JPH043318A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH043318A
JPH043318A JP2103094A JP10309490A JPH043318A JP H043318 A JPH043318 A JP H043318A JP 2103094 A JP2103094 A JP 2103094A JP 10309490 A JP10309490 A JP 10309490A JP H043318 A JPH043318 A JP H043318A
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Tsutomu Okita
務 沖田
Yutaka Tsunoishi
裕 角石
Yasuro Nishikawa
西川 康郎
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、磁気記録媒体及びその製造方法に関するもの
であり、特に高密度記録(短波長記録)における電磁変
換特性及び走行耐久性に優れた磁気記録媒体及びその製
造方法に関する。
(従来の技術とそのIKlり 近年、オーディオテープ、ビデオテープあるいはコンピ
ューター用磁気テープなどとして磁気記録媒体が広く利
用されている。磁気記録媒体は、電磁変換特性あるいは
走行耐久性など種々の特性において優れた特性を有して
いるものであることが要求される。特に、優れた電磁変
換特性と共に良好な走行特性は極めて重要な要件であり
、上記両特性が共に優れているように両立させることが
必要である。
しかし、最近、5−VHS、ハイエイトという高画質・
高音質のシステムが検討され、更にはハイビジランやデ
ジタル記録のビデオテープやフロッピーディスクの高密
度タイプなどのシステムが検討され、高密度化の要請が
ますます高くなっている。このような高密度化を達成す
るためには磁性層表面を例えば中心線平均粗さ(Ra)
でIon−以下、好ましくは5nm以下の超平滑にする
ことが必要である。
このため、従来から実施されている金属ロールと弾性ロ
ールとの組合せによる平滑化処理工程に代えて、金属ロ
ールと金属ロールとの組合せによるカレンダー処理をし
て、表面性を向上させ、ノイズをさげC/Nをあげ記録
密度の高い磁気記録媒体を製造する方法が特開昭61−
230623号に開示されている。
しかしながら、この方法により折角磁性層表面の表面性
を平滑にし1!1磁変換特性を向上させても、磁性層の
走行性、耐久性が不足するため、高密記録の要求される
デジタル記録分野などの磁気記録媒体に上記の金属ロー
ルと金属ロールの組合せによる平滑化処理技術が実用化
できないでいた。
これは、一般に磁気テープの表面を平滑にすると、磁気
テープの走行中において磁性層と装置系との接触の摩擦
係数が増大する結果、短期間の使用で磁気記録媒体の磁
性層が損傷を受けたり、極端な場合には磁性層が剥離し
たりすることがある。
特にビデオテープではビデオヘッドと磁気記録媒体が高
速で接触しながら走行するため、磁性層から強磁性体粉
末及び/もしくは結合剤が脱落し易く、磁気ヘッドの目
詰まりの原因ともなる。従って、磁気テープの表面を平
滑にした磁気記録媒体では、磁性層の走行性および耐久
性の向上が望まれ、特に、磁気テープの表面を前記した
ように金属ロールと金属ロールとの組合せによるカレン
ダー処理をして超平滑にすると、摩擦係数の増大は顕著
であり、磁性層の走行性および耐久性の向上がより大き
な課題となり、その改良が強く望まれていた。
本発明は、超平滑な磁性層表面を有し、しかも走行性、
耐久性の高い磁気記録媒体の製造方法を提案し、ハイビ
ジョン、デジタル記録などの高密度磁気記録の分野にき
わめて有効な磁気記録媒体を提供するものである。
従来、これらの磁気記録媒体の走行性、耐久性向上のた
め各種の潤滑剤を磁性塗液に添加する方法(例えば、特
公昭49−39402号、同39−26793号、同5
1−39081号、同39−28367号、同4148
065号)、潤滑剤を磁性層表面に塗布する方法(例え
ば、特公昭59−39810号、特開昭56−1352
7号)、あるいは潤滑剤を含浸させる方法(例えば、特
開昭52−24503号)などが提案されている。しか
しながら、これらの方法では、超平滑化磁性面の走行性
及び耐久性が要求されている現在、高度な!磁変換特性
と走行性、耐久性の両立はできなくなった。
(発明の目的) 従って、本発明は、特に高密度記録(短波長記録)にお
ける電磁変換特性が優れ、かつ、走行安定性及び走行耐
久性、特に高温高温等の酷しい環境条件に保存しても摩
擦係数Cμ値)の増加が防止され、また繰り返し使用し
てもオーディオ及びビデオヘッドの目詰まりが防止され
、走行耐久性が極めて優れた磁気記録媒体及びその製造
方法を提供することを目的とする。
(発明の構成) すなわち本発明の上記目的は、非磁性支持体上に強磁性
粉末と結合剤とを主体として含有する磁性層を有する磁
気記録媒体において、前記磁性層が、塗布前の磁性塗液
に含まれる脂肪酸および脂肪酸エステルを含有し、且つ
非磁性支持体上に磁性塗膜を形成した後に磁性層上にオ
ーバーコートした脂肪酸エステルを有することを特徴と
する磁気記録媒体によって達成することができる。
又、本発明の上記目的は、非磁性支持体上に磁性層を塗
設する磁気記録媒体の製造方法において、主として、強
磁性粉末、結合剤、脂肪酸および脂肪酸エステルを混合
分散してなる磁性塗液を非磁性支持体上に塗布し、乾燥
させた後に、この塗膜上に脂肪酸エステルをオーバーコ
ートすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法によ
って達成することができる。
すなわち本発明により、脂肪酸及び脂肪酸エステルを含
む磁性塗液を非磁性支持体上に塗設し、磁性面をカレン
ダー処理により超平滑にし、これに脂肪酸エステルをオ
ーバコートすることによって、極めて平滑な充填度の高
い磁性面であり、出力が向上し、C/Nも良化し、優れ
た電磁変換特性と走行性及び耐久性が得られた。
磁性塗液に脂肪酸及び脂肪酸エステル等の潤滑剤を添加
する方法では、添加量が少ないと充分な走行性及び耐久
性が得られない。また、脂肪酸エステルの添加量が多い
と、磁性層の可¥化が大きくなり耐久性が弱くなり、あ
るいはオーバーコートまでの製造工程でウェブハンドリ
ングの時にパスロール等を汚したりする問題がある。
脂肪酸及び脂肪酸エステル等の潤滑剤を磁性塗液に添加
しないで磁性層表面に塗布する方法では、磁性テープ製
造後の経時保存により走行性及び耐久性が悪化する。こ
れは磁性層内部が潤滑剤で飽和しておらず、磁性層表面
との潤滑剤濃度勾配が生じるため、経時保存により塗布
した潤滑剤が磁性層中に吸収され、磁性層表面における
潤滑剤の存在量が低下するため充分な潤滑機能を発揮し
えないためと推定される。これらを防止するため潤滑剤
を塗設後に熱処理により経時促進させることが特開昭5
6−13527号に開示されているが、熱処理により製
