JPH042030Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、射出成形用型具のエジエクタ機構に
関するものである。

（従来技術） 合成樹脂の射出成形品をキヤビテイダイとコア
ダイとによつて成形するようにした射出成形用型
具において、射出成形後に成形品をコアダイから
分離するためにコアダイ側にスライドブロツクを
設けるようにしたものがある。

即ち、第７図図示の如く、キヤビテイダイ２′
と対向して前後方向に移動可能なコアダイ３′に、
該コアダイ３′側にあつて成形品１′の側部１a′お
よび該側部１a′と連続する前角部１b′を成形する
型面４ａを有するスライドブロツク４′を設け、
型開き後において該スライドブロツク４′を前進
させるとき、該スライドブロツク４′に設けられ
たサイドエジエクタ５′をコアダイ３′の移動方向
と略直角方向に突出させて、成形品１′をコアダ
イ３′から分離するようにしている。

ところが、上記構成の射出成形用型具において
は、サイドエジエクタ５′が摺動部のカジリある
いはリターンスプリングのヘタリ等に起因して、
リターン不良を起こした場合、第８図図示の如
く、型締め時に、サイドエジエクタ５′の先端が
キヤビテイダイ２′の型面２a′に接触し、該型面
２a′を損傷するおそれがあつた。

（考案の目的） 本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
型締め時において、キヤビテイダイの分離面によ
つてサイドエジエクタを強制的にリターンせしめ
得るようにすることを目的としたものである。

（目的を達成するための手段） 本考案では、上記目的を達成するための手段と
して、キヤビテイダイと該キヤビテイダイに対向
して前後方向に移動可能なコアダイとによつて射
出成形品を成形した後、コアダイから成形品を分
離させるようにした射出成形用型具において、前
記コアダイに、該コアダイ側にあつて、成形品の
側部および該側部と連続する前角部を成形する型
面を有するスライドブロツクを前記コアダイの移
動方向と交叉し、前進時に成形品の中心側に近づ
くように移動可能に支持し且つ該スライドブロツ
クに、成形品側部内面および該成形品側部より突
出した位置にて前記キヤビテイダイの分離面に接
するエジエクタブロツクを先端部に有するサイド
エジエクタを前記コアダイの移動方向と略直角方
向に移動可能に支持するとともに、前記スライド
ブロツクとサイドエジエクタとの間に、スライド
ブロツク前進時に前記サイドエジエクタをスライ
ドブロツク型面より突出させる如く作用するカム
機構を介設している。

（作用） 本発明では、上記手段によつて次のような作用
が得られる。

即ち、型締め時において、サイドエジエクタ先
端部のエジエクタブロツクがキヤビテイダイの分
離面に当接され、その当接力によつてサイドエジ
エクタは強制的に復帰せしめられ、キヤビテイダ
イの型面への接触が防止される。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本考案の好適な
実施例を説明する。

本実施例の射出成形用型具は、成形品１（本実
施例では、自動車のバンパー）の外面形状に対応
する形状の凹部７を有するキヤビテイダイ２と、
前記成形品１の内面形状に対応する形状の凸部８
を有し、前記キヤビテイダイ２に対向して前後方
向に移動可能なコアダイ３と、該コアダイ３側に
あつて成形品１の側部１ａおよび該側部１ａと連
続する前角部１ｂを成形する型面４ａを有するス
ライドブロツク４と、前記コアダイ３側にあつて
成形品１の開口端部に形成されるリブ部１ｃの形
状に対応する凹部９を有する分割コア６とを備え
ている。

前記スライドブロツク４は、コアダイ３の側部
に形成された傾斜面（成形品１の中心側に傾い
た）３ａに当接された状態で連結ピン１０を介し
て図示しない駆動装置に連結されている。つま
り、駆動装置の作動により、スライドブロツク４
は、前記コアダイ傾斜面３ａに案内されつつコア
ダイ３の移動方向と交叉し、前進時に成形品１の
中心側に近づくように移動し得るようにされてい
るのである。

前記スライドブロツク４には、成形品１の側部
をコアダイ３から分離する如く作用するサイドエ
ジエクタ５が前記コアダイ３の移動方向と略直角
方向に移動可能に支持されている。

該サイドエジエクタ５は、前記スライドブロツ
ク４をコアダイ３の移動方向と略直角方向に進退
自在に貫通する一対のエジエクタピン１１，１１
とこれらエジエクタピン１１，１１先端部に設け
られたエジエクタブロツク１２とによつて構成さ
れている。

該各エジエクタピン１１は、その後端が前記コ
アダイ傾斜面３ａ途中に形成されたカム面１３に
当接される如くリターンスプリング１４で付勢さ
れている。

又、前記エジエクタブロツク１２は、第２図図
示の如く、成形品１の側部１ａ内面および該成形
品側部１ａより突出した位置にて前記キヤビテイ
ダイ２の分離面２ｂに接する形状とされている。

