JPH07181730A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JPH07181730A
JPH07181730A JP5327461A JP32746193A JPH07181730A JP H07181730 A JPH07181730 A JP H07181730A JP 5327461 A JP5327461 A JP 5327461A JP 32746193 A JP32746193 A JP 32746193A JP H07181730 A JPH07181730 A JP H07181730A
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JP
Japan
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toner
molecular weight
vinyl polymer
polymer component
resin composition
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Pending
Application number
JP5327461A
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English (en)
Inventor
Takuo Suzuki
卓夫 鈴木
Takashi Kamiyama
隆司 上山
Toru Takahashi
徹 高橋
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐オフセット性、低温定着性及び耐ブロッキ
ング性に優れ、しかも高温高湿等の過酷な条件下で複写
する場合でも、充分に安定した画像が得られるトナー用
樹脂組成物及びトナーを提供する。 【構成】 トナー用樹脂組成物は、低分子量のビニル系
重合体成分と高分子量のビニル系重合体成分からなるト
ナー用樹脂組成物において、上記低分子量重合体成分
は、分子量2×103 〜4×104 の領域に分子量分布
の極大を有し、ガラス転移点が50℃以上で、スチレン
系単量体成分含有率が70重量%以上のスチレン系重合
体からなり、上記高分子量重合体成分は、重量平均分子
量が10万以上又はゲル分率が20重量%以上で、ガラ
ス転移点が0〜50℃で、(メタ)アクリル酸エステル
系単量体成分含有率が60重量%以上の(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体からなる。このトナー用樹脂組成
物を用いてトナーを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真等に使用す
るトナー用樹脂組成物及びトナーに関し、さらに詳しく
いえば、静電荷像を現像する方法において、乾式現像方
式に使用するトナー用樹脂組成物及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真等において、静電荷像を現像す
る方法として、乾式現像方式が多用されている。この乾
式現像方式では、バインダーとなるトナー用樹脂にカー
ボンブラック等の着色剤、その他の添加剤を含有させた
微粉末に、鉄粉やガラスビーズ等のキャリアーを混合し
た摩擦帯電性のトナー(現像剤)が用いられる。
【0003】複写物を得るには、通常、感光体上に静電
潜像を形成し、この静電潜像に摩擦帯電性のトナーを電
気的に付着させて現像し、ここで得られたトナー像を用
紙等のシート上に転写し、その後トナーに対して離型性
を有する熱圧ローラーで定着させて永久可視像とする。
【0004】この種のトナーには、主に、耐オフセット
性(定着用の熱圧ローラーにトナーが付着し、これが用
紙を汚さないこと)、低温定着性(低温でトナーが用紙
に強固に付着すること)、耐ブロッキング性(トナー粒
子が凝集しないこと)及び画像安定性(帯電量の変化が
なく、画像濃度が均一であること)の優れたものが要求
される。
【0005】耐オフセット性、低温定着性及び耐ブロッ
キング性を改善したトナーとして、低分子量のビニル系
重合体成分と、高分子量のビニル系重合体成分とからな
り、スチレン系単量体及び/又は(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体を上記各重合体成分の構成単位として含
むトナー用樹脂組成物を用いたトナーが知られている。