造工程が一つ増え製造コストがかかるという問題が生し
たり、熱処理により磁性テープが変形する問題が生しる
。特に高密度記録のビデオテープの場合は、テープ厚が
薄く変形し易いため、ビデオヘッドへのテープのあたり
が変動し出力変動をおこしたりする問題があり好ましく
ない。
これら従来技術の欠点を解決するため、本発明では磁性
塗液に添加し潤滑剤として用いる脂肪酸および脂肪酸エ
ステルの内脂肪酸エステルの一部を磁性塗液に添加ぜず
、磁性層にオーバーコートすることにより、驚いたこと
に耐久性の確保に必要な脂肪酸エステルの総量を滅しる
ことができた。
耐久性向上に特に効果的なのは流体潤滑的機能であり、
これには脂肪酸エステルが有効であることから、脂肪酸
エステルが磁性層表面上に局在化したためと推定される
。すなわち、磁性層内部には磁性塗液に添加した脂肪酸
エステルがあるため、磁性層表面に脂肪酸エステルをオ
ーバーコートしても磁性層内部と磁性層表面との潤滑剤
濃度勾配があまり大きくならず、磁性テープの経時保存
後も、耐久性を発揮するに必要な潤滑剤の磁性層表面存
在量が確保できたものと考えられる。
更に、本発明の製造方法において、オーバーコートする
脂肪酸エステルが常温で粘度の低い液状の場合は、有機
溶剤を用いずにオーバーコートすることが可能となり、
有機溶剤を用いる場合の防爆装置が不要となり、製造装
置上・製造コスト上の大きな利点を有する。また、常温
で固体あるいは粘度の高い液状の場合は、加温して使用
することにより、有機溶剤を用いないでもオーバーコー
ト可能となり、防爆装置類が不要となる。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明において用いる脂肪酸は炭素数の総和が12〜2
6のもの、特に14〜20のものが走行性および耐久性
向上に効果的で好ましい、これらの好ましい具体例とし
てはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、テ
トラコサン酸、ヘキサコサン酸、オレイン酸、リノール
酸、リルン酸、エイコ酸、エライジン酸、エルカ酸など
の脂肪酸類であり、特に好ましくはミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸
、オレイン酸、エルカ酸である。
磁性塗液に用いる脂肪酸は、1種でも、2種以上の脂肪
酸を混合したものでもよい。
本発明において用いる脂肪酸エステルは炭素数の総和が
16〜36のもの、特に18〜26のものが走行性およ
び耐久性向上に効果的で好ましい。これらの好ましい具
体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オ
レイン酸、エイコ酸、エライジン酸、エルカ酸などの脂
肪酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、5ec−ブ
チル、アミル、1so−アミル、ヘキシル、2−エチル
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、1so−オクチル、デ
シル、1so−デシル、1so−トリデシル、1so−
セチル、オレイル、1so−ステアリル等の直鎖、分岐
アルキルのエステル類であり、あるいはメトキシエチル
、エトキシエチル、プロポキシエチル、ブトキシエチル
、ブトキシエトキシエチル、ブトキシエトキシエトキジ
エチル等のアルコキシエステル類であり、特に好ましく
はミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸オクチル、パルミ
チン酸プロピル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン
酸オクチル、オレイン酸オレイルなどである。
磁性塗液に用いる脂肪酸エステルおよびオーバーコート
される脂肪酸エステルは、同一でも異なっていてもよく
、各々、2種以上の脂肪酸エステルを混合したものであ
ってもよい。
特に、オーバーコートに用いる脂肪酸エステルとしては
、融点が30℃以下であることが好ましい。
このような脂肪酸エステルとしては総炭素数が36以下
の脂肪酸エステルが挙げられる。これら脂肪酸エステル
は有機溶剤を用いずに直接オーバーコートしても、粘度
が低いため薄く均一にオーバーコートすることが可能と
なる。
本発明において、磁性塗液に用いる脂肪酸の使用量は強
磁性粉末100重量部に対し0.1〜3重量部が好まし
く、より好ましくは0.3〜2重量部である。また、磁
性塗液に用いる脂肪酸エステルの使用量は強磁性粉末1
00重量部に対し0.1〜2重量部が好ましく、より好
ましくは0.3〜1.5重量部である。
本発明の磁性塗液において、潤滑側構成成分である脂肪
酸と脂肪酸エステルとの比は、脂肪酸1重量部に対し、
0.5〜lO重量部、好ましくは1〜5重量部の脂肪酸
エステルを用いる。
本発明において、オーバーコートされる脂肪酸エステル
の塗布量は5〜300■/rrlが好ましく、より好ま
しくは5〜50■/ボである。
なお、磁性塗液に用いる潤滑剤は、磁性層に用いる潤滑
剤総量の10〜80重量%であり、好ましくは30〜7
0重量%である。
上記本発明の磁気記録媒体は、以下の■〜■をを満足さ
せることによって製造することができる。
■ 磁性層に含有させる強磁性粉末が、BET法による
比表面積が35rd/g以上であり結晶子サイズが30
0Å以下であること、好ましくは比表面積が45n’r
/g以上であること、更に好ましくは強磁性合金粉末で
ありBET法による比表面積が55rd/g以上である
。 1oOrrf/g以上になるとσ、が低下するため
実用的には55〜100rd/gの範囲がよい。
■ 磁性層における強磁性粉末と結合剤との含有割合が
、強磁性粉末100重量部に対し結合剤10〜30重量
部、好ましくは18〜30重量部であり、かつその他の
添加剤の含有量が結合剤の含有量よりも少ない。
■ 磁気記録媒体の製造時に、磁性層はカレンダー処理
されている。好ましくは、少なくとも1対の剛性ロール
(例えば、中心表面粗さ(Ra)が約2On−以下であ
るメタルロール)でカレンダー処理されている。
■ 上記カレンダー処理前の磁性層のガラス転移温度’
rg  (E″のピーク温度)が、カレンダー処理温度
よりも30℃以上、好ましくは50’C以上低い値であ
る。
本発明の磁気記録媒体の製造方法において、脂肪酸エス
テルをオーバーコートする方法としては、磁性塗料を非
磁性支持体上に塗設・乾燥した後に、(1)前記脂肪酸
エステルを液状で(所望により加温させながら)、有機
溶剤を用いずに直接塗布・乾燥させる方法 (2)脂肪酸エステルを有41g溶剤に溶解させた潤滑
剤溶液を塗布・乾燥させる方法 (3)脂肪酸エステルもしくはその有機溶剤溶液を噴霧
する方法 (4)脂肪酸エステル蒸気の中を該磁性層を担持した支
持体を通過させる方法 (5)脂肪酸エステルを固体杖で擦りつける方法などが
挙げられる。
上記製造方法のうち好ましい方法は(1)及び(2)で
