JPH0812483B2 - 電子写真用トナーバインダー - Google Patents

電子写真用トナーバインダー

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JPH0812483B2
JPH0812483B2 JP2319611A JP31961190A JPH0812483B2 JP H0812483 B2 JPH0812483 B2 JP H0812483B2 JP 2319611 A JP2319611 A JP 2319611A JP 31961190 A JP31961190 A JP 31961190A JP H0812483 B2 JPH0812483 B2 JP H0812483B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真用トナーバインダーに関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 電子写真では、静電潜像をトナーにより可視化して、
紙等にトナー像を形成するが、このトナー像を定着する
ために、ヒートロールを用いる方式が広く採用されてい
る。この方式では、定着下限温度(以下、MFと略す)は
低いことが望ましく、又、ヒートロールへのオフセット
の起こる温度(以下HOと略す)は高いことが望まれる。
この二つの要望を満足させるために、トナーバインダ
ーの分子量分布を低分子量から高分子量にわたる広範囲
とすることが従来より多く提唱されている(例えば特公
昭60−20411号公報、特公昭51−23354号公報)。
上記のものでは、例えば、架橋剤を使用して、分子量
分布をより高い方に拡げるようにしたりしている。
しかしながら、上記のように、架橋剤の使用により、
分子量分布を高い方に拡げた場合には、MFが高くなる欠
点があり、又、架橋剤を使用しない場合には、分子量分
布をより高い方に拡げることが困難で、HOの点で不十分
であるという問題がある。
又、トナーバインダー中の低分子量成分を重合する場
合、通常、コスト面から、滴下重合法を使用した溶液重
合法が採用される。
この場合、トナーバインダーの分子量分布をより低い
方に拡げるには、高価な重合開始剤を大量に使用する必
要があり、コスト上問題である。
又、トナーバインダーの中には、共重合体を含有し、
この共重合体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エス
テル類と の2種類以上の単量体から共重合されたものがある。
このようなトナーバインダーを、正帯電性のトナーに
使用する場合、荷電調整剤が十分に分散されず、コピー
機のランニング中にトナーのかぶりや飛散を生じるとい
う問題点があった。
本発明は上記問題を解決するものであって、HOとMFの
点で好ましい特性(MFが低く且つHOが高い)を有する分
子量分布の広い重合体からなる電子写真用トナーバイン
ダーを提供することを第1の目的とする。
又、本発明は、低分子量成分の重合を行う際に、原料
費の中で、比較的高価な重合開始剤の使用量を大幅に減
少できて、安価に製造できる電子写真用トナーバインダ
ーを提供することを第2の目的とする。
更に、本発明は、正帯電性のトナーに使用された場合
にも、安定した帯電のランニング特性を示す電子写真用
トナーバインダーを提供することを第3の目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明の電子写真用トナーバインダーは、 (a)I.分子量分布において、分子量30万以上の部分を
含む高分子量共重合体(A)を10〜50面積%、 II.分子量分布において、分子量1000〜3万の部分を含
む低分子量重合体(B)を35〜80面積% (上記面積%は、バインダーの、ゲルパーミエーション
・クロマトグラフィーのチャート上の分子量30万以上の
部分の面積、又は、1000〜3万の部分の面積の全体の面
積に占める割合の百分率である。) 含有する樹脂混合体であって、 (b)高分子量共重合体(A)を構成する単量体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エス
テル類と の2種類以上とされ、 (c)低分子量重合体(B)を構成する単量体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.スチレン又はスチレン置換体と、アクリル酸エステ
ル類及び/又はメタクリル酸エステル類との2種類以上
の単量体と から選択され、 (d)高分子量共重合体(A)が、多官能性重合開始剤
(C)の存在下で、単量体を共重合したものとされ、 (e)上記多官能性重合開始剤(C)が、 I.1分子内に、2つ以上のパーオキシド基を有する多官
能性重合開始剤と、 II.1分子内に、1つ以上のパーオキシド基と、1つ以上
の重合性不飽和基とを有する多官能性重合開始剤と から選択され、 (f)低分子量重合体(B)が、溶剤を還流冷却しなが
ら、単量体を溶液重合したものとされ、 その重合温度が、 I.使用する溶剤の1気圧での沸点よりも10〜100℃高い
温度で、 且つ、 II.使用する重合開始剤(D)の半減時間が0.05〜0.001
時間となる温度 とされた ことを特徴とするものである。
又、低分子量重合体(B)が、溶剤を環流冷却して重
合されたものであるようにすることもある。
更に、低分子量重合体(B)の重量平均分子量と数平
均分子量の比の値が1.5〜3.0とされることもある。
又、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィーによ
る電子写真用トナーバインダーの分子量分布において、 I.少なくとも2つの山と、 II.分子量2万〜10万の領域にあり、その高さが、最も
高い山の高さの15%以下とされた1つの谷 を有するようにすることもある。
更に、電子写真用トナーバインダーが有機カルボン酸
を含有し、該有機カルボン酸に由来する酸価が0.3〜4.0
mgKOH/gとされることもある。
以下、本発明を詳述する。
本発明のバインダーは、分子量分布において、分子量
30万以上の部分を含む高分子量共重合体(A)と、分子
量1000〜3万の部分を含む低分子量重合体(B)とを含
有する樹脂混合体である。
高分子量共重合体(A)を構成する単量体は、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エス
テル類と の2種類以上とされている。
又、低分子量重合体(B)を構成する単量体は、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.スチレン又はスチレン置換体と、アクリル酸エステ
ル類及び/又はメタクリル酸エステル類との2種類以上
の単量体と から選択される。
上記スチレン又はスチレン置換体としては、スチレ
ン、アルキルスチレン(例えば、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン)等が挙げられる。好ましくは、ス
チレンである。
上記アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エ
ステル類、即ち、(メタ)アクリル酸エステル類として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル
基の炭素数1〜18のアルキルエステル類;ヒドロキシル
エチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有
(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;アクリロ
ニトリル等のニトリル基含有(メタ)アクリル化合物及
び(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
これらの内、好ましくは、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸及びそれらの二種以上の混合物であ
る。
高分子量共重合体(A)と低分子量重合体(B)を構
成する単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル類
以外の他のビニルエステルや、脂肪族炭化水素系ビニル
単量体等を併用してもよい。
上記ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニルを、又、脂肪族炭化水素系ビニル単量体とし
てはブタジエン等を挙げることができる。
高分子量共重合体(A)は、多官能構造を持つ多官能
性重合開始剤(C)の存在下で、上記単量体を共重合し
て得ることができる。共重合の方法としては、溶液重
合、塊状重合、懸濁重合、及び乳化重合等の任意の方法
を選択できる。
上記多官能性重合開始剤(C)は、 I.1分子内に、2つ以上のパーオキシド基を有する多官
能性重合開始剤と、 II.1分子内に、1つ以上のパーオキシド基と、1つ以上
の重合性不飽和基とを有する多官能性重合開始剤と から選択する。
上記Iの多官能性重合開始剤としては、1,1−ジ−t
−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、トリス−(t−ブチル
パーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシ
ブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックア
シッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキ
シヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパー
オキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチ
ルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパー
オキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパ
ーオキシオクタン及び各種ポリマーオキサイド等が挙げ
られる。
これらの内、好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチル
パーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブ
チルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t
−ブチルパーオキシアゼレート及び2,2−ビス−(4,4−
ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンで
ある。
上記IIの多官能性重合開始剤としては、ジアリルパー
オキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン
酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−
ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等が挙げられ
る。
これらの内、好ましいものは、t−ブチルパーオキシ
アリルカーボネートである。
高分子量共重合体(A)を溶液重合によって得る場合
の溶剤としては、シクロヘキサン等のシクロアルカン系
溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、クメン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル系溶剤;メチルセルソルブ、エチルセルソ
ルブ、ブチルセルソルブ等のエーテル系溶剤等が用いら
れる。
特に高分子量共重合体(A)の分子量を高くするため
には、上記溶剤の内、シクロアルカン系溶剤、芳香族系
溶剤が好ましい。
又、高分子量共重合体(A)を懸濁重合によって得る
場合には、炭酸カルシュウム、リン酸カルシウム等の無
機酸系分散剤、ポリビニールアルコール、メチル化セル
ロース等の有機系分散剤を用いて、単量体を水中で重合
することができる。
高分子量共重合体(A)の共重合温度は通常50〜150
℃、好ましくは60〜120℃であり、又、共重合は、窒素
のような不活性ガスの雰囲気で行うことが好ましい。
高分子量共重合体(A)の共重合時に、高分子量共重
合体(A)の分子量をより高くするために、2個以上の
重合性二重結合を有する多官能性単量体をゲル化を発生
させない程度の量(0.1モル%以下)加えてもよい。
多官能性単量体としては、例えば、ジ又はポリビニル
化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、エチレ
ングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート等)等が挙げられる。
これらの内、好ましくは、ジビニルベンゼン及び1,6
−ヘキサンジオールジアクリレートである。
低分子量重合体(B)は単量体を溶液重合したものと
され、 その重合温度は、 I.使用する溶剤の1気圧での沸点よりも10〜100℃高い
温度で、 且つ、 II.使用する重合開始剤(D)の半減時間が0.05〜0.001
時間となる温度 とされている。
上記溶剤としては、シクロヘキサン等のシクロアルカ
ン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、クメン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル系溶剤;メチルセルソルブ、エチルセル
ソルブ等のエーテル系溶剤等が用いられる。
好ましくは、トルエン、キシレン、エチルベンゼンで
ある。
上記重合開始剤(D)としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスバレロニトリル、アゾビスシアノ吉
草酸等のアゾ系重合開始剤;ジベンゾイックパーオキシ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート等の有機過酸化物系重合開始剤;等が
用いられる。
好ましくは、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ートである。
ところで、低分子量重合体(B)の重合温度は具体的
には、下記のようにして定められる。
即ち、例えば、溶剤がトルエンの場合には、1気圧で
の沸点が111℃であり、又、重合開始剤(D)がt−ブ
チルパーオキシベンゾエートの場合には、半減時間が0.
