JPH08123080A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JPH08123080A
JPH08123080A JP6255287A JP25528794A JPH08123080A JP H08123080 A JPH08123080 A JP H08123080A JP 6255287 A JP6255287 A JP 6255287A JP 25528794 A JP25528794 A JP 25528794A JP H08123080 A JPH08123080 A JP H08123080A
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JP
Japan
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molecular weight
polymer component
toner
weight polymer
mol
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JP6255287A
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English (en)
Inventor
Kiyokazu Suzuki
喜予和 鈴木
Takuo Suzuki
卓夫 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温定着性、耐オフセット性及びトナーの非
凝集性を低下させることなく、高品質の画像及び長期間
にわたり安定した画像を得ることを可能とするトナー用
樹脂組成物を提供する。 【構成】 低分子量重合体成分と高分子量重合体成分と
を含むビニル系共重合体を主成分とし、高分子量重合体
成分が数平均分子量5万以上またはゲル分10重量%以
上のポリスチレンであり、低分子量重合体成分は、Tg
が50℃以上であり、分子量分布における極大値が2×
103 〜4×104 の範囲にあり、その30重量%以上
は(メタ)アクリル酸エステルよりなり、低分子量重合
体成分のマトリックス相中に高分子量重合体成分のドメ
インが分散しているドメイン構造を有するトナー用樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真等に使用する
トナー用樹脂及びトナーに関し、詳しくは静電荷像を現
像する方式の内のいわゆる乾式現像方式に使用するトナ
ー用樹脂組成物及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】乾式現像方式においては、通常トナーは
キャリアーと呼ばれる鉄分あるいはガラスビーズ等との
摩擦によって帯電し、これが感光体上の静電潜像に電気
的引力によって付着し、次に用紙上に転写され、熱ロー
ル等によって定着されて永久可視像とされる。
【0003】定着方法としては、トナーに対して離型性
を有する材料で表面を形成した加熱ローラの表面に、被
定着シートのトナー像画を圧接触させながら通過させる
ことにより行なう加熱ローラ法が多用されている。
【0004】加熱ローラ法においては、消費電力等の経
済性を向上させるために、及び複写速度を高めるため
に、より低温で定着可能なトナー用樹脂が求められてい
る。低温定着性を高めるために、ビニル系共重合体の分
子量を低めること等が提案されている。しかし、これら
の方法ではトナーの定着性は高められるが、定着時に像
を形成するトナーの一部が熱ローラの表面に移行し、次
に送られてくる用紙に再び付着して画像を汚すという現
象(オフセット現象)が発生し易く、またトナーが凝集
し易いという問題があった。
【0005】これらの問題を解決する目的で、トナーの
樹脂を低分子量の重合体成分と高分子量の重合体成分と
からなる樹脂で構成する技術(特開昭56−15834
0号公報、特開昭58−202455号公報)が提案さ
れている。
【0006】しかしながら、これらの技術により、ある
程度の低温定着性は達成されるものの、必ずしも十分で
はなかった。さらに、酸モノマーによりドメイン化する
(特開平4−366176)等の技術においても苛酷な
環境下では画像カブリが発生するという欠点があった。
【0007】また、現像剤用トナーでは、摩擦帯電性を
制御するために染料、顔料等の荷電制御性物質を添加す
ることが行なわれている。この荷電制御物質はトナーに
正荷電や負荷電を付与するものであり、例えば特公昭4
1−20153号公報、特公昭44−6397号公報、
特開昭53−127726号公報、特開昭57−141
452号公報等に開示されている。
【0008】これらの化合物はトナーの荷電制御剤とし
ての性能は十分であるが、高画質化及びランニングにお
ける安定性において必ずしも満足の出来るものではなか
った。
【0009】近年、複写分野ではパーソナル化が進み、
特に、高画質化及び高耐久化に対する要求が高まってき
ている。従って、トナー用樹脂についても高画質化、高
耐久化にみあった役割がより強く求められている。