あり、特に好ましくは(1)である。
(1)及び(2)の方法において、塗布方式としてはデ
イツプコート、グラビアコート、エクストルージッンコ
ート、コイルバーによるコーティング、カーテンコート
、スライドコート、潤滑剤溶液を含浸させた繊維等をタ
ッチさせるコーティング方式などを用いることができる
潤滑剤のオーバーコート処理とカレンダー処理の順序は
特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施し
た後に潤滑剤をオーバーコートすることが好ましい。こ
れは、例えば、カレンダー処理とオーバーコート処理と
を直結し、カレンダー処理直後に巻きとらずにオーバー
コート処理することが可能となるからである。
オーバーコートするときに用いることのできる有機溶剤
は、潤滑剤に対する溶解性があり、一方塗設した磁性層
を溶解しにくいものあるいは磁性層に損傷を与えないも
ので、しかも沸点が120℃以下のものが好ましい。具
体的な有機溶剤を例示するとアセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メ
チル、酢酸エチルなどのエステル類、メタノール、エタ
ノール、プロパツールなどのアルコール類、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、リグロイン、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、エチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類などが使用可能である。これらの内好ましいものは
アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノー
ルなどの沸点が80゛C以下のものである。必要によっ
てはこれらの混合溶剤を用いてもよい。
本発明に於ける非磁性支持体としては特に制限はなく、
通常使用されているものを用いることができる。非磁性
支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド
、ポリイミドなどの各種の合成#J脂フィルム、および
アルミ箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げることがで
きる。
また、非磁性支持体の厚さにも特に制限はないが、一般
には2.5〜100μ、好ましくは3〜80−である。
また、該支持体の表面粗さ(Ra :光干渉式表面粗さ
)は、0.05−以下、好ましくは0.02tra以下
、更に好ましくは0.015〜0.004−であり、特
に0.024以下の表面平滑性の優れた支持体を使用し
た場合に優れた効果を奏することができる。
本発明における強磁性微粉末としては、従来公知の強磁
性微粉末、例えば、γ−酸化鉄系強磁性粉末、Co含含
有−酸化鉄系強磁性粉末、強磁性二酸化クロム微粉末、
強磁性金属又は合金微粉末、窒化鉄系強磁性粉末、バリ
ウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の六方晶
フェライト系の強磁性粉末等を用いることができる。こ
のような強磁性微粉末は、それ自体公知の方法によって
製造することができる0本発明においては、BET法に
よる比表面積が35rrf/g以上、好ましくは45n
f/g以上であり、結晶子サイズが300Å以下、好ま
しくは250Å以下であるような強磁性粉末を使用する
ことが好ましい。
強磁性粉末の形状には特に制限はないが、通常は針状、
粒状、サイコロ状、米粒状、板状のものなどを使用する
ことができる。
本発明における磁性層の結合剤としては、従来値−気記
録媒体用の結合剤として使用されている公知の熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、
及びこれらの混合物の何れであってもよい、より好まし
くは、上記結合剤中に放射線照射により架橋または重合
可能な物質が含有されていることである。
上記熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステルアクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデ
ン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メ
タアクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタ
アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタアク
リル酸エステルスチレン共重合体、塩化ビニル系共重合
体(詳細は後記)、ポリウレタン樹脂(詳細は後記)、
ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニ
トロセルーースーポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、
塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブタジェン
アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニ
ルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテー
トブチレート、セルロースダイアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセ
ルロース等)、スチレンブタジェン共重合体、ポリエス
テル樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共
重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂
等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗布
液の状態では20万以下の分子量であり、塗布、乾燥後
に加熱することにより、分子量が極めて大きくなるもの
であり、例えば、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系
反応樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロー
スメラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシア
ネートプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体
とジイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、尿素ホ
ルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジ
オール/トリフェニルメタントリイソシアネートの混合
物、ポリアミン樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる
更に、放射線硬化性樹脂としては、放射線照射により硬
化させることができる炭素炭素不飽和結合を分子中に少
なくとも一個有する樹脂を使用することができる。放射
線硬化性樹脂の例としては、前記塩化ビニル系共重合体
やポリウレタン樹脂に、分子中に炭素炭素不飽和結合を
少なくとも一個有する化合物を、重合時の共重合成分と
して使用したり、前記共重合体や樹脂と反応させたりす
ることによって含有させることにより製造されたものを
挙げることができる。炭素炭素不飽和結合を少なくとも
一個有する化合物としては、分子中に少なくとも一個の
(メタ)アクリロイル基を含有する化合物が好ましく、
このような化合物には更にグリシジル基や水酸基が含ま
れていてもよい。
更に、前記結合剤に、放射線照射により重合可能な化合
物を添加してもよい。このような化合物としては、(メ
タ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類
、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類
、ビニル異tM 化合物、N−ビニル化合物、スチレン
類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸類、イタコ
ン酸類、オレフィン類、等を挙げることができる。これ
らの中でも特に好ましい化合物は、−分子中に(メタ)
アクリロイル基を二個以上含有する化合物、例えば、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ (メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリイソシアネ
ートとポリ(メタ)アクリレートとの反応生成物、等を
挙げることができる。
上記塩化ビニル系共重合体としては、軟化温度が150
°C以下、平均分子量が1万〜3o万、程度のものを使
用することができる。
好ましい塩化ビニル系共重合体の具体例としては、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステ
ル共重合体、塩化ビニルグリシジル(メタ)アクリレー
ト共重合体、あるいはこれに−so、M基、−PO2M
g基、−COOM 基等ヲ有する化合物を付与した塩化
ビニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン
酸−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−プロピオ
ン酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−プロピ
オン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル−アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、およ
びこれらの共重合体を酸化したもの等を挙げることがで
きる。
特に、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基または
その塩、リン酸基またはその塩、アミノ基、水酸基等の
極性基を有する塩化ビニル系共重合体が、磁性体の分散
性向上のために好ましい。
また、上記ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとジ
イソシアネートと、更に必要に応じて鎖延長剤とから、
それ自体公知のポリウレタンの製造方法によって製造さ
れたポリウレタン樹脂を使用することができる。
上記ポリオールは、例えば、ポリエーテルジオール、ポ
リエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
カプロラクトンジオールのような化合物である。
上記ポリエーテルジオールの代表例としては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリア
ルキレングリコールを挙げることができる。
上記ポリエステルジオールは、例えば、二価のアルコー
ルと二塩基酸との重縮合、ラクトン類、例えば、カプロ
ラクトンの開環重合等によって合成することができる。
代表的な二価のアルコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、1.6−
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタツール等のグ
リコールを例示することができる。また、代表的な二塩
基酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸
、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸等を例示するこ
とができる。
また、ポリカーボネートジオールは、例えば、下記一般
式(A−1) HO−R’−OH(A−1) 〔式中、R1は、例えば、−(CH2)ll−(nは3
〜14H3 で表わされる多価アルコールと、ホスゲン、クロルギ酸
エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリールカ
ーボネートとの縮合又はエステル交換により合成される
、分子量300〜2万、水酸基価20〜300のポリカ
ーボネートジオール、或いは、該ポリカーボネートジオ
ールと下記一般式(A−2) HOOC−R”−COOH(A−2) 〔式中、R1は、炭素原子数3〜6個のアルキレン基、
1.4−2■、3−若しくは1,2−フェニレン基又は
1.4−11.3−若しくは1,2−シクロヘキシレン
基を表わす。〕 で表わされる二価カルボン酸との縮合により得られる、
分子量400〜3万、水酸基価5〜300のポリカーボ
ネートポリエステルジオールである。
上記ポリオールに、その他のポリオール(例えば、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール
)やポリエステルを、上記ポリオールの90重量%まで
配合し併用してもよい。
上記ポリオールと反応させてポリウレタンを形成するた
めに用いられるポリイソシアネートとしては、特に制限
はなく通常使用されているものを用いることができる0
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1.3
−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジ
イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ト
ルイジンジイソシアネート、2.4− )リレンジイソ
シアネート、2.6−トリレンジイソシアネート、4.
