JPH08138241A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH08138241A
JPH08138241A JP6293645A JP29364594A JPH08138241A JP H08138241 A JPH08138241 A JP H08138241A JP 6293645 A JP6293645 A JP 6293645A JP 29364594 A JP29364594 A JP 29364594A JP H08138241 A JPH08138241 A JP H08138241A
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magnetic
ultrasonic
coating material
recording medium
coating
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JP6293645A
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Kaoru Kawasaki
薫 川崎
Akira Saito
彰 斉藤
Akihiko Seki
昭彦 関
Kazuyuki Shimazaki
和之 島崎
Takahiro Mori
孝博 森
Hisato Kato
久人 加藤
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Konica Minolta Inc
TDK Corp
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Konica Minolta Inc
TDK Corp
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • GPHYSICS
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
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    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/842Coating a support with a liquid magnetic dispersion
    • GPHYSICS
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 角型比、表面粗さ、出力、電磁変換特性等が
優れる磁気記録媒体の製造方法を提供する。 【構成】 処理対象である磁性塗料を通過させつつ超音
波処理するための超音波処理槽20と、超音波処理槽内
に挿入され磁性塗料に超音波振動を与える作動端面を備
える超音波ホーン30と、超音波ホーン30の基部側に
連接された超音波振動子40とを備えており、超音波ホ
ーンの作動端面からこの作動端面に対向する超音波処理
槽の壁面までの距離で規定される作動深さHは、2〜4
0mmに設定され、超音波照射時間が下記式(1)の範
囲の条件下で超音波処理された磁性塗料を、支持体の上
に塗設するように構成する。 H/6.6≦t≦3H …式(1) (但し、tは超音波照射時間(秒)を表し、Hは作動深
さ(mm)を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる塗布型の磁気
記録媒体の製造方法に関し、特に、磁性粉末の分散性に
優れ、再凝集が起こりにくいように磁性塗料を超音波照
射処理しておき、このものを支持体の上に塗設する磁気
記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性粉末を用いて磁性塗料を作成
した後、支持体に塗設する工程において、磁性塗料の固
形分濃度が極めて高いことや、磁気エネルギーを持つこ
と等によって、他の塗料に比較して再凝集しやすいとい
う欠点があった。
【0003】このような問題に対して、従来から超音波
を照射して超音波処理した磁性塗料を塗布部に供給する
方法(特公昭54−4244号公報、特開昭49−87
303号公報、同58−133635号公報、同61−
229236号公報、同62−6440号公報、特開平
4−129024号公報、特開平5−210843号公
報等)や、押し出し塗布機のダイコーター内に超音波振
動部を組み込み、塗布部とほぼ同等の位置にて塗料に超
音波照射する方法(特開平4−108561号公報)
や、塗布後に塗膜が固化する前に超音波振動を与える方
法(特公平1−59027号公報)等が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
磁気記録媒体の高密度化に伴い、使用される磁性粉末は
微粒子化・高磁気エネルギー化の方向に進んでおり、分
散が十分になされたとしても、塗布部において塗布され
るまでの間に、より再凝集しやすい方向となり、所定の
特性を得ることが困難となるという問題が生じていた。
このような問題に対して前記超音波処理した磁性塗料を
塗布部に供給する方法は、超音波処理装置の最適使用形
態、超音波照射条件および超音波照射から塗布までの最
適時間についての十分な検討がなされておらず、実際の
生産工程において、製品品質のばらつきが生じたり、ま
た期待していた所定の効果が発現しないといった問題が
生じていた。また、ダイコーター内に超音波振動部を組
み込む方法では、超音波照射があまりにも塗布部に近い
ために、塗布液とウエブ間に好ましくない振動が生じ、
塗布方向に厚みムラ等の塗布欠陥を誘発しやすいという
問題が生じていた。また、塗布後に塗膜に超音波振動を
与える方法では、磁性塗料中に通常、投入される硬化剤
に起因する凝集を十分に分散できないという問題が生じ
ていた。
【0005】本発明はこのような実情のもとに創案され
たものであって、その目的は超音波処理装置の最適使用
形態、超音波照射条件等を設定し、磁性粉末、さらには
微粒子・高磁気エネルギーの強磁性金属粉末の分散性に
優れ、再凝集が起こりにくい磁性塗料をつくりだし、こ
のものを支持体の上に塗設して角型比、表面粗さ、出
力、電磁変換特性等が優れる磁気記録媒体の製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を解決す
るために、本出願に係る発明者らは、超音波処理装置の
最適使用形態、超音波照射条件および超音波照射から塗
布までの最適時間について鋭意検討を行い、磁性粉末の
分散性に優れ、再凝集が起こりにくい磁性塗料の前処理
法を見いだし、本発明の磁気記録媒体の製造方法に想到
したのである。すなわち、本発明は、磁性粉末、結合剤
を含有する磁性塗料を、発振周波数10kHz〜200
kHz、超音波振幅10〜100μmの作動条件下で超
音波処理装置内を通過させて超音波処理し、該超音波処
理をした磁性塗料を支持体の上に塗設する磁気記録媒体
の製造方法において、前記超音波処理装置は、処理対象
である磁性塗料を通過させつつ超音波処理するための超
音波処理槽と、該超音波処理槽内に挿入され磁性塗料に
超音波振動を与える作動端面を備える超音波ホーンと、
該超音波ホーンの基部側に連接された超音波振動子とを
備えており、前記超音波ホーンの作動端面からこの作動
端面に対向する超音波処理槽の壁面までの距離で規定さ
れる作動深さHは、2〜40mmに設定され、該装置を
用いて、超音波照射時間が下記式(1)の範囲の条件下
で超音波処理された磁性塗料を、支持体の上に塗設する
ように構成される。
【0007】H/6.6≦t≦3H …式(1) (但し、tは超音波照射時間(秒)を表し、Hは作動深
さ(mm)を表す)
【0008】
【作用】本発明によれば、超音波処理装置の最適使用形
態、超音波照射条件等を設定しているので、磁性粉末の
分散性に優れ、再凝集が起こりにくい磁性塗料をつくり
だすことができ、その結果として、角型比、表面粗さ、
出力、電磁変換特性等に優れる磁気記録媒体が得られ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法につ
いて詳細に説明する。
【0010】まず最初に、本発明の磁気記録媒体の製造
方法に用いられる超音波処理装置について図1を参照し
つつ説明する。図1に示されるように超音波処理装置1
0は、処理対象である磁性塗料3を通過させつつ超音波
処理するための超音波処理槽20と、該超音波処理槽2
0内に挿入され磁性塗料3に超音波振動を与えるための
超音波ホーン30と、該超音波ホーン30の基部側に連
接された超音波振動子40とを備えている。超音波振動
子40には、超音波発生器43が接続される。そして、
通常、超音波振動子40の上には、振幅検出器41が連
接して形成され、このものには振幅表示器42が接続さ
れる。超音波処理槽20は、ポンプ4を介して攪拌タン
ク2へ連通されている。このような超音波処理装置10
の、特に超音波照射条件を設定するうえでの要部の詳細
が図2に示される。
【0011】図2に示されるように、超音波処理槽20
は、磁性塗料が流通する空間E1を形成するための円筒
状の内部筐体21と、この外部に設けられ、冷却水等の
冷媒が流通する空間E2を形成するための外部筐体27
を備えている。内部筐体21の底部には処理対象である
磁性塗料3を導入するための磁性塗料入口22が設けら
れており、内部筐体21の上方には磁性塗料出口23が
設けられており、これによって磁性塗料3が内部筐体2
1の内部を連続的に流通できるようになっている(矢印
(a)から矢印(b))。円筒状の内部筐体21の大き
さに特に制限はないが、通常は、直径 25〜60mm
程度の大きさとされる。一方、外部筐体27には、冷却
水等の冷媒が循環できるように(矢印(c)から矢印
(d))冷媒の入口28および出口29が設けられてい
る。この外部筐体27は必要に応じて省略することがで
きる。
【0012】このような超音波処理槽20(特に内部筐
体21)の中に挿入される超音波ホーン30は、磁性塗
料に超音波振動を与えるための作動端面31(ホーン先
端部)を備えており、この超音波ホーン30の作動端面
31からこの作動端面31に対向する超音波処理槽20
の壁面(内部筐体21の壁面)23までの距離で規定さ
れる作動深さHは、2〜40mm、より好ましくは2〜
30mmに設定される。さらに、前記超音波ホーン30
の作動端面31の面積Sと作動深さHで規定される有効
分散室体積V0 は、超音波処理槽20の規模によっても
多少異なるが、好適には0.6〜80cm3 、さらに好
適には0.9〜60cm3 とされる。前記作動深さH
が、極端に小さくなって2mm未満となると、超音波振
動によって超音波ホーン30の作動端面31ないしは作
動端面31に対向する超音波処理槽の壁面(内部筐体2
1の壁面)23が極端な摩耗(エロージョン)や急激な
液温上昇を引き起こしたり、有効分散室体積V0 内の極
端な圧力上昇が生じたり、さらには過分散などの不都合
が生じる。この一方で、前記作動深さHが、40mmを
超えると、比較的長い超音波照射の時間が必要になった
り、また分散の均一性に欠けるという不都合が生じる。
前記有効分散室体積V0 が小さくなりすぎると、作動深
さHが極端に小さくなりすぎた場合と同じ不都合が生
じ、また、前記有効分散室体積V0 が大きくなりすぎる
と、作動深さHが極端に大きくなりすぎた場合と同じ不
都合が生じる。
【0013】このような作動端面31を備える超音波ホ
ーン30の基部側には超音波振動子40が連接されてお
