JPH1083530A - 磁気記録媒体及びその製造方法、並びにその使用方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法、並びにその使用方法

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JPH1083530A
JPH1083530A JP25786096A JP25786096A JPH1083530A JP H1083530 A JPH1083530 A JP H1083530A JP 25786096 A JP25786096 A JP 25786096A JP 25786096 A JP25786096 A JP 25786096A JP H1083530 A JPH1083530 A JP H1083530A
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JP
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magnetic
magnetic layer
surface hardness
recording medium
binder
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JP25786096A
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Tomohiro Sato
智広 佐藤
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波を必要とする媒体(例えば、デジタル
ビデオテープ等)において、その電磁変換特性を向上さ
せた磁気記録媒体及びその製造方法、その使用方法を提
供することにある。 【解決手段】 磁性粉末と結合剤とを含有した磁性層62
を有し、この磁性層62と磁気ヘッド77A、77B、77Cと
の相対速度が35m/秒以上のフォーマットで使用さ
れ、磁性層62の表面硬度が45g/μm以上であること
を特徴とする磁気テープ74。この磁気テープ74を製造す
るに際し、磁性層62の表面硬度を45g/μm以上に調
整するためのカレンダ処理工程等を有する製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉末と結合剤
とを含有した磁性層を有する磁気記録媒体及びその製造
方法、並びにその使用方法に関し、特に、磁性粉と結合
剤を主成分として含有した磁性層を非磁性支持体上に形
成して成る磁気テープ、磁気ディスク等の塗布型磁気記
録媒体及びその製造方法、並びにその使用方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオーディ
オ機器、ビデオ機器、コンピュータ等に用いられ、その
需要は著しく伸びてきている。
【0003】こうした磁気記録媒体は、一般に、ポリエ
ステルフィルム等の非磁性支持体上に、磁性粉末と結合
剤とからなる磁性層が設けられた構造を有している。こ
のような磁性層は、通常、結合剤を含有する組成物中に
磁性粉末等を分散させた磁性塗料を非磁性支持体に塗布
したり、或いは転写することによって形成されている。
【0004】例えば、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)等のポリエステルからなる非磁性支持体上に、マ
グヘマタイト、フェライト、酸化クロム等の磁性酸化物
や、Fe、Co、Ni等を主成分とする磁性合金等の粉
末を有機高分子材料からなるバインダ(結合剤樹脂)中
に分散せしめた磁性塗料を塗布し、これにより磁性層を
形成した、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く使用さ
れている。
【0005】このような磁気記録媒体、特に、VTR
(ビデオテープレコーダ)用の磁気テープにおいては、
高画質化を図るため、より一層の高密度記録、記録波長
の短波長化が要求されている。
【0006】そして、電磁変換特性、特に、出力レベル
の改善を図る場合、磁気記録媒体側では、塗料特性(磁
気特性)や表面性の改善や磁気テープの剛性強化(ヤン
グ率の向上)を図る必要があり、VTR(ビデオテープ
レコーダ)側では、磁気ヘッドの材質や形状を変更する
必要がある。しかし、これらの方法では、コストの増加
や他の特性(磁気テープにおいては、耐久性や互換性)
の劣化を生じ易い。
【0007】さらに、高密度記録、記録波長の短波長化
を進めるために、磁性塗膜と磁気記録ヘッドとの相対速
度(接触状態での相対的な摺動速度)を上げることが必
要であり、デジタルビデオテープ等の如く高周波記録を
必要とする媒体においては、磁性塗膜と磁気記録ヘッド
との相対速度が35m/秒以上になっているフォーマッ
トも少なくない(例えば、D−1、HD−1D等)。
【0008】このように磁性塗膜と磁気記録ヘッドとの
相対速度が35m/秒以上となる媒体を用いる装置にお
いては、磁気テープと記録ヘッドとの間に生じるエアフ