4″−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、1.5−ナフチレンジイソシアネート、4.4−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、3,3−ジメチルフ
ェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネートなどを挙げることができる。
鎖延長剤としては、例えば、前記の多価アルコール、脂
肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン
等を挙げることができる。
上記ポリウレタンは、例えば、−COOM 、−5OJ
、OP03M、−0M(ここで、Mは、水素原子、ナト
リウム、またはカリウムを示す)等のような極性基を含
有していてもよい。
また、上記結合剤には、更に、イソシアネート基を二個
以上有する化合物(ポリイソシアネート)を含有させて
もよい。このようなポリイソシア7−トとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、4.4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、0−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、これらイソ
シアネート類とポリアルコールとの反応生成物、及び、
これらイソシアネート類の縮合によって生成したポリイ
ソシアネート等を挙げることができる。上記ポリイソシ
アネート類は、例えば、日本ポリウレタン工業■から、
コロネートしいコロネートHL、コロネートH1コロネ
ートEH,コロネー) 2030、コロネート2031
、コロネート2036、コロネート3015、コロネー
ト3041.コロネート2014、ミリオネートMR、
ミリオネートMTL、ダルトセック1350、ダルトセ
ック2170、ダルトセック2280、式日薬品工業■
から、タケネートD−102、タケネートD−LION
、タケネートD−200、タケネー)D−202、住人
バイエル■から、スミジュールN75、西独バイエル社
から、デスモジュールし。
デスモジュールIL、デスモジュールN1デスモジュー
ル肛、大日本インキ化学工業■から、パーノック−D8
50 、バーノック−D802、などの商品名で販売さ
れている。
本発明の磁気記録媒体の磁性層における強磁性粉末と結
合剤との配合割合は、強磁性粉末100重量部当たり結
合側lO〜30重量部であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体の製造時に磁性層をカレンダー処
理する際に、カレンダー処理前の磁性層のガラス転移温
度Tg(E’のピーク温度)が、カレンダー処理温度よ
りも30°C以上、好ましくは50℃以上低い値に保持
されていることが好ましい。
一般に、上記Tgは60℃以下、特に40℃以下である
ことが好ましい。上記Tgを上記条件に保持するために
は、前記結合剤の種類や使用量を適宜選択したり、磁性
層中に残留する溶剤の量を調節すればよい、特に、前記
結合剤として、放射線照射により架橋または重合可能な
物質を使用すると、上記Tgの調節を容易に行なうこと
ができる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、上記強磁性微粉末
および結合剤の外に、他の各種の添加物、例えば、カー
ボンブラック、充填材、研磨材、分散剤、帯電防止剤、
潤滑剤等を含有させることができる。このような各種の
添加物の含有量は、結合剤の含有量よりも少ないことが
好ましい。
上記カーボンブラックとしては、公知のカーボンブラッ
ク、例えば、ファーネスブラック、カラー用ブラック、
アセチレンブラック、等の任意のカーボンブラックを任
意に使用することができる。
カーボンブラックの表面の一部がグラフト化しているも
のを用いてもよい。平均粒子サイズが約30〜1000
n−のカーボンブラックを使用することが好ましく、微
粒子のカーボンブラックと粗粒子のカーボンブラックと
を併用してもよい。
上記充填材としては特に制限はなく、例えば、平均粒径
が0.01〜0.8−の範囲、好ましくは0.06〜0
.4−の範囲の通常使用されている粒状充填材を使用す
ることができる。上記の充填材の例としては、二硫化タ
ングステン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、リトポンおよび
タルクなどの粒子を挙げることができ、これらを単独で
あるいは混合して使用することができる。
本発明における磁性層中に含有される研磨材としては、
例えば、α−アルミナ、熔融アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモン
ド、α−酸化鉄、ザクロ石、エメリー(主成分:コラン
ダムと磁鉄鉱)、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ素、窒
化ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングス
テン、チタンカーバイド、トリポリ、ケイソウ土、ドロ
マイト等が、磁気記録媒体の磁性層の耐久性の面から代
表的なものとして挙げられる。特に、モース硬度6以上
の研磨材を一種乃至四種組み合わせて使用することが好
ましい。
研磨剤の平均粒子サイズは0.005〜5μ、特に0.