前記カム面１３は、コアダイ３の移動方向と平
行な面で構成されており、スライドブロツク４が
コアダイ傾斜面３ａに沿つて成形品１の中心側に
近づくように前進するとき、サイドエジエクタ５
は前記カム面１３にバツクアツプされてスライド
ブロツク４の型面４ａより突出せしめられるよう
になつている。即ち、前記カム面１３は、サイド
エジエクタ５を突出させるためのカム機構として
作用しているのである。

図面中、符号１５は、分割コア６を進退させる
べく図示しない駆動装置と連結するための連結ピ
ンである。

次に、図示の射出成形用型具の作用を説明す
る。

第１図および第２図図示の如く型締めされた射
出成形型具を用いて成形品１を成形した後、コア
ダイ３を矢印Ａ方向に後退させて型開きする（第
３図参照）。その後、図示しない駆動装置を作動
させて、スライドブロツク４および分割コア６を
突出させると、スライドブロツク４はコアダイ傾
斜面３ａに沿つて矢印Ｂ方向（即ち、成形品１の
中心側に近づく向方）に前進せしめられる。該ス
ライドブロツク４の前進に伴ない、カム面１３の
作用によりサイドエジエクタ５が矢印Ｃ方向に移
動して、スライドブロツク型面４ａより突出さ
れ、成形品１が第４図図示の如く、コアダイ３か
ら分離されるのである。その後、スライドブロツ
ク４および分割コア６は後退せしめられる。

次いで、次の成形工程に移るために、コアダイ
３を前進させて第５図図示の如く、型締めを行な
うが、その時、サイドエジエクタ５が摺動部のカ
ジリあるいはリターンスプリング１４のヘタリ等
により、リターン不良を起こす場合がある。その
場合、サイドエジエクタ５のエジエクタブロツク
１２はスライドブロツク４の型面４ａから突出し
た状態となつているが、型締めの進行とともに、
該エジエクタブロツク１２が、第６図図示の如
く、キヤビテイダイ２の分離面２ｂに当接され、
その後該当接力によつて強制的に復帰せしめられ
る。従つて、キヤビテイダイ２の型面２ａにエジ
エクタブロツク１２に接触するおそれがなくなる
のである。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、コアダイ側部に
移動可能に設けられたスライドブロツクに対し
て、コアダイの移動方向と略直角方向に移動可能
に支持されたサイドエジエクタの先端部に、成形
品側部内面および該成形品側部より突出した位置
にて前記キヤビテイダイの分離面に接するエジエ
クタブロツクを形成して、型締め時において、サ
イドエジエクタがリターン不良を起こした場合
に、キヤビテイ分離面によつてサイドエジエクタ
を強制的に復帰せしめるようにしたので、従来の
ように、サイドエジエクタ先端部が型締め時にキ
ヤビテイダイの型面に接触してこれを傷付けるよ
うなことがなくなり、成形品の品質低下を効果的
に防止できるという実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例にかかる射出成形用
型具の要部断面図、第２図は、第１図の−断
面図、第３図、第４図および第５図は、本考案実
施例の射出成形用型具の型開き時、エジエクタ時
および型締め時における要部断面図、第６図は、
第５図の−断面図、第７図および第８図は、
従来例の射出成形用型具における成形時および型
開き時の要部断面図である。 １……成形品、１ａ……側部、１ｂ……前角
部、２……キヤビテイダイ、２ｂ……分離面、３
……コアダイ、４……スライドブロツク、４ａ…
…型面、５……サイドエジエクタ、１２……エジ
エクタブロツク、１３……カム機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤビテイダイと該キヤビテイダイに対向して
   前後方向に移動可能なコアダイとによつて射出成
   形品を成形した後、コアダイから成形品を分離さ
   せるようにした射出成形用型具において、前記コ
   アダイには、該コアダイ側にあつて成形品の側部
   および該側部と連続する前角部を成形する型面を
   有するスライドブロツクが前記コアダイと移動方
   向と交叉し、前進時に成形品の中心側に近づくよ
   うに移動可能に支持され、該スライドブロツクに
   は、成形品側部内面および該成形品側部より突出
   した位置にて前記キヤビテイダイの分離面に接す
   るエジエクタブロツクを先端部に有するサイドエ
   ジエクタが前記コアダイの移動方向と略直角方向
   に移動可能に支持されており、前記スライドブロ
   ツクとサイドエジエクタとの間には、スライドブ
   ロツク前進時に前記サイドエジエクタをスライド
   ブロツク型面より突出させる如く作用するカム機
   構が介設されていることを特徴とする射出成形用
   型具のエジエクタ機構。