JP3328011B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP3328011B2
JP3328011B2 JP17976693A JP17976693A JP3328011B2 JP 3328011 B2 JP3328011 B2 JP 3328011B2 JP 17976693 A JP17976693 A JP 17976693A JP 17976693 A JP17976693 A JP 17976693A JP 3328011 B2 JP3328011 B2 JP 3328011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープ、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗布型の磁性層をもつ磁気記録媒体の製
造に際し、用いる磁性塗料の調製方法として、2軸型連
続混練機を用い、高い固形分濃度で大きなせん断力を与
えて磁性粉末、結合剤および有機溶媒の混合物を分散さ
せる方法が知られている。
【0003】磁性塗料の調製に2軸型連続混練機を用い
ると、例えばバッチ式のニーダ等を用いる場合と比較し
て連続的に混練操作が行われるので、生産性は高いが混
練する時間が短い。そのため混練が不十分となりやす
く、磁性粉末の分散性が低く、十分な電磁変換特性が得
られないことが多い。
【0004】そこで、特開平4−176020号公報で
は、混練物の温度を、用いる結合剤のガラス転移温度T
gより高い温度でかつ用いる有機溶媒の沸点より低い温
度で混練することを提案している。この提案によれば、
磁性粉末の分散性が向上し、すぐれた電磁変換特性が得
られるが、得られた磁気記録媒体の表面粗さをコントロ
ールすることが難しく、表面性の向上に伴い、走行摩擦
係数が上昇し、走行停止事故等の不都合が生じやすい。
表面粗さのコントロール方法として、スーパーカレンダ
ーの加工圧力、加工温度等の条件を低くすることも考え
られるが、高域出力、C/N等の低下を招きやすく、好
ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、2軸型連続混練機を用いて磁性塗料を混練する際、
磁性粉末等の分散性が高く電磁変換特性がすぐれ、その
上摩擦係数が低くて走行安定性のすぐれた磁気記録媒体
を得るための製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(3)の本発明により達成される。 (1) 磁性粉末、1種以上の結合剤および1種以上の
有機溶媒を含む混合物を、スクリュー部および混練部を
もつ2軸型連続混練機を通過させて混練して磁性塗料を
得、この磁性塗料を支持体に塗布する磁気記録媒体の製
造方法であって、前記混合物が前記2軸型連続混練機内
の混練部を通過する際の混合物に加わるせん断力を変化
させ、前記混練部にて前記せん断力が最大となる部分を
通過する際の混合物の温度を、前記1種以上の結合剤の
ガラス転移温度より高くかつ前記1種以上の有機溶媒の
最も低い沸点より低い温度に制御し、前記混練部にて前
記せん断力が最大となる部分以外を通過する際の前記混
合物の温度を、前記混練部にて前記せん断力が最大とな
る部分を通過する際の混合物の温度より低い温度である
前記ガラス転移温度より低い温度に制御する磁気記録媒
体の製造方法。 (2) 前記混練部にて前記せん断力が最大となる部分
は、前記2軸型連続混練機の回転軸の軸方向に配置した
隣接するパドルの主面の長軸どうしの角度が72〜90
度である部分である上記(1)の磁気記録媒体の製造方
法。 (3) 前記混合物を混練して得られる混練物の固形分
濃度が70〜85重量%である上記(1)または(2)
の磁気記録媒体の製造方法。
【0007】
【作用および効果】本発明では、磁性粉末、1種以上の
結合剤および1種以上の有機溶媒を含む混合物を2軸型
連続混練機を通過させて混練して磁性塗料を得る際、混
合物の温度を制御する。温度の制御方法としては、前記
混合物に加わるせん断力が最大となる部分を通過する際
の混合物の温度を前記結合剤のガラス転移温度Tgより
高くかつ前記有機溶媒の沸点の最低温度より低くし、さ
らに前記せん断力が最大となる部分以外を通過する際の
混合物の温度を、前記せん断力が最大となる部分を通過
する際の混合物の温度より低く、すなわちTgより低い
温度とする。
【0008】せん断力が最大となる部分を通過するとき
の混合物の温度を前記結合剤のTg以上としない場合に
比べ、Tgより高くすることで、前記結合剤の流動性が
高まることから、結合剤の磁性粉末等への浸透性が良好
となり、2軸型連続混練機を用いる短時間の混練でも磁
性塗料成分の分散性が向上する。したがって、このよう
な磁性塗料を用いて製造した磁気記録媒体はすぐれた電
磁変換特性をもつ。
【0009】ただし、前記特開平4−176020号公
報で提案している、前記混合物を2軸型連続混練機を通
過させて混練する際、通過全工程でTg以上の温度とす
る方法では、分散性は向上するが、磁性層表面の表面粗
さをコントロールすることが難しく、摩擦係数が高くな
りすぎ、走行安定性が悪化し、走行事故が起きやすくな
る。
【0010】そのため、本発明の方法では、特に前記せ
ん断力が最大となる部分以外を通過する際の混合物の温
度は、前記せん断力が最大となる部分を通過する際の混
合物の温度より低く、すなわちTgより低くすること
で、磁気記録媒体としたときの磁性層表面の摩擦係数が
高くなることを防止する。このような温度制御をした製
造方法により、分散性が高くすぐれた電磁変換特性をも
ちかつ摩擦係数が低く走行安定性のすぐれた磁気記録媒
体が得られる。このような温度制御を行なう磁気記録媒
体の製造方法は従来提案されていない。