05〜2−であることが好ましい。
分散剤としては、炭素数9〜22の脂肪酸(例えば、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、バ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸
、リノール酸、リルン酸、ステアロール酸)、上記脂肪
酸とアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カ
リウム)またはアルカリ土類金属(例えば、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウム)とからなる金属石鹸、上記
脂肪酸のエステル及びその化合物の水素原子の一部ある
いは全部をフッ素原子で置換した化合物、上記脂肪酸の
アミド、脂肪族アミン、高級アルコール、ポリアルキレ
ンオキサイドアルキルリン酸エステル、アルキルリン酸
エステル、アルキルホウ酸エステル、サルコシネート類
、アルキルエーテルエステル類、トリアルキルポリオレ
フィンオキシ第四級アンモニウム塩、及びレシチン等の
公知の分散剤を挙げることができる0分散剤を使用する
場合、通常は使用する結合剤100重量部に対して0.
05〜20重量部の範囲で使用される。
帯電防止剤としては、カーボンブラックグラフトポリマ
ー等の導電性微粉末:サポニン等の天然界面活性剤;ア
ルキレンオキサイド系、グリセリン系およびグリシドー
ル系等のノニオン性界面活性剤;高級アルキルアミン類
、第四級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環化
合物の塩類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等の
カチオン性界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、燐酸
、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含む
アニオン性界面活性剤;アミノM類、アミノスルホン#
類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類など
の両性界面活性剤などを挙げることができる。帯電防止
剤として上記の導電性微粉末を使用する場合には、たと
えば結合剤100重量部に対して0.2〜20重量部の
範囲で使用され、界面活性剤を使用する場合には0.1
〜lO重量部の範囲で使用される。
潤滑剤としては、前記した潤滑剤として本発明に使用さ
れる脂肪酸および脂肪酸エステルの他に、高級アルコー
ル類、鉱物油、動植物油、オレフィン低重合体、α−オ
レフィン低重合体等や、シリコンオイル、グラファイト
微粉末、二硫化モリブデン微粉末、テフロン微粉末など
の公知の潤滑剤およびプラスチック用潤滑剤を挙げるこ
とができる。
混線の際に使用する溶剤に特に制限はなく、通常、磁性
塗料の調製に使用されている溶剤を使用することができ
る。
混練の方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順序
などは適宜設定することができる。
磁性塗料の調製には通常の混練機、例えば、二本ロール
ミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、トロ
ンミル、サンドグラインター、ツェグバリ(Szegv
ari )アトライター、高速インペラー分散機、高速
ストーンミル、高速度衝撃ミル、デイスパー、ニーダ−
1高速ミキサー、ホモジナイザーおよび超音波分散機な
どを挙げることができる。
尚、上述した分散剤、帯電防止剤、潤滑剤などの添加剤
は、厳密に上述した作用効果のみを有するものであると
の限定の下に記載したものではなく、例えば、分散剤が
潤滑剤あるいは帯電防止剤として作用することもあり得
る。従って、上記分類により例示した化合物などの作用
効果が、上記分類に記載された事項に限定されるもので
はないことは勿論であり、複数の作用効果を奏する物質
を使用する場合には、添加量は、その物質の作用効果を
考慮して決定することが好ましい。
その他、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、
泡どめ剤などを添加することもできる。
このようにして調製された磁性塗料の粘度は、通常60
〜200psの範囲内にある。
磁性塗料の塗布は、前記非磁性支持体上に直接行なうこ
とも可能であるが、また、接着剤層などを介して、また
は、非磁性支持体上に物理的処理(例えば、コロナ放電
処理、電子線照射処理)を施した後、非磁性支持体上に
塗布することもできる。
非磁性支持体上への塗布法の例としては、エアードクタ
ーコート、ブレードコート、ロンドコート、押出しコー
ト、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、
リバースロールコート、トランスファーロールコート、
グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレ
ィコートおよびスピンコード等の方法を挙げることがで
き、これらの方法以外であっても利用することができる