05〜0.001時間となる温度は148〜205℃であるので、重
合温度は148〜205℃であればよい。
このようにすることにより、所望量の低分子量重合体
(B)を得るために使用する重合開始剤(D)の量を、
従来のように、使用する溶剤の1気圧での沸点以下の温
度で重合する場合よりも、大幅に低減できる効果があ
る。
又、上記のような重合は反応系を密閉して、加圧状態
で行う必要があり、この場合、重合による発熱を除去す
る必要がある。
そこで、通常、重合槽の冷却ジャケット等により強制
的に冷却するようにしているが、このような冷却では、
冷却ジャケットの冷却面積しか冷却に利用できず、所望
の重合温度に保つためには、大量の冷却水を必要とす
る。
又、冷却水の量を減らすためには、重合槽の冷却面積
を大とする必要がある。
本発明では、溶剤を加圧状態でも還流冷却管を通じて
蒸発還流できる方法を開発して、溶剤の蒸発潜熱によ
り、重合槽内を冷却するようにした。
これにより、上記溶液重合時に、所望の重合温度に保
つために、大量の冷却水を必要としないと共に、重合槽
の冷却面積を大とする必要もなく、低分子量重合体
(B)を従来よりも効率的に製造できるようにしてい
る。
尚、加熱されて、蒸発した溶剤の蒸気は還流冷却管に
よって冷却されて、凝縮し、還流する。
又、溶剤を加圧状態で蒸発還流させるために、還流冷
却管の上部に、重合槽内の温度に連動する自動排気弁を
設けており、この自動排気弁により、溶剤の蒸発量を変
化させることで、重合槽を所望温度にするようにしてい
る。
本発明のバインダーの製造に際しては、通常、上記の
ように、高分子量共重合体(A)と低分子量重合体
(B)とを別個に重合して、溶液状態あるいは溶融状態
で混合して製造する。
尚、高分子量共重合体(A)と低分子量重合体(B)
を上記のように混合後、スチレン又はスチレン置換体
や、(メタ)アクリル酸エステル類等の単量体を追加
し、塊状重合を行って、本発明のバインダーを製造して
もよい。
尚、高分子量共重合体(A)を重合した後、溶液状態
または溶融状態の高分子量共重合体(A)の存在下、低
分子量重合体(B)用単量体、重合開始剤(D)及び溶
剤を連続又は断続的に供給して、低分子量重合体(B)
を重合することで、バインダーを製造することもでき
る。
又、低分子量重合体(B)を重合した後、低分子量重
合体(B)の存在下で、高分子量共重合体(A)を重合
することで、バインダーを製造してもよい。
更に、バインダーに、有機カルボン酸を含有させ、該
有機カルボン酸に由来する酸価を0.3〜4.0mgKOH/gとす
るようにしてもよい。
有機カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、吉草
酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン
酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、テレフタル酸、
トリメット酸等が挙げられる。
好ましくは、安息香酸である。
尚、有機カルボン酸に由来する酸価を0.3〜4.0mgKOH/
gとする理由は下記の通りである。
即ち、酸価が0.3mgKOH/g以下では、正帯電用の荷電調
整剤の分散性向上に効果がない。
又、酸価が4.0mgKOH/g以上では、トナーの摩擦帯電量
の温度、湿度等の環境に対する安定性が悪い。
尚、高分子量共重合体(A)を構成する各単量体の割
合は、スチレン又はスチレン置換体が、通常、98〜50重
量%、好ましくは、95〜60重量%、(メタ)アクリル酸
エステルが、通常、2〜50重量%、好ましくは、5〜40
重量%、他の単量体が0〜10重量%、好ましくは、0〜
5重量%である。
又、低分子量重合体(B)を重合させる際の各単量体
の割合は、スチレン又はスチレン置換体が、通常、75〜
100重量%、好ましくは、80〜100重量%、(メタ)アク
リル酸エステルが、通常、0〜30重量%、好ましくは、
0〜20重量%、他の単量体が、通常、0〜10重量%、好
ましくは、0〜5重量%である。
低分子量重合体(B)のGPC(後述)による重量平均
分子量(w)と数平均分子量(n)の比の値は1.5
〜3.0とされている。
上記比の値が3.0以上になると、耐熱保存性が悪化し
たり、MFが上昇して、好ましくない。
即ち、重量平均分子量(w)が変化せずに、上記比
の値が3を越えると、必然的に、数平均分子量(n)
が小さくなって、ガラス転移点(Tg)が下がり、耐熱保
存性が悪化する。又、耐熱保存性を悪化させる数量体程
度、オリゴマーの含有量が増加する。
更に、重量平均分子量(w)が変化せずに、上記比
の値が3を越えると、定着時の粘度が上がり、MFが上昇
する。
バインダー中において、高分子量共重合体(A)に由