【0011】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明に用いる2軸型連続混練機の構成
を、図1および図2を用いて説明する。図1に示すよう
に、本発明に用いる2軸型連続混練機1は粉体投入口
2、結合剤溶液注入口4、混練物排出口6、回転軸8、
パドル9、スクリュー10、バレル11〜19、スクリ
ュー部21および混練部22をもつ。また、図2に示す
ように回転軸は8および8’の2軸もつ。
【0012】スクリュー部21は回転軸8、8’にスク
リュー10が設置されており、主な機能は混合物の搬送
機能である。混練部22は回転軸8、8’にパドル9が
設置されており、主な機能は混合物の混練機能と搬送機
能とである。混練機能とは混合物にせん断力を与えて構
成成分の分散性を高める機能である。また、図示した例
に限らずスクリュー部21と混練部22とは任意に設定
が可能で、それぞれの組み合せおよび回転軸8、8’方
向の長さ等は任意である。また、スクリュー部あるいは
混練部の搬送機能部分の搬送方向は、通常粉体投入口2
から混練物排出口6の方向とするが、必要に応じて一部
を逆方向に設定してもよい。
【0013】このような混練部22の混練機能および搬
送機能は、回転軸8、8’の軸方向に設置した隣接する
パドル9の主面の長軸どうしの角度(以下パドル角度)
により決まる。一般に前記パドル角度は、30度、45
度、60度および90度等が用いられる。例として図3
〜5にそれぞれ45度、60度および90度とした正面
図を示す。これらのパドル角度は、90度に近いほど搬
送機能が低下してくるため、混合物に与えるせん断力は
大きく混練機能が高くなる。一方、90度から離れるほ
ど搬送機能が高くなり、混練機能は低下してくる。ただ
し、パドル角度は前記4種に限らず、特に制限はない。
【0014】これらのパドル角度のうち、特に混合物に
与えるせん断力が最大となる部分のパドル角度は72〜
90度、特に80〜90度である。この範囲よりパドル
角度が小さすぎると混合物に与えるせん断力が小さくな
り、搬送機能が高くなる。
【0015】また、パドル9の設置に際し、通常はパド
ル枚数5〜20枚程度を一組みとして前記パドル角度が
一定のパドルブロックを形成する。そして混合物に与え
るせん断力が最大である混練機能を主とする前記パドル
角度をもつパドルブロックと、混練機能および搬送機能
を合せもつ前記以外のパドル角度をもつパドルブロック
とを組み合せて混練部22を形成する。ただし、パドル
ブロック内でパドル角度を同一とする必要はなく、必要
に応じて例えばわずかずつパドル角度を変化させたブロ
ックをパドルブロックとしてもよく、特に制限はない。
【0016】混練部22におけるパドルブロックの組み
合せは、このように前記混練機能を主とするパドルブロ
ックと、前記混練機能および搬送機能を合せもつパドル
ブロックとからなるが、各パドルブロックの軸方向の配
置順位あるいは軸方向の長さ(すなわち1パドルブロッ
クあたりのパドル枚数)等は任意であり、必要に応じて
設定すればよい。しかし、前記混練機能および搬送機能
を合せもつパドルブロックと前記混練機能を主とするパ
ドルブロックとが同一の混練部22に配置されているこ
とが好ましく、さらに、同一混練部22内において、軸
方向上流には前記混練機能および搬送機能を合せもつパ
ドルブロックが配置され、軸方向下流には前記混練機能
を主とするパドルブロックが配置されることが好まし
い。混練部22が前記混練機能を主とするパドルブロッ
クのみから構成されていると、混練部22内の搬送機能
が劣るために混合物の滞留が生じ、生産性が低下した
り、過度の混練により磁気記録媒体としたときの特性低
下が生じたりしやすい。また、前記混練機能および搬送
機能を合せもつパドルブロックのみから構成され、前記
混練機能を主とするパドルブロックが配置されていない
混練部22は、混練機能が劣るため得られた混練物の分
散性が低下する傾向をもち、このような混練物を使用し
た磁気記録媒体は電磁変換特性が劣るものとなりやす
い。
【0017】本発明で用いる2軸型連続混練機1では、
2本の回転軸8、8’の対応する位置のパドル9は、図
2の断面斜視図に示すように、一方の軸のパドルの端部
が他方の軸の対応する位置にあるパドルをこするよう
に、常に90度位相をずらして設置する。
【0018】2軸型連続混練機1を通過する混合物の温
度は、バレル11〜19の温度制御用循環水路31に温
度制御用循環水注入口32および温度制御用循環水排出
口33を通して制御された温度の水を循環させることで
制御することができる。バレル11〜19の温度制御用
循環水路31は各バレルごとに分離されており、それぞ
れのバレル内の温度制御用循環水路31に異なる温度の
水を循環させることができ、通過する混合物の温度を各
バレルごとにそれぞれ別の温度に制御することができ
る。
【0019】循環水温度の制御は、少なくともセンサ部
分が混合物と接触するように温度センサ投入口41に設
置した温度センサにより測定して得た混合物の温度を制
御回路(図示せず)で処理し、別途例えばウォーターバ
スあるいはクーラー等を用いて適当な温度に昇温または
冷却すればよい。あるいはあらかじめ実験的に求めた循
環水温度で制御してもよい。温度センサ投入口41は各
バレル11〜19に1以上設けられており、各バレル1
1〜19にはそれぞれ1以上の温度センサが設置され
る。また、バレルの温度制御方法は、前記循環水による
以外に、有機溶媒、適当なガス媒体あるいは蒸気、シリ
コンオイル、不凍液等を用いてもよく、さらに例えばバ
レル内にヒーター等を設置してもよく、バレル内を通過
する混合物の温度を制御することができる方法であれば
制限はない。
【0020】このような方法で制御する混合物の温度
は、混合物が、前記した混合物に与えるせん断力が最大
