JPH043317A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH043317A
JPH043317A JP2103093A JP10309390A JPH043317A JP H043317 A JPH043317 A JP H043317A JP 2103093 A JP2103093 A JP 2103093A JP 10309390 A JP10309390 A JP 10309390A JP H043317 A JPH043317 A JP H043317A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic layer
fatty acid
recording medium
pores
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Pending
Application number
JP2103093A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Okita
務 沖田
Yutaka Tsunoishi
裕 角石
Yasuro Nishikawa
西川 康郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、磁気記録媒体及びその製造方法に関するもの
であり、特に高密度記録(短波長記録)における電磁変
換特性及び走行耐久性に優れた磁気記録媒体及びその製
造方法に関する。
(従来の技術とその課題) 近年、オーディオテープ、ビデオテープあるいはコンピ
ューター用磁気テープなどとして磁気記録媒体が広く利
用されている。磁気記録媒体は、電磁変換特性あるいは
走行耐久性など種々の特性において優れた特性ををして
いるものであることが要求される。特に、優れた1M1
変換特性と共に良好な走行特性は極めて重要な要件であ
り、上記両特性が共に優れているように両立させること
が必要である。
このような両者の要求特性を満たすために、磁気ディス
クにおいて、磁性層のランダム配向によって磁性層に平
均細孔面積6X10−’〜7X10−’tm” (細孔
径:86人〜9560人)の細孔を設け、更に細孔内に
潤滑剤を含浸させることにより、表面性に起因した出力
(ノイズ)を防止し、且つ耐久性を同時−に改良しよう
とする磁気ディスクが提案されている(特開昭62−1
37718号)。
又塗布層中に含まれる空孔径分布が0.O1〜0.II
m(100〜1000人)の空孔径のもので70容量%
以上占める磁気記録媒体が提案され、耐久性が改善され
るとしている(特開昭63−167416号)。
しかし、最近、5−VH3,ハイエイトという高画質・
高音質のシステムが検討され、更にはハイビジョンやデ
ジタル記録のビデオテープやフロッピーディスクの高密
度タイプなどのシステムが検討され、高密度化の要請が
ますます高くなっている。このような高密度化を達成す
るためには磁性層表面を例えば中心線平均粗さ(Ra)
で1Ons以下、好ましくは5n−以下の超平滑にする
ことが必要である。
このため、従来から実施されている金属ロールと弾性ロ
ールとの組合せによる平滑化処理工程に代えて、金属ロ
ールと金属ロールとの組合せによるカレンダー処理をし
て、表面性を向上させ、ノイズをさげC/Nをあげ記録
密度の高い磁気記録媒体を製造する方法が特開昭61−
230623号に開示されている。
しかしながら、この方法により折角磁性層表面の表面性
を平滑にし電磁変換特性を向上させても、磁性層の走行
性、耐久性が不足するため、高密記録の要求されるデジ
タル記録分野などの磁気記録媒体に上記の金属ロールと
金属ロールの組合せによる平滑化処理技術が実用化でき
ないでいた。
これは、一般に磁気テープの表面を平滑にすると、磁気
テープの走行中において磁性層と装置系との接触の摩擦
係数が増大する結果、短期間の使用で磁気記録媒体の磁
性層が損傷を受けたり、極端な場合には磁性層が剥離し
たりすることがある。
特にビデオテープではビデオヘッドと磁気記録媒体が高
速で接触しながら走行するため、磁性層から強磁性体粉
末あるいは結合剤が脱落し易く、磁気ヘッドの目詰まり
の原因ともなる。従って、磁気テープの表面を平滑にし
た磁気記録媒体では、磁性層の走行性および耐久性の向
上が必須の課題であった。特に、磁気テープの表面を前
記したように超平滑にすると、摩擦係数の増大は顕著で
あり、磁性層の走行性および耐久性の向上がより大きな
課題となり、その改良が強く望まれていた。
本発明は、超平滑な磁性層表面を有し、しかも走行性、
耐久性の高い磁気記録媒体の製造方法を提案し、ハイビ
ジョン、デジタル記録などの高密度磁気記録の分野にき
わめて有効な磁気記録媒体を提供するものである。
このような要請に対して、前記特開昭62−13771
8号や特開昭63−167416号による平均細孔面積
は非常に大きく、十分な平滑度が得られず、また細孔の
入口径が大きいため、潤滑剤の持続効果が少ない。すな
わち、従来の磁気記録媒体では磁性層表面がそれほど平
滑になっていないために、磁気ヘッドと磁性層の摺動面
積が小さく、それほど摺動特性に問題はないが、このよ
うな表面性では超平滑面になっていないため、短波長で
のS/Nが改良されず優れた1を磁変換特性が得られな
かった。
又、細孔の入口径が比較的大きいため潤滑剤がすぐ浸み
出し、効果が持続しないという欠点があった。
従来、磁気記録媒体の走行性、耐久性向上のために各種
の潤滑剤が用いられている。
例えば、特公昭51−39081号公報等には脂肪酸や
脂肪酸エステルを磁性塗液に添加することが記載され、
特公昭59−39810号公報には脂肪酸と脂肪酸エス
テルから1種および脂肪酸アミドから1種を磁性層表面
に塗設することが記載されている。しかしこれらの公報
に記載されている磁性層表面はそれほど平滑になってい
ない0例えば、特公昭59−39810号公報では、そ
の詳細な説明には金属ロールと金属ロールとの組合せに
よる平滑化処理が記載されているものの、その実施例で
は金属ロールと弾性ロールとの組合せによる平滑化処理
しか実施されていない、ところが、本発明のように、超
平滑面を有する高密度記録用磁気記録媒体の場合、これ
ら潤滑剤を磁性層内部もしくは磁性層表面に存在させて
も充分な走行安定性及び走行耐久性は得られなかった。
又、特開昭62−22239号には磁性層に脂肪酸を含
有させ且つ磁性層表面からの無極性炭化水素溶媒による
脂肪酸の抽出量が磁性層の体積当たり5〜30mg/c
jであるようにすることにより走行安定性及び走行耐久
性を向上させることが開示されている。しかしながら、
超平滑面を有する高密度記録用磁気記録媒体の場合、そ
のような所謂フリーな脂肪酸を磁性層内部に存在させて
も充分な走行安定性及び走行耐久性は得られなかった。
更に特開昭63−167416号ではパーフルオロポリ
エーテルなどのフッ素系潤滑剤も用いることができると
しているがエーテル結合は比較的極性が低く、かつ細孔
の入口径が大きいため良好な走行安定性及び走行耐久性
は得られなかった。
このように従来の潤滑側組成及び磁性層の細孔の入口径
では1!1磁変換特性と走行耐久性を同時に改良するこ
とはできなかった。
(発明の目的) 従って、本発明は、特に高密度記録(短波長記録)にお
ける1を磁変換特性が優れ、かつ、走行安定性及び走行
耐久性が向上した磁気記録媒体及びその製造方法を提供
することを目的とする。
(発明の構成) すなわち本発明の上記目的は、非磁性支持体上に強磁性
粉末と結合剤とを主体として含有する磁性層を有する磁
気記録媒体において、前記磁性層が、塗布前の磁性塗液
に含む脂肪酸と、非磁性支持体上に磁性!!!膜形膜形
成シカレンダ−処理後に磁性層上にオーバーコートした
脂肪酸エステルとを有し、かつ磁性層表面に多数の細孔
を有し、前記細孔の全容積が磁性層単位重量あたり0.
