット部72とをもつとともに、意匠面70aの裏面
に脚部70bと略平行にボス70cをもつものである。
この成形用金型は、第1図に示すように、図示しない
固定型に固定された上型1と、図示しない可動型に固定
された第1スライドコア2、第2スライドコア3、第3
スライドコア4及び下型5とを具備するものである。
上型1は、所定の角度で傾斜して固定された傾斜ピン
11と、この傾斜ピン11より大きい角度に形成されたガイ
ド面12と、成形品70の意匠面70aを形成するキャビティ
Cの上面13とをもつ。
第1スライドコア2は、第2型抜き方向Bに摺動可能
に保持されたスライドピン21と、上型1の傾斜ピン11を
摺動可能に案内するガイド孔22と、上型1のガイド面12
と整合するガイド面23と、後述する第2スライドコア3
と第2型抜き方向Bに間隙ΔLを隔てて対向する係合面
2aとをもつ。スライドピン21は、その先端に成形品70の
第2アンダーカット部72を形成する2本の突起211をも
つ。各突起211は、第4図に示す成形品70に示すよう
に、間隙ΔLを下回る長さΔlだけ突出している。
第2スライドコア3は、第1スライドコア2の係合面
2aと整合する係合面3aと、第1スライドコア2との間に
第2型抜き方向Bに押圧力を及ぼすばね31と、第2型抜
き方向Bと所定の角度で傾斜するありみぞ32とをもつ。
第3スライドコア4は、第2スライドコア3のありみ
ぞ32と整合するあり差し41と、第1スライドコア2のス
ライドピン21を摺動可能に案内するガイド孔42と、後述
する下型5のガイド面51と整合するガイド面43と、成形
品70の裏面の一方側及び第1アンダーカット部71を含む
脚部70bの一方側を形成するキャビティCの一部下面44
とをもつ。
下型5は、所定の角度で傾斜して形成されたガイド面
51と、成形品70の裏面の他方側、ボス70c及び脚部70bの
他方側を形成するキャビティCの残部下面52と、ボス70
cを形成するキャビティCの下方に押出しピン53とをも
つ。
この成形用金型では、キャビティCに成形用樹脂を注
入し、この成形用樹脂の固化後に型開きを行なうことに
より成形品70が得られる。
まず、可動型が下方に移動することにより、第2図に
示すように、第1スライドコア2、第2スライドコア
3、第3スライドコア4及び下型5が上型1から相対的
に型開きされる。このとき、第1スライドコア2は、傾
斜ピン11がガイド孔22を摺動し、上型1のガイド面12を
ガイド面23が摺動することにより、係合面2aと係合面3a
とが係合するまで第2型抜き方向Bに移動する。このと
き、第1スライドコア2と第2スライドコア3とは、ば
ね31により第2型抜き方向Bで離れる方向に付勢される
ため、第2スライドコア3は第1スライドコア2の移動
に追従することはない。これにより、第1スライドコア
2のスライドピン21は、係合面2aと係合面3aとの間隙Δ
Lだけ、第3スライドコア4のガイド孔42内を第2型抜
き方向Bに摺動するので、スライドピン21の各突起211
により第2アンダーカット部72が形成される。また、上
型1の上面13により成形品70の意匠面70aが形成され
る。
係合面2aと係合面3aとが係合してからも引続き可動型
が下方に移動することにより、第2スライドコア3は、
第3スライドコア4が第1スライドコア2のスライドピ
ン21と干渉しないように、第1スライドコア2の移動に
より第1スライドコア2の移動から遅れて駆動される。
このため、この第2スライドコア3と係合する第3スラ
イドコア4は、第3図に示すように、第2スライドコア
3の第2型抜き方向Bへの移動により、第2スライドコ
ア3のありみぞ32をあり差し41が摺動し、下型5のガイ
ド面51をガイド面43が摺動する。このため、第3スライ
ドコア4は、第1型抜き方向Aに駆動される。このと
き、スライドピン21は第1スライドコア2内で相対的に
下降する。これにより、第3スライドコア4は、一部下
面44により成形品70の裏面の一方側及び第1アンダーカ
ット部71を含む脚部70bの一方側を形成する。
この後、下型5の押出しピン53を押すことにより成形
品70のボス70cを押圧すれば、残部下面52により裏面の
他方側、ボス70c及び脚部70bの他方側が形成された成形
品70がこの成形用金型から取出される。
したがって、この成形用金型では、第1型抜き方向A
の第1アンダーカット部71と、第1型抜き方向Aと交差
する第2型抜き方向Bの第2アンダーカット部72とをも
ち、かつボス70cをももつ成形品70を成形することがで
きる。
[発明の効果] 以上詳述したように、この成形用金型では、第1スラ
イドコアが第2型抜き方向に移動され、第2スライドコ
アが第1スライドコアの移動により第1スライドコアの
移動から遅れて駆動され、第3スライドコアが第2スラ
イドコアの移動により第1型抜き方向に駆動されるた
め、互いに交差する方向の2つのアンダーカット部とを
もつ成形品が同時にボスやリブ等の突出部をももった場
合であっても、その成形品を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明の一実施例たる成形用金型に係り、
第1図は型開き前の状態を示す断面図、第2図は型開き
途中の状態を示す断面図、第3図は型開き終了前の状態
を示す断面図である。第4図は実施例の成形用金型によ
り成形された成形品の断面図である。第5図は従来の成
形用金型に成形された成形品の断面図である。第6図は
従来の成形用金型の断面図である。 2…第1スライドコア 3…第2スライドコア 4…第3スライドコア A…第1型抜き方向、B…第2型抜き方向 70…成形品 71…第1アンダーカット部 72…第2アンダーカット部 70c…ボス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−87112(JP,A) 特開 昭62−116124(JP,A) 実開 昭61−43023(JP,U) 実開 平1−146924(JP,U) 実開 昭63−70314(JP,U) 実開 昭57−138629(JP,U) 実開 昭63−70315(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/44 B29C 45/33 B29C 45/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1型抜き方向の第1アンダーカット部
    と、該第1型抜き方向と交差する第2型抜き方向の第2
    アンダーカット部とをもつ成形品を成形する成形用金型
    であって、 該第2型抜き方向に移動可能で該第2アンダーカット部
    を形成する第1スライドコアと、 該第1スライドコアと係合し、該第1スライドコアの移
    動により該第1スライドコアの移動から遅れて駆動され
    る第2スライドコアと、 該第2スライドコアと係合し、該第2スライドコアの移
    動により該第1型抜き方向に駆動され、該第1アンダー
    カット部を形成する第3スライドコアとを具備すること
    を特徴とする成形用金型。
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