JP3488297B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体を製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体を製造する際に用いる磁性
塗料に、磁性粉等の未分散物や再凝集物、あるいは樹脂
不溶物などが存在すると、磁性塗膜としたときに欠陥と
なって、ドロップアウトの増大やエラーレートの上昇を
招く。このため、通常、塗布前に磁性塗料をフィルタに
より濾過する工程が設けられる。磁性塗料調製工程にお
ける濾過に関しては、以下に挙げるような各種提案がな
されている。
【0003】特開平2−240830号公報に開示され
た実施例中には、混練された磁性塗料中には、通常、強
磁性体粉末や結合剤等の未分散物、さらにはボールや混
練容器からの摩擦粉などの異物が含有されているため、
これらを除去するために混練終了後ただちに塗料をフィ
ルタに通過せしめ濾過を行なうこと、および交流分散装
置やサンドミルを用いて分散処理が行なわれた塗料を、
サンドミルで発生した磨耗粉や未分散物を除去するため
にフィルタを通過させることが記載されている。しかし
ながら、同公報には、フィルタの孔径等の具体的な構成
についての記載はない。
【0004】特開昭53−133405号公報には、磁
気塗料を濾紙(孔径1μm 、4μm)を通過させながら
塗布する方法が開示されている。ただし、同公報には単
に孔径と記載されているだけで、孔径の明確な定義は記
載されていない。
【0005】特開昭54−143118号公報には、磁
性粉からなる顔料を除くバインダ、溶剤、溶液等を、顔
料の粒径(0.05〜5μm 程度)以下のメッシュを有
するフィルタにより濾過し、該溶液中に顔料を分散した
後、顔料の粒径と同等あるいはそれより大きいメッシュ
を有するフィルタにて濾過し、該磁性塗料をアルミ基板
上に塗布する方法が開示されている。
【0006】特開昭57−147134号公報には、磁
性塗料から、磁性粉末の凝集塊、混練用ボールの破片な
どの不溶物を遠心分離して除去した後、平均孔径5μm
以上のメンブレンフィルタで濾過する方法が開示されて
いる。ただし、同公報には平均孔径の定義は記載されて
いない。
【0007】特開昭58−102332号公報には、磁
気塗料を金属フィルタ(孔径2μm以下)に通過させた
後、基板上に塗布することにより、ビットエラーを低減
する方法が開示されている。
【0008】特開昭59−58631号公報には、塗料
槽内の磁性塗料を、塗料槽外に設けたフィルタを通して
循環させるための装置が開示されているが、このフィル
タの孔径に関する記載はない。
【0009】特開昭59−117737号公報には、磁
気塗料の混練分散終了後、3μm 孔径のフィルタにより
濾過しながら攪拌して塗料を安定化させた後、平均孔径
20μm のメンブランフィルタにより濾過することによ
り、ビットエラーを低減する方法が開示されている。
【0010】特開昭61−82331号公報には、磁性
塗料を3〜5μm の孔を有する濾過器を通して濾過した
後、塗布およびカレンダ加工を行ない、厚さ4.5μm
の磁性層を有するオーディオテープを作製することが開
示されている。
【0011】特開昭61−248230号公報には、磁
性塗料を超音波処理しつつ濾過し、次いで塗布する方法
が開示されている。同公報には、10μm のフィルタを
使用した旨が記載されているが、孔径の定義は明確では
ない。
【0012】特開昭61−122927号公報には、磁
性塗料を約20℃以下に冷却してからフィルタを通過さ
せた後、室温に戻して塗布する方法が開示されている。
同公報の第2図には、磁性塗料がフィルタを複数回通過
できる装置が開示されているが、このフィルタの孔径に
関する記載はない。
【0013】特開昭62−6440号公報には、磁性液
を第1のフィルタ内蔵型超音波タンクを通して超音波に
よる分散と同時に濾過を行なった後、磁性液の一部を、
第2のフィルタ内蔵型超音波タンクに通して再度超音波
による分散と同時に濾過を行なうか、あるいは超音波タ
ンクに通して再度分散処理を行なった後、フィルタにて
再度濾過を行なう方法が開示されている。同公報には、
フィルタを通して磁性液を循環させるための装置が開示
されているが、このフィルタの孔径に関する記載はな
い。
【0014】特開昭62−134827号公報には、研
磨材とバインダとを含む研磨材分散液を予め調製した
後、この分散液に強磁性粉末を混合する方法が開示され
ている。同公報には、磁性塗料を平均孔径0.5〜1.
5μm のフィルタにより濾過した後、塗布することが開
示されており、実施例では、平均孔径1μm のフィルタ
を用いて、乾燥後の厚さ3μm の8ミリビデオ用テープ
を作製している。そして、8ミリビデオレコーダを用い
てドロップアウトの数を測定し、5個/分間という結果
を得ている。ただし、同公報には平均孔径の定義は記載
されていない。
【0015】特開昭62−258716号公報には、磁
性塗料濾過用のフィルタのハウジング内に、濾材に近接
して回転する攪拌羽根を設置した濾過装置が開示されて
いる。同公報の実施例において用いているフィルタの濾
材は、セルロース+エポキシ樹脂製で公称除去率2〜5
μm のものである。ただし、同公報記載の公称除去率が
具体的に何を意味するかは不明確である。
【0016】特開昭63−217528号公報には、メ
ッシュ径が40〜100μm の内部捕獲型のフィルタを
磁性塗料の自重で通過させてゲル状の未分散物や粗大な
異物の除去を行なった後、精密フィルタで濾過し塗布す
ることで、ゲル状未分散物の除去を確実に行なえるよう
にする方法が開示されている。同公報には、精密フィル
タの孔径に関する記載はない。
【0017】特開平1−106331号公報には、非磁
性支持体の表面に第一磁性層および第二磁性層をこの順
に設けてなる磁気記録媒体において、第二磁性層の層厚
を0.5μm 未満とし、かつ第二磁性層に含まれるモー
ス硬度6以上の研磨材の平均粒子径を0.5μm 以下と
することにより、電磁変換特性と走行耐久性とを向上で
きることが開示されている。同公報の実施例では、第一
磁性層形成用の塗布液および第二磁性層形成用の塗布液
をそれぞれ1μm の平均孔径を有するフィルタにより濾
過した後、乾燥後の厚さが0.25μm 、0.45μm
または1μm (比較例)となるように第二磁性層を塗布
し、磁気テープを作製している。そして、電磁変換特性
(4MHz でのY・S/N)と走行耐久性(スチルライ
フ)とを測定している。ただし、同公報には平均孔径の
定義は記載されていない。
【0018】特開平2−87326号公報には、1μm
メッシュの濾過器を通過させて調製した磁性塗料を乾燥
層厚3μm に塗布し、VHSカセットまたは8ミリビデ
オカセットを作製することが開示されている。
【0019】特開平2−270125号公報には、2層
からなる磁性層の上層が厚さ0.5μm 以下であり、上
層に含まれる強磁性金属粉末が、粒子長0.1μm 以
下、針状比(粒子長/粒子幅)1超3以下であって垂直
配向されている磁気記録媒体が開示されている。同公報
の実施例では、上層用塗料および下層用塗料をそれぞれ
1μm の平均孔径を有するフィルタにより濾過した後、
厚さ0.29μm または0.5μm の上層を形成して、
8ミリビデオ用の磁気記録媒体を作製している。ただ
し、同公報には平均孔径の定義は記載されていない。
【0020】特開平3−3116号公報には、フィルタ
による濾過に際して、磁性塗料を10〜20℃の範囲に
温度調整することにより、ゲル状の未分解物や不溶解物
の流動性や柔軟性を低下させて、これらをフィルタで十
分に捕獲可能とする方法が開示されている。同公報に
は、従来の技術として、絶対濾過精度が1〜30μm 程
度のフィルタで磁性塗料を濾過するようにしている旨が
記載されている。同公報には、濾過後の磁性塗料の一部
をプールタンクに循環させて再び濾過する装置が開示さ
れているが、この濾過用のフィルタの孔径に関する記載
はない。また、同公報には絶対濾過精度の定義は記載さ
れていない。
【0021】一方、磁気記録媒体には、記録信号の短波
長化、高密度化にともなって磁性層表面の平滑化や高い
走行安定性が求められており、このため、磁性層形成面
の裏面側にバックコート層を塗設する方法が用いられて
いる。バックコート層用の塗料に、樹脂不溶物あるいは
通常添加されることの多い導電性顔料や各種研磨材等の
未分散物や再凝集物、さらに製造工程中で混入した固形
不純物などが存在すると、バックコート層を形成したと
きにバックコート層表面の欠陥となり、磁気記録媒体の
走行性や磁性層表面の平滑性を損ない、ドロップアウト
の増大やエラーレートの上昇を招く。このため、バック
コート層用の塗料の濾過についても以下のような提案が
なされている。
【0022】特公平4−79052号公報の実施例で
は、バック層用の塗料を、粘度調整前後に、0.5μの
平均粒孔を有するフィルタにより濾過し、この塗料を用
いて1μまたは0.6μの厚さのバック層を形成して、
VHS方式のビデオテープを作製している。そして、こ
れらのビデオテープのドロップアウトを測定している。
しかし、同公報には、フィルタの平均粒径の定義は記載
されておらず、ドロップアウト判定基準の定義も記載さ
れていない。また、同公報では、磁性層用塗料について
は濾過を行なっていない。
【0023】特開昭60−69833号公報には、粘度
調整のための分散液と架橋剤とを添加、攪拌した後の裏
打層用の塗料を、塗布装置によりポリエチレンテレフタ
ラート(PET)製のシート上に塗布し、0.2〜5.
0μm の厚さの裏打層を形成するに際し、塗布前に濾紙
による濾過を行う旨が記載されている。同公報にはこの
濾紙の孔径等の濾過精度に関する記載はない。同公報で
は、この裏打層を形成したVHSテープについて欠陥率
を測定している。この場合の欠陥率とは、20dB 以上
のレベルダウンが15μs 以上継続する欠陥の1分間あ
たりの数であり、いわゆるドロップアウトである。同公
報の実施例では、この欠陥率が5〜10となっている。
同公報では、磁性層用の塗料については濾過を行なって
いない。
【0024】以上のように、磁気記録媒体の製造用の塗
料の調製の際に用いられるフィルタの特性と磁気記録媒
体の特性との関係についての詳細な検討は行なわれてい
ない。また、磁性塗料においても、バックコート層用塗
料においても、磁性粉等に代表される顔料を含有した状
態のものに対し濾過を行なうのが大部分であり、顔料を
除いたバインダ溶液に対し濾過を行なうものは、わずか
に特開昭54−143118号公報に開示されているも
のだけである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に、製造直後のドロップアウトが少なく、かつ、経時的
なドロップアウト増加および電磁変換特性低下が少な
く、しかも、磁性層等の塗膜の耐久性が良好である磁気
記録媒体を提供することである。また、第二に、これら
に加え、バックコート層の耐久性が良好で、かつ、バッ
クコート層による帯電防止効果の良好な磁気記録媒体を
提供することである。また、第三に、このような磁気記
録媒体を製造する際に、生産性の向上とコストの低減と
をはかることである。
【0026】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(43)のいずれかの構成により達成される。
【0027】 態様1は、下記の(1)〜(2)であ
る。 (1)非磁性支持体の少なくとも一方の面上に少なくと
も2層の塗膜を有し、最上層の塗膜が厚さ0.1〜0.
8μm の磁性層である磁気記録媒体を製造する方法であ
って、最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料の濾
過工程を有し、この塗料の濾過工程において、被濾過処
理物の流路に直列に少なくとも2つの濾過手段を設け、
前記流路の上流側から下流側に向かって、95%カット
濾過精度が次第に小さくなるように各濾過手段を配置
し、濾過手段のうちもっとも下流側に配置された最終濾
過手段の95%カット濾過精度が1.0〜6.0μm
あり、前記最終濾過手段の上流側に存在する濾過手段の
95%カット濾過精度が、前記最終濾過手段の95%カ
ット濾過精度の1.5〜20倍である磁気記録媒体の製
造方法。 (2)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、固形分と
バインダ溶液とを混練する混練工程、この混練工程によ
り得られた混練物中の固形分を分散する分散工程、およ
びこの分散工程により得られた分散物に粘度調整液を加
えて塗料を得る粘度調整工程を有する上記(1)の磁気
記録媒体の製造方法。
【0028】 態様2は、下記の(3)〜(4)であ
る。 (3)非磁性支持体の少なくとも一方の面上に少なくと
も1層の塗膜を有し、最上層の塗膜が磁性層である磁気
記録媒体を製造する方法であって、最上層の塗膜用塗料
を調製する工程が、塗料の濾過工程を有し、この塗料の
濾過工程において、被濾過処理物の流路に直列に少なく
とも2つの濾過手段を設け、前記流路の上流側から下流
側に向かって、95%カット濾過精度が次第に小さくな
るように各濾過手段を配置し、濾過手段のうちもっとも
下流側に配置された最終濾過手段の95%カット濾過精
度が、最短記録波長の10倍以下かつ6.0μm 以下か
つ1.0μm 以上であり、前記最終濾過手段の上流側に
存在する濾過手段の95%カット濾過精度が、前記最終
濾過手段の95%カット濾過精度の1.5〜20倍であ
る磁気記録媒体の製造方法。 (4)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、固形分と
バインダ溶液とを混練する混練工程、この混練工程によ
り得られた混練物中の固形分を分散する分散工程、およ
びこの分散工程により得られた分散物に粘度調整液を加
えて塗料を得る粘度調整工程を有する上記(3)の磁気
記録媒体の製造方法。
【0029】 態様3は、下記の(5)〜(9)であ
る。 (5)非磁性支持体の表面上に磁性層を有し、非磁性支
持体の裏面上に塗布により形成されたバックコート層を
有し、バックコート層の厚さが1.0μm 以下である磁
気記録媒体を製造する方法であって、バックコート層用
塗料を調製する工程が、塗料の濾過工程を有し、この塗
料の濾過工程において、被濾過処理物の流路に直列に少
なくとも2つの濾過手段を設け、前記流路の上流側から
下流側に向かって、95%カット濾過精度が次第に小さ
くなるように各濾過手段を配置し、濾過手段のうちもっ
とも下流側に配置された最終濾過手段の95%カット濾
過精度が、1.0μm 以上かつ6.0μm 以下かつバッ
クコート層の厚さの10倍以下であり、前記最終濾過手
段の上流側に存在する濾過手段の95%カット濾過精度
が、前記最終濾過手段の95%カット濾過精度の1.5
〜20倍である磁気記録媒体の製造方法。 (6)バックコート層用塗料を調製する工程が、固形分
をバインダ溶液中に分散させる分散工程、およびこの分
散工程により得られた分散物に粘度調整液を加えて塗料
を得る粘度調整工程を有する上記(5)の磁気記録媒体
の製造方法。 (7)前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の表面上に少
なくとも2層の塗膜を有し、最上層の塗膜が厚さ0.1
〜0.8μm の磁性層であり、最上層の塗膜用塗料を調
製する工程が、少なくとも1つの濾過手段により塗料を
濾過する塗料の濾過工程を有し、塗料の濾過工程におけ
る最終濾過手段の95%カット濾過精度が、1.0〜
6.0μm である上記(5)または(6)の磁気記録媒
体の製造方法。 (8)前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の表面上に少
なくとも1層の塗膜を有し、最上層の塗膜が磁性層であ
り、最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、少なくとも
1つの濾過手段により塗料を濾過する塗料の濾過工程を
有し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カ
ット濾過精度が、最短記録波長の10倍以下かつ6.0
μm 以下かつ1.0μm 以上である上記(5)または
(6)の磁気記録媒体の製造方法。 (9)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、固形分と
バインダ溶液とを混練する混練工程、この混練工程によ
り得られた混練物中の固形分を分散する分散工程、およ
びこの分散工程により得られた分散物に粘度調整液を加
えて塗料を得る粘度調整工程を有する上記(7)または
(8)の磁気記録媒体の製造方法。
【0030】態様4は、下記の(10)〜(14)であ
る。 (10)非磁性支持体の少なくとも一方の面上に少なく
とも1層の塗膜を有し、最上層の塗膜が磁性層である磁
気記録媒体を製造する方法であって、最上層の塗膜用塗
料を調製する工程が、固形分とバインダ溶液とを混練す
る混練工程、この混練工程により得られた混練物中の固
形分を分散する分散工程、およびこの分散工程により得
られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整
工程を有し、さらに、前記混練物を少なくとも1つの濾
過手段により濾過する混練物の濾過工程および前記分散
物を少なくとも1つの濾過手段により濾過する分散物の
濾過工程の少なくとも一方を有し、混練物の濾過工程お
よび分散物の濾過工程における最終濾過手段の95%カ
ット濾過精度がいずれも15μm 以上であり、混練物の
濾過工程および分散物の濾過工程の少なくとも一方にお
ける最終濾過手段の95%カット濾過精度が80μm 以
下である磁気記録媒体の製造方法。 (11)前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の少なくと
も一方の面上に少なくとも2層の塗膜を有し、最上層の
塗膜が厚さ0.1〜0.8μm の磁性層であり、最上層
の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料を少なくとも1つ
の濾過手段により濾過する塗料の濾過工程を有し、塗料
の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過精
度が、1.0〜6.0μm である上記(10)の磁気記録
媒体の製造方法。 (12)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料を
少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過工
程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95
%カット濾過精度が、最短記録波長の10倍以下かつ
6.0μm 以下かつ1.0μm 以上である上記(10)の
磁気記録媒体の製造方法。 (13)前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の裏面上に
塗布により形成されたバックコート層を有し、バックコ
ート層の厚さが1.0μm 以下であり、バックコート層
用塗料を調製する工程が、固形分をバインダ溶液中に分
散させる分散工程、およびこの分散工程により得られた
分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を
有し、さらに、前記分散物を少なくとも1つの濾過手段
により濾過する分散物の濾過工程を有し、分散物の濾過
工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度が、
15〜80μm である上記(10)〜(12)のいずれかの
磁気記録媒体の製造方法。 (14)バックコート層用塗料を調製する工程が、塗料
を少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過
工程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の9
5%カット濾過精度が、1.0μm 以上かつ6.0μm
以下かつバックコート層の厚さの10倍以下である上記
(13)の磁気記録媒体の製造方法。
【0031】態様5は、下記の(15)〜(22)であ
る。 (15)非磁性支持体の少なくとも一方の面上に少なく
とも1層の塗膜を有し、最上層の塗膜が磁性層である磁
気記録媒体を製造する方法であって、最上層の塗膜用塗
料を調製する工程が、固形分とバインダ溶液とを混練す
る混練工程、この混練工程により得られた混練物中の固
形分を分散する分散工程、およびこの分散工程により得
られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整
工程を有し、さらに、前記バインダ溶液を少なくとも1
つの濾過手段により濾過するバインダ溶液の濾過工程お
よび前記粘度調整液を少なくとも1つの濾過手段により
濾過する粘度調整液の濾過工程の少なくとも一方を有
し、バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の9
5%カット濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整
液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過
精度が1.0μm 以上であって、バインダ溶液の濾過工
程における最終濾過手段の95%カット濾過精度が80
μm 以下であること、および粘度調整液の濾過工程にお
ける最終濾過手段の95%カット濾過精度が30μm 以
下であること、の少なくとも一方の条件を満たす磁気記
録媒体の製造方法。 (16)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、前記混
練物を少なくとも1つの濾過手段により濾過する混練物
の濾過工程および前記分散物を少なくとも1つの濾過手
段により濾過する分散物の濾過工程の少なくとも一方を
有し、混練物の濾過工程および分散物の濾過工程におけ
る最終濾過手段の95%カット濾過精度がいずれも15
μm 以上であり、混練物の濾過工程および分散物の濾過
工程の少なくとも一方における最終濾過手段の95%カ
ット濾過精度が80μm 以下である上記(15)の磁気記
録媒体の製造方法。 (17)前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の少なくと
も一方の面上に少なくとも2層の塗膜を有し、最上層の
塗膜が厚さ0.1〜0.8μm の磁性層であり、最上層
の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料を少なくとも1つ
の濾過手段により濾過する塗料の濾過工程を有し、塗料
の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過精
度が、1.0〜6.0μm である上記(15)または(1
6)の磁気記録媒体の製造方法。 (18)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料を
少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過工
程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95
%カット濾過精度が、最短記録波長の10倍以下かつ
6.0μm 以下かつ1.0μm 以上である上記(15)ま
たは(16)の磁気記録媒体の製造方法。 (19)非磁性支持体の表面上に磁性層を有し、非磁性
支持体の裏面上に塗布により形成されたバックコート層
を有し、バックコート層の厚さが1.0μm 以下である
磁気記録媒体を製造する方法であって、バックコート層
用塗料の調製工程が、固形分をバインダ溶液中に分散さ
せる分散工程、およびこの分散工程により得られた分散
物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有
し、さらに、前記バインダ溶液を少なくとも1つの濾過
手段により濾過するバインダ溶液の濾過工程および前記
粘度調整液を少なくとも1つの濾過手段により濾過する
粘度調整液の濾過工程の少なくとも一方を有し、バイン
ダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液の濾過工
程における最終濾過手段の95%カット濾過精度が1.