11ml/g以下で細孔の大口径の平均値が100Å以
下であることを特徴とする磁気記録媒体によって達成す
ることができる。
又、本発明の上記目的は、非磁性支持体上に磁性層を塗
設する磁気記録媒体の製造方法において、主として強磁
性粉末と結合剤と脂肪酸とを混合分散してなる磁性塗液
を非磁性支持体上に塗布し、配向し、乾燥させ、カレン
ダー処理を施した後に、この塗膜上に脂肪酸エステルを
主成分とする潤滑剤をオーバーコートすることを特徴と
する磁気記録媒体の製造方法によって達成することがで
きる。
特に、前記カレンダー処理を少なくとも一対の金属ロー
ルによるカレンダー処理(すなわち、金属ロールと金属
ロールの組合せによるカレンダー処理)とすることによ
り、磁性層表面に有する細孔を、その全容積が磁性層単
位重量あたり0.11ml/g以下でその人口径の平均
値が100λ以下に制御でき、極めて平滑な充填度の高
い磁性層が得られ、電磁変換特性と走行耐久性を同時に
改良する上で好ましい。
すなわち本発明は、磁性塗料中に脂肪酸を含み、磁性層
を設け、その後金属ロールと金属ロールによるカレンダ
ー処理をすることによって磁性層に゛存在する細孔の全
容積と大口径とを調節し、そのような磁性層表面に脂肪
酸エステルをオーバコートした磁気記録媒体である。
磁性層の細孔の全容積が前記磁性層単位重量当り0.1
H17g以下で前記細孔の入口径の平均値が100Å以
下とすることにより、極めて平滑な充填度の高い磁性層
であり、出力が向上しC/Nも良化し優れた電磁変換特
性が得られる。
又上記の如き細孔を有する磁性層中に脂肪酸を含むこと
により、カレンダー処理前は磁性層表面に適度に滲み出
ているため、ウェブハンドリングが良好にできる。金属
ロールと金属ロールを用いてカレンダー処理することに
より、細孔の入口径が小さくなり、その後滲み出る脂肪
酸の量は少量である。このため脂肪酸に起因する汚れが
防止でき、一方、潤滑特性を発揮するために必要な磁性
層表面の脂肪酸量はこの程度で十分発揮する。
一方脂肪酸エステルは磁性層表面における潤滑性(特に
走行耐久性)を左右する潤滑剤であり、カレンダー処理
後においても十分磁性層表面に存在する必要がある。し
かしながら磁性層内部に含んでいるのでは細孔の入口径
が小さく、磁性層表面に滲み出てこなくなるが、本発明
の如く、磁性層表面にオーバーコートすることによって
顕著に走行耐久性が改良される。
このように、本発明においては、用いられる潤滑剤(脂
肪酸と脂肪酸エステル)の機能をそれぞれ分離し、それ
ぞれの潤滑剤がそれぞれの機能を最適に発揮するように
構成したものである。
脂肪酸の潤滑剤としての機能は境界潤滑的機構による走
行性の改良と推定される。すなわち、磁性層中に含まれ
る脂肪酸は、磁性層表面に適度に滲み出て、表面上で炭
素鎖を外側にして配向し単分子膜を形成することにより
、表面エネルギーを下げ、走行性が改良される。このた
め、脂肪酸の磁性層表面における存在量は、脂肪酸エス
テルに比べ少量でもその効果を充分に発揮することがで
きる。
一方、脂肪酸エステルの潤滑剤としての機能は流体潤滑
的機構による走行耐久性の改良と推定される。すなわち
、液体の粘度勾配を利用して摩擦係数を下げ、走行耐久
性を改良するものである。
この流体潤滑を発揮するためには、脂肪酸エステルは磁
性層表面に多量に存在することが必要となる。ところが
、この脂肪酸エステルを磁性塗液に添加し、超平滑な磁
性層表面を得るため前記した金属ロールを用いてカレン
ダー処理すると、(i)磁性層内の空隙が潰され、長時
間使用において、磁性層表面への脂肪酸エステルの補給
が出来なくなり、また、(ii)Mi磁性層表面空隙入
口が潰され、脂肪酸エステルの磁性層表面存在量が最初
から少なくなる。これらの作用のため、良好な耐久性が
得られない。また、磁性層表面存在量を多くするために
多量の脂肪酸エステルを磁性塗液に添加すると、磁性層
が可塑化し、強度が著しく低下する。
本発明においては、金属ロールよる平滑化処理の後に脂
肪酸エステルをオーバーコートすることにより、磁性層
表面に多量に存在せしめ、良好な耐久性が確保される。
また、磁性塗液に多量に添加することによる磁性層の可
塑化も防止でき、磁性層の膜強度およびその耐久性を向
上する効果もある。
脂肪酸は潤滑特性が極めて優れるが強磁性粉末に吸着し
やすく、かつ大量に存在すると磁性層を可塑化しやすい
傾向がある。そこでこれらを組合せることにより、潤滑
特性に優れ、強磁性粉末にも吸着せず、磁性層も可塑化
しない磁気記録媒体が得られる。
又本発明の前記製造方法をとることにより上記本発明の
磁気記録媒体が極めて効率良く得ることができる。
本発明において前記細孔の全容積が前記磁性層単位重量
当り0.1ml/g以下(好ましくは0.005〜0.