来する分子量30万以上の部分の割合は、通常、10〜50面
積%、好ましくは、15〜45面積%である。高分子量共重
合体(A)が10面積%未満では、十分なHOが得難く、
又、50面積%を越えると、MFが高くなりすぎて、好まし
くない。
バインダー中において、低分子量重合体(B)に由来
する分子量1000〜3万の部分の割合は、通常、35〜90面
積%、好ましくは、40〜85面積%である。低分子量重合
体(B)が50面積%未満では、MFが高くなりすぎ、又、
90面積%を越えると、十分なHOが得難くなって、好まし
くない。
尚、面積%は、バインダーの、ゲルパーミエーション
・クロマトグラフィー(以下、GPCと略す)のチャート
上の分子量30万以上の部分の面積、又は、1000〜3万の
部分の面積の全体の面積に占める割合の百分率である。
尚、GPCによる測定時には、溶剤として、テトラハイ
ドロフラン(以下、THFと略す)を使用し、温度40℃で
測定する。尚、測定は、標準ポリスチレンを基準として
行う。
又、本発明のバインダー全体のガラス転移点(Tg)
は、通常、40〜80℃、好ましくは、45〜70℃である。
尚、ガラス転移点(Tg)が40℃未満では、トナーの保存
性が不良となり、又、80℃を越えると、MFが高くなり、
トナーとしての実用に耐えなくなって、好ましくない。
本発明のバインダーは、GPCによる分子量分布におい
て、 I.少なくとも2つの山と、 II.分子量2万〜10万の領域にあり、その高さが、最も
高い山の高さの15%以下とされた1つの谷 を有する。
上記のIIのように谷を設定した理由は、分子量2万〜
10万の領域の谷の高さが、最も高い山の高さの15%以上
となると、トナー製造時の粉砕性が悪くなり、生産性を
悪化させるからである。
又、本発明のバインダーにおいて、GPCによる重量平
均分子量(w)は、通常、10万〜200万、好ましく
は、15万〜150万である。尚、重量平均分子量が10万未
満では、十分なHOが得難く、又、200万を越えると、MF
が高くなりすぎて、好ましくない。
本発明のバインダーの分子量分布[重量平均分子量
(w)と数平均分子量(n)の比の値(w/n)
で表示される]は、通常、20以上、好ましくは、30以上
である。尚、分子量分布が20未満では、HOとMFのバラン
スが悪くなり、好ましくない。
更に、本発明のバインダーでは、150℃における溶融
状態での動的粘弾性特性において、周波数20Hzにおける
複素粘性率の絶対値|η*(20)|を1000〜15000pois
e、1Hzにおける複素粘性率の絶対値|η*(1)|を50
00〜6万poiseとすると共に、上記絶対値の比の値|η
*(20)|/|η*(1)|が0.20以下であることが好ま
しい。
動的粘弾性特性を上記のようにした理由は下記の通り
である。
即ち、複写機には、低速機(約10枚/分)から高速機
(70枚/分)まであり、高速機になる程、トナーの加熱
時間は短く、トナーに与えられる熱量は小さくなる。
この場合、トナーに与えられる熱量が小さくても、こ
の熱量により、トナーの粘性率が低くならないと、トナ
ーが紙等に良好に定着されず、高速機に対応できないこ
ととなる。
ところで、複写機では、ヒートロールにより、トナー
が紙等に定着される際には、トナーはヒートロールとプ
レスロールにより剪断力を受ける。この場合、コピー速
度によって、トナーの受ける剪断速度が異なる。
従って、低速機から高速機まで対応するには、150℃
での溶融状態で、トナーが受ける剪断速度が大となる
程、粘性率が低下することが必要である。
即ち、本発明のバインダーでは、トナーが受ける剪断
速度が大となる程、所望の粘性率になるようにして、低
速機から高速機まで、即ち、幅広いコピー速度に対応で
きるようにしている。
本発明のバインダーの用途となる電子写真用トナーの
構成成分の割合は、バインダーが、通常、50〜95重量
%、公知の着色材料(カーボンブラック、鉄黒、ベンジ
ンイエロー、キナクリドン、ローダミンB、フタロシア
ニン等)が、通常、5〜10重量%、及び磁性粉(鉄、コ
バルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末、又は、マグネ
タイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)が、通
常、0〜50重量%である。
更に、トナーには種々の添加物[荷電調整剤(金属錯
体、ニグロシン等)、滑剤(ポリテトラフルオロエチレ
ン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸、又はその金属塩
もしくはアミド等)等]を添加してもよい。これら添加
物のトナー中の割合は、通常、0〜5重量%である。
電子写真用トナーは、上記構成成分を乾式ブレンドし
た後、溶融混練され、その後、粗粉砕されて、最終的に
ジェット粉砕機等を用いて微粒化され、更に分級され
て、粒径5〜20μの微粒子として得られる。
上記電子写真用トナーは、必要に応じて、鉄粉、ガラ
スビーズ、ニッケル粉、フェライト等のキャリア粒子と
混合されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。
又、粉体の流動性の改良のために、電子写真用トナーに
疏水性コロイダルシリカ微粉末が添加されることもあ
る。
電子写真用トナーを使用して、支持体(紙、ポリエス
テルフィルム等)上に形成したトナー像を定着する際に
は、公知のヒートロール又はプレスロールにより、定着
する。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明
は実施例により限定されるものではない。実施例中、部
はいずれも重量部を表す。
又、GPCによる分子量測定の条件は以下の通りであ
る。
装置 :東ソー(株)製HLC−802A カラム :東ソー(株)製TSKgelGMH6が2本 測定温度 :40℃ 試料溶液 :0.5重量%のTHF溶液 溶液注入量:200μl 検出装置 :屈折率検出器 尚、分子量較正曲線は標準ポリスチレンを用いて作
成。
又、動的粘弾性の測定条件は以下の通りである。
装置 :レオメトリックス社(Rheometrics Inc.U.
S.A.)製RDS−7700IIダイナミックスペクトロメータ テストフィクスチエアー :25mmΦコーンプレート使用 測定温度 :150℃ 測定周波数:20Hz(125.6rad/sec)及び1Hz(6.28rad/se
c) 歪率 :5%固定 (比較例1) 1.低分子量重合体(B)の製造例 2lの4つ口フラスコ内にキシレン500部を投入して、
攪拌しながら、フラスコ内を十分に窒素で置換した後、
キシレンを沸点(約140℃)まで昇温して、還流させ
る。
この還流下(約140〜145℃)で、スチレン820部、ア
クリル酸n−ブチル180部及び、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド15部から成る混合液を4時間かけて均等に滴下
した。
更に、キシレンの還流下で2時間保持し、重合を完結
し、低分子量重合体(TA−2)を含む溶液(TA−3)を
得た。この溶液(TA−3)を減圧下で乾燥し、低分子量
重合体(TA−2)を得た。
尚、140〜145℃でのジ−t−ブチルパーオキサイドの
半減時間は約2〜0.9時間である。
得られた低分子量重合体(TA−2)を分析したとこ
ろ、重量平均分子量(w)が2万、ガラス転移点(T
g)が60℃、分子量30万以上の部分の含有量が0面積
%、分子量1000〜3万の部分の含有量が72面積%であっ
た。
2.バインダーの製造 2lの4つ口フラスコ内に、低分子量重合体(TA−2)
500部、スチレン320部、メタクリル酸n−ブチル130
部、アクリル酸n−ブチル50部、ジビニルベンゼン0.1
部及び、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキシル)プロパン0.06部を投入し、均一に溶解
した。
その後、フラスコ内を十分に窒素で置換した後、110
℃まで昇温して、重合を開始した。同温度で3時間重合
した後、1時間かけて120℃に昇温して、同温度で更に
3時間重合した。更に、3時間かけて185℃まで昇温し
て、同温度で2時間保持した後、減圧下で乾燥して、バ
インダー(TA−5)を得た。
得られたバインダー(TA−5)について、GPCによる
測定及び、ガラス転移点(Tg)の測定を行ったところ、
分子量30万以上の部分の含有量が11面積%、分子量1000
〜3万の部分の含有量が48面積%、重量平均分子量(
w)が16万、重量平均分子量(w)と数平均分子量
(n)との比の値(w/n)が16、GPCチャート上
の谷は分子量10万の位置で且つその高さは最も高い山の
高さの35%とされ、Tgが55℃であった。
又、得られたバインダー(TA−4)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が2400poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が16000poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.15であった。
又、酸価は0.0mgKOH/gであった。
(実施例1) 1.高分子量共重合体(A)の製造 1の4つ口フラスコ内に、水450部、ポリビニール
アルコール((株)クラレ製PVA235)の2重量%水溶液
50部を加え、これにスチレン260部、アクリル酸n−ブ
