JP3452292B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP3452292B2
JP3452292B2 JP27054095A JP27054095A JP3452292B2 JP 3452292 B2 JP3452292 B2 JP 3452292B2 JP 27054095 A JP27054095 A JP 27054095A JP 27054095 A JP27054095 A JP 27054095A JP 3452292 B2 JP3452292 B2 JP 3452292B2
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康伸 小林
薫 川崎
彰 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
方法に関し、詳しくは磁性塗料の再凝集を防止し、微粒
子磁性体の配向性を向上させる磁気記録媒体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術】磁気記録媒体の高密度記録化につれて、使
用される強磁性金属粉末磁性体は高σs化および微粒子
化が進み、磁性塗料中の磁性体の再凝集や配向性の低下
が大きな問題となってきた。かかる問題に対して、従来
から磁性塗料に超音波を照射して磁性体の再凝集を改善
するさまざまな方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、使用さ
れる強磁性金属粉末磁性体は急速にさらなる高σs化お
よび微粒子化が進み、磁性体粒子は長軸長で0.1μm
以下のサイズになってきている。こうしたことにより、
塗料の分散が困難になるばかりでなく、分散終了から経
時での再凝集の起こりやすさ、さらには配向のしにくさ
が顕著になってきており、従来提案されたような方法で
は十分な特性を得ることができなくなっている。
【0004】本発明はこのような現状のもとに創案され
たものであって、高σsの微粒子磁性体に最適な超音波
処理条件を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために、本発明者らは微粒子磁性体を使用した磁性塗
料の超音波処理時間および超音波処理後から塗布までの
時間について鋭意検討を行い、特に配向性に優れた磁性
塗料の超音波処理条件を見出し、本発明の磁気記録媒体
及びその製造方法に到った。
【0006】本発明の上記課題は、 1.非磁性支持体上に強磁性金属粉末および結合剤を含
有する磁性層を設けた、もしくは上層側に強磁性金属粉
末および結合剤を含有する磁性層と、下層側に非磁性粉
末および結合剤を有する少なくとも一層の非磁性層であ
る下層とから構成される塗布層を設けた磁気記録媒体で
あり、前記磁性層に含有される強磁性金属粉末の飽和磁
化量σsが120emu/g以上170emu/g以
下、平均長軸長が0.06μm以上0.08μm未満で
あると共に該磁性層を塗設するための磁性塗料の固形分
濃度が0.18以上0.35以下、バインダーが塩化ビ
ニル系共重合体及びポリウレタン樹脂の組み合わせであ
り、かつ該磁性塗料を発振周波数10〜200kHz、
超音波振幅10〜100μmの作動条件下で下記構成の
超音波処理装置で処理し、該超音波処理後の磁性塗料を
支持体上に下層が未乾燥の状態で重層塗布を行う磁気記
録媒体の製造方法において、前記超音波処理装置の超音
波処理を下記式(1)、(2)の条件下で行うことを特
徴とする磁気記録媒体の製造方法。 40≧t≧0.000015T2+2 ・・・(1) 10≦T≦1200 ・・・(2) t:超音波照射時間[sec] T:超音波照射終了時点から支持体上に塗設されるまで
の待機時間[sec] [超音波処理装置の構成] 磁性塗料を通過させつつ超音波処理するための超音波処
理槽と、該超音波処理槽内に挿入され前記磁性塗料に超
音波振動を与えるための超音波ホーンと、該超音波ホー
ンの基部側に連接された超音波振動子とを備え、該超音
波振動子に超音波発生器が接続された構成。
【0007】2.非磁性支持体上に強磁性金属粉末およ
び結合剤を含有する磁性層を設けた、もしくは上層側に
強磁性金属粉末および結合剤を含有する磁性層と、下層
側に非磁性粉末および結合剤を有する少なくとも一層の
非磁性層である下層とから構成される塗布層を設けた磁
気記録媒体であり、前記磁性層に含有される強磁性金属
粉末の飽和磁化量σsが120emu/g以上170e
mu/g以下、平均長軸長が0.06μm以上0.08
μm未満であると共に該磁性層を塗設するための磁性塗
料の固形分濃度が0.18以上0.35以下、バインダ
ーが塩化ビニル系共重合体及びポリウレタン樹脂の組み
合わせであり、かつ該磁性塗料を発振周波数10〜20
0kHz、超音波振幅10〜100μmの作動条件下で
下記構成の超音波処理装置で処理し、該超音波処理後の
磁性塗料を支持体上に下層が未乾燥の状態で重層塗布を
行う磁気記録媒体の製造方法において、前記超音波処理
装置の超音波処理を下記式(1)、(2) 40≧t≧0.000015T2+2 ・・・(1) 10≦T≦1200 ・・・(2) t:超音波照射時間[sec] T:超音波照射終了時点から支持体上に塗設されるまで
の待機時間[sec]の条件下で行うことで配向度を制
御し、該磁性層の塗布方向の角形比をSQx、塗布方向
と塗布面内で直角の方向の角形比をSQyとしたとき
に、SQyが0.307以上0.35以下であり、かつ
SQx、SQyが下記式(3)を満たすことを特徴とす
る磁気記録媒体の製造方法。
【0008】 (SQx2+SQy2)0.5≦0.926 ・・・
(3) [超音波処理装置の構成] 磁性塗料を通過させつつ超音波処理するための超音波処
理槽と、該超音波処理槽内に挿入され前記磁性塗料に超
音波振動を与えるための超音波ホーンと、該超音波ホー
ンの基部側に連接された超音波振動子とを備え、該超音
波振動子に超音波発生器が接続された構成。の各々によ
り達成される。
【0009】
【作用】本発明によれば、超音波処理装置の最適使用形
態、超音波照射条件等を設定しているので、磁性粉末の
分散性に優れ、再凝集が起こりにくい磁性塗料をつくり
だすことでき、その結果として、電磁変換特性等に優れ
る磁気記録媒体が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の構成について具体的に説
明する。本発明者らは、磁性塗料の超音波処理条件に関
して種々の検討を行ってきたが、その中でも、強磁性金
属粉末(以後は磁性粉という)が微粒子化し、且つ高σ
化した磁性塗料での分散レベルは、超音波処理後から塗
布までのごく短時間(1200秒程度)の待機時間でも
刻々と変化し、再凝集していくことを見出した。さら
に、その再凝集の速度は超音波処理時間によって制御可
能であることを見出した。これらの検討結果として、本
発明の範囲の磁性粉を使用し塗料を本発明の超音波処理
条件で処理し、塗布を行って作成した磁気記録媒体は非
常に良好な電磁変換特性を示すことが判明した。
【0011】また、これらの本発明の方法による磁気記
録媒体のは磁気特性の配向度も良好で、すべての試料が
をSQy(磁性層の塗布方向と塗布面内で直角の方向の
角形比)が0.35以下であった。さらに、SQx(磁
性層の塗布方向の角形比)とSQyとのバランスも特徴
的であり、全て下式(3)の範囲内に入ることが判明し
た。
【0012】 (SQx+SQy0.5≦0.926・・・・(3) 同じ超音波処理を本発明外である長軸長が0.080μ
m以上の磁性粉を使用した塗料に対して行った場合は、
電磁変換特性は本発明のものと比較して満足の行くレベ
ルではなく、磁気特性の配向度は良好となるが、SQy
が小さくなる割合に比較してSQxがより増加する傾向
にあり、式(3)を満足しないことが判明した。長軸長
が0.080μm以上の磁性粉を使用した塗料で、超音
波処理条件を本発明の範囲外(処理時間が短いおよび/
または塗布待機時間が長い)とすると、配向度は低下し
て、SQyが0.35以下でかつ式(3)を満足する場
合もでてくるが、その時の電気変換特性は不良であっ
た。
【0013】以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
ついて詳細に説明する。まず最初に、本発明の磁気記録
媒体の製造方法に用いられる超音波処理装置について説
明する。超音波処理装置は、処理対象である磁性塗料を
通過させつつ超音波処理するための超音波処理槽と、該
超音波処理槽内に挿入され磁性塗料に超音波振動を与え
るための超音波ホーンと、該超音波ホーンの基部側に連
接された超音波振動子とを備えている。超音波振動子に
は、超音波発生器が接続される。
【0014】このような超音波処理装置の、特に超音波
照射条件を設定するうえでの要部の詳細が図1に示され
る。図に示されるように、超音波処理槽20は、磁性塗
料が流通する空間E1を形成するための円筒状の内部筐
体21と、この外部に設けられ、冷却水等の冷媒が流通
する空間E2を形成するための外部筐体27を備えてい
る。内部筐体21の底部には処理対象である磁性塗料3
を導入するための磁性塗料入口22が設けられており、
内部筐体21の上方には磁性塗料出口23が設けられて
おり、これによって磁性塗料3が内部筐体21の内部を
連続的に流通できるようになっている(矢印(a)から
矢印(b))。円筒状の内部筐体21の大きさに特に制