ィルム(高速度走行により生じる空気層)等の問題も生
じるので、上記相対速度を容易に増大させることはでき
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、
主として高密度記録、短波長記録に必要な上述の相対速
度の増大に対して十二分に対応できる磁気記録媒体及び
その製造方法、並びにその使用方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、磁性粉
末と結合剤とを含有した磁性層を有する磁気記録媒体に
おいて、前記磁性層と磁気ヘッドとの相対速度が35m
/秒以上で使用され、前記磁性層の表面硬度が45g/
μm以上であることを特徴とする磁気記録媒体(以下、
本発明の磁気記録媒体と称する。)に係るものである。
【0011】本発明によれば、磁性粉末と結合剤とを含
有した磁性層を有する磁気記録媒体において、磁性層表
面硬度を45g/μm以上と特定しているので、磁気ヘ
ッドとの相対速度を35m/秒以上とすることが実現可
能となり、これによって電磁変換特性、特に、出力レベ
ルを改善することができる。
【0012】本発明の磁気記録媒体を製造するに際して
は、鏡面化処理工程、結合剤の配合比率、配合量又は種
類の調節工程、硬化条件の調節工程及び空隙率の調節工
程等によって、前記磁性層の表面硬度を45g/μm以
上に比較的容易かつ低コストに調節できる。
【0013】さらに、本発明は、高周波記録を必要とす
る媒体(例えば、デジタルビデオテープ等)において、
本発明の磁気記録媒体を、前記磁性層と磁気ヘッドとの
相対速度が35m/秒以上となる条件下で使用する、磁
気記録媒体の使用方法も提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、磁性層
と磁気ヘッドとの相対速度が35m/秒以上で使用さ
れ、前記磁性層の表面硬度が45g/μm以上であるこ
とが必須不可欠であるが、この表面硬度は50g/μm
以上、更には60g/μm以下とするのが好ましい。6
0gを超えると研磨性が大きくなり、磁気ヘッドの寿命
が短くなることがある。
【0015】但し、本発明における上記「表面硬度」と
は、島津製作所製のダイナミック超微小硬度計「DUH
−200」にてデータを20回測定し、これらのうち、
上限値及び下限値側の各3データを除いた14個のデー
タの平均値で示されるものである。これについては、更
に詳しく後述する。
【0016】この表面硬度は、磁性層の形成過程におけ
る鏡面化処理によって容易に調節できる。以下にこの鏡
面化処理工程を含み、磁性塗料の塗布から巻き取りに至
る迄の磁気記録媒体の製造工程を図3について概略的に
説明する。
【0017】まず、イソシアネート系硬化剤を含有する
磁性塗料を調製し、この磁性塗料を可撓性有する非磁性
支持体(この例ではベースフィルム)に塗布し、配向処
理及び乾燥処理を施した後、カレンダ処理を施して表面
を平滑化し、回転する巻取りハブに巻き取る。次に、こ
の巻き取られた状態でキュアリングを施して磁性層を完
全に硬化させ、しかる後に例えば所定の幅に裁断して磁
気テープとする。
【0018】一例として、磁性層を設ける前のベースフ
ィルム34Aは繰出しハブ35Aに巻回され、磁性層が被着
した磁気テープ素材34Bは巻取りハブ35Bに巻回され
る。繰出しハブ35Aと巻取りハブ35Bとの間には、ガイ
ドローラ36、36、バックアップロール41に押圧されるグ
ラビアロール40、ガイドローラ37、37間の配向部43、乾
燥部44及び例えば5段のロール52からなるカレンダ処理
部51がこの順に配されている。このカレンダ処理部及び
カレンダロールの個数は必要に応じて増やすことができ
る。
【0019】図示しない駆動装置によって巻取りハブ35
Bが回転すると、繰出しハブ35Aが従動してこれに巻回
された未塗布のベースフィルム34Aは搬送される。
【0020】容器38に収容された磁性塗料39は、バック
アップロール41に押圧されながら回転するグラビアロー
ル40によって両ロール41、40間に導かれる未塗布のベー
スフィルム34Aの片面に供給され、これに塗布される。
【0021】グラビアロール40には層厚規制ブレード42
が対向、配設されていて、グラビアロール40によって供
給される磁性塗料の層厚を一定に維持し、塗膜の厚さが
一様になるようにしてある。
【0022】一方の面に磁性塗料が塗布された磁気テー
プ素材34Bは、ガイドローラ37を経て配向部43に送られ
て磁性粉の配向処理が施され、更にガイドローラ37を経
て乾燥部44に送られ、磁性塗料が乾燥してなる磁性塗布
層が一方の面に形成される。乾燥には、例えば蒸気加熱
方式が採用できる。
【0023】次いで、磁気テープ素材34Bは、カレンダ
処理部51に導かれ、ロール52の間を順次通過して磁性層
表面が平滑化され、巻取りハブ35Bに一旦巻き取られ
る。
【0024】次に、磁気テープ素材34Bは、巻き取られ
た状態のままでキュアリングによって磁性層が完全に硬
化し、次いで裁断部(図示省略)へ繰り出されて所定の
