JPH1125445A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH1125445A
JPH1125445A JP17715097A JP17715097A JPH1125445A JP H1125445 A JPH1125445 A JP H1125445A JP 17715097 A JP17715097 A JP 17715097A JP 17715097 A JP17715097 A JP 17715097A JP H1125445 A JPH1125445 A JP H1125445A
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達郎 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性、走行耐久性に優れた磁気記録
媒体用を得る。 【解決手段】 芳香族ポリアミド樹脂からなる非磁性支
持体上に、ポリアミドイミド樹脂の下塗り層を設けた後
に、非磁性下層および磁性層、あるいは磁性層のみを設
けた磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】強磁性粉末と結合剤とを分散
させてなる磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録媒
体において、とくに優れた電磁変換特性と耐久性をもつ
磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用い
られている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤中に
分散された磁性層を非磁性支持体上に積層している。磁
気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性および走行性
能などの諸特性が優れていることが必要とされる。すな
わち、音楽録音再生用のオーディオテープにおいては、
より高度の原音再生能力が要求されている。また、ビデ
オテープについては、原画再生能力が優れているなど電
磁変換特性が優れていることが要求されており、コンピ
ュータの記録用の媒体においては、信頼性が高い高密度
記録特性が求められている。このような優れた電磁変換
特性を有すると同時に、磁気記録媒体は良好な走行耐久
性を持つことが要求されている。そして、良好な走行耐
久性を得るために、一般には研磨剤および潤滑剤が磁性
層中に添加されている。
【0003】磁気記録媒体の使用機器において媒体と磁
気ヘッドが摺動接触するために、磁気記録媒体の結合剤
中の低分子成分が磁性層表面付近に浮上して磁気ヘッド
に付着する磁気ヘッド汚れが生じるという問題があっ
た。磁気ヘッド汚れは電磁変換特性の劣化の原因となっ
ている。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド
回転数が上昇しており、家庭用のデジタルビデオテープ
レコーダにあっても、磁気ヘッドの回転数が9600回
転/分と、アナログビデオテープレコーダの民生用の1
800回転/分、業務用の5000回転/分に比べて格
段に高速回転数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの
摺動する速度が大きくなり、また磁気ヘッドも薄膜ヘッ
ド等のように小型のものが用いられており、磁気記録媒
体から生じる成分による磁気ヘッド汚れの改善が求めら
れている。また、フロッピーディスクに代えて用いられ
る高密度記録用の磁気記録媒体にあっても、同様に強度
が大きく信頼性の高い磁気記録媒体が要求されている。
【0004】高密度記録を達成するためには記録信号の
短波長化や記録軌跡の狭トラック化が必要とされ、この
ために強磁性粉体の微粒子化、高充填化、磁気記録媒体
表面の超平滑化などと同時に記録媒体への書き込み時間
や読み出し時間の短縮化が必要でシリンダー回転数や磁
気テープの搬送速度の高速化が行われている。さらに、
体積密度向上のために磁気記録媒体を薄膜化することが
要求されている。
【0005】非磁性支持体としては、従来ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート(PEN)等が使用されてきたが、記録媒体
の薄膜化とともに5400〜9000rpm程度の高速
で回転する小径ヘッドに磁気テープとヘッドの相対速度
で20m/秒以上の高速で安定して走行せしめることが
非常に困難となり、Rf出力の低下および出力変動が大
きくなる傾向が見られる。これらRf出力の低下および
出力変動はシリンダーヘッドのヘッドチップ取り付け窓
部への記録媒体の引き込まれる現象等が生じて記録媒体
とヘッドの間で接触が不均一になり隙間が生じること等
によるものであり、記録・再生の際に損失が生じ出力低
下、出力変動の原因となっている。
【0006】そのため、強度が大きくヤング率も大きな
合成樹脂であるポリアミド樹脂を磁気記録媒体の支持体
としてを使用して磁気記録媒体を作製することが提案さ
れている。
【0007】例えば、特公昭57−42890号公報に
は、ポリアミド支持体上に磁気記録層を形成する際に、
ポリアミド支持体上に下塗剤として無定形線状飽和ポリ
エステルを塗布して支持体と磁性層との間の接着強度を
高めることが記載されており、また、特公昭57−42
891号公報には、同様にポリウレタンエラストマーを
塗布することが記載されているが、これらの下塗り剤に
よっては充分な密着力が得られないものであった。
【0008】また、特公昭60−38767号公報に
は、芳香族ポリアミド樹脂からなる支持体の下塗剤とし
てアルコール可溶ポリアミド樹脂を用いることが、また
特開平7−29148号公報には、ポリアミド支持体上
に下塗剤としてポリアミドを使用することが記載されて
いるが、磁性層の密着力は十分ではなく、また磁気記録
媒体の表面性も充分なものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非磁性支持
体上に強磁性微粉末と結合剤とを分散させてなる磁性層