限はないが、通常は、直径25〜60mm程度の大きさ
とされる。一方、外部筐体27には、冷却水等の冷媒が
循環できるように(矢印(c)から矢印(d))冷媒の
入口28および出口29が設けられている。この外部筐
体27は必要に応じて省略することができる。
【0015】このような超音波処理槽20(特に内部筐
体21)の中に挿入される超音波ホーン30は、磁性塗
料に超音波振動を与えるための作動端面31(ホーン先
端部)を備えており、この超音波ホーン30の作動端面
31からこの作動端面31に対向する超音波処理槽20
の壁面(内部筐体21の壁面)23までの距離で規定さ
れる作動深さHは、2〜40mm、より好ましくは2〜
30mmに設定される。さらに、前記超音波ホーン30
の作動端面31の面積Sと作動深さHで規定される有効
分散室体積Vは、超音波処理槽20の規模によっても
多少異なるが、好適には0.6〜80cm、さらには
好適には0.9〜60cmとされる。前記作動深さH
が、極端に小さくなって2mm未満となると、超音波振
動によって超音波ホーン30の作動端面31ないしは作
動端面31に対向する超音波処理槽の壁面(内部筐体2
1の壁面)23が極端な摩耗(エロージョン)や急激な
液温上昇を引き起こしたり、有効分散室体積V内の極
端な圧力上昇が生じたり、さらには過分散などの不都合
が生じる。この一方で、前記作動深さHが、40mmを
超えると、比較的長い超音波照射の時間が必要になった
り、また分散の均一性に欠けるという不都合が生じる。
前記有効分散室体積Vが小さくなりすぎると、作動深
さHが極端に小さくなりすぎた場合と同じ不都合が生
じ、また、前記有効分散室体積Vが大きくなりすぎる
と、作動深さHが極端に大きくなりすぎた場合と同じ不
都合が生じる。
【0016】このような作動端面31を備える超音波ホ
ーン30の基部側には超音波振動子40が連接されてお
り、この超音波振動子40から発せられた超音波は、超
音波ホーン30を伝達し、さらに作動端面31から磁性
塗料に伝えられる。なお、用いる超音波ホーン30の大
きさには特に制限はないが、通常は、直径20〜50m
m程度の大きさとされる。
【0017】このような超音波処理装置10を用いての
本発明の超音波処理条件は、発振周波数10kHz〜2
00kHz、作動端面31の超音波振幅10〜100μ
m、かつ超音波照射時間(超音波照射時間の定義につい
ては後述する)tおよび待機時間Tが前記式(1)およ
び(2)の範囲内とされる。
【0018】前記発振周波数および振幅がこれらの所定
の範囲をずれると、上記式(1)を満足する超音波照射
時間内の照射で、磁性粉末等の分散性が良好でかつ再凝
集が起こりにくい磁性塗料が得られない。また、発振周
波数および振幅がこれらの所定の範囲内であっても、超
音波照射時間tが上記式(1)の下限値未満となると磁
性粉末等の分散性が良好でかつ再凝集が起こりにくい磁
性塗料が得られない。また、超音波照射時間tが上記式
(1)の上限値を超えるようにすると、処理が過剰とな
り、塗布中に気泡が発生して 塗布欠陥となる場合が生
じる。さらには前述したような装置形態では装置自体を
多数連結して処理せざるを得ず、装置コストが膨大にな
り経済的効果に欠ける。さらに磁性粉末の分散性等の効
果も投入コストに見合ったものにならない。
【0019】さらに本発明の超音波処理条件は、圧力
0.01〜8kgf/cm(ゲージ圧)とすることが
好ましく、さらに好ましくは、0.1〜4kgf/cm
(ゲージ圧)である。超音波照射時に圧力が存在する
のは超音波ホーン30と内部筐体21との接合部は隙間
なく密着されており、磁性塗料の入口出口を除いて内部
筐体21は密封系を形成しているからである。
【0020】本発明の超音波照射時間の定義について説
明する。図2には、図1に示される超音波処理装置10
を3台直列(10a、10b、10c)に連結した一連
のパス処理の装置が例示されている。この図において、
タンク2から流量Q(l/sec)で送り出される磁性
塗料3は、ポンプ4a、フィルタ5aを介して、第1、
第2および第3の超音波処理装置10a、10b、10
cを通過していき、最終的にポンプ4b、フィルタ5b
を介して塗布部のコーター6へと送られる。この場合、
第1、第2および第3の超音波処理装置10a、10
b、10cの有効分散室体積を、それぞれ、V0a、V
0b、V0cとすると(単位はすべてlとする)、トー
タルの超音波照射時間tは、t=V0a/Q+V0b
Q+V0c/Qで表される。もちろん、仮に第1の超音
波処理装置10aしか用いなければt=V0a/Qで表
される。従って、超音波照射時間t、超音波処理装置の
使用台数およびその有効分散室体積が決まれば、あとは
超音波照射時間tが得られるように磁性塗料3の流量Q
を調整してやればよい。なお、このパス処理の場合、超
音波処理装置からの超音波照射は途絶えることなく連続
に行われる。さらに、流量Qに対して、塗布量が適性と
なるように、コーター直前で過剰な塗料の引き抜きを行
う場合もある。
【0021】なお、図示していないが図2のタンク2a
の上部からは、適宜、超音波処理されていない磁性塗料
が補給されるようになっている。
【0022】上述のごとく超音波処理された磁性塗料
は、塗布部に供給されて、ここで支持体の上に塗設され
る。この場合、超音波処理されてから支持体の上に塗設
されるまでの時間を待機時間T(sec)とすると、超
音波処理された磁性塗料は、前記式(2)を満たす待機
時間内に支持体の上に塗設することが必要となる。待機
時間Tが上記の範囲以上となると、磁性塗料の再凝集が
起こり、超音波処理による所定の効果が得られない。ま
た、Tを上記範囲以下とするためには超音波処理装置と
コーターとをごく近くに設置するなどして、配管容量を
極力少なくする等の工夫が必要となるが、コーターを超
音波処理装置に近づけすぎると、超音波処理装置の振動
が塗布精度にあらわれるようになり、均一塗布ができな
くなる。
【0023】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
用いられる磁性塗料について説明する。磁性塗料には、
主成分として磁性粉末、結合剤(バインダ)および溶剤
が含有されている。使用される磁性粉末としては、強磁
性金属粉末が挙げられる。
【0024】強磁性金属粉末としては、Fe、Ni、C
oおよびこれらの合金が例示され、α−Fe、Fe−C
o、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co、Co−Ni
等の強磁性金属元素を主成分とするものを用いる場合、
金属(Fe、Co、Ni等)または合金を70wt%以
上含むことが好ましく、さらには75wt%以上含むこ
とが好ましい。また、Feを主成分とし、さらに少なく
ともCoを含有する強磁性金属粉末においては、そのF
e原子に対するCo原子の量は5〜40wt%、好まし
くは6〜35wt%である。また、Feおよび/または
Coを主成分とする強磁性金属粉末においては、さらに
Yを含む希土類元素を含有するものが好ましい。さらに
これら強磁性金属粉末は、粒子表面に酸化被膜あるい
は、一部炭化ないし窒化された強磁性金属粉末、または
表面に炭素質被膜がなされた強磁性金属粉末であっても
よい。上記強磁性金属粉末については、少量の水酸化物
または酸化物を含んでもよい。これら強磁性金属粉末
は、公知の製造方法により得られたものを用いることが
でき、下記の方法をあげることができる。製造方法の例
としては、強磁性金属の有機酸塩(主としてシュウ酸
塩)と水素等の還元性気体で還元する方法、含水酸化鉄
または含水酸化鉄を加熱して得た酸化鉄を水素等の還元
性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解
する方法、強磁性合金の水溶液に水素化ホウ素ナトリウ
ム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジン等の還元剤を用い
て還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させ
て微粉末を得る方法等である。このようにして得られた
強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤
に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したの
ち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したの
ち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性
ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法の
いずれを施したものでも用いることができる。
【0025】なお、これら上記のすべての磁性粉末に
は、Al、Si、Cr、Mn、Co、Ni、Zn、C
u、Zr、Ti、Bi、Ag、Pt、B、C、P、N、
S、Sc、V、Mo、Rh、Pd、Sn、Sb、Te、
Ba、Ca、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、L
a、Sr、希土類等の元素を少量添加したものであって
もよく、これらの元素の中でもとくに、Al、Si、
P、希土類元素を添加することによって粒度分布を向上