【0006】また、上記低分子量のビニル系重合体成分
のガラス転移点が50℃以上、重量平均分子量が5万以
下であり、上記高分子量のビニル系重合体成分のガラス
転移点が65℃以下、重量平均分子量が8万以上であ
り、樹脂組成物のガラス転移点が50℃以上であるトナ
ー用樹脂組成物を用いたトナーも知られている(例え
ば、特開昭56−158340号公報参照)。
【0007】さらに、耐オフセット性、低温定着性、耐
ブロッキング性とともに、画像安定性を改善したトナー
として、低分子量のビニル系重合体成分(重量平均分子
量3千〜5万、ガラス転移点40〜90℃)のマトリッ
クス相(海)と、このマトリックス相の中に分散された
カルボン酸変性の高分子量(重量平均分子量6千〜10
0万、ガラス転移点0〜60℃、酸価15以上)のビニ
ル系重合体成分のドメイン粒子(島)とで形成されたト
ナー用樹脂組成物を用いたトナーが提案されている(例
えば、特開平4−366176号公報参照)。
【0008】なお、上記のような従来のトナーには、摩
擦帯電性を制御するために、通常、帯電制御剤が含有さ
れている。帯電制御剤としては、ニグロシン、スピロン
ブラック(保土ケ谷化学社製)等の染料や、その他フタ
ロシアニン系の顔料が知られ、これ等が汎用されてい
る。
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
トナーは、いずれも、耐オフセット性、低温定着性及び
耐ブロッキング性は良好で、しかも一定レベルの帯電制
御能力や環境変動による画像安定性は良好に維持してい
るものの、高温高湿等の過酷な環境下で複写する場合に
は、必ずしも上記性能が充分に満足のいくものではなか
った。
【0009】この発明は、このような従来のトナーの有
する問題を解決するもので、その目的とするところは、
耐オフセット性、低温定着性及び耐ブロッキング性に優
れ、しかも高温高湿等の過酷な環境下で複写する場合で
も、充分に安定した画像が得られるトナー用樹脂組成物
及びトナーを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のトナー用樹脂
組成物のうち、請求項1記載の発明は、低分子量のビニ
ル系重合体成分と高分子量のビニル系重合体成分とから
なるトナー用樹脂組成物において、
【0011】上記低分子量のビニル系重合体成分は、ス
チレン系単量体を該低分子量のビニル系重合体成分の構
成単位として70重量%以上含み、分子量2×103
4×104 の領域に分子量分布の極大を有し、ガラス転
移点が50℃以上のスチレン系重合体からなり、
【0012】上記高分子量のビニル系重合体成分は、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を該高分子量のビ
ニル系重合体成分の構成単位として60重量%以上含
み、重量平均分子量が10万以上又はゲル分率が20重
量%以上、ガラス転移点が0〜50℃の(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体からなることを特徴とする。
【0013】また、請求項2記載の発明は、上記トナー
用樹脂組成物が、低分子量のビニル系重合体成分のマト
リックス相とこのマトリックス相の中に分散された高分
子量のビニル系重合体成分のドメイン粒子とで形成され
ていることを特徴とする。
【0014】さらに、請求項3記載の発明のトナーは、
上記トナー用樹脂組成物を用いることを特徴とする。そ
れにより、上記目的が達成される。
【0015】この発明においては、上述のように、低分
子量のビニル系重合体成分として、スチレン系単量体を
該低分子量のビニル系重合体成分の構成単位として含む
スチレン系重合体が用いられ、高分子量のビニル系重合
体成分として、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を
該高分子量のビニル系重合体成分の構成単位として含む
(メタ)アクリル酸エステル系重合体が用いられる。
【0016】上記スチレン系単量体としては、スチレン
のほかに、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ドデシ
ルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチ
レン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレ
ン、ジビニルベンゼン等が挙げられ、これ等の中から重