05d/g)で前記細孔の入口径の平均値が100Å以
下(好ましくは10〜50人)の磁性層の製造方法は、 ■ 磁性層に含有させる強磁性粉末が、BET法による
比表面積が35rrf/g以上であり結晶子サイズが3
00Å以下であること、好ましくは比表面積が45rr
f/g以上であること、更に好ましくは強磁性合金粉末
でありBET法による比表面積が55ゴ/g以上である
100rd/g以上になるとσ1が低下するため実用的
には55〜b ■ 磁性層における強磁性粉末と結合剤との含有割合が
、強磁性粉末100311部に対し結合剤10〜30重
量部、好ましくは18〜30重量部であり、かつその他
の添加剤の含有量が結合剤の含有量よりも少ないこと、 ■ 磁気記録媒体の製造時に、磁性層は少なくとも1対
の剛性ロール(例えば、中心表面粗さ(Ra)が約2O
n−以下であるメタルロール)でカレンダー処理されて
いること、 ■ 上記カレンダー処理前の磁性層のガラス転移温度T
g(E“のピーク温度)が、カレンダー処理温度よりも
30℃以上、好ましくは50℃以上低い値であること、 を満足させることによって製造することができる。
本発明において用いる脂肪酸は炭素数の総和が12〜2
6のもの、特に14〜20のものが走行性および耐久性
向上に効果的で好ましい。これらの好ましい具体例とし
てはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、テ
トラコサン酸、ヘキサコサン酸、オレイン酸、リノール
酸、リルン酸、エイコ酸、エライジン酸、エルカ酸など
の脂肪酸類であり、特に好ましくはミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸
、オレイン酸、エルカ酸である。
本発明において、脂肪酸の使用量は強磁性粉末100重
量部に対し0.1〜3重量部が好ましく、より好ましく
は0.3〜2重量部である。
本発明において用いる脂肪酸エステルは炭素数の総和が
16〜36のもの、特に18〜26のものが走行性およ
び耐久性向上に効果的で好ましい、これらの好ましい具
体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オ
レイン酸、エイコ酸、エライジン酸、エルカ酸などの脂
肪酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、5ec−ブ
チル、アミル、1so−アミル、ヘキシル、2−エチル
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、1so−オクチル、デ
シル、1so−デシル、1so−)リゾシル、1so−
七チル、オレイル、1so−ステアリル等の直鎖、分岐
アルキルのエステル類であり、あるいはメトキシエチル
、エトキシエチル、プロポキシエチル、ブトキシエチル
、フトキシエトキシエチル、ブトキシエトキシエトキシ
エチル等のアルコキシエステル類であり、特に好ましく
はミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸オクチル、パルミ
チン酸プロピル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン
酸オクチル、オレイン酸オレイルなどである。
本発明において、脂肪酸エステルの塗布量は5〜300
 M/イが好ましく、より好ましくは10〜50m1g
/がである。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は磁性塗料を非磁性支
持体上に塗設・乾燥し、カレンダー処理を施したのち ■ 前記潤滑剤を有Il溶剖に溶解させた潤滑剤溶液を
塗布・乾燥させて潤滑剤層を設ける方法■ 前述の潤滑
剤もしくはその溶液を噴霧して該磁性層に潤滑剤層を設
ける方法 ■ 潤滑剤蒸気の中で該磁性層を担持した支持体を通過
させることにより潤滑剤層を設ける方法■ 前述の潤滑
剤を固体状で擦りつけることにより潤滑剤層を設ける方
法 などにより、製造することができる。
上記製造方法のうち好ましい方法は■であり、塗布方式
としてはデイツプコート、グラビアコート、エクストル
ージョンコート、コイルバーによるコーティング、カー
テンコート、スライドコート、潤滑剤溶液を含浸させた
繊維等をタッチさせるコーティング方式などを用いるこ
とができる。
またカレンダー処理と直結し、カレンダー直後に巻きと
らずにオーバーコートしてもよい。
なおこれらの方法により潤滑剤層を設ける磁性層に予め
潤滑に必要な潤滑剤の一部を磁性塗液に含ませておくこ
とができる。
潤滑剤構成成分である脂肪酸と脂肪酸エステルとの比は
、脂肪酸1重量部に対し、0.5〜10重量部、好まし
くは1〜5重量部の脂肪酸エステルを用いる。
潤滑剤層を設けるときに用いることのできる有機溶剤は
、潤滑剤に対する溶解性があり、一方塗設した磁性層を
溶解しにくいもので、あるいは潤滑剤層を設けるときに
損傷を与えないもので、しかも沸点が120”C以下の
ものが好ましい。具体的な有機溶剤を例示するとアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン類、酢Mメチル、酢酸エチルなどのエステル類
、メタノール、エタノール、プロパツールなどのアルコ
ール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル
、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭
化水素類、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロ
フランなどのエーテル類などが使用可能である。これら
の内好ましいものはア七トン、メチルエチルケトン、酢
酸エチル、メタノールなどの沸点が80℃以下のもので
ある。必要によってはこれらの混合溶削を用いてもよい
本発明に於ける非磁性支持体としては特に制限はなく、
通常使用されているものを用いることができる。非磁性
支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド
、ポリイミドなどの各種の合成樹脂フィルム、およびア
ルミ箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げることができ
る。
また、非磁性支持体の厚さにも特に制限はないが、一般
には2.5〜100−1好ましくは3〜80−である、
また、該支持体の表面粗さ(Ra :光干渉式表面粗さ
)は、0.05w以下、好ましくは0.02−以下、更
に好ましくは0.015〜0.004−であり、特に0
.02a以下の表面平滑性の優れた支持体を使用した場
合に優れた効果を奏することができる。
本発明における強磁性微粉末としては、従来公知の強磁
性微粉末、例えば、T−酸化鉄系強磁性粉末、Co含含
有−酸化鉄系強磁性粉末、強磁性二酸化クロム微粉末、
強磁性金属又は合金微粉末、窒化鉄系強磁性粉末、バリ
ウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の大方晶
フェライト系の強磁性粉末等を用いることができる。こ
のような強磁性微粉末は、それ自体公知の方法によって
製造することができる。本発明においては、BET法に
よる比表面積が35rrr/g以上、好ましくは、a5
rrf/g以上であり、結晶子サイズが300Å以下、
好ましくは250Å以下であるような強磁性粉末を使用
することが好ましい。
強磁性粉末の形状には特に制限はないが、通常は針状、
粒状、サイコロ状、米粒状、板状のものなどを使用する
ことができる。
本発明における磁性層の結合剤としては、従来磁気記録
媒体用の結合剤として使用されている公知の熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、及