させ、焼結を防止する等の効果がある。またこれら磁性
粉末には、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物膜で覆
ったものでも、Si、Al、Ti等のカップリング剤や
各種の界面活性剤等で表面処理したものでもよい。強磁
性金属粉末は水に可溶性のNa、K、Ca、Fe、Ni
等の無機イオンを含む場合があるが、その量は好ましく
は500ppm以下である。
【0026】これらの磁性粉末にはあとで述べる分散
剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤等で分散前にあら
かじめ処理を行ってもかまわない。磁性粉末の含水率は
0.1〜2%であればよいが、結合剤の種類によって最
適化することが好ましい。磁性粉末のpHは用いる結合
剤との組み合わせにより最適化することが好ましく、そ
の範囲は、4〜12であるが、好ましくは8〜12であ
る。これらの磁性粉末をBET法による比表面積で表せ
ば55〜80m/gであり、好ましくは60〜70m
/gであり、55m/g未満ではノイズが高くな
り、80m/gを超える場合では分散が困難であり、
好ましくない。
【0027】このような磁性粉末は、通常バインダー1
00wt%に対し400〜2000wt%程度含有さ
れ、磁性層中の磁性粉末の含有量は、全体の75〜95
wt%、好ましくは80〜90wt%とし、磁性粉末の
含有量が多すぎると磁性層中の樹脂を始めとする添加物
の量が相対的に減少するため、磁性層の耐久性が低下す
る等の欠点が生じやすくなり、少なすぎると高い再生出
力を得られない。これらの磁性粉末は、それぞれ単独で
使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0028】これらの磁性粉末の中でも特に、Feに対
して5〜40wt%のCoを含む強磁性金属磁性粉末で
あって、飽和磁化量σsが120emu/g以上(特
に、125emu/g〜170emu/g)かつ平均長
軸長さが0.08μm以下(特に、0.06μm〜0.
07μm)の強磁性金属磁性粉末を用いた時には、本発
明の超音波処理の効果が特に媒体特性の観点から顕著に
現れる。磁性塗料に使用される結合剤としては、熱可塑
性樹脂、熱硬化性ないし反応型樹脂、電子線官能型変性
樹脂等が用いられ、その組み合わせは媒体の特性、工程
条件に合わせて適宜選択使用される。
【0029】熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150
℃以下、平均分子量5,000〜200,000、重合
度50〜2,000程度のものであり、熱硬化樹脂、反
応型樹脂または電子線官能型変性樹脂も熱可塑性樹脂同
様の平均分子量、重合度のものであって、塗布、乾燥、
カレンダー加工後に加熱、および/または電子線照射す
ることにより、縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなるものである。
【0030】これらのうちで、好ましく用いられるもの
としては、以下に示すような塩化ビニル系共重合体およ
びポリウレタン樹脂の組み合わせである。塩化ビニル系
共重合体は、塩化ビニル含有量60〜95wt%、特に
60〜90wt%のものが好ましく、その平均重合度は
100〜500程度であることが好ましい。
【0031】このような塩化ビニル系樹脂としては、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−マレイン酸、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート−マレイン酸、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール−グリシジル(メタ)ア
クリレート、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート、塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−グリシジル
(メタ)アクリレート共重合体、塩化ビニル−ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエ
ーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−
アリルグリシジルエーテル等の共重合体があるが、特に
塩化ビニルとエポキシ(グリシジル)基を含有する単量
体との共重合体が好ましい。このような塩化ビニル系共
重合体としては、硫酸基および/またはスルホ基を極性
基(以下S含有極性基という)として含有するものが好
ましく、S含有極性基(−SOY、−SOY)にお
いて、YがH、アルカリ金属のいずれであってもよい
が、Y=Kで、−SOK、−SOKであることが特
に好ましく、これらS含有極性基は、いずれか一方であ
っても、両者を含有するものであってもよく、両者を含
むときにはその比は任意である。また、これらのS含有
極性基は、S原子として分子中に0.01〜10wt
%、とくに0.1〜5wt%含まれていることが好まし
い。
【0032】また極性基としては、必要に応じS含有極
性基の他に、−OPOY基、−POY基、−COO
Y基(YはH、アルカリ金属)、アミノ基(−N
)、−NRCl(RはH、メチル、エチル)等を
含有させることもできる。この中で、アミノ基は前記S
と併用しなくとも良く、また種々のものであってもよい
が、特にジアルキルアミノ基(好ましくは炭素原子数1
〜10のアルキル)が好ましい。
【0033】このようなアミノ基は通常、アミン変性に
よって得られ、塩化ビニル・アルキルカルボン酸ビニル
エステルの共重合体をアルコール等の有機溶剤に分散あ
るいは溶解させ、その中にアミン化合物(脂肪族アミ
ン、脂環状アミン、アルカノールアミン、アルコキシア
ルキルアミン等の第1級、第2級もしくは第3級アミン
等)と、容易にケン化反応を進行させるためのエポキシ
基含有化合物とを加えてケン化反応を行うことで得ら
れ、そのアミノ基を有するビニル単位が0.05〜5w
t%で、なおアンモニウム塩基が結果的に含まれていて
も良い。
【0034】これらのS含有極性基が結合する樹脂骨格
は、塩化ビニル系樹脂であり、塩化ビニル、エポキシ基
を有する単量体、さらに必要に応じてこれらと共重合可
能な他の単量体を、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等のSを含む強酸根を有するラジカル発生剤の存在下
に重合して得ることができ、これらのラジカル発生剤の
使用量は、単量体に対して通常は0.3〜9.0wt
%、好ましくは1.0〜5.0wt%であり、重合にお
いては水溶性のものが多いので、乳化重合あるいは、メ
タノール等のアルコールを重合媒体とする懸濁重合や、
ケトン類を溶媒とする溶液重合が好適である。
【0035】この際、Sを含む強酸根を有するラジカル
発生剤に加えて通常塩化ビニルの重合に用いられるラジ
カル発生剤を使用することも可能である。また、Sを含
む強酸根を有するラジカル発生剤に、ホルムアルデヒド
スルホキシル酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせることも可能であ
る。
【0036】さらに、エポキシ基を有する単量体の例と
しては、(メタ)アリルグリシジルエーテル等の不飽和
アルコールのグリシジルエーテル類、グリシジル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のグリシジル
エステル類、グリシジル−p−ビニルベンゾエート、メ
チルグリシジルイタコネート、グリシジルエチルマレー
ト、グリシジルビニルスルホネート、グリシジル(メ
タ)アリルスルホネート等の不飽和酸のグリシジルエス
テル類、ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキ
センモノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシヘ
キセン等のエポキシドオレフィン類等が挙げられ、一般
には共重合体中のエポキシ基の量が0.5wt%以上と
なる範囲で使用される。
【0037】塩化ビニルとエポキシ基を有する単量体の
ほかに必要に応じて使用することのできる単量体の例と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン
酸ビニルエステル、メチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエー
テル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のビニリデ
ン、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジル、
マレイン酸ジ−2−ヒドロキシメチル、イタコン酸ジメ
チル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸−2−ヒドロキシプロピル等の不飽和カルボン酸エ
ステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、(メ
タ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル等が挙げられ