0μm 以上であって、バインダ溶液の濾過工程における
最終濾過手段の95%カット濾過精度が80μm 以下で
あること、および粘度調整液の濾過工程における最終濾
過手段の95%カット濾過精度が30μm 以下であるこ
と、の少なくとも一方の条件を満たす磁気記録媒体の製
造方法。 (20)バックコート層用塗料の調製工程が、前記分散
物を少なくとも1つの濾過手段により濾過する分散物の
濾過工程を有し、分散物の濾過工程における最終濾過手
段の95%カット濾過精度が、15〜80μm である上
記(19)の磁気記録媒体の製造方法。 (21)バックコート層用塗料の調製工程が、塗料を少
なくとも1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過工程
を有し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%
カット濾過精度が、1.0μm 以上かつ6.0μm 以下
かつバックコート層の厚さの10倍以下である上記(1
9)または(20)の磁気記録媒体の製造方法。 (22)上記(15)〜(18)のいずれかの磁気記録媒体
の製造方法により非磁性支持体表面上に塗膜を形成する
上記(19)〜(21)のいずれかの磁気記録媒体の製造方
法。
【0032】 態様6は、下記の(23)〜(26)で
ある。 (23)非磁性支持体の少なくとも一方の面上に少なく
とも2層の塗膜を有し、最上層の塗膜が厚さ0.1〜
0.8μm の磁性層である磁気記録媒体を製造する方法
であって、少なくとも最上層に隣接する塗膜用塗料を調
製する工程が、塗料の濾過工程を有し、この塗料の濾過
工程において、被濾過処理物の流路に直列に少なくとも
2つの濾過手段を設け、前記流路の上流側から下流側に
向かって、95%カット濾過精度が次第に小さくなるよ
うに各濾過手段を配置し、濾過手段のうちもっとも下流
側に配置された最終濾過手段の95%カット濾過精度
が、1.0〜6.0μm であり、前記最終濾過手段の上
流側に存在する濾過手段の95%カット濾過精度が、前
記最終濾過手段の95%カット濾過精度の1.5〜20
である磁気記録媒体の製造方法。 (24)少なくとも最上層に隣接する塗膜用塗料を調製
する工程が、固形分とバインダ溶液とを混練する混練工
程、この混練工程により得られた混練物中の固形分を分
散する分散工程、およびこの分散工程により得られた分
散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有
する上記(23)の磁気記録媒体の製造方法。 (25)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、少なく
とも1つの濾過手段により塗料を濾過する塗料の濾過工
程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95
%カット濾過精度が、1.0〜6.0μm である上記
(23)または(24)の磁気記録媒体の製造方法。 (26)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、固形分
とバインダ溶液とを混練する混練工程、この混練工程に
より得られた混練物中の固形分を分散する分散工程、お
よびこの分散工程により得られた分散物に粘度調整液を
加えて塗料を得る粘度調整工程を有する上記(25)の磁
気記録媒体の製造方法。
【0033】態様7は、下記の(27)〜(28)であ
る。 (27)前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の裏面上に
塗布により形成されたバックコート層を有し、バックコ
ート層の厚さが1.0μm 以下であり、バックコート層
用塗料を調製する工程が、少なくとも1つの濾過手段に
より塗料を濾過する塗料の濾過工程を有し、塗料の濾過
工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度が、
1.0μm 以上かつ6.0μm 以下かつバックコート層
の厚さの10倍以下である上記(23)〜(26)のいずれ
かの磁気記録媒体の製造方法。 (28)バックコート層用塗料を調製する工程が、固形
分をバインダ溶液中に分散させる分散工程、およびこの
分散工程により得られた分散物に粘度調整液を加えて塗
料を得る粘度調整工程を有する上記(27)の磁気記録媒
体の製造方法。
【0034】態様8は、下記の(29)〜(31)であ
る。 (29)少なくとも最上層に隣接する塗膜用塗料を調製
する工程が、固形分とバインダ溶液とを混練する混練工
程、この混練工程により得られた混練物中の固形分を分
散する分散工程、およびこの分散工程により得られた分
散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有
し、さらに、前記混練物を少なくとも1つの濾過手段に
より濾過する混練物の濾過工程および前記分散物を少な
くとも1つの濾過手段により濾過する分散物の濾過工程
の少なくとも一方を有し、混練物の濾過工程および分散
物の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過
精度がいずれも15μm 以上であり、混練物の濾過工程
および分散物の濾過工程の少なくとも一方における最終
濾過手段の95%カット濾過精度が80μm 以下である
上記(23)〜(28)のいずれかの磁気記録媒体の製造方
法。 (30)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、固形分
とバインダ溶液とを混練する混練工程、この混練工程に
より得られた混練物中の固形分を分散する分散工程、お
よびこの分散工程により得られた分散物に粘度調整液を
加えて塗料を得る粘度調整工程を有し、さらに、前記混
練物を少なくとも1つの濾過手段により濾過する混練物
の濾過工程および前記分散物を少なくとも1つの濾過手
段により濾過する分散物の濾過工程の少なくとも一方
と、前記塗料を少なくとも1つの濾過手段により濾過す
る塗料の濾過工程とを有し、混練物の濾過工程および分
散物の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾
過精度がいずれも15μm 以上であり、混練物の濾過工
程および分散物の濾過工程の少なくとも一方における最
終濾過手段の95%カット濾過精度が80μm 以下であ
り、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カッ
ト濾過精度が、1.0〜6.0μm である上記(29)の
磁気記録媒体の製造方法。 (31)前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の裏面上に
塗布により形成されたバックコート層を有し、バックコ
ート層の厚さが1.0μm 以下であり、バックコート層
用塗料を調製する工程が、固形分をバインダ溶液中に分
散させる分散工程、およびこの分散工程により得られた
分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を
有し、さらに、前記分散物を少なくとも1つの濾過手段
により濾過する分散物の濾過工程と、前記塗料を少なく
とも1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過工程とを
有し、分散物の濾過工程における最終濾過手段の95%
カット濾過精度が、15〜80μm であり、塗料の濾過
工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度が、
1.0μm 以上かつ6.0μm 以下かつバックコート層
の厚さの10倍以下である上記(27)〜(30)のいずれ
かの磁気記録媒体の製造方法。
【0035】態様9は、下記の(32)〜(34)であ
る。 (32)少なくとも最上層に隣接する塗膜用塗料を調製
する工程が、固形分とバインダ溶液とを混練する混練工
程、この混練工程により得られた混練物中の固形分を分
散する分散工程、およびこの分散工程により得られた分
散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有
し、さらに、前記バインダ溶液を少なくとも1つの濾過
手段により濾過するバインダ溶液の濾過工程および前記
粘度調整液を少なくとも1つの濾過手段により濾過する
粘度調整液の濾過工程の少なくとも一方を有し、バイン
ダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液の濾過工
程における最終濾過手段の95%カット濾過精度が1.
0μm 以上であって、バインダ溶液の濾過工程における
最終濾過手段の95%カット濾過精度が80μm 以下で
あること、および粘度調整液の濾過工程における最終濾
過手段の95%カット濾過精度が30μm 以下であるこ
と、の少なくとも一方の条件を満たす上記(23)〜(3
1)のいずれかの磁気記録媒体の製造方法。 (33)最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、固形分
とバインダ溶液とを混練する混練工程、この混練工程に
より得られた混練物中の固形分を分散する分散工程、お
よびこの分散工程により得られた分散物に粘度調整液を
加えて塗料を得る粘度調整工程を有し、さらに、前記バ
インダ溶液を少なくとも1つの濾過手段により濾過する
バインダ溶液の濾過工程および前記粘度調整液を少なく
とも1つの濾過手段により濾過する粘度調整液の濾過工
程の少なくとも一方と、前記塗料を少なくとも1つの濾
過手段により濾過する塗料の濾過工程とを有し、バイン
ダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液の濾過工
程における最終濾過手段の95%カット濾過精度が1.
0μm 以上であって、バインダ溶液の濾過工程における
最終濾過手段の95%カット濾過精度が80μm 以下で
あること、および粘度調整液の濾過工程における最終濾
過手段の95%カット濾過精度が30μm 以下であるこ
と、の少なくとも一方の条件を満たし、塗料の濾過工程
における最終濾過手段の95%カット濾過精度が、1.
0〜6.0μm である上記(32)の磁気記録媒体の製造
方法。 (34)前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の裏面上に
塗布により形成されたバックコート層を有し、バックコ
ート層の厚さが1.0μm 以下であり、バックコート層
用塗料を調製する工程が、固形分をバインダ溶液中に分
散させる分散工程、およびこの分散工程により得られた
分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を
有し、さらに、前記バインダ溶液を少なくとも1つの濾
過手段により濾過するバインダ溶液の濾過工程および前
記粘度調整液を少なくとも1つの濾過手段により濾過す
る粘度調整液の濾過工程の少なくとも一方と、前記塗料
を少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過
工程とを有し、バインダ溶液の濾過工程における最終濾
過手段の95%カット濾過精度が4.0μm 以上であ
り、粘度調整液の濾過工程における最終濾過手段の95
%カット濾過精度が1.0μm 以上であって、バインダ
溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾
過精度が80μm 以下であること、および粘度調整液の
濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度
が30μm 以下であること、の少なくとも一方の条件を
満たし、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%
カット濾過精度が、1.0μm以上かつ6.0μm 以下
かつバックコート層の厚さの10倍以下である上記(3
2)または(33)の磁気記録媒体の製造方法。
【0036】 また、上記各態様において、下記(3
5)〜(43)であることが好ましい。 (35)少なくとも1つの濾過工程において、被濾過処
理物の流路に直列に少なくとも2つの濾過手段を設け、
前記最終濾過手段の上流側に、95%カット濾過精度が
前記最終濾過手段よりも大きい濾過手段を配置した上記
(10)〜(22)および(29)〜(34)のいずれ
かの磁気記録媒体の製造方法。 (36)前記流路の上流側から下流側に向かって、95
%カット濾過精度が次第に小さくなるように各濾過手段
を配置した上記(35)の磁気記録媒体の製造方法。 (37)前記最終濾過手段の上流側に存在する濾過手段
の95%カット濾過精度が、前記最終濾過手段の95%
カット濾過精度の20倍以下である上記(35)または
(36)の磁気記録媒体の製造方法。 (38)前記濾過手段が、95%カット濾過精度が同一
であって被濾過処理物の流路に並列に配置されている少
なくとも2個のフィルタから構成された並列濾過手段を
含む上記(1)〜(37)のいずれかの磁気記録媒体の製
造方法。 (39)少なくとも1つの濾過手段に被濾過処理物を2
回以上通過させて循環濾過を行なう上記(1)〜(38)
のいずれかの磁気記録媒体の製造方法。 (40)前記最終濾過手段が、デプスタイプのフィルタ
を有する上記(1)〜(39)のいずれかの磁気記録媒体
の製造方法。 (41)非磁性支持体の少なくとも一方の面上に少なく
とも2層の塗膜を有し、前記少なくとも2層の塗膜のう
ち少なくとも最下層の塗膜が非磁性層である上記(1)
〜(40)のいずれかの磁気記録媒体の製造方法。 (42)非磁性支持体の少なくとも一方の面上に少なく
とも2層の塗膜を有し、前記少なくとも2層の塗膜のす
べてが磁性層である上記(1)〜(40)のいずれかの磁
気記録媒体の製造方法。 (43)非磁性支持体表面上の塗膜をウエット・オン・
ウエット塗布方法により形成する上記(1)〜(42)の
いずれかの磁気記録媒体の製造方法。
【0037】
【作用および効果】本発明は、非磁性支持体の少なくと
も一方の面上に、磁性層を含む少なくとも1層の塗膜を
有する単層の磁気記録媒体または多層の磁気記録媒体の
製造に適用される。塗膜のうち、少なくとも最上層が磁
性層である。また、本発明は、非磁性支持体裏面上に塗
布によりバックコート層を設けた磁気記録媒体の製造に
も適用される。この場合、非磁性支持体表面側の磁性層
については特に限定されないが、塗布型の磁性層を設け
る場合には、この磁性層の形成についても本発明を適用
することが好ましい。
【0038】本発明では、非磁性支持体表面側の塗膜形
成用の塗料は、一般に図1の左側のフローチャートに示
す工程で調製されるが、濾過I〜V工程は、本発明の各
態様において必要に応じ少なくとも1つが選択されて設
けられる。また、バックコート層形成用の塗料は、一般
に図1の右側に示す工程で調製されるが、濾過VI〜IX工
程は、本発明の各態様において必要に応じ少なくとも1
つが選択して設けられる。そして、本発明の各態様で
は、所定の濾過工程において、所定範囲の孔径(本発明
では孔径を95%カット濾過精度として定義)をもつ最
終濾過手段を用いる。なお、本明細書において最終濾過
手段とは、濾過工程に用いる濾過手段が単数である場合
にはその濾過手段を意味し、濾過手段を複数用いる場合
には、95%カット濾過精度が最も小さい濾過手段を意
味する。
【0039】バインダ溶液を濾過する濾過I工程および
粘度調整液を濾過する濾過IV工程では、バインダ溶液や
粘度調整液中の夾雑物、バインダのゲル化物、未溶解バ
インダなどの捕捉対象物が、前記最終濾過手段により精
度よく捕捉される。このため、最終的に得られる塗料に
おいて、上記捕捉対象物が混入して塗膜中に異物として
存在することによって惹き起こされる媒体特性の悪化が
防止され、とりわけドロップアウトが著しく減少する。
また、塗膜の性状も良好となり耐久性が向上する。
【0040】塗料を濾過する濾過V工程、混練物を濾過
する濾過II工程および分散物を濾過する濾過III 工程で
は、磁性粉や非磁性粉等の未分散物、再凝集物、樹脂不
溶物などの捕捉対象物が、前記最終濾過手段により精度
よく捕捉される。このため、製造された磁気記録媒体の
ドロップアウトは、著しく少なくなる。また、これらの
濾過工程に用いる最終濾過手段は、磁性塗膜の耐久性向
上のために添加される研磨材粒子を必要以上に濾過して
しまうことがないため、耐久性に優れた塗膜が得られ
る。
【0041】バックコート層用塗料の調製工程におい
て、バインダ溶液を濾過する濾過VI工程および粘度調整
液を濾過する濾過VIII工程で用いる最終濾過手段は、そ
れぞれ濾過I工程および濾過IV工程で用いる最終濾過手
段と同様な効果を示す。塗料を濾過する濾過IX工程や分
散物を濾過する濾過VII 工程では、樹脂不溶物、通常添
加されることの多い導電性顔料や各種研磨材等の未分散
物や再凝集物、さらに製造工程中で混入した固形不純物
などの捕捉対象物が、前記最終濾過手段により精度よく
捕捉される。このため、製造された磁気記録媒体のドロ
ップアウトは、著しく少なくなる。しかも、濾過IX工程
や濾過VII 工程で用いられる最終濾過手段は、バックコ
ート層の耐久性向上のために添加される研磨材粒子や帯
電を防止するための導電性顔料を必要以上に濾過してし
まうことがない。このため、耐久性にすぐれ、帯電防止
効果が高いバックコート層が得られる。また、バックコ
ート層に用いられるカーボンブラックは分散性が極めて
悪いことが知られているが、このような濾過手段による
濾過の際には、塗料や分散物に強力な剪断力がはたらく
ため、ボールミル等を用いる従来の分散工程だけを用い
る場合に比べ、分散性が格段に向上する。このため、磁
気記録媒体のドロップアウトがいっそう減少する。
【0042】磁気記録媒体は高温高湿等の厳しい条件下
で保存した後には、一般にドロップアウトが著しく増加
し、電磁変換特性も低下する。特に、多層構成の塗膜を
有する磁気記録媒体において最上層の磁性層が0.1〜
0.8μm と薄い場合には、最上層に隣接する塗膜中の
異物の影響が大きくなってドロップアウトが増え、電磁
変換特性が低下しやすい。しかし、態様6〜9のよう
に、最上層に隣接する塗膜用の塗料を調製する際の濾過
工程において、前記最終濾過手段を用いることにより、
高温高湿条件下で保存した後でもドロップアウトの増加
および電磁変換特性の低下はほとんど認められなくな
る。
【0043】また、上述した効果の他に、本発明にした
がって所定の濾過を行なうことにより、磁性層表面やバ
ックコート層表面の平滑化を行なうカレンダロールの汚
損を軽減することができる。このため、カレンダロール
の交換回数を減らすことができ、生産性の向上とコスト
の低減が可能となる。
【0044】従来の技術として挙げた上記各公報では、
フィルタの孔径について様々な表現がなされている。例
えば、孔径、平均孔径、メッシュ、公称除去率、絶対濾
過精度等である。しかし、本発明で用いている95%カ
ット濾過精度を開示した公報はない。
【0045】従来の技術として挙げた特公平4−790
52号公報の実施例では、バックコート層用塗料の濾過
に0.5μの平均粒孔を有するフィルタを使用している
が、95%カット濾過精度に関する記載はない。また、
本発明では、濾過IX工程に用いる最終濾過手段の95%
カット濾過精度とバックコート層の厚さとを関係づけて
いるが、特公平4−79052号公報にはこの旨の記載
もない。
【0046】本発明では、上述した最終濾過手段を含む
濾過工程の少なくとも1つにおいて、多段濾過を行なう
ことが好ましい。この多段濾過では、図5に示すよう
に、被濾過処理物(バインダ溶液、粘度調整液、混練
物、分散物または塗料)が貯蔵されているタンク201
に連通された流路202に直列に複数の濾過手段(フィ
ルタF)を配置する。そして、最終濾過手段の上流側
に、最終濾過手段よりも孔径の大きな濾過手段を配置す
る。流路上流の孔径の大きな濾過手段は、被濾過処理物
中の粗大な捕捉対象物を捕捉し、微小な捕捉対象物を通
過させる。流路下流の最終濾過手段は、流路上流の濾過
手段を通過した微小な捕捉対象物を捕捉する。このよう
に、捕捉対象物を複数の濾過手段に分担して捕捉させる
ので、本発明における多段濾過では、各濾過手段の目詰
まりを遅らせることができる。濾過手段に著しい目詰ま
りが生じると、濾過流量が著減すると共に、通過すべき
磁性粉や研磨材等まで捕捉されて濾過の精度が低下して
しまうが、上記多段濾過を行なうことにより、耐用時間
の延長と濾過の精度向上とが実現する。
【0047】複数のフィルタを塗料の流路に直列に設け
て多段濾過を行なうことは、上記したように従来から知
られている。しかし、流路の上流側に孔径の大きな濾過
手段を配置し、流路の下流側に孔径の小さな濾過手段を
配置することは、本発明において初めて提案されたこと
である。孔径の等しい複数のフィルタを用いた場合、上
流側のフィルタが短時間で目詰まりするため、耐用時間
を延長することはできない。また、この場合の目詰まり
を防ぐためにフィルタの孔径を大きくした場合、微小な
捕捉対象物を捕捉することができなくなってしまう。
【0048】本発明では、図6に示すように、2個以上
のフィルタFを流路202に並列に配置した並列濾過手
段203を用いることが好ましい。生産性を向上するた
めには濾過工程における被濾過処理物の流量を大きくす
る必要があり、そのためには濾過面積を大きくすること
が有効である。円筒状の濾材を有するデプスタイプのフ
ィルタにおいて濾過面積を大きくするためには、濾材を
大径化するか、軸方向長さを長くする。しかし、大径の
濾材では孔径のばらつきを小さくすることが困難であ
り、濾過の精度に問題が生じる。一方、軸方向長さの長
い濾材では目詰まりが生じやすく、耐用時間および濾過
の精度に問題が生じる。これに対し本発明における並列
濾過手段では、比較的小径で軸方向長さも比較的短い濾
材を複数用いるため、大きな濾過面積が得られ、しか
も、精度の高い濾過が可能で、耐用時間も長くなる。
【0049】本発明では、図8に示すように、タンク2
01中の被濾過処理物を、濾過手段(フィルタF)を通
して循環させる循環濾過を行なうことが望ましい。混練
物または分散物は、タンク201内で滞留時間が長くな
ることがある。また、濾過V工程や濾過IX工程を経た塗
料は、通常、硬化剤が投入されて塗布工程に供給される
が、硬化剤投入工程への塗料の供給速度によっては、タ
ンク201内での塗料の滞留時間が長くなることがあ
る。混練物や分散物、塗料中の微粒子は凝集しやすく、
特に高保磁力および高飽和磁束密度をもつ磁性微粒子は
凝集しやすいため、タンク201内で攪拌等により分散
を続けていても凝集塊が生じやすい。しかし、図8に示
すように混練物や分散物、塗料を循環すれば、濾過手段
を通過する際に強力な剪断力が働くため、凝集塊の発生
を防ぐことができる。また、循環濾過により、濾過の精
度も向上する。
【0050】図9、図10、図11に示すように循環濾
過と多段濾過とを組み合わせることにより、保守性も良
好となる。通常の濾過工程では、濾過手段を交換する際
には濾過装置の運転を中断する必要があるが、循環濾過
と多段濾過とを組み合わせれば、装置の運転を中断する
ことなしに少なくとも一部の濾過手段を交換することが
できる。
【0051】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0052】本発明の態様2〜5は、非磁性支持体の少
なくとも一方の面上に単層の磁性層を有する磁気記録媒
体を製造する方法を含む。このような磁気記録媒体の構
成例を図2(a)に示す。図2(a)に示す磁気記録媒
体では、非磁性支持体2表面上に磁性層3が設けられて
おり、非磁性支持体の裏面側には、バックコート層4が
設けられている。なお、バックコート層4は、必要に応
じて設けられる。また、態様2〜5は、非磁性支持体の
少なくとも一方の面上に少なくとも2層の塗膜を有し、
少なくとも最上層の塗膜が磁性層である磁気記録媒体
(多層媒体)を製造する方法も含む。
【0053】そして、態様1および3〜9は、このよう
な多層媒体であって、最上層の塗膜が厚さ0.1〜0.
