JPH0812606A - C4−lpgを用いる含酸素化合物の製造法 - Google Patents
C4−lpgを用いる含酸素化合物の製造法Info
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Abstract
接触酸化させることにより、工業的に有用である酢酸、
アクリル酸、無水マレイン酸、メタクロレイン及び、メ
タクリル酸等の含酸素化合物を容易に製造することを目
的とする。 【構成】 C4-LPGをそのまま原料として用いて、ヘ
テロポリ酸系触媒および/またはバナジウム−リン−酸
素複合系触媒の存在下に分子状酸素で気相接触酸化させ
ることを特徴とする。
Description
た含酸素化合物の製造法に関する。詳しくはC4-LPG
をそのまま原料とし、ヘテロポリ酸系触媒および/また
はバナジウム−リン−酸素複合系触媒の存在下に分子状
酸素を用いて、気相接触酸化させて、工業的に有用であ
る酢酸、アクリル酸、無水マレイン酸、メタクロレイン
及びメタクリル酸等の含酸素化合物を製造する方法に関
する。
系触媒存在下分子状酸素を用いて、気相接触酸化し無水
マレイン酸を製造する方法は既に工業化されており、ま
たイソブタンをヘテロポリ酸系触媒存在化分子状酸素を
用いて、気相接触酸化させメタクロレイン及び、メタク
リル酸を製造する試みは、従来より幾つか提案されてい
る。
ナジウム−リン−酸素複合系触媒存在下、1.5モル%
のn−ブタンを含む空気を415℃にて反応させると、
n−ブタンの転化率80%、無水マレイン酸の選択率が
61%とある。
ム−リン−酸素複合系触媒存在下、380〜400℃に
てn−ブタン:酸素:ヘリウム=2:20:78の比で
反応させると、n−ブタンの転化率86〜94%、無水
マレイン酸の選択率が69〜76%とある。
存在下、310℃にてn−ペンタン:酸素:ヘリウムを
1.7:25:73.3の比で反応させると、n−ペン
タンの転化率92%程度、無水マレイン酸の選択率が3
9%程度であることを報告している(Appl.,46
(1989)197)。
ーソン型ヘテロポリ酸触媒存在下、274℃にてn−ブ
タン:酸素:水蒸気を9:1:5〜11:1:6の比で
反応させると、無水マレイン酸が生成するとあるが、n
−ブタンの転化率は1.2〜1.3%、無水マレイン酸
の選択率が32〜35%程度とある。
タンをヘテロポリ酸系触媒存在下、350℃〜370℃
にてイソブタン:酸素:水蒸気:ヘリウムを10:1
0:38:42の比で反応させると、イソブタンの転化
率7〜10%程度、メタクロレイン選択率は11〜21
%、メタクリル酸の選択率は42〜58%程度とある。
応として、特開平3−20237号、特開平4−358
542号、特開平5−178774号、特開平5−33
1085号等も知られている。
リ酸系触媒の存在下、分子状酸素を用いて、気相接触酸
化させることによりメタクロレイン及びメタクリル酸を
製造する方法に関して出願した(特開平3−10683
9号)。この方法では、320℃、152kPaにてイ
ソブタン:空気:水蒸気を26:62:12の比で反応
させると、イソブタン転化率が9〜12%程度、メタク
ロレイン選択率が12〜22%程度、メタクリル酸選択
率が41〜52%程度であった。
述した従来技術においては、殆ど純粋なn−ブタン又は
イソブタンを原料として用いている。さらに、例えば工
業化されているn−ブタンの酸化においても、n−ブタ
ン含有量が少なくとも96%以上のC4 パラフィンを原
料として用いており、このような原料を得るのに多大の
分離精製コストを必要としているのが現状である。
より安価なC4-LPGを気相接触酸化させることによ
り、工業的に有用である酢酸、アクリル酸、無水マレイ
ン酸、メタクロレイン及び、メタクリル酸等の含酸素化
合物を製造することにある。本発明者らは、かかる課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、C4 パラフィン
原料として安価なC4-LPGを何等分離精製することな
く用い、触媒としてヘテロポリ酸系触媒および/または
バナジウム−リン−酸素複合系触媒を用いることによっ
て、工業的に有用である酢酸、アクリル酸、無水マレイ
ン酸、メタクロレイン及びメタクリル酸等の含酸素化合
物を容易に製造できることを見いだし、本発明に至っ
た。
Gをそのまま原料として用いて、ヘテロポリ酸系触媒お