る。
【0038】このような塩化ビニル系樹脂と併用するポ
リウレタン樹脂は、耐摩耗性および支持体への接着性が
良い点で特に有効であり、これらには、側鎖に極性基、
水酸基等を有するものであっても良く、とくに硫黄また
は燐を含有する極性基を含有しているものが好ましい。
【0039】これらポリウレタン樹脂とは、ポリエステ
ルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール等
のヒドロキシ基含有樹脂とポリイソシアネート含有化合
物との反応により得られる樹脂の総称であって、下記に
詳述する合成原料を数平均分子量で500〜20000
0程度に重合したもので、そのQ値(重量平均分子量/
数平均分子量)は1.5〜4程度である。
【0040】またこれらのウレタン樹脂は、用いる結合
剤中において、ガラス転移温度Tgが−20℃≦Tg≦
80℃の範囲で異なるものを少なくとも2種類以上、さ
らにその合計量が全結合剤の10〜90wt%であり、
これらの複数のポリウレタン樹脂を含有することで、高
温度環境下での走行安定性とカレンダ加工性、電磁変換
特性のバランスが得られる点で好ましい。さらにこれら
塩化ビニル系共重合体と、Sおよび/またはP含有極性
基含有ウレタン樹脂とは、その重量混合比が10:90
〜90:10となるように混合して用いることが好まし
い。なお、これらの樹脂に加えて、全体の20wt%以
下の範囲で、公知の各種樹脂が含有されていてもよい。
【0041】これらのウレタン樹脂の原料のうち、ヒド
ロキシ基含有樹脂としてはポリエチレングリコール、ポ
リブチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレングリコール、ビスフェノールA等のアル
キレンオキサイド付加物、各種のグリコールおよびヒド
ロキシル基を分子鎖末端に有するポリエステルポリオー
ル等が挙げられる。
【0042】ポリエステルポリオールのカルボン酸成分
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、1,5−ナフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−
オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸
等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の
不飽和脂肪酸および脂環族ジカルボン酸、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリおよびテト
ラカルボン酸等を挙げることができる。
【0043】また、ポリエステルポリオールのグリコー
ル成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールA等のエチレンオキサイ
ド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビ
スフェノールAのエチレンオキサイドおよびプロピレン
オキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が
ある。また、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等のトリお
よびテトラオールを併用してもよい。ポリエステルポリ
オールとしては他にカプロラクトン等のラクトン類を開
環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール
鎖が挙げられる。
【0044】使用されるポリイソシアネートとしては、
トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ジイソシアネ
ートメチルシクロヘキサン、ジイソシアネートシクロヘ
キシルメタン、ジメトキシビフェニレンジイソシアネー
ト、ジイソシアネートジフェニルエーテル等のジイソシ
アネート化合物あるいは、全イソシアネート基のうち7
モル%以下のトリレンジイソシアネートの三量体、ヘキ
サメチレンジイソシアネートの三量体等のトリイソシア
ネート化合物が挙げられる。
【0045】これらの樹脂中に含まれる極性基として、
S含有基としては−SOM(スルホン酸基)、−SO
M(硫酸基)、リン酸含有極性基としては、ホスホン
酸基=POM、ホスフィン酸基=POM、亜ホスフ
ィン酸基=POM、−P=O(OM1)(OM2)、−
OP=O(OM1)(OM2)、−COOM、−NR
X(ここで、M、M1、M2は、H、Li、Na、K、
−NR、−NHRを示し、Rはアルキル基もしくは
Hを示し、Xはハロゲン原子を示す)−OH、−N
、−N、(Rは炭化水素基)、エポキシ基、
−SH、−CN等から選ばれる少なくとも一つ以上の極
性基を共重合または付加反応で導入したものを用いるこ
とが好ましく、このうちMとしては特にNaが好まし
く、これら極性基は、原子として分子中に0.01〜1
0wt%、特に0.02〜3wt%含まれていることが
好ましく、これら極性基は骨格樹脂の主鎖中に存在して
も、分枝中に存在してもよい。このようなウレタン樹脂
は公知の方法により、特定の極性基含有化合物および/
または特定の極性基含有化合物と反応させた原料樹脂等
を含む原料とを溶剤中、または無溶剤中で反応させるこ
とにより得られる。
【0046】これら以外の熱可塑性樹脂としては、例え
ば(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール、ニトロセルロース、スチレン−ブ
タジエン系共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、アセ
タール樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリカプロラクトン等の多官能性ポリエ
ーテル類、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリブタジエンエラストマー、塩化ゴム、アク
リルゴム、イソプレンゴム、エポキシ変性ゴム等を挙げ
ることができる。
【0047】また熱硬化性樹脂としては、縮重合するフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、ブチラール樹脂、ポルマール樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル
系反応樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ−ポリアミド樹
脂、飽和ポリエーテル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂
等が挙げられる。
【0048】上記共重合体の中でも、末端およびまたは
側鎖に水酸基を有するものが反応型樹脂として、イソシ
アナートを使用した架橋や電子線架橋変性等が容易に利
用できるため好適であり、さらに末端や側鎖に極性基と
して−COOH、−SOM、−OSOM、−OPO
X、−POX、−POX、−NCl、−
NR等をはじめとする酸性極性基、塩基性極性基等を
含有していてもよく、これらの含有は分散性の向上に好
適である。これらは一種単独で使用しても、二種以上を
組み合わせて使用してもよい。
【0049】バインダー樹脂を硬化する架橋剤として
は、各種ポリイソシアナートを用いることができ、トリ
レンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、メチレンジイソシアナート等の1種以上を、トリメ
チロールプロパン等の水酸基を複数有するものに変性し
た架橋剤、またはジイソシアネート化合物3分子が結合
したイソシアヌレート型の架橋剤を用いることが好まし
く、架橋剤の含有量は樹脂100wt%に対し、1〜5
0wt%とすることが好ましく、この架橋剤によりバイ
ンダー樹脂に含有される水酸基等と三次元的に結合して
塗膜層の耐久性が向上できる。具体的には日本ポリウレ
タン工業社製のコロネートL、HL、3041、旭化成
社製の24a−100、TPI−100、BFGood
rich社製のデスモジュールL、N等が挙げられる。
一般にこのような、反応性または熱硬化性樹脂を硬化す
るには、加熱オーブン中で50〜80℃にて6〜100
時間加熱したり、あるいは低速度にて、80〜120℃
のオーブン中を走行させたりする。
【0050】さらに上記共重合体に公知の手法により、
(メタ)アクリル系二重結合を導入して電子線官能変性
を行ったものを使用することも可能である。この電子線
官能変性を行うには、トリレンジイソシアネート(TD
I)と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2
−HEMA)との反応物(アダクト)とを反応させるウ
レタン変性、エチレン性不飽和二重結合を1個以上およ
びイソシアネート基1個を1分子中に有し、かつウレタ
ン結合を分子中に持たないモノマー(2−イソシアネー
トエチル(メタ)アクリレート等)を用いる改良型ウレ
タン変性と水酸基やカルボン酸基を有する樹脂に対し
(メタ)アクリル基とカルボン酸無水物あるいはジカル
ボン酸を有する化合物を反応させてエステル変性する方
法とがよく知られているが、これらの中でも改良ウレタ