8μm の磁性層である磁気記録媒体を製造する方法を含
む。このような磁気記録媒体の構成例を図2(b)に示
す。図2(b)に示す磁気記録媒体では、非磁性支持体
2表面上に、下層5と上層6とがこの順で設けられてお
り、非磁性支持体の裏面側には、バックコート層4が設
けられている。なお、バックコート層4は、必要に応じ
て設けられる。下層5は、非磁性層または磁性層であ
り、上層6は磁性層である。本発明により製造される多
層媒体は、非磁性支持体表面上に3層以上の塗膜を有す
るものであってもよい。その場合、全ての塗膜が磁性層
であってもよく、最上層以外の塗膜が非磁性層であって
もよいが、非磁性層を設ける場合には、通常、最下層だ
けを非磁性層とする。なお、本発明では、最上層の磁性
層上に、潤滑剤塗膜や磁性層保護用の各種塗膜などを必
要に応じて設けてもよい。
【0054】本発明の態様3〜5および7〜9は、非磁
性支持体の表面上に磁性層を、裏面上にバックコート層
を有し、バックコート層の厚さが1.0μm 以下である
磁気記録媒体を製造する方法を含む。態様3、5では磁
性層は特に限定されず、例えば塗布型であっても連続薄
膜型であってもよい。
【0055】〔非磁性支持体〕非磁性支持体には、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフ
タレート(PEN)等のポリエステル類、ポリオレフィ
ン類、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リスルフォンセルローストリアセテート、ポリカーボネ
ート等の公知のフィルムを使用することができ、これら
のうちでは、PET、PEN、芳香族ポリアミドが好ま
しく、特に、PETないしPENの2種ないし3種によ
る多層共押出しによる複合化フィルムが好ましく、これ
らのフィルムを使用すると、電磁変換特性、耐久性、摩
擦特性、フィルム強度、生産性のバランスが良好とな
る。
【0056】また、非磁性支持体には、フィラーとして
Al、Ca、Si、Ti等の酸化物や炭酸塩等の無機化
合物、アクリル樹脂系微粉末等の有機化合物等を添加す
ることが好ましく、これらの量と大きさにより表面性を
自由にコントロールすることが可能となり、その結果、
電磁変換特性、耐久性、摩擦特性等をコントロールする
ことが可能となる。
【0057】さらに、これらの非磁性支持体には、あら
かじめコロナ放電処理、プラズマ放電および/または重
合処理、易接着剤塗布処理、除塵処理、熱および/また
は調湿による緩和処理等を施してもよい。
【0058】非磁性支持体の表面粗さは、中心線平均粗
さRaで、好ましくは0.03μm以下、より好ましく
は0.02μm 以下、さらに好ましくは0.01μm 以
下である。また、単に表面粗さが小さいだけではなく、
0.5μm 以上の粗大突起がないことが好ましい。
【0059】また、非磁性支持体の長手方向および幅方
向の100℃・30分での熱収縮率は、好ましくは3%
以下、より好ましくは1.5%以下であり、80℃・3
0分での熱収縮率は、好ましくは1%以下、より好まし
くは0.5%以下である。
【0060】非磁性支持体の厚さは4.0〜75.0μ
m であることが好ましい。薄すぎると磁気記録媒体の機
械的強度が保てなくなり、耐久性が低下してくる。厚す
ぎると磁気記録媒体の総厚が厚くなりすぎ、単位体積あ
たりの記録量が減少するため好ましくない。
【0061】〔単層構成の磁性層または多層構成におけ
る最上層の磁性層〕この磁性層は、少なくとも磁性粉末
とバインダとを含有する。
【0062】<磁性粉末>磁性粉末としては、例えば以
下に示すものが好ましく用いられる。
【0063】酸化鉄磁性粉末 本発明に使用される酸化鉄磁性粉末としては、γ−Fe
23 、Fe34 、γ−Fe23 とFe34 との
固溶体、Co化合物被着型γ−Fe23 、Co化合物
ドープ型γ−Fe23 、Co化合物被着型Fe3
4 、Co化合物ドープ型Fe34 、Co化合物被着型
γ−Fe23 とCo化合物被着型Fe34 との固溶
体、Co化合物ドープ型γ−Fe23 とCo化合物ド
ープ型Fe34 との固溶体等が挙げられる。この場合
のCo化合物とは、酸化コバルト、水酸化コバルト、コ
バルトフェライト、コバルトイオン吸着物等、コバルト
の磁気異方性を保磁力向上に活用する化合物を意味す
る。Coが被着またはドープされたγ−Fe23 を用
いる場合における2価の鉄の3価の鉄に対する比は、好
ましくは0〜20%であり、より好ましくは2〜10%
である。
【0064】強磁性金属粉末 本発明に使用される強磁性金属粉末としては、α−F
e、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、C
o、Co−Ni等の強磁性金属元素を主成分とするもの
が挙げられる。このような強磁性金属粉末を用いる場
合、強磁性を有する金属(Fe、Co、Ni等)または
合金を70重量%以上含むことが好ましく、75重量%
以上含むことがより好ましい。また、Feを主成分と
し、さらに少なくともCoを含有する強磁性金属粉末で
は、Fe原子に対するCo原子の比率は、好ましくは0
〜40モル%、より好ましくは6〜35%である。ま
た、Feおよび/またはCoを主成分とする強磁性金属
粉末では、さらにYを含む希土類元素の少なくとも1種
を含有するものが好ましい。さらにこれら強磁性金属粉
末は、粒子表面に酸化被膜を有するもの、表面が一部炭
化もしくは窒化されたもの、表面に炭素質被膜が形成さ
れたものであってもよい。上記強磁性金属粉末は、少量
の水酸化物または酸化物を含んでいてもよい。
【0065】これら強磁性金属粉末は、公知の方法に基
づいて製造すればよい。製造方法としては、例えば、強
磁性金属の有機酸塩(主としてシュウ酸塩)を、水素等
の還元性気体で還元する方法、含水酸化鉄または含水酸
化鉄を加熱して得た酸化鉄を、水素等の還元性気体で還
元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、
強磁性合金の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リ
ン酸塩、ヒドラジン等の還元剤を添加して還元する方
法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得
る方法等が挙げられる。また、このようにして得られた
強磁性金属粉末に公知の徐酸化処理を施したものも用い
ることができる。徐酸化処理の方法としては、有機溶剤
に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したの
ち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したの
ち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスおよび不
活性ガスの分圧を調整して表面に酸化被膜を形成する方
法などが挙げられる。
【0066】二酸化クロム粉末 本発明には、針状のCrO2 磁性粉末を用いることもで
きる。
【0067】六方晶フェライト粉末 また、本発明には、六角板状で磁化容易軸が板面の垂直
方向にある磁性粉末、例えば板状六方晶フェライト等を
用いてもよい。このような磁性粉末としては、Ba−フ
ェライト、Sr−フェライト、Pb−フェライト、Ca
−フェライトおよびこれらのFe原子の価数を合わせた
金属原子置換フェライトなどが挙げられる。具体的に
は、マグネトプランバイト型のBa−フェライトおよび
Sr−フェライト、さらに一部スピネル相を含有したマ
グネトプランバイト型のBa−フェライトおよびSr−
フェライト等が挙げられ、とくに好ましいものとして
は、Ba−フェライトやSr−フェライトの保磁力を制
御するためにFe原子の価数を合わせた金属原子置換フ
ェライトである。保磁力を制御するために置換して用い
られる金属原子には、Co−Ti、Co−Ti−Sn、
Co−Ti−Zr、Cu−Zn、Cu−Ti−Zn、N
i−Ti−Zn等を用いることが好ましい。板状六方晶
フェライト粉末では、平均板径を0.01〜0.1μm
、平均板厚を板径の1/2〜1/20とすることが好
ましい。六角板状の磁性粉末の板径とは、六角板の径を
意味し、これは電子顕微鏡を使用して測定する。
【0068】磁性粉末一般 なお、上記のすべての磁性粉末は、Al、Si、Cr、
Mn、Co、Ni、Zn、Cu、Zr、Ti、Bi、A
g、Pt、B、C、P、N、Y、S、Sc、V、Mo、
Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、
W、Re、Au、Hg、Pb、La、Sr、希土類元素
等の元素を少量添加したものであってもよい。これらの
元素の中でも特にAl、Si、Pおよび希土類元素(Y
を含む)の少なくとも1種の添加は、粒度分布を向上さ
せ、焼結を防止するなどの効果を示す。
【0069】また、これらの磁性粉末は、Al、Si、
Pまたはこれらの酸化物膜で覆ったものでも、Si、A
l、Ti等のカップリング剤や各種の界面活性剤等で表
面処理したものでもよい。
【0070】強磁性金属粉末の場合には、水に可溶性の
Na、K、Ca、Fe、Ni等の無機イオンを含む場合
があるが、その量は好ましくは500ppm 以下、より好
ましくは300ppm 以下である。
【0071】これらの磁性粉末は、分散剤、潤滑剤、界
面活性剤、帯電防止剤等で、分散前にあらかじめ処理を
行なってもよい。
【0072】磁性粉末の含水率は0.1〜2%であれば
よいが、結合剤の種類に応じて最適化することが好まし
い。
【0073】磁性粉末のpHは、用いる結合剤との組み
合わせに応じて最適化することが好ましく、その範囲は
好ましくは4〜12、より好ましくは6〜10である。
【0074】これらの磁性粉末のBET法による比表面
積は、好ましくは25〜80m2/g、より好ましくは40
〜70m2/gである。比表面積が小さすぎるとノイズが高
くなり、大きすぎると良好な表面性が得にくく好ましく
ない。
【0075】磁性層中において、バインダに対する磁性
粉末の含有量は、通常、バインダ100重量部に対し1
00〜2000重量部程度であり、磁性層全体中の磁性
粉末の含有量は、好ましくは50〜95重量%、より好
ましくは55〜90重量%である。磁性層中における磁
性粉末の含有量が多すぎると、磁性層中の樹脂を始めと
する添加物の量が相対的に少なくなるため、磁性層の耐
久性が低下する等の欠点が生じやすくなり、一方、少な
すぎると、高い再生出力が得られにくくなる。
【0076】なお、上記した磁性粉末は、それぞれ単独
で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0077】磁性粉末の保磁力Hcは、通常、200〜
3000 Oe の間において、システム要求値に基づいて
選定すればよいが、一般的に、Hcが大きすぎると通常
のヘッドでの信号の記録や消去が困難になり、一方、小
さすぎると短波長記録において再生出力が十分に得られ
ない。強磁性金属粉末におけるHcは、好ましくは11
00〜2500 Oe であり、より好ましくは1400〜
2000 Oe であり、とくに最短記録波長が1μm 以下
の短波長記録には、1500 Oe 以上のHcが好まし
い。
【0078】飽和磁化(σs )も適宜選択してよいが、
σs が低いと高い再生出力が得られないので、耐久性、
摩擦等の物性面を考慮しつつできるだけ高い飽和磁化が
得られるように実験的に選定することが好ましい。
【0079】これらの磁性粉末の形状は、針状、紡錘
状、粒状、球状、板状等であり、磁気記録媒体の用途に
応じて適当な形状のものを選択すればよいが、とくに磁
気テープでは、磁場配向処理の効果がより高く期待でき
ること、磁性層の長手方向の強度が高まる効果が期待で
きることなどから、球状や粒状のものよりも針状または
紡錘状のものを用いることが好ましい。針状または紡錘
状の磁性粉末の軸比(長軸/短軸)は特に限定されない
が、通常、軸比を3〜10程度とすれば上記のような効
果が十分に期待できる。
【0080】強磁性金属粉末は一般に針状の形態を有し
ており、本発明における針状とは、強磁性金属粉末の長
軸端部が比較的尖鋭になっているもの(このものは一般
には紡錘状と呼ばれる)から、長軸端部が半球または平
坦に近いものまでを含む広い概念のものである。より具
体的には、下記式を満たすX、YをX軸を中心に回転さ
せて作られる形状であり、下記式においてnがとりうる
数値は、1<n<100、好ましくは1.2≦n≦2
0、さらに好ましくは1.5≦n≦10である。なお、
下記式においてkはいわゆる軸比、すなわち長軸長/短
軸径の比を表わしている。 式 (X/k)n +Yn =1
【0081】磁性粉末の平均粒径は0.05〜0.8μ
m 程度とすればよいが、針状あるいは紡錘状のものの場
合は、好ましくは平均長径0.05〜0.3μm 、平均
軸比3〜10であり、より好ましくは平均長径0.08
〜0.2μm 、平均軸比5〜8である。平均長径が大き
すぎるとテープのバルクノイズが大きくなり、一方、小
さすぎると磁気塗料中で磁性粉末の凝集がおこりやす
い。
【0082】<バインダ>バインダとしては、熱可塑性
樹脂、熱硬化性ないし反応型樹脂、電子線感応型変性樹
脂等やこれらの混合物が用いられ、その組み合わせは、
媒体の特性、工程条件等に応じて適宜選択すればよい。
熱可塑性樹脂は、軟化温度が150℃以下、平均分子量
5,000〜200,000、重合度50〜2,000
程度のものが好ましい。熱硬化性ないし反応型樹脂、電
子線官能型変性樹脂は、熱可塑性樹脂同様の平均分子
量、重合度のものが好ましく、塗布、乾燥、カレンダー
加工後に加熱および/または電子線照射することによ
り、縮合、付加等の反応によって分子量が無限大のもの
となるものである。
【0083】バインダとして好ましく用いられる樹脂と
しては、以下に示すような塩化ビニル系共重合体とポリ
ウレタン樹脂との組み合わせが挙げられる。まず、熱可
塑性樹脂を例に挙げて説明する。
【0084】熱可塑性樹脂 塩化ビニル系共重合体 塩化ビニル系共重合体としては、塩化ビニル含有量60
〜95重量%、とくに60〜90重量%のものが好まし
く、その平均重合度は100〜500程度であることが
好ましい。
【0085】このような塩化ビニル系共重合体として
は、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−マレイン
酸、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリート、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリート−マレイン酸、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール−グリシジル(メタ)
アクリレート、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−グリシジ
ル(メタ)アクリレート共重合体、塩化ビニル−ヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート−アリルグリシジル
エーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール
−アリルグリシジルエーテル等の共重合体があるが、と
くに塩化ビニルとエポキシ(グリシジル)基を含有する
単量体との共重合体が好ましい。
【0086】また、このような塩化ビニル系共重合体と
しては、硫酸基および/またはスルホ基を極性基(以下
S含有極性基)として含有するものが好ましい。S含有
極性基(−SO4 Y、−SO3 Y)において、YはH、
アルカリ金属のいずれであってもよいが、Y=Kで、−
SO4 K、−SO3 Kであることがとくに好ましく、こ
れらのS含有極性基のいずれか一方を含有するものであ
っても、両者を含有するものであってもよく、両者を含
むときにはその比は任意である。これらのS含有極性基
は、S原子換算で分子中に0.01〜10重量%、とく
に0.1〜5重量%含まれていることが好ましい。
【0087】また、極性基としては、S含有極性基の他
に、必要に応じ−OPO2 Y基、−PO3 Y基、−CO
OY基(YはH、アルカリ金属)、アミノ基(−NR
2 )、−NR3 Cl(RはH、メチル基、エチル基)等
を含有させることもできる。この中で、アミノ基は前記
Sと併用しなくともよく、また種々のものであってよい
が、とくにジアルキルアミノ基(好ましくは炭素原子数
1〜10のアルキル)が好ましい。このようなアミノ基
は、通常、アミン変性によって得られる。塩化ビニル・
アルキルカルボン酸ビニルエステルの共重合体をアルコ
ール等の有機溶剤に分散あるいは溶解させ、その中にア
ミン化合物(脂肪族アミン、脂環状アミン、アルカノー
ルアミン、アルコキシアルキルアミン等の第1級、第2
級もしくは第3級アミン等)と、容易にケン化反応を進
行させるためのエポキシ基含有化合物とを加えてケン化
反応を行なうことで得られる。そのアミノ基を有するビ
ニル単位は、好ましくは0.05〜5重量%である。な
お、アンモニウム塩基が結果的に含まれていてもよい。
【0088】S含有極性基が結合する樹脂骨格は、塩化
ビニル系樹脂であり、塩化ビニル、エポキシ基を有する
単量体、さらに必要に応じてこれらと共重合可能な他の
単量体を、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等のS
を含む強酸根を有するラジカル発生剤の存在下に重合し
て得ることができる。これらのラジカル発生剤の使用量
は、単量体に対して通常は0.3〜9.0重量%、好ま
しくは1.0〜5.0重量%である。重合においては水
溶性のものが多いので、乳化重合あるいは、メタノール
等のアルコールを重合媒体とする懸濁重合や、ケトン類
を溶媒とする溶液重合が好適である。この際、Sを含む
強酸根を有するラジカル発生剤に加えて、通常の塩化ビ
ニルの重合に用いられるラジカル発生剤を使用すること
も可能である。また、Sを含む強酸根を有するラジカル
発生剤に、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤
を組み合わせることも可能である。
【0089】エポキシ基を有する単量体の例としては、
(メタ)アリルグリシジルエーテル等の不飽和アルコー
ルのグリシジルエーテル類、グリシジル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル
類、グリシジル−p−ビニルベンゾエート、メチルグリ
シジルイタコネート、グリシジルエチルマレート、グリ
シジルビニルスルホネート、グリシジル(メタ)アリル
スルホネート等の不飽和酸のグリシジルエステル類、ブ
タジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンモノオ
キサイド、2−メチル−5、6−エポキシヘキセン等の
エポキシドオレフィン類等が挙げられ、一般には共重合
体中のエポキシ基の量が0.5重量%以上となる範囲で
使用される。
【0090】塩化ビニルとエポキシ基を有する単量体の
ほかに必要に応じて使用することのできる単量体の例と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン
酸ビニルエステル、メチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエー
テル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のビニリデ
ン、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジル、
マレイン酸ジ−2−ヒドロキシエチル、イタコン酸ジメ
チル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸−2−ヒドロキシプロピル等の不飽和カルボン酸エ
ステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、(メ
タ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル等が挙げられ
る。
【0091】ポリウレタン樹脂 塩化ビニル系樹脂と併用するポリウレタン樹脂は、耐摩
耗性および支持体への接着性がよい点でとくに有効であ
り、これらには、側鎖に極性基、水酸基等を有するもの
であってもよく、とくに硫黄Sまたは燐Pを含有する極
性基を含有しているものが好ましい。
【0092】このようなポリウレタン樹脂とは、ポリエ
ステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオー
ル等のヒドロキシ基含有樹脂と、ポリイソシアナート含
有化合物との反応により得られる樹脂の総称であって、
以下に詳述する合成原料を数平均分子量で500〜20
0,000程度に重合したもので、そのQ値(重量平均
分子量/数平均分子量)は1.5〜4程度である。
【0093】ポリウレタン樹脂中に含まれる極性基とし
ては、S含有極性基として−SO3M(スルホン酸
基)、−SO4 M(硫酸基)が好ましく、P含有極性基
としてホスホン酸基=PO3 M、ホスフィン酸基=PO
2 M、亜ホスフィン酸基=POM、−P=O(OM1
(OM2 )、−OP=O(OM1 )(OM2 )が好まし
く、さらに、−COOM、−NR3 X、−NR2 、−O
H、エポキシ基、−SH、−CN等が好ましい。ここ
で、M、M1 、M2 は、H、Li、Na、K、−NR
3 、−NHR2 を示し、Rはアルキル基もしくはHを示
し、Xはハロゲン原子を示す。このうち、Mとしては特
にNaが好ましい。これらの極性基から選ばれる少なく
とも一つ以上の極性基を、共重合または付加反応で導入
したものを用いることが好ましい。これら極性基は、原
子として分子中に0.01〜10重量%、とくに0.0
2〜3重量%含まれていることが好ましい。これら極性
基は、骨格樹脂の主鎖中に存在しても、分枝中に存在し
てもよい。
【0094】本発明で用いるポリウレタン樹脂は、ガラ
ス転移温度Tgが−20℃≦Tg≦80℃の範囲にあっ
てしかも互いにTgが異なるものが少なくとも2種類以
上バインダ中に含まれることが好ましい。さらにその合
計量は、全バインダの10〜90重量%であることが好
ましい。このような複数のポリウレタン樹脂を含有する
ことは、高温度環境下での走行安定性、カレンダ加工
性、電磁変換特性のバランスが得られる点で好ましい。
【0095】このようなポリウレタン樹脂は公知の方法
により、特定の極性基含有化合物および/または特定の
極性基含有化合物と反応させた原料樹脂等を含む原料と
を溶剤中、または無溶剤中で反応させることにより得ら
れる。
【0096】このようなポリウレタン樹脂の原料として
のヒドロキシル基含有化合物としては、ポリエチレング
リコール、ポリブチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のポリアルキレングリコール、ビスフェノー
ルA等のアルキレンオキサイド付加物、各種のグリコー
ルおよびヒドロキシル基を分子鎖末端に有するポリエス
テルポリオール等が挙げられる。
【0097】同様に原料であるポリエステルポリオール
のカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、1、5−ナフタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエ
トキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレ
イン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸等の不飽脂肪酸および脂環族ジカルボン
酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等
のトリおよびテトラカルボン酸等を挙げることができ、
アルコール成分としてはエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブ
タンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、2、2、4−ト