となる部分、すなわち前記混練機能を主とするパドルブ
ロック部分を通過する際、用いる結合剤のガラス転移温
度Tgより高く、より好ましくはTgより1℃以上高
く、特に5℃高くしかつ用いる有機溶媒の最も低い沸点
より低く、より好ましくは10℃以上低くする。
【0021】その上さらに前記混合物が前記混合物に与
えるせん断力が最大となる部分以外を通過する際に、混
合物の温度を前記せん断力が最大となる部分を通過する
際の混合物の温度より低い温度、すなわち用いる結合剤
のTgより低い温度、特にTgより2℃以上低い温度、
さらにTgより5℃以上低い温度に制御する。Tgより
低い温度に制御する際、特に温度の下限はないが、通常
は混練物温度が20℃未満にならないようにする。この
ように、2軸型連続混練機1を通過する際の混合物の温
度を制御することで、すぐれた分散性をもち、そのうえ
磁気記録媒体とした際の磁性層表面の摩擦係数が低い混
練物が得られる。
【0022】2軸型連続混練機1を通過させる際、全通
過工程にわたって混合物を用いる結合剤のTgより低い
温度で混練すると、用いる結合剤の浸透性が低いため、
得られた混練物の磁性粉末等の分散性が悪くなりやす
い。また、前記混合物に与えるせん断力が最大となる部
分以外を通過する際も混合物の温度を低下させずに混練
すると、磁気記録媒体とした際の磁性層表面の摩擦係数
が高くなりすぎる混練物が得られる。さらに、混合物の
温度を、用いる有機溶媒の最も低い沸点より高すぎる温
度で混練すると、用いる有機溶媒が蒸気化し、混練物お
よび溶媒部分に分離が生じ、混練が不十分になりやす
い。
【0023】なお、ここで用いる結合剤のTgとは、2
種以上の結合剤を用いる場合は2種以上の結合剤のTg
の合成値を示す。Tgの合成値は、例えば結合剤Aおよ
びBの2種類を用いる場合、 Tgの合成値=(結合剤AのTg)×{結合剤A重量部
/(結合剤A重量部+結合剤B重量部)}+(結合剤B
のTg)×{結合剤B重量部/(結合剤A重量部+結合
剤B重量部)} として求めることができる。
【0024】また本明細書において、用いる有機溶媒の
最も低い沸点とは、用いる有機溶媒が1種の場合はその
有機溶媒の沸点、有機溶媒を2種以上用いる場合、用い
る溶媒のうちで最も低い沸点をもつ溶媒の沸点である。
【0025】本発明では、さらに混合物を混練して得ら
れる混練物7の固形分濃度を、好ましくは70〜85重
量%、さらに好ましくは72〜83重量%とする。混練
物の固形分濃度が高すぎると有機溶媒の量が不足して結
合剤の浸透性が悪くなり、混合物が十分に混練されにく
く混練不良となりやすい。また低すぎると、混合物の粘
度が低すぎ、混合物に対して十分なせん断力が与えられ
ず、やはり混練不良となりやすい。
【0026】固形分濃度の算出は、 固形分濃度(重量%)=(磁性粉末重量部+結合剤重量
部)/(磁性粉末重量部+結合剤重量部+有機溶媒重量
部)×100 とすればよい。
【0027】なお、図1では粉体投入口2および混練物
排出口6を含め、バレル数9の例を用いたが、さらに必
要に応じてスクリュー部21や混練部22のバレル数を
増減したり、例えば図1のバレル19の後工程として結
合剤溶液注入口4をもつ混練部22やスクリュー部21
を増設したりすることもできる。このような構成にした
場合、バレル18で得られた固形分70〜85重量%程
度の混練物7に、さらに結合剤溶液あるいは有機溶媒を
加えて固形分濃度を低下させるための希釈工程を連続的
に行なうこともできる。
【0028】本発明の製造方法の混練物7は磁性粉末、
1種以上の結合剤および1種以上の有機溶媒を含む。
【0029】磁性粉末としては、通常塗布型磁気記録媒
体に用いられるものであれば特に制限はない。例えばγ
−Fe23 、Co含有γ−Fe23 、Fe34
Co含有Fe34 、CrO2 等の酸化物微粉末や、F
e、Co、Niあるいはこれらの合金微粉末等公知の磁
性粉末から、目的に応じて適当なものを選択すればよ
く、その保磁力Hc、飽和磁化σs等も目的に応じ適宜
選択すればよい。
【0030】これらの磁性粉末の含有量は、磁性層組成
中の70〜85重量部とすればよく、より好ましくは7
3〜83重量部である。強磁性粉末の含有量が多すぎる
とカレンダー加工による表面平滑性の改良が困難であ
る。また、小さすぎると高い再生出力を得られない。
【0031】結合剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂、もしくはこ
れらの混合物等いずれであってもよい。
【0032】前記熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビ
ニル−アクリル酸エステル系共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共
重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル系共重合体、ア
クリル酸エステル−アクリロニトリル系共重合体、アク
リル酸エステル−塩化ビニリデン系共重合体、メタクリ
ル酸エステル−塩化ビニリデン系共重合体、メタクリル
酸エステル−エチレン系共重合体、ポリ弗化ビニル−塩
化ビニリデン−アクリロニトリル系共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースア
セテートブチレート、セルロースダイアセテート、セル
ローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニ
トロセルロース等)、スチレンブタジエン系共重合体、
ポリエステル樹脂−クロロビニルエーテルアクリル酸エ
ステル系共重合体、アミノ樹脂および合成ゴム系の熱可
塑性樹脂などをあげることができる。これらは一種単独