ン変性が、塩化ビニル系樹脂の含有比率を上げても脆く
ならず、しかも分散性、表面性にすぐれた塗膜を得るこ
とができるため好ましい。
【0051】またその電子線官能基含有量は、製造時の
安定性、電子線硬化性等から水酸基成分中1〜40モル
%、好ましくは10〜30モル%であり、特に塩化ビニ
ル系共重合体の場合、1分子あたり1〜20個、好まし
くは2〜10個の官能基となるようにモノマーを反応さ
せると分散性、硬化性ともに優れた電子線硬化性樹脂を
得ることができる。ここにいうアクリル系二重結合と
は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリル酸アミドの残基である(メタ)ア
クリロイル基をいう。これら電子線官能性樹脂を用いる
場合、架橋率を向上させるために従来公知の多官能アク
リレートを1〜50wt%混合して使用してもよい。
【0052】電子線官能性変性樹脂をバインダーとして
用いた場合の硬化に際しての照射線源としては、吸収線
量の制御、製造工程ラインへの導入、電離放射線の遮蔽
の見地から、電子線を使用する方法および/または紫外
線を使用する方法が有利であり、電子線の場合には加速
電圧100KV〜750KV、好ましくは150〜30
0KVの電子線加速器を用い、吸収線量を20〜200
キログレイになるように照射するのが好都合である。ま
た電子線架橋に際しては、酸素濃度が1%以下のN
He、CO等の不活性ガス雰囲気で電子線を照射する
ことが重要で、これは放射線照射により生じたO等が
ラジカルを捕捉するのを防ぐためである。
【0053】一方、紫外線を用いる場合には、電子線硬
化性樹脂を含有するバインダーの中には、従来公知の光
重合増感剤が加えられ、その照射については、キセノン
放電管、水素放電管等の紫外線電球等を用いればよい。
【0054】さらに磁性塗料に含有される溶剤として
は、特に制限はないが、バインダーの溶解性、相溶性お
よび乾燥効率等を考慮して適宜選択され、例えばメチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、イソ
プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジオキサ
ン、テトヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
ン、塩素置換炭化水素類等の希釈剤ないし溶剤を単一溶
剤またはこれらの任意比率の混合溶剤として用いる。
【0055】これら有機溶剤は必ずしも100%純粋で
はなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分
解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない
が、これらの不純分は5wt%以下が好ましく、さらに
好ましくは3wt%以下であることが必要で、不純物が
多いと磁性粉の分散性、塗料の貯蔵安定性、磁性層の硬
化特性、媒体における保存特性等に悪影響を及ぼす。
【0056】塗料全体の溶剤の使用割合としては、固形
分(不揮発分)濃度5〜40wt%、好ましくは10〜
35wt%程度となるように用いればよいが、その溶剤
種、混合比率、使用量の決定には塗料に用いられている
顔料の種類、比表面積、粒子サイズ、磁性粉であればそ
の磁化量、顔料の体積または重量充填度、さらには塗料
の希釈安定性等を考慮して用いればよい。
【0057】また、溶剤添加操作は、塗料の製造の各工
程において段階的に行うことが好ましく、流量規制して
タンク内に攪拌しながら順次添加したり、配管で塗料と
徐々に混合する等の操作を行うことがよく、さらに可能
であれば溶剤添加時または希釈時に濾過および/または
分散処理を行うことがさらに好ましく、これらの操作を
行うことにより塗料の安定性と凝集物、異物の発生を抑
えることが可能となるからである。
【0058】磁性塗料中には、通常、潤滑剤が含有され
る。用いる潤滑剤としては、公知の種々の潤滑剤の中
で、特に脂肪酸および/または脂肪酸エステルを用いる
のが好ましく、炭素数12〜24(不飽和結合を含んで
も、また分枝していてもかまわない)の一塩基性脂肪
酸、炭素数10〜24(不飽和結合を含んでも、また分
枝してもかまわない)の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜2
2(不飽和結合を含んでも、また分枝してもかまわな
い)の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコー
ル、ソルビタン、ソルビトール等の環状もしくは多糖類
還元アルコール等のいずれか一つとからなるモノ脂肪酸
エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステル、こ
れらの混合物、または2種類以上を併用してもよい。
【0059】これらの具体例として一塩基性脂肪酸につ
いては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベ
ヘン酸、エルカ酸、エライジン酸等を挙げることがで
き、脂肪酸エステルについてはブチルミリステート、ブ
チルパルミテート、ブチルステアレート、ネオペンチル
グリコールジオレエート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステア
レート、オレイルオレエート、イソセチルステアレー
ト、イソトリデシルステアレート、オクチルステアレー
ト、イソオクチルステアレート、アミルステアレート、
ブトキシエチルステアレート等が挙げられる。
【0060】これらの脂肪酸および/または脂肪酸エス
テルの潤滑剤、分散剤としての効果は、強磁性微粉末に
対して、その合計量として0.1wt%以上含有させる
ことによって出現し、含有率を増加させることにより、
その効果は顕著になるが、その含有率が強磁性微粉末に
対して、その合計量が20wt%を越えると、磁性層中
に留まりきれずに塗膜表面に吐出し、磁気ヘッドを汚し
たり、出力を低下させる等の悪影響を及ぼす。このた
め、脂肪酸および/または脂肪酸エステルの磁性層中に
おける含有量は、強磁性微粉末に対してその合計量とし
て0.1〜20wt%がよく、1〜15wt%が好まし
く、1〜12wt%がより好ましい。
【0061】また、潤滑剤は磁性層以外にもバックコー
ト層、下地層等に含有させることが好ましく、特に磁性
層が薄い場合等は、下地層に含有させることでスチル耐
久性の向上ができるため有効である。さらに、バックコ
ート層がある場合は、潤滑剤をバックコート層側に多く
含有させて、磁性層表面への転写による表面潤滑性の向
上を図ることができる。
【0062】これらの脂肪酸および/または脂肪酸エス
テルは必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異
性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分
が含まれてもかまわない。これらの不純分は40%以下
が好ましく、さらに好ましくは20%以下である。
【0063】また、用いられる脂肪酸、脂肪酸エステ
ル、添加剤等のすべてまたはその一部は、磁気記録媒体
構成用の塗料製造のどの工程で添加してもかまわない。
例えば、混練工程前に顔料粉末と混合する場合、顔料粉
末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散
工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前
に添加する場合、溶剤に希釈または分散させた溶液を予
め塗布した層上に塗布する等の方法がある。
【0064】磁性塗料中には、通常、潤滑効果、帯電防
止効果、分散効果、可塑効果等を発現させるための添加
剤を含有される。例えば、シリコ−ンオイル類、フッ素
オイル、フッ素置換炭化水素基含有のアルコール、脂肪
酸、エステル、エーテル類、パラフィン類、前記一塩基
性脂肪酸類の金属(Li、Na、K、Ca、Ba、C
u、Pb等)塩類、前記脂肪酸エステル製造用アルコー
ル類、アルコキシアルコール類、ポリエチレンオキシド
付加モノアルキルエーテルの脂肪酸エステル類、脂肪族
または環状アミン類、脂肪酸アミド類、第四級アンモニ
ウム塩類、ポリオレフィン類、ポリグリコール、ポリフ
ェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよ
びそのアルカリ金属塩、アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレ
ンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、ホスホニ
ウムまたはスルホニウム等のカチオン系界面活性剤およ
びそのアルカリ金属塩、カルボン酸、スルホン酸、燐
酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含む
アニオン界面活性剤およびそのアルカリ金属塩、アミノ
酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸ま
たは燐酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面
活性剤等も使用できる。
【0065】これらの界面活性剤については、「界面活