り、この超音波振動子40から発せられた超音波は、超
音波ホーン30を伝達し、さらに作動端面31から磁性
塗料に伝えられる。なお、用いる超音波ホーン30の大
きさに特に制限はないが、通常は、直径20〜50mm
程度の大きさとされる。
【0014】このような超音波処理装置10を用いての
本発明の超音波処理条件は、発振周波数10kHz〜2
00kHz、作動端面31の超音波振幅10〜100μ
m、かつ超音波照射時間(超音波照射時間の定義につい
ては後述する)が下記式(1)の範囲内とされる。
【0015】H/6.6≦t≦3H …式(1) 式(1)において、tは超音波照射時間(秒)を表し、
Hは前記の作動深さ(mm)を表している。この式
(1)の範囲内において、さらに好適な超音波照射時間
t(秒)は、H/6.6≦t≦2Hである。
【0016】前記発振周波数および振幅がこれらの所定
の範囲をはずれると、上記式(1)を満足する超音波照
射時間内の照射で、磁性粉末等の分散性が良好でかつ再
凝集が起こりにくい磁性塗料が得られない。また、発振
周波数および振幅がこれらの所定の範囲内であっても、
超音波照射時間tが上記式(1)の下限値未満、すなわ
ち(H/6.6)秒未満となると磁性粉末等の分散性が
良好でかつ再凝集が起こりにくい磁性塗料が得られな
い。また、超音波照射時間tが上記式(1)の上限値、
すなわち、(3H)秒を超えるようにすると、電磁変換
特性や物性等に悪影響を及ぼす。さらには前述したよう
な装置形態では装置自体を多数連結して処理せざるを得
ず、装置コストが膨大になり経済的効果に欠ける。さら
に磁性粉末の分散性等の効果も投入コストに見合ったも
のにならない。
【0017】さらに本発明の超音波処理条件は、圧力
0.01〜8Kgf/cm2 (ゲージ圧)とすることが
好ましく、さらに好ましくは、0.1〜4Kgf/cm
2 (ゲージ圧)である。超音波照射時に圧力が存在する
のは超音波ホーン30と内部筐体21との接合部は隙間
なく密着されており、磁性塗料の入口出口を除いて内部
筐体21は密封系を形成しているからである。
【0018】本発明の超音波照射時間の定義について、
図3に示されるパス処理の場合および図4に示される循
環処理の場合について説明する。
【0019】図3には、図2に示される超音波処理装置
10を3台直列(10a,10b,10c)に連結した
一連のパス処理の装置が例示されている。この図におい
て、タンク2から流量Q(l/sec)で送り出される
磁性塗料3は、ポンプ4a、フィルタ5aを介して、第
1、第2および第3の超音波処理装置10a,10b,
10cを通過していき、最終的にポンプ4b、フィルタ
5bを介して塗布部へと送られる。この場合、第1、第
2および第3の超音波処理装置10a,10b,10c
の有効分散室体積を、それぞれ、V0a,V0b,V0cとす
ると(単位はすべてlとする)、トータルの超音波照射
時間tは、t=V0a/Q + V0b/Q+ V0c/Qで
表される。もちろん、仮に第1の超音波処理装置10a
しか用いなければt=V0a/Qで表される。従って、超
音波照射時間t、超音波処理装置の使用台数およびその
有効分散室体積が決まれば、あとは超音波照射時間tが
得られるように磁性塗料3の流量Qを調整してやればよ
い。なお、このパス処理の場合、超音波処理装置からの
超音波照射は途絶えることなく連続的に行われる。
【0020】図4には、図2に示される超音波処理装置
を循環処理に用いた場合の一連の循環処理装置が例示さ
れている。循環処理の場合の理解を容易にするために、
図4の二点鎖線の枠内のみを考える。タンク2aの底部
から引き出された磁性塗料3aは、3方バルブ7aによ
って矢印(イ)方向および(ロ)方向に分岐される。矢
印(イ)方向に分岐された磁性塗料は、ポンプ4aを介
して超音波処理装置10aに送られ、ここで超音波処理
された後、再びタンク2aに戻る。つまり循環処理され
るのである。一方、矢印(ロ)方向に分岐された磁性塗
料は、ポンプ4b、フィルタ5a、3方バルブ7bを介
して矢印(ハ)方向に進み再びタンク2aに戻る。この
時点では、3方バルブ7bのバルブ操作によって矢印
(ニ)方向へ磁性塗料は流れないようになっている。つ
まりタンク2aを中心に、磁性塗料が循環している。こ
の場合、タンク2aに予め貯留されている磁性塗料の容
量をV1(l)、超音波処理装置10aの有効分散室体
積をV0aとし(単位はlとする)、磁性塗料の総循環時
間をT(sec)とすると、超音波照射時間t(se
c)は、t=V0a・T/V1で表される。もう少し具体
的に数値をあてはめて説明する。仮に超音波照射時間t
=1sec、V0a=0.1l、V1=10lとすると、
超音波照射時間t=1secを得るためには総循環時間
Tを100secに取らなければならないことがわか
る。この計算例からわかるように、例えば、超音波処理
装置10aの有効分散室体積V0aが一定であると仮定す
ると、タンク2aに予め貯留されている磁性塗料の容量
V1(l)を大きくすればするほど超音波照射時間t=
1secを得るための総循環時間Tを大きくしなけれら
ばならない。
【0021】このようにして所定の総循環時間Tで循環
されながら所定の時間超音波処理された磁性塗料は、通
常、タンク2a内に一旦貯留される。この時、磁性塗料
の循環は行われていない。しかる後、タンク2a内の磁
性塗料は3方バルブ7bのバルブ操作によって矢印
(ニ)方向のみへ供給され、タンク2b内に貯留され
る。そして、タンク2b内に貯留されている磁性塗料
は、通常、3方バルブ7cのバルブ操作によって矢印
(ヘ)方向のみに流れ、ポンプ4d、フィルタ5bを経
由し、さらに3方バルブ7dのバルブ操作によって矢印
(チ)方向に流れ、ポンプ4e、フィルタ5cを経由し
て磁気記録媒体製造のための塗布部へと送られる。
【0022】なお、タンク2b内に貯留されている磁性
塗料は、3方バルブ7cのバルブ操作によって矢印
(ホ)方向へも分岐して送られることもある。ポンプ4
cを介して超音波処理装置10bに送られ、ここでさら
に超音波処理が必要に応じて行われる場合があるからで
ある。また、3方バルブ7dのバルブ操作によって矢印
(ト)方向にも分岐させ、塗料の一部をタンク2bに戻
すこともある。
【0023】なお、図示していないが図3のタンク2a
の上部からは、適宜、超音波処理されていない磁性塗料
が補給されるようになっている。
【0024】上述のごとく超音波処理された磁性塗料
は、塗布部に供給されて、ここで支持体の上に塗設され
る。この場合、超音波処理されてから支持体の上に塗設
されるまでの時間を待機時間Tw(分)とすると、超音
波処理された磁性塗料は、下記式(2)を満たす待機時
間Tw(分)内に支持体の上に塗設することが必要とな
る。
【0025】 0<Tw≦26.5t/H + 44 …式(2) ただし、上記式(2)において、tは超音波照射時間
(秒)を表し、Hは作動深さH(mm)を表すと共に2
〜40mmの範囲の数値をとる。
【0026】待機時間Tw(分)が上記の範囲以上とな
ると、磁性塗料の再凝集が起こり、超音波処理による所
定の効果が得られない。
【0027】また、前記の超音波処理を行う前に、硬化
剤を磁性塗料内に混合することもあり、この場合には硬
化剤混合後、5時間以内に、超音波処理を行うことが必
要になる。5時間を超えた後に超音波振動処理を行う
と、硬化剤に起因する凝集塊を十分に再分散できず所定
の効果が得られないという不都合が生じる。
【0028】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
用いられる磁性塗料について説明する。磁性塗料には、
主成分として磁性粉末、結合剤(バインダ)および溶剤
が含有されている。
【0029】使用される磁性粉末としては、酸化鉄磁性
粉末、強磁性金属粉末、板状六方晶フェライト、二酸化
クロム等が挙げられる。
【0030】酸化鉄磁性粉末としては、γ−Fe2
3 、Fe34 、γ−Fe23 とFe34 固溶体、
Co化合物被着型γ−Fe23 、Co化合物ドープ型
γ−Fe23 、Co化合物被着型Fe34 、Co化
合物ドープ型Fe34 、Co化合物被着型γ−Fe2
3 とCo化合物被着型Fe34 固溶体、Co化合物
ドープ型γ−Fe23 とCo化合物ドープ型Fe3
4 固溶体等が挙げられる。ここで、Co化合物とは、酸
化コバルト、水酸化コバルト、コバルトフェライト、コ
バルトイオン吸着物等のコバルトの磁気異方性を保磁力
向上に活用する化合物を示す。Co被着またはドープさ
れたγ−Fe23 を用いる場合における2価の鉄の3
価の鉄に対する比は、好ましくは0〜20%であり、さ
らに好ましくは2〜10%である。
【0031】強磁性金属粉末としては、Fe、Ni、C
oおよびこれらの合金が例示され、α−Fe、Fe−C
o、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co、Co−Ni
等の強磁性金属元素を主成分とするものを用いる場合、
金属(Fe、Co、Ni等)または合金を70wt%以
上含むことが好ましく、さらには75wt%以上含むこ
とが好ましい。また、Feを主成分とし、さらに少なく
ともCoを含有する強磁性金属磁性粉末においては、そ
のFe原子に対するCo原子の量は5〜40wt%、好
ましくは6〜35wt%である。また、Feおよび/ま
たはCoを主成分とする強磁性金属粉末においては、さ
らにYを含む希土類元素を含有するものが好ましい。さ
らにこれら強磁性金属粉末は、粒子表面に酸化被膜ある
いは、一部炭化ないし窒化された強磁性金属粉末、また
は表面に炭素質被膜がなされた強磁性金属粉末であって
もよい。上記強磁性金属粉末については、少量の水酸化
物または酸化物を含んでもよい。これら強磁性金属粉末
は、公知の製造方法により得られたものを用いることが
でき、下記の方法をあげることができる。製造方法の例
としては、強磁性金属の有機酸塩(主としてシュウ酸
塩)と水素等の還元性気体で還元する方法、含水酸化鉄
または含水酸化鉄を加熱して得た酸化鉄を水素等の還元
性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解
する方法、強磁性合金の水溶液に水素化ホウ素ナトリウ
ム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジン等の還元剤を用い
て還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させ
て微粉末を得る方法等である。このようにして得られた
強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤
に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したの
ち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したの
ち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性
ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法の
いずれを施したものでも用いることができる。
【0032】板状六方晶フェライトは、磁化容易軸が平
板の垂直方向にある六角板状の強磁性粉末であり、例え
ば、Ba−フェライト、Sr−フェライト、Pb−フェ
ライト、Ca−フェライト及びこれらのFe原子の価数
を合わせた金属原子置換フェライト、六方晶Co粉末等
が挙げられる。より具体的には、マグネトプランバイト