リメチル−1、3−ペンタンジオール、1、4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールA等のアルキレ
ンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのアルキ
レンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエリスリトール等の水酸基を2ない
し4個有する化合物を挙げることができる。
【0098】ポリエステルポリオールとしては、他にカ
プロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるラ
クトン系ポリエステルジオール鎖が挙げられる。
【0099】使用されるポリイソシアナートとしては、
トリレンジイソシアナート、フェニレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレ
ンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナー
ト、ナフタレンジイソシアナート、イソホロンジイソシ
アナート、キシリレンジイソシアナート、ジイソシアナ
ートメチルシクロヘキサン、ジイソシアナートシクロヘ
キシルメタン、ジメトキシビフェニレンジイソシアナー
ト、ジイソシアナートジフェニルエーテル等のジイソシ
アナート化合物、あるいは、全イソシアナート基のうち
7モル%以下のトリレンジイソシアナートの三量体、ヘ
キサメチレンジイソシアナートの三量体等のトリイソシ
アナート化合物が挙げられる。
【0100】上記塩化ビニル系共重合体と、Sおよび/
またはP含有極性基含有ウレタン樹脂とは、その重量混
合比が10:90〜90:10となるように混合して用
いることが好ましい。なお、これらの樹脂に加えて、全
体の20重量%以下の範囲で、公知の各種樹脂が含有さ
れていてもよい。
【0101】他の熱可塑性樹脂 上記以外の熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ニトロセルロース、スチレン−ブタジエン系共重
合体、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、エ
ポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリエーテル樹脂、
ポリカプロラクトン等の多官能性ポリエーテル類、ポリ
アミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリブ
タジエンエラストマー、塩化ゴム、アクリルゴム、イソ
プレンゴム、エポキシ変性ゴム等をあげることができ
る。
【0102】熱硬化性樹脂ないし反応型樹脂 熱硬化性樹脂としては、縮重合するフェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、ブチ
ラール樹脂、ポリマール樹脂、メラニン樹脂、アルキッ
ド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系反応樹脂、ポリア
ミド樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、飽和ポリエステ
ル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0103】上記樹脂の中でも、末端およびまたは側鎖
に水酸基を有するものが反応型樹脂として、イソシアナ
ートを使用した架橋や電子線架橋等が容易に利用できる
ため好適であり、さらに末端や側鎖に極性基として−C
OOH、−SO3 M、−OSO3 M、−OPO3 X、−
PO3 X、−PO2 X、−NR3 Cl、−NR2 等をは
じめとする酸性極性基、塩基性極性基等を含有していて
もよく、これらの含有は分散性の向上に好適である。な
お、MおよびXは、前記と同義である。これらは一種単
独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよ
い。
【0104】このようなバインダ樹脂を硬化する架橋剤
としては、各種ポリイソシアナートを用いることがで
き、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソ
シアナート、メチレンジイソシアナート等の1種以上
を、トリメチロールプロパン等の水酸基を複数有するも
のに変性した架橋剤、またはジイソシアナート化合物3
分子が結合したイソシアヌレート型の架橋剤を用いるこ
とが好ましく、架橋剤の含有量は樹脂100重量部に対
し10〜30重量部とすることが好ましく、この架橋剤
により、バインダ樹脂とこれに含有される水酸基等とが
三次元的に結合し、塗膜層の耐久性が向上できる。
【0105】具体的には日本ポリウレタン工業株式会社
製のコロネートL、HL、3041、旭化成工業株式会
社製の24A−100、TPI−100、B.F.Go
odrich社製のデスモジュールL、N等が挙げら
れ、上記樹脂に対して1〜50重量%添加して使用す
る。
【0106】また、このような反応性または熱硬化性樹
脂を硬化するには、一般に加熱オーブン中で50〜80
℃にて6〜100時間加熱するか、80〜120℃のオ
ーブン中を低速度で走行させればよい。
【0107】電子線官能型変性樹脂 さらに上記共重合体に公知の手法により、(メタ)アク
リル系二重結合を導入して電子線感応変性を行なったも
のを使用することも可能である。ここにいうアクリル系
二重結合とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドの残基である
(メタ)アクリロイル基を意味する。
【0108】この電子線感応変性を行なう方法として
は、トリレンジイソシアナート(TDI)と2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート(2−HEMA)との
反応物(アダクト)を樹脂と反応させるウレタン変性、
エチレン性不飽和二重結合を1個以上およびイソシアナ
ート基1個を1分子中に有し、かつウレタン結合を分子
中に持たないモノマー(2−イソシアナートエチル(メ
タ)アクリレート等)を樹脂と反応させる改良型ウレタ
ン変性、水酸基やカルボン酸基を有する樹脂に対し(メ
タ)アクリル基とカルボン酸無水物あるいはジカルボン
酸を有する化合物を反応させてエステル変性する方法が
よく知られているが、これらの中でも改良型ウレタン変
性が、塩化ビニル系共重合体の含有比率を上げても脆く
ならず、しかも分散性、表面性にすぐれた塗膜を得るこ
とができるため好ましい。
【0109】また、電子線官能基含有量は、製造時の安
定性、電子線硬化性等から水酸基成分中1〜40モル
%、好ましくは10〜30モル%であり、とくに塩化ビ
ニル系共重合体の場合、1分子あたり1〜20個、好ま
しくは2〜10個の官能基となるようにモノマーを反応
させると、分散性、硬化性ともに優れた電子線硬化性樹
脂を得ることができる。
【0110】これら電子線感応型変性樹脂を用いる場
合、架橋率を向上させるために従来公知の多官能アクリ
レートを1〜50重量%混合して使用してもよい。
【0111】電子線感応型変性樹脂をバインダとして用
いた場合、硬化に際しての照射線源としては、吸収線量
の制御、製造工程ラインへの導入、電離放射線の遮蔽の
見地から、電子線を使用する方法および/または紫外線
を使用する方法が有利である。電子線の場合には加速電
圧100〜750kV、好ましくは150〜300kVの電
子線加速器を用い、吸収線量を20〜200キログレイ
になるように照射するのが好都合である。また、電子線
架橋に際しては、酸素濃度が1%以下のN2 、He、C
2 等の不活性ガス雰囲気で電子線を照射することが重
要である。これは、放射線照射により生じたO3 等がラ
ジカルを捕捉するのを防ぐためである。一方、紫外線を
用いる場合には、電子線感応型変性樹脂を含有するバイ
ンダの中に従来公知の光重合増感剤を加え、照射線源と
してはキセノン放電管、水素放電管等の紫外線電球など
を用いればよい。
【0112】<非磁性粉末>磁性層の機械的強度を高め
るためと、磁気ヘッドの目詰まりを防ぐために、各種非
磁性粉末を、磁性層に含有させることが好ましい。非磁
性粉末は、必要に応じて、下記の非磁性無機粉末および
非磁性有機粉末から適宜選択すればよい。非磁性粉末
は、磁性層中では磁性粉末に対して0.1〜20重量%
の範囲で用いることが好ましい。
【0113】非磁性無機粉末 カーボンブラック以外の非磁性無機粉末としては、例え
ば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属
窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。具体
的には、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、
θ−アルミナ、δーアルミナ、三酸化二クロム、α−酸
化鉄、γ−酸化鉄、ゲータイト、SiO2 、ZnO、T
iO2 、ZrO2 、SnO2 、窒化珪素、窒化硼素、炭
化珪素、炭化チタン、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭
化タングステン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸
ストロンチウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫
化亜鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、人造
ダイヤモンド等が単独または組み合わせて使用される。
【0114】非磁性無機粉末は、磁性層の要求特性に合
わせて適宜組み合わせて用いればよく、これはバックコ
ート層や下地層等に添加する場合も同様である。非磁性
無機粉末は単一系であっても混合系であってもよく、1
種単独で粒度分布等を適宜選択してもよい。
【0115】非磁性無機粉末の粒子の形状、サイズ等
は、媒体に要求される耐久性とヘッド摩耗および最短記
録波長における出力のバランスなどに基づいて適宜選択
すればよいが、粒子形状は球状または多面体であること
が好ましく、粒子サイズは好ましくは0.01〜0.7
μm である。
【0116】非磁性無機粉末は100%純粋である必要
はなく、主成分が70%以上であれば効果は減少しな
い。
【0117】非磁性無機粉末は、水に可溶なアルカリ金
属、アルカリ土類金属、塩素、硫酸、硝酸等のイオンが
少ないことが必要で、その量が多いと媒体化したときの
保存特性に悪影響を及ぼす。
【0118】非磁性無機粉末は、強磁性粉末との混練時
または分散時に同時に添加してもよいし、あらかじめバ
インダ中に分散しておいて、磁性塗料の分散時に添加し
てもよい。
【0119】カーボンブラック 非磁性無機粉末のうちカーボンブラックには、ファーネ
スカーボンブラック、サーマルカーボンブラック、アセ
チレンブラック等を用いることができる。
【0120】カーボンブラックの粒子サイズ等は、媒体
に要求される各種特性、例えば、摩擦特性と最短記録波
長における出力との間のバランス(表面粗さに依存)、
電気抵抗等を考慮して適宜選択すればよい。
【0121】カーボンブラックは、磁性層の要求特性に
合わせて適宜組み合わせて用いればよく、これはバック
コート層や下地層等に添加する場合も同様である。カー
ボンブラックは単一系であっても混合系であってもよ
く、1種単独で粒度分布等を適宜選択してもよい。
【0122】カーボンブラックの平均粒径は、好ましく
は10nm〜400nm、より好ましくは20〜350nmで
あり、電磁変換特性を優先的に考慮すると20〜40nm
であることが好ましく、摩擦特性を重視する場合は40
〜350nmの範囲で電磁変換特性に関して許容される可
能な限り大きな粒径のものを用いることが好ましい。
【0123】カーボンブラックの比表面積(BET値)
は、好ましくは100〜500m2/g、より好ましくは1
50〜400m2/gであるが、カーボンブラックの粒子サ
イズ、BET値およびDBP吸油量は互いに密接に関係
し、単独でかけ離れた数値とすることは事実上不可能で
あるため、これらの三要素は媒体の要求特性と、塗料の
分散特性、流動特性とにより実験的に選定することが必
要である。
【0124】カーボンブラックは、強磁性粉末の混練時
に同時に添加してもよいし、あらかじめバインダ中に分
散しておいて、磁性塗料の分散時に添加してもよい。
【0125】カーボンブラックは、潤滑剤、分散剤等で
表面処理したり、表面の一部をグラファイト化したもの
等を使用してもよい。
【0126】本発明で使用できるカーボンブラックは、
例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協
会編)などにその詳細が記載されている。
【0127】非磁性有機粉末 非磁性有機粉末としては、アクリルスチレン系樹脂粉
末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、
フタロシアニン系顔料、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポ
リエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイ
ミド系樹脂粉末、フッ化炭化水素樹脂粉末、ジビニルベ
ンゼン系樹脂粉末等が挙げられる。
【0128】<溶剤>磁性層形成用の塗料は、上記各成
分に有機溶剤を加えて調製する。塗料調製に使用する溶
剤にとくに制限はなく、バインダの溶解性、相溶性、乾
燥効率等を考慮して適宜選択すればよいが、例えばメチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、イ
ソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジオキ
サン、テトヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ヘキ
サン、塩素置換炭化水素類等の希釈剤ないし溶剤を、単
一溶剤またはこれらを任意比率で混合した混合溶剤とし
て用いることが好ましい。
【0129】これらの有機溶剤は100%純粋である必
要はなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、
分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれていてもかま
わないが、これらの不純分は好ましくは5重量%以下、
より好ましくは3重量%以下である。不純分が多いと磁
性粉末の分散性、塗料の貯蔵安定性、磁性層の硬化特
性、媒体の保存特性等に悪影響を及ぼす。
【0130】これらの有機溶剤は、塗料の粘度が塗布の
段階でコーンプレート型または二重円筒型粘度計による
シェアレート3,000sec-1 において5〜100cp
となるように、バインダ総量に対して10〜10,00
0重量%、とくに100〜5,000重量%の割合で使
用することが好ましく、塗料全体の溶剤の使用割合とし
ては、不揮発分濃度5〜45重量%、好ましくは10〜
40重量%程度となるように用いればよいが、その溶剤
種、混合比率、使用量は、塗料に用いられている顔料の
種類、比表面積、粒子サイズ、磁性粉であればその磁化
量、顔料の体積または重量充填度、さらには塗料の希釈
安定性等を考慮して、上記の粘度範囲となるように適宜
決定することが好ましい。
【0131】また、有機溶剤添加操作は、塗料の製造の
各工程において段階的に行うことが好ましく、流量規制
してタンク内に攪拌しながら順次添加したり、配管で塗
料と徐々に混合する等の操作を行うことがよい。そし
て、可能であれば溶剤添加時または希釈時に濾過および
/または分散処理を行うことがさらに好ましい。これら
の操作を行うことにより、塗料の安定性が向上し、ま
た、凝集物、異物の発生を抑えることが可能となる。
【0132】<添加剤>これらの他、必要に応じ、分散
剤、潤滑剤、その他の各種添加剤を磁性層に添加しても
よい。
【0133】潤滑剤 本発明に用いる潤滑剤としては、公知の種々の潤滑剤の
中で、とくに脂肪酸および/または脂肪酸エステルを用
いることが好ましく、炭素数12〜24(不飽和結合を
含んでも、また分枝していてもかまわない)の一塩基性
脂肪酸や、炭素数10〜24(不飽和結合を含んでも、
また分枝していてもかまわない)の一塩基性脂肪酸と炭
素数2〜22(不飽和結合を含んでも、また分枝してい
てもかまわない)の一価、二価、三価、四価、五価、六
価アルコール、ソルビタン、ソルビトール等の環状もし
くは多糖類還元アルコール等のいずれか一つとからなる
モノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エ
ステルが好ましく、これらの2種以上を併用してもよ
い。
【0134】これらの具体例として、一塩基性脂肪酸と
しては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベ
ヘン酸、エルカ酸、エライジン酸等を挙げることがで
き、脂肪酸エステルとしては、ブチルミリステート、ブ
チルパルミテート、ブチルステアレート、ネオペンチル
グリコールジオレエート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステア
レート、オレイルオレエート、イソセチルステアレー
ト、イソトリデシルステアレート、オクチルステアレー
ト、イソオクチルステアレート、アミルステアレート、
ブトキシエチルステアレート等が挙げられる。
【0135】これらの脂肪酸および/または脂肪酸エス
テルの潤滑剤、分散剤としての効果は、その合計含有率
を磁性粉末に対して0. 1重量%以上とすることによっ
て出現し、含有率を増加させることにより、その効果は
顕著になるが、合計含有率が磁性粉末に対して20重量
%を超えると、磁性層中に留まりきれずに塗膜表面に露
出し、磁気ヘッドを汚したり、出力を低下させるなどの
悪影響を及ぼす。このため、脂肪酸および/または脂肪
酸エステルの磁性層中における合計含有量は、磁性粉末
に対して好ましくは0. 1〜20重量%、より好ましく
は1〜15重量%、さらに好ましくは1〜12重量%で
ある。
【0136】潤滑剤は磁性層以外にもバックコート層、
下地層等に含有させることが好ましく、とくに磁性層が
薄い場合などは、下地層に含有させることでスチル耐久
性の向上ができるため有効である。また、バックコート
層がある場合は、潤滑剤をバックコート層側に多く含有
させて、磁性層表面への転写により表面潤滑性の向上を
図ることができる。
【0137】これらの脂肪酸および/または脂肪酸エス
テルは100%純粋である必要はなく、主成分以外に異
性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純物
が含まれていてもかまわない。ただし、これらの不純物
は潤滑剤全体の好ましくは40重量%以下、より好まし
くは20重量%以下とする。
【0138】他の添加剤 上記以外の添加剤としては、潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果等を有するものが挙げられる。
【0139】例えば、シリコーンオイル類、フッ素オイ
ル、フッ素置換炭化水素基含有のアルコール、脂肪酸、
エステル、エーテル類、パラフィン類、前記一塩基性脂
肪酸類の金属(Li、Na、K、Ca、Ba、Cu、P
b等)塩類、前記脂肪酸エステル製造用アルコール類、
アルコキシアルコール類、ポリエチレンオキシド付加モ
ノアルキルエーテルの脂肪酸エステル類、脂肪族または
環状アミン類、脂肪酸アミド類、第四級アンモニウム塩
類、ポリオレフィン類、ポリグリコール、ポリフェニル
エーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびその
アルカリ金属塩、アルキレンオキサイド系、グリセリン
系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキ
サイド付加体等のノニオン系界面活性剤、ホスホニウム
またはスルホニウム等のカチオン系界面活性剤およびそ
のアルカリ金属塩、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、
硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニ
オン系界面活性剤およびそのアルカリ金属塩、アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
は燐酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活
性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤については、
「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に
記載されている。
【0140】これらの添加剤の添加量は、磁性粉末に対
して総計10重量%以下、とくに0.01〜5重量%で
あることが好ましい。
【0141】本発明で用いる脂肪酸、脂肪酸エステル、
添加剤等のすべてまたはその一部は、塗料製造のどの工
程で添加してもかまわない。例えば、混練工程前に顔料
粉末と混合してもよく、顔料粉末とバインダと溶剤によ
る混練工程で添加してもよく、分散工程で添加してもよ
く、分散後に添加してもよく、塗布直前に添加してもよ
く、溶剤に希釈または分散させた溶液を、塗膜上に塗布
してもよい。
【0142】<磁性層厚さ>磁性層の厚さは特に限定さ
れず、記録波長等の各種条件に応じて適宜決定すればよ
いが、単層構成の場合には、好ましくは0.5〜10.
0μm 、より好ましくは1.0〜7.0μm とする。磁
性層が薄すぎると塗膜の強度が低下し、耐久性が悪化し
やすくなる。厚すぎると塗工性が悪化し、電磁変換特性
が低下しやすくなり、また、記録波長が短い場合、自己
減磁損失が大きくなり、オーバーライト特性も悪化す
る。
【0143】多層構成の場合の最上層として設ける磁性
層の厚さは、上記したように態様にっても異なるが、好
ましくは0.1〜0.8μm 、より好ましくは0.15
〜0.6μm とする。磁性層が薄すぎると塗膜の強度が
低下し、耐久性が悪化しやすくなる。厚すぎると塗工性
が悪化し、電磁変換特性が低下しやすくなり、また、記
録波長が短い場合、自己減磁損失が大きくなり、オーバ
ーライト特性も悪化する。
【0144】〔多層構成における最上層以外の磁性層〕
最上層以外の塗膜を磁性層とする場合、この磁性層の構
成は最上層の磁性層の構成とほぼ同様とすればよい。た
だし、ヘッド目詰まりの防止は最上層の磁性層中の非磁
性無機粉末が主として担うため、最上層以外の磁性層中
の非磁性無機粉末量は、電磁変換特性の低下を抑えるた
めに最上層の磁性層よりも少なくすることが好ましい。
最上層以外の磁性層中の非磁性無機粉末は、主として塗
膜の強度を向上させるために添加されるので、その平均
粒径は最上層に添加するものと同等ないしそれより大き
くすることが好ましい。
【0145】最上層以外の磁性層の厚さは、好ましくは
0.1〜3.0μm 、より好ましくは0.3〜2.5μ
m 、さらに好ましくは0.5〜1.5μm である。最上
層以外の磁性層が薄すぎると、非磁性支持体の表面性の
影響を受けやすくなり、その結果、表面粗度が悪化して
最上層の表面粗度も悪化しやすくなり、電磁変換特性が
低下する傾向にある。また、光透過率が高くなるので、
テープ端を光透過率の変化により検出する場合に問題と
なる。また、最上層以外の磁性層をある程度以上厚くし
ても、性能は特に向上しない。
【0146】〔非磁性層〕多層構成の場合に最上層以外
の塗膜として設けられる非磁性層は、少なくとも非磁性
粉末とバインダとを含む。
【0147】非磁性粉末には上述した各種非磁性粉末を
用いることができる。
【0148】非磁性層に用いるバインダ、溶剤、潤滑
剤、添加剤等は、前述した磁性層に用いるものと同様で
よい。
【0149】非磁性粉末のうち非磁性無機粉末は、バイ
ンダに対して50〜2000重量%の範囲で用いること
が好ましく、非磁性有機粉末は、バインダに対して0.