よび/またはバナジウム−リン−酸素複合系触媒の存在
下に分子状酸素で気相接触酸化させることを特徴とする
含酸素化合物の製造法である。
一般式、 PaMobVcXdYeZfOg (式中、Pはリン、Moはモリブデン、Vはバナジウ
ム、Oは酸素を表し、Xはカリウム、セシウム、ルビジ
ウム、タリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素、Yは砒素、アンチモン、ビスマス、珪素、ホウ
素、ゲルマニウムからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素、Zはクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
を表し、また添字a、b、c、d、e、f及びgは各元
素の原子比を表し、b=12とした時、aは0を含まな
い3以下の値、c〜fは0を含む3以下の値を表し、g
は各元素の原子価及び原子比によって決まる値を表す)
で示され、この触媒の調製法は特に制限されず、公知の
種々の方法により調製できる。
らなる遊離のヘテロポリ酸は、リン酸、三酸化モリブデ
ン、五酸化バナジウムからなる水溶液スラリーを長時間
加熱することにより得られる。リン酸と三酸化モリブデ
ンの代わりに、リンモリブデン酸を用いることもでき
る。これにセシウム、必要により銅などのZ成分を硝酸
塩水溶液の形で添加、蒸発乾固の後、焼成することによ
り所定の触媒を得ることができる。
は一般式、 VaPbZcOd (式中、Vはバナジウム、Pはリン、Oは酸素、Zはチ
タン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、アンチモン、ビスマ
ス、ランタン、セリウムからなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素を表し、また添字a、b、c及びdは各
元素の原子比を表し、a=1とした時、bは0.5〜
2、cは0を含む0.5以下の値を表し、gは各元素の
原子価及び原子比によって決まる値を表す)で示され、
この触媒の調製法も特に制限はなく、公知の種々の方法
により調製できる。
アミン等の還元剤を含む水溶液に、五酸化バナジウムを
添加する。この水溶液を加熱、蒸発乾固することにより
前駆体が得られる。この前駆体を不活性ガス中或いは、
空気中で焼成することにより触媒を得ることができる。
比に制限はなく、反応に供する原料ガス中のC4-LPG
濃度は、約1〜85モル%、好ましくは15〜70モル
%である。
0.05〜2.0、好ましくは0.1〜1.5が適当で
ある。分子状酸素の供給源としては、空気、純酸素、酸
素富化空気などが用いられる。
モル%の範囲で含有させるのが好ましい。水蒸気は単に
爆発範囲を避け、反応熱を除去するための希釈剤にとど
まらず、反応の活性、選択性、ひいては触媒寿命にも好
ましい影響を与え、この効果はヘテロポリ酸系触媒を用
いたときに顕著である。
化炭素等が含まれていてもよい。また、イソブチレンや
n−ペンタンなどが原料に含まれていても、イソブチレ
ンはイソブタン同様メタクロレインやメタクリル酸に転
換され、n−ペンタンはn−ブタンと同様に無水マレイ
ン酸に転換される。
ることもできるが、回収して再循環することもできる。
メタクロレインも回収、再循環することにより、メタク
リル酸に転換できる。また、純酸素又は酸素富化空気を
用いた場合には、未反応の酸素も回収して再利用するこ
とが好ましい。
択できるが、好ましくは270〜380℃である。反応
圧力は減圧から加圧まで幅広く選べるが、通常、100
〜400kPa、好ましくは100〜200kPaの範
囲である。
等、いずれの反応形式でも実施できる。流動床で反応さ
せる場合は、酸素を含まない原料ガスを用いて、触媒中
の酸素でC4-LPGの酸化反応を行い、さらに触媒は別
の反応器で酸素含有ガスで再酸化する方法をとることも
できる。また、触媒を固定床方式で使用する場合、空間
速度に特に制限はないが、空間速度が小さすぎると生産
性が低下するため工業的に不利である。また逆に空間速
度が大きすぎると、反応活性が低下するため反応温度を
高くしなければならない。そこで、通常は400〜50
00h-1、好ましくは600〜2000h-1の範囲であ
る。
触媒を用いた場合、メタクリル酸の選択率は低いが、ヘ