型のBa−フェライト及びSr−フェライト、さらに一
部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のBa
−フェライト及びSr−フェライト等が挙げられ、とく
に好ましいものとしてはBa−フェライト、Sr−フェ
ライトの保磁力を制御するためにFe原子の価数を合わ
せた金属原子置換フェライトである。この保磁力を制御
するために置換添加して用いられる金属原子としては、
Co−Ti、Co−Ti−Sn、Co−Ti−Zr、C
u−Zn、Cu−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn等を用
いることが好ましい。Ba−フェライトを用いる場合、
板径は六角板状の粒子の板の幅を意味し、電子顕微鏡を
使用して測定する。この板径は0.01〜0.1μm程
度で、板厚は直径の1/2〜1/20程度とされる。
【0033】また、磁性粉末は針状のCrO2 磁性粉末
であってもよい。
【0034】なお、これら上記のすべての磁性粉末に
は、Al、Si、Cr、Mn、Co、Ni、Zn、C
u、Zr、Ti、Bi、Ag、Pt、B、C、P、N、
Y、S、Sc、V、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、S
b、Te、Ba、Ca、Ta、W、Re、Au、Hg、
Pb、La、Sr、希土類等の元素を少量添加したもの
であってもよく、これらの元素の中でもとくに、Al、
Si、P、Y、希土類元素を添加することによって粒度
分布を向上させ、焼結を防止する等の効果がある。
【0035】またこれら磁性粉末には、Al、Si、P
またはこれらの酸化物膜で覆ったものでも、Si、A
l、Ti等のカップリング剤や各種の界面活性剤等で表
面処理したものでもよい。
【0036】強磁性金属粉末の場合には水に可溶性のN
a、K、Ca、Fe、Ni等の無機イオンを含む場合が
あるが、その量は好ましくは500ppm以下である。
【0037】これらの磁性粉末にはあとで述べる分散
剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤等で分散前にあら
かじめ処理を行ってもかまわない。
【0038】磁性粉末の含水率は0.1〜2%であれば
よいが、結合剤の種類によって最適化することが好まし
い。
【0039】磁性粉末のpHは用いる結合剤との組み合
わせにより最適化することが好ましく、その範囲は、4
〜12であるが、好ましくは6〜10である。
【0040】これらの磁性粉末をBET法による比表面
積で表せば25〜80m2 /gであり、好ましくは40
〜70m2 /gであり、25m2 /g以下ではノイズが
高くなり、80m2 /g以上では表面性が得にくく好ま
しくない。
【0041】このような磁性粉末は、通常バインダー1
00wt%に対し100〜2000wt%程度含有さ
れ、磁性層中の磁性粉末の含有量は、全体の50〜95
wt%、好ましくは55〜90wt%とし、磁性粉末の
含有量が多すぎると磁性層中の樹脂を始めとする添加物
の量が相対的に減少するため、磁性層の耐久性が低下す
る等の欠点が生じやすくなり、少なすぎると高い再生出
力を得られない。
【0042】これらの磁性粉末は、それぞれ単独で使用
してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0043】これらの磁性粉末の中でも特に、Feに対
して5〜40wt%のCoを含む強磁性金属磁性粉末で
あって、飽和磁化量σs が125emu/g以上(特
に、125emu/g〜170emu/g)かつ平均長
軸長さが0.15μm以下(特に、0.04μm〜0.
15μm)の強磁性金属磁性粉末を用いた時には、本発
明の超音波処理の効果が特に媒体特性の観点から顕著に
現れる。
【0044】磁性塗料に使用される結合剤としては、熱
可塑性樹脂、熱硬化性ないし反応型樹脂、電子線感応型
変性樹脂等が用いられ、その組み合わせは媒体の特性、
工程条件に合わせて適宜選択使用される。
【0045】熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150
℃以下、平均分子量5、000〜200、000、重合
度50〜2、000程度のものであり、熱硬化樹脂、反
応型樹脂または電子線官能型変性樹脂も熱可塑性樹脂同
様の平均分子量、重合度のものであって、塗布、乾燥、
カレンダー加工後に加熱、および/または電子線照射す
ることにより、縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなるものである。
【0046】これらのうちで、好ましく用いられるもの
としては、以下に示すような塩化ビニル系共重合体およ
びポリウレタン樹脂の組み合わせである。
【0047】塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル含有
量60〜95wt%、とくに60〜90wt%のものが
好ましく、その平均重合度は100〜500程度である
ことが好ましい。
【0048】このような塩化ビニル系樹脂としては、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸、、塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−マレイン酸、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリート、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリート−マレイン酸、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール−グリシジル(メタ)アク
リレート、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート−グリシジル(メタ)アクリレート、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−グリシジル(メ
タ)アクリレート共重合体、塩化ビニル−ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−アリ
ルグリシジルエーテル等の共重合体があるが、とくに塩
化ビニルとエポキシ(グリシジル)基を含有する単量体
との共重合体が好ましい。このような塩化ビニル系共重
合体としては、硫酸基および/またはスルホ基を極性基
(以下S含有極性基)として含有するものが好ましく、
S含有極性基(−SO4 Y、−SO3 Y)において、Y
がH、アルカリ金属のいずれであってもよいが、Y=K
で、−SO4 K、−SO3 Kであることがとくに好まし
く、これらS含有極性基は、いずれか一方であっても、
両者を含有するものであってもよく、両者を含むときに
はその比は任意である。
【0049】また、これらのS含有極性基は、S原子と
して分子中に0.01〜10wt%、とくに0.1〜5
wt%含まれていることが好ましい。
【0050】また極性基としては、必要に応じS含有極
性基の他に、−OPO2 Y基、−PO3 Y基、−COO
Y基(YはH、アルカリ金属)、アミノ基(−NR
2 )、−NR3 Cl(RはH、メチル、エチル)等を含
有させることもできる。
【0051】この中で、アミノ基は前記Sと併用しなく
とも良く、また種々のものであってよいが、とくにジア
ルキルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜10のアル
キル)が好ましい。
【0052】このようなアミノ基は通常、アミン変性に
よって得られ、塩化ビニル・アルキルカルボン酸ビニル
エステルの共重合体をアルコール等の有機溶剤に分散あ
るいは溶解させ、その中にアミン化合物(脂肪族アミ
ン、脂環状アミン、アルカノールアミン、アルコキシア
ルキルアミン等の第1級、第2級もしくは第3級アミン
等)と、容易にケン化反応を進行させるためのエポキシ
基含有化合物とを加えてケン化反応を行なうことで得ら
れ、そのアミノ基を有するビニル単位が0.05〜5w
t%で、なおアンモニウム塩基が結果的に含まれていて
も良い。
【0053】これらのS含有極性基が結合する樹脂骨格
は、塩化ビニル系樹脂であり、塩化ビニル、エポキシ基
を有する単量体、さらに必要に応じてこれらと共重合可
能な他の単量体を、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等のSを含む強酸根を有するラジカル発生剤の存在下
に重合して得ることができ、これらのラジカル発生剤の
使用量は、単量体に対して通常は0.3〜9.0wt
%、好ましくは1.0〜5.0wt%であり、重合にお
いては水溶性のものが多いので、乳化重合あるいは、メ
タノール等のアルコールを重合媒体とする懸濁重合や、
ケトン類を溶媒とする溶液重合が好適である。
【0054】この際、Sを含む強酸根を有するラジカル
発生剤に加えて通常塩化ビニルの重合に用いられるラジ
カル発生剤を使用することも可能である。
【0055】また、Sを含む強酸根を有するラジカル発
生剤に、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、
亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を組
み合わせることも可能である。
【0056】さらに、エポキシ基を有する単量体の例と
しては、(メタ)アリルグリシジルエーテル等の不飽和
アルコールのグリシジルエーテル類、グリシジル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のグリシジル
エステル類、グリシジル−p−ビニルベンゾエート、メ
チルグリシジルイタコネート、グリシジルエチルマレー
ト、グリシジルビニルスルホネート、グリシジル(メ
タ)アリルスルホネート等の不飽和酸のグリシジルエス
テル類、ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキ
センモノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシヘ
キセン等のエポキシドオレフィン類等が挙げられ、一般
には共重合体中のエポキシ基の量が0.5wt%以上と
なる範囲で使用される。
【0057】塩化ビニルとエポキシ基を有する単量体の
ほかに必要に応じて使用することのできる単量体の例と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン
酸ビニルエステル、メチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエー
テル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のビニリデ
ン、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジル、
マレイン酸ジ−2−ヒドロキシエチル、イタコン酸ジメ
チル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸−2−ヒドロキシプロピル等の不飽和カルボン酸エ
ステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、(メ
タ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル等が挙げられ