を設けるか、または非磁性粉体と結合剤とを分散させて
なる非磁性塗布層を非磁性支持体上にさらに磁性層を設
けた磁気記録媒体に関するものであって、記録再生装置
でのヘッドとの接触を改良し、出力変動が少なく高出力
を保ち、かつ平滑でドロップアウトの少ない磁気記録媒
体を提供するものであり、磁性層と非磁性支持体との密
着性が高く、走行耐久性に優れた芳香族ポリアミド支持
体を使用した場合にも記録再生装置のヘッドとの接触が
良好で、体積記録密度の高い記録媒体を提供するもので
あり、さらに下塗り層の平滑性が高く、ひいては磁性層
の平滑性、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供す
ることを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に強磁性粉体を結合剤中に分散させた磁性層を設けた
磁気記録媒体において、前記非磁性支持体は芳香族ポリ
アミド樹脂からなり、かつ前記非磁性支持体と前記磁性
層との間に、少なくともポリアミドイミド樹脂からなる
下塗り層を形成したものである磁気記録媒体である。ま
た、前記下塗り層と前記磁性層との間に非磁性である下
層を設けた前記の磁気記録媒体である。芳香族ポリアミ
ド樹脂がテレフタルヒドラジド、パラベンズアミド、パ
ラフェニレンテレフタルアミドの化学結合の1種または
2種以上を構成単位とする芳香族ポリアミド樹脂である
前記の磁気記録媒体である。また、下塗り層は厚みが
0.03〜1.0μmである前記の磁気記録媒体であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、磁気記録媒体とヘッド
との接触不良によって生じる記録再生出力の変動等のい
わゆるヘッド当たりを解決するものである。ヘッド当た
りには、記録媒体の幅方向のスティフネスが縦方向以上
に寄与することが知られている。スティフネスMはM=
Ebd3/12 (Eはヤング率、bは磁気テープの幅、
dは磁気テープの厚み)で表わされ、幅方向のスティフ
ネスを高めるためには磁気記録媒体の厚みが一定の場
合、ベースの幅方向のヤング率を延伸倍率の上昇などに
より高めることが有効であるが、薄膜化がさらに進んだ
場合は延伸倍率の上昇のみでは最適領域に記録媒体のス
ティフネスを維持することはできなくなってきている。
【0012】そのため芳香族ポリアミド樹脂すなわちア
ラミドが提案されているが、これら芳香族ポリアミド支
持体を使用して磁気記録媒体を作製したところ非磁性支
持体と磁性層または非磁性塗布層との密着性が充分でな
く、走行途中で磁性層がヘッド・走行系との摺動でエッ
ジ部等から剥離、脱落しドロップアウト・走行系の汚れ
の原因となることが生じた。
【0013】非磁性支持体と、磁性層または非磁性下層
との間に無定形線状飽和ポリエステル樹脂単独または無
定形線状飽和ポリエステル樹脂と塩化ビニリデンアクリ
ロニトリル共重合体ポリウレタンエラストマー、アルコ
ール可溶性ポリアミド樹脂等の下塗り層を設けることが
提案されているが、これらの技術をもってしてもテープ
の薄膜化あるいは、密着力の低下に伴う磁性層、下層の
剥離・脱落に伴うドロップアウト・走行系の汚れを防止
することはできなかった。
【0014】本発明者らは、上記問題点を解決するため
に鋭意検討した結果、非磁性支持体上に強磁性粉末、結
合剤を含む磁性層を、該磁気記録媒体の非磁性支持体と
磁性層との間にポリアミドイミド樹脂からなる下塗り層
を形成することによって磁気記録媒体によって達成され
ることを見いだしたものである。
【0015】また、本発明において、磁性層と非磁性支
持体の間に形成する非磁性である下層を設ける場合に
は、非磁性である下層は磁性を有さない物質のみで形成
され層のみではなく、微量の強磁性粉末、あるいは磁性
強度の小さな磁性体粉末を含有し、最大磁束密度(B
m)が500ガウス以下、または抗磁力(Hc)が30
0Oe以下のような上層に形成する磁性層への磁気記録
に影響を与えることがない程度の弱い磁性を有し、実質
的に非磁性層として作用を果たす下層も含む。
【0016】本発明に用いることができるポリアミドイ
ミド樹脂は、日刊工業「ポリアミド樹脂ハンドブック」
等に記載されているように、末端にアミノ基を有する低
分子量のポリアミドと酸無水物の反応による方法、末端
にアミノ基を有する低分子量のポリアミド酸と二塩基性
クロリドとの反応による方法;トリメリット酸誘導体と
ジアミンと反応による方法等によって得られる。
【0017】これらの、酸無水物、ピロメリット酸−
1,4−ジメチルエステル、ピロメリット酸テトラメチ
ルエステル、ピロメリット酸エチルエステル、2,3,
6,7−ナフタリンテトラカルボン酸ジ無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水
物、1,2,5,6−ナフタリンテトラカルボン酸ジ無
水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン
酸ジ無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸ジ無水物等か;ジアミン類の前記の芳香族ジア
ミンが使用される。ポリアミド酸の合成溶媒としては、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルメトキシアセトアミド、N−メチルカプロラクタム、
ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、N−アセ
チル−2−ピロリドン等が使用される。
【0018】また、非磁性支持体上へのポリイミドアミ
ドの下塗り層の塗布には、ポリイミドアミドが溶解する
溶媒を用いて行うことができる。具体的には、γ−ブチ
ロラクトン/シクロヘキサノン=1/1混合溶剤、テト
ラヒドロフラン/シクロヘキサノン=1/1混合溶剤、
エタノール/トルエン=1/1混合溶剤、ジオキサン/
シクロペンタノン=1/1混合溶剤、テトラヒドロフラ
ン、N−メチルピロリドンを挙げることができる。塗布
液の濃度は、0.05〜100重量%、好ましくは0.