びこれらの混合物の何れであってもよい、より好ましく
は、上記結合剤中に放射線照射により架橋または重合可
能な物質が含有されていることである。
上記熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステルアクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデ
ン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メ
タアクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタ
アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタアク
リル酸エステルスチレン共重合体、塩化ビニル系共重合
体(詳細は後記)、ポリウレタン樹脂(詳細は後記)、
ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニ
トロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、
塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブタジェン
アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニ
ルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテー
トブチレート、セルロースダイアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセ
ルロース等)、スチレンブタジェン共重合体、ポリエス
テル樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共
重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂
等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗布
液の状態では20万以下の分子量であり、塗布、乾燥後
に加熱することにより、分子量が極めて大きくなるもの
であり、例えば、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキンド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系
反応樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロー
スメラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシア
ネートプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体
とジイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、尿素ホ
ルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジ
オール/トリフェニルメタントリイソシアネートの混合
物、ポリアミン樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる
更に、放射線硬化性樹脂としては、放射線照射により硬
化させることができる炭素炭素不飽和結合を分子中に少
なくとも一個有する樹脂を使用することができる、放射
線硬化性樹脂の例としては、前記塩化ビニル系共重合体
やポリウレタン樹脂に、分子中に炭素炭素不飽和結合を
少なくとも一個有する化合物を、重合時の共重合成分と
して使用したり、前記共重合体や樹脂と反応させたりす
ることによって含有させることにより製造されたものを
挙げることができる。炭素炭素不飽和結合を少なくとも
一個有する化合物としては、分子中に少なくとも一個の
(メタ)アクリロイル基を含有する化合物が好ましく、
このような化合物には更にグリシジル基や水酸基が含ま
れていてもよい。
更に、前記結合剤に、放射線照射により重合可能な化合
物を添加してもよい、このような化合物としては、(メ
タ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類
、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類
、ビニルII 節理化合物、N−ビニル化合物、スチレ
ン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸類、イタ
コン酸類、オレフィン類、等を挙げることができる。こ
れらの中でも特に好ましい化合物は、−分子中に(メタ
)アクリロイル基を二個以上含有する化合物、例えば、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ′″(メタ)アクリレート、ポリイソシ
アネートとポリ(メタ)アクリレートとの反応生成物、
等を挙げることができる。
上記塩化ビニル系共重合体としては、軟化温度が150
℃以下、平均分子量が1万〜30万、程度のものを使用
することができる。
好ましい塩化ビニル系共重合体の具体例としては、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−マレイン酸共重合体、塩化ヒニルーアクリル酸エステ
ル共重合体、塩化ビニル−グリシジル(メタ)アクリレ
ート共重合体、あるいはこれに−503M基、−POs
M□基、−000M基等を有する化合物を付与した塩化
ビニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン
酸−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−プロピオ
ン酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−プロピ
オン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル−アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、およ
びこれらの共重合体を酸化したもの等を挙げることがで
きる。
特に、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基または
その塩、リン酸基またはその塩、アミノ基、水酸基等の
極性基を有する塩化ビニル系共重合体が、磁性体の分散
性向上のために好ましい。
また、上記ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとジ
イソシアネートと、更に必要に応じて鎖延長剤とから、
それ自体公知のポリウレタンの製造方法によって製造さ
れたポリウレタン樹脂を使用することができる。
上記ポリオールは、例えば、ポリエーテルジオール、ポ
リエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
カプロラクトンジオールのような化合物である。
上記ポリエーテルジオールの代表例としては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリア
ルキレングリコールを挙げることができる。
上記ポリエステルジオールは、例えば、二価のアルコー
ルと二塩基酸との重縮合、ラクトン類、例えば、カプロ
ラクトンの開環重合等によって合成することができる6
代表的な二価のアルコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、1.6−