【0010】前述した帯電制御剤は一定レベルでの帯電
制御能力や環境安定性は維持しているものの、長期間複
写機を使用した場合や、より高画質が求められた場合に
は必ずしも十分なものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消しようとするものであり、高品位の画像を得るこ
とができ、長期間複写機を使用した場合でも、安定した
画像を得ることができ、低温定着性及び耐オフセット性
に優れ、さらにトナーを構成した際の非凝集性に優れて
いるトナー用樹脂組成物及びトナーを提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するものであり、低分子量の重合体成分と高分子量の
重合体成分とからなるビニル系共重合体を主成分とする
トナー用樹脂組成物であって、ビニル系共重合体を主成
分とするトナー用バインダーであって、ビニル系共重合
体が少なくとも低分子量の重合体成分と高分子量の重合
体成分とより構成されるポリマーアロイであり、前記高
分子量の重合体成分が、数平均分子量5万以上又はゲル
分10重量%以上のポリスチレンであり、前記低分子量
の重合体成分の分子量分布の極大値が2×103 〜4×
104 の範囲にあり、低分子量の重合体成分は、ガラス
の転移点が50℃以上であり、かつその30重量%以上
が(メタ)アクリル酸エステルであり、前記ビニル系共
重合体がスチレンもしくは(メタ)アクリル酸エステル
単量体及びその他のビニル系単量体を構成単位とし、上
記ポリマーアロイが、低分子量の重合体成分のマトリッ
クス相の中に高分子量の重合体成分のドメインが分散し
てなるドメイン構造を有し、動的粘弾性試験における貯
蔵弾性率(G’)が、160℃において100Pa以上
であることを特徴とするトナー用樹脂組成物である。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のトナー用樹脂組成物を用いたことを特徴とする
トナーである。本発明におけるビニル系共重合体として
は、スチレン系単量体、アクリル酸エステルもしくはメ
タクリル酸エステル単量体を構成単位とするものが好ま
しい。
【0014】上記スチレン系単量体の具体例としては、
スチレンの他にo−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−ter−ブチルスチレン、p−n−
ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n
−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロル
スチレンなどを挙げることができる。
【0015】また、上記アクリル酸エステルもしくはメ
タクリル酸エステル単量体の具体例としては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタ
クリル酸ステアリル、などのアクリル酸またはメタクリ
ル酸のアルキルエステルの他、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジ
ル、ビスグリシジルメタクリレート、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、メタクリロキシエチルホスフ
ェートなどを挙げることができ、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸ブチルなどが特に好ましく用いられる。
【0016】本発明に用い得るその他のビニル系単量体
としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアク
リル酸、クロトン酸などのアクリル酸及びそのα−ある
いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シト
ラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びそ
のモノエステル誘導体及びジエステル誘導体、コハク酸
モノアクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノ
メタクリロイルオキシエチルエステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどを挙げる
ことができる。
【0017】本発明におけるビニル系共重合体では、前
記低分子量の重合体成分の分子量分布の極大値が2×1
3 〜4×104 の範囲にあり、前記高分子量の重合体
成分が数平均分子量5万以上又はゲル分10重量%以上
でのポリスチレンである。
【0018】低分子量の重合体成分の分子量分布の極大
値が、前記範囲より小さいと、トナーとした際に凝集し
易くなり、高分子量体と相溶化してしまい機能を果たせ
ないことがあり、また前記範囲よりも大きいと、定着性
が低下したり、ドメインが大きくなりすぎて高分子量成
分のみのトナーや低分子量成分のみのトナーが発生する