1〜30重量%、さらに好ましくは、0.5〜10重量
%である。また、塗布は磁性塗料の塗布と同様の方法に
よって行うことができる。
【0019】また、本発明の下塗り層としての好ましい
厚みは、乾燥後の厚みが0.03〜1.0μm、さらに
好ましくは0.05〜0.8μmである。0.03μm
より薄いと密着力が確保できず、塗布層の脱落が生じ、
ドロップアウトの増加の原因となる。1.0μmより厚
いと密着力は確保できるものの磁気記録媒体全体の厚み
が厚くなり薄層化の場合に不利となる。
【0020】本発明に使用する非磁性支持体は、芳香族
ポリアミド樹脂であって、テレフタルヒドラジド、パラ
ベンズアミド、パラフェニレンテレフタルアミドの化学
結合の1種または2種以上を主たる構成単位とするポリ
アミド樹脂である。パラフェニレンテレフタルアミドは
分子の剛性が高く、また分子の規則性、対称性が高いた
め、得られる支持体のヤング率が高くなる。
【0021】芳香族ポリアミド樹脂の分子量は1000
0〜100000である。好ましくは30000〜50
000である。分子量が10000以下ではヤング率が
低く、100000以上では成形加工性が悪くなるので
好ましくない。
【0022】これら芳香族ポリアミド樹脂を溶融成型あ
るいは溶液成型して得られる支持体の厚さは2〜80μ
mであり、特に好ましくは3〜10μmである。得られ
た支持体の最大表面粗さは(Rmax)の値(JIS
B0601(1976)、ASA B46−1(196
2))で0.1μm以下であることが、得られた磁気記
録媒体のノイズが小さくなるので好ましい。また、本発
明の磁気記録媒体における芳香族ポリアミドからなる非
磁性支持体の好ましい厚みは、3〜80μmである。
【0023】下塗り層を形成した芳香族ポリアミド樹脂
製支持体上には、磁性塗料を塗布するが、磁性層を多層
で形成したり、磁性層、非磁性である下層の多層を形成
する場合には、同時多層塗布、逐次多層塗布等を行って
もよい。
【0024】本発明で使用する強磁性粉末は、特に鉄、
コバルトあるいはニッケルを含む強磁性金属粉末を用い
るとその効果が顕著であって、α−Fe、Co、Ni、
Fe−Co合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−Co−
Ni−P合金、Fe−Co−Ni−B合金、Fe−Ni
−Zn合金、Ni−Co合金、Co−Ni−Fe合金な
どの強磁性金属粉末が好ましい。
【0025】これらの強磁性金属粉末の形状は特に制限
はなく、通常は、針状、粒状、サイコロ状、米粒状およ
び板状のものなどが使用される。粒子サイズは、針状の
場合は、0.05〜0.5μm、好ましくは0.05〜
0.3μm、特に好ましくは0.10〜0.25μmの
長軸長で、長軸長/短軸長は2/1〜25/1、好まし
くは3/1〜15/1、特に好ましくは4/1〜12/
1であり、板状の場合は、板径は、0.02〜0.20
μm、好ましくは0.03〜0.10μm、特に好まし
くは0.04〜0.07μmで、板径/板厚は、1/1
〜30/1、好ましくは2/1〜10/1、特に好まし
くは2.5〜7/1である。
【0026】また、これらの強磁性金属粉末の比表面積
(比表面積SBET)は、47〜80m2/g、より好
ましくは53〜70m2/g、抗磁力(Hc)は、12
50〜2500Oe、飽和磁化(σS)は、100〜1
80emu/g、好ましくは110〜150emu/g
である。含水率は、0.1〜2.0重量%、pHは3〜
11(5g強磁性粉末/100g水)が好ましい。これ
らの強磁性金属粉末の表面に、後で述べる防錆剤、表面
処理剤、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤等を分散に先立っ
て溶剤中で含浸させて吸着させてもよい。
【0027】また、強磁性金属粉末は、金属分として6
0重量%以上であり、そして金属分の70重量%以上が
少なくとも1種類の強磁性金属粉末あるいは合金、例え
ば、Fe、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co、N
i、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Feであ
り、該金属分の40重量%以下、より好ましくは20重
量%以下の範囲で他の成分、例えば、Al、Si、S、
Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、Mo、
Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、
W、Re、Au、Pb、Bi、La、Ce、Pr、N
d、B、Pを含むことのある合金や、窒化鉄や炭化鉄等
を挙げることができる。
【0028】とくに、イットリウムを含むFe、Fe−
Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、強磁
性粉末中のイットリウム含有量は、Y/Feは0.5原
子%〜20原子%が好ましく、更に好ましくは、5〜1
0原子%である。0.5原子%よりも少ないと強磁性粉
末の高σS化できないために磁気特性が低下し、電磁変
換特性が低下する。20原子%よりも大きいと鉄の含有
量が少なくなるので磁気特性が低下し、電磁変換特性が
低下する。さらに、鉄100原子%に対して20原子%
以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカン
ジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、
亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、ア
ンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステ
ン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プ
ラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むこと
ができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物
または酸化物を含むものなどであってもよい。
【0029】本発明の強磁性粉末には、イットリウム以
外にもネオジム、サマリウム、プラセオジム、ランタン
等を導入することができる。これらは、塩化イットリウ
ム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジ
ム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガド
リニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、
これらは、二種以上を併用しても良い。上記の樹脂成
分、硬化剤および強磁性粉末を、通常磁性塗料の調製の
際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、
シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散
して磁性塗料とする。混練分散は通常の方法に従って行
うことができる。なお、磁性塗料中には、上記成分以外
に、α−Al23、Cr23等の研磨剤、カーボンブラ
ック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコ
ーンオイル等の潤滑剤、分散剤など通常使用されている
添加剤あるいは充填剤を含むものであってもよい。特に
この中で金属鉄の強度を補うためにAl、Si、Crを
単独ないし混合して表層に設けることが望ましい。ま
た、上記強磁性金属粉末が少量の水酸化物または酸化
物、NaまたはK等のアルカリ金属元素、Mg、Ca、
Sr等のアルカリ土類金属元素を含むものなどであって
もよい。
【0030】特に、本発明において、強磁性粉末として
用いられる強磁性合金粉末の製造方法の例としては、下
記の方法を挙げることができる。 (a)複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)を水素など
の還元性気体で還元する方法:(b)酸化鉄を水素など
の還元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子な
どを得る方法:(c)金属カルボニル化合物を熱分解す
る方法:(d)強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナト
リウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤
を添加して還元する方法:(e)水銀陰極を用い強磁性
金属粉末を電解析出させたのち水銀と分離する方法:
(f)金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を
得る方法:また本発明に使用する強磁性粉末としては、
板状六方晶のバリウムフェライトも使用できる。バリウ
ムフェライトの粒子サイズは約0.001〜1ミクロン
の直径で厚みが直径の1/2〜1/20である。バリウ
ムフェライトの比重は4〜6g/ccで、比表面積は1m
2/g〜70m2/gである。また、FeOX (X=1.