で使用してもよく、また、二種以上を組み合わせて使用
してもよい。
【0033】これらのうちで、好ましく用いられるもの
としては、以下に示すような塩化ビニル系樹脂およびポ
リウレタン樹脂の組み合わせである。
【0034】塩化ビニル系樹脂としてはイオウ(S)を
極性基として含有するものが好ましく、特に硫酸基およ
び/またはスルホ基が好ましい。硫酸基およびスルホ基
としては、−SO4 Y、−SO3 Yにおいて、YがH、
アルカリ金属のいずれであってもよいが、Y=Kで、−
SO4 K、−SO3 Kであることが特に好ましい。これ
ら硫酸基、スルホ基はいずれか一方であっても、両者を
含有するものであってもよく、両者を含むときにはその
比は任意である。また、これらのS含有極性基は、S原
子として分子中に0.01〜10重量%、特に0.1〜
5重量%含まれていることが好ましい。また極性基とし
ては、必要に応じS含有極性基の他に、−OPO2
基、−PO3 Y基、−COOY基などを含有させること
もできる。
【0035】これらのS含有極性基が結合する樹脂骨格
は、塩化ビニル系樹脂である。塩化ビニル系樹脂は、塩
化ビニル含有量60〜100重量%、特に60〜95重
量%のものが好ましい。このような塩化ビニル系樹脂と
しては、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化
ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−グ
リシジル(メタ)アクリレート共重合体などがあるが、
特に塩化ビニルとエポキシ基を含有する単量体との共重
合体が好ましい。そして、その平均重合度は100〜9
00程度であることが好ましい。
【0036】このような塩化ビニル系樹脂としては、特
に特開昭60−238371号公報、同60−1011
61号公報、同60−235814号公報、同60−2
38306号公報、同60−238309号公報に開示
されたものが好適である。このものは、塩化ビニル、エ
ポキシ基を有する単量体、さらに必要に応じてこれらと
共重合可能な他の単量体を、過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウムなどのSを含む強酸根を有するラジカル発生
剤の存在下に重合して得られる。このラジカル発生剤の
使用量は、単量体に対して通常は0.3〜9.0重量
%、好ましくは1.0〜5.0重量%である。より詳細
には、Sを含む強酸根を有するラジカル発生剤は、水溶
性のものが多いので、乳化重合あるいは、メタノール等
のアルコールを重合媒体とする懸濁重合や、ケトン類を
溶媒とする溶液重合が好適である。
【0037】この際、Sを含む強酸根を有するラジカル
発生剤に加えて通常塩化ビニルの重合に用いられるラジ
カル発生剤を使用することも可能である。これらのラジ
カル発生剤としては、例えばラウロイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシ
ジカーボネート、t−ブチル−パーオキシピパレート、
t−ブチルパーオキシネオデカノエート等の有機過酸化
物:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス−2,4−ジメチルパレロニトリル、4,
4′−アゾビス−4−シアノパレリン酸等のアゾ化合物
などが挙げられる。また、強酸根を有するラジカル発生
剤に、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、亜
硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を組
み合わせることも可能である。
【0038】懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニル
アルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、メチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド、マレイン酸−スチレ
ン共重合体、マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体、マレイン酸−酢酸ビニル共重合体のごとき合成高分
子物質、およびデンプン、ゼラチンなどの天然高分子物
質などが挙げられる。また、乳化剤としては、アルキル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ムなどのアニオン性乳化剤やポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステルなどの非イオン性乳化剤などが挙げられる。ま
た必要に応じてトリクロルエチレン、チオグリコールな
どの分子量調整剤を用いることもできる。
【0039】さらに、エポキシ基を有する単量体の例と
しては、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジ
ルエーテルなどの不飽和アルコールのグリシジルエーテ
ル類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジル−P−ビニルベンゾエート、メチルグ
リシジルイタコネート、グリシジルエチルマレート、グ
リシジルビニルスルホネート、グリシジル(メタ)アリ
ルスルホネートなどの不飽和酸のグリシジルエステル
類、ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセン
モノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシヘキセ
ンなどのエポキシドオレフィン類などが挙げられる。こ