る。
【0058】このような塩化ビニル系樹脂と併用するポ
リウレタン樹脂は、耐摩耗性および支持体への接着性が
良い点でとくに有効であり、これらには、側鎖に極性
基、水酸基等を有するものであっても良く、とくに硫黄
または燐を含有する極性基を含有しているものが好まし
い。
【0059】これらポリウレタン樹脂とは、ポリエステ
ルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール等
のヒドロキシ基含有樹脂とポリイソシアネート含有化合
物との反応により得られる樹脂の総称であって、下記に
詳述する合成原料を数平均分子量で500〜20000
0程度に重合したもので、そのQ値(重量平均分子量/
数平均分子量)は1.5〜4程度である。
【0060】またこれらのウレタン樹脂は、用いる結合
剤中において、ガラス転移温度Tgが−20℃≦Tg≦
80℃の範囲で異なるものを少なくとも2種類以上、さ
らにその合計量が全結合剤の10〜90wt%であり、
これら複数のポリウレタン樹脂を含有することで、高温
度環境下での走行安定性とカレンダ加工性、電磁変換特
性のバランスが得られる点で好ましい。
【0061】さらにこれら塩化ビニル系共重合体と、S
および/またはP含有極性基含有ウレタン樹脂とは、そ
の重量混合比が10:90〜90:10となるように混
合して用いることが好ましい。
【0062】なお、これらの樹脂に加えて、全体の20
wt%以下の範囲で、公知の各種樹脂が含有されていて
もよい。
【0063】これらのウレタン樹脂の原料のうち、ヒド
ロキシル基含有樹脂としてはポリエチレングリコール、
ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のポリアルキレングリコール、ビスフェノールA等のア
ルキレンオキサイド付加物、各種のグリコールおよびヒ
ドロキシル基を分子鎖末端に有するポリエステルポリオ
ール等が挙げられる。
【0064】ポリエステルポリオールのカルボン酸成分
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、1、5−ナフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−
オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸
等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の
脂肪酸ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の
不飽脂肪酸および脂環族ジカルボン酸、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリおよびテト
ラカルボン酸等を挙げることができる。
【0065】また、ポリエステルポリオールのグリコー
ル成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールA等のエチレンオキサイ
ド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビ
スフェノールAのエチレンオキサイドおよびプロピレン
オキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が
ある。また、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等のトリお
よびテトラオールを併用してもよい。
【0066】ポリエステルポリオールとしては他にカプ
ロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるラク
トン系ポリエステルジオール鎖が挙げられる。
【0067】使用されるポリイソシアネートとしては、
トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ジイソシアネ
ートメチルシクロヘキサン、ジイソシアネートシクロヘ
キシルメタン、ジメトキシビフェニレンジイソシアネー
ト、ジイソシアネートジフェニルエーテル等のジイソシ
アネート化合物あるいは、全イソシアネート基のうち7
モル%以下のトリレンジイソシアネートの三量体、ヘキ
サメチレンジイソシアネートの三量体等のトリイソシア
ネート化合物が挙げられる。
【0068】これらの樹脂中に含まれる極性基として、
S含有基としては−SO3 M(スルホン酸基)、−SO
4 M(硫酸基)、リン酸含有極性基としては、ホスホン
酸基=PO3 M、ホスフィン酸基=PO3 M、亜ホスフ
ィン酸基=POM、−P=O(OM1 )(OM2 )、−
OP=O(OM1 )(OM2 )、−COOM、−NR4
X(ここで、M、M1 、M2 は、H、Li、Na、K、
−NR4 、−NHR3を示し、Rはアルキル基もしくは
Hを示し、Xはハロゲン原子を示す)−OH、−NR
2 、−N+3 、(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−
SH、−CN等から選ばれる少なくとも一つ以上のの極
性基を共重合または付加反応で導入したものを用いるこ
とが好ましく、このうちMとしてはとくにNaが好まし
く、これら極性基は、原子として分子中に0.01〜1
0wt%、とくに0.02〜3wt%含まれていること
が好ましく、これら極性基は骨格樹脂の主鎖中に存在し
ても、分枝中に存在してもよい。
【0069】このようなウレタン樹脂は公知の方法によ
り、特定の極性基含有化合物および/または特定の極性
基含有化合物と反応させた原料樹脂等を含む原料とを溶
剤中、または無溶剤中で反応させることにより得られ
る。
【0070】これら以外の熱可塑性樹脂としては、例え
ば(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール、ニトロセルロース、スチレン−ブ
タジエン系共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、アセ
タール樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリカプロラクトン等の多官能性ポリエ
ーテル類、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリブタジエンエラストマー、塩化ゴム、アク
リルゴム、イソプレンゴム、エポキシ変性ゴム等をあげ
ることができる。
【0071】また熱硬化性樹脂としては、縮重合するフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、ブチラール樹脂、ポリマール樹脂、メラ
ニン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル
系反応樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ−ポリアミド樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂
等が挙げられる。
【0072】上記共重合体の中でも、末端およびまたは
側鎖に水酸基を有するものが反応型樹脂として、イソシ
アナートを使用した架橋や電子線架橋変性等が容易に利
用できるため好適であり、さらに末端や側鎖に極性基と
して−COOH、−SO3 M、−OSO3 M、−OPO
3 X、−PO3 X、−PO2 X、−N+3 Cl- 、−
NR2 等をはじめとする酸性極性基、塩基性極性基等を
含有していてもよく、これらの含有は分散性の向上に好
適である。、これらは一種単独で使用しても、二種以上
を組み合わせて使用してもよい。
【0073】バインダー樹脂を硬化する架橋剤として
は、各種ポリイソシアナートを用いることができ、トリ
レンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、メチレンジイソシアナート等の1種以上を、トリメ
チロールプロパン等の水酸基を複数有するものに変性し
た架橋剤、またはジイソシアネート化合物3分子が結合
したイソシアヌレート型の架橋剤を用いることが好まし
く、架橋剤の含有量は樹脂100wt%に対し、1〜5
0wt%とすることが好ましく、この架橋剤によりバイ
ンダー樹脂に含有される水酸基等と三次元的に結合して
塗膜層の耐久性が向上できる。
【0074】具体的には日本ポリウレタン株式会社製の
コロネートL、HL、3041、旭化成株式会社製の2
4A−100、TPI−100、BFGoodrich
社製のデスモジュールL、N等が挙げられる。
【0075】一般にこのような、反応性または熱硬化性
樹脂を硬化するには、加熱オーブン中で50〜80℃に
て6〜100時間加熱したり、あるいは低速度にて、8
0〜120℃のオーブン中を走行させたりする。
【0076】さらに上記共重合体に公知の手法により、
(メタ)アクリル系二重結合を導入して電子線感応変性
を行ったものを使用することも可能であるこの電子線感
応変性を行うには、トリレンジイソシアネート(TD
I)と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2
−HEMA)との反応物(アダクト)とを反応させるウ
レタン変性、エチレン性不飽和二重結合を1個以上およ
びイソシアネート基1個を1分子中に有し、かつウレタ
ン結合を分子中に持たないモノマー(2−イソシアネー
トエチル(メタ)アクリレート等)を用いる改良型ウレ
タン変性と水酸基やカルボン酸基を有する樹脂に対し
(メタ)アクリル基とカルボン酸無水物あるいはジカル
ボン酸を有する化合物を反応させてエステル変性する方
法とがよく知られているが、これらの中でも改良ウレタ
ン変性が、塩化ビニル系樹脂の含有比率を上げても脆く
ならず、しかも分散性、表面性にすぐれた塗膜を得るこ
とができるため好ましい。
【0077】またその電子線官能基含有量は、製造時の
安定性、電子線硬化性等から水酸基成分中1〜40モル
%、好ましくは10〜30モル%であり、とくに塩化ビ
ニル系共重合体の場合1分子あたり1〜20個、好まし
くは2〜10個の官能基となるようにモノマーを反応さ
せると分散性、硬化性ともに優れた電子線硬化性樹脂を
得ることができる。
【0078】ここにいうアクリル系二重結合とは、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸アミドの残基である(メタ)アクリロイ
ル基をいう。
【0079】これら電子線感応変性樹脂を用いる場合、
架橋率を向上させるために従来公知の多官能アクリレー
トを1〜50wt%混合して使用してもよい。
【0080】電子線感応性変性樹脂をバインダーとして
用いた場合の硬化に際しての照射線源としては、吸収線
量の制御、製造工程ラインへの導入、電離放射線の遮蔽
の見地から、電子線を使用する方法および/または紫外
線を使用する方法が有利であり、電子線の場合には加速
電圧100KV〜750KV、好ましくは150〜30
0KVの電子線加速器を用い、吸収線量を20〜200
キログレイになるように照射するのが好都合である。
【0081】また電子線架橋に際しては、酸素濃度が1
%以下のN2 、He、CO2 等の不活性ガス雰囲気で電
子線を照射することが重要で、これは放射線照射により
生じたO3 等がラジカルを捕捉するのを防ぐためであ
る。
【0082】一方、紫外線を用いる場合には、電子線硬
化性樹脂を含有するバインダーの中には、従来公知の光