性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載され
ている。これらの添加量は、磁性粉末に対して総計10
wt%以下、特に0.01〜5wt%とし、磁性粉末が
存在しない場合には、結合剤に対して0.005〜50
wt%の範囲で用いれば良い。
【0066】さらに、磁性塗料中には無機化合物を含有
させてもよい。使用できる無機質粉末としては、例え
ば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属
窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質粉末が挙げ
られる。具体的には、α−アルミナ、β−アルミナ、γ
−アルミナ、θ−アルミナ、δ−アルミナ、三酸化二ク
ロム、α−酸化鉄、γ−酸化鉄、ゲータイト、Si
、ZnO、TiO、ZrO、SnO、窒化珪
素、窒化硼素、炭化珪素、炭化チタン、炭化モリブデ
ン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、二硫化モリブデン、二硫
化タングステン、人造ダイアモンド等が単独または組合
わせて使用される。これらの無機化合物は、磁性粉末に
対して、重量比率で0.1〜20wt%の範囲で用いら
れる。これらの無機化合物は磁性層の要求特性に合わせ
て適宜組み合わせて用いればよい。
【0067】これら無機質粉末の粒子の形状、サイズ等
は任意に設定すれば良いが、粒子形状は球状、粒状また
は多面体が好ましく、粒子サイズは好ましくは0.01
〜0.7μmであり、これらは必要に応じて、媒体に要
求される耐久性とヘッド摩耗および最短記録波長におけ
る出力のバランスから適宜選択すれば良く、単一系でも
混合系でも良く、単独で粒度分布等を選択することもで
きる。上記の無機化合物は、必ずしも100%純粋であ
る必要はなく、主成分が70%以上あれば効果は減少し
ない。
【0068】またこれらの無機化合物の水に可溶なアル
カリ金属、アルカリ土類金属、塩素、硫酸、硝酸等のイ
オンが少ないことが必要で、その量が多いと媒体化した
ときの保存特性に悪影響を及ぼす。さらに、これらの無
機化合物は、磁性粉末との混練時または分散時に同時に
添加しても良いし、あらかじめ結合剤で分散しておい
て、磁性塗料の分散時に添加してもかまわない。
【0069】さらに、磁性塗料中には、カーボンブラッ
クを含有させてもよい。カーボンブラックとしてはファ
ーネスカーボンブラック、サーマルカーボンブラック、
アセチレンブラック等を用いることができる。これらの
カーボンブラックの粒子サイズ等は任意に設定すれば良
いが、媒体に要求される電気抵抗と摩擦特性および最短
記録波長における出力のバランス(カーボンブラックを
添加した際の媒体の表面粗さ)から適宜選択すれば良
く、単一系でも混合系でも良く、単独で粒度分布等を選
択することもできる。これらカーボンブラックの平均粒
径は10nm〜400nm、好ましくは20〜350n
mであり、さらに詳細には、電磁変換特性を優先的に考
慮すると20〜40nmが好ましく、摩擦特性を重視す
る場合は40〜350nmの範囲で電磁変換特性におい
て許容される可能な限り大きな粒径を用いることが好ま
しい。また、カーボンブラックの選定においては、粒子
サイズのみならず、BET値、DBP値を考慮する必要
があるが、カーボンブラックの粒子サイズ、BET値お
よびDBP値は密接に関係するため、単独でかけ離れた
数値とすることは実現不可能であるため、これらの三要
素は媒体の要求特性と塗料における分散特性、流動特性
とにより実験的に選定することが必要である。
【0070】これらのカーボンブラックは、結合剤に対
して、重量比率で10〜500wt%、あるいは磁性粉
末に対して、0.1〜20wt%の範囲で用いられる
が、媒体の要求特性と塗料における分散特性、流動特性
とにより実験的に選定することが必要である。これらの
カーボンブラックは磁性層、バックコート層、下地層等
の要求特性に合わせて適宜組み合わせて用いればよい。
さらに、これらのカーボンブラックは、磁性粉との混練
時または分散時に同時に添加しても良いし、あらかじめ
結合剤で分散しておいて、磁性塗料の分散時に添加して
もかまわない。また、これらのカーボンブラックを潤滑
剤、分散剤等で表面処理したり、表面の一部をグラファ
イト化したもの等を使用してもかまわない。本発明で使
用できるカーボンブラックは、例えば、「カーボンブラ
ック便覧」、カーボンブラック協会編を参考にすること
ができる。
【0071】さらに磁性塗料中には、非強磁性有機質粉
末を含有させてもよい。用いられる非強磁性有機質粉末
としては、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナ
ミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系
顔料、アゾ系顔料、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエ
ステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド
系樹脂粉末、フッ化炭化水素樹脂粉末、ジビニルベンゼ
ン系樹脂粉末等が挙げられる。このような非強磁性有機
質粉末は、結合剤に対して、重量比率で0.1〜20w
t%の範囲で用いられる。
【0072】このような磁性塗料が塗設される支持体と
しては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、
ポリオレフィン類、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリスルホンセルローストリアセテート、ポ
リカーボネート等の公知のフィルムを使用することがで
き、好ましくは、PET、PEN、芳香族ポリアミドで
あり、さらに好ましくは、PETないしPENの2種な
いし3種による多層共押出しによる複合化フィルムまた
は芳香族ポリアミドであり、これらのフィルムを使用す
ると電磁変換特性、耐久性、摩擦特性、フィルム強度、
生産性のバランスが得やすい。
【0073】また、これらの支持体には、フィラーとし
てAl、Ca、Si、Ti等の酸化物や炭酸塩等の無機
化合物、アクリル樹脂系微粉末等の有機化合物等を添加
することが好ましく、これらの量と大きさにより表面性
を自由にコントロールすることが可能となり、電磁変換
特性、耐久性、摩擦特性等をコントロールすることが可
能である。さらに、これらの支持体には、あらかじめコ
ロナ放電処理、プラズマ放電および/または重合処理、
易接着剤塗布処理、除塵処理、熱および/または調湿に
よる緩和処理等を行っても良い。
【0074】これら支持体の中心線表面粗さが0.03
μm以下、好ましくは0.02μm以下、更に好ましく
は0.01μm以下のものを使用する必要があり、これ
らの支持体は単に中心線平均表面粗さが小さいだけでな
く、0.5μm以上の粗大突起がないことが好ましい。
また、支持体のテープ走行方向およびテープ幅方向のい
わゆるF−5の値は、好ましくは5〜50kg/mm
であり、テープ長手方向のF−5がテープ幅方向のF−
5値より高いのが一般的であるが、特に民生用DVTテ
ープのように幅方向の強度を高くする必要がある場合も
ある。また、支持体のテープ走行方向および幅方向の1
00℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さら
に好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率
は好ましくは1%以下、さらに好ましくは、0.5%以
下である。また、支持体の破断強度は、両方向とも5〜
100kg/mm、弾性率は100〜2000kg/
mmが好ましい。
【0075】このような支持体に磁性塗料を塗設する方
法としては、同時多層塗布が可能な点で優れ超音波処理
後の塗布待機時間を制御しやすい押出しノズル塗布法が
特に好ましい。
【0076】このような方法により支持体上に塗設され
た磁性塗料(このものはいわゆる磁性層を形成する)
は、必要に応じて、磁場配向処理、乾燥処理、平滑化処
理等が施される。しかる後、例えば、所望の形態に裁断
等されて磁気記録媒体が形成される。なお、磁性層を形
成するに際して、いわゆる上層と下層非磁性層の2層積
層体構造とすることも一般に行われており、この場合に
おいて、上層を形成する磁性塗料にのみ本発明で用い
る超音波処理を施したり、上層を形成する磁性塗料お
よび下層を形成する非磁性塗料の双方に本発明で用いる
超音波処理を施したりすることができる。
【0077】特に、磁性層の下にカーボンブラックや、
カーボンブラックと同程度に粒径が小さく塗料安定性の
良くない無機系ないしは有機系の非強磁性粉末(以下、
総称して非磁性粉末という)を含有させた下層を形成す
る場合においても、当該下層用の塗料に本発明で用いる
超音波処理を施すことは、塗料の安定性を向上させるた
めに有効な手段である。下地層に含有されるカーボンブ
ラックとしては、前述したファーネス、サーマル、アセ
チレンブラック等を用いることができる。下地層に含有
される無機系の非強磁性粉末としては、前述した無機質
粉末が単独または組み合わせて用いられる。
【0078】このような無機系の非強磁性粉末の粒子サ
イズは、一般的に、粒状、球状、多面体状の場合、0.