ため画像が不均一になったり、トナーとした際に凝集し
易くなったりすることがある。
【0019】また、高分子量の重合体成分が数平均分子
量5万以下や、ゲル分が10重量%より少ないポリスチ
レンであると、耐オフセット性が悪化する。さらに、本
発明における低分子量の重合体成分はトナーとした際の
凝集性を抑制するために、ガラス転移点Tgが50℃以
上のものである。
【0020】本発明における低分子量の重合体成分は、
30重量%以上が(メタ)アクリル酸エステルである必
要がある。低分子量体中の(メタ)アクリル酸エステル
成分含有割合が30重量%未満では高分子量体と相溶化
してしまい、低温で定着しなかったり、保存性が悪くな
ることがある。
【0021】ビニル系共重合体の合成法としては、懸濁
重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等の適宜の重合法
が利用できる。低分子量の重合体成分と高分子量の重合
体成分は熱溶融ブレンドされてもかまわないが、より均
質に分散させるためには溶剤に分散した上で脱溶剤する
のが好ましい。さらに好ましくは、高分子量の重合体成
分の存在下で低分子量の重合体成分を重合する方法が用
いられる。
【0022】本発明では、高分子量重合体成分と低分子
量重合体成分とは完全に相溶化しない範囲であれば、ブ
ロックやグラフト等の方法で一部が化学的に結合してい
てもよい。
【0023】さらに、上記ビニル系共重合樹脂の、動的
粘弾性試験における160℃における貯蔵弾性率
(G’)は100Pa以上である。100Pa未満では
十分な耐オフセット性が得られない場合がある。
【0024】また、本発明のトナー用樹脂組成物は低分
子量の重合体成分のマトリックス相の中に高分子量の重
合体成分が分散したドメイン構造を有する。ドメインの
大きさは0.01〜5μm程度が好ましい。ドメインが
5μmよりも大きすぎると、トナー化したときに高分子
量の重合体成分と低分子量の重合体成分とが分散むらの
様な状態になり、画像が乱れるだけでなく、耐オフセッ
ト性も損なわれてしまう。また、ドメインが小さすぎる
と、ドメイン構造をとる長所が表れなくなってしまうお
それがある。
【0025】本発明のトナー用樹脂組成物には、本発明
を達成し得る範囲内で、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチ
レン等が前記ビニル系共重合体に共重合されてもよく、
またこれらモノマーの重合体がブレンドされていてもさ
しつかえない。また、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂
が混合されていてもよい。さらに、脂肪族アミド、ビス
脂肪族アミド、金属石鹸、パラフィン等が混合されても
よい。
【0026】さらに、本発明を達成し得る範囲内で、帯
電制御剤としてニグロシン、スピロンブラック(保土ヶ
谷化学製)等の染料やその他フタロシアニン系の顔料を
添加することができる。また、着色剤としてカーボンブ
ラック、クロームイエロー、アニリンブルー等を用いる
ことができる。
【0027】さらに、離型剤として低分子量ポリエチレ
ン、ポリプロピレンワックス等を添加したり、流動性を
上げるために疎水性シリカ等を添加したりしてもかまわ
ない。さらに、磁性粉を混合して磁性トナーとして使用
してもかまわない。
【0028】
【発明の作用】トナー用のビニル系共重合体にはスチレ
ン−アクリル共重合体が広く用いられているが、スチレ
ン−アクリル共重合体を用いたトナーでは必ずしも高画
質な画像が得られなかったり、画像の長期間安定性が十
分でなかったりすることがある。
【0029】本願発明者らは、種々の検討の結果、その
主原因が高分子量体中の(メタ)アクリル成分にあるこ
とをつきとめた。そこで、高分子量体中の(メタ)アク
リル成分を取り除く方向で検討を行ったところ、高分子
量体をポリスチレンにすることにより、低温定着性、耐
オフセット性、トナーの非凝集性を低下させることな
く、高品質の画像と長期間安定した画像が得られること
を見いだした。
【0030】この理由は、高分子量体の電気抵抗が画像
に大きく影響するため、ポリスチレンにより高分子量体
を構成し、電気抵抗を高めると、トナーの帯電量が安定
し、それによって高品質の画像が安定に得られるものと
考えられる。
【0031】また、本発明のトナー用樹脂組成物では、
上記ドメイン構造を有するため、比較的低い温度でマト
リックス相の低分子量体が溶融し、低温で良好な定着性
が得られ、高温になった場合はドメインである高分子量
体によりG’が低下しにくいので、耐オフセット性が高
められる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例につき説明
する。なお、以下における分子量分布の極大値とは、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測
定した分子量分布における極大値を示す。
【0033】また、貯蔵弾性率G’は、以下の動的粘弾
性試験による値である。 動的粘弾性試験……Reometrcs社製RDAを装