の単量体は、一般には共重合体中のエポキシ基の量が
0.5重量%以上となる範囲で使用される。
【0040】塩化ビニルとエポキシ基を有する単量体の
ほかに必要に応じて使用することのできる単量体の例と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボ
ン酸ビニルエステル:メチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニル
エーテル:塩化ビニリデン、弗化ビニリデンなどのビニ
リデン:マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジ
ル、マレイン酸ジ−2−ヒドロキシエチル、イタコン酸
ジメチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどの不飽和カルボ
ン酸エステル:エチレン、プロピレンなどのオレフィ
ン:(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル:
スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレンな
どの芳香族ビニルなどが挙げられる。
【0041】このようにして得られる樹脂は、平均重合
度が100〜900、好ましくは200〜500、塩化
ビニルの含有量が60重量%以上のものである。なお、
このような樹脂としては、例えば日本ゼオン株式会社か
らMR−110として市販されている。
【0042】このような塩化ビニル系樹脂と併用するポ
リウレタン樹脂は、イオウまたはリン含有極性基を含有
する。イオウ含有基としては−SO3 Y(スルホン酸
基)、−SO4 Y(硫酸基)、リン酸含有極性基として
は、ホスホン酸基=PO3 Y、ホスフィン酸基=PO3
Y、亜ホスフィン酸基=POY(YはHまたはアルカリ
金属)の1種以上が好ましいが、このうちYとしては特
にNaが好ましく、これら極性基は、原子として分子中
に0.01〜10重量%、特に0.02〜3重量%含ま
れていることが好ましい。これらは骨格樹脂の主鎖中に
存在しても、分岐中に存在してもよい。
【0043】ポリウレタン樹脂とは一般に、ヒドロキシ
基含有樹脂とポリイソシアネート含有化合物との反応に
より得られるものである。ヒドロキシル基含有樹脂とし
てはポリエチレングリコール、ポリブチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコール、ビスフェノールAなどのアルキレンオキサイ
ド付加物、各種のグリコールおよびヒドロキシル基を分
子鎖末端に有するポリエステルポリオールなどが挙げら
れる。これらの中でもポリエステルポリオールを1成分
として得られるポリウレタンアクリレート樹脂が好まし
い。
【0044】ポリエステルポリオールのカルボン酸成分
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、p
−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香
酸などの芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸
などの脂肪酸ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸等の不飽脂肪酸および脂環族ジカルボン酸、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などのトリおよ
びテトラカルボン酸などを挙げることができる。
【0045】また、ポリエステルポリオールのグリコー
ル成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールAなどのエチレンオキサ
イド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化
ビスフェノールAのエチレンオキサイドおよびプロピレ
ンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どがある。また、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの
トリおよびテトラオールを併用してもよい。ポリエステ
ルポリオールとしては他にカプロラクトン等のラクトン
類を開環重合して得られるラクトン系ポリエステルジオ
ール鎖が挙げられる。
【0046】使用されるポリイソシアネートとしては、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
ビフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テ
トラメチレンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ
−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、2,4−
ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−
4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニレンジイソシアネート、4,4′−ジイソシア
ネート−ジフェニルエーテル、1,5′−ナフタレンジ
イソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m
−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネ
ートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート
メチルシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアネートジ
シクロヘキサン、4,4′−ジイソシアネートシクロヘ
キシルメタン、イソホロンジイソシアネート等のジイソ
シアネート化合物、あるいは全イソシアネート基のうち
7モル%以下の2,4−トリレンジイソシアネートの三
量体、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体等のト
リイソシアネート化合物が挙げられる。
【0047】このようなウレタン樹脂は公知の方法によ
り、特定の極性基含有化合物および/または特定の極性
基含有化合物と反応させた原料樹脂などを含む原料とを
溶剤中、または無溶剤中で反応させることにより得られ
る。得られる樹脂の分子量は500〜100,000で
あることが望ましい。
【0048】これらS含有極性基含有塩化ビニル系樹脂
と、SまたはP含有極性基含有ウレタン樹脂とは、その
重量混合比が70:30〜90:10となるように混合
して用いることが好ましい。なお、これらの樹脂に加え
て、全体の20重量%以下の範囲で、公知の各種樹脂が
含有されていてもよい。
【0049】また、前記熱硬化性樹脂または反応型樹脂
としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アル
キッド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系反応樹脂、高
分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマー
との混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネー
トプレポリマーとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂
およびポリアミン樹脂等があげられる。これらは一種単
独で使用してもよく、また、二種以上を組み合わせて使
用してもよい。
【0050】結合剤樹脂を硬化する架橋剤としては、各
種ポリイソシアナート、特にジイソシアナートを用いる
ことができ、特に、トリレンジイソシアナート、ヘキサ
メチレンジイソシアナート、メチレンジイソシアナート
の1種以上が好ましい。これらの架橋剤は、トリメチロ
ールプロパン等の水酸基を複数有するものに変性した架
橋剤またはジイソシアネート化合物3分子が結合したイ
ソシアヌレート型の架橋剤として用いることが特に好ま
しく、結合剤樹脂に含有される官能基等と結合して樹脂
を架橋する。架橋剤の含有量は樹脂100重量部に対
し、10〜30重量部とすることが好ましい。このよう
な、熱硬化性樹脂を硬化するには、一般に加熱オーブン
中で50〜70℃にて12〜48時間加熱すればよい。
【0051】さらにまた結合剤としては、電子線照射硬
化型化合物を硬化したもの、すなわち電子線照射硬化型
樹脂を用いたものも好適である。電子線照射硬化型化合
物の具体例としては、例えば無水マレイン酸タイプ、ウ
レタンアクリルタイプ、エポキシアクリルタイプ、ポリ
エステルアクリルタイプ、ポリエーテルアクリルタイ
プ、ポリウレタンアクリルタイプ、ポリアミドアクリル
タイプ等の不飽和プレポリマー;エーテルアクリルタイ
プ、ウレタンアクリルタイプ、エポキシアクリルタイ
プ、燐酸エステルアクリルタイプ、アリールタイプおよ
びハイドロカーボンタイプ等の多官能モノマー等があげ
られる。これらは一種単独で使用してもよく、また二種
以上を組み合わせて使用してもよい。
【0052】磁性層中の結合剤の含有量は、磁性粉末1
00重量部に対して通常1〜200重量部であり、好ま
しくは14〜30重量部、特に好ましくは15〜25重
量部である。含有量が少なすぎると、磁性層の強度が低
下して走行耐久性が低下しやすく、また、カレンダ加工
性が低下して電磁変換特性が悪化しやすい。一方多すぎ
ると磁性粉末の含有量が低下するためやはり電磁変換特
性が低下しやすい。
【0053】有機溶媒としては特に制限はなく、通常用
いられている有機溶媒例えばメチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等の
ケトン系、トルエン等の芳香属系等の各種溶剤を1種ま
たは2種以上目的に応じて選択して用いればよい。
【0054】さらに前記混合物中には界面活性剤等の分
散剤、さらにカーボンブラック等の帯電防止剤や磁性層
の機械的強度を高めるためにα−Al23 、SiO
2 、TiO2 、α−Fe23 、Cr23 、SiC、
CaO、ZrO2 、SiZrO4 等の無機微粒子が混合
されていてもよい。
【0055】なお、本発明の製造方法では、結合剤を2
軸型連続混練機1に投入する際、他の粉体と同様に粉体
投入口2に投入してもよいが、磁性粉末への結合剤の浸
透性の点からは、結合剤をあらかじめ前記有機溶媒に溶
解し、結合剤溶液として混練機へ供給することが好まし
い。このとき、必要に応じて前記分散剤等の添加剤を結
合剤溶液に混合してもよい。
【0056】これらの混練物成分を、上記のようにして
混練して得られた混練物は、通常はさらに前記したよう
にバレル19の下流側に増設したスクリュー部21や混
練部22に導入したり、さらに別の2軸型連続混練機あ
るいはディゾルバー、媒体型攪拌ミル、ボールミル、ニ
ーダ、高速攪拌機、狭ギャップ通過タイプの分散機(例
えばインラインミル、トルネード等)、キャビテーショ
ン型分散機(例えばナノマイザー等)等を1種または2
種以上用いて希釈処理を行う。このような処理により、
非磁性支持体上に塗布する磁性塗料として適当な固形分
濃度まで希釈し、磁性塗料を得る。この希釈処理工程に
おいて、磁性塗料に必要に応じて添加されている潤滑