幅に裁断され、磁気テープとなる。
【0025】本発明に基づく磁気記録媒体によれば、上
記したカレンダ処理部51において、鏡面化圧力(カレン
ダロールの圧力)及び鏡面化処理の繰り返し(カレンダ
処理部又はカレンダロールの数)等のカレンダ処理条件
を適宜コントロールすることによって、磁性層表面の平
滑化と共にその表面硬度を45g/μm以上、特に50
g/μm以上に調整することができる。この場合、カレ
ンダ処理の回数(カレンダ処理部51の個数)は2以上と
するのが望ましい。
【0026】但し、カレンダ処理圧力の過酷な条件下で
の実施や必要以上のカレンダ処理の繰り返しは、磁気記
録媒体の傷付きや生産効率の低下等の問題があるため、
圧力及び処理数を適切に設定することが望ましい。
【0027】本発明の磁気記録媒体において、磁性層に
使用される磁性粉末としては、従来から公知のものがい
ずれも使用可能であって、酸化磁性粉末でもよく、金属
磁性粉末でもよい。
【0028】酸化物磁性粉末としては、例えばγ−Fe
2 3 、Co含有γ−Fe2 3 、Fe3 4 、Co含
有Fe3 4 、Co被着γ−Fe2 3 、Co被着Fe
3 4 、CrO2 等が挙げられる。
【0029】金属磁性粉末としては、例えば、Fe、C
o、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−N
i、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−Cr−
B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等が挙げ
られ、更にこれらの種々の特性を改善する目的でAl、
Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の金属成分が添
加されたものであってもよい。また、バリウムフェライ
ト等の六方晶系フェライトやFe5 2 等の炭化鉄、窒
化鉄等も使用可能である。
【0030】磁性層は、上記磁性粉末を結合剤中に分散
させたものであるが、使用可能な結合剤としては、通常
この種の媒体において用いられている樹脂材料がいずれ
も使用可能であって、特にその種類は限定されない。
【0031】代表的な結合剤樹脂を例示すれば、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸
エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エス
テル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、
ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、セルロ
ース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエス
テル樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ
樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等で
ある。
【0032】こうした結合剤は、少なくともその一部に
スルホン酸金属塩基(−SO3 M;MはNa、K等のア
ルカリ金属)又は硫酸金属塩基(−SO4 M;MはN
a、K等のアルカリ金属又はアルキル基を示す。)の少
なくとも一方が導入されていることが望ましい。これら
の金属塩基は、磁性粉末の表面積1m2 当たり0.2〜
0.8μmol 含まれていることが望ましい。
【0033】そして、本発明に基づく磁気記録媒体の磁
性層においてその表面硬度を45g/μm以上に調整す
るには、上記したカレンダ処理条件に代えて、或いはそ
れと併用して、上記した、例えば、塩化ビニル系共重合
体等のような硬度の高い結合剤及びニトロセルロース等
のような硬度の低い結合剤の配合比率、配合量又は種類
を適宜変更することによって、磁性層の表面硬度を調整
することができる。
【0034】硬化剤は、立体的な架橋を実現するために
1分子内に複数個、望ましくは3個以上のイソシアネー
ト基を有することが好ましい。この条件に合致する硬化
剤としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)等や、これらか
ら誘導される3量体などの多量体、これらと3,3,3
−トリメチロールプロパン(TMP)などのポリオール
化合物と反応した構造を持つ化合物などが挙げられる。
日本ポリウレタン社製の商品で具体的な例を挙げれば、
HDIの3量体にコロネートEH、TMPとHDIの化
合物にコロネートHL、TMPとTDIの化合物にコロ
ネートL等がある。
【0035】これらの硬化剤を適宜含有させることによ
っても、磁性層の表面硬度を調整することができ、さら
に、硬化時の温度及び時間を適当な値にすることによっ
ても、磁性層の表面硬度を調整することができる。
【0036】また、本発明の磁気記録媒体において、磁