33〜1.50)、Co含有FeOX 等を使用すること
もできる。
【0031】本発明の、磁性層と下塗り層を形成した非
磁性支持体の間に非磁性の下層を形成する場合には、下
層に用いられる無機粉末は、強磁性粉末、非磁性粉末を
問わない。例えば非磁性粉末の場合、金属酸化物、金属
炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫
化物、等の無機質化合物から選択することができる。無
機化合物としては例えばα化率90〜100%のα−ア
ルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒
化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、
酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化
ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン
などが単独または組合せで使用される。特に好ましいの
は二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであ
り、更に好ましいのは二酸化チタンである。これら非磁
性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましいが、
必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせ
たり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の
効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非
磁性粉末の平均粒径は0.01μm〜0.2μmであ
る。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非
磁性粉末の比表面積は1〜100m2/g、好ましくは
5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gであ
る。非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μm
が好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/100
g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20
〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3
〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいず
れでも良い。 これらの非磁性粉末の表面にはAl
23、SiO2、TiO2、ZrO2、 SnO2、Sb2
3 、ZnOなどが存在することが好ましい。特に分散性
に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2
であるが、更に好ましいのはAl23、SiO2、Zr
2 である。これらは組み合わせて使用しても良いし、
単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈さ
せた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理
した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその
逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的
に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である
方が一般には好ましい。
【0032】下層にカ−ボンブラックを混合させて公知
の効果であるRsを下げることができるとともに、所望
のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。このため
にはゴム用ファ−ネスブラック、ゴム用サ−マルブラッ
ク、カラ−用カーボンブラック、アセチレンブラック等
を用いることができる。カ−ボンブラックの比表面積は
100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2
/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましく
は30〜200ml/100gである。カ−ボンブラックの平
均粒径は5mμ〜80mμ、好ましく10〜50mμ、
さらに好ましくは10〜40mμである。カ−ボンブラ
ックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タッ
プ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。本発明に用い
られるカ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボッ
ト社製、BLACKPEARLS 2000、130
0、1000、900、800,880,700、VU
LCAN XC−72、三菱化成工業社製、#3050
B,3150B,3250B、#3750B、#395
0B、#950、#650B,#970B、#850
B、MA−600、コロンビアカ−ボン社製、COND
UCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,
5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー
社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
【0033】本発明の下層にはまた、磁性層の磁気記録
に影響を与えない程度の量あるいは磁性強度の強磁性粉
末を用いることもできる。強磁性粉末としては、γ−F
23、Co変性γ−Fe23、α−Feを主成分とす
る合金、CrO2等が用いられる。特に、Co変性γ−
Fe23が好ましい。
【0034】また、本発明の磁性層、下層、バックコー
ト層に使用される結合剤の樹脂成分としては、従来公知
の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬
化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬化型樹脂やこ
れらの混合物が使用される。
【0035】熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃
以下、数平均分子量が10000〜300000、重合
度が約50〜2000程度のもので、より好ましくは2
00〜600程度であり、例えば塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルス
チレン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリ
ル共重合体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重
合体、メタクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタ
ンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセ
ルロース−ポリアミド樹脂、ポリフッ素化ビニル、塩化
ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブタジエンアク
リロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブ
チラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブ
チレート、セルロースダイアセテート、セルローストリ
アセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロ
ース、エチルセルロース、メチルセルロース、プロピル
セルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、アセチルセルロース等)、スチレンブタ
ジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合
体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及び
これらの混合物等が使用される。
【0036】熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布
液の状態では200000以下の分子量であり、塗布、
乾燥後に加熱加湿することにより、縮合、付加等の反応
により分子量は無限大のものとなる。また、これらの樹
脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化又は溶融
しないものが好ましい。具体的には例えばフェノール樹
脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンポリカーボネート
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリ
コン樹脂、アクリル系反応樹脂(電子線硬化樹脂)、エ
ポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹
脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポ
リマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシア
ネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオール
とポリイソシアネートとの混合物、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオール/トリ
フェニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリアミ
ン樹脂、ポリイミン樹脂及びこれらの混合物等である。
【0037】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に官能基としてカルボン
酸、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホン酸、リン
酸、ホスホン酸、硫酸およびこれらのエステル基等の酸
性基あるいは水素をアルカリ金属、アルカリ土類金属、
炭化水素基で置換したものであっても良い。アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性類
基、アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基等また、
水酸基、アルコキシル基、チオール基、アルキルチオ
基、ハロゲン基、シリル基、シロキサン基、エポキシ
基、イソシアナト基、シアノ基、ニトリル基、オキソ
基、アクリル基、ホスフィン基を通常1種以上6種以内
含み、各々の官能基は樹脂1gあたり1×10-6当量〜
1×10-2当量含むことが好ましい。
【0038】硬化剤としては、通常はポリイソシアネー
ト化合物が使用される。本発明の磁性層、バックコート
層に用いるポリイソシアネート化合物としては、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キ
シレン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルエー
テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4.