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタツール等のグ
リコールを例示することができる。また、代表的な二塩
基酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸
、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸等を例示するこ
とができる。
また、ポリカーボネートジオールは、例えば、下記一般
式(A−1) HO−R’−OH(A−1) 〔式中、R1は、例えば、−(co、) *−(nは3
〜14CH3 で表わされる多価アルコールと、ホスゲン、クロルギ酸
エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリールカ
ーボネートとの縮合又はエステル交換により合成される
、分子量300〜2万、水酸基価20〜300のポリカ
ーボネートジオール、或いは、該ポリカーボネートジオ
ールと下記一般式(A−2) HOOC−R’−COOH(A−2) 〔式中、R2は、炭素原子数3〜6個のアルキレン基、
l、4−11,3−若しくは1.2−フェニレン基又は
14−21,3−若しくは1,2−シクロヘキシレン基
を表わす、〕 で表わされる二価カルボン酸との縮合により得られる、
分子量400〜3万、水酸基価5〜300のポリカーボ
ネートポリエステルジオールである。
上記ポリオールに、その他のポリオール(例えば、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール
)やポリエステルを、上記ポリオールの90重量%まで
配合し併用してもよい。
上記ポリオールと反応させてポリウレタンを形成するた
めに用いられるポリイソシアネートとしては、特に制限
はなく通常使用されているものを用いることができる。
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、R3−
キシリレンジイソシアネート、R4−キシリレンジイソ
シアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイ
ジンジイソシアネート、2.4−トリレンジイソシアネ
ート、2.6−トリレンジイソシアネート、4.4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジ
イソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1
.5−ナフチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、3.3−ジメチルフェニレ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネートなどを挙げることができる。
鎖延長剤としては、例えば、前記の多価アルコール、脂
肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン
等を挙げることができる。
上記ポリウレタンは、例えば、−COOM 、−303
M、−OP03M、−0M  (、:コテ、Mは、水素
原子、ナトリウム、またはカリウムを示す)等のような
極性基を含有していてもよい。
また、上記結合剤には、更に、イソシアネート基を二個
以上有する化合物(ポリイソシアネート)を含有させて
もよい、このようなポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、0−)ルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、これらイソ
シアネート類とポリアルコールとの反応生成物、及び、
これらイソシアネート類の縮合によって生成したポリイ
ソシアネート等を挙げることができる。上記ポリイソシ
アネート[は、例えば、日本ポリウレタン工業■から、
コロネートし、コロネートHL、コロネートH、コロネ
ートE)I、コロネート2030、コロネート2031
、コロネート2036、コロネート3015、コロネー
ト3041、コロネート2014、ミリオネートMR、
ミリオネートMTし、ダルトセック1350、ダルトセ
ック2170、ダルトセック2280、式日薬品工業−
から、タケネートD−102、タケネートD−11ON
、タケネー)D−200、タケネートD−202、住人
バイエル■から、スミジュールN75、西独バイエル社
から、デスモジュール上1デスモジユールIL、デスモ
ジュールN、デスモジュールHL、大日本インキ化学工
業■から、パーノック−D850 、パーノック−D8
02 、などの商品名で販売されている。
本発明の磁気記録媒体の磁性層における強磁性粉末と結
合剤との配合割合は、強磁性粉末100重量部当たり結
合剤10〜30重量部であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体の製造時に磁性層をカレンダー処
理する際に、カレンダー処理前の磁性層のガラス転移温
度Tg(E ’のピーク温度)が、カレンダー処理温度
よりも30°C以上、好ましくは50°C以上低い値に
保持されていることが好ましい。
一般に、上記Tgは60℃以下、特に40゛C以下であ
ることが好ましい、上記Tgを上記条件に保持するため
には、前記結合剤の種類や使用量を適宜選択したり、磁
性層中に残留する溶剤の量を調節すればよい。特に、前
記結合剤として、放射線照射により架橋または重合可能
な物質を使用すると、上記Tgの調節を容易に行なうこ
とができる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、上記強磁性微粉末
および結合剤の外に、他の各種の添加物、例えば、カー
ボンブラック、充填材、研磨材、分散剤、帯電防止剤、
潤滑剤等を含有させることができる。このような各種の
添加物の含有量は、結合剤の含有量よりも少ないことが
好ましい。
上記カーボンブラックとしては、公知のカーボンブラッ
ク、例えば、ファーネスブラック、カラー用ブラック、
アセチレンブラック、等の任意のカーボンブラックを任
意に使用することができる。
カーボンブラックの表面の一部がグラフト化しているも
のを用いてもよい。平均粒子サイズが約30〜1000
n−のカーボンブランクを使用することが好ましく、微
粒子のカーボンブラックと粗粒子のカーボンブラックと
を併用してもよい。
上記充填材としては特に制限はなく、例えば、平均粒径
が0.01〜0.8−の範囲、好ましくは0.06〜0
.4 mの範囲の通常使用されている粒状充填材を使用
することができる。上記の充填材の例としては、二硫化
タングステン、戻酸カルシウム、二酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、リトポンおよ
びタルクなどの粒子を挙げることができ、これらを単独
であるいは混合して使用することができる。
本発明における磁性層中に含有される研磨材としては、
例えば、α−アルミナ、熔融アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモン
ド、α−酸化鉄、ザクロ石、エメリー(主成分:コラン
ダムと磁鉄鉱)、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ素、窒
化ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングス
テン、チタンカーバイド、トリポリ、ケイソウ土、ドロ
マイト等が、磁気記録媒体の磁性層の耐久性の面から代
表的なものとして挙げられる。特に、モース硬度6以上
の研磨材を一種乃至四種組み合わせて使用することが好
ましい。
研磨剤の平均粒子サイズは0.005〜5−1特ニ0.