性層には更に必要に応じて、レシチン等の分散剤、ステ
アリン酸エステル等の潤滑剤、カーボンブラック等の帯
電防止剤、アルミナ等の研摩剤、防錆剤等が加えられて
もよい。これらの分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、研摩剤
及び防錆剤としては従来公知の材料がいずれも使用可能
であり、なんら限定されるものではない。
【0037】例えば、分散剤としては、炭素数5〜25
の脂肪酸、及びそのアルカリ金属又はアルカリ土類金属
塩からなる金属石鹸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミ
ド、及びアミン、四級アンモニウム塩、燐酸エステル、
ホウ酸エステル等の公知の分散剤を使用できる。
【0038】研磨剤としては、例えば、α−アルミナ、
β−アルミナ、溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、ダイヤモ
ンド、ケイ石、ザクロ石、ガーネット、窒化珪素、窒化
ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステ
ン、酸化チタン等を主成分にした、モース硬度6以上の
公知の材料を単独にまたは組み合わせて使用できる。こ
れら研磨剤の平均粒径は、0.01〜2μmが好ましい
が、必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わ
せたり、単独の研磨剤でも粒度分布を広げたりして用い
ることができる。
【0039】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界
面活性剤等の公知の帯電防止剤を使用できる。
【0040】潤滑剤としては、シリコーンオイル、脂肪
酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、またはその
他のフッ素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコー
ル、アルキルリン酸エステル及び金属塩、ポリフェニル
エーテル、フッ化アルキルエーテル、炭素数12〜24
のアルコール類(それぞれ不飽和基を含んでも分岐して
いても構わない)、炭素数12〜24の高級脂肪酸及び
脂肪酸エステル類(それぞれ不飽和基を含んでも分岐し
ていても構わない)、アルキルカルボン酸アミン塩及び
フッ化アルキルカルボン酸アミン塩等のアミン系潤滑
剤、などを使用できる。
【0041】磁性層を形成する際の磁性塗料化に用いる
溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、メタノールやイソプロピルアルコー
ル等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、乳酸エチル等のエステル類、トルエン、ベンゼ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、四塩化炭素やクロ
ロホルム等の塩素化炭化水素類、ジオキサン、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、酢酸グリコールモノ
エチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
【0042】さらに、磁性層を形成する非磁性支持体も
従来より公知のものがいずれも使用可能であり、何ら限
定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘
導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル
系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、
ポリアミドイミド、その他のプラスチック、アルミニウ
ム、銅等の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
合金、セラミックス、単結晶シリコン等である。
【0043】非磁性支持体の形状も何ら限定されるもの
ではなく、テープ状、シート状、ドラム状等如何なる形
態であってもよい。更に、非磁性支持体には、その表面
性をコントロールするために、微細な凹凸が形成される
ような表面処理が施されてもよい。
【0044】なお、磁性層は単層であってもよいし、2
層以上の多層であってもよい。そして、非磁性支持体上
の磁性層と同じ側に、α−酸化鉄、カーボンブラック、
酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ等の非磁性又は
磁性の小さい粉末と、結合剤とを主体とする下塗層を設
けてもよい。
【0045】以上が、本発明の磁気記録媒体の基本的な
構成であるが、例えば図2に示すように、非磁性支持体
34A上に、磁性層62を形成したものである。また、この
磁性層とは反対側の支持体面にはバックコート層63が設
けられてよいが、これは必ずしも設ける必要はない。磁