チル73部及び、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン1.3部から成る混合液を加
えて攪拌し、懸濁液とした。
フラスコ内を十分に窒素で置換した後、80℃まで昇温
して、重合を開始した。同温度に保持して、重合を継続
させ、20時間後に転化率が95%に達したことを確認し、
95℃に昇温して、5時間後に懸濁重合を完結させた。
得られた高分子量共重合体(TB−1)を濾別、水洗、
乾燥して、分析したところ、重量平均分子量(w)が
85万、分子量30万以上の部分の含有量が79面積%であっ
た。
2.低分子量重合体(B)の製造 1のガラス製オートクレーブ内に、キシレン300部
を投入し、オートクレーブ内を十分に窒素で置換した
後、密閉し、攪拌しながら、200℃まで昇温した。
同温度で、加圧還流状態を保ちながら、スチレン630
部、アクリル酸n−ブチル73部及び、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド8部から成る混合液を3時間かけて均等に
滴下した。そして、同温度で1時間保持して、重合を完
結し、低分子量重合体(TB−2)を含む溶液(TB−3)
を得た。
尚、200℃でのジ−t−ブチルパーオキサイドの半減
時間は0.004時間である。
得られた低分子量重合体(TB−2)を分析したとこ
ろ、重量平均分子量(w)が6000、重量平均分子量
(w)と数平均分子量(n)との比の値(w/
n)が2.3、分子量1000〜3万の部分の含有量が91面積
%であった。
3.バインダーの製造 溶液(TB−3)975部に高分子量共重合体(TB−1)3
33部を投入して、キシレン還流下で、高分子量共重合体
(TB−1)を溶解し、溶液(TB−4)を得た。この溶液
(TB−4)を減圧下で乾燥して、本発明のバインダー
(TB−5)を得た。
得られたバインダー(TB−5)について、GPCによる
測定及び、ガラス転移点(Tg)の測定を行ったところ、
分子量30万以上の部分の含有量が21面積%、分子量1000
〜3万の部分の含有量が61面積%、重量平均分子量(
w)が25万、重量平均分子量(w)と数平均分子量
(n)との比の値(w/n)35、GPCチャート上の
谷は分子量71000の位置で且つその高さは最も高い山の
高さの3%とされ、Tgが63℃であった。
又、得られたバインダー(TB−5)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が3800poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が24000poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.16であった。
又、酸価は0.0mgKOH/gであった。
(実施例2) 1.高分子量共重合体(A)の製造 3lの4つ口ガラスフラスコ内に、水1350部、ポリビニ
ールアルコール((株)クラレ製PVA235)の2重量%水
溶液150部を加え、これに、スチレン750部、アクリル酸
n−ブチル250部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハ
イドロテレフタレート2部から成る混合液を加えて攪拌
し、懸濁液とした。
フラスコ内を十分に窒素で置換した後、85℃まで昇温
して、重合を開始した。同温度に保持して、重合を継続
させ、8時間後に転化率が70%を越えたことを確認し、
95℃に昇温して、4時間後に懸濁重合を完結させ、高分
子量共重合体(TC−1)を得た。
得られた高分子量共重合体(TC−1)を濾別、水洗、
乾燥して、分析したところ、重量平均分子量(w)が
56万、分子量30万以上の部分が61面積%、分子量1000〜
3万の部分の含有量が0面積%であった。
2.バインダーの製造 1のステンレス製オートクレーブ内に、上記高分子
量共重合体(TC−1)250部とキシレン250部を投入し、
オートクレーブ内を十分に窒素で置換した後、密閉し、
150℃まで昇温した。
その後、150℃を保ちながら、オートクレーブ内に、
スチレン412部、アクリル酸メチル90部及び、アクリル
酸n−ブチル38部から成る混合液を8時間かけて均等に
滴下し、更に、同温度で3時間保持して、重合を完結
し、本発明のバインダー(TC−5)を得た。
尚、150℃でのアゾビスイソブチロニトリルの半減時
間は、約0.0013時間である。
得られたバインダー(TC−5)について、GPCによる
測定及び、ガラス転移点(Tg)の測定を行ったところ、
分子量30万以上の部分の含有量が27面積%、分子量1000
〜3万の部分の含有量が50面積%、重量平均分子量(