05〜2−であることが好ましい。
分散剤としては、炭素数9〜22の脂肪酸(例えば、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸
、リノール酸、リルン酸、ステアロール酸)、上記脂肪
酸とアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カ
リウム)またはアルカリ土類金属(例えば、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウム)とからなる金属石鹸、上記
脂肪酸のエステル及びその化合物の水素原子の一部ある
いは全部をフッ素原子で置換した化合物、上記脂肪酸の
アミド、脂肪族アミン、高級アルコール、ポリアルキレ
ンオキサイドアルキルリン酸エステル、アルキルリン酸
エステル、アルキルホウ酸エステル、サルコシネート類
、アルキルエーテルエステル類、トリアルキルポリオレ
フィンオキシ第四級アンモニウム塩、及びレシチン等の
公知の分散剤を挙げることができる。分散剤を使用する
場合、通常は使用する結合剤100重量部に対して0.
05〜20重量部の範囲で使用される。
帯電防止剤としては、カーボンブラックグラフトポリマ
ー等の導電性微粉末;サポニン等の天然界面活性剤;ア
ルキレンオキサイド系、グリセリン系およびグリシドー
ル系等のノニオン性界面活性剤;高級アルキルアミン類
、第四級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環化
合物の塩類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等の
カチオン性界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、燐酸
、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含む
アニオン性界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸
類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類など
の両性界面活性剤などを挙げることができる。帯電防止
剤として上記の導電性微粉末を使用する場合には、たと
えば結合剤100重量部に対して0.2〜20重量部の
範囲で使用され、界面活性剤を使用する場合には0.1
〜10重量部の範囲で使用される。
潤滑剤としては、前記した潤滑剤として本発明に使用さ
れる脂肪酸および脂肪酸エステルの他に、高級アルコー
ル類、鉱物油、動植物油、オレフィン低重合体、α−オ
レフィン低重合体等や、シリコンオイル、グラファイト
微粉末、二硫化モリブデン微粉末、テフロン微粉末など
の公知の潤滑剤およびプラスチック用潤滑剖を挙げるこ
とができる。
混線の際に使用する溶剤に特に制限はなく、通常、磁性
塗料の調製に使用されている溶剤を使用することができ
る。
混線の方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順序
などは適宜設定することができる。
磁性塗料の調製には通常の混線機、例えば、二本ロール
ミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、トロ
ンミル、サンドグラインダー、ツェグバリ(Szegv
ari )アトライター、高速インペラー分散機、高速
ストーンミル、高速度衝撃ミル、デイスパー、ニーダ−
1高速ミキサー、ホモジナイザーおよび超音波分散機な
どを挙げることができる。
尚、上述した分散剤、帯電防止剤、潤滑剤などの添加剤
は、麩密に上述した作用効果のみを有するものであると
の限定の下に記載したものではなく、例えば、分散剤が
潤滑剤あるいは帯電防止剤として作用することもあり得
る。従って、上記分類により例示した化合物などの作用
効果が、上記分類に記載された事項に限定されるもので
はないことは勿論であり、複数の作用効果を奏する物質
を使用する場合には、添加量は、その物質の作用効果を
考慮して決定することが好ましい。
その他、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、
泡とめ剤などを添加することもできる。
このようにして調製された磁性塗料の粘度は、通常60
〜200 psの範囲内にある。
磁性塗料の塗布は、前記非磁性支持体上に直接行なうこ
とも可能であるが、また、接着剤層などを介して、また
は、非磁性支持体上に物理的処理(例えば、コロナ放電
処理、電子線照射処理)を施した後、非磁性支持体上に
塗布することもできる。
非磁性支持体上への塗布法の例としては、エアードクタ
ーコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコー
ト、エアナイフコート、スクイズ:I−ト、含浸コート
、リバースロールコート、トランスファーロールコート
、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプ
レィコートおよびスピンコード等の方法を挙げることが
でき、これらの方法以外であっても利用することができ
る。
同時重層塗布(@et on wet法)でもよい。
塗布厚さは、最終的に得られる磁気記録媒体の磁性層の
厚さが2〜10mの範囲内の厚さとなるようにすること
が好ましい。
一般にこのように塗布された塗布層が未乾燥の状態で磁
場配向処理を行ない、磁性層に含有される強磁性微粉末
を配向させる。磁場配向処理は、通常の方法に従って行
なうことができる。
次に、塗布層を乾燥工程に付して乾燥して磁性層とする
。乾燥工程は、通常50−120″Cにて塗布層を加熱
することにより行なう、加熱時間は一般には10秒間〜
5分間である。
乾燥した後、磁性層に表面平滑化処理を施す。
表面平滑化処理は、カレンダー処理によって行なう、こ
のカレンダー処理は、少なくとも一対(二段)の、好ま
しくは三段以上の剛性ロールを使用して加熱・加圧する
工程を含むものであることが好ましい、上記剛性ロール
としては、例えば、中心表面粗さ(Ra  :カットオ
フ値、0.25閣)が約20ns+以下、より好ましく
は約1On11以下であるメタルロールが好ましい、剛
性ロールの例としては、各種の鋼製のロールの表面にハ
ードクロムメツキやセラミックコーティングを施したも
の、ロール表面が超硬合金製のロール等を挙げることが
できる。少なくとも一対の剛性ロールを使用する工程の
前および/または後に、通常のカレンダー処理で使用さ