性層上にはオーバーコート層を設けてよい。非磁性支持
体の表面には、磁性層の接着性を向上させるために、中
間層又は下引層を設けてもよい。
【0046】バックコート層に用いる非磁性粉末として
は、カーボンブラックを主体とするものが一般的である
が、これ以外にも、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チ
タン、α−酸化鉄等が挙げられる。また、磁性粉末とし
ては、磁性層に用いるものとして上述したもののいずれ
も使用可能である。それらを単独又は組み合わせて用い
てもよい。結合剤及びその他の添加剤としては、磁性層
に用いるものとして上述したもののいずれも使用可能で
あり、それらを単独又は組み合わせて用いてもよい。
【0047】また、磁性層中の空隙率によっても、本発
明に基づく磁気記録媒体の磁性層の表面硬度を45g/
μm以上に調整することができる。この空隙率は、磁性
層に用いる粒子の大きさ及び密度、カレンダ処理条件等
によって適宜変更できる。
【0048】このように、磁性層の表面硬度を調整する
には、種々の手段が挙げられるが、上記したカレンダ処
理条件と、結合剤の配合率、配合量又は種類と、硬化条
件と、空隙率とのいずれか1つ、或いはそれらの組み合
わせによって調整を行うこともできる。
【0049】本発明の磁気記録媒体は、デジタルビデオ
テープ等のような、磁性層と磁気ヘッドとの相対速度が
35m/秒以上である媒体として用いることが適当であ
る。
【0050】図4には、本発明の磁気記録媒体の磁性層
を形成するに際して使用できる混練混合機の一例を示し
た。
【0051】2軸型連続混練混合機1を使用し、初期の
分散段階(初期混練工程)において高剪断力の作用下で
磁性粉と結合剤とを混練し、この混練物をディスパーザ
2へ送ってその他の添加成分を添加して希釈分散を行
い、更にサンドミル3で最終分散を行い、得られた磁性
塗料をコーターへ供給する、磁気記録媒体の製造方法と
その装置を概略的に示した。
【0052】なお、連続混練機1には、被処理物(磁性
塗料成分)の投入口4及びスクリュー供給機5を経て磁
性塗料成分(磁性粉、結合剤)6が供給され、破線で概
略図示した混練部材としてのパドル24がモータMで回転
駆動されることによって、高剪断力の作用下で混練され
る。また、図示省略したが、この混練機には適宜、溶剤
を添加するための供給管が接続されている。
【0053】図5は、本発明の磁気記録媒体、例えばデ
ジタルビデオテープ74が使用される形態の一例を概略的
に示す。
【0054】ガイドローラ76に導かれて走行するテープ
74は、逆方向に回転する回転シリンダ75と共に公転する
磁気ヘッド77A、77B、77Cとの相対速度(接触速度)
が35m/秒以上であるような、例えばデジタルビデオ
デッキ内で使用される。そして、このようなデジタルビ
デオテープとして、磁性層の表面硬度は45g/μm以
上を有しているので、その使用条件に対して十二分に性
能を発揮できるものとなっている。
【0055】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0056】<塗料組成>下記の表1の組成にて、磁性
塗料を図4に示した混練混合分散機で混合後、得られた
磁性塗料を図2に示した装置により、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に3μm厚で塗布し、その後、カ
レンダ処理部にて鏡面化処理及び硬化処理を行った。さ
らに、下記の表2の組成でバックコート層用塗料を、非
磁性支持体を挟んだ反対側の面に塗布してバックコート
層を形成した後、3/4インチ幅にスリットして磁気テ
ープを作成した。但し、結合剤の投入量及び配合比率は
下記の表3に示した。
【0057】 *1〜3:塗膜の表面硬度を調整するため配合比率を変更した。 配合比率は下記の表3に記載した。
【0058】
【0059】そして、各磁気テープについて、次の要領
でその物性又は特性を測定し、結果を下記の表3に示
す。
【0060】<測定項目> ・表面硬度:島津製作所製の島津ダイナミック超微小硬
度計「DUH−200」にて測定したが、数値が大きい
ほど硬度が大きい。測定条件は以下の通りであった。 使用圧子 : 20μmR(Rは直径) 試験荷重 : 0.3gf 負荷速度(圧子が試料に接触した後に、設定荷重まで負
荷を与える際の荷重の増加速度) : 1 保持時間 : 5秒 変位スケール : 1μm
【0061】・ヤング率:ミネベア社製の強度測定器
「TCM200CR」にて測定した。測定値は磁気テー
プの幅方向のヤング率であり、数値が大きいほど強い。
【0062】・電磁変換特性(出力レベル):BROA
DCAST TELEVISIONSYSTEMS G
MBH(BTS)社製の「D1−VCR/DCR10
0」及びソニー株式会社製の「D1−VCR/DVR1
000」にて40MHzの出力レベルを測定した。測定
値はD1フォーマットの基準テープに対する比である。
また、この時の磁性層と磁気ヘッドの相対速度は35.