w)が28万、重量平均分子量(w)と数平均分子量
(n)との比の値(w/n)が49、GPCチャート上
の谷は分子量85000の位置で且つその高さは最も高い山
の高さの3%とされ、Tgが62℃であった。
又、得られたバインダー(TC−5)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が1400poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が9700poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.14であった。
(実施例3) 2lの4つ口フラスコ内に、スチレン480部、アクリル
酸n−ブチル120部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート0.1部及び、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン0.3部を投入した。
フラスコ内を十分に窒素で置換した後、95℃まで昇温
して、同温度で3時間重合した。その後、キシレン150
部を加え、更に、95℃で4時間重合した。更に、120℃
まで昇温して、2時間重合した。
更に、フラスコ内に、ジ−t−ブチルパーオキサイド
0.6部を加え、160℃まで2時間かけて昇温して、同温度
で1時間保持し、重合を完結させた。
更に、実施例1の溶液(TB−3)を加え、還流下で、
3時間溶液が均一になるのを確認して、減圧下に乾燥し
て、本発明のバインダー(TD−5)を得た。
得られたバインダー(TD−5)について、GPCによる
測定及び、ガラス転移点(Tg)の測定を行ったところ、
分子量30万以上の部分の含有量が28面積%、分子量1000
〜3万の部分の含有量が47面積%、重量平均分子量(
w)が30万、重量平均分子量(w)と数平均分子量
(n)との比の値(w/n)が66、GPCチャート上
の谷は分子量35000の位置で且つその高さは最も高い山
の高さの13%とされ、Tgが59℃であった。
又、得られたバインダー(TD−4)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が8500poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が41000poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.12であった。
(実施例4) 1のフラスコ内に、実施例1の溶液(TB−4)1308
部と安息香酸6.5部を投入し、混合後、減圧下で乾燥し
て、本発明のバインダー(TE−5)を得た。
得られたバインダー(TE−5)の酸価を測定したとこ
ろ、一部キシレンを留出し、0.4mgKOH/gであった。
又、その他の分析値は、実施例1のバインダー(TB−
5)と同一であった。
(実施例5) 実施例4の安息香酸の添加量を50部にして、実施例4
と同様の操作を行い、本発明のバインダー(TF−5)を
得た。
得られたバインダー(TF−5)の酸価を測定したとこ
ろ、3.1mgKOH/gであった。
又、その他の分析値は、実施例1のバインダー(TB−
5)と同一であった。
(使用例〜及び比較使用例) 実施例1〜5の本発明のバインダー及び、比較例1の
バインダーの各々88部に、カーボンブラック(三菱化成
(株)製MA100)を7部、低分子量ポリプロピレン(三
洋化成工業(株)製ビスコール550P)を3部及び荷電調
整剤(保土谷化学(株)製スピロンブラックTRH)2部
を均一に混合した後、これを内部温度150℃の二軸押出
機で混練した。この混練物を冷却後、ジェット粉砕機で
微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級して、平
均粒径12μのトナー(〜)を得た。
この時、平均粒径12μを得るためのジェット粉砕機へ
の供給速度は、比較例1のトナーの場合の供給速度を
100とすると、実施例1〜5の各トナー〜の場合の
供給速度は下記の表1のようになった。
(試験例1) トナー(〜)の各々3部にフェライトキャリア
(日本製粉(株)製EFV200/300)97部を均一に混合した
ものを試験材料とした。
又、市販の複写機((株)東芝製BD−7720)を改造し
て、定着速度を可変とした定着器とし、この定着器によ
り、上記試験材料の定着テストを行った。
テスト結果は表2に示した通りである。
表2に示した通り、本発明の実施例1〜5のバインダ
ー(TB−4)〜(TF−4)を用いたトナー(〜)
は、比較例1のバインダー(TA−4)を用いたトナー
()に比較して、MFとHOの間の温度幅が広いと共に、
コピー速度に対する依存性が小さく、トナーとして好ま