テロポリ酸系触媒を用いれば、メタクリル酸は選択率よ
く得られる。これらの触媒は、単独で用いても良いし、
混合して用いても良い。これらの触媒は、担体および/
または希釈混合した形で用いることができる。担体およ
び/または希釈剤としては、例えばシリカ、アルミナ、
シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア、ゼオライ
ト、シリコン−カーバイト等が挙げられ、担持量や希釈
剤と触媒との希釈混合比に制限はない。また、触媒の形
状はタブレット、リング、球、押し出し品等限定はな
い。成型法は圧縮成形、押し出し成形、噴霧乾燥造粒等
公知の方法で行うことができる。
ストをかけることなく、安価なC4-LPGから容易に工
業的に有用である酢酸、アクリル酸、無水マレイン酸、
メタクロレイン及び、メタクリル酸等の含酸素化合物を
容易に製造することができる。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。転
化率(%)および選択率(%)はそれぞれ次式で表す。 ・n−ブタン転化率(%)=(C4-LPG中の反応した
n−ブタンのモル数)÷(供給C4-LPG中のn−ブタ
ンのモル数)×100 ・イソブタン転化率(%)=(C4-LPG中の反応したイソ
ブタンのモル数)÷(供給C4-LPG中のイソブタンの
モル数)×100 ・無水マレイン酸選択率(n−ブタン基準)(%)=
(生成した無水マレイン酸のモル数)÷(C4-LPG中
の反応したn−ブタンのモル数)×100 ・メタクロレインの選択率(イソブタン基準)(%)=
(生成したメタクロレインのモル数)÷(C4-LPG中
の反応したイソブタンのモル数)×100 ・メタクリル酸の選択率(イソブタン基準)(%)=
(生成したメタクリル酸のモル数)÷(C4-LPG中の
反応したイソブタンのモル数)×100 ・アクリル酸の選択率(C4-LPG基準)(%)=(生
成したアクリル酸のモル数)÷(反応したC4 パラフィ
ンのモル数)×3/4×100 ・酢酸の選択率(C4-LPG基準)(%)=(生成した
酢酸のモル数)÷(反応したC4 パラフィンのモル数)
×1/2×100 ・CO+CO2 選択率(C4-LPG基準)(%)=
{(生成したCOのモル数+生成したCO2 のモル数)
÷(反応したC4 パラフィンのモル数)}×1/4×1
00
u0.3 Cs1.8 であるヘテロポリ酸系触媒を、以下の方
法により調製した。イオン交換水4800gに85%オ
ルトリン酸450g、リン酸銅Cu3(PO 4)2 ・3H2
O130g、硝酸セシウムCsNO8 19g、60%ヒ
酸水溶液284gを加え、40℃に保持して撹拌溶解
し、均一な水溶液とした(A液)。ステンレス製ジャケ
ット付き反応器にイオン交換水6990gを仕込み、温
度を40℃に保持した。そこにパラモリブデン酸アンモ
ニウム{(NH4)6 Mo7O24・4H2 O}6356g
を添加し、撹拌溶解させた(B液)。A液を全量注入し
て沈殿を析出させスラリーとした後、五酸化バナジウム
137gを添加し、ジャケットにスチームを流して12
5℃に加熱し、熟成処理を38時間行った後、120℃
の乾燥機中で水分を蒸発させた。この段階の乾固物は、
X線回折で、いわゆるドーソン型ヘテロポリ酸構造であ
った。乳鉢で粉砕した乾固物100部に対し、水30部
及びガラス繊維4部を加えて混錬後、金型を用いて押し
出し成形し、直径5mm、長さ約7mmの成形触媒原料
を得た。これを120℃で乾燥後、窒素中435℃で3
時間、さらに空気中380℃で3時間焼成した。この段
階の触媒は、赤外吸収スペクトル及びX線回折より、立
方晶系ケギン型ヘテロポリ酸構造であった。
ックスガラス製の反応管に充填し、C4-LPG60モル
%、酸素10モル%、窒素15モル%、水蒸気15モル
%からなる原料ガスを、空間速度800h-1で供給し
た。使用したC4-LPG中のn−ブタン:イソブタンの
比は、63:37であり、プロパンやイソブチレン、そ
の他の炭化水素類が併せて4%程度含まれていた。ま
た、反応圧力は152kPa、反応壁温度は330℃と
した。反応生成物はガスクロマトグラフ及び液体クロマ
トグラフで分析した。結果はC4-LPG中のn−ブタン
及びイソブタンの転化率はそれぞれ2.3%及び6.5
%、n−ブタン基準での無水マレイン酸の選択率は6
6.7%、イソブタン基準でのメタクロレイン及びメタ