60m/秒であり、出力レベルは数値が大きい方が良
い。
【0063】<測定結果>下記の表3には、実施例及び
比較例における、磁性層の結合剤の投入量及び配合比
率、テープのヤング率、磁性層鏡面化処理の回数(カレ
ンダ処理部の配置個数)、磁性層の表面硬度とテープの
電磁変換特性(40MHz出力における)とを示した。
また、表面硬度(g/μm)による電磁変換特性(d
B)の変化を図1に示す。
【0064】 注)比較例5のみ、非磁性支持体(ベースフィルム)としてポリエチレン ナフタレートを用いた。
【0065】上記の測定結果から明らかなように、磁性
層の表面硬度が45g/μm以上では、それ未満に比べ
て電磁変換特性(出力レベル)の大幅な向上が確認でき
た。さらには、表面硬度が50g/μm以上でより大幅
な電磁変換特性(出力レベル)の向上が確認できた。
【0066】以下に、上記結果を更に詳細に説明する。
【0067】・実施例1、実施例2及び比較例2から判
断できること。 磁性層が同一組成、同一組成比で鏡面化処理の回数のみ
変更した。1回の処理では鏡面化はほぼ終了し、2回以
上の処理では塗膜の極く表面層のみに鏡面化処理の効果
が集中し易い。これは、2回以上ではヤング率が変わら
ないが、表面硬度のみが向上していることから判断でき
る。また、出力レベルから、鏡面化処理の回数と表面硬
度との間には相関関係があることがわかり、その回数は
少なくとも2回であるのが好ましいと言える。
【0068】・実施例3、実施例4、比較例1及び比較
例2から判断できること。 結合剤(バインダ)の投入量を17重量部に固定した上
で、結合剤の配合比率を変化させた。ガラス転移温度
(Tg点)の高い結合剤の比率を増やし、塗膜の強度を
変化させた。これに伴い、表面硬度の増加と共に、ヤン
グ率も増加しているが、表面硬度が45g/μm以上と
すれば、出力レベルの向上が顕著である。
【0069】・実施例5、実施例6、実施例7、比較例
2、比較例3及び比較例4から判断できること。 結合剤(バインダ)の投入量を変更し、ヤング率、表面
硬度及び出力レベルの関係を考察した。これによれば、
出力レベルはヤング率には関係せず、表面硬度と出力レ
ベルとに相関関係があることが分かる。つまり、出力レ
ベルの向上に対する寄与率は、ヤング率の値ではなく、
表面硬度に依存していることと判断でき、表面硬度が4
5g/μm以上、更には50g/μmのときに出力レベ
ルが大きく向上し、これに反し、45g/μm未満で
は、出力レベルの向上の程度は不十分であることがわか
る。
【0070】・比較例4及び比較例5から判断できるこ
と。 実施例5〜7、比較例2、比較例3及び比較例4で判断
された「出力レベルの向上に対する寄与率は、ヤング率
よりも表面硬度に依存している。」という点について、
更に確認のための操作を実施した。実施例5〜7はヤン
グ率が比較例と同等又はそれ以下であるにも拘らず、表
面硬度が45g/μm以上としたので、比較例4及び比
較例5よりも出力レベルが向上している。比較例4及び
比較例5は、同一組成及び組成比でかつ同一量の結合剤
(バインダ)が投入された塗膜をもつために、表面硬度
は同じであるが、比較例5では非磁性支持体(ベースフ
ィルム)にポリエチレンナフタレートを使用して、テー
プの剛性(ヤング率)を約20%強化したものである
が、出力レベルの向上に十分な効果があるとは言い難い
ことが分かる。
【0071】以上の結果から、磁性層と磁気ヘッドとの
相対速度が35m/秒以上のフォーマットで使用される
場合、この磁性層の表面硬度を45g/μm以上、さら
に好ましくは50g/μm以上にすると、出力レベルに
大幅な向上が得られ、電磁変換特性に優れた磁気記録媒
体が得られた。
【0072】
【発明の作用効果】本発明によれば、磁性粉末と結合剤
とを含有した磁性層を有する磁気記録媒体において、前
記磁性層と磁気ヘッドとの相対速度が35m/秒以上で
使用され、前記磁性層の表面硬度が45g/μm以上、
好ましくは50g/μm以上であるので、電磁変換特
性、特に、出力レベルを改善することができる。
【0073】本発明の磁気記録媒体を製造するに際し、
前記磁性層の表面硬度は、鏡面化処理工程、結合剤の配
合比率、配合量又は種類の調節工程、硬化条件の調節工
程及び空隙率の調節工程等で比較的容易かつ低コストに
調整できる。
【0074】さらに、本発明によれば、高周波を必要と
する媒体(例えば、デジタルビデオテープ等)におい
て、磁性層の表面硬度が45g/μm以上としているの
で、前記磁性層と磁気ヘッドとの相対速度が35m/秒