1〜20重量%であることが好ましく、カーボンブラッ
クは、バインダに対して10〜500重量%であること
が好ましい。また、潤滑剤である脂肪酸および/または
脂肪酸エステルの非磁性層中における合計含有量は、バ
インダに対して0.01〜100重量%であることが好
ましい。また、前記した他の添加剤の非磁性層中におけ
る合計含有量は、バインダに対して0.005〜50重
量%であることが好ましい。
【0150】非磁性層の厚さは、好ましくは0.1〜
3.0μm 、より好ましくは0.3〜2.5μm 、さら
に好ましくは0.5〜1.5μm である。非磁性層が薄
すぎると、非磁性支持体の表面性の影響を受けやすくな
り、その結果、非磁性層の表面粗度が悪化して最上層の
表面粗度も悪化しやすくなり、電磁変換特性が低下する
傾向にある。また、光透過率が高くなるので、テープ端
を光透過率の変化により検出する場合に問題となる。ま
た、非磁性層をある程度以上厚くしても、性能は特に向
上しない。
【0151】〔バックコート層〕バックコート層は、走
行安定性の改善や磁性層の帯電防止等のために設けられ
る。バックコート層は、上記したカーボンブラックを含
有することが好ましい。カーボンブラックは、バインダ
に対して10〜500重量%の範囲で用いることが好ま
しい。カーボンブラックの含有量が少なすぎると帯電防
止効果が低下する傾向があり、走行安定性が低下しやす
くなる。また、光透過率が高くなりやすいので、テープ
端を光透過率の変化で検出する方式では問題となる。一
方、カーボンブラックの含有量が多すぎるとバックコー
ト層の強度が低下し、走行耐久性が悪化しやすくなる。
また、バインダの含有量が多すぎると、媒体摺接経路と
の間の摩擦が大きくなりすぎて走行安定性が低下し、走
行事故を起こしやすくなる。また、磁性層とのブロッキ
ング等の問題が発生する。バインダの含有量が少なすぎ
ると、バックコート層の強度が低下して走行耐久性が低
下しやすくなる。
【0152】バックコート層には、前記カーボンブラッ
ク以外に、機械的強度を高めるために磁性層の説明にお
いて挙げた各種研磨材等の非磁性無機粉末を含有させて
もよい。これらの非磁性無機粉末の含有量は、カーボン
ブラック100重量部に対し、好ましくは0.1〜5重
量部、より好ましくは0.5〜2重量部である。非磁性
無機粉末の平均粒径は、0.1〜0.5μm 程度である
ことが好ましい。このような非磁性無機粉末の含有量が
少なすぎるとバックコート層の機械的強度が不十分とな
りやすく、多すぎるとテープ摺接経路のガイド等の摩耗
量が多くなりやすい。なお、バックコート層に非磁性有
機粉末を添加する場合には、バインダに対して0.1〜
20重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0153】バックコート層に用いるバインダ、架橋
剤、溶剤、潤滑剤、添加剤等は、前述した磁性層用塗料
に用いるものと同様のものでよい。潤滑剤である脂肪酸
および/または脂肪酸エステルのバックコート層中にお
ける合計含有量は、バインダに対して0.01〜100
重量%であることが好ましい。また、前記した他の添加
剤のバックコート層中における合計含有量は、バインダ
に対して0.005〜50重量%であることが好まし
い。
【0154】バックコート層の厚さ(カレンダ加工後)
は、上記したように態様によっても異なるが、好ましく
は1.0μm 以下、より好ましくは0.1〜1.0μm
、さらに好ましくは0.2〜0.8μm である。バッ
クコート層が厚すぎると、媒体摺接経路との間の摩擦が
大きくなりすぎて、走行安定性が低下する傾向にある。
一方、薄すぎると、非磁性支持体の表面性の影響でバッ
クコート層の表面性が低下する。このため、バックコー
ト層を熱硬化する際にバックコート層表面の粗さが磁性
層表面に転写され、高域出力、S/N、C/Nの低下を
招く。また、バックコート層が薄すぎると、媒体の走行
時にバックコート層の削れが発生する。
【0155】〔製造工程〕以下、磁気記録媒体の製造工
程について説明する。
【0156】磁性層用塗料および非磁性層用塗料の調製
に本発明を適用するときの好ましい工程を図1の左側
に、バックコート層用塗料の調製に本発明を適用すると
きの好ましい工程を図1の右側に示す。
【0157】磁性層用塗料および非磁性層用塗料を調製
する工程は、固形分とバインダ溶液とを混練する混練工
程、この混練工程により得られた混練物中の固形分を分
散する分散工程、およびこの分散工程により得られた分
散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有
する。バックコート層用塗料を調製する工程は、固形分
をバインダ溶液中に分散させる分散工程、およびこの分
散工程により得られた分散物に粘度調整液を加えて塗料
を得る粘度調整工程を有する。
【0158】個々の工程はそれぞれ2段以上にわかれて
いてもよく、また原料を2つ以上の工程で分割して添加
してもよい。
【0159】図1には、磁性層用塗料および非磁性層用
塗料を調製する工程に、バインダ溶液の濾過工程(濾過
I工程)、混練物の濾過工程(濾過II工程)、分散物の
濾過工程(濾過III 工程)、粘度調整液の濾過工程(濾
過IV工程)、および塗料の濾過工程(濾過V工程)を記
載してあり、また、バックコート層用塗料を調製する工
程に、バインダ溶液の濾過工程(濾過VI工程)、分散物
の濾過工程(濾過VII工程)、粘度調整液の濾過工程
(濾過VIII工程)、および塗料の濾過工程(濾過IX工
程)を記載してあるが、これらの濾過工程のうち必須の
ものおよび設けたほうが好ましいものは、前記したよう
に各態様によって異なる。
【0160】バインダ溶液は、有機溶剤にバインダ樹脂
を溶解して調製する。有機溶剤に対するバインダ樹脂の
比、バインダ樹脂/有機溶剤は、重量比で10/100
〜80/100程度である。このような比とすることに
よって均一な溶液の調製が容易となり、ひき続く濾過工
程の進行もスムーズとなる。これに対し、この比が大き
くなると、バインダ樹脂が溶解しにくくなり、均一な溶
液の調製が困難となりやすく、ひき続く濾過工程におけ
る負荷も大きくなりやすい。また、この比が小さくなる
と、後続の工程である混練時の混練物粘度が低くなっ
て、望ましい剪断力が得られなくなる。
【0161】バインダ溶液調製後には、磁性層用塗料お
よび非磁性層用塗料については濾過I工程が、バックコ
ート層用塗料については濾過VI工程が設けられる。濾過
I工程および濾過VI工程では、バインダ溶液を濾過手段
で濾過し、夾雑物、バインダのゲル化物、未溶解バイン
ダなどを除去する。
【0162】磁性層用塗料および非磁性層用塗料につい
ては、混練工程を設ける。混練工程では、磁性粉末、非
磁性粉末、研磨材等の固形分を、バインダ溶液と混練す
る。混練物の固形分濃度は、好ましくは65〜95重量
%、より好ましくは70〜90重量%である。固形分濃
度が低すぎる場合、混練時の粘度が低くなって十分な剪
断力が得られず、固形分の分散が不十分となりやすい。
一方、固形分濃度が高すぎる場合、混練時の粘度が高く
なりすぎ、適正な剪断力を得ることが難しくなる。混練
には、オープンニーダ、加圧ニーダ、高速ミキサー、連
続ニーダ、3本ロールミル、2本ロールミルなどの強い
混練力をもつものを使用することが好ましい。
【0163】混練後、混練物を分散に適した粘度とする
ために、バインダ溶液または有機溶剤を加えて希釈す
る。バッチ型処理機においては希釈を混練機内で行なう
ことにより、混練機が洗浄できると共に歩留りが向上す
る。希釈に用いるバインダ溶液は、上記した濾過I工程
を経たものが好ましい。
【0164】希釈後には、濾過II工程が設けられる。濾
過II工程では、混練物中の固形分の凝集物などを濾過手
段により除去する。
【0165】濾過II工程後に設ける分散工程では、混練
物中の磁性粉末や非磁性粉末等の固形分を分散する。ま
た、濾過VI工程後に設ける分散工程では、カーボンブラ
ック等の固形分をバインダ溶液と混練して分散する。分
散物の固形分濃度は、磁性層用塗料および非磁性層用塗
料では好ましくは30〜65重量%、より好ましくは3
5〜60重量%であり、バックコート層用塗料では好ま
しくは15〜45重量%、より好ましくは15〜40重
量%である。固形分濃度が低すぎる場合、分散時の粘度
が低くなって固形分の分散が不十分となりやすい。一
方、固形分濃度が高すぎる場合、分散時の粘度が高くな
りすぎ、やはり固形分の分散が不十分となりやすい。分
散には、サンドグラインダーミル、ピンミル、アジテー
タミルなどのメディア攪拌型分散機を用いることが好ま
しい。これらの分散機には、高比重の分散メディアを用
いることが望ましく、ジルコニア等のセラミック系メデ
ィアが好適であるが、従来から用いられているガラスビ
ーズ、金属ビーズ、アルミナビーズ等も組成配合によっ
ては選択使用可能である。
【0166】分散後には、磁性層用塗料および非磁性層
用塗料については濾過III 工程が、バックコート層用塗
料については濾過VII 工程が設けられる。濾過III 工程
および濾過VII 工程では、分散物を濾過手段により濾過
し、未分散物などを除去すると同時に、磁性粉末、非磁
性粉末、カーボンブラック等の分散を向上させる。
【0167】粘度調整工程では、分散物に粘度調整液を
加えて混合し、塗料として好ましい粘度に調整する。粘
度調整液は、有機溶剤および/またはバインダ溶液を溶
媒とし、好ましくは有機溶剤を溶媒とする。そして、こ
の溶媒に、通常、脂肪酸や脂肪酸エステルなどの潤滑剤
を溶解して調製する。このときの溶媒に対する潤滑剤の
比、潤滑剤/溶媒は、重量比で0.1/100〜5/1
00程度である。このような比とすることによって均一
な溶液の調製が容易となり、続く濾過工程の進行もスム
ーズとなる。これに対し、この比が大きくなると、潤滑
剤が溶解しにくくなり、均一な溶液の調製が困難となり
やすく、続く濾過工程における負荷も大きくなりやす
い。また、この比が小さくなると、潤滑剤量が不足して
良好な塗料が得られにくい。粘度調整液は、図示するよ
うに、磁性層用塗料および非磁性層用塗料については濾
過IV工程において、バックコート層用塗料については濾
過VIII工程において濾過手段により濾過し、前記濾過I
工程および濾過VI工程と同様に夾雑物、ゲル化物、未溶
解物などを除去する。なお、塗料の固形分濃度は、磁性
層用塗料および非磁性層用塗料では好ましくは5〜45
重量%、より好ましくは10〜40重量%であり、バッ
クコート層用塗料では好ましくは8〜30重量%、より
好ましくは10〜25重量%である。固形分濃度が低す
ぎても高すぎても、均一な塗膜を形成することが難しく
なる。
【0168】粘度調整により塗料化した後、磁性層用塗
料および非磁性層用塗料については濾過V工程を、バッ
クコート層用塗料については濾過IX工程を設ける。濾過
V工程および濾過IX工程では、塗料を濾過手段により濾
過して、磁性粉末、非磁性粉末、カーボンブラック等の
凝集塊、未分散物などを除去する。
【0169】このようにして調製した塗料はストック用
塗料であり、通常、塗布前に硬化剤を加えて最終塗料と
し、この最終塗料を塗布工程に供給する。最終塗料を塗
布する直前には、図1に示すように、磁性層用塗料およ
び非磁性層用塗料については濾過X工程を、バックコー
ト層用塗料については濾過XI工程を設けることが好まし
い。硬化剤の投入により塗料中での粒子の分散状態に変
動が生じて凝集塊が生じることがあるので、濾過X工程
および濾過XI工程は、それぞれ濾過V工程後および濾過
IX工程後に生じた凝集塊を除去するために設けられる。
濾過X工程および濾過XI工程において塗料に加えられる
圧力は、塗布機への塗料の供給量が一定となるように制
御される。
【0170】塗料は、一般に、巻き出しロールから引き
出された長尺フィルム状の非磁性支持体上に、グラビア
コート、リバースロールコート、エクストルージョンノ
ズルコート等の公知の種々の塗布手段によって塗布され
る。
【0171】一般に、塗料の塗布前の非磁性支持体に
は、クリーニングおよび表面調整等を目的として、水や
溶剤等を使用する湿式クリーニング、不織布や極微細繊
維織物等をワイパーとして使用する乾式クリーニング、
圧搾空気やバキューム、イオン化空気等を使用する非接
触式クリーニング等の公知の種々の手段によって処理が
施される。また、塗料と非磁性支持体との密着性向上や
塗布面を改質することなどを目的として、コロナ放電、
紫外線照射、電子線照射等の公知の種々の非接触表面処
理が行われることも多い。
【0172】また、密着性の向上等を目的として、水系
下塗り剤、エマルジョン系下塗り剤、溶剤系下塗り剤等
の下塗りを、前記の表面処理と併せてまたは単独で行う
こともあり、これら樹脂だけの下塗りに替えて、非磁性
の無機顔料や有機顔料をバインダ中に分散させた塗料を
塗布して下塗り層としてもよく、さきの表面処理と併用
してもよい。
【0173】塗布工程の後に、通常は、次工程として非
磁性支持体上に設層された磁性塗料のウエット膜面のス
ムージングや塗膜規制等に関する種々の処理が行われて
もよい。スムージング手段としては、樹脂、金属、セラ
ミックス類のフィルムやバー等を接触させたり、永久磁
石、電磁石等による磁界や超音波による振動等の非接触
法等の公知の方法が使用でき、要求特性によって単独で
あるいは併用することができる。
【0174】また、磁性層を設層した後、磁場を印加し
て、層中の磁性粒子を配向させることが必要で、その配
向方向は、媒体の長手方向であっても、垂直方向であっ
ても、斜め方向であってもよい。所定方向へ配向するた
めには、フェライト磁石や希土類磁石等の永久磁石、電
磁石、ソレノイド等を単独で用いるか併用して1000
G以上の磁界を印加することが好ましく、さらには乾燥
後の配向性が最も高くなるように、配向前に予め適度に
乾燥させる工程を設けたり、配向と同時に乾燥を行うな
どしてもよいし、フロッピーディスクの場合には、塗布
によって自然に配向された磁性粉を、永久磁石、電磁
石、ソレノイド等でできるかぎり無配向状態にしてもよ
い。
【0175】このようにして塗設後処理の行われた磁性
塗膜は、通常、乾燥炉等の内部に設けられた熱風、遠赤
外線、電気ヒーター、真空装置等の公知の乾燥および蒸
発手段によって、または紫外線ランプや放射線照射装置
等の公知の硬化装置によって、乾燥・固定される。乾燥
温度は、室温から300℃程度までの範囲で、非磁性支
持体の耐熱性や溶剤種、濃度等によって適宜決定すれば
よい。なお、乾燥炉内に温度勾配をもたせてもよい。乾
燥炉内の雰囲気ガスには、一般の空気または不活性ガス
等を用いればよい。紫外線ランプや放射線照射装置によ
って乾燥を行うときは硬化反応が起こるので、後加工を
考慮する場合には、可能な限り他の乾燥手段を利用する
ことが好ましい。また、溶剤を含んだままで紫外線や放
射線を照射することは、発火や発煙を伴うことがあるの
で、この場合にも可能な限り他の乾燥手段を使用ないし
併用することが好ましい。
【0176】このようにして磁性層を乾燥した後に、必
要に応じて表面平滑化処理としてカレンダ処理を行う。
カレンダ処理ロールとしては、エポキシ、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドア
ミド等の耐熱性のあるプラスチックロール(カーボン、
金属やその他の無機化合物を練り込んであるものでもよ
い)と金属ロールとの組合わせ(3〜7段の組合わ
せ)、または、金属ロールだけの組み合わせを用いれば
よい。カレンダ処理の処理温度は、好ましくは70℃以
上、より好ましくは80℃以上、その線圧力は好ましく
は200kg/cm 以上、より好ましくは300kg/cm 以
上、処理速度は20〜700m/分の範囲であることが
好ましい。
【0177】カレンダ処理後、磁性層、バックコート
層、非磁性層の硬化を促進するために、40〜80℃で
の熱硬化処理および/または電子線照射処理を施しても
よい。
【0178】次いで、所定の形状に加工し、さらに二次
加工を行い、磁気記録媒体とする。
【0179】本発明では、各態様で指定された濾過工程
において、下記の最終濾過手段を含む濾過手段を用い
る。
【0180】バインダ溶液を濾過する濾過I工程および
濾過VI工程で用いる最終濾過手段は、95%カット濾過
精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液を濾過する濾
過IV工程および濾過VIII工程で用いる最終濾過手段は、
95%カット濾過精度が1.0μm 以上である。そし
て、バインダ溶液の濾過工程に用いる最終濾過手段の9
5%カット濾過精度が80μm 以下、好ましくは75μ
m 以下であること、および粘度調整液の濾過工程に用い
る最終濾過手段の95%カット濾過精度が30μm 以
下、好ましくは15μm 以下であること、の少なくとも
一方の条件を満たす必要がある。塗料を濾過する濾過V
工程で用いる最終濾過手段は、95%カット濾過精度が
最短記録波長の10倍以下かつ6.0μm 以下かつ1.
0μm 以上であり、好ましくは最短記録波長の9倍以下
かつ6.0μm 以下かつ1.0μm 以上であり、特に、
最上層の塗膜が厚さ0.1〜0.8μm の磁性層である
多層磁気記録媒体を製造する場合には、95%カット濾
過精度が1.0〜6.0μm 、好ましくは1.0〜5.