クリル酸の選択率はそれぞれ11.4%及び40.4
%、C4-LPG基準でのアクリル酸、酢酸及びCO+C
O2 の選択率はそれぞれ8.4%、13.9%及び2
6.1%であった。
温に変更した以外は、実施例1と同一の触媒及び同一反
応条件にて行った。結果を表1に示す。
ン−酸素複合系触媒を、以下の方法により調製した。イ
オン交換水800gをビーカーに入れ、これに85%オ
ルトリン酸92.94g、塩酸ヒドロキシルアミン5
5.59gを撹拌溶解させた後、ホットスターラーにて
80℃に昇温した。この溶液に72.80gの五酸化バ
ナジウムを徐々に添加した。五酸化バナジウム添加終了
時から約3時間加熱撹拌を続け、120℃の乾燥機中で
20時間乾燥させ水分を蒸発させた。得られた乾固物1
60gにイオン交換水400gを添加し、ホットスター
ラーにて加熱しながら乾固物の粉砕を行った後、再び1
20℃の乾燥機中で24時間乾燥させ水分を蒸発させ
た。得られた乾固物157gを窒素中500℃で8時間
焼成した。
ックスガラス製反応管に充填し、実施例1と同一原料ガ
ス雰囲気下、152kPa、400℃において13時間
前処理した後、実施例1と同一条件にて行った。結果は
C4-LPG中のn−ブタン及びイソブタンの転化率はそ
れぞれ1.5%及び4.4%、n−ブタン基準での無水
マレイン酸の選択率は48.5%、イソブタン基準での
メタクロレイン及びメタクリル酸の選択率はそれぞれ
3.7%及び1.7%、C4-LPG基準でのアクリル
酸、酢酸及びCO+CO2 の選択率はそれぞれ2.4
%、20.7%及び47.8%であった。
す温度に変更した以外は、実施例5と同一の触媒及び同
一反応条件にて行った。結果を表1に示す。
5と同様に行った。結果を表1に示す。
酸素12モル%、窒素50モル%、水蒸気15モル%か
らなる原料ガスを空間速度1250h-1で供給し、反応
圧力は1520kPa、反応壁温度は375℃にて行っ
た。結果はC4-LPG中のn−ブタン及びイソブタンの
転化率はそれぞれ8.8%及び11.0%、n−ブタン
基準での無水マレイン酸の選択率は43.5%、イソブ
タン基準でのメタクロレイン及びメタクリル酸の選択率
はそれぞれ2.7%及び1.9%、C4−LPG基準で
のアクリル酸、酢酸及びCO+CO2 の選択率はそれぞ
れ3.6%、12.3%及び54.2%であった。
Claims (3)
- 【請求項1】 C4-LPGをそのまま原料として用い
て、ヘテロポリ酸系触媒および/またはバナジウム−リ
ン−酸素複合系触媒の存在下に分子状酸素で気相接触酸
化させることを特徴とする含酸素化合物の製造法。 - 【請求項2】 ヘテロポリ酸系触媒が一般式、 PaMobVcXdYeZfOg (式中、Pはリン、Moはモリブデン、Vはバナジウ
ム、Oは酸素を表し、Xはカリウム、セシウム、ルビジ
ウム、タリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素、Yは砒素、アンチモン、ビスマス、珪素、ホウ
素、ゲルマニウムからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素、Zはクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
を表し、また添字a、b、c、d、e、f及びgは各元
素の原子比を表し、b=12とした時、aは0を含まな
い3以下の値、c〜fは0を含む3以下の値を表し、g
は各元素の原子価及び原子比によって決まる値を表す)
で示される触媒である請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】 バナジウム−リン−酸素複合系触媒が一
般式、 VaPbZcOd (式中、Vはバナジウム、Pはリン、Oは酸素、Zはチ
タン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、アンチモン、ビスマ
ス、ランタン、セリウムからなる群より選ばれた少なく
とも1種の元素を表し、また添字a、b、c及びdは各
元素の原子比を表し、a=1とした時、bは0.5〜
2、cは0を含む0.5以下の値を表し、gは各元素の
原子価及び原子比によって決まる値を表す)で示される
触媒である請求項1記載の製造法。
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