れる剛性ロールと弾性ロールとの組合せロールを使用す
る工程を設けてもよい。
上記のカレンダー処理は、50〜110℃の範囲の温度
で、50〜1000kg/CIの範囲の線圧(好ましく
は100〜400kg/cm、より好ましくは200〜
350kg/3)で行うことが好ましい、カレンダー処
理条件が上記範囲外であると、本発明の磁気記録媒体を
製造することができない。上記処理条件が、上記範囲よ
りも低いと、電磁変換特性及び走行特性の優れた磁気記
録媒体を製造することができず、また、上記範囲よりも
高いと、磁気記録媒体が変形したり、剛性ロールが破損
したりする。
上記のようにして表面平滑化処理した後、適宜放射線照
射処理または熱処理を施し、所望の形状に裁断して磁気
記録媒体とする。
上記放射線処理において照射される放射線としては、電
子線、T線、β線、紫外線などを使用できるが、好まし
くは電子線である。電子線照射は電子線加速器を用いて
行われる。この電子線照射によって、非磁性支持体上に
塗布した磁性塗料のの結合剤成分が重合反応を起こし硬
化する。
照射する電子線は、一般に100〜500 kV、好ま
しくは150〜300 kvの加速電圧のものが使用さ
れる。また、吸収線量は、一般に1.0〜20メガラン
ド、好ましくは2〜10メガランドである。加速電圧が
100kVに満たない場合には、エネルギーが不足し磁
性層の硬化反応が完全に進行しないことがあり、一方、
500 kVを超えると付与するエネルギーが重合反応
に使われるエネルギーよりも過剰になり、磁性層および
非磁性支持体に悪影響を及ぼすことがある。
また、吸収線量が1.0メガランドに満たない場合には
、硬化反応の進行が不充分で磁性層の強度が充分となら
ないことがあり、一方、20メガランドを超えるとエネ
ルギー効率が低下して不経済であるばかりではなく、被
照射体が発熱することもあり、発熱により非磁性支持体
が変形することもある。
本発明は上記放射線(電子線)照射工程により、磁性層
の硬化工程を、通常の加熱硬化処理に比べて大幅に短縮
することもできる。さらに、製造時の溶剤の使用量を大
幅に低減することができ、そして製造後直ぐに品質が安
定するため製品の出荷が直ぐに可能である等の利点を有
する。
本発明では放射線を上記のように磁性塗料を塗布し、カ
レンダー処理を施した後に照射することが好ましいが、
照射した後カレンダー処理することも可能である。ある
いは更にもう一度放射線照射することも可能である。
非磁性支持体の磁性層が設けられていない側の表面には
、それ自体公知のバック層が設けられていてもよい、バ
ック層は、例えば、カーボンブラックと、モース硬度5
以上の無機充填剤粒子が分散された結合剤からなり厚さ
0.64以下の薄膜層である。
(発明の効果) 本発明においては、磁性層の細孔の全容積が前記磁性層
単位重量当りO,ld/g以下で前記細孔の入口径の平
均値が100Å以下とすることにより、極めて平滑な充
填度の高い磁性層が得られ、出力が向上しC/Nも良化
し優れた電磁変換特性が得られる。
又上記の如き細孔を有する磁性層中に脂肪酸を含むこと
により、カレンダー処理前でもウェブハンドリングが良
好にできる。金属ロールと金属ロールを用いてカレンダ
ー処理することにより、細孔の入口径が小さくなり、滲
み出る脂肪酸の量は少量のため脂肪酸に起因する汚れが
防止でき、方、潤滑特性を発揮するために必要な磁性層
表面の脂肪酸量は確保できる。
一部脂肪酸エステルは磁性層表面に十分に存在すること
により良好な潤滑性(特に走行耐久性)を発揮する。
(実施例) 次に、本発明の実施例および比較例を示す。
各側において、「部」は「重量部」を示す。
[実施例1] 強磁性合金粉末 (組成: Fe94%、Zn4%、Ni2%、Hc 1
5000e、結晶子サイズ200人)100部をオーブ
ンニーダ−で10分間粉砕した0次いで、塩化ビニル/
酢酸ビニル/グリシジルメタアクリレート(86/91
5重量比)共重合体にヒドロキシエチルスルフォ ネートナトリウム塩を付加した化合物 (SOsNa基含有量= 6 x 10−’eq/ g
、エポキシ基含有量=10−3eq/ g、平均分子量
−30,000)         10部メチルエチ
ルケトン          60部を加え60分間混
練した0次いで、 SO3Na基含有ウレタン樹脂 (東洋紡製υR8200)      (固形分)10
部研磨剤(Miss粒子サイズ0.3μ)   2部カ
ーボンブラック(粒子サイズ40nm)   2部メチ
ルエチルケトン         100部トルエン 
              100部を加えてサンド
ミルで120分間分散した。これに、ポリイソシアネー
ト(日本ポリウレ タン製コロネート3041)    (固形分)5部潤
滑剤A           (表−1参照)メチルエ
チルケトン          50部を加え、さらに
20分間撹拌混合した後、l11mの平均孔径を有する
フィルターを用いてろ過し、磁性塗料を調製した。
得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが3.04になるよう
に、厚さ10pのポリエチレンテレフタレート支持体の
表面にリバースロールを用いて塗布した。
磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾
燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、
さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金110−ル
ー金属ロールー金属ロール−金属ロール−金属ロールの
組合せによるカレンダー処理(七段全てが金属ロールの
組合せ、以下「A条件」という)を、速度100m/陶
in、 ml圧300kg/cm、温度90℃で行なっ
た後、374インチ幅にスリットした。
こうしてできたビデオテープの磁性層面に、潤滑剤B 
          (表−1参照)メチルエチルケト
ン          50部の溶液を、潤滑剤Bの乾
燥後の塗布量が30mg /ポになるようにグラビアコ
ートして3/4インチのビデオテープサンプルを作成し
た。
〔実施例2〜4、比較例1〜5〕 実施例1において、磁性塗料に用いた潤滑剤A、カレン
ダー処理のA条件、およびオーバーコート液に用いた潤
滑剤Bを、表−1に示すように変えた以外は実施例1と
同様に操作して、374インチのビデオテープサンプル
を作成した。
カレンダー処理条件のB、C及びDの各条件を、A条件
と共に、以下に示す。
A条件: M−M−M−M−M−M−M (Mは金属ロール、以下