4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパ
ン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−
ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−
4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添
化トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタン
ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げ
ることができる。
【0039】イソシアネート類とポリアルコールとの生
成物、イソシアネート類の縮合に依って生成した2〜1
0量体のポリイソシアネート、またはトリイソシアネー
トとポリウレタンとの生成物で末端官能基がイソシアネ
ートであるもの等を使用することができる。これらポリ
イソシアネート類の平均分子量は、100〜20000
のものが好適である。これらポリイソシアネート化合物
の市販されている商品名としては、コロネートL、コロ
ネートHL、コロネート2030、コロネート203
1、ミリオネートMR、ミリオネートMTL(日本ポリ
ウレタン、タケネートD−102、タケネートD−11
0N、タケネートD−200、タケネートD−202、
タケネート300S、タケネート500(武田薬品)、
スミジュールT−80、スミジュール44S、スミジュ
ールPF、スミジュールL、スミジュールN、デスモジ
ュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デ
スモジュールHL、デスモジュールT65、デスモジュ
ール15、デスモジュールR、デスモジュールRF、デ
スモジュールSL、デスモジュールZ4273(住友バ
イエル製)等があり、これらを単独若しくは硬化反応性
の差を利用して二つもしくはそれ以上の組み合わせによ
って使用することができる。又、硬化反応を促進する目
的で、水酸基(ブタンジオール、ヘキサンジオール、分
子量が1000〜10000のポリウレタン、水等)、
アミノ基(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン等)を有する化合物や金属酸化物の触媒を併
用する事も出来る。これらの水酸基やアミノ基を有する
化合物は多官能である事が望ましい。これらのポリイソ
シアネートは磁性層、バックコート層ともに結合剤樹脂
とポリイソシアネートの総量100重量部あたり2〜7
0重量部で使用することが好ましく、より好ましくは5
〜50重量部である。これらの例示は、特開昭60−1
31622号公報、特開昭61−74138号公報等に
おいて示されている。
【0040】これらの結合剤の単独又は組合わされたも
のが使われ、ほかに添加剤が加えられる。磁性層の強磁
性粉末と結合剤との混合割合は重量比で強磁性粉末10
0重量部に対して結合剤5〜300重量部の範囲で使用
される。バックコート層の粉末と結合剤の混合割合は重
量比で粉末100重量部に対して結合剤8〜400重量
部の範囲で使用される。添加剤としては、カーボンブラ
ック、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、溶剤等が加えられる。
【0041】本発明の磁性層とバックコート層に使用さ
れるカーボンブラックとしてはゴム用ファーネス、ゴム
用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等
を用いることができる。これらカーボンブラックはテー
プの帯電防止、遮光、摩擦係数調節、耐久性向上等を目
的として使用される。本発明に使用されるこれらカーボ
ンブラックの平均粒子サイズは5 〜1000nm(電
子顕微鏡法)、窒素吸着法比表面積は1〜800m2
g、pHは4〜11(JIS規格K−6221−198
2)、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は10〜8
00ml/100g(JIS 規格K−6221−19
82)である。本発明に使用されるカーボンブラックの
サイズは、塗布膜の表面電気抵抗を下げる目的で5〜1
00nmのカーボンブラックを、また塗布膜の強度を制
御するときに50〜1000nmのカーボンブラックを
使用することができる。また塗布膜の表面粗さを制御す
る目的でスペーシングロス減少のための平滑化のために
より微粒子のカーボンブラック(100nm未満)を、
粗面化して摩擦係数を下げる目的で粗粒子のカーボンブ
ラック(100nm以上)を用いる。このようにカーボ
ンブラックの種類と添加量は磁気記録媒体に要求される
目的に応じて使い分けられる。
【0042】また、これらのカーボンブラックを、後述
の分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して
使用してもよい。また、カーボンブラックを製造すると
きの炉の温度を2000℃以上で処理して表面の一部を
グラファイト化したものも使用できる。また、特殊なカ
ーボンブラックとして中空カーボンブラックを使用する
こともできる。これらのカーボンブラックは磁性層の場
合、強磁性粉末100重量部に対して0.1〜30重量
部で用いることが望ましく、また、バックコート層の場
合は、樹脂100重量部に対し20〜400重量部で用
いることが望ましい。
【0043】本発明の磁性層およびバックコート層に使
用される研磨剤は磁気記録媒体の耐久性やビデオテープ
レコーダのヘッドクリーニング効果を向上させるために
用いられ、一般的に研磨作用もしくは琢磨作用をもつ材
料で、α−アルミナ、γ−アルミナ、α,γ−アルミ
ナ、熔融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリ
ウム、コランダム、人造ダイヤモンド、α−酸化鉄、ザ
クロ石、エメリー、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ素、
窒化ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タング
ステン、チタンカーバイド、クオーツ、トリポリ、ケイ
藻土、ドロマイト等で、主としてモース硬度6以上、よ
り好ましくはモース硬度8以上の材料が1種ないし4種
までの組合わせで使用される。これらの研磨剤は平均粒
子サイズが0.005〜5μmの大きさのものが使用さ
れ、特に好ましくは0.01〜2μmである。これらの
研磨剤は磁性層の場合、強磁性粉末100重量部に対し
て0.01〜20重量部の範囲で添加される。また、バ
ックコート層の場合、後述する樹脂100重量部に対し
て0.01〜5重量部で用いることが望ましい。これら
の具体例としては、住友化学製のAKP1、AKP1
5、AKP20、AKP30、AKP50、AKP8
0、Hit50、Hit100等が挙げられる。これら
については特公昭52−28642号公報等に記載され
ている。
【0044】本発明の磁性層とバックコート層に使用さ
れる粉末状潤滑剤としては、グラファイト、二硫化モリ
ブデン、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
錫、二硫化タングステン等の無機微粉末、アクリルスチ
レン系樹脂微粉末、ベンゾグアナミン系樹脂微粉末、メ
ラミン系樹脂微粉末、ポリオレフィン系樹脂微粉末、ポ
リエステル系樹脂微粉末、ポリアミド系樹脂微粉末、ポ
リイミド系樹脂微粉末、フッ素樹脂微粉末等の樹脂微粉
末等がある。
【0045】また有機化合物系潤滑剤としては、シリコ
ンオイル(ジアルキルポリシロキサン、ジアルコキシポ
リシロキサン、フェニルポリシロキサン、フルオロアル
キルポリシロキサン(信越化学製KF96、KF69
等)、脂肪酸変性シリコンオイル、フッ素アルコール、