剤、架橋剤その他の添加物を磁性塗料中に添加、分散さ
せることもできる。
【0057】得られた磁性塗料は通常の方法を用いて非
磁性支持体上に塗布して磁性層を形成し、必要に応じて
配向、乾燥、カレンダー、キュア、裁断等の処理を施し
て磁気記録媒体を得るが、必要に応じて磁性層を多層構
造としたり、磁性層と非磁性支持体の間に下地層を設け
たり、バックコート層を設けたりしたものであってもよ
く、通常用いられる構成であればどのようであってもよ
い。
【0058】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。以下「部」は特に記載がない
限り重量部を表わす。
【0059】実施例1 強磁性金属粉末(σs :150emu/g 、Hc:1620
Oe、BET値:61m2/g)100部を粉体投入口2より
供給し、下記組成の結合剤溶液を結合剤溶液注入口4よ
り定量ポンプを用いて注入し、連続的に混練処理を行っ
た。なお、前記強磁性金属粉末3はすべて窒素雰囲気中
で取り扱い、2軸型連続混練機1内部もすべて窒素気流
下とした。
【0060】[結合剤溶液組成] MR−110(日本ゼオン社製、Tg=59℃) 8.6部 UR−8300(東洋紡績社製、Tg=20℃) 5.7部 メチルエチルケトン(沸点=79.6℃) 20部 トルエン(沸点=110.6℃) 14部 リン酸エステル系分散剤 3部
【0061】2軸型連続混練機1は図1の模式図に示す
構成とし、混練軸8、8’のバレル12および16部分
にはパドル角度45度のパドルブロックを、バレル13
部分にはパドル角度60度のパドルブロックを、バレル
14、17および18部分にはパドル角度90度のパド
ルブロックを設置した。各バレルを通過するときの混合
物の温度は、各バレル12〜18の温度制御用循環水路
に適当な温度の水を循環させることで、表1に示した温
度に制御した。
【0062】なお、用いた結合剤のTgの合成値は4
3.4℃であった。
【0063】混練物排出口6より得られた固形分濃度7
7.1重量%の混練物7は、さらに下記の希釈組成物A
と共にディゾルバーにて混合、希釈処理を施して固形分
濃度42.1重量%の混練希釈物aとした。
【0064】 [希釈組成物A組成] α−Al23 10部 MR−110 2.4部 UR−8300 1.5部 メチルエチルケトン 51部 トルエン 57部 シクロヘキサノン 36部 帯電防止剤(カーボンブラック) 1部
【0065】得られた固形分濃度42.1重量%の混練
希釈物aは、さらに媒体型攪拌ミルにより分散処理を施
して混練希釈物bとした。
【0066】得られた混練希釈物bに下記の希釈組成物
Bを加え、媒体型攪拌ミルにより混合、分散処理を施
し、固形分濃度30重量%の磁性塗料とした。
【0067】 [希釈組成物B組成] ステアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 シクロヘキサノン 25部 ポリイソシアネート 4部
【0068】得られた磁性塗料をポリエチレンテレフタ
レート製非磁性支持体上に通常の方法で塗布、配向、乾
燥、カレンダー処理を施し、さらにバックコート層を設
けて硬化処理を施した後、1/2インチ巾および8mm巾
に裁断し、磁気テープ状の磁気記録媒体とした。
【0069】得られた磁気テープの走行摩擦係数および
電磁変換特性を下記の方法により測定した。
【0070】<走行摩擦係数>上記1/2インチ巾の磁
気テープを用い、VTRシリンダーに180度捲き付け
た状態で走行させる摩擦測定器を使用し、シリンダー前
後のテンションよりオイラーの式にて摩擦係数を求め
た。なお、走行スピードは0.5cm/secとし、バックテ
ンションはテープ巾あたり20g とした。
【0071】<電磁変換特性>上記8mm巾の磁気テープ
を使用し、RF−OUT(7MHz )、C−OUT、C/
N(7MHz/5MHz)の測定はSONY製EV−S
900を用いてSPモードにて常法に従って行った。
【0072】各バレル通過時の混合物温度測定値および
得られた磁気記録媒体の走行摩擦係数と電磁変換特性と
を測定した結果を表1にまとめて示す。
【0073】
【表1】
【0074】実施例2、3 各バレル通過時の混合物温度を表1に示すように制御
し、その他の条件は実施例1と同様にして1/2インチ
および8mm巾の磁気テープを得た。得られた磁気テープ
を用いて実施例1と同様に走行摩擦係数と電磁変換特性
とを測定した。
【0075】各バレル通過時の混合物温度測定値および
得られた磁気記録媒体の走行摩擦係数と電磁変換特性と
を測定した結果を表1にまとめて示す。
【0076】比較例1〜3 各バレル通過時の混合物温度を表1に示すように制御
し、その他の条件は実施例1と同様にして1/2インチ
および8mm巾の磁気テープを得た。得られた磁気テープ
を用いて実施例1と同様に走行摩擦係数と電磁変換特性
とを測定した。
【0077】各バレル通過時の混合物温度測定値および
得られた磁気記録媒体の走行摩擦係数と電磁変換特性と
を測定した結果を表1にまとめて示す。なお、比較例1
で得られた1/2巾磁気テープを用いて測定した走行摩
擦係数は、走行摩擦係数測定開始時、VTRシリンダー
部へテープが貼り付き、走行不能であった。このテープ
の貼り付きを人為的に剥離し、走行させて測定して得ら
れた走行摩擦係数は0.51であった。
【0078】実施例4、5 各バレル通過時の混合物温度を表1に示すように制御
し、結合剤溶液組成および希釈組成物A組成のうち、有
機溶媒の組成量を実施例1で用いた組成量に変えて下記
の通りとしたほかは実施例1と同様にして1/2インチ
および8mm巾の磁気テープを得た。