01〜0.3μmが好ましい。また、このものの形状が
針状の場合、長軸長は0.03〜0.3μm、好ましく
は0.05〜0.15μmとされ、針状比は、5〜2
0、好ましくは5〜15とされる。また、このものの形
状が板状の場合、板径は、0.05〜1.0μm、好ま
しくは、0.05〜0.5μmとされ、板状比(板径と
厚みとの比)は、5〜20、好ましくは10〜20とさ
れる。このような無機系の非強磁性粉末は、必ずしも1
00%純粋である必要はなく、目的に応じて表面を他の
化合物、例えば、Al、Si、Ti、Zr、Sn、S
b、Zn等の各化合物で処理し、それらの酸化物を表面
に形成しても良い。さらに場合によっては、ポリエチレ
ングリコール等の有機物で表面処理を行ってもよい。有
機系の非強磁性粉末としては、前述の有機化合物の中か
ら適宜選定すればよい。なお、下地層に用いられる結合
剤(バインダー)は、前述した結合剤の中から適宜、選
定すればよい。
【0079】
【実施例】以下の実施例によって本発明の構成、効果を
具体的に説明するが、以下に示す成分、割合、操作順序
は本発明の範囲に逸脱しない範囲において種々変更可能
であり、以下の実施例に限定されるものではない。尚、
以下の実施例において、「部」はすべて重量部である。
【0080】下記組成を有する上層用磁性塗料および下
層用塗料の各成分を、加圧ニーダーを用いて混練処理し
たのち、サンドミルを用いて分散して上層用磁性塗料お
よび下層用塗料を調整した。
【0081】 <上層用磁性塗料> 強磁性金属粉末(長軸径、抗磁力、飽和磁化量は各表に示されたものを使用) 100部 スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製 MR−110 ) 10部 スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績社製 UR−870 0) 8部 α−アルミナ(平均粒径:0.15μm) 8部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/トルエン=3
0/35/35の比率で各表に示した固形分濃度に調整
【0082】 <下層用非磁性塗料> 針状α−Fe(長軸径:0.15μm) 100部 スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製 MR−110 ) 12部 スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績社製 UR−870 0) 8部 α−アルミナ(平均粒径:0.20μm) 5部 ステアリン酸 2部 ブチルステアレート 2部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 得られた上層用磁性塗料および下層用非磁性塗料のそれ
ぞれに、ポリイソシアネート化合物(コロネートL、日
本ポリウレタン工業社製)5部を添加した。
【0083】実施例および比較例 前述の上層用磁性塗料を各表に示した条件で超音波処理
を行った後、同様に各表に示した待機時間をおいて塗布
されるような条件で、磁性塗料を単独で、もしくは上層
用磁性塗料および下層用塗料を用いてウェット−オン−
ウェット方式により重層で支持体(PEN:5.0μ
m)上に塗布した。ただし、塗布は塗料にポリイソシア
ネート化合物を添加してから、2時間以内に行われるよ
うにした。塗布後、塗膜が未乾燥であるうちに乾燥炉内
でソレノイド磁石を使用して各表に示した磁場強度で配
向処理を行い、続いて乾燥を施してから、カレンダーで
表面平滑化処理を行い、各表に示された厚さを有する単
層もしくは上層および下層からなる磁性層を形成した。
【0084】更にこの磁性層とは反対側の前記支持体の
面(裏面)に0.5μmのバックコート層を形成し、広
幅の磁気テープ原反を得た。
【0085】こうして得られた磁気テープ原反を8mm
にスリットし、8mmビデオカセットにローディングし
て磁気記録媒体を作成した。
【0086】測定方法 <磁気特性:角型比SQx、SQy>東英工業(株)製
VSMを使用して、印加磁界10kOeで測定を行い、
塗布方向および塗布直角方向の角型比SQx、SQyを
測定した。
【0087】<表面粗さ:Ra>ランク・テーラー・ホ
ブソン社製表面粗さ測定装置「タリステップ」を使用し
て、スタイラス0.1×25μmを使用、倍率5万倍、
測定長0.5mm、測定速度0.0025mm/se
c、フィルタカットオフ0.33Hzの条件で測定し、
JIS B 0601に準拠してRaを求めた。
【0088】<電磁変換特性:RF−OUT、C/N>
ソニー(株)製Hi8デッキ:EV−BS3000を使
用して、7.6MHzの記録波長の再生出力とC/Nと
を測定した。測定結果は各表に示した標準を0dbとし
た相対値で示した。
【0089】超音波処理装置/条件 磁性塗料の超音波処理に用いた超音波処理装置および塗
布概略図を図1に示した。図に示した超音波ホーンの作
動端面と作動端面に対向する超音波処理槽の壁面とには
さまれた部分の体積がこの超音波処理装置の処理容量と
なる。超音波は、発振周波数20kHz、振幅25μm
の条件で照射した。この時の超音波処理槽内の圧力は送
液流量および配管内径等によって変化したが、0.5〜
1.5kgf/cmの範囲内であった。超音波処理時
間tおよび塗布待機時間の調整は、超音波処理装置の連
結台数、磁性塗料の送液流量、超音波処理後から塗布ま
での配管容量を変化させることで行った。磁性塗料の送
液流量は支持体上に目標磁性層膜厚を形成するための必
要磁性塗料流量と過剰磁性塗料流量からなり、過剰分の
塗料はコーターから引き抜いて送液タンクに戻してい
る。ただし、一度超音波処理された塗料が混入すること
による影響を無視できるように、引き抜き用の配管容量
および送液タンクの容量は十分大きく設定してある。超
音波処理後から塗布までの配管容量の調節は中間に設置
するフィルターの容量の変化や、配管自体の内径を変化
させることで行った。
【0090】超音波処理時間tは 超音波処理時間t=(装置1台の処理容量×台数)/
(必要塗料流量+過剰塗料流量) で示される。また、塗布待機時間Tは 塗布待機時間T=(超音波処理後からコーター出口まで
の配管容量)/(必要塗料流量+過剰塗料流量) で示される。複数の超音波処理装置を連結して使用した
場合は、厳密には処理装置間で超音波処理が行われない
時間が生じるが、超音波処理時間は各処理装置で受けた
処理時間の合計とし、塗布待機時間は超音波処理が最後
になされてから(超音波処理槽内の超音波作動部分を通
過してから)支持体上に塗布されるまでの時間とした。
【0091】結果 表1、表2に単層での実施例/比較例を示した。表のよ
うに、本発明の範囲の磁性粉を用い、本発明の超音波処
理条件範囲で処理を行うことで、RF−OUT、C/N
ともに良好な磁気テープを得ることができる。本発明の
範囲外の処理条件(処理時間が短い、または塗布待機時
間が長い)では角形比SQx、SQyともに不良で、か
つ表面の平滑性も不充分であり、RF−OUT、C/N
とも低い。磁性粉の平均長軸長が0.08μm以上では
C/Nが低く、また飽和磁化量σsが120emu/g
未満ではRF−OUTが低くなり良好な磁気テープを得
ることはできない。また、塗布装置の構成上、塗布待機
時間を10秒未満とするには、例えば超音波処理装置と
コーターを直結する/コーター内で超音波処理をする等
の方法で配管容量を極力少なくすることで可能である。
しかし、コーターと超音波処理装置を近づけすぎると超
音波処理装置の振動の影響が塗布精度にあらわれるよう
になり、均一塗布ができなくなる。特に上層が0.20
μm以下の薄膜重層の場合にその影響が顕著にあらわ
れ、重層塗布は不可能となる。
【0092】次に、表3〜表6に下層に非磁性層を用い
た重層の磁性層での実施例/比較例を示した。重層でも
本発明の範囲の磁性粉を用い、本発明の超音波処理条件