置として使用し、テクスチュアー:25mmパラレルプ
レート、測定温度:110℃,160℃、測定周波長:
10rad/秒、歪率:0.5〜5%(オートストレイ
ン使用)の条件で測定した。
【0034】実施例1 3リットルのセパラブルフラスコにキシレン900gを
入れ、ポリスチレン(Mn20万、純度99重量%以
上)400gを投入し、溶解した。気相を窒素ガスにて
置換したのち、この系をキシレンの沸点まで加温した。
【0035】キシレンの還流が起きた状態で、攪拌下に
おいて、スチレン450g、アクリル酸2−エチルヘキ
シル150g、メタクリル酸メチル400g及び重合開
始剤としてのベンゾイルパーオキサイド10gを溶解し
てなる混合物を、3時間かけて滴下しながら溶液重合を
行った。滴下終了後、さらにキシレンの沸騰する温度に
て攪拌しながら、3時間熟成した。その後、系の温度を
180℃まで徐々に上げながら、減圧下にキシレンを脱
溶剤して樹脂を得た。この樹脂を冷却し、粉砕して、本
発明樹脂Aを得た。
【0036】樹脂Aは分子量分布の3万と35万に極大
値を有し、Tgは54℃であった。また、樹脂Aの貯蔵
弾性率(G’)は160℃において2000Pa、ドメ
インの径は2μmであった。
【0037】この樹脂100重量部と、カーボンブラッ
ク(MA−100:三菱化成社製)5重量部と、スピロ
ンブラックTRH1重量部と、PPワックス(ビスコー
ル660P:三洋化成社製)3重量部とをメルトブレン
ドし、冷却後粗粉砕し、さらにジェトミルで微粉砕して
約13〜15ミクロンの平均粒径を有するトナー粉末を
作成した。
【0038】このトナー粉末10gを100mlサンプ
ル瓶にとり、50℃の恒温槽中に24時間放置した後、
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝集度を
測定したところ、凝集は認められなかった。
【0039】また、このトナー4重量部を約50〜80
ミクロンの平均粒径を有する鉄粉キャリアー96重量部
と混合して現像剤を作り、この現像剤を用いて複写物を
得た。使用した電子写真複写機は富士ゼロックス350
0を改造したものである。
【0040】定着温度は、電子写真複写機の熱ローラー
の設定温度を種々変えて複写し、複写物をタイプライタ
ー用砂消しゴムで摩擦したときに、複写画の濃度が変化
する時の設定温度とした。樹脂Aを用いた現像剤の定着
温度は140℃であり、十分低かった。
【0041】オフセット発生温度は、電子写真複写機の
熱ローラーの設定温度を種々変えて複写し、オフセット
の発生する時の設定温度とした。樹脂Aを用いた現像剤
のオフセット発生温度は200℃以上であり、十分高か
った。
【0042】また、この現像剤を使用して写真を複写し
たところ非常に再現性の高い画像が得られた。さらに、
細線を複写したところ、かすれ等がなく非常に再現性の
高い画像が得られた。また、10万枚のランニングテス
トを行ったが、画像の乱れは一切見られなかった。
【0043】実施例2 3リットルのセパラブルフラスコにトルエン1200g
を入れ、Mn8万のポリスチレンの共重合体350g
と、スチレン50重量%、アクリル酸n−ブチル20重
量%及びメタクリル酸メチル30重量%を含み分子量極
大値2万、Tgが50℃の共重合体500gとを投入
し、溶解した。気相を窒素ガスにて置換したのち、この
系をトルエンの沸点まで加温した。
【0044】トルエンの還流が起きた状態で5時間攪拌
し、その後、系の温度を180℃まで徐々に高めなが
ら、減圧下にてトルエンを脱溶剤して樹脂を得た。この
樹脂を冷却し、粉砕して、本発明樹脂Bを得た。
【0045】樹脂Bは分子量分布の2万と20万とに極
大値を有し、Tgは52℃であった。また、樹脂Bの貯
蔵弾性率(G’)は160℃において15000Paで
あった。
【0046】さらに、樹脂Bはドメイン構造を有してお
り、顕微鏡下の観察によれば、ドメインの大きさは約2
μmであった。実施例1において樹脂Aの代わりに樹脂
Bを用いることを除けば同様にして現像剤を作製し、テ
ストを行った結果、トナーの凝集は認められず、定着温
度は140℃、オフセット発生温度は200℃以上であ
った。
【0047】また、この現像剤を使用して写真を複写し
たところ、非常に再現性の高い画像が得られた。さら
に、細線を複写したところ、かすれ等がなく非常に再現
性の高い画像が得られた。10万枚のランニングテスト
を行ったが、画像の乱れは一切見られなかった。
【0048】比較例1 実施例1において分子量極大値20万のポリスチレンの
代わりにスチレン90重量%及びアクリル酸2−エチル
ヘキシル10重量%の共重合体を用いたことを除けば同
様にして樹脂及び現像剤を作製し、テストを行った。
【0049】得られた樹脂は分子量分布の3万と35万
に極大値を有し、Tgは65℃、G’は2000Pa、
ドメインは見当たらず、完全に相溶していた。また、ト
ナーの凝集性は認められなかった。しかし定着温度は1
60℃と高く、オフセット発生温度は200℃以上であ
った。
【0050】この現像剤を使用して写真を複写したとこ