合体成分のガラス転移点等を考慮して適当なものが選定
される。
【0017】また、上記(メタ)アクリル酸エステル系
単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル等の
(メタ)アクリル酸のアルキルエステル等が挙げられ、
これ等の中から重合体成分のガラス転移点等を考慮して
適当なものが選定される。
【0018】その他、アクリル酸2−クロルエチル、ア
クリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、ビス
グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェート等
が挙げられ、これ等の中から重合体成分のガラス転移点
等を考慮して適当なものが選定される。
【0019】なお、上記スチレン系単量体及び(メタ)
アクリル酸エステル系単量体以外に、その他のビニル系
単量体を重合体の構成単位として含んでいてもよい。こ
のようなその他のビニル系単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸
などのアクリル酸及びそのα−又はβ−アルキル誘導
体、フマル酸、(無水)マレイン酸、シトラコン酸、イ
タコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステ
ル誘導体又はジエステル誘導体、コハク酸モノアクリロ
イルオキシエチルエステル、コハク酸モノメタクリロイ
ルオキシエチルエステル、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、エチレン等が挙げられ、これ等の中から重合体成分
のガラス転移点や酸価等を考慮して適当なものが選定さ
れる。
【0020】上記低分子量のビニル系重合体成分の具体
例としては、例えば、スチレン系単量体の単独重合体、
或いはスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル
系単量体との共重合体が用いられる。また、高分子量の
ビニル系重合体成分の具体例としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の単独重合体、或いは
(メタ)アクリル酸エステル系単量体とスチレン系単量
体との共重合体などが用いられる。
【0021】しかも、上記低分子量のビニル系重合体成
分は、スチレン系単量体を該低分子量のビニル系重合体
成分の構成単位として70重量%以上含み、分子量2×
10 3 〜4×104 の領域に分子量分布の極大を有し、
ガラス転移点が50℃以上のスチレン系重合体でなけれ
ばならない。
【0022】その理由は、次の通りである。すなわち、
スチレン系単量体を構成単位として70重量%未満で含
むものは、充分な帯電性や粉砕性が得られず、また高分
子量のビニル系重合体成分と相溶化してしまい、トナー
の低温定着性が低下し、トナー粒子が凝集しやすくなり
保存性が悪くなるからである。
【0023】また、分子量2×103 より小さい領域に
分子量分布の極大があるものは、トナー粒子が凝集しや
すくなり、また高分子量のビニル系重合体成分と相溶化
してしまい、トナーの帯電量が不安定となるからであ
る。逆に、分子量4×104 より大きい領域に分子量分
布の極大があるものは、トナーの低温定着性が低下し、
また、形成されるドメイン粒子が大きくなりすぎて、低
分子量のビニル系重合体成分のみ或いは高分子量のビニ
ル系重合体成分のみのトナー粒子が発生して画像が不均
一となったり、トナー粒子が凝集しやすくなり保存性が
悪くなるからである。
【0024】また、低分子量のビニル系重合体成分のガ
ラス転移点が50℃よりも低くなると、トナー粒子が凝
集しやすくなり保存性が悪くなるからである。
【0025】さらに、上記の高分子量のビニル系重合体
成分は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を該高分
子量のビニル系重合体成分の構成単位として60重量%
以上含み、重量平均分子量が10万以上又はゲル分率が
20重量%以上、ガラス転移点が0〜50℃でなければ
ならない。
【0026】その理由は、次の通りである。すなわち、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を構成単位として
60重量%未満で含むものは、低分子量のビニル系重合
体成分と相溶化してしまい、トナーの低温定着性が低下