範囲で処理を行うことでRF−OUT、C/Nともに良
好な磁気テープを得ることができる。本発明の範囲外の
処理条件(処理時間が短いまたは、塗布待機時間が長
い)では角形比SQx、SQyともに不良で、かつ表面
の平滑性も不充分であり、RF−OUT、C/Nともに
低い。磁性粉の平均長軸長が0.08μm以上ではC/
Nが低く、また飽和磁化量σsが120emu/g未満
ではRF−OUTが低くなり良好な磁気テープを得るこ
とはできない。
【0093】また、配向磁石の磁場強度を上げた場合
は、本発明の超音波処理条件で処理した場合はさらに配
向度は向上してSQyが小さくなり、RF−OUT、C
/Nともに向上するのに対して、本発明の範囲外の処理
条件(処理時間が短い/塗布待機時間が長い)での処理
では配向度はほとんど変化せず、RF−OUT、C/N
の向上もほとんどみられなかった。
【0094】超音波処理時間を40秒よりも長くする場
合は、処理が過剰になって塗料内に気泡が発生するなど
のデメリットが生じる。また、超音波処理装置の台数が
多く必要になり、コスト的な問題が出てくるのに対し
て、処理時間による性能向上の効果は飽和する。
【0095】また、下層非磁性層の重層での磁性層の膜
厚を0.20μm以下とすることで自己減磁の影響が小
さくなる、カレンダー処理の効果が上がり平滑化する等
のメリットに加えて、塗布必要量が少なくなる/塗布流
量が少なくなることで同一台数の超音波処理装置でも超
音波処理時間を増加させることが可能となり、RF−O
UT、C/Nともに大きく向上する。ただし、この場合
は配管容量も調節して塗布待機時間が1200秒以下に
なるようにする必要がある。
【0096】以上のように、本発明によりRF−OU
T、C/Nに優れた磁気テープを提供することが可能と
なる。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、高σsの微粒子磁性体
に最適な超音波処理条件を提供し、またその条件下で作
成可能となる特定の配向バランスを有することで高い電
磁変換特性を示す磁気記録媒体及びその製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる超音波処理装置の要部の概略断
面図である。
【図2】超音波処理をパス処理で行う場合における概略
工程図である。
【符号の説明】
3 磁性塗料 10 超音波処理装置 20 超音波処理槽 23 対向壁面 30 超音波ホーン 31 超音波ホーンの作動端面 40 超音波振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯辺 亮介 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 小林 康伸 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 川崎 薫 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 斉藤 彰 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−133635(JP,A) 特開 昭61−229236(JP,A) 特開 昭49−87303(JP,A) 特開 平7−65350(JP,A) 特開 平6−274856(JP,A) 特開 平6−195682(JP,A) 特開 平6−139553(JP,A) 特開 平2−260117(JP,A) 特公 昭54−4244(JP,B1) 特公 昭58−10773(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/858 B05D 3/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性金属粉末および結
    合剤を含有する磁性層を設けた、もしくは上層側に強磁
    性金属粉末および結合剤を含有する磁性層と、下層側に
    非磁性粉末および結合剤を有する少なくとも一層の非磁
    性層である下層とから構成される塗布層を設けた磁気記
    録媒体であり、前記磁性層に含有される強磁性金属粉末
    の飽和磁化量σsが120emu/g以上170emu
    /g以下、平均長軸長が0.06μm以上0.08μm
    未満であると共に該磁性層を塗設するための磁性塗料の
    固形分濃度が0.18以上0.35以下、バインダーが
    塩化ビニル系共重合体及びポリウレタン樹脂の組み合わ
    せであり、かつ該磁性塗料を発振周波数10〜200k
    Hz、超音波振幅10〜100μmの作動条件下で下記
    構成の超音波処理装置で処理し、該超音波処理後の磁性
    塗料を支持体上に下層が未乾燥の状態で重層塗布を行う
    磁気記録媒体の製造方法において、前記超音波処理装置
    の超音波処理を下記式(1)、(2)の条件下で行うこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 40≧t≧0.000015T2+2 ・・・(1) 10≦T≦1200 ・・・(2) t:超音波照射時間[sec] T:超音波照射終了時点から支持体上に塗設されるまで
    の待機時間[sec] [超音波処理装置の構成] 磁性塗料を通過させつつ超音波処理するための超音波処
    理槽と、該超音波処理槽内に挿入され前記磁性塗料に超
    音波振動を与えるための超音波ホーンと、該超音波ホー
    ンの基部側に連接された超音波振動子とを備え、該超音
    波振動子に超音波発生器が接続された構成。
  2. 【請求項2】非磁性支持体上に強磁性金属粉末および結
    合剤を含有する磁性層を設けた、もしくは上層側に強磁
    性金属粉末および結合剤を含有する磁性層と、下層側に
    非磁性粉末および結合剤を有する少なくとも一層の非磁
    性層である下層とから構成される塗布層を設けた磁気記
    録媒体であり、前記磁性層に含有される強磁性金属粉末
    の飽和磁化量σsが120emu/g以上170emu
    /g以下、平均長軸長が0.06μm以上0.08μm
    未満であると共に該磁性層を塗設するための磁性塗料の
    固形分濃度が0.18以上0.35以下、バインダーが
    塩化ビニル系共重合体及びポリウレタン樹脂の組み合わ
    せであり、かつ該磁性塗料を発振周波数10〜200k
    Hz、超音波振幅10〜100μmの作動条件下で下記
    構成の超音波処理装置で処理し、該超音波処理後の磁性
    塗料を支持体上に下層が未乾燥の状態で重層塗布を行う
    磁気記録媒体の製造方法において、前記超音波処理装置
    の超音波処理を下記式(1)、(2) 40≧t≧0.000015T2+2 ・・・(1) 10≦T≦1200 ・・・(2) t:超音波照射時間[sec] T:超音波照射終了時点から支持体上に塗設されるまで
    の待機時間[sec] の条件下で行うことで配向度を制御し、該磁性層の塗布
    方向の角形比をSQx、塗布方向と塗布面内で直角の方
    向の角形比をSQyとしたときに、SQyが0.307
    以上0.35以下であり、かつSQx、SQyが下記式
    (3)を満たすことを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。 (SQx2+SQy2)0.5≦0.926 ・・・
    (3) [超音波処理装置の構成] 磁性塗料を通過させつつ超音波処理するための超音波処
    理槽と、該超音波処理槽内に挿入され前記磁性塗料に超
    音波振動を与えるための超音波ホーンと、該超音波ホー
    ンの基部側に連接された超音波振動子とを備え、該超音
    波振動子に超音波発生器が接続された構成。
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