0μm である。また、バックコート層用塗料を濾過する
濾過IX工程で用いる最終濾過手段は、95%カット濾過
精度が1.0μm 以上かつ6.0μm 以下かつバックコ
ート層の厚さの10倍以下であり、好ましくは1.0μ
m 以上かつ6.0μm 以下かつバックコート層の厚さの
9倍以下である。混練物を濾過する濾過II工程と、分散
物を濾過する濾過III 工程および濾過VII工程とで用い
る最終濾過手段は、95%カット濾過精度がいずれも1
5μm 以上である。そして、濾過II工程および濾過III
工程の少なくとも一方および濾過VII 工程における最終
濾過手段の95%カット濾過精度が、80μm 以下、好
ましくは75μm 以下である必要がある。
【0181】なお、最短記録波長の具体例を、記録方式
別に表1に示す。
【0182】
【表1】
【0183】表1に示すアナログビデオ記録方式での最
短記録波長とは、(記録ヘッドに対する記録媒体の相対
速度)/(ホワイトピーク周波数)であり、ディジタル
ビデオ記録方式での最短記録波長とは、(記録ヘッドに
対する記録媒体の相対速度)/{(伝送レート)×(1
/2)×(1/1走査あたりのトラック数)}である。
【0184】最終濾過手段の95%カット濾過精度が小
さすぎると、捕捉対象物を捕捉するという効果は飽和し
てしまう上、濾過V工程、濾過II工程および濾過III 工
程においては濾過手段を通過する必要のある研磨材粒子
などが濾過手段に捕捉されてしまい、塗膜の機械的強度
を高くすることができなくなり、また、濾過VII 工程お
よび濾過IX工程においては濾過手段を通過する必要のあ
る導電性顔料や非磁性無機粉末粒子などが濾過手段に捕
捉されてしまい、バックコート層の導電性や機械的強度
を高くすることができなくなる。一方、95%カット濾
過精度が小さすぎると濾過手段の圧力損失が大きくなる
ので、濾過手段の交換頻度が高くなって濾過の効率が低
下してしまい、生産性が著しく低下する。そして、圧力
損失が著しく大きくなると、次工程へ進むことが不可能
となることもある。
【0185】一方、最終濾過手段の95%カット濾過精
度が大きすぎると、捕捉対象物の捕捉が不十分となり、
本発明の効果が不十分となる。
【0186】本明細書において、濾過手段の95%カッ
ト濾過精度は、例えば図3に示す装置を用いて以下に示
す方法で求める。
【0187】(1)原液タンク101に80リットルの
水道水を注入する。
【0188】(2)原液タンク101に試験用ダスト
(JIS Z8901に規定された8種または11種)
を4g 投入して攪拌し、原液とする。なお、測定対象の
濾過手段の95%カット濾過精度が10μm 以下のとき
は試験用ダストとして11種を用い、10μm 超のとき
は8種を用いる。
【0189】(3)ポンプPで加圧して、矢印で示す方
向に原液を循環させ、濾過手段(フィルタF)で連続的
に濾過する。このとき、原液の循環流量が40リットル
/分間となるように、流量計102でモニターしながら
ポンプの加圧量を制御する。
【0190】(4)濾過開始から2分後に、原液タンク
101中の原液(濾液)を採取する。
【0191】(5)採取した濾液に含まれる試験用ダス
トの数量を、パーティクルカウンタ(例えば、光遮断方
式のHIAC/ROYCO)で測定する。
【0192】(6)予め測定しておいた濾過前の原液中
の試験用ダストの数量と、上記(5)で求めた濾過後の
数量とを比較して、捕捉効率曲線を作成する。
【0193】(7)捕捉効率曲線から、フィルタFの捕
捉効率が95%となる粒子径を求め、この粒子径を95
%カット濾過精度とする。
【0194】各濾過工程において用いる濾過手段には、
デプスフィルタやメンブレンフィルタ等の各種フィルタ
を適宜選択して用いればよいが、異物の保持量が大きく
長寿命であることから、デプスフィルタを用いることが
好ましい。デプスフィルタは、体積濾過タイプのフィル
タであり、通常、円筒状の濾材がハウジングに収められ
た構造をもつ。デプスフィルタの濾材には、PVA等の
樹脂に三次元網目状の気孔を形成してスポンジ状とした
ものや、ポリプロピレン等の樹脂ファイバやグラスファ
イバなどを巻回したもの、その巻回したファイバを樹脂
バインダで固定したもの、ビーズを接着したものなどが
用いられる。デプスフィルタの濾過方向は、通常、外周
側から内周側に向かう方向であり、通常、外周側から内
周側に向かって孔径が段階的に減少するか漸減する密度
勾配が設けられている。この密度勾配は、フィルタ寿命
を向上するためのものである。本発明では市販の各種デ
プスフィルタを用いることができる。例えば、上記各濾
過工程の最終濾過手段には、上記方法により決定した9
5%カット濾過精度が本発明範囲となるものを市販の各
種フィルタから選択して用いることができる。具体的に
は、例えば、鐘紡株式会社製のデプスタイプカートリッ
ジフィルタ(カネフィールRシリーズ、同RSシリー
ズ、同RPシリーズ)や、株式会社ロキテクノ製のデプ
スタイプフィルタであるウルトラフィルタHTタイプな
どから、所望の95%カット濾過精度を有するものを選
択することが好ましい。
【0195】濾過に際して、95%カット濾過精度以外
の条件は特に限定されないが、被濾過処理物に加える圧
力は0.5〜10kg/cm2であることが好ましく、圧力損
失は5kg/cm2以下であることが好ましい。
【0196】各濾過工程では、通常、図4に示すよう
に、タンク201に連通する被濾過処理物の流路202
の途中に設けたフィルタFを前述した最終濾過手段と
し、このフィルタFより上流側に設けたポンプPにより
加圧して被濾過処理物を濾過するが、本発明では、これ
らの濾過工程の少なくとも1つにおいて、前述したよう
な多段濾過、並列濾過、循環濾過を適宜組み合わせて行
なうことが好ましい。
【0197】多段濾過では、流路に直列に、最終濾過手
段を含む少なくとも2つの濾過手段を設け、最終濾過手
段の上流側に、95%カット濾過精度が最終濾過手段よ
りも大きい濾過手段を配置するが、好ましくは、流路の
上流側から下流側に向かって、95%カット濾過精度が
次第に小さくなるように各濾過手段を配置する。最終濾
過手段より上流側に位置する濾過手段の95%カット濾
過精度は、最終濾過手段の95%カット濾過精度の好ま
しくは20倍以下、より好ましくは10倍以下かつ1.
5倍以上である。最終濾過手段より上流側に位置する濾
過手段の95%カット濾過精度がこの範囲を外れると、
前述した多段濾過による効果が不十分となる。このよう
な多段濾過の具体例を、図5に示す。図5では、流路2
02に直列に、上流側から下流側に向かって95%カッ
ト濾過精度が次第に小さくなるように、フィルタFが3
個設けられている。多段濾過の効果を十分に得るために
は、好ましくは3段以上の多段濾過を行なうが、6段以
上の多段濾過は生産性が低くなるので好ましくない。
【0198】並列濾過では、複数のフィルタを流路に並
列に配置して構成した並列濾過手段を用いる。並列濾過
手段には、通常、同一の95%カット濾過精度を有する
フィルタを複数用いる。並列濾過手段は、1本のハウジ
ング内に複数のフィルタを収容した構成としてもよく、
フィルタ1個を収容したハウジングを複数本並べた構成
としてもよい。並列濾過手段を用いることにより、前述
した効果が得られる。並列濾過の具体例を、図6に示
す。図6では、流路202に並列にフィルタFが3個設
けられ、並列濾過手段203を構成している。並列濾過
手段を構成するフィルタの数は特に限定されず、フィル
タ1個あたりの濾過面積や要求される流量などの各種条
件に応じて適宜決定すればよい。
【0199】並列濾過を、上述した多段濾過と併用して
もよい。この場合、通常、すべての濾過手段を並列濾過
手段とするが、一部の濾過手段だけを並列濾過手段とし
てもよい。並列濾過と多段濾過とを併用する場合の具体
例を、図7に示す。図7では、流路202に直列に、並
列濾過手段203が3つ設けられている。なお、図7で
は、並列濾過手段の上流で流路202が分岐し、被濾過
処理物がすべての並列濾過手段を通過してから流路が集
合しているが、各並列濾過手段ごとに流路が分岐・集合
する構成としてもよい。
【0200】循環濾過では、少なくとも1つの濾過手段
に被濾過処理物を2回以上通過させる。循環濾過を行な
うことにより、前述した効果が得られる。循環濾過の具
体例を、図8に示す。図8に示す例では、タンク201
からフィルタFを経て三方弁204に達した被濾過処理
物は、循環流路205を通ってタンク201に戻され
る。被濾過処理物を次工程へ送るときには、循環流路2
05への出口を遮断するように三方弁204を操作す
る。循環回数は特に限定されず、次工程への被濾過処理
物の供給量やタンク容量などに応じて、適宜設定すれば
よい。
【0201】循環濾過は、前述した多段濾過または並列
濾過と併用することが好ましく、多段濾過および並列濾
過の両方と併用することが最も好ましい。循環濾過と多
段濾過とを併用した具体例を、図9〜11にそれぞれ示
す。図9では、3段の多段濾過において、各段の濾過を
循環濾過としている。図10では、3段の多段濾過にお
いて、1段目を循環濾過とし、その後に2段の多段濾過
を行なっている。図11では、3段の多段濾過におい
て、2段の多段濾過後に循環濾過を行なっている。図9
〜11の各構成のどれを選択するかは、次工程への被濾
過処理物の供給量やタンクの容量などに応じて適宜決定
すればよいが、各段において循環濾過を行なう図9の構
成は、濾過の精度が良好となり、特に濾過II、濾過III
、濾過V、濾過VII 、濾過IXの各工程では分散が良好
となるので好ましい。なお、循環濾過と多段濾過とを組
み合わせて、図9〜11に示されるもの以外の構成とし
てもよい。
【0202】各態様において限定された最終濾過手段以
外の濾過手段は特に限定されず、それぞれの目的に応じ
た孔径をもつフィルタを適宜選択して用いればよい。た
だし、濾過X工程には、濾過V工程に用いる最終濾過手
段と同等の95%カット濾過精度を有する最終濾過手段
を用いることが好ましく、濾過XI工程には、濾過IX工程
に用いる最終濾過手段と同等の95%カット濾過精度を
有する最終濾過手段を用いることが好ましい。なお、他
の濾過工程においても、上記した多段濾過、並列濾過、
循環濾過を行なってよい。
【0203】上述したようにして調製した塗料を非磁性
支持体へ塗設する方法に特に制限はなく、通常用いられ
ている方法であればいずれであってもよい。例えば、磁
性層を含む多層構成の塗膜を形成する場合には、非磁性
支持体上に下層と上層とを湿潤状態で重層塗布するいわ
ゆるウエット・オン・ウエット塗布方法、あるいは下層
を塗布・乾燥後に上層を塗布するいわゆるウエット・オ
ン・ドライ塗布方法等のいずれも用いることができる
が、好ましくはウエット・オン・ウエット塗布方法を用
いる。ウエット・オン・ウエット塗布方法における上層
塗布時には、下層中に有機溶剤の10%以上が残存して
いることが好ましい。バックコート層の塗設は、下層お
よび上層の塗設前であっても塗設後であってもよく、同
時であってもよい。
【0204】なお、本発明の磁気記録媒体では、非磁性
支持体と最下層の塗膜との間に、表面性改良、接着性改
良、耐久性改良等の目的で非磁性材料による下地層を設
けてもよい。また、磁性層上に、磁性層の潤滑、保護の
ために、潤滑剤層、プラズマ重合膜、ダイヤモンドライ
ク膜等の保護潤滑層を設けてもよい。
【0205】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0206】非磁性支持体表面に、単層の磁性層、また
は下層(非磁性層または磁性層)および上層(磁性層)
を形成し、また、非磁性支持体裏面にバックコート層を
形成して、下記各表に示す構成の磁気テープサンプルを
作製した。各表にはバックコート層をBC層と略記して
ある。単層の磁性層、上層、下層およびバックコート層
の形成に用いた各塗料は、図1に示す手順で調製した。
【0207】<実施例1(態様1)> 〔上層用塗料〕バインダ溶液調製 塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製:MR−110) 10重量部 ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有,Mn=27000) 7重量部 MEK 21重量部 トルエン 21重量部 シクロヘキサノン 21重量部 上記組成物をハイパーミキサーに投入して6時間混合・
攪拌し、バインダ溶液とした。
【0208】濾過I 上記バインダ溶液をフィルタにより濾過した。
【0209】混練 下記組成物を加圧ニーダーに投入し、7時間混練した。 α−Fe磁性粉(Hc=1650 Oe ,σs =126emu/g , BET =57m2/g) 100重量部 α−Al23 (住友化学工業社製:HIT−60A) 5重量部 Cr23 (日本化学工業社製:U−1) 5重量部 バインダ溶液 40重量部希釈 混練上がりのスラリーに下記組成物を投入して、分散処
理に最適な粘性に調整した。 バインダ溶液 40重量部 MEK 15重量部 トルエン 15重量部 シクロヘキサノン 15重量部
【0210】濾過II 上記スラリーをフィルタにより濾過した。
【0211】分散 濾過後の上記スラリーにサンドミルを用いて分散処理を
施した。
【0212】濾過III 分散処理後のスラリーをフィルタにより濾過した。
【0213】粘度調整液 下記組成物をハイパーミキサーに投入し、1時間混合・
攪拌し、粘度調整液とした。 ステアリン酸 0.5重量部 ミリスチン酸 0.5重量部 ステアリン酸ブチル 0.5重量部 MEK 65重量部 トルエン 65重量部 シクロヘキサノン 65重量部
【0214】濾過IV 粘度調整液をフィルタにより濾過した。
【0215】粘度調整 上記粘度調整液を分散上がりスラリーと混合して攪拌し
た後、サンドミルにて再度分散処理を行い、塗料とし
た。
【0216】濾過V 上記塗料をフィルタにより濾過した。
【0217】最終塗料 濾過後の塗料100重量部にイソシアナート化合物(日
本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.8重量部
を混合して攪拌し、磁性層用の最終塗料とした。
【0218】〔下層用塗料(磁性層用)〕混練工程に
おいて用いる組成物を下記のものとした以外は上層用塗
料と同様にして、磁性層用の最終塗料を得た。 Co含有γ−Fe23 (Hc=700 Oe ,σs =75emu/g , BET =44m2/g) 100重量部 カーボンブラック 9重量部 Cr23 (日本化学工業社製:U−1) 4重量部 バインダ溶液 40重量部
【0219】〔下層用塗料(非磁性層用)〕混練工程
において用いる組成物を下記のものとした以外は上層用
塗料と同様にして、非磁性層用の最終塗料を得た。 針状α−Fe23 (長軸長=0.15μm ,軸比=10)100重量部 カーボンブラック 9重量部 バインダ溶液 40重量部
【0220】 〔バックコート層用塗料〕バインダ溶液調製 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(モノマー重量比 =92:3:5,平均重合度=420) 40重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(モノマー重量比 =91:2:7,窒素原子=390ppm ,平均重合度=340) 25重量部 ポリウレタン樹脂(−SO3 Na基含有,Mn=40000)35重量部 MEK 260重量部 トルエン 260重量部 シクロヘキサノン 260重量部 上記組成物をハイパーミキサーに投入して6時間混合・
攪拌し、バインダ溶液とした。
【0221】濾過VI 上記バインダ溶液をフィルタにより濾過した。
【0222】分散 下記組成物をボールミルに投入し、24時間分散した。 カーボンブラック(コロンビヤンカーボン社製,中心粒径=21nm, BET =220m2/g) 80重量部 カーボンブラック(コロンビヤンカーボン社製,中心粒径=350nm, BET =8m2/g) 1重量部 α−Fe23 (平均粒径0.1μm ) 1重量部 バインダ溶液 880重量部
【0223】濾過VII 分散処理後のスラリーをフィルタにより濾過した。
【0224】粘度調整液 下記組成物をハイパーミキサーに投入し、1時間混合・
攪拌し、粘度調整液とした。 ステアリン酸 1重量部 ミリスチン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 2重量部 MEK 210重量部 トルエン 210重量部 シクロヘキサノン 210重量部
【0225】濾過VIII 粘度調整液をフィルタにより濾過した。
【0226】粘度調整 上記粘度調整液を分散上がりスラリーと混合して攪拌し
た後、ボールミルにて再度分散処理を行い、塗料とし
た。
【0227】濾過IX 上記塗料をフィルタにより濾過した。
【0228】最終塗料 濾過後の塗料100重量部にイソシアナート化合物(日
本ポリウレタン工業社製、コロネートL)1重量部を混
合して攪拌し、バックコート層用の最終塗料とした。
【0229】なお、本実施例および以下の各実施例の濾
過工程には、デプスフィルタを用いた。各濾過工程にお
いて用いたフィルタの95%カット濾過精度を、各表に
示す。95%カット濾過精度が15.0μm 以上のデプ
スフィルタの濾材は、三次元網目状の気孔を有するスポ
ンジ状のPVA樹脂にメラミン樹脂処理を施した円筒状
のものである。また、95%カット濾過精度が15.0
μm 未満のデプスフィルタは、それぞれポリプロピレン
製である小径の円筒状濾材と大径の円筒状濾材とを重
ね、これらの濾材間にグラスファイバ製の濾材を設けた
ものである。
【0230】また、本実施例および以下の各実施例の濾
過工程では、基本的に、図8に示す1段の循環濾過にお
いて、同じフィルタを6個並列に配置して並列濾過を行
なった。そして、例えば表4に濾過V−1、V−2、V
−3として示されるように多段になっている濾過工程で
は、上記のような並列濾過に加え、図9に示すような多
段濾過+循環濾過を行なった。この場合、塗料流路の上
流側から濾過V−1、V−2、V−3のように並べてあ
る。
【0231】なお、本実施例の表4には、多段濾過を行
なわずに作製したサンプルNo. 1−2を比較のために併
記した。
【0232】〔磁気テープの作製〕非磁性支持体(厚さ
8.3μm のポリエチレンテレフタレートフィルム)表
面に下層用塗料を塗布し、下層用塗料の塗膜が湿潤状態
にあるときに上層用塗料を塗布し、両塗膜を乾燥した
後、カレンダ処理を施した。カレンダロールには、耐熱
性プラスチックロールと金属ロールとを組み合わせた7
段のものを使用し、金属ロールが塗膜に接するようにし
て、処理温度100℃、線圧250kg/cm で処理を施し
た。そして、磁性層表面を20万メートル処理後の金属
ロールの汚れの程度を下記の基準で評価した。 ○:全く汚れなし △:実害がない程度の汚れであり、クリーニングの必要
はない ×:汚れの程度が著しく、クリーニングが必要 結果を各表に示す。
【0233】非磁性支持体の裏面にはバックコート層用
塗料を塗布し、乾燥後、同様にカレンダ処理を施した。
なお、非磁性支持体表面側の塗膜用塗料は、濾過X工程
において塗布直前の濾過を行なった。濾過X工程では、
それぞれの濾過V工程で用いたフィルタと同じ95%カ
ット濾過精度をもつフィルタを使用した。また、バック
コート層用塗料についても塗布直前に濾過XI工程で濾過
を行なった。濾過XI工程では、濾過IX工程で用いたフィ
ルタと同じ95%カット濾過精度をもつフィルタを使用
した。各塗膜を硬化した後、8mm幅に切断してカセット
に組み込み、磁気テープサンプルとした。硬化後の上
層、下層およびバックコート層の厚さを各表に示す。
【0234】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)を測定した。この測定に際しては、16dB以上の出
力減少が15μs 以上続いた場合をドロップアウトと判
定した。測定は10分間行ない、各表には1分間当たり
のドロップアウトを示した。測定には、ソニー社製EV
−S900(8mmフォーマットVTR)を用いた。
【0235】
【表2】
【0236】
【表3】
【0237】
【表4】
【0238】上記各表に示される結果から本発明の効果
が明らかである。すなわち、上層用塗料調製の際の濾過
Vの工程に本発明範囲の95%カット濾過精度を有する
フィルタを用いたサンプルでは、95%カット濾過精度
が本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプルに
比べ、ドロップアウトが著しく少ない。また、多段濾過
+循環濾過によりドロップアウトが低減することがわか
る。なお、濾過V工程に、95%カット濾過精度が0.