しい熱特性を有している。
(使用例〜及び比較使用例) 実施例1〜5の本発明のバインダー及び、比較例1の
バインダーを使用して、使用例〜と略同様の方法に
より、正帯電性トナー(〜)を得た。
使用例〜との相違点は、荷電調整剤として、保土
谷化学(株)製スピロンブラックTRH2部の代わりに、オ
リエント化学(株)製ボントロンN−01を3部使用した
点である。
(試験例2) 試験例1と同様にして、試験材料を作成した。
又、市販の複写機(シャープ(株)製SF−8400A)を
使用して、1分間当たり、A4用紙40枚のコピー速度で、
3000枚の定着試験を実施し、トナーの飛散の発生の有無
を調べた。
テスト結果は表3に示した通りである。
(発明の効果) 本発明のバインダーは、HOとMFの点で好ましい特性
(MFが低く且つHOが高い)を有する分子量分布の広い重
合体からなるバインダーであると共に、コピー速度に対
するHOとMFの依存性が小さく、幅広いコピー速度に対応
できる電子写真トナーのバインダーとして有効である。
又、本発明のバインダーは、低分子量成分の重合を行
う際に、原料費の中で、比較的高価な重合開始剤の使用
量を大幅に減少できて、安価に製造できる。
又、低分子量重合体を構成する単量体の溶液重合時
に、溶剤を環流冷却したので、溶剤の蒸発潜熱により、
重合槽内を冷却できる。
従って、上記溶液重合時に、所望の重合温度に保つた
めに、大量の冷却水を必要としないと共に、重合槽の冷
却面積を大とする必要もなく、低分子量重合体を従来よ
りも効率的に製造できる。
更に、本発明は、正帯電性のトナーに使用された場合
にも、安定した帯電のランニング特性を示す利点があ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)I.分子量分布において、分子量30万
    以上の部分を含む高分子量共重合体(A)を10〜50面積
    %、 II.分子量分布において、分子量1000〜3万の部分を含
    む低分子量重合体(B)を35〜80%面積% (上記面積%は、バインダーの、ゲルパーミエーション
    ・クロマトグラフィーのチャート上の分子量30万以上の
    部分の面積、又は、1000〜3万の部分の面積の全体の面
    積に占める割合の百分率である。) 含有する樹脂混合体であって、 (b)高分子量共重合体(A)を構成する単量体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エス
    テル類と の2種類以上とされ、 (c)低分子量重合体(B)を構成する単量体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.スチレン又はスチレン置換体と、アクリル酸エステ
    ル類及び/又はメタクリル酸エステル類との2種類以上
    の単量体と から選択され、 (d)高分子量共重合体(A)が、多官能性重合開始剤
    (C)の存在下で、単量体を共重合したものとされ、 (e)上記多官能性重合開始剤(C)が、 I.1分子内に、2つ以上のパーオキシド基を有する多官
    能性重合開始剤と、 II.1分子内に、1つ以上のパーオキシド基と、1つ以上
    の重合性不飽和基とを有する多官能性重合開始剤と から選択され、 (f)低分子量重合体(B)が、溶剤を環流冷却しなが
    ら、単量体を溶液重合したものとされ、 その重合温度が、 I.使用する溶剤の1気圧での沸点よりも10〜100℃高い
    温度で、且つ、 II.使用する重合開始剤(D)の半減時間が0.05〜0.001
    時間となる温度 とされた ことを特徴とする電子写真用トナーバインダー。
  2. 【請求項2】低分子量重合体(B)の重量平均分子量と
    数平均分子量の比の値が1.5〜3.0とされたことを特徴と
    する請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
  3. 【請求項3】ゲルパーミエーション・クロマトグラフィ
    ーによる分子量分布において、 I.少なくとも2つの山と、 II.分子量2万〜10万の領域にあり、その高さが、最も
    高い山の高さの15%以下とされた1つの谷 を有することを特徴とする請求項1又は2記載の電子写
    真用トナーバインダー。
  4. 【請求項4】有機カルボン酸を含有し、該有機カルボン
    酸に由来する酸価が0.3〜4.0mgKOH/gとされたことを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子写真用トナ
    ーバインダー。
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