同時重層塗布(wet on wet法)でもよい。
塗布厚さは、最終的に得られる磁気記録媒体の磁性層の
厚さが2〜10mの範囲内の厚さとなるようにすること
が好ましい。
一般にこのように塗布された塗布層が未乾燥の状態で磁
場配向処理を行ない、磁性層に含有される強磁性微粉末
を配向させる。磁場配向処理は、通常の方法に従って行
なうことができる。
次に、塗布層を乾燥工程に付して乾燥して磁性層とする
。乾燥工程は、通常50〜120°Cにて塗布層を加熱
することにより行なう、加熱時間は一般には10秒間〜
5分間である。
乾燥した後、通常は、磁性層に表面平滑化処理を施す。
表面平滑化処理は、カレンダー処理によって行なう、こ
のカレンダー処理は、少なくとも一対(二段)の、好ま
しくは三段以上の剛性ロールを使用して加熱・加圧する
工程を含むものであることが好ましい。上記剛性ロール
としては、例えば、中心表面粗さ(Ra  :カットオ
フ値、0.25閣)が約20nm以下、より好ましくは
約1On−以下であるメタルロールが好ましい。剛性ロ
ールの例としては、各種の鋼製のロールの表面にハード
クロムメンキやセラミックコーティングを施したもの、
ロール表面が超硬合金製のロール等を挙げることができ
る。少なくとも一対の剛性ロールを使用する工程の前お
よび/または後に、通常のカレンダー処理で使用される
剛性ロールと弾性ロールとの組合せロールを使用する工
程を設けてもよい。
上記のカレンダー処理は、50〜110℃の範囲の温度
で、50〜1000kg/cmの範囲の線圧(好ましく
は100〜400 kg/cm、より好ましくは200
〜350kg/cm )で行うことが好ましい。カレン
ダー処理条件が上記範囲外であると、本発明の磁気記録
媒体を製造することができない。上記処理条件が、上記
範囲よりも低いと、電磁変換特性及び走行特性の優れた
磁気記録媒体を製造することができず、また、上記範囲
よりも高いと、磁気記録媒体が変形したり、剛性ロール
が破損したりする。
上記のようにして表面平滑化処理した後、適宜放射線照
射処理または熱処理を施し、所望の形状に裁断して磁気
記録媒体とする。
上記放射線処理において照射される放射線としては、電
子線、γ線、β線、紫外線などを使用できるが、好まし
くは電子線である。N子線照射は電子線加速器を用いて
行われる。この電子線照射によって、非磁性支持体上に
塗布した磁性塗料のの結合剤成分が重合反応を起こし硬
化する。
照射する電子線は、一般に100〜500 kV、好ま
しくは150〜300 kVの加速電圧のものが使用さ
れる。また、吸収線量は、一般に1.0〜20メガラン
ド、好ましくは2〜10メガラツドである。加速電圧が
100kVに満たない場合には、エネルギーが不足し磁
性層の硬化反応が完全に進行しないことがあり、一方、
500 kVを超えると付与するエネルギーが重合反応
に使われるエネルギーよりも過剰になり、磁性層および
非磁性支持体に悪影響を及ぼすことがある。
また、吸収線量が1.0メガランドに満たない場合には
、硬化反応の進行が不充分で磁性層の強度が充分となら
ないことがあり、一方、20メガラツドを超えるとエネ
ルギー効率が低下して不経済であるばかりではなく、被
照射体が発熱することもあり、発熱により非磁性支持体
が変形することもある。
本発明は上記放射線(it電子線照射工程により、磁性
層の硬化工程を、通常の加熱硬化処理に比べて大幅に短
縮することもできる。さらに、製造時の溶剤の使用量を
大幅に低減することができ、そして製造後直ぐに品質が
安定するため製品の出荷が直ぐに可能である等の利点を
有する。
本発明では放射線を上記のように磁性塗料を塗布し、カ
レンダー処理を施した後に照射することが好ましいが、
照射した後カレンダー処理することも可能である。ある
いは更にもう一度放射線照射することも可能である。
非磁性支持体の磁性層が設けられていない側の表面には
、それ自体公知のバック層が設けられていてもよい。バ
ック層は、例えば、カーボンブラックと、モース硬度5
以上の無機充填剤粒子が分散された結合剤からなり厚さ
0.6.s以下の薄膜層である。
(発明の効果) 本発明は、磁性塗液に脂肪酸及び脂肪酸エステルを含有
し、磁性層を形成後、磁性層上に脂肪酸エステルをオー
バーコートするために、磁性層表面に存在する脂肪酸エ
ステル量をコントロールすることができ、且つ磁性層表
面に脂肪酸が適度に滲み出ることにより、高温高温等の
酷しい環境条件に保存しても摩擦係数(μ値)の増加が
防止され、また繰り返し使用してもオーディオヘッドの
目詰まりが防止され、走行耐久性が極めて優れ、且つ電
磁変換特性の極めて優れた磁気記録媒体が得られた。
(実施例) 次に、本発明の実施例および比較例を示す。
各側において、「部」は「重量部」を示す。
〔実施例1〕 強磁性合金粉末 (組成: Fe94%、Zn4%、Ni2%、Hc 1
5000e、結晶子サイズ200人)100部をオープ
ンニーグーで10分間粉砕した。次いで、塩化ビニル/
酢酸ビニル/グリシジルメタアクリレート(86/ 9
 / 5重量比)共重合体にヒドロキシエチルスルフォ ネートナトリウム塩を付加した化合物 (SO,Na基含有量−6xlo−5eq/ g、エポ
キシ基含有量−10−’eq/g、平均分子量=30.