重合増感剤が加えられ、その照射については、キセノン
放電管、水素放電管等の紫外線電球等を用いればよい。
【0083】さらに磁性塗料に含有される溶剤として
は、とくに制限はないが、バインダーの溶解性、相溶性
および乾燥効率等を考慮して適宜選択され、例えばメチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、イ
ソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジオキ
サン、テトヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ヘキ
サン、塩素置換炭化水素類等の希釈剤ないし溶剤を単一
溶剤またはこれらの任意比率の混合溶剤として用いる。
【0084】これら有機溶剤は必ずしも100%純粋で
はなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分
解物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
いが、これらの不純分は5wt%以下が好ましく、さら
に好ましくは3wt%以下であることが必要で、不純物
が多いと磁性粉の分散性、塗料の貯蔵安定性、磁性層の
硬化特性、媒体における保存特性等に悪影響を及ぼす。
【0085】これらの溶剤は、塗料の粘度を塗布の段階
でコーンプレート型または二重円筒型粘度計によるシェ
アレート3000sec-1 において5〜100cpとする
ように、結合剤総量に対して10〜10000wt%、
とくに100〜5000wt%の割合で使用し、塗料全
体の溶剤の使用割合としては、固形分(不揮発分)濃度
5〜40wt%、好ましくは10〜35wt%程度とな
るように用いればよいが、その溶剤種、混合比率、使用
量の決定には塗料に用いられている顔料の種類、比表面
積、粒子サイズ、磁性粉であればその磁化量、顔料の体
積または重量充填度、さらには塗料の希釈安定性等を考
慮して上記の粘度範囲になるよう調整して用いればよ
い。
【0086】また、溶剤添加操作は、塗料の製造の各工
程において段階的に行うことが好ましく、流量規制して
タンク内に撹拌しながら順次添加したり、配管で塗料と
徐々に混合する等の操作を行うことが良く、さらに可能
であれば溶剤添加時または希釈時に濾過および/または
分散処理を行うことがさらに好ましく、これらの操作を
行うことにより塗料の安定性と凝集物、異物の発生を抑
えることが可能となるからである。
【0087】磁性塗料中には、通常、潤滑剤が含有され
る。用いる潤滑剤としては、公知の種々の潤滑剤の中
で、とくに脂肪酸および/または脂肪酸エステルを用い
るのが好ましく、炭素数12〜24(不飽和結合を含ん
でも、また分枝していてもかまわない)の一塩基性脂肪
酸、炭素数10〜24(不飽和結合を含んでも、また分
枝していてもかまわない)の一塩基性脂肪酸と炭素数2
〜22(不飽和結合を含んでも、また分枝していてもか
まわない)の一価、二価、三価、四価、五価、六価アル
コール、ソルビタン、ソルビトール等の環状もしくは多
糖類還元アルコール等のいずれか一つとからなるモノ脂
肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステ
ル、これらの混合物、または2種類以上を併用してもよ
い。
【0088】これらの具体例として一塩基性脂肪酸につ
いては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベ
ヘン酸、エルカ酸、エライジン酸等を挙げることがで
き、脂肪酸エステルについては、ブチルミリステート、
ブチルパルミテート、ブチルステアレート、ネオペンチ
ルグリコールジオレエート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステア
レート、オレイルオレエート、イソセチルステアレー
ト、イソトリデシルステアレート、オクチルステアレー
ト、イソオクチルステアレート、アミルステアレート、
ブトキシエチルステアレート等が挙げられる。
【0089】これらの脂肪酸および/または脂肪酸エス
テルの潤滑剤、分散剤としての効果は、強磁性微粉末に
対して、その合計量として0. 1wt%以上含有させる
ことによって出現し、含有率を増加させることにより、
その効果は顕著になるが、その含有率が強磁性微粉末に
対して、その合計量が20wt%を越えると、磁性層中
に留まりきれずに塗膜表面に吐出し、磁気ヘッドを汚し
たり、出力を低下させる等の悪影響を及ぼす。
【0090】このため、脂肪酸および/または脂肪酸エ
ステルの磁性層中における含有量は、強磁性微粉末に対
してその合計量として0. 1〜20wt%がよく、1〜
15wt%が好ましく、1〜12wt%がより好まし
い。
【0091】また、潤滑剤は磁性層以外にもバックコー
ト層、下地層等に含有させることが好ましく、とくに磁
性層が薄い場合等は、下地層に含有させることでスチル
耐久性の向上ができるため有効である。
【0092】さらに、バックコート層がある場合は、潤
滑剤をバックコート層側に多く含有させて、磁性層表面
への転写による表面潤滑性の向上を図ることができる。
【0093】これらの脂肪酸および/または脂肪酸エス
テルは必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異
性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分
が含まれてもかまわない。これらの不純分は40%以下
が好ましく、さらに好ましくは20%以下である。
【0094】また、用いられる脂肪酸、脂肪酸エステ
ル、添加剤等のすべてまたはその一部は、磁気記録媒体
構成用の塗料製造のどの工程で添加してもかまわない。
例えば、混練工程前に顔料粉末と混合する場合、顔料粉
末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散
工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前
に添加する場合、溶剤に希釈または分散させた溶液を予
め塗布した層上に塗布する等の方法がある。
【0095】磁性塗料中には、通常、潤滑効果、帯電防
止効果、分散効果、可塑効果等を発現させるための添加
剤が含有される。例えば、シリコーンオイル類、フッ素
オイル、フッ素置換炭化水素基含有のアルコール、脂肪
酸、エステル、エーテル類、パラフィン類、前記一塩基
性脂肪酸類の金属(Li、Na、K、Ca、Ba、C
u、Pb等)塩類、前記脂肪酸エステル製造用アルコー
ル類、アルコキシアルコール類、ポリエチレンオキシド
付加モノアルキルエーテルの脂肪酸エステル類、脂肪族
または環状アミン類、脂肪酸アミド類、第四級アンモニ
ウム塩類、ポリオレフィン類、ポリグリコール、ポリフ
ェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよ
びそのアルカリ金属塩、アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレ
ンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、ホスホニ
ウムまたはスルホニウム等のカチオン系界面活性剤およ
びそのアルカリ金属塩、カルボン酸、スルホン酸、燐
酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含む
アニオン界面活性剤およびそのアルカリ金属塩、アミノ
酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸ま
たは燐酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面
活性剤等も使用できる。
【0096】これらの界面活性剤については、「界面活
性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載され
ている。
【0097】これらの添加剤量は、磁性粉末に対して総
計10wt%以下、とくに0.01〜5wt%とし、磁
性粉末が存在しない場合には、結合剤に対して0.00
5〜50wt%の範囲で用いれば良い。
【0098】さらに、磁性塗料中には無機化合物を含有
させてもよい。使用できる無機質粉末としては、例え
ば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属
窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質粉末が挙げ
られる。
【0099】具体的には、α−アルミナ、β−アルミ
ナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、δーアルミナ、三酸
化二クロム、α−酸化鉄、γ−酸化鉄、ゲータイト、S
iO2、ZnO、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、窒化
珪素、窒化硼素、炭化珪素、炭化チタン、炭化モリブデ
ン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、二硫化モリブデン、二硫
化タングステン、人造ダイアモンド等が単独または組み
合わせて使用される。
【0100】これらの無機化合物は、磁性粉末に対し
て、重量比率で0.1〜20wt%の範囲で用いられ
る。
【0101】これらの無機化合物は磁性層の要求特性に
合わせて適宜組み合わせて用いればよい。
【0102】これら無機質粉末の粒子の形状、サイズ等
は任意に設定すれば良いが、粒子形状は球状、粒状また
は多面体が好ましく、粒子サイズは好ましくは0.01
〜0.7μmであり、これらは必要に応じて、媒体に要
求される耐久性とヘッド摩耗および最短記録波長におけ
る出力のバランスから適宜選択すれば良く、単一系でも
混合系でも良く、単独で粒度分布等を選択することもで
きる。
【0103】上記の無機化合物は、必ずしも100%純
粋である必要はなく、主成分が70%以上であれば効果
は減少しない。
【0104】またこれらの無機化合物の水に可溶なアル
カリ金属、アルカリ土類金属、塩素、硫酸、硝酸等のイ
オンが少ないことが必要で、その量が多いと媒体化した
ときの保存特性に悪影響を及ぼす。
【0105】さらに、これらの無機化合物は、磁性粉末
との混練時または分散時に同時に添加しても良いし、あ
らかじめ結合剤で分散しておいて、磁性塗料の分散時に
添加してもかまわない。
【0106】さらに、磁性塗料中には、カーボンブラッ
クを含有させてもよい。カーボンブラックとしてはファ
ーネスカーボンブラック、サーマルカーボンブラック、
アセチレンブラック等を用いることができる。これらの
カーボンブラックの粒子サイズ等は任意に設定すれば良
いが、媒体に要求される電気抵抗と摩擦特性および最短
記録波長における出力のバランス(表面粗さ)から適宜
選択すれば良く、単一系でも混合系でも良く、単独で粒
度分布等を選択することもできる。これらカーボンブラ
ックの平均粒径は10nm〜400nm、好ましくは2
0〜350nmであり、さらに詳細には、電磁変換特性
を優先的に考慮すると20〜40nmが好ましく、摩擦
特性を重視する場合は40〜350nmの範囲で電磁変
換特性において許容される可能な限り大きな粒径を用い
ることが好ましい。また、カーボンブラックの選定にお
いては、粒子サイズのみならず、BET値、DBP値を
考慮する必要があるが、カーボンブラックの粒子サイ
ズ、BET値およびDBP値は密接に関係するため、単
独でかけ離れた数値とすることは実現不可能であるた
め、これらの三要素は媒体の要求特性と塗料における分
散特性、流動特性とにより実験的に選定することが必要
である。
【0107】これらのカーボンブラックは、結合剤に対
して、重量比率で10〜500wt%、あるいは磁性粉
末に対して、0.1〜20wt%の範囲で用いられる
が、媒体の要求特性と塗料における分散特性、流動特性
とにより実験的に選定することが必要である。これらの
カーボンブラックは磁性層、バックコート層、下地層等
の要求特性に合わせて適宜組み合わせて用いればよい。
さらに、これらのカーボンブラックは、磁性粉との混練
時または分散時に同時に添加しても良いし、あらかじめ
結合剤で分散しておいて、磁性塗料の分散時に添加して
もかまわない。
【0108】また、これらのカーボンブラックを潤滑
剤、分散剤等で表面処理したり、表面の一部をグラファ
イト化したもの等を使用しても構わない。
【0109】本発明で使用できるカーボンブラックは、
例えば「カーボンブラック便覧」、カーボンブラック協
会編を参考にすることができる。
【0110】さらに磁性塗料中には、非強磁性有機質粉
末を含有させてもよい。用いられる非強磁性有機質粉末
としては、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナ
ミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系
顔料、アゾ系顔料、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエ
ステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド
系樹脂粉末、フッ化炭化水素樹脂粉末、ジビニルベンゼ
ン系樹脂粉末等が挙げられる。このような非強磁性有機
質粉末は、結合剤に対して、重量比率で0.1〜20w
t%の範囲で用いられる。
【0111】このような磁性塗料が塗設される支持体と
しては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、
ポリオレフイン類、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリスルホンセルローストリアセテート、ポ
リカーボネート等の公知のフイルムを使用することがで
き、好ましくは、PET、PEN、芳香族ポリアミドで
あり、さらに好ましくは、PETないしPENの2種な
いし3種による多層共押出しによる複合化フイルムまた
は芳香族ポリアミドであり、これらのフイルムを使用す
ると電磁変換特性、耐久性、摩擦特性、フィルム強度、
生産性のバランスが得やすい。
【0112】また、これらの支持体には、フィラーとし
てAl、Ca、Si、Ti等の酸化物や炭酸塩等の無機
化合物、アクリル樹脂系微粉末等の有機化合物等を添加
することが好ましく、これらの量と大きさにより表面性
を自由にコントロールすることが可能となり、電磁変換
特性、耐久性、摩擦特性等をコントロールすることが可
能である。
【0113】さらに、これらの支持体には、あらかじめ
コロナ放電処理、プラズマ放電および/または重合処
理、易接着剤塗布処理、除塵処理、熱および/または調
湿による緩和処理等をおこなっても良い。
【0114】これら支持体の中心線表面粗さが0.03
μm以下、好ましくは0.02μm以下、さらに好まし
くは0.01μm以下のものを使用する必要があり、こ
れらの支持体は単に中心線平均表面粗さが小さいだけで
はなく、0.5μm以上の粗大突起がないことが好まし
い。
【0115】また、支持体のテープ走行方向およびテー
プ幅方向のいわゆるF−5の値は、好ましくは5〜50
Kg/mm2 であり、テープ長手方向のF−5値がテー
プ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、とく
に民生用DVTテープのように幅方向の強度を高くする
必要がある場合もある。また、支持体のテープ走行方向
および幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ましく
は3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃3
0分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好まし
くは、0.5%以下である。
【0116】また、支持体の破断強度は、両方向とも5
〜100Kg/mm2 、弾性率は100〜2000Kg
/mm2 、が好ましい。
【0117】このような支持体に磁性塗料を塗設する方
法としては、押出しノズル塗布法、リバースロール塗布
法、グラビアロール塗布法、ナイフコーター塗布法、ド
クターブレード塗布法、キスコート塗布法、カラーコー
ト塗布法、スライドビード塗布法等が利用できる。これ
らの中でも、特に、グラビアロール塗布法は生産性に優
れ、リバースロール塗布法は塗布に使用できる塗料の範
囲が広く好ましい。また、押出しノズル塗布法は、同時
多層塗布が可能な点で優れる。この好ましい3つの方法
の中でも、塗膜厚の制御のしやすさにおいて、押出しノ
ズル塗布法が特に好ましい。
【0118】このような方法により支持体上に塗設され
た磁性塗料(このものはいわゆる磁性層を形成する)
は、必要に応じて、磁場配向処理、乾燥処理、平滑化処
理等が施される。しかる後、例えば、所望の形態に裁断
等されて磁器記録媒体が形成される。なお、磁性層を形
成するに際して、いわゆる上層と下層の2層積層体構造
とすることも一般に行われており、この場合において、
上層を形成する磁性塗料にのみ本発明で用いる超音波
処理を施したり、上層および下層を形成する磁性塗料
の双方に本発明で用いる超音波処理を施したり、下層
を形成する磁性塗料にのみ本発明で用いる超音波処理を
施したりことができる。
【0119】また、磁性層の下にカーボンブラックや、
カーボンブラックと同程度に粒径が小さく塗料安定性の
良くない無機系ないしは有機系の非強磁性粉末(以下、
総称して非磁性粉末という)を含有させた下地層を形成
する場合においても、当該下地層用の塗料を予め本発明
で用いる超音波処理を施しておくことは、塗料の安定性
を向上させるために有効な手段である。
【0120】下地層に含有されるカーボンブラックとし
ては、前述したファーネス、サーマル、アセチレンブラ
ック等を用いることができる。
【0121】下地層に含有される無機系の非強磁性粉末
としては、前述した無機質粉末が単独または組み合わせ
て用いられる。
【0122】このような無機系の非強磁性粉末の粒子サ
イズは、一般的に、粒状、球状、多面体状の場合、0.
01〜0.7μmが好ましい。また、このものの形状が
針状の場合、長軸長は0.05〜1.0μm、好ましく
は0.05〜0.5μmとされ、針状比は、5〜20、
好ましくは5〜15とされる。また、このものの形状が
板状の場合、板径は、0.05〜1.0μm、好ましく
は、0.05〜0.5μmとされ、板状比(板径と厚み
との比)は、5〜20、好ましくは10〜20とされ
る。このような無機系の非強磁性粉末は、必ずしも10
0%純粋である必要はなく、目的に応じて表面を他の化
合物、例えば、Al、Si、Ti、Zr、Sn、Sb、
Zn等の各化合物で処理し、それらの酸化物を表面に形
成してもよい。さらに場合によっては、ポリエチレング
リコール等の有機物で表面処理をおこなってもよい。
【0123】有機系の非強磁性粉末としては、前述の有
機化合物に中から適宜選定すればよい。
【0124】なお、下地層に用いられる結合剤(バイン
ダ)は、前述した結合剤の中から適宜、選定すればよ
い。
【0125】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発
明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)Hc=2000Oe、σs =140emu
/g、平均長軸長さ0.08μm、平均軸比5である強
磁性金属磁性粉末(Fe/Co/Al/Y=100/2
0/4.2/5.3(重量比))を含む下記の組成物を
用い、磁性層形成のための磁性塗料を調製した。
【0126】 磁性層形成のための磁性塗料組成物 強磁性金属磁性粉末 …100重量部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製,MR−110) … 8.3 重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製,uR−8300) … 8.3 重量部 α−アルミナ(住友化学工業(株)製,HIT60A) … 8重量部 ステアリン酸 … 1重量部 ステアリン酸ブチル … 1重量部 メチルエチルケトン …111重量部 トルエン …111重量部 シクロヘキサノン … 74重量部 この組成物の一部またはすべてをニーダにて十分に混練
処理を行った後、サンドグラインダーミルにて分散混
合、希釈を行った。このようにして得られた磁性塗料に
硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製,コロネート
L)を3.3重量部添加混合し、しかる後、下記表1に
示されるような条件で超音波処理を行った。この超音波
処理後30分以内に、押出しノズルを用いた押出しノズ
ル塗布方式により磁性塗料を、厚さ8μmのPET支持
体の上に磁性層乾燥厚みが1.5μmとなるように塗設
し、その後、配向処理、乾燥、カレンダ処理を施した。
【0127】この一方で、PET支持体の反対面(磁性
層を設けない面)に下記組成からなるバックコート組成
物を塗布し、カレンダ処理を施した後に、熱硬化処理を
行った。しかる後、このものを8mm幅に裁断し、テー
プ状の磁気記録媒体サンプルを作製した。
【0128】 バックコート層用組成物 カーボンブラック-1(コロンビヤンカーボン(株)製,コンダクテックス SCウルトラ:平均粒径21nm,BET値220m2 /g) … 80重量部 カーボンブラック-2(コロンビヤンカーボン(株)製,セバローブMT: 平均粒径350nm,BET値8m2 /g) … 1重量部 α−酸化鉄(戸田工業(株)製,100ED:平均粒径0.1μm) … 1重量部 塩化ビニル系共重合体A(日信化学工業(株)製,MPR−TA(塩ビ− 酢ビ−ビニルアルコール共重合体):平均重合度420) … 40重量部 塩化ビニル系共重合体B(日信化学工業(株)製,MRR−ANO(L) (塩ビ−酢ビ−ビニルアルコール共重合体):窒素原子 390ppm含有、平均重合度340) … 25重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡(株)製,TS9555: -SO 3 Na含有、数平均分子量40000 ) … 35重量部 メチルエチルケトン …700重量部 トルエン …400重量部 シクロヘキサノン …300重量部 なお、磁性塗料の超音波処理に際して、用いた超音波処
理装置は図1に示す形態のものであり、磁性塗料に超音
波振動を与える超音波ホーンの作動端面である作動面積
は10.18cm2 、作動深さHは1〜48mmの間で
種々変化させて設定した。このものを図3に示されるよ
うに1台ないし3台直列に連結使用し、所定の超音波照
射時間が得られるように磁性塗料の流量を調整した。例
えば、作動深さH=3mmで、超音波照射時間t=0.