したり、トナー粒子が凝集しやすくなり保存性が悪くな
るからである。
【0027】また、重量平均分子量が10万よりも小さ
かったりゲル分率(溶剤不溶分)が20重量%よりも少
ないと、トナーの耐オフセット性が低下するからであ
る。なお、この高分子量のビニル系重合体成分において
は、分子量1×105 〜4×106 の領域に分子量分布
の極大を有するものが好ましい。極大の分子量が上記値
よりも小さくなると、トナーの耐オフセット性が低下す
る傾向があり、逆に上記範囲よりも大きくなると、トナ
ーの低温定着性が低下する傾向がある。
【0028】また、高分子量のビニル系重合体成分のガ
ラス転移点が0℃よりも低くなると、ドメイン粒子が形
成されても、トナー粒子が凝集しやすくなり保存性が悪
くなったり、高温高湿等の過酷な条件下で吸湿が起こり
画像が乱れたりする。逆に、ガラス転移点が50℃より
も高くなると、トナーの低温定着性が低下するからであ
る。
【0029】ここで、各重合体成分の分子量分布及び重
量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ(GPC)(単分散ポリスチレン標準試料使用)によ
って測定される分子量分布及び重量平均分子量である。
また、各重合体成分のガラス転移点は示差走査熱量計
(DSC)で測定される値である。また、上記高分子量
のビニル系重合体成分のゲル分率(溶剤不溶分)は、テ
トラヒドロフラン溶剤を用いて測定される値である。
【0030】上記低分子量のビニル系重合体成分と高分
子量のビニル系重合体成分との割合は、一般に、低分子
量のビニル系重合体成分90〜50重量%、高分子量の
ビニル系重合体成分10〜50重量%の範囲に設定され
るのが好ましい。高分子量のビニル系重合体成分の含有
率が少なくなると、耐オフセット性が低下する傾向があ
り、逆に高分子量のビニル系重合体成分の含有率が多く
なると、低温定着性が低下する傾向があるからである。
【0031】上記低分子量のビニル系重合体成分及び高
分子量のビニル系重合体成分は、懸濁重合、乳化重合、
溶液重合、塊状重合等の公知の重合方法で調製すること
ができる。
【0032】そして、上記低分子量のビニル系重合体成
分と高分子量のビニル系重合体成分とからなるトナー用
樹脂組成物を製造するには、上記低分子量のビニル系重
合体成分と上記高分子量のビニル系重合体成分とを溶融
混練する方法でもよいが、より均質に分散させるため
に、上記低分子量のビニル系重合体成分と上記高分子量
のビニル系重合体成分とを有機溶剤を用いて溶解混合す
る方法が好ましく、上記高分子量のビニル系重合体成分
の存在下で上記低分子量のビニル系重合体成分を重合さ
せて混合する方法がさらに好ましい。
【0033】なお、上記低分子量のビニル系重合体成分
及び高分子量のビニル系重合体成分は、両成分が完全に
相溶化しない範囲であれば、ブロック、グラフト等の方
法で一部が化学的に結合していてもかまわない。
【0034】このようにして得られるトナー用樹脂組成
物は、低分子量のビニル系重合体成分に由来する分子量
分布の極大と、高分子量のビニル系重合体成分に由来す
る分子量分布の極大の少なくとも二山の分子量分布を有
する。また、示差走査熱量計(DSC)によれば、一般
に、少なくとも二つのガラス転移点が測定される。
【0035】また、一般に、低分子量のビニル系重合体
成分のマトリックス相(海)と、このマトリックス相の
中に分散された高分子量のビニル系重合体成分のドメイ
ン粒子(島)とで形成されている。これは、例えば、ウ
ルトラマイクロトーム切片の透過電子顕微鏡或いは位相
差電子顕微鏡により確認することができる。ドメイン粒
子の大きさは、0.01〜5μm 程度のものを形成させ
るのが好ましい。
【0036】この発明においては、上述のように、従来
技術に記載されたカルボン酸変性の高分子量ビニル系重
合体成分を使用することなしに海島構造(ドメイン構
造)を形成させることができるが、高分子量のビニル系
重合体成分を重合により調製する際に、前述したその他
のビニル系単量体の中から、(メタ)アクリル酸、クロ
トン酸、イタコン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸等
のカルボキシル基を有するビニル系単量体を選定し、こ
れを共重合させてカルボキシル基を有する高分子量のビ
ニル系重合体成分を調製し、これを低分子量のビニル系
重合体成分と、前記の方法で混合することにより、海島
構造(ドメイン構造)を形成させてもよい。