8μm のフィルタを用いた場合、圧力損失が10kg/cm2
以上となり、塗料化が不可能であった。
【0239】次に、磁性層用塗料の調製工程において、
混練工程と分散工程とを独立して行なうことによる効果
を調べた。上記した上層用塗料の調製工程では、混練
後、希釈して濃度調整を行ない、次いで分散している。
これに対し、最初から希釈後の濃度となるように、濾過
I後のバインダ溶液と下記組成物とをボールミルに投入
し、24時間混合分散を行なって分散物とした。 α−Fe磁性粉(Hc=1650 Oe ,σs =126emu/g , BET =57m2/g) 100重量部 α−Al23 (住友化学工業社製:HIT−60A) 5重量部 Cr23 (日本化学工業社製:U−1) 5重量部 バインダ溶液 80重量部 MEK 15重量部 トルエン 15重量部 シクロヘキサノン 15重量部 分散以降の工程は上記と同様にして行ない、比較用の磁
性塗料を得た。上記上層用塗料と比較用の磁性塗料とを
用いて、それぞれ厚さ2.0μm の磁性層を形成し、最
大磁束密度Bmを求めた。この結果、混練と分散とを独
立して行なった場合のBmは3300 Gであったが、混
合分散を行なった場合のBmは3000Gと小さかっ
た。
【0240】<実施例2(態様2)> 〔磁性層用塗料(組成:Hi8フォーマット用)〕実
施例1の上層用塗料と同様にして、最終塗料を得た。
【0241】〔磁性層用塗料(組成:S−VHSフォ
ーマット用)〕混練工程において用いる組成物を下記の
ものとした以外は実施例1の上層用塗料と同様にして、
最終塗料を得た。 Co含有γ−Fe23 (Hc=830 Oe ,BET =47m2/g) 100重量部 α−Al23 (住友化学工業社製:HIT−60A) 8重量部 Cr23 (日本化学工業社製:U−1) 4重量部 カーボンブラック 4重量部 バインダ溶液 40重量部
【0242】〔磁性層用塗料(組成:VHSフォーマ
ット用)〕上記した組成のCo含有γ−Fe23
(Hc=830 Oe ,BET =47m2/g)に替えてCo含有
γ−Fe23 (Hc=730 Oe ,BET =40m2/g)を
用いた以外は、組成の磁性層用塗料と同様にして調製
した。
【0243】〔バックコート層用塗料〕実施例1のバッ
クコート層用塗料と同様にして最終塗料を得た。
【0244】〔磁気テープの作製〕上記各塗料を用い、
実施例1と同様にして各表に示す磁気テープサンプルを
作製した。なお、Hi8フォーマットのサンプルには実
施例1と同様な非磁性支持体を用い、S−VHSフォー
マットまたはVHSフォーマットのサンプルでは、非磁
性支持体に厚さ14.5μm のポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを用い、テープ幅を1/2インチとした。
カレンダ処理後の磁性層側カレンダロールの汚れの程度
を各表に示す。
【0245】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)を測定した。この測定に際しては、16dB以上の出
力減少が15μs 以上続いた場合をドロップアウトと判
定した。測定は10分間行ない、各表には1分間当たり
のドロップアウトを示した。測定には、ソニー社製EV
−S900(Hi8フォーマットVTR)、日本ビクタ
ー社製BR−S711(S−VHSフォーマットVT
R)、日本ビクター社製BR−7000(VHSフォー
マットVTR)を用いた。測定フォーマットと最短記録
波長とを、各表に示す。
【0246】
【表5】
【0247】
【表6】
【0248】上記各表に示される結果から本発明の効果
が明らかである。すなわち、磁性層用塗料調製の際の濾
過Vの工程に、本発明範囲の95%カット濾過精度を有
するフィルタを用いたサンプルでは、95%カット濾過
精度が本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプ
ルに比べ、ドロップアウトが著しく少ない。また、多段
濾過+循環濾過によりドロップアウトが低減することが
わかる。なお、濾過V工程に、95%カット濾過精度が
0.8μm のフィルタを用いた場合、圧力損失が10kg
/cm2以上となり、塗料化が不可能であった。
【0249】<実施例3(態様3)> 〔バックコート層用塗料〕実施例1と同様にして最終塗
料を得た。
【0250】〔磁性層用塗料(組成:Hi8フォーマ
ット用)〕実施例1の上層用塗料と同様にして最終塗料
を得た。
【0251】〔磁性層用塗料(組成:S−VHSフォ
ーマット用)〕実施例2の磁性層用塗料(組成)と同
様にして最終塗料を得た。
【0252】〔磁性層用塗料(組成:VHSフォーマ
ット用)〕実施例2の磁性層用塗料(組成)と同様に
して最終塗料を得た。
【0253】〔下層用塗料(磁性層用)〕実施例1の下
層用塗料(磁性層用)と同様にして最終塗料を得た。
【0254】〔下層用塗料(非磁性層用)〕実施例1の
下層用塗料(非磁性層用)と同様にして最終塗料を得
た。
【0255】〔磁気テープの作製〕上記各塗料を用い、
上記実施例と同様にして各表に示す磁気テープサンプル
を作製した。カレンダ処理後のバックコート層側カレン
ダロールの汚れの程度を各表に示す。
【0256】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)を測定した。この測定に際しては、12dB以上の出
力減少が10μs 以上続いた場合をドロップアウトと判
定した。測定は10分間行ない、各表には1分間当たり
のドロップアウトを示した。測定には、ソニー社製EV
−S900(Hi8フォーマットVTR)、日本ビクタ
ー社製BR−S711(S−VHSフォーマットVT
R)、日本ビクター社製BR−7000(VHSフォー
マットVTR)を用いた。測定フォーマットと最短記録
波長とを、各表に示す。
【0257】
【表7】
【0258】
【表8】
【0259】上記各表に示される結果から、本発明の効
果が明らかである。すなわち、Hi8の測定フォーマッ
トを用い、ドロップアウトの測定条件を前記のスライス
レベルとした結果、バックコート層用塗料調製の際の濾
過IXの工程に、本発明範囲の95%カット濾過精度を有
するフィルタを用いて「並列濾過+循環濾過」を行った
サンプルでは、95%カット濾過精度が本発明範囲を超
えるフィルタを用いた比較サンプルに比べ、ドロップア
ウトが著しく少なく、高い効果が得られることがわか
る。また、多段濾過を行うことでドロップアウトがさら
に低減することがわかる。なお、濾過IX工程に、95%
カット濾過精度が0.8μm のフィルタを用いた場合、
圧力損失が10kg/cm2以上となり、塗料化が不可能であ
った。
【0260】<実施例4(態様4)> 〔磁性層用塗料(組成:Hi−8フォーマット用)〕
実施例1の上層用塗料と同様にして、最終塗料を得た。
【0261】〔磁性層用塗料(組成:S−VHSフォ
ーマット用)〕実施例2の磁性層用塗料(組成)と同
様にして最終塗料を得た。
【0262】〔磁性層用塗料(組成:VHSフォーマ
ット用)〕実施例2の磁性層用塗料(組成)と同様に
して最終塗料を得た。
【0263】〔下層用塗料(磁性層用)〕実施例1の
下層用塗料(磁性層用)と同様にして最終塗料を得
た。
【0264】〔下層用塗料(非磁性層用)〕実施例1
の下層用塗料(非磁性層用)と同様にして最終塗料を
得た。
【0265】〔バックコート層用塗料〕実施例1と同様
にして最終塗料を得た。
【0266】〔磁気テープの作製〕上記各塗料を用い、
上記実施例と同様にして各表に示す磁気テープサンプル
を作製した。カレンダ処理後の磁性層側カレンダロール
の汚れの程度を各表に示す。
【0267】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)を測定した。この測定に際しては、10dB以上の出
力減少が5μs 以上続いた場合をドロップアウトと判定
した。測定は10分間行ない、各表には1分間当たりの
ドロップアウトを示した。測定には、ソニー社製EV−
S900(Hi−8フォーマットVTR)、日本ビクタ
ー社製BR−S711(S−VHSフォーマットVT
R)、日本ビクター社製BR−7000(VHSフォー
マットVTR)を用いた。測定フォーマットと最短記録
波長とを、各表に示す。
【0268】
【表9】
【0269】
【表10】
【0270】
【表11】
【0271】上記各表に示される結果から本発明の効果
が明らかである。すなわち、磁性層用塗料調製の際の濾
過II、III の工程に、本発明範囲の95%カット濾過精
度を有するフィルタを用いたサンプルでは、95%カッ
ト濾過精度が本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較
サンプルに比べ、きわめて厳しいスライスレベル下でも
ドロップアウトの発生は著しく少ないものとなる。な
お、濾過II、III 工程に、95%カット濾過精度が8.
0μm のフィルタを用いた場合には、圧力損失が10kg
/cm2以上となり、塗料化が不可能であった。
【0272】<実施例5(態様5)> 〔磁性層用塗料(組成:Hi−8フォーマット用)〕
実施例1の上層用塗料と同様にして、最終塗料を得た。
【0273】〔磁性層用塗料(組成:S−VHSフォ
ーマット用)〕実施例2の磁性層用塗料(組成)と同
様にして最終塗料を得た。
【0274】〔磁性層用塗料(組成:VHSフォーマ
ット用)〕実施例2の磁性層用塗料(組成)と同様に
して最終塗料を得た。
【0275】〔下層用塗料(磁性層用)〕実施例1の
下層用塗料(磁性層用)と同様にして最終塗料を得
た。
【0276】〔下層用塗料(非磁性層用)〕実施例1
の下層用塗料(非磁性層用)と同様にして最終塗料を
得た。
【0277】〔バックコート層用塗料〕実施例1と同様
にして最終塗料を得た。
【0278】〔磁気テープの作製〕上記各塗料を用い、
上記実施例と同様にして各表に示す磁気テープサンプル
を作製した。カレンダ処理後の磁性層側カレンダロール
の汚れの程度を各表に示す。
【0279】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)を測定した。この測定に際しては、10dB以上の出
力減少が5μs 以上続いた場合をドロップアウトと判定
した。測定は、作製直後のサンプルと、50℃80%R
H環境下に5日間保存後、20℃60%RH環境下に2
4時間放置した後(高温高湿保存後)のサンプルについ
て、それぞれ10分間行ない、各表には保存後のサンプ
ルについて1分間当たりのドロップアウトを示した。測
定には、ソニー社製EV−S900(Hi−8フォーマ
ットVTR)、日本ビクター社製BR−S711(S−
VHSフォーマットVTR)、日本ビクター社製BR−
7000(VHSフォーマットVTR)を用いた。測定
フォーマットと最短記録波長とを、各表に示す。
【0280】
【表12】
【0281】
【表13】
【0282】
【表14】
【0283】
【表15】
【0284】
【表16】
【0285】
【表17】
【0286】
【表18】
【0287】上記各表に示される結果から本発明の効果
が明らかである。すなわち、磁性層用塗料やバックコー
ト層用塗料調製の際のバインダ溶液濾過および粘度調整
液濾過に、本発明範囲の95%カット濾過精度を有する
フィルタを用いたサンプルでは、95%カット濾過精度
が本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプルに
比べ、きわめて厳しいスライスレベル下であって高温高
湿保存後であってもドロップアウトの発生は著しく少な
いものとなる。特に、磁性層用塗料およびバックコート
層用塗料のいずれもが本発明にしたがって調製された場
合には、極めて高い効果が得られることがわかる。
【0288】また、本発明のサンプルでは、高温高湿保
存後のドロップアウトのレベルは作製直後のドロップア
ウトのレベルと差がなく、保存による特性劣化はほとん
どなかった。これに対し、比較サンプルでは、作製直後
においては問題のないレベルであったが、保存による劣
化が著しいことがわかった。
【0289】なお、濾過I工程および濾過VI工程に95
%カット濾過精度4μm 未満のフィルタを用いた場合、
ならびに濾過IV工程および濾過VIII工程に95%カット
濾過精度1μm 未満のフィルタを用いた場合、圧力損失
が10kg/cm2以上となり、塗料化が不可能であった。
【0290】表12のサンプルNo. 5−7において、特
開昭54−143118号公報に記載の濾過方法に準じ
て、バインダ溶液および粘度調整液に対し濾過を行なっ
て比較サンプルを作製したところ、この比較サンプルは
サンプルNo. 5−7に比べ、特性(ドロップアウト)が
明らかに劣るものであった。
【0291】<実施例6(態様6)> 〔上層用塗料〕実施例1の上層用塗料と同様にして、最
終塗料を得た。
【0292】〔下層用塗料(磁性層用)〕実施例1の
下層用塗料(磁性層用)と同様にして最終塗料を得
た。
【0293】〔下層用塗料(非磁性層用)〕実施例1
の下層用塗料(非磁性層用)と同様にして最終塗料を
得た。
【0294】〔バックコート層用塗料〕実施例1と同様
にして最終塗料を得た。
【0295】〔磁気テープの作製〕上記各塗料を用い、
上記実施例と同様にして各表に示す磁気テープサンプル
を作製した。カレンダ処理後の磁性層側カレンダロール
の汚れの程度を各表に示す。
【0296】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)測定を行なった。測定は、作製直後のサンプルと、
高温高湿保存後(50℃・80%RH環境下に5日間保
存後、20℃・60%RH環境下に24時間放置)のサ
ンプルとについて行なった。この測定に際しては、16
dB以上の出力減少が15μs 以上続いた場合をドロップ
アウトと判定した。測定は10分間行ない、各表には高
温高湿保存後のサンプルの1分間当たりのドロップアウ
トを示した。測定には、ソニー社製EV−S900(8
mmフォーマットVTR)を用いた。
【0297】なお、表20には、多段濾過を行なわなか
ったサンプルNo. 6−1を比較のために併記した。
【0298】
【表19】
【0299】
【表20】
【0300】上記各表に示される結果から本発明の効果
が明らかである。すなわち、下層用塗料調製において、
濾過V工程に本発明範囲の95%カット濾過精度を有す
るフィルタを用いたサンプルでは、95%カット濾過精
度が本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプル
に比べ、ドロップアウトが著しく少ない。また、多段濾
過+循環濾過によりドロップアウトが低減することがわ
かる。しかも、下層用塗料調製の際の瀘過V工程におい
て95%カット濾過精度が本発明範囲を超えるフィルタ
を用いた比較サンプルでは、作製直後のDOは少なかっ
たが高温高湿保存によりDOが著しく増加したのに対
し、本発明を適用したサンプルでは、高温高湿保存後の
DOが作製直後とほとんど変わらなかった。
【0301】なお、濾過V工程に、95%カット濾過精
度が0.8μm のフィルタを用いた場合、圧力損失が1
0kg/cm2以上となり、塗料化が不可能であった。
【0302】<実施例7(態様7)> 〔上層用塗料〕実施例1の上層用塗料と同様にして、最
終塗料を得た。
【0303】〔下層用塗料(磁性層用)〕実施例1の
下層用塗料(磁性層用)と同様にして最終塗料を得
た。
【0304】〔下層用塗料(非磁性層用)〕実施例1
の下層用塗料(非磁性層用)と同様にして最終塗料を
得た。
【0305】〔バックコート層用塗料〕実施例1と同様
にして最終塗料を得た。
【0306】〔磁気テープの作製〕上記各塗料を用い、
上記実施例と同様にして各表に示す磁気テープサンプル
を作製した。カレンダ処理後のバックコート層側カレン
ダロールの汚れの程度を各表に示す。
【0307】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)測定を行なった。測定は、作製直後のサンプルと、
高温高湿保存後(50℃・80%RH環境下に5日間保
存後、20℃・60%RH環境下に24時間放置)のサ
ンプルとについて行なった。この測定に際しては、12
dB以上の出力減少が10μs 以上続いた場合をドロップ
アウトと判定した。測定は10分間行ない、各表には高
温高湿保存後のサンプルの1分間当たりのドロップアウ
トを示した。測定には、ソニー社製EV−S900(H
i8フォーマットVTR)を用いた。
【0308】
【表21】
【0309】
【表22】
【0310】上記各表に示される結果から本発明の効果
が明らかである。すなわち、下層用塗料調製において、
濾過V工程に本発明範囲の95%カット濾過精度を有す
るフィルタを用い、かつ、バックコート層用塗料調製に
おいて、濾過IX工程に本発明範囲の95%カット濾過精
度を有するフィルタを用いたサンプルでは、95%カッ
ト濾過精度が本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較
サンプルに比べ、ドロップアウトが著しく少ない。ま
た、多段濾過+循環濾過を行なうことにより、ドロップ
アウトが低減することがわかる。しかも、本発明を適用
したサンプルでは、高温高湿保存後のDOが作製直後と
ほとんど変わらなかった。12dB以上の出力減少が10
μs 以上続いた場合をドロップアウトとしてカウントす
るという厳しい基準で、かつ、高温高湿条件下での保存
後の測定において、このように良好な結果が得られたこ
とから、本発明が極めて効果的であることがわかる。
【0311】これに対し、下層用塗料調製の際の濾過V
工程において、95%カット濾過精度が本発明範囲を超
えるフィルタを用いた比較サンプルでは、作製直後のD
Oは少なかったが高温高湿保存によりDOが著しく増加
した。
【0312】なお、濾過V工程または濾過IX工程におい
て、95%カット濾過精度が0.8μm のフィルタを用
いた場合、圧力損失が10kg/cm2以上となり、塗料化が
不可能であった。
【0313】<実施例8(態様8)> 〔上層用塗料〕実施例1の上層用塗料と同様にして、最
終塗料を得た。
【0314】〔下層用塗料(磁性層用)〕実施例1の
下層用塗料(磁性層用)と同様にして最終塗料を得
た。
【0315】〔下層用塗料(非磁性層用)〕実施例1
の下層用塗料(非磁性層用)と同様にして最終塗料を
得た。
【0316】〔バックコート層用塗料〕実施例1と同様
にして最終塗料を得た。
【0317】〔磁気テープの作製〕上記各塗料を用い、
上記実施例と同様にして各表に示す磁気テープサンプル
を作製した。カレンダ処理後の磁性層側カレンダロール
の汚れの程度を各表に示す。
【0318】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)測定を行なった。測定は、作製直後のサンプルと、
高温高湿保存後(50℃・80%RH環境下に5日間保
存後、20℃・60%RH環境下に24時間放置)のサ
ンプルとについて行なった。この測定に際しては、10
dB以上の出力減少が5μs 以上続いた場合をドロップア
ウトと判定した。測定は10分間行ない、各表には高温
高湿保存後のサンプルの1分間当たりのドロップアウト
を示した。測定には、ソニー社製EV−S900(Hi
8フォーマットVTR)を用いた。
【0319】
【表23】
【0320】
【表24】
【0321】上記各表に示される結果から本発明の効果
が明らかである。すなわち、下層用塗料調製において、
濾過II工程および濾過III 工程の少なくとも一方と濾過
V工程とに本発明範囲の95%カット濾過精度を有する
フィルタを用いたサンプルでは、95%カット濾過精度
が本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプルに
比べ、ドロップアウトが著しく少ない。また、多段濾過
+循環濾過を行なうことにより、ドロップアウトが低減
することがわかる。しかも、本発明を適用したサンプル
では、高温高湿保存後のDOが作製直後とほとんど変わ
らなかった。10dB以上の出力減少が5μs 以上続いた
場合をドロップアウトとしてカウントするという厳しい
基準で、かつ、高温高湿条件下での保存後の測定におい
て、このように良好な結果が得られたことから、本発明
が極めて効果的であることがわかる。
【0322】これに対し、下層用塗料調製の際の濾過II
工程および濾過III 工程において95%カット濾過精度
が本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプル、
および濾過V工程において95%カット濾過精度が本発
明範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプルでは、作
製直後のDOは少なかったが高温高湿保存によりDOが
著しく増加した。
【0323】なお、濾過II工程、濾過III 工程または濾
過V工程に、本発明範囲を下回る95%カット濾過精度
を有するフィルタを用いた場合、いずれも圧力損失が1
0kg/cm2以上となり、塗料化が不可能であった。
【0324】<実施例9(態様9)> 〔上層用塗料〕実施例1の上層用塗料と同様にして、最
終塗料を得た。
【0325】〔下層用塗料(磁性層用)〕実施例1の
下層用塗料(磁性層用)と同様にして最終塗料を得
た。
【0326】〔下層用塗料(非磁性層用)〕実施例1
の下層用塗料(非磁性層用)と同様にして最終塗料を
得た。
【0327】〔バックコート層用塗料〕実施例1と同様
にして最終塗料を得た。
【0328】〔磁気テープの作製〕上記各塗料を用い、
上記実施例と同様にして各表に示す磁気テープサンプル
を作製した。カレンダ処理後の磁性層側カレンダロール
の汚れの程度を各表に示す。
【0329】各サンプルについて、ドロップアウト(D
O)測定を行なった。測定は、作製直後のサンプルと、
高温高湿保存後(50℃・80%RH環境下に5日間保
存後、20℃・60%RH環境下に24時間放置)のサ
ンプルとについて行なった。この測定に際しては、10
dB以上の出力減少が5μs 以上続いた場合をドロップア
ウトと判定した。測定は10分間行ない、各表には高温
高湿保存後のサンプルの1分間当たりのドロップアウト
を示した。測定には、ソニー社製EV−S900(Hi
8フォーマットVTR)を用いた。
【0330】また、各サンプルについて、7MHz でのC
/N(Y−C/N)を測定した。Y−C/Nの測定はド
ロップアウトの測定と同様に、作製直後と高温高湿保存
後とに行なった。各表に、保存後のY−C/Nと作製直
後のY−C/Nとの差を、「Y−C/N保存劣化」とし
て示す。
【0331】
【表25】
【0332】
【表26】
【0333】上記各表に示される結果から本発明の効果
が明らかである。すなわち、下層用塗料調製において、
濾過I工程および濾過IV工程の少なくとも一方と濾過V
工程とに本発明範囲の95%カット濾過精度を有するフ
ィルタを用いたサンプルでは、ドロップアウトが著しく
少ない。また、多段濾過+循環濾過を行なうことによ
り、ドロップアウトが低減することがわかる。しかも、
本発明を適用したサンプルでは、高温高湿保存後のDO
が作製直後とほとんど変わらなかった。10dB以上の出
力減少が5μs 以上続いた場合をドロップアウトとして
カウントするという厳しい基準で、かつ、高温高湿条件
下での保存後の測定において、このように良好な結果が
得られたことから、本発明が極めて効果的であることが
わかる。さらに、本発明により製造されたサンプルで
は、高温高湿条件下で保存した後のY−C/N劣化は実
質的に認められない。
【0334】これに対し、下層用塗料調製の際の濾過I
工程および濾過IV工程において95%カット濾過精度が
本発明範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプル、お
よび濾過V工程において95%カット濾過精度が本発明
範囲を超えるフィルタを用いた比較サンプルでは、高温
高湿条件下での保存によりY−C/Nが著しく劣化して
いる。また、これらの比較サンプルでは、作製直後のD
Oは少なかったが高温高湿保存によりDOがやや増加し
た。
【0335】なお、濾過I工程、濾過IV工程または濾過
V工程に、本発明範囲を下回る95%カット濾過精度を
有するフィルタを用いた場合、圧力損失が10kg/cm2
上となり、濾過が実質的に不可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性層用塗料、非磁性層用塗料およびバックコ
ート層用塗料の調製工程を示すフローチャートである。
【図2】(a)および(b)は、本発明により製造され
る磁気記録媒体の構成例を示す部分断面図である。
【図3】フィルタの95%カット濾過精度を求める方法
に用いる装置の概略構成図である。
【図4】濾過工程におけるフィルタ配置を示す概略図で
ある。
【図5】濾過工程におけるフィルタ配置を示す概略図で
ある。
【図6】濾過工程におけるフィルタ配置を示す概略図で
ある。
【図7】濾過工程におけるフィルタ配置を示す概略図で
ある。
【図8】濾過工程におけるフィルタ配置を示す概略図で
ある。
【図9】濾過工程におけるフィルタ配置を示す概略図で
ある。
【図10】濾過工程におけるフィルタ配置を示す概略図
である。
【図11】濾過工程におけるフィルタ配置を示す概略図
である。
【符号の説明】
2 非磁性支持体 3 磁性層 4 バックコート層 5 下層 6 上層 101 原液タンク 102 流量計 201 タンク 202 流路 203 並列濾過手段 204 三方弁 205 循環流路 F フィルタ P ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−341819 (32)優先日 平成5年12月13日(1993.12.13) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−346251 (32)優先日 平成5年12月22日(1993.12.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−52736 (32)優先日 平成6年2月25日(1994.2.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−52737 (32)優先日 平成6年2月25日(1994.2.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−52738 (32)優先日 平成6年2月25日(1994.2.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−52739 (32)優先日 平成6年2月25日(1994.2.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平3−119516(JP,A) 特開 昭62−134827(JP,A) 特開 平5−307751(JP,A) 特開 昭63−124214(JP,A) 特開 平5−192516(JP,A) 特開 平2−240830(JP,A) 特開 昭54−143118(JP,A) 特開 昭60−69833(JP,A) 特開 平5−250666(JP,A) 特開 昭63−217528(JP,A) 特開 平4−22404(JP,A) 特開 昭58−102332(JP,A) 特開 平3−3116(JP,A) 特開 平5−31308(JP,A) 特開 平1−106331(JP,A) 特開 平5−274666(JP,A) 特公 平4−79052(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/858 B05D 5/12 B05C 11/10

Claims (43)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上に
    少なくとも2層の塗膜を有し、最上層の塗膜が厚さ0.