以上となる条件下で使用するフォーマットに十二分に対
応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の磁性層の表面硬度による電磁変
換特性(出力レベル)の変化を示すグラフである。
【図2】本発明に基づく磁気記録媒体の一例の要部の概
略断面図である。
【図3】同磁気記録媒体を製造する際に使用できる鏡面
化処理工程を含む磁性層形成工程の一例の概略図であ
る。
【図4】同磁気記録媒体を製造する際に使用できる2軸
型連続混練混合機を含む混練混合分散工程のフロー図で
ある。
【図5】同磁気記録媒体が使用される形態の一例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1…2軸型連続混練混合機、34A…ベースフィルム、34
B…磁気テープ素材、39…磁性塗料、43…配向部、44…
乾燥部、51…カレンダ処理部、52…カレンダロール、62
…磁性層、74…磁気記録媒体、75…回転シリンダ、76…
ガイドローラ、77A、77B、77C…磁気ヘッド

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末と結合剤とを含有した磁性層を
    有する磁気記録媒体において、前記磁性層と磁気ヘッド
    との相対速度が35m/秒以上で使用され、前記磁性層
    の表面硬度が45g/μm以上であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性層の表面硬度が50g/μm以上で
    ある、請求項1に記載した磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 磁性粉末と結合剤とを含有した磁性層を
    有する磁気記録媒体において、前記磁性層と磁気ヘッド
    との相対速度が35m/秒以上で使用され、前記磁性層
    の表面硬度が45g/μm以上であることを特徴とする
    磁気記録媒体を製造するに際し、前記磁性層の表面硬度
    を45g/μm以上に調整するための工程を有する、磁
    気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 磁性層の表面硬度を50g/μm以上と
    する、請求項3に記載した製造方法。
  5. 【請求項5】 磁性層の表面の鏡面化処理条件によっ
    て、前記磁性層の表面硬度を調整する、請求項3に記載
    した製造方法。
  6. 【請求項6】 磁性層の表面を少なくとも2回鏡面化処
    理する、請求項5に記載した磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 結合剤の配合比率、配合量又は種類によ
    って磁性層の表面硬度を調整する、請求項3に記載した
    製造方法。
  8. 【請求項8】 磁性層の硬化条件によってその表面硬度
    を調整する、請求項3に記載した製造方法。
  9. 【請求項9】 磁性層中の空隙率によってその表面硬度
    を調整する、請求項3に記載した製造方法。
  10. 【請求項10】 磁性粉末と結合剤とを含有した磁性層
    を有し、この磁性層の表面硬度が45g/μm以上であ
    る磁気記録媒体を、前記磁性層と磁気ヘッドとの相対速
    度が35m/秒以上となる条件下で使用する、磁気記録
    媒体の使用方法。
  11. 【請求項11】 デジタルビデオテープ用として使用す
    る、請求項10に記載した使用方法。
  12. 【請求項12】 磁性層の表面硬度を50g/μm以上
    とする、請求項10に記載した使用方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6472063B1 (en) 1999-09-13 2002-10-29 Tdk Corporation Magnetic recording medium
JP2007263968A (ja) * 2007-05-01 2007-10-11 Ntn Corp 磁気エンコーダおよびそれを備えた車輪用軸受

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US6472063B1 (en) 1999-09-13 2002-10-29 Tdk Corporation Magnetic recording medium
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