【0037】また、予め、高分子量のビニル系重合体成
分を重合により調製しておき、これに上記カルボキシル
基を有するビニル系単量体を溶媒中で加熱処理等により
付加してカルボキシル基を有する高分子量のビニル系重
合体成分を調製し、これを低分子量のビニル系重合体成
分と混合することにより海島構造(ドメイン構造)を形
成させてもよい。
【0038】この場合、カルボキシル基を有する高分子
量のビニル系重合体成分の酸価は、一般に、10 mgK
OH/g以下とする。それ以上では高温高湿等の過酷な
条件下で吸湿が起こり、画像が乱れることがある。な
お、酸価とは、重合体1g中に含まれている酸(カルボ
キシル基)を中和するに要する水酸化カリウムの mg数
として定義され、例えば、重合体2〜10gをメタノー
ル:トルエン=30:70の混合溶媒50mlに溶解
し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッ
ドの混合指示薬を用い、N/10の水酸価カリウムエチ
ルアルコール溶液で滴定して算出される。
【0039】さらに、得られるトナー用樹脂組成物は、
その動的粘弾性試験において、160℃、周波数10r
ad/secにおける貯蔵弾性率(G')が100Pa以
上であるものが好ましい。ここで、貯蔵弾性率(G')
は、粘弾性スペクトロメーターにより測定される。16
0℃、周波数10rad/secにおける貯蔵弾性率
(G')が100Pa未満では、充分な耐オフセット性が
得られないことがある。
【0040】こうして、この発明のトナー用樹脂組成物
が得られ、この樹脂組成物がトナーのバインダー樹脂と
して使用される。なお、この発明のトナー用樹脂組成物
には、予め、着色剤、帯電制御剤、その他の従来慣用の
トナー用添加剤を配合しておいてもよい。
【0041】また、上記トナー用樹脂組成物を用いて、
この発明のトナーを製造するには、例えば、上記方法で
得られたトナー用樹脂組成物に、着色剤、帯電制御剤、
その他の従来慣用のトナー用添加剤を配合し、これをロ
ールミル、ニーダー、押出機などを用いて混練した後、
冷却して微粉砕する方法が採用される。上記トナー用樹
脂組成物に、予め、着色剤、帯電制御剤等のトナー用添
加剤が配合されている場合は、これ等のトナー用添加剤
は不要である。
【0042】上記着色剤としては、カーボンブラック、
クロームイエロー、アニリンブルー等のこの種のトナー
に慣用されている顔料或いは染料が使用される。また、
帯電制御剤としては、ニグロシン、スピロンブラック
(保土ケ谷化学社製)等の染料、その他フタロシアニン
系の顔料からなる帯電制御剤が使用される。また、複写
機の定着ローラーに対して剥離作用のあるポリプロピレ
ンワックス、低分子ポリエチレン、その他脂肪族アミ
ド、ビス脂肪族アミド、金属石鹸、パラフィン等が配合
されてもよい。
【0043】また、トナー粒子の流動性を上げるため
に、疎水性シリカ等を後添加してもよい。また、磁性ト
ナーとするために、マグネタイト、フェライト、ヘマタ
イト等の鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガンなど
の強磁性を示す合金又は化合物からなる磁性粉が配合さ
れてもよい。
【0044】なお、トナー用樹脂組成物及びトナーに
は、必要に応じて、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等
のビニル系重合体以外の公知のバインダー樹脂を少量配
合されてもよい。
【0045】
【作用】低分子量のビニル系重合体成分と高分子量のビ
ニル系重合体成分とからなるトナー用樹脂組成物におい
て、上述のような特定の低分子量のスチレン系重合体
と、特定の高分子量の(メタ)アクリル酸エステル系重
合体とを用いると、これ等の低分子量重合体成分と高分
子量重合体成分との作用により、主に、耐オフセット
性、低温定着性及び耐ブロッキング性の諸性能が優れた
トナー用樹脂組成物及びトナーが得られる。
【0046】しかも、上記トナー用樹脂組成物及びトナ
ーは、各重合体成分の酸価(カルボキシル基に起因する
酸価)が零もしくは比較的小さく、また、一般に、低分
子量のビニル系重合体成分のマトリックス相(海)と、
このマトリックス相の中に分散された高分子量のビニル
系重合体成分のドメイン粒子(島)とで形成された海島
構造(ドメイン構造)となり、これ等の低酸価とドメイ
ン構造とが相まって、上記の基本的な諸性能を低下させ
ることなく、高温高湿等の過酷な環境下で複写する場合