    1〜0.8μm の磁性層である磁気記録媒体を製造する
    方法であって、 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料の濾過工程
    を有し、この塗料の濾過工程において、被濾過処理物の
    流路に直列に少なくとも2つの濾過手段を設け、前記流
    路の上流側から下流側に向かって、95%カット濾過精
    度が次第に小さくなるように各濾過手段を配置し、濾過
    手段のうちもっとも下流側に配置された最終濾過手段の
    95%カット濾過精度が1.0〜6.0μm であり、前
    記最終濾過手段の上流側に存在する濾過手段の95%カ
    ット濾過精度が、前記最終濾過手段の95%カット濾過
    精度の1.5〜20倍である磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、
    固形分とバインダ溶液とを混練する混練工程、この混練
    工程により得られた混練物中の固形分を分散する分散工
    程、およびこの分散工程により得られた分散物に粘度調
    整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有する請求項1
    の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上に
    少なくとも1層の塗膜を有し、最上層の塗膜が磁性層で
    ある磁気記録媒体を製造する方法であって、 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料の濾過工程
    を有し、この塗料の濾過工程において、被濾過処理物の
    流路に直列に少なくとも2つの濾過手段を設け、前記流
    路の上流側から下流側に向かって、95%カット濾過精
    度が次第に小さくなるように各濾過手段を配置し、濾過
    手段のうちもっとも下流側に配置された最終濾過手段の
    95%カット濾過精度が、最短記録波長の10倍以下か
    つ6.0μm 以下かつ1.0μm 以上であり、前記最終
    濾過手段の上流側に存在する濾過手段の95%カット濾
    過精度が、前記最終濾過手段の95%カット濾過精度の
    1.5〜20倍である磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、
    固形分とバインダ溶液とを混練する混練工程、この混練
    工程により得られた混練物中の固形分を分散する分散工
    程、およびこの分散工程により得られた分散物に粘度調
    整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有する請求項3
    の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体の表面上に磁性層を有し、
    非磁性支持体の裏面上に塗布により形成されたバックコ
    ート層を有し、バックコート層の厚さが1.0μm 以下
    である磁気記録媒体を製造する方法であって、 バックコート層用塗料を調製する工程が、塗料の濾過工
    程を有し、この塗料の濾過工程において、被濾過処理物
    の流路に直列に少なくとも2つの濾過手段を設け、前記
    流路の上流側から下流側に向かって、95%カット濾過
    精度が次第に小さくなるように各濾過手段を配置し、濾
    過手段のうちもっとも下流側に配置された最終濾過手段
    の95%カット濾過精度が、1.0μm 以上かつ6.0
    μm 以下かつバックコート層の厚さの10倍以下であ
    り、前記最終濾過手段の上流側に存在する濾過手段の9
    5%カット濾過精度が、前記最終濾過手段の95%カッ
    ト濾過精度の1.5〜20倍である磁気記録媒体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 バックコート層用塗料を調製する工程
    が、固形分をバインダ溶液中に分散させる分散工程、お
    よびこの分散工程により得られた分散物に粘度調整液を
    加えて塗料を得る粘度調整工程を有する請求項5の磁気
    記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の表
    面上に少なくとも2層の塗膜を有し、最上層の塗膜が厚
    さ0.1〜0.8μm の磁性層であり、 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、少なくとも1つ
    の濾過手段により塗料を濾過する塗料の濾過工程を有
    し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カッ
    ト濾過精度が、1.0〜6.0μm である請求項5また
    は6の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の表
    面上に少なくとも1層の塗膜を有し、最上層の塗膜が磁
    性層であり、 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、少なくとも1つ
    の濾過手段により塗料を濾過する塗料の濾過工程を有
    し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カッ
    ト濾過精度が、最短記録波長の10倍以下かつ6.0μ
    m 以下かつ1.0μm 以上である請求項5または6の磁
    気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、
    固形分とバインダ溶液とを混練する混練工程、この混練
    工程により得られた混練物中の固形分を分散する分散工
    程、およびこの分散工程により得られた分散物に粘度調
    整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有する請求項7
    または8の磁気記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上
    に少なくとも1層の塗膜を有し、最上層の塗膜が磁性層
    である磁気記録媒体を製造する方法であって、 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、固形分とバイン
    ダ溶液とを混練する混練工程、この混練工程により得ら
    れた混練物中の固形分を分散する分散工程、およびこの
    分散工程により得られた分散物に粘度調整液を加えて塗
    料を得る粘度調整工程を有し、さらに、前記混練物を少
    なくとも1つの濾過手段により濾過する混練物の濾過工
    程および前記分散物を少なくとも1つの濾過手段により
    濾過する分散物の濾過工程の少なくとも一方を有し、 混練物の濾過工程および分散物の濾過工程における最終
    濾過手段の95%カット濾過精度がいずれも15μm 以
    上であり、混練物の濾過工程および分散物の濾過工程の
    少なくとも一方における最終濾過手段の95%カット濾
    過精度が80μm 以下である磁気記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の
    少なくとも一方の面上に少なくとも2層の塗膜を有し、
    最上層の塗膜が厚さ0.1〜0.8μm の磁性層であ
    り、 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料を少なくと
    も1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過工程を有
    し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カッ
    ト濾過精度が、1.0〜6.0μm である請求項10の
    磁気記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程
    が、塗料を少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗
    料の濾過工程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過
    手段の95%カット濾過精度が、最短記録波長の10倍
    以下かつ6.0μm 以下かつ1.0μm 以上である請求
    項10の磁気記録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の
    裏面上に塗布により形成されたバックコート層を有し、
    バックコート層の厚さが1.0μm 以下であり、 バックコート層用塗料を調製する工程が、固形分をバイ
    ンダ溶液中に分散させる分散工程、およびこの分散工程
    により得られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る
    粘度調整工程を有し、さらに、前記分散物を少なくとも
    1つの濾過手段により濾過する分散物の濾過工程を有
    し、 分散物の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
    濾過精度が、15〜80μm である請求項10〜12の
    いずれかの磁気記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 バックコート層用塗料を調製する工程
    が、塗料を少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗
    料の濾過工程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過
    手段の95%カット濾過精度が、1.0μm 以上かつ
    6.0μm 以下かつバックコート層の厚さの10倍以下
    である請求項13の磁気記録媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上
    に少なくとも1層の塗膜を有し、最上層の塗膜が磁性層
    である磁気記録媒体を製造する方法であって、 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、固形分とバイン
    ダ溶液とを混練する混練工程、この混練工程により得ら
    れた混練物中の固形分を分散する分散工程、およびこの
    分散工程により得られた分散物に粘度調整液を加えて塗
    料を得る粘度調整工程を有し、さらに、前記バインダ溶
    液を少なくとも1つの濾過手段により濾過するバインダ
    溶液の濾過工程および前記粘度調整液を少なくとも1つ
    の濾過手段により濾過する粘度調整液の濾過工程の少な
    くとも一方を有し、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液の
    濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度
    が1.0μm 以上であって、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が80μm 以下であること、および粘度
    調整液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
    濾過精度が30μm 以下であること、の少なくとも一方
    の条件を満たす磁気記録媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程
    が、前記混練物を少なくとも1つの濾過手段により濾過
    する混練物の濾過工程および前記分散物を少なくとも1
    つの濾過手段により濾過する分散物の濾過工程の少なく
    とも一方を有し、 混練物の濾過工程および分散物の濾過工程における最終
    濾過手段の95%カット濾過精度がいずれも15μm 以
    上であり、混練物の濾過工程および分散物の濾過工程の
    少なくとも一方における最終濾過手段の95%カット濾
    過精度が80μm 以下である請求項15の磁気記録媒体
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の
    少なくとも一方の面上に少なくとも2層の塗膜を有し、
    最上層の塗膜が厚さ0.1〜0.8μm の磁性層であ
    り、 最上層の塗膜用塗料を調製する工程が、塗料を少なくと
    も1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過工程を有
    し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カッ
    ト濾過精度が、1.0〜6.0μm である請求項15ま
    たは16の磁気記録媒体の製造方法。
  18. 【請求項18】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程
    が、塗料を少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗
    料の濾過工程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過
    手段の95%カット濾過精度が、最短記録波長の10倍
    以下かつ6.0μm 以下かつ1.0μm 以上である請求
    項15または16の磁気記録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 非磁性支持体の表面上に磁性層を有
    し、非磁性支持体の裏面上に塗布により形成されたバッ
    クコート層を有し、バックコート層の厚さが1.0μm
    以下である磁気記録媒体を製造する方法であって、 バックコート層用塗料の調製工程が、固形分をバインダ
    溶液中に分散させる分散工程、およびこの分散工程によ
    り得られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度
    調整工程を有し、さらに、前記バインダ溶液を少なくと
    も1つの濾過手段により濾過するバインダ溶液の濾過工
    程および前記粘度調整液を少なくとも1つの濾過手段に
    より濾過する粘度調整液の濾過工程の少なくとも一方を
    有し、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液の
    濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度
    が1.0μm 以上であって、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が80μm 以下であること、および粘度
    調整液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
    濾過精度が30μm 以下であること、の少なくとも一方
    の条件を満たす磁気記録媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】 バックコート層用塗料の調製工程が、
    前記分散物を少なくとも1つの濾過手段により濾過する
    分散物の濾過工程を有し、分散物の濾過工程における最
    終濾過手段の95%カット濾過精度が、15〜80μm
    である請求項19の磁気記録媒体の製造方法。
  21. 【請求項21】 バックコート層用塗料の調製工程が、
    塗料を少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗料の
    濾過工程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過手段
    の95%カット濾過精度が、1.0μm 以上かつ6.0
    μm 以下かつバックコート層の厚さの10倍以下である
    請求項19または20の磁気記録媒体の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項15〜18のいずれかの磁気記
    録媒体の製造方法により非磁性支持体表面上に塗膜を形
    成する請求項19〜21のいずれかの磁気記録媒体の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上
    に少なくとも2層の塗膜を有し、最上層の塗膜が厚さ
    0.1〜0.8μm の磁性層である磁気記録媒体を製造
    する方法であって、 少なくとも最上層に隣接する塗膜用塗料を調製する工程
    、塗料の濾過工程を有し、この塗料の濾過工程におい
    て、被濾過処理物の流路に直列に少なくとも2つの濾過
    手段を設け、前記流路の上流側から下流側に向かって、
    95%カット濾過精度が次第に小さくなるように各濾過
    手段を配置し、濾過手段のうちもっとも下流側に配置さ
    れた最終濾過手段の95%カット濾過精度が、1.0〜
    6.0μm であり、前記最終濾過手段の上流側に存在す
    る濾過手段の95%カット濾過精度が、前記最終濾過手
    段の95%カット濾過精度の1.5〜20倍である磁気
    記録媒体の製造方法。
  24. 【請求項24】 少なくとも最上層に隣接する塗膜用塗
    料を調製する工程が、固形分とバインダ溶液とを混練す
    る混練工程、この混練工程により得られた混練物中の固
    形分を分散する分散工程、およびこの分散工程により得
    られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整
    工程を有する請求項23の磁気記録媒体の製造方法。
  25. 【請求項25】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程
    が、少なくとも1つの濾過手段により塗料を濾過する塗
    料の濾過工程を有し、塗料の濾過工程における最終濾過
    手段の95%カット濾過精度が、1.0〜6.0μm で
    ある請求項23または24の磁気記録媒体の製造方法。
  26. 【請求項26】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程
    が、固形分とバインダ溶液とを混練する混練工程、この
    混練工程により得られた混練物中の固形分を分散する分
    散工程、およびこの分散工程により得られた分散物に粘
    度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有する請求
    項25の磁気記録媒体の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の
    裏面上に塗布により形成されたバックコート層を有し、
    バックコート層の厚さが1.0μm 以下であり、 バックコート層用塗料を調製する工程が、少なくとも1
    つの濾過手段により塗料を濾過する塗料の濾過工程を有
    し、塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カッ
    ト濾過精度が、1.0μm 以上かつ6.0μm 以下かつ
    バックコート層の厚さの10倍以下である請求項23〜
    26のいずれかの磁気記録媒体の製造方法。
  28. 【請求項28】 バックコート層用塗料を調製する工程
    が、固形分をバインダ溶液中に分散させる分散工程、お
    よびこの分散工程により得られた分散物に粘度調整液を
    加えて塗料を得る粘度調整工程を有する請求項27の磁
    気記録媒体の製造方法。
  29. 【請求項29】 少なくとも最上層に隣接する塗膜用塗
    料を調製する工程が、固形分とバインダ溶液とを混練す
    る混練工程、この混練工程により得られた混練物中の固
    形分を分散する分散工程、およびこの分散工程により得
    られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整
    工程を有し、さらに、前記混練物を少なくとも1つの濾
    過手段により濾過する混練物の濾過工程および前記分散
    物を少なくとも1つの濾過手段により濾過する分散物の
    濾過工程の少なくとも一方を有し、 混練物の濾過工程および分散物の濾過工程における最終
    濾過手段の95%カット濾過精度がいずれも15μm 以
    上であり、混練物の濾過工程および分散物の濾過工程の
    少なくとも一方における最終濾過手段の95%カット濾
    過精度が80μm 以下である請求項23〜28のいずれ
    かの磁気記録媒体の製造方法。
  30. 【請求項30】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程
    が、固形分とバインダ溶液とを混練する混練工程、この
    混練工程により得られた混練物中の固形分を分散する分
    散工程、およびこの分散工程により得られた分散物に粘
    度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有し、さら
    に、前記混練物を少なくとも1つの濾過手段により濾過
    する混練物の濾過工程および前記分散物を少なくとも1
    つの濾過手段により濾過する分散物の濾過工程の少なく
    とも一方と、前記塗料を少なくとも1つの濾過手段によ
    り濾過する塗料の濾過工程とを有し、 混練物の濾過工程および分散物の濾過工程における最終
    濾過手段の95%カット濾過精度がいずれも15μm 以
    上であり、混練物の濾過工程および分散物の濾過工程の
    少なくとも一方における最終濾過手段の95%カット濾
    過精度が80μm 以下であり、 塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾
    過精度が、1.0〜6.0μm である請求項29の磁気
    記録媒体の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の
    裏面上に塗布により形成されたバックコート層を有し、
    バックコート層の厚さが1.0μm 以下であり、 バックコート層用塗料を調製する工程が、固形分をバイ
    ンダ溶液中に分散させる分散工程、およびこの分散工程
    により得られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る
    粘度調整工程を有し、さらに、前記分散物を少なくとも
    1つの濾過手段により濾過する分散物の濾過工程と、前
    記塗料を少なくとも1つの濾過手段により濾過する塗料
    の濾過工程とを有し、 分散物の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
    濾過精度が、15〜80μm であり、塗料の濾過工程に
    おける最終濾過手段の95%カット濾過精度が、1.0
    μm 以上かつ6.0μm 以下かつバックコート層の厚さ
    の10倍以下である請求項27〜30のいずれかの磁気
    記録媒体の製造方法。
  32. 【請求項32】 少なくとも最上層に隣接する塗膜用塗
    料を調製する工程が、固形分とバインダ溶液とを混練す
    る混練工程、この混練工程により得られた混練物中の固
    形分を分散する分散工程、およびこの分散工程により得
    られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る粘度調整
    工程を有し、さらに、前記バインダ溶液を少なくとも1
    つの濾過手段により濾過するバインダ溶液の濾過工程お
    よび前記粘度調整液を少なくとも1つの濾過手段により
    濾過する粘度調整液の濾過工程の少なくとも一方を有
    し、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液の
    濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度
    が1.0μm 以上であって、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が80μm 以下であること、および粘度
    調整液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
    濾過精度が30μm 以下であること、の少なくとも一方
    の条件を満たす請求項23〜31のいずれかの磁気記録
    媒体の製造方法。
  33. 【請求項33】 最上層の塗膜用塗料を調製する工程
    が、固形分とバインダ溶液とを混練する混練工程、この
    混練工程により得られた混練物中の固形分を分散する分
    散工程、およびこの分散工程により得られた分散物に粘
    度調整液を加えて塗料を得る粘度調整工程を有し、さら
    に、前記バインダ溶液を少なくとも1つの濾過手段によ
    り濾過するバインダ溶液の濾過工程および前記粘度調整
    液を少なくとも1つの濾過手段により濾過する粘度調整
    液の濾過工程の少なくとも一方と、前記塗料を少なくと
    も1つの濾過手段により濾過する塗料の濾過工程とを有
    し、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液の
    濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度
    が1.0μm 以上であって、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が80μm 以下であること、および粘度
    調整液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
    濾過精度が30μm 以下であること、の少なくとも一方
    の条件を満たし、 塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾
    過精度が、1.0〜6.0μm である請求項32の磁気
    記録媒体の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記磁気記録媒体が、非磁性支持体の
    裏面上に塗布により形成されたバックコート層を有し、
    バックコート層の厚さが1.0μm 以下であり、 バックコート層用塗料を調製する工程が、固形分をバイ
    ンダ溶液中に分散させる分散工程、およびこの分散工程
    により得られた分散物に粘度調整液を加えて塗料を得る
    粘度調整工程を有し、さらに、前記バインダ溶液を少な
    くとも1つの濾過手段により濾過するバインダ溶液の濾
    過工程および前記粘度調整液を少なくとも1つの濾過手
    段により濾過する粘度調整液の濾過工程の少なくとも一
    方と、前記塗料を少なくとも1つの濾過手段により濾過
    する塗料の濾過工程とを有し、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が4.0μm 以上であり、粘度調整液の
    濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾過精度
    が1.0μm 以上であって、 バインダ溶液の濾過工程における最終濾過手段の95%
    カット濾過精度が80μm 以下であること、および粘度
    調整液の濾過工程における最終濾過手段の95%カット
    濾過精度が30μm 以下であること、の少なくとも一方
    の条件を満たし、 塗料の濾過工程における最終濾過手段の95%カット濾
    過精度が、1.0μm以上かつ6.0μm 以下かつバッ
    クコート層の厚さの10倍以下である請求項32または
    33の磁気記録媒体の製造方法。
  35. 【請求項35】 少なくとも1つの濾過工程において、
    被濾過処理物の流路に直列に少なくとも2つの濾過手段
    を設け、前記最終濾過手段の上流側に、95%カット濾
    過精度が前記最終濾過手段よりも大きい濾過手段を配置
    した請求項10〜22および29〜34のいずれかの磁
    気記録媒体の製造方法。
  36. 【請求項36】 前記流路の上流側から下流側に向かっ
    て、95%カット濾過精度が次第に小さくなるように各
    濾過手段を配置した請求項35の磁気記録媒体の製造方
    法。
  37. 【請求項37】 前記最終濾過手段の上流側に存在する
    濾過手段の95%カット濾過精度が、前記最終濾過手段
    の95%カット濾過精度の20倍以下である請求項35
    または36の磁気記録媒体の製造方法。
  38. 【請求項38】 前記濾過手段が、95%カット濾過精
    度が同一であって被濾過処理物の流路に並列に配置され
    ている少なくとも2個のフィルタから構成された並列濾
    過手段を含む請求項1〜37のいずれかの磁気記録媒体
    の製造方法。
  39. 【請求項39】 少なくとも1つの濾過手段に被濾過処
    理物を2回以上通過させて循環濾過を行なう請求項1〜
    38のいずれかの磁気記録媒体の製造方法。
  40. 【請求項40】 前記最終濾過手段が、デプスタイプの
    フィルタを有する請求項1〜39のいずれかの磁気記録
    媒体の製造方法。
  41. 【請求項41】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上
    に少なくとも2層の塗膜を有し、前記少なくとも2層の
    塗膜のうち少なくとも最下層の塗膜が非磁性層である請
    求項1〜40のいずれかの磁気記録媒体の製造方法。
  42. 【請求項42】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上
    に少なくとも2層の塗膜を有し、前記少なくとも2層の
    塗膜のすべてが磁性層である請求項1〜40のいずれか
    の磁気記録媒体の製造方法。
  43. 【請求項43】 非磁性支持体表面上の塗膜をウエット
    ・オン・ウエット塗布方法により形成する請求項1〜4
    2のいずれかの磁気記録媒体の製造方法。
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