【0079】 [変更後の結合剤溶液組成中の有機溶媒組成量] 実施例4 実施例5 メチルエチルケトン 26部 15部 トルエン 17部 10部 [変更後の希釈組成物A組成中の有機溶媒組成量] メチルエチルケトン 45部 56部 トルエン 54部 61部
【0080】得られた混練物7の固形分濃度は実施例4
では72.6重量%、実施例5では82.1重量%であ
った。なお、得られた磁気テープを用いて実施例1と同
様に走行摩擦係数と電磁変換特性とを測定した。
【0081】各バレル通過時の混合物温度測定値および
得られた磁気記録媒体の走行摩擦係数と電磁変換特性と
を測定した結果を表1にまとめて示す。
【0082】比較例4 各バレル通過時の混合物温度を表1に示すように制御
し、結合剤溶液組成および希釈組成物A組成のうち、有
機溶媒の組成量を実施例1で用いた組成量に変えて下記
の通りとしたほかは実施例1と同様にして1/2インチ
および8mm巾の磁気テープを得た。
【0083】 [変更後の結合剤溶液組成中の有機溶媒組成量] 比較例4 メチルエチルケトン 35部 トルエン 23部 [変更後の希釈組成物A組成中の有機溶媒組成量] メチルエチルケトン 36部 トルエン 48部
【0084】得られた混練物7の固形分濃度は66.3
重量%であった。なお、得られた磁気テープを用いて実
施例1と同様に走行摩擦係数と電磁変換特性とを測定し
た。
【0085】各バレル通過時の混合物温度測定値および
得られた磁気記録媒体の走行摩擦係数と電磁変換特性と
を測定した結果を表1にまとめて示す。
【0086】各バレル通過時の混合物温度を変化させた
実施例1、2、3および比較例1、2、3の各バレル通
過時の混合物温度測定値と、各バレルの相当する位置の
回転軸8、8’に設置したパドルブロックのパドル角
度、用いた結合剤のTgの合成値および有機溶媒の最も
低い沸点の温度との関係を示すグラフを図6に示した。
なお、バレル番号11、15および19の相当する位置
の回転軸にはスクリューが設置されている
【0087】表1および図6より、各バレル通過時の混
合物の制御温度が本発明の範囲では電磁変換特性、走行
摩擦係数ともにすぐれた磁気記録媒体が得られることが
わかる。一方、バレル通過時の混合物の温度をすべてT
g以上とした比較例1では走行摩擦係数が高く、またす
べてTg以下とした比較例2および有機溶媒の最も低い
沸点の温度より高く制御した部分がある比較例3では電
磁変換特性が劣っていることがわかる。
【0088】さらに、固形分濃度を本発明の範囲外とし
た比較例4も電磁変換特性が劣っていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる2軸型連続混練機の一例の縦断
面図を示す模式図である。
【図2】本発明で用いる2軸型連続混練機の断面斜視図
である。
【図3】パドル角度を45度に設定したパドルを示す正
面図である。
【図4】パドル角度を60度に設定したパドルを示す正
面図である。
【図5】パドル角度を90度に設定したパドルを示す正
面図である。
【図6】用いた結合剤Tgの合成値、用いた有機溶媒の
最も低い沸点の温度および各バレルの相当する位置に設
置したパドルブロックのパドル角度とバレル通過時の混
合物温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 2軸型連続混練機 2 粉体投入口 3 粉体 4 結合剤溶液注入口 5 結合剤溶液 6 混練物排出口 7 混練物 8、8’ 回転軸 9 パドル 10 スクリュー 11〜19 バレル 21 スクリュー部 22 混練部 31 温度制御用循環水路 32 温度制御用循環水注入口 33 温度制御用循環水排出口 41 温度センサ投入口
フロントページの続き (72)発明者 島崎 和之 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−176020(JP,A) 特開 平4−286724(JP,A) 特開 昭55−25406(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/84 - 5/858

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末、1種以上の結合剤および1種
    以上の有機溶媒を含む混合物を、スクリュー部および混
    練部をもつ2軸型連続混練機を通過させて混練して磁性
    塗料を得、この磁性塗料を支持体に塗布する磁気記録媒
    体の製造方法であって、 前記混合物が前記2軸型連続混練機内の混練部を通過す
    る際の混合物に加わるせん断力を変化させ、前記混練部
    にて前記せん断力が最大となる部分を通過する際の混合
    物の温度を、前記1種以上の結合剤のガラス転移温度よ
    り高くかつ前記1種以上の有機溶媒の最も低い沸点より
    低い温度に制御し、 前記混練部にて前記せん断力が最大となる部分以外を通
    過する際の前記混合物の温度を、前記混練部にて前記せ
    ん断力が最大となる部分を通過する際の混合物の温度よ
    り低い温度である前記ガラス転移温度より低い温度に制
    御する磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記混練部にて前記せん断力が最大とな
    る部分は、前記2軸型連続混練機の回転軸の軸方向に配
    置した隣接するパドルの主面の長軸どうしの角度が72
    〜90度である部分である請求項1の磁気記録媒体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記混合物を混練して得られる混練物の
    固形分濃度が70〜85重量%である請求項1または2
    の磁気記録媒体の製造方法。
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