JP2634307B2 - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents
トナー用樹脂組成物及びトナーInfo
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Description
用するトナー用樹脂組成物及びこの樹脂組成物を用いた
トナーに関する。
て、乾式現像方式が多用されている。この乾式現像方式
では、樹脂にカーボンブラック等の着色剤を分散含有さ
せたトナーと呼ばれる微粉末に、鉄粉やガラスビーズ等
のキャリアーを混合した摩擦帯電性の微粉末現像剤が用
いられる。
より感光体上の静電潜像に付着してトナー像が形成さ
れ、次いでこのトナー像が用紙上に転写され、トナーに
対して離型性を有する熱圧定着ローラーで定着されて永
久可視像とされる。
低い消費電力で且つ複写速度を上げるために、使用する
トナーには、低温定着性(トナーが低温で用紙に固着す
ること)、耐オフセット性(熱圧定着ローラーにトナー
が付着しこれが用紙に移らないこと)、耐ブロッキング
性(トナー粒子が凝集しないこと)等の性能が主に要求
される。
タ)アクリル酸エステル系モノマーとの共重合体であっ
て、高分子量重合体成分と低分子量重合体成分とからな
るバインダー樹脂を用いたトナーが提案される(例え
ば、特開昭56−158340号公報参照)。また、バインダー
樹脂に常温で固形のアルコールを含有させたトナーが提
案されている(例えば、特開昭63−113558号公報参
照)。
であるが、上記の諸性能のバランスの点ではまだ不充分
である。
を多くすると耐オフセット性を向上させることができる
が、低温定着性が低下する。そこで、耐オフセット性を
損なわずに低温定着性を改善するために、低分子量重合
体成分のガラス転移点や軟化点を下げると、耐ブロッキ
ング性が悪くなる。また、低温定着性を改善するため
に、低分子量重合体成分を多くすると耐オフセット性が
悪くなる。
ルコールを多く含有させると低温定着性が改善される
が、耐オフセット性や耐ブロッキング性が悪くなる。
的とするところは、低温定着性、耐オフセット性及び耐
ブロッキング性のいずれにも優れるトナー用樹脂組成物
及びトナーを提供することにある。
と(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとの共重合体
であって、分子量分布の最大ピーク分子量20〜200万の
高分子量共重合体成分20〜50重量%と分子量分布の最大
ピーク分子量0.4〜8万の低分子量共重合体成分とから
なる樹脂100重量部と、炭素数18〜32の脂肪族アルコー
ルを主成分とし且つ25℃での針入度25以下の脂肪族アル
コール7〜20重量部とを主要成分として含有することを
特徴とする。
含有することを特徴とする。
アクリル酸エステル系モノマーとの共重合体をバインダ
ー樹脂として用いる。かかる共重合体を与えるモノマー
のうち、スチレン系モノマーとしては、スチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−
n−オクチルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p
−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロ
ロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
これ等の中でもスチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)
アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノエチル、α−クロロアクリル酸
メチルなどが挙げられる。これ等の中でも、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシルが好ましい。
酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン
酸、β−メチルクロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イ
タコン酸;琥珀酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルエステル、琥珀酸モノ(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルエステル、グルタル酸モノ(メタ)アクリロイル
オキシエチルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロ
イルオキシエチルエステル、フタル酸モノ(メタ)アク
リロイルオキシプロピルエステル;(メタ)アクリロニ
トリル、(メタ)アクリルアミド;その他、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、エチレン等のビニル系モノマーを共重
合してもよい。
分の含有率は60〜95重量%、(メタ)アクリル酸エステ
ル系モノマーの含有率は5〜40重量%の範囲に設定する
のが好ましい。スチレン系モノマー成分の含有率が60重
量%よりも少なくなり、(メタ)アクリル酸エステル系
モノマーの含有率が40重量%よりも多くなると、トナー
の耐ブロッキング性や粉砕性が悪くなることがある。ま
た、スチレン系モノマー成分の含有率が95重量%よりも
多くなり、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの含
有率が5重量%よりも少なくなると、トナーの低温定着
性が悪くなることがある。なお、この共重合体のガラス
転移点(示差走査熱量計で測定)は、トナーの耐ブロッ
キング性の点から50℃以上が好ましい。
量分布の最大ピーク分子量が20〜200万の高分子量共重
合体成分と分子量分布の最大ピーク分子量が0.4〜8万
の低分子量共重合体成分とからなる。ここで、共重合体
における分子量分布の最大ピーク分子量は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量分
布曲線を作成し、この分子量分布曲線の最大ピークにお
ける分子量を測定することにより求めた値である。
ピーク分子量が20万よりも小さくなると、トナーの耐オ
フセット性が悪くなる。逆に、最大ピーク分子量が200
万よりも大きくなると、トナーの低温定着性が悪くな
る。また、低分子量共重合体成分の最大ピーク分子量が
0.4万よりも小さくなると、トナーの耐ブロッキング性
が悪くなる。逆に、最大ピーク分子量が8万よりも大き
くなると、トナーの低温定着性が悪くなる。
%とされる。高分子量共重合体成分の含有率が20重量%
を下回ると、トナーの耐オフセット性が悪くなることが
ある。また、高分子量共重合体成分の含有率が50重量%
を上回ると、溶融粘度が高くなりトナーの低温定着性が
悪くなることがある。
法や懸濁重合法などの従来公知の共重合法により、高分
子量共重合体成分か低分子量共重合体成分の何れか一方
の成分を構成する共重合体を生成させ、この共重合体を
他方の成分を構成する共重合体を与えるモノマーに溶解
させ、これを共重合させる所謂二段階重合方法により得
ることができる。また、他の方法として、従来公知の共
重合法により、高分子量共重合体及び低分子量共重合体
を各別に作り、これ等の共重合体を有機溶剤に溶解して
均一な混合物とし、その後有機溶剤を除去する方法によ
り得ることもできる。
ルコールを主成分とし且つ25℃での針入度25以下の脂肪
族アルコールを用いる。ここで、針入度は、JIS K 2235
に準拠して測定(温度25℃、全荷重100g、時間5秒で測
定)した値である。
いると、上記共重合体との相溶性が増しこの共重合体が
可塑化され、トナーの耐ブロッキング性が悪くなる。逆
に、炭素数33以上の脂肪族アルコールを主成分として用
いると、その軟化温度が高いため、トナーの低温定着性
が悪くなる。また、25℃での針入度が25を超えるとトナ
ー粒子の流動性が悪いため、トナーの耐ブロッキング性
が悪くなる。
ール、ノナデカノール、エイコサノール、ドコサノー
ル、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサ
ノール、トリアンコサノール、ドトリアンコサノール等
が挙げられる。
数が上記範囲外の脂肪族アルコールを多少含有してい
る。本発明に用いる上記の脂肪族アルコールは、炭素数
が上記範囲外の脂肪族アルコールが含有されていても、
その含有量が50重量%より少ない範囲で、且つその平均
炭素数が18〜32の範囲内にあれば使用可能である。
合体成分と低分子量共重合体成分とからなる樹脂100重
量部に対して7〜20重量部、の範囲で配合される。脂肪
族アルコールの配合量が7重量部未満では、トナーの低