ろ非常に再現性の高い画像が得られた。さらに、細線を
複写したところ、かすれ等がなく非常に再現性の高い画
像が得られた。10万枚のランニングテストを行った
が、画像の乱れは一切見られなかった。
【0051】比較例2 実施例1においてMn20万のポリスチレンの代わりに
スチレン45重量%及びメタクリル酸メチル55重量%
を含みMn20万の共重合体を用いることを除けば同様
にして、樹脂及び現像剤を作製しテストを行った。
【0052】得られた樹脂は分子量分布の3万と35万
に極大値を有し、Tgは62℃、G’は3000Pa、
ドメインの径は約1μmであった。また、トナーの凝集
性は認められなかった。定着温度は150℃であり、オ
フセット発生温度は200℃以上であった。
【0053】この現像剤を使用して写真を複写したとこ
ろ、樹脂Aを用いたトナーに比べ、十分な再現性が得ら
れなかった。さらに、細線を複写したところ、かすれ等
がみられた。また、ランニングテスト1万枚で画像に乱
れが発生した。
【0054】比較例3 実施例2において、Mn8万のポリスチレンの代わりに
Mn100万のポリスチレンを用いることを除けば同様
にして、樹脂及び現像剤を作製しテストを行った。
【0055】得られた樹脂では、分子量分布の2万と1
80万とに極大値を有し、Tgは62℃、G’は100
00Pa、ドメインは約8μmであった。また、トナー
の凝集性は認められなかった。定着温度は160℃であ
ったが、オフセット発生温度は170℃であった。
【0056】また、この現像剤を使用して写真を複写し
たところ、非常に再現性の高い画像が得られた。さら
に、細線を複写したところ、かすれ等がなく非常に再現
性の高い画像が得られた。しかし、ランニングテスト1
000枚で画像の乱れが発生した。
【0057】比較例4 実施例2において、Mn8万のポリスチレンの代わりに
Mn4万のポリスチレンを用いることを除けば同様にし
て樹脂及び現像剤を作製し、テストを行った。
【0058】得られた樹脂の分子量分布では2万と7万
とに極大値があり、Tgは52℃、G’は50Paであ
った。またトナーの凝集性は認められなかった。定着温
度は140℃であったが、オフセット発生温度は160
℃と低かった。
【0059】この現像剤を使用して写真を複写したとこ
ろ、非常に再現性の高い画像が得られた。さらに、細線
を複写したところ、かすれ等がなく非常に再現性の高い
画像が得られた。
【0060】また、10万枚のランニングテストを行っ
たが、画像の乱れは一切みられなかった。なお、上記実
施例及び比較例の構成を下記の表1にまとめて示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
係るトナー用樹脂組成物では、上記のように低分子量の
重合体成分と高分子量の重合体成分とを有するビニル系
共重合体を主成分とし、高分子量重合体成分が上記特定
のポリスチレンにより構成されており、さらに上記ドメ
イン構造を有する。従って、請求項1に記載の発明にか
かるトナー用樹脂組成物を用いて請求項2に記載の発明
にかかるトナーを構成した場合、低温定着性、及び耐オ
フセット性並びにトナーの非凝集性を低下させることな
く、高品質の画像及び長期間にわたり安定した画像を得
ることが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系共重合体を主成分とするトナー
    用バインダーであって、 ビニル系共重合体が少なくとも低分子量の重合体成分と
    高分子量の重合体成分とより構成されるポリマーアロイ
    であり、 前記高分子量の重合体成分が、数平均分子量5万以上又
    はゲル分10重量%以上のポリスチレンであり、 前記低分子量の重合体成分の分子量分布の極大値が2×
    103 〜4×104 の範囲にあり、低分子量の重合体成
    分は、ガラスの転移点が50℃以上であり、かつその3
    0重量%以上が(メタ)アクリル酸エステルであり、 前記ビニル系共重合体がスチレンもしくは(メタ)アク
    リル酸エステル単量体及びその他のビニル系単量体を構
    成単位とし、上記ポリマーアロイが、低分子量の重合体
    成分のマトリックス相の中に高分子量の重合体成分のド
    メインが分散してなるドメイン構造を有し、 動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(G’)が、160
    ℃において100Pa以上であることを特徴とするトナ
    ー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトナー用樹脂組成物を
    用いたことを特徴とするトナー。
JP6255287A 1994-10-20 1994-10-20 トナー用樹脂組成物及びトナー Pending JPH08123080A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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