ポリオレフィン(ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ン等)、ポリグリコール(エチレングリコール、ポリエ
チレンオキシドワックス等)、テトラフルオロエチレン
オキシドワックス、ポリテトラフルオログリコール、パ
ーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロ脂肪酸、パ
ーフルオロ脂肪酸エステル、パーフルオロアルキル硫酸
エステル、パーフルオロアルキルスルホン酸エステル、
パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステル、パ
ーフルオロアルキル燐酸エステル等のフッ素や珪素を導
入した化合物、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホ
ン酸エステル、アルキルホスホン酸トリエステル、アル
キルホスホン酸モノエステル、アルキルホスホン酸ジエ
ステル、アルキル燐酸エステル、琥珀酸エステル等の有
機酸および有機酸エステル化合物、トリアザインドリジ
ン、テトラアザインデン、ベンゾトリアゾール、ベンゾ
ジアゾール、EDTA等の窒素、硫黄を含む複素(ヘテ
ロ)環化合物、炭素数10〜40の一塩基性脂肪酸と炭
素数2〜40個の一価のアルコールもしくは二価のアル
コール、三価のアルコール、四価のアルコール、六価の
アルコールのいずれか1つもしくは2つ以上とから成る
脂肪酸エステル類、炭素数10個以上の一塩基性脂肪酸
と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が11〜70個と
成る一価〜六価のアルコールから成る脂肪酸エステル
類、炭素数8〜40の脂肪酸或いは脂肪酸アミド類、脂
肪酸アルキルアミド類、脂肪族アルコール類も使用でき
る。
【0046】これら化合物の具体的な例としては、カプ
リル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラウリン酸エチ
ル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、ミリスチ
ン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸オクチ
ル、ミリスチン酸2エチルヘキシル、パルミチン酸エチ
ル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オクチル、パル
ミチン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸エチル、ステ
アリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン
酸オクチル、ステアリン酸2エチルヘキシル、ステアリ
ン酸アミル、ステアリン酸イソアミル、ステアリン酸2
エチルペンチル、ステアリン酸2ヘキシルデシル、ステ
アリン酸イソトリデシル、ステアリン酸アミド、ステア
リン酸アルキルアミド、ステアリン酸ブトキシエチル、
アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソ
ルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリス
テアレート、アンヒドロソルビタンテトラステアレー
ト、オレイルオレート、オレイルアルコール、ラウリル
アルコール、モンタンワックス、カルナバワックス等が
有り単独若しくは組合わせ使用出来る。
【0047】また本発明に使用される潤滑剤としては潤
滑油添加剤も単独若しくは組合わせで使用することがで
き、防錆剤として知られている酸化防止剤(アルキルフ
ェノール、ベンゾトリアジン、テトラアザインデン、ス
ルファミド、グアニジン、核酸、ピリジン、アミン、ヒ
ドロキノン、EDTA等の金属キレート剤)、錆どめ剤
(ナフテン酸、アルケニルコハク酸、リン酸、ジラウリ
ルホスフェート等)、油性剤(ナタネ油、ラウリルアル
コール等)、極圧剤(ジベンジルスルフィド、トリクレ
ジルホスフェート、トリブチルホスファイト等)、清浄
分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、泡どめ剤等が
ある。これらの潤滑剤は結合剤100重量部に対して
0.01〜30重量部の範囲で添加される。
【0048】本発明に使用する分散剤、分散助剤として
は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、ベ
ヘン酸、マレイン酸、フタル酸等の炭素数2〜40個の
脂肪酸(R1COOH、R1は炭素数1〜39個のアルキ
ル基、フェニル基、アラルキル基)、前記の脂肪酸のア
ルカリ金属(Li、Na、K等)またはアルカリ土類金
属(Mg、Ca、Ba等)、NH4+ 、Cu、Pb等か
ら成る金属石鹸(オレイン酸銅)、脂肪酸アミド;レシ
チン(大豆油レシチン)等が使用される。この他に炭素
数4〜40の高級アルコール(ブタノール、オクチルア
ルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコー
ル)及びこれらの硫酸エステル、スルホン酸、フェニル
スルホン酸、アルキルスルホン酸、スルホン酸エステ
ル、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸ト
リエステル、アルキルホスホン酸、フェニルホスホン
酸、アミン化合物等も使用可能である。また、ポリエチ
レングリコール、ポリエチレンオキサイド、スルホコハ
ク酸、スルホコハク酸金属塩、スルホコハク酸エステル
等も使用可能である。これらの分散剤は通常一種類以上
で用いられ、一種類の分散剤は結合剤100重量部に対
して0.005〜20重量部の範囲で添加される。これ
ら分散剤の使用方法は、強磁性粉末や非磁性粉末の表面
に予め被着させても良く、また分散途中で添加してもよ
い。
【0049】本発明に用いる防黴剤としては、2−(4
−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロ
ジクロロメチルチオ)−フタルイミド、10,10′−
オキシビスフェノキシサルシン、2,4,5,6−テト
ラクロロイソフタロニトリル、P−トリルジョードメチ
ルスルホン、トリヨードアリルアルコール、ジヒドロア
セト酸、フェニルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブチ
ル錫)、サリチルアニライド等がある。
【0050】このようなものは、例えば「微生物災害と
防止技術」1972年工学図書、「化学と工業」32,
904(1979)等に於いて示されている。本発明に
用いるカーボンブラック以外の帯電防止剤としてはグラ
ファイト、変性グラファイト、カーボンブラックグラフ
トポリマー、酸化錫−酸化アンチモン、酸化錫、酸化チ
タン−酸化錫−酸化アンチモン、等の導電性粉末;サポ
ニン等の天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、グ
リセリン系、グリシドール系、多価アルコール、多価ア
ルコールエステル、アルキルフェノールEO付加体等の
ノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、環状アミ
ン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、エステルアミ
ド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそのほかの複素
環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオ
ン界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、
リン酸、硫酸エステル基、ホスホン酸エステル、リン酸
エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤;ア
ミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫
酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両
性界面活性剤等が使用される。これらの界面活性剤は単
独または混合して添加しても良い。また、磁気記録媒体
におけるこれらの界面活性剤の使用量は、強磁性粉末1
00重量部当たり0.01〜10重量部である。また、
バックコート層での使用量は結合剤100重量部当たり
0.01〜30重量部である。これらは帯電防止剤とし
て用いられるものであるが、時としてそのほかの目的、
例えば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改良、塗布助
剤、湿潤剤、硬化促進剤、分散促進剤として適用される
場合もある。
【0051】磁性層の形成は、通常の方法に従って行う
ことができる。例えば、上記強磁性粉末および樹脂成分
ならびに必要に応じて配合される研磨剤および硬化剤な
どの磁性層形成成分を溶剤とともに混練分散して磁性塗
料を調製し、この磁性塗料を非磁性支持体上に塗布する
方法を利用できる。本発明の分散、混練、塗布の際に使
用する有機溶媒としては、任意の比率でアセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン
系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、
メチルシクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸
イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチル
エーテル等のエステル系;ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、グリコールジメチルエーテル、グリコール
モノエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベン
ゼン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メ
チレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、
クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベン
ゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアル
デヒド、ヘキサン等のものが使用できる。これらの溶媒
は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1重量%以
下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水分、
原料成分等)を含んでもよい。これらの溶剤は磁性層形
成塗料もしくはバック層形成塗料、下塗液の合計固形分
100重量部に対して100〜20000重量部で用い
られる。好ましい磁性層形成塗料の固形分率は10〜4
0重量%である。また、バック層形成塗料の好ましい固
形分率は5〜20重量%である。有機溶媒の代わりに水
系溶媒(水、アルコール、アセトン等)を使用すること
もできる。
【0052】分散、混練の方法には特に制限はなく、ま
た各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒等)、
分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜80℃)など
は適宜設定することができる。磁性層形成塗料およびバ
ック層形成塗料の調製には、通常の混練機、例えば、二
本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミ
ル、トロンミル、サンドグラインダー、ゼグバリ(Sz
egvari)、アトライター、高速インペラー、分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
ニーダー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダ
ー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、
ディスパーザー、ホモジナイザー、単軸スクリュー押し
出し機、二軸スクリュー押し出し機、及び超音波分散機
などを用いることができる。通常分散・混練にはこれら
の分散・混練機を複数備え、連続的に処理を行う。これ
ら分散、混練の補助材料として分散・混練を効率よく進
めるため、球相当径で直径10cm〜0.05mmの径
のスチールボール、スチールビーズ、セラミックビー
ズ、ガラスビーズ、有機ポリマービーズを用いることが
できる。またこれら材料は球形に限らない。
【0053】支持体上へ前記の磁性塗料ならびにバック
層塗料を塗布する方法としては、塗布液の粘度を1〜2
0000センチストークス(25℃)に調製し、エアー
ドクターコート、ブレードコート、エアナイフコート、
スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、
トランスファーロールコート、グラビアコート、キスコ
ート、キャストコート、スプレイコート、ロッドコー
ト、正回転ロールコート、カーテンコート、バーコー
ト、押出しコート、スピンコート等が利用でき、その他
の方法も可能であり、これらの具体的説明は浅倉書店発
行の「コーテイング工業」253頁〜277頁(昭和4
6.3.20)に詳細に記載されている。
【0054】磁性層は、乾燥後の厚さが0.05〜5μ
mであり、好ましくは0.07〜4μmであることが好
ましく、磁性層が未乾燥の状態で、垂直、長手、幅、ラ
ンダム、斜め等へ磁場配向処理を施した後乾燥する。
【0055】また、このようにして乾燥された後、塗布
層に必要によりカレンダー処理を行う。カレンダー処理
には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用され
る。カレンダー処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の
除去によって生じた空孔が減少し磁性層中の強磁性粉末
の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録
媒体を得ることができる。
【0056】本発明においては、このように作製した磁
気記録媒体を裁断機等を使用して通常の条件で所望の形
状に裁断した後、プラスチックや金属のリールに巻き取
る。本発明においては、こうして作製した磁性層の表
面、または磁性層の表面およびバックコート層の表面
を、巻き取る直前ないしそれ以前の工程において磁気記
録媒体(磁性層、バック層、エッジ端面、ベース面)を
研磨テープによりバーニッシュ処理を行ってもよい。
【0057】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。なお、実施例及び比較例中の部は重量部を示
す。 実施例1 (磁性塗料液の調製) 強磁性合金粉末 100部 組成:Fe/Zn/Ni=92/4/4,Hc:2000Oe, 結晶子サイズ:15nm,BET比表面積:59m2/g, 長軸径:0.12μm,針状比:7,σs:140emu/g ポリウレタン樹脂 10部 (東洋紡績製:UR8200 極性基含有ポリウレタン樹脂) 塩化ビニル系樹脂 8部 (日本ゼオン製:MR110極性基含有塩化ビニル系樹脂) α−Al23(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 シクロヘキサノン 110部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 上記磁性塗料組成物について、各成分をオープンニーダ
ーで60分間混練した後、サンドミルで120分間分散
した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシア
ネート化合物(日本ポリウレタン製コロネート304
1)を6部加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1
μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁
性塗料液を調製した。
【0058】厚さ4.5μmの芳香族ポリアミド支持体
上に下塗り層としてポリアミドイミド樹脂(東洋紡製バ
イロマックスMT5050)を固形分2%になるように
エタノール/トルエン=1/1の混合溶剤で希釈して、
乾燥厚みで0.1μmになるように塗布乾燥した。さら
に、上記磁性塗料を乾燥後の厚さが2.0μmになるよ
うに塗布し、磁性層が未乾燥の状態で3000ガウスの
磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロールの
みから構成される7段のカレンダーで速度100m/
分、線圧300kg/cm、温度90℃で表面平滑化処
理を行なった後、70℃で24時間加熱硬化処理を行
い、3.8mm幅に裁断し磁気テープを作製した。
【0059】実施例2 下塗り層で使用する樹脂を表1に示す様に変更して、実
施例1と同様の方法で実施例2の磁気テープを作製し
た。
【0060】 実施例3 (上層磁性塗料液の調整) 強磁性合金粉末 100部 組成:Fe/Zn/Ni=92/4/4,Hc:2000Oe, 結晶子サイズ:15nm,BET比表面積:59m2/g, 長軸径:0.12μm,針状比:7,σs:140emu/g ポリウレタン樹脂 10部 (東洋紡績製、UR8200:極性基含有ポリウレタン樹脂) 塩化ビニル系樹脂 8部 (日本ゼオン製 MR110、極性基含有塩化ビニル系樹脂) α−Al23(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 シクロヘキサノン 110部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 (下層用非磁性塗料液の調整) 非磁性無機質粉体 85部 α−酸化鉄、長軸径:0.12μm,針状比:7、 BET表面積 55m2/g、pH6.5 ポリウレタン樹脂 10部 (UR8200:東洋紡績製、極性基含有ポリウレタン樹脂) 塩化ビニル系樹脂 8部 (MR110:日本ゼオン製、極性基含有塩化ビニル系樹脂) シクロヘキサノン 140部 メチルエチルケトン 170部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 上層用磁性塗料組成物および下層用非磁性塗料組成物の
それぞれについて、各成分をオープンニーダーで60分
間混練した後、サンドミルで120分間分散した。得ら
れた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合
物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部
加え、さらに20分間攪拌混合した後、1μmの平均孔
径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料および
非磁性塗料を調製した。厚さ4.5μmの芳香族ポリア
ミド支持体上に得られた非磁性塗料を乾燥後の厚さが
1.8μmになるように塗布し、さらにその直後に磁性
塗料を乾燥後の厚さが0.2μmになるように同時重層
塗布した。両層が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石
で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロールのみか
ら構成される7段のカレンダーで速度100m/分、線
圧300kg/cm、温度90℃で表面平滑化処理を行
なった後、70℃で24時間加熱硬化処理を行い、3.
8mm幅に裁断し磁気テープを作製した。
【0061】実施例4 下塗り層に使用する樹脂を表1に示す様に変更して、実
施例3と同様の方法で実施例4を作製した。
【0062】比較例1〜6 厚さ4.5μmの非磁性支持体の種類および下塗り層に
使用する樹脂を表1に示すものに変更して、実施例1と
同様の方法で比較例1〜6を作製した。
【0063】比較例7〜13 厚さ4.5μmの非磁性支持体の種類および下塗り層に
使用する樹脂を表1に示すものに変更して、実施例1と
同様の方法で比較例1〜6を作製した。
【0064】次いで、実施例および比較例の磁気テープ
の特性を以下の測定方法によって測定し、測定結果を表
1に示す。 〔測定方法〕 (1)密着力:3.8mm幅に裁断した磁気テープの一
部を両面接着テープで台紙に貼り、磁気テープの一端を
他端と同方向に引っ張ったときの23℃、50%RH環
境下での剥離強度を測定した。 (2)磁性層表面粗さ:デジタルオプチカルプロフィル
メーター(WYKO製)を用いた光干渉法により得られ
た中心線平均粗さで表した。 (3)電磁変換特性 出力・出力低下:得られたテープを23℃,50%RH
において周波数4.7MHzの信号を記録しこれを再生
する。初回再生時の出力を実施例1のテープとの相対的
な出力で評価した。さらに1000回連続繰り返し走行
させ、出力を連続して再生し、各試料の1回目の出力を
0dBとして出力低下を測定した。 ドロップアウト:得られたテープを23℃,50%RH
において周波数2.35MHzの信号を記録しこれを再
生する。−16dB以上の出力低下で長さが15μs以
上のもののドロップアウト数を1パス走行時を基準に1
00パス走行後の増加率で表した。
【0065】
【表1】
【0066】ただし、表において、下塗り剤用樹脂は MT5050:ポリアミドイミド(東洋紡績製:バイロ
マックス) AT8020:ポリアミドイミド(東洋紡績製:バイロ
マックス) RV240 :共重合ポリエステル(東洋紡績製:バイ
ロン) P70 :変性ポリアミド(東レ製:AQ−ナイロ
ン) を示す。
【0067】
【発明の効果】非磁性支持体が芳香族ポリアミドの場合
に、非磁性支持体と磁性層あるいは非磁性塗布層との間
にポリアミドイミド樹脂からなる下塗り層を設けること
により非磁性支持体と磁性層あるいは非磁性塗布層との
密着性が向上し塗布層の脱落が防止されドロップアウト
の発生も少なく走行耐久性に優れれるとともに磁気記録
媒体の表面平滑性が優れることにより高出力が得られる
磁気記録媒体を提供できることから、従来方法に比較し
顕著な効果が認められる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉体を結合剤中
    に分散させた磁性層を設けた磁気記録媒体において、前
    記非磁性支持体は芳香族ポリアミド樹脂からなり、かつ
    前記非磁性支持体と前記磁性層との間に、少なくともポ
    リアミドイミド樹脂からなる下塗り層を形成したもので
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記下塗り層と前記磁性層との間に非磁
    性である下層を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリアミド樹脂がテレフタルヒド
    ラジド、パラベンズアミド、パラフェニレンテレフタル
    アミドの化学結合の1種または2種以上を構成単位とす
    る芳香族ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 下塗り層は厚みが0.03〜1.0μm
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002543253A (ja) * 1999-04-30 2002-12-17 スポルディング スポーツ ワールドワイド,インコーポレーテッド 芳香族/脂肪族ポリイソシアネート共重合体を含有するゴルフボール表面被覆

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