000)         10部メチルエチルケトン
          60部を加え60分間混練した。
次いで、 5OJa基含有ウレタン樹脂 (東洋紡製UR8200)      (固形分)10
部研磨剤<Altos粒子サイズ0.3−)    2
部カーボンブラック(粒子サイズ40r+n+ )  
 2部メチルエチルケトン          100
部トルエン               100部を
加えてサンドミルで120分間分散した。これに、ポリ
イソシアネート(日本ポリウレ タン製コロネート3041 )    (固形分)5部
潤滑剤A           (表−1参照)メチル
エチルケトン          50部を加え、さら
に20分間撹拌混合した後、1−の平均孔径を有するフ
ィルターを用いてろ過し、磁性塗料を調製した。
得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが3.O*になるよう
に、厚さ10Bのポリエチレンテレフタレート支持体の
表面にリバースロールを用いて塗布した。
磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾
燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、
さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−
弾性ロール−金属ロール−弾性ロール−金属ロールの組
合せによるカレンダー処理を、速度100si/sin
、線圧300kg/cm 、温度90°Cで行なった後
、172インチ幅にスリットした。
こうしてできたビデオテープの磁性層面に、潤滑剤B 
          (表−1参照)メチルエチルケト
ン          50部の溶液を、潤滑剤Bの乾
燥後の塗布量が30mg/rrfになるようにグラビア
コートして172インチのビデオテープサンプルを作成
した。
〔実施例2〜3、比較例1〜4〕 実施例Iにおいて、磁性塗料に用いた潤滑剤A、および
オーバーコート液に用いた潤滑剤Bを、表1に示すよう
に変えた以外は実施例1と同様に操作して、172イン
チのビデオテープサンプルを作成した。
〔実施例4〕 実施例1において、オーバーコート液を有機溶削メチル
エチルケトンなしで潤滑剤Bを直接オーバーコートする
ように変えた以外は実施例1と同様に操作して、172
インチのビデオテープサンプルを作成した。
上記のようにして作成した172インチビデオテープサ
ンプルについて、以下の性能評価を実施した。
(1)電磁変換特性: 上記ビデオテープにβカム方式V T R(Sony■
製:BVW60)を用いて7 MHzの信号を記録し、
再生した。基準テープ(比較例1)に記録した7MHz
の再生出力をOdBとしたときのビデオテープの相対的
な再生出力を測定した。
(2)走行性: 得られたビデオテープの磁性面とステンレスポールとを
50gの張力(T1)、巻きつけ角180°で接触させ
、この条件下で、ビデオテープを3.3cm/secの
速度で走行させるのに必要な張力(T2)を測定した。
この測定値をもとに、下記計算式によりビデオテープの
摩擦係数μをもとめた。
μ=1/π・j!−(Tz/T+) 尚、摩擦係数の測定は、25°C170%RHの条件で
行なった。
(3)耐久性: ■スチル耐久性: 上記のVTRを用いてスチル状態でテストし、再生出力
が記録信号の50%になるまでの時間を測定した(これ
をスチル耐久時間とする)、このときUnloardi
ngll能は解除した。
■早送り巻戻し汚れ: 上記のVTRを用いて早送り巻戻しを100回連続して
行い、ガイドボールの汚れを目視により観察し、以下の
評価基準により評価した。
O汚れがみられなかった。
△ 汚れが少しついていた。
× 汚れが多かった。
(4)繰り返し走行性: 90分長のビデオテープを200回連続繰り返し走行さ
せ、オーディオ出力を連続して記録し、オーディオヘッ
ドの目詰まりの発生度合を調べた。
(5)保存性: 50°C180%RHに1週間保存したビデオテープの
摩擦係数(μ値)とスチル耐久性を測定し、保存性を評
価した。
得られた結果を表−1に示した。
(以下余白) 表−1の結果より明らかな如く、本発明の磁気記録媒体
は、再生出力の高い優れた電磁変換特性と、摩擦係数(
μ値)の低い優れた走行性、および長時間のスチル耐久
性と共に早送り巻き戻しによっても汚れが認められない
という優れた耐久性を示した。また、繰り返し走行によ
ってもオーディオヘッドの目詰まりが発生せず、更には
、高温高温等の酷しい環境条件に保存しても摩擦係数の
増加やスチル耐久性の劣化が認められないという優れた
保存性を示した。
一方、比較例の磁気記録媒体において、脂肪酸と脂肪酸
エステルを磁性塗料に用い、オーバーコートしなかった
り(比較例1)、また、逆に、脂肪酸と脂肪酸エステル
をオーバーコート液に用い、磁性塗料には潤滑剤を用い
ないと(比較例2)、本発明の磁気記録媒体に比べ、そ
の性能はいずれも劣っていた。
更に、脂肪酸を磁性塗料には用いずに、オーバーコート
液に用いたり(比較例3)、また、脂肪酸エステルをオ
ーバーコート液には用いずに、磁性塗料に用いたり(比
較例4)した場合も、本発明の磁気記録媒体に比べ、そ
の性能はいずれも劣っていた。
以上より、本発明の磁気記録媒体だけが、優れた電磁変
換特性、走行性および耐久性を満足することがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体と
    して含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、前
    記磁性層が、塗布前の磁性塗液に含まれる脂肪酸および
    脂肪酸エステルを含有し、且つ非磁性支持体上に磁性塗
    膜を形成した後に磁性層上にオーバーコートした脂肪酸
    エステルを有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. (2)非磁性支持体上に磁性層を塗設する磁気記録媒体
    の製造方法において、主として、強磁性粉末、結合剤、
    脂肪酸および脂肪酸エステルを混合分散してなる磁性塗
    液を非磁性支持体上に塗布し、乾燥させた後に、この塗
    膜上に脂肪酸エステルをオーバーコートすることを特徴
    とする磁気記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4963864A (en) * 1987-08-07 1990-10-16 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Apparatus for displaying travel path

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62231425A (ja) * 1986-03-31 1987-10-12 Tdk Corp 磁気記録媒体

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