5秒の場合は、超音波処理装置を1台使用し、処理流量
(磁性塗料流量)22l/時間にて超音波処理を行っ
た。照射した超音波は、発振周波数20kHz、振幅2
5μm、圧力1.5kgf/cm2 (ゲージ圧)とし
た。
【0129】このようにして下記表1に示されるごとく
超音波照射時間を種々変えたサンプルを作製し、これら
について、以下に示すような磁気特性、電磁変換特性、
テープ表面性の評価を行った。
【0130】表面粗さRa ランク・テーラ・ホブソン社製表面粗さ測定装置タリス
テップを用い、倍率5万倍、測定波長λ=3.3〜16
7μmで行い、JIS B 0601(1982)に準
拠して求めた。なお、測定サンプル長は0.5mm、n
=5の平均値とし、単位はnmに換算した。
【0131】角型比△SQ 東英工業(株)製VSMを用いて印加磁界10KOeで
磁気測定を行ない、角型比Br/Bmを測定した。超音
波照射時間t=0のサンプル(比較)を標準(0)とし
て相対評価した。△は増減分を示す。
【0132】電磁変換特性 Hi8デッキ(ソニー(株)製EV−S900)で、
7.6MHzの波長の記録信号の再生出力を測定した。
超音波照射時間t=0のサンプル(比較)を標準(0d
B)として相対評価した。
【0133】オーバーライト特性O/W Hi8デッキ(ソニー(株)製EV−S900)を用い
て、まず記録波長1.0μmを記録し、同じ記録場所に
さらに記録波長0.5μmを重ねて記録した。次に、重
ねて記録した場所の記録波長1.0μm成分の再生出力
を測定し、記録波長1.0μmの消去率をdBで表し
た。記録電流は記録波長0.5μmの最適記録電流値と
した。
【0134】耐久摩擦上昇度 Φ2.0mm、粗さ0.2S(表面粗さRmax =0.2
μmの仕上げ)のSUS303のピンに対して、巻き付
け角90°、荷重30g、スピード18.8mm/sで
試料長50mm間を100回繰り返して摩擦を測定し
た。そのときの100パス目の摩擦係数と1パス目の摩
擦係数との差を耐久摩擦上昇度とした。
【0135】40℃80%RH耐久走行 Hi8デッキ(ソニー(株)製EV−S55)を用い
て、40℃80RH%の環境でT−60サンプルを全長
記録後、全長再生を49パス行った。その時の出力をチ
ャートに記録させて、出力変動・目詰まり状況を調べ
た。評価基準は以下に示す通りとした。
【0136】 ○ …目詰まり・出力劣化なし △ …60秒−3dB以内の出力低下が5個以下である
が、再現性はない × …目詰まり有り これらの結果を下記表1〜表3に示した。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】 表1〜表3に示される結果より、作動深さHが2〜40
mmでかつ、超音波照射時間t(秒)が上記式(1)の
範囲を満たすと、表面粗さRa、角型比△SQ、出力と
もに格段と向上することがわかる。ただし、超音波照射
時間tが式(1)の上限値を超えると、耐久摩擦が上昇
してしまったり、耐久性の劣化が起こったりして好まし
くない。また、オーバーライト特性O/Wが要求される
記録形式の場合は、2H以内の超音波照射時間が好まし
い。 (実施例2)上記実施例1と同一の磁性塗料を用いて、
上記実施例1のパス方式に変えて図4に示されるような
循環方式にて超音波照射を行った。それ以外は、上記実
施例1に準じて各種のサンプルを作製し、同様に評価を
行った。なお、超音波照射に際し、循環に用いた磁性塗
料は20l、循環流量3l/minで行ない、超音波照
射装置の仕様は、作動深さH=3mmに固定した以外は
上記実施例1で用いたものと同様とした。
【0140】結果を下記表4に示した。
【0141】
【表4】 表4に示される結果より、超音波照射は、パス方式、循
環方式にかかわらず、磁性塗料に照射される実質の超音
波照射時間が同じであれば、同様な効果が得られること
がわかる。 (実施例3)磁性塗料に超音波を照射した後、支持体に
塗設するまでの待機時間Twを検討するための実験を行
った。
【0142】すなわち、上記実施例1で使用した磁性塗
料を用いて下記表5および表6に示される条件で処理を
行った後、支持体に塗布を行ない、同様に評価した。超
音波照射に際しては、図2に示されるパス方式を用いて
超音波処理した後、塗布部へ供給される供給ラインおよ
びフィルタの有効体積を種々変化させることで、支持体
への塗布までの待機時間Twを調整した。なお、硬化剤
の投入時期の影響も確認するために待機時間Twが30
分および120分の実施例にて超音波照射前後で硬化剤
(日本ポリウレタン工業(株)製,コロネートL)を混
合したサンプルも作製した。照射後に硬化剤を混合する
場合には、照射済みの磁性塗料を攪拌タンクに導入した
後、硬化剤を混合後、攪拌して所定の待機時間Twとな
るように塗布部へ供給した。
【0143】結果を下記表5および表6に示した。
【0144】
【表5】
【0145】
【表6】 表5および表6に示される結果より、硬化剤混合が超音
波照射の前後にかかわらず、支持体への塗布までの待機
時間Tw(分)が下記の式(2)を満たす条件であれ
ば、所望の効果が得られることがわかる。
【0146】 0<Tw≦26.5t/H + 44 …式(2) (実施例4)磁性塗料に超音波処理を行う前に硬化剤を
磁性塗料内に混合させる場合において、硬化剤混合後、
超音波照射するまでの時間Tcを検討するための実験を
行った。すなわち、上記実施例1で使用した磁性塗料を
用いて、このものに硬化剤(日本ポリウレタン工業
(株)製,コロネートL)3.3重量部を加えて攪拌混
合し、しかる後、下記表7に示される条件にて超音波を
照射し、前記実施例1に準じて種々のサンプルを作製
し、同様に評価を行った。なお、作動深さは、H=3m
mとした。
【0147】結果を下記表7に示した。
【0148】
【表7】 表7に示される結果より、硬化剤混合後、5時間以内に
超音波照射をすることで、所望の効果が得られることが
わかる。 (実施例5)塗布部における塗布方式の検討を行った。
【0149】すなわち、上記実施例1で使用した磁性塗
料を用いて、このものに作動深さH=3mm、超音波照
射時間3秒、その後の待機時間10分とし、押出しノズ
ル塗布法、リバースロール法、グラビアロール法の各塗
布方式により、支持体上に乾燥厚み1.5μmの塗膜を
形成し、配向、乾燥、カレンダ処理を行った。その後、
磁気特性、表面粗さおよび塗布面の状態の観察を行っ
た。
【0150】結果を下記表8に示した。
【0151】
【表8】 表8に示される結果より、塗布方式とは関係なく、超音
波処理を行うことにより、磁気特性、表面粗さ、塗布面
の状態が向上することがわかる。なお、分散から塗布ま
での間に磁性塗料にあまりシェアがかからない押出しノ
ズル塗布法よる薄層塗布方式が中でも特に良好な効果が
でていることがわかる。 (実施例6)支持体の上に2層の磁性層(塗布層)を設
ける場合について検討した。すなわち、下層形成のため
の塗料組成物および上層形成のための磁性塗料組成物を
準備した。上層形成のための磁性塗料組成物は前記実施
例1と同一の磁性塗料を用いて、超音波処理したものを
用いた。超音波処理条件は前記実施例5の場合と同様に
し、超音波処理射時間3秒、その後の待機時間Twを1
0分とした。なお、作動深さは、H=3mmとした。
【0152】下層形成のための塗料組成物は下記のとお
りとし、超音波処理は行わなかった。
【0153】 下層の磁性層形成のための磁性塗料組成物1 強磁性粉末(Co−γFe23 、Hc=670Oe、σs =75 emu/g、平均長軸長さ0.25μm、平均軸比8) …100重量部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製,MR−110) … 9重量部 ポリウレタン樹脂A(東洋紡績(株)製,UR8200)… 4.5 重量部 ポリウレタン樹脂B(東洋紡績(株)製,UR8700)… 4.5 重量部 α−アルミナ(住友化学工業(株)製,HIT60A) … 5重量部 ステアリン酸 … 1重量部 ミリスチン酸 … 1重量部 ステアリン酸ブチル … 1重量部 メチルエチルケトン … 88重量部 トルエン … 88重量部 シクロヘキサノン … 60重量部 この組成物をニーダにて十分に混練処理を行った後、サ
ンドグラインダーミルにて分散混合、希釈を行った。こ
のようにして得られた磁性塗料を塗布する直前に硬化剤
(日本ポリウレタン工業(株)製,コロネートL)を
3.6重量部添加混合し、このものを前記の上層組成物
と同時に所定膜厚で押出しノズル塗布法で2層同時塗布
を行った。
【0154】また上記の下層形成のための組成物1の中
で用いたCo−γFe23 強磁性粉末に変えて、針状
α酸化鉄(平均長軸長さ0.15μm、平均軸比6)を
用いて別の下層形成のための組成物2を作製した。この
ものと前記の上層組成物とを併用し、同時に所定膜厚で
押出しノズル塗布法で2層同時塗布を行った。
【0155】これらのサンプルについて、磁気特性、電
磁変換特性、テープ表面性の評価を行った。
【0156】結果を下記表9に示した。
【0157】なお、表9中、C/N比は下記の要領で測
定した。
【0158】C/N比 ヒューレットパッカード社製シンセサイザー3325A
にて得られる周波数7.6MHzの信号を、ソニー
(株)製ビデオカセットレコーダーEV−S900を用
いて磁気テープに記録した後、同ビデオカセットレコー
ダーにて再生し、アドバンテスト社製スペクトラムアナ
ライザーTR4171にて再生信号の7.6MHzと
6.6MHzの出力比を計測した。そして、TDK社内
標準テープの上記出力比(C/N)を0として、同標準
テープとの差をdB表示した。
【0159】
【表9】 表9に示される結果より、下層がどのような種類の組成
物であっても、上層のみ超音波処理を行うことにより磁
気特性、出力、C/N、表面粗さが、ともに向上するこ
とがわかる。また、テープ特性に対する上層の寄与度の
高いテープ構成のものほど、上層のみに超音波処理を行
ったときの特性の向上度は極めて高いことがわかる。 (実施例7)前記実施例6に準じて支持体の上に2層の
磁性層(塗布層)を設け、上層の厚さと超音波処理の効
果との関係を検討した。すなわち、上層の組成は前記実
施例1の場合と同様とし、また下層の組成は、前記実施
例6の下層形成のための組成物2(針状α酸化鉄を含
有)と同様として押出しノズル塗布法で2層同時塗布を