温定着性が殆ど向上しない。逆に、20重量部を超えると
充分な帯電が得られない。
造するには、前記の共重合体に脂肪族アルコールを配合
し、これをロールミル、ニーダー、押出機等を用いて適
当な温度で溶融混練し、冷却して微粉砕する方法や、脂
肪族アルコールの存在下で共重合体を与えるモノマーを
前述の二段階重合方法等で溶液重合させ、その後溶剤を
留去し、これをロールミル、ニーダー、押出機等を用い
て適当な温度で溶融混練し、冷却して微粉砕する方法な
どが好適に採用される。
本発明の目的を達成し得る範囲内で、ポリスチレン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を配合してももよい。ま
た、脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミド、金属石鹸、パラ
フィン等のトナー用添加剤を配合してもよい。
として、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エス
テル系モノマーとの共重合体であって、特定の高分子量
共重合体成分と特定の低分子量共重合体成分とからなる
樹脂と特定の脂肪族アルコールと特定割合で含有し、こ
の樹脂は異なる共重合体成分が渾然一体となった状態で
少なくとも二山に形成された特定の分子量分布を有して
おり、これによりトナーに要求される前述の基本的性能
がバランス良く得られる。
共重合体成分と低分子量共重合体成分とからなる樹脂中
に微粒子として分散しており、この脂肪族アルコールが
低温で速やかに溶融したあと周辺の上記樹脂を可塑化す
ることにより、この樹脂も低温で流動又は溶融して、上
記性能のバランスを殆ど崩すことなくトナーの用紙に対
する融着温度を低下させ、さらにトナーが感光ドラムに
付着し汚れるのを防止する。
チル13重量%とアクリル酸n−ブチル13重量%とからな
る共重合体であって、分子量分布の最大ピーク分子量が
30万の樹脂(高分子量共重合体成分となる樹脂)を製造
した。
ル酸メチル13重量%とアクリル酸n−ブチル13重量%と
からなる共重合体であって、分子量分布の最大ピーク分
子量が1万の樹脂(低分子量共重合体成分となる樹脂)
を製造した。
低分子量共重合体成分となる樹脂65重量部と、針入度20
のナノデカノール(炭素数19)10重量部とを、窒素ガス
で置換したニーダーで160℃で10分間混練した後、これ
を冷却して粉砕した。この粉砕物100重量部にカーボン
ブラック(MA−100:三菱化成社製)5重量部と荷電制御
剤(スピロンブラックTRH:保土谷化学社製)1重量部と
を溶融混練し、冷却後粗粉砕し、さらにジェットミルで
微粉砕して平均粒度が約13〜15μmのトナーを製造し
た。
の恒温槽中に16時間放置した後、パウダーテスター(ホ
ソカワミクロン社製)で耐ブロッキング性を評価した。
トナー粒子に凝集(ケーキ化)が認められない場合を○
で示し、凝集(ケーキ化)が認められる場合を×で示し
た。この条件で凝集(ケーキ化)が認められないものが
優れたトナーといえる。
リアー96重量部と均一に混合して現像剤を作り、この現
像剤及び市販の電子写真複写機(富士ゼロックス3500)
を用いて低温定着性を評価した。
得た。得られた複写物をタイプライター用消しゴムで摩
擦し、複写画の濃度が変化しない最低の定着ロール温度
を最低定着温度として示した。この温度が約160℃以下
のものが優れたトナーといえる。
得た。この場合、複写物を得た後に白紙を供給し、白紙
へのトナーの汚れを目視で判定した。白紙にトナーの汚
れが発生する最低の温度をオフセット発生温度として示
した。なお、この試験は定着ロールの耐熱性を考慮して
200℃で打ち切った。この温度が約200℃以上のものが優
れたトナーといえる。
光ドラムの汚れ(画像のかぶりや画像濃度の低下の原因
となる)を目視で判定した。感光ドラムに汚れが認めら
れない場合を○で示し、汚れが認められる場合を×で示
した。なお、トナー粒子の電荷状態は安定であり、得ら
れた画像はかぶりが一切なく鮮明であった。以上の結果
をまとめて第1表に示す。
れにスチレン成分75重量%とアクリル酸n−ブチル25重
量%とからなる共重合体であって、分子量分布の最大ピ
ーク分子量が100万の樹脂150g及び針入度15のドコサノ
ール(炭素数22)90gとを入れ、気相を窒素ガスで置換
した後、この系をトルエンの沸点まで加温した。トルエ
ンの還流が起きた状態で撹拌しながら、スチレン400g、