同様)の組合せによる七段のカレンダー処理、速度10
0m/win、線圧300kg/cm、温度90°C。
B条件: M−M−M−E−M−E−M (Eは弾性ロール、以下
同様)の組合せによる七段のカレンダー処理、速度Lo
om/sin、線圧300kg/cm、温度90°C0 C条件: M−E−M−E−M−E−Mの組合せによる七段のカレ
ンダー処理、速度100m/lll1n、 wA圧30
0kg/c++、温度90°C0 D条件: C条件において、線圧を250kg/cmに変えた以外
はC条件と同し。
上記のようにして作成した374インチビデオテープサ
ンプルについて、以下の性能評価を実施した。
(1)電磁変換特性(C/N): 上記ビデオテープに、D2ホーマットのVTR(Son
y■製:DVRlo)を用いて32MHzの信号を記録
し、再生した。基準テープ(比較例4)に記録した32
MHzの再生出力をOdBとしたときのビデオテープの
相対的な再生出力を測定した。
(2)走行性: 得られたビデオテープの磁性面とステンレスポールとを
50gの張力(T、)、巻きつけ角180°で接触させ
、この条件下で、ビデオテープを3.3c++/sec
の速度で走行させるのに必要な張力(T2)を測定した
。この測定値をもとに、下記計算式によりビデオテープ
の摩擦係数μをもとめた。
μ=1/π・lア(T!/TI) 尚、摩擦係数の測定は、25°C170%RHの条件で
行なった。
(3)耐久性: 上記のVTRを用いてスチル状態でテストし、再生出力
が記録信号の50%になるまでの時間を測定した(これ
をスチル耐久時間とする)、このときUnloardi
ngll能は解除した。
(4)繰り返し走行性: 90分長のビデオテープを200回連続繰り返し走行さ
せ、ビデオヘッドの汚れを目視により観察し、以下の評
価基準により評価した。
○ 汚れがみられなかった。
Δ 汚れが少しついていた。
× 汚れが多かった。
またビデオ出力を連続して記録しその出力低下を測定し
た。
本発明の磁性層中の細孔の測定は、下記窒素ガス吸着法
による方法で行なった。
測定装置としてオートソーブ1 (Autosorb4
)(米国カンタ−タロ五社製)を使用し、試料テープは
8@II幅で長さ約10mのテープを用いた。試料は予
め2 Xl0−3torr程度の真空度で4時間以上真
空脱気した。キャリアガスとしてヘリウムガスを用い、
吸着ガスとして窒素ガスを用い、窒素+ヘリウムの混合
ガスとし、窒素ガス分圧を0→1に徐々に上げていって
吸着等温線を測定し、次いで窒素ガス分圧をl→Oに徐
々に下げていって脱着等温線を測定した。測定データを
BJH法(E、P。
Barrett、 L、G、Joyner and P
、P、Halenda; Journalbf Ame
rican Chemical 5ociety+ l
l+ 373 (1951))により解析し、吸着等温
線から細孔内部径を求め、脱着等温線から細孔人口径及
びその分布を求めた。
また、吸着ガス量の積算値から細孔の全容積を求めた。
上記測定装置オートソーブlは、[定容法Jを用いて液
体窒素温度での窒素の吸着・脱着等温線を全自動で測定
する装置である。得られた等温線は、付属のコンピュー
タに内蔵されたプログラムにより解析した。
得られた結果を表−1に示した。
(以下余白) 表−1の結果より明らかな如く、本発明の磁気記録媒体
は、再生出力が高く優れた電磁変換特性を示し、摩擦係
数が低く優れた走行性を示し、また、優れたスチル耐久
性を示し、更には、繰り返し走行によってもビデオヘッ
ドの汚れが認められず且つビデオ出力低下が低いという
優れた繰り返し走行性を示した。
一方、比較例の磁気記録媒体において、潤滑剤A、Bの
いずれをも磁性塗料に用い、オーバーコートしないと(
比較例1)、本発明の磁気記録媒体に比べ、摩擦係数、
スチル耐久性、及び繰り返し走行によるビデオヘッドの
汚れとビデオ出力低下のいずれもが劣っていた。
また、逆に、潤滑剤A、Bのいずれをもオーバーコート
液に用い、磁性塗料には潤滑剤を用いないと(比較例2
)、本発明の磁気記録媒体に比べ、電磁変換特性、及び
繰り返し走行によるビデオヘッドの汚れとビデオ出力低
下のいずれもが劣っていた。
更には、いずれもが金属ロールと弾性ロールとの組合せ
であるカレンダー処理を施すと(比較例4及び5)、本
発明の磁気記録媒体に比べ、電磁変換特性が劣り、繰り
返し走行によるビデオヘッドの汚れとビデオ出力低下が
劣っていた。
以上より、本発明の磁気記録媒体だけが、優れた電磁変
換特性、走行性および耐久性を満足することがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体と
    して含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、前
    記磁性層が、塗布前の磁性塗液に含む脂肪酸と、非磁性
    支持体上に磁性塗膜形成後カレンダー処理した後に磁性
    層上にオーバーコートした脂肪酸エステルとを有し、か
    つ磁性層表面に多数の細孔を有し、前記細孔の全容積が
    磁性層単位重量あたり0.1ml/g以下で細孔の入口
    径の平均値が100Å以下であることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  2. (2)非磁性支持体上に磁性層を塗設する磁気記録媒体
    の製造方法において、主として強磁性粉末と結合剤と脂
    肪酸とを混合分散してなる磁性塗液を非磁性支持体上に
    塗布し、配向し、乾燥させ、カレンダー処理を施した後
    に、この塗膜上に脂肪酸エステルを主成分とする潤滑剤
    をオーバーコートすることを特徴とする磁気記録媒体の
    製造方法。
  3. (3)前記カレンダー処理が少なくとも一対の金属ロー
    ルによるカレンダー処理であり、且つ前記磁性層がその
    表面に多数の細孔を有し、前記細孔の全容積が磁性層単
    位重量あたり0.1ml/g以下で細孔の入口径の平均
    値が100Å以下であることを特徴とする請求項(2)
    記載の磁気記録媒体の製造方法。
JP2103093A 1990-04-20 1990-04-20 磁気記録媒体及びその製造方法 Pending JPH043317A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001126232A (ja) * 1999-10-28 2001-05-11 Tdk Corp 磁気記録媒体

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