行った。上層の厚さのみを下記表10に示すごとく種々
変化させたサンプルを作製し、これらのサンプルについ
て、磁気特性、電磁変換特性、テープ表面性の評価を行
った。なお、作動深さは、H=3mmとした。
【0160】結果を下記表10に示した。なお、表10
中の実施例7−9以降において、塗料の固形分濃度を変
化させる場合は、使用した塗料の溶剤の比(メチルエチ
ルケトン/トルエン/シクロヘキサノン)はそのままに
して溶剤の絶対量のみを変化させて調整した。
【0161】
【表10】 塗膜厚さを変化させる方法は、ノズル塗布方法において
2通りあり、一つは、塗料の送液量を変化させる方法で
あり、もう一つの方法は、塗料の固形分濃度を下げる方
法である。
【0162】表10に示される結果より、塗膜厚さを変
化させる方法を問わず、上層の厚さが薄くなればなるほ
ど、超音波処理の効果が大きくなることがわかる。 (実施例8)前記実施例1と同様な磁性塗料の組成にお
いて、含有される強磁性金属粉末の種類を種々変えて、
磁性粉末の種類と超音波処理の効果との関係を検討し
た。
【0163】すなわち、磁性粉末のみを変えた磁性塗料
に硬化剤3.3重量部を加えて攪拌混合し、10分後に
照射時間3.0秒の超音波処理を行い15分の待機時間
にて塗布を行った。作動深さは、H=3mmとした。塗
布は前記実施例7と同様な押出しノズル塗布法により、
非磁性下層(針状α酸化鉄を含有)との重層構成(2層
同時塗布)で行い、上層厚さ0.20μm、下層厚さ
1.80μmとした。これらのサンプルについて、磁気
特性、電磁変換特性、テープ表面性の評価を行った。
【0164】結果を下記表11に示した。
【0165】
【表11】 表11に示される結果より、用いる磁性粉末の飽和磁化
量125emu/g以上かつ平均長軸長さが0.15μ
m以下において超音波処理の効果が特に有効であること
がわかる。 (実施例9)支持体の上に2層の磁性層(塗布層)を設
ける場合において、上層および下層共にそれぞれ超音波
処理した塗布液を用いる場合について検討した。
【0166】すなわち、上層形成のための磁性塗料組成
物は前記実施例1と同一の磁性塗料を用いて、超音波処
理したものを用いた。超音波処理条件は硬化剤投入後す
ぐに、超音波照射時間3秒の処理を行い、その後の待機
時間10分とした。なお、作動深さは、H=3mmとし
た。
【0167】また、下層形成のための磁性塗料組成物
は、上層形成のため組成物と同じもの、前記実施例
6で用いた下層用の磁性塗料組成物1(Co−γFe2
3 )、前記実施例6で用いた下層用の塗料組成物2
(針状α酸化鉄)の3種類とし、超音波処理条件は硬化
剤投入後すぐに、超音波照射時間1秒の処理を行い、そ
の後の待機時間5分とした。
【0168】塗布は押出しノズル塗布法での2層同時塗
布とし、上層厚さ0.20μm、下層厚さ1.80μm
とした。これらのサンプルについて、磁気特性、電磁変
換特性、テープ表面性の評価を行った。
【0169】結果を下記表12に示した。
【0170】
【表12】 表12に示される結果より、上層塗料だけでなく、下層
塗料にも超音波処理することが有効であることが確認さ
れた。 (実施例10)支持体の上に、カーボンブラックを含有
する下地層(下層という)および磁性層(上層という)
を順次設ける場合において、下層の固形分濃度を考慮し
つつ、上層および下層共にそれぞれ超音波処理した塗布
液を用いる場合について検討した。
【0171】すなわち、上層形成のための磁性塗料組成
物は前記実施例1と同一の磁性塗料を用いて、超音波処
理したものを用いた。超音波処理条件は前記実施例5の
場合と同様にし、超音波処理射時間3秒、その後の待機
時間Twを10分とした。作動深さは、H=3mmとし
た。
【0172】下層形成のための塗料組成物は下記のとお
りとした。
【0173】 下層の磁性層形成のための磁性塗料組成物 針状α酸化鉄(平均長軸長さ0.15μm、BET53) …100重量部 カーボンブラック(コロンビヤンカーボン(株)製, コンダクテックスSC)… 25重量部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製,MR−110) … 10重量部 ポリウレタン樹脂A(東洋紡績(株)製,UR8200)… 5重量部 ポリウレタン樹脂B(東洋紡績(株)製,UR8700)… 5重量部 α−アルミナ(住友化学工業(株)製,HIT60A) … 10重量部 ステアリン酸 … 2重量部 ステアリン酸ブチル … 1重量部 メチルエチルケトン … Y1重量部 トルエン … Y2重量部 シクロヘキサノン … Y3重量部 上記材料の一部または全部をニーダーで混練した後、サ
ンドグラインダーミルにて分散混合、希釈を行った。こ
こで、下記表13に示される固形分濃度となるように溶
剤量Y1、Y2、Y3を変化させた。
【0174】塗料を塗布する直前に硬化剤(日本ポリウ
レタン工業(株)製,コロネートL)を3.6重量部添
加混合し、照射時間1秒で超音波処理を行ったのち、待
機時間15分で上層とともに同時に塗布を行った。
【0175】表13に示されるサンプルについて、塗布
性、磁気特性、電磁変換特性、テープ表面性の評価を行
った。
【0176】結果を下記表13に示した。
【0177】
【表13】 カーボンブラックのようにいわゆるチクソ性が強い材料
を下層に使用した場合、従来は固形分濃度を下げる必要
があった。しかし、固形分濃度を落として磁性塗料と同
時に重層塗布を行うと、面あれ、配向ポイントのズレ等
の様々な問題点等が発生してしまった。この結果からわ
かるように、下層にチクソ性の高い塗料を使用しても、
超音波処理を行うことにより、磁性塗料とマッチングが
とれる高い固形分濃度での塗布が可能になり、高特性の
テープが得られることが確認された。
【0178】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明の磁気記録媒体の製造方法にお
いては、超音波照射装置の最適使用形態、超音波照射条
件および超音波照射から塗布までの最適時間等が規定さ
れているので、磁性粉末の分散性に優れ、再凝集が起こ
りにくい磁性塗料となり、このものを支持体の上に塗設
した磁気記録媒体は角型比、表面粗さ、出力、電磁変換
特性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる超音波処理装置の概略断面図で
ある。
【図2】本発明に用いる超音波処理装置の要部の概略断
面図である。
【図3】超音波処理をパス処理で行う場合における概略
工程図である。
【図4】超音波処理を循環処理で行う場合における概略
工程図である。
【符号の説明】
3…磁性塗料 10…超音波処理装置 20…超音波処理槽 23…対向壁面 30…超音波ホーン 31…超音波ホーンの作動端面 40…超音波振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 昭彦 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 島崎 和之 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 森 孝博 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 加藤 久人 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末、結合剤を含有する磁性塗料
    を、発振周波数10kHz〜200kHz、超音波振幅
    10〜100μmの作動条件下で超音波処理装置内を通
    過させて超音波処理し、該超音波処理をした磁性塗料を
    支持体の上に塗設する磁気記録媒体の製造方法におい
    て、 前記超音波処理装置は、処理対象である磁性塗料を通過
    させつつ超音波処理するための超音波処理槽と、該超音
    波処理槽内に挿入され磁性塗料に超音波振動を与える作
    動端面を備える超音波ホーンと、該超音波ホーンの基部
    側に連接された超音波振動子とを備えており、前記超音
    波ホーンの作動端面からこの作動端面に対向する超音波
    処理槽の壁面までの距離で規定される作動深さHは、2
    〜40mmに設定され、該装置を用いて、超音波照射時
    間が下記式(1)の範囲の条件下で超音波処理された磁
    性塗料を、支持体の上に塗設することを特徴とする磁気
    記録媒体の製造方法。 H/6.6≦t≦3H …式(1) (但し、tは超音波照射時間(秒)を表し、Hは作動深
    さ(mm)を表す)
  2. 【請求項2】 前記超音波処理された磁性塗料を、下記
    式(2)を満たす待機時間Tw(分)内に支持体の上に
    塗設することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体の製造方法。 0<Tw≦26.5t/H + 44 …式(2) (但し、tは超音波照射時間(秒)を表し、Hは作動深
    さH(mm)を表すと共に2〜40mmの範囲の数値を
    とる)
  3. 【請求項3】 超音波振動処理を行う前に、硬化剤を磁
    性塗料内に混合し、硬化剤混合後、5時間以内に超音波
    振動処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記磁性塗料に含有される磁性粉末は、
    Feに対して5〜30wt%のCoを含む強磁性金属磁
    性粉末であって、飽和磁化量σs が125emu/g以
    上かつ平均長軸長さが0.15μm以下の強磁性金属磁
    性粉末であることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 非磁性粉末、結合剤を含有する塗料を下
    塗り層として、前記請求項1に記載された磁性塗料の塗
    設層と支持体との間に介在させてなる磁気記録媒体の製
    造方法において、 前記下塗り層を形成するための塗料を、前記磁性塗料と
    同様に請求項1に記載された条件で超音波処理すること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
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