アクリル酸n−ブチル50g及び重合開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリル3gを溶解した混合物を2.5時間か
けて滴下しながら溶液重合を行った。
ながら、4時間熟成した。その後、系の温度を180℃ま
で徐々に上げながら、減圧下にトルエンを留去させて、
上記スチレンとアクリル酸n−ブチルとの共重合体樹脂
を製造した。
分75重量%とアクリル酸n−ブチル25重量%とからなる
共重合体であって、分子量分布の最大ピーク分子量が10
0万の高分子量共重合体成分25重量部、スチレン成分89
重量%とアクリル酸n−ブチル11重量%とからなる共重
合体であって、分子量分布の最大ピーク分子量が2万の
低分子量共重合体成分75重量部、針入度15のドコサノー
ル15重量部とから構成されていた。
で160℃で10分間混練した後、これを冷却して粉砕し
た。この粉砕物100重量部にカーボンブラック(MA−10
0:三菱化成社製)5重量部と荷電制御剤(スピロンブラ
ックTRH:保土谷化学社製)1重量部とを溶融混練し、冷
却後粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕して平均粒
度が約13〜15μmのトナーを製造した。
を評価した。その結果を第1表にまとめて示す。
分70重量%とメタアクリル酸n−ブチル30重量%とから
なる共重合体であって、分子量分布の最大ピーク分子量
が50万の樹脂40重量部を用いた。また、低分子量共重合
体成分となる樹脂として、スチレン成分80重量%とメタ
アクリル酸n−ブチル20重量%とからなる共重合体であ
って、分子量分布の最大ピーク分子量が3万の樹脂60重
量部を用いた。また、脂肪族アルコールとして、針入度
12のドトリアンコンタノール(炭素数32)20重量部を用
いた。それ以外は、実施例1と同様に行った。その結果
を第1表にまとめて示す。
それ以外は実施例1と同様に行った。その結果を第1表
にまとめて示す。
及び低高分子量共重合体成分となる樹脂に替えて、分子
量分布の最大ピーク分子量が1万のポリスチレン100重
量部を用いた。それ以外は実施例1と同様に行った。そ
の結果を第1表にまとめて示す。
の分子量分布の最大ピーク分子量を、0.2万に替えた。
それ以外は実施例1と同様に行った。その結果を第1表
にまとめて示す。
の分子量分布の最大ピーク分子量を5万に替えた。それ
以外は実施例1と同様に行った。その結果を第1表にま
とめて示す。
30のヘキサデカノール(炭素数16)に替えた。それ以外
は実施例3と同様に行った。その結果を第1表にまとめ
て示す。
素数約70の脂肪族アルコールに替えた。それ以外は実施
例2と同様に行った。その結果を第1表にまとめて示
す。
は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステル
系モノマーとの共重合体であって、分子量分布の最大ピ
ーク分子量20〜200万の高分子量共重合体成分20〜50重
量%と分子量分布の最大ピーク分子量0.4〜8万の低分
子量共重合体成分とからなる樹脂100重量部と、炭素数1
8〜32の脂肪族アルコールを主成分とし且つ25℃での針
入度25以下の脂肪族アルコール7〜20重量部とを主要成
分として含有する。
族アルコールを特定量含有させることにより、耐オフセ
ット性及び耐ブロッキング性を低下させることなく、低
温定着性に優れ、さらに感光ドラムの汚れ現象が防止さ
れるトナーが得られる。また、トナー粒子の荷電状態は
安定であり、得られた画像はかぶりが一切なく鮮明であ
る。
は、低速から高速に亘る熱圧ローラー定着方式の電子写
真複写機に好適に使用され得る。
Claims (2)
- 【請求項1】スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸
エステル系モノマーとの共重合体であって、分子量分布
の最大ピーク分子量20〜200万の高分子量共重合体成分2
0〜50重量%と分子量分布の最大ピーク分子量0.4〜8万
の低分子量共重合体成分とからなる樹脂100重量部と、
炭素数18〜32の脂肪族アルコールを主成分とし且つ25℃
での針入度25以下の脂肪族アルコール7〜20重量部とを
主要成分として含有するトナー用樹脂組成物。 - 【請求項2】請求項1記載のトナー用樹脂組成物を含有
するトナー。
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