でも、帯電量の変化がなく、画像濃度が均一で充分に安
定した画像が得られる。
【0047】この理由は、次のように推察される。すな
わち、この発明者は、バインダー樹脂として低分子量と
高分子量のビニル系重合体を用いたトナー用樹脂組成物
及びトナーには、どうしても微量のビニル系単量体が含
まれており、特に、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体が画像の安定性を損ねていることをつきとめた。ま
た、高分子量のビニル系重合体成分の電気抵抗が画像に
大きく影響することが判った。
【0048】それゆえ、高分子量のビニル系重合体成分
である(メタ)アクリル酸エステル系重合体を上記のよ
うにドメイン粒子(島)とし、これを低分子量のビニル
系重合体成分であるスチレン系重合体のマトリックス相
(海)に埋封した海島構造(ドメイン構造)が形成さ
れ、(メタ)アクリル酸エステル系単量体による影響が
著しく小さくなり、しかも、酸価(カルボキシル基によ
る)が零もしくは比較的小さいので吸湿性が極めて少な
くなり、この両方の作用によりトナー用樹脂組成物及び
トナーの帯電量が安定化されるものと推察される。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 3リットルのセパラブルフラスコにトルエン900gを
入れ、さらにスチレン30重量%、メタクリル酸n−ブ
チル40重量%、メタクリル酸メチルチル30重量%の
共重合体(重量平均分子量40万、ガラス転移点20
℃、酸価0 mgKOH/g)400gを入れて溶解し
た。気相を窒素ガスで置換した後、この系をトルエンの
沸点まで加温した。トルエンの還流が起きた状態で攪拌
しながら、これにスチレン540gと、アクリル酸2−
エチルヘキシル60gと、重合開始剤としてt−ブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート30gとを溶解し
た混合液を、5時間かけて滴下し、溶液重合を行った。
【0050】滴下終了後、さらにトルエンが沸騰する温
度で攪拌しながら6時間熟成し、その後、この系を18
0℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でトルエンを除去
し、冷却して得られた樹脂を粉砕して、トナー用樹脂組
成物を得た。なお、別に、上記スチレン540gとアク
リル酸2−エチルヘキシル60gのみを、上記と同じ条
件で溶液重合して得られた共重合体は、分子量1万の位
置に分子量分布の極大を有し、ガラス転移点65℃、酸
価0 mgKOH/gであった。
【0051】上記トナー用樹脂組成物は、分子量1万と
30万の位置に分子量分布の極大があり、ガラス転移点
は25℃と60℃であり、160℃、周波数10rad
/secでの貯蔵弾性率(G')は30000Paであっ
た。
【0052】なお、分子量分布は、Waters社製の
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用
いて測定し、ガラス転移点はセイコー電子社製の示差走
査熱量計(DSC)を用いて測定し、貯蔵弾性率(G')
はRheometrics社製の粘弾性スペクトロメー
ターを用いて測定した。
【0053】また、トナー用樹脂組成物を透過電子顕微
鏡及び位相差電子顕微鏡で観察したところ、低分子量の
ビニル系重合体成分のマトリックス相(海)と、このマ
トリックス相の中に分散された高分子量のビニル系重合
体成分のドメイン粒子(島)とで形成されており、ドメ
イン粒子の大きさは1μm 以下であった。
【0054】このトナー用樹脂組成物100重量部と、
カーボンブラック(MA−100:三菱化成社製)5重
量部と、スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学社製)
1重量部と、ポリプロピレンワックス(ビスコール66
0P:三洋化成社製)3重量部とを、ロールミルで溶融
混練し、冷却後粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕
して平均粒度約13〜15μm のトナー粉末を得た。
【0055】このトナー粉末に、疎水性シリカ粉末(R
−972:日本アエロジル社製)0.3重量部を添加し
てトナーを作製した。このトナー10gを100mlの
サンプル瓶に採り、50℃の恒温槽中に16時間放置し
た後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝
集度を測定したところ、トナー粒子の凝集は認められな
かった。
【0056】また、このトナー4重量部と平均粒径約5
0〜80μm の鉄粉キャリアー96重量部とを均一に混
合して現像剤を作製し、この現像剤を用い、次のように
して、定着温度及びオフセット発生温度を測定した。
【0057】使用した電子写真複写機は、富士ゼロック
ス社製のVivace300を定着用の熱圧ローラーの
温度が変えられるように改造したものである。定着温度
は、電子写真複写機の定着用の熱圧ローラーの設定温度
を種々変えて複写を行い、この複写画像をタイプライタ
ー用砂消しゴムで摩擦したとき、複写画像の濃度が変化
する時の設定温度とした。このトナーの定着温度は15
0℃で充分に低かった。
【0058】オフセット発生温度は、電子写真複写機の
定着用の熱圧ローラーの設定温度を種々変えてオフセッ
トの発生する時の設定温度とした。なお、この試験はロ
ールの耐熱性を考慮して200℃で打ち切った。このト
ナーのオフセット発生温度は200℃以上で充分に高か
った。
【0059】また、高温高湿(温度35℃、湿度80%
RH)の部屋で、1万枚の画像複写ランニングテストを
行ったが、画像は均一で充分に濃度がでており、安定し
た画像が得られた。
【0060】実施例2 3リットルのセパラブルフラスコにキシレン1200g
を入れ、さらにアクリル酸n−ブチル35重量%、メタ
クリル酸メチル65重量%の共重合体(ゲル分率40重
量%、ガラス転移点30℃、酸価1 mgKOH/g)2
00gを入れ溶解した。気相を窒素ガスで置換した後、
この系をキシレンの沸点まで加温した。キシレンの還流
が起きた状態で攪拌しながら、これにスチレン640g
と、アクリル酸n−ブチル160gと、重合開始剤とし
てベンゾイルパーオキサイド15gとを溶解した混合液
を、5時間かけて滴下し、溶液重合を行った。
【0061】滴下終了後、さらにキシレンが沸騰する温
度で攪拌しながら10時間熟成し、その後、この系を1
80℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でキシレンを除
去し、冷却して得られた樹脂を粉砕して、トナー用樹脂
組成物を得た。なお、別に、上記スチレン640gとア
クリル酸n−ブチル160gのみを、上記と同じ条件で
溶液重合して得られた共重合体は、分子量2万の位置に
分子量分布の極大を有し、ガラス転移点60℃、酸価1
mgKOH/gであった。
【0062】上記トナー用樹脂組成物は、分子量2万と
150万の位置に分子量分布の極大があり、ガラス転移
点は35℃と55℃であり、160℃、周波数10ra
d/secでの貯蔵弾性率(G')は2000Paであっ
た。
【0063】また、トナー用樹脂組成物を顕微鏡で観察
したところ、低分子量のビニル系重合体成分のマトリッ
クス相(海)と、このマトリックス相の中に分散された
高分子量のビニル系重合体成分のドメイン粒子(島)と
で形成されており、ドメイン粒子の大きさは2μm であ
った。
【0064】このトナー用樹脂組成物を用いること以外
は、実施例1と同様に行った。この場合も、トナーの凝
集はなく、定着温度は150℃、オフセット発生温度は
200℃以上で良好であった。また、高温高湿(温度3
5℃、湿度80%RH)の部屋で、1万枚の画像複写ラ
ンニングテストを行ったが、画像は均一で充分に濃度が
でており、安定した画像が得られた。
【0065】実施例3 3リットルのセパラブルフラスコにキシレン1200g
を入れ、さらにアクリル酸n−ブチル35重量%、メタ
クリル酸メチル65重量%の共重合体(ゲル分率40重
量%、ガラス転移点30℃、酸化1 mgKOH/g)1
50gと、ポリスチレン(分子量6千の位置に分子量分
布の極大を有し、ガラス転移点30℃、酸化1 mgKO
H/g)350gとを入れ溶解した。気相を窒素ガスで
置換した後、この系をキシレンの沸点まで加温した。キ
シレンの還流が起きた状態で1時間攪拌し、その後、こ
の系を180℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でキシ
レンを除去し、冷却して得られた樹脂を粉砕して、トナ
ー用樹脂組成物を得た。
【0066】上記トナー用樹脂組成物は、分子量6千と
150万の位置に分子量分布の極大があり、ガラス転移
点は35℃と60℃にあり、160℃、周波数10ra
d/secでの貯蔵弾性率(G')は10000Paであ
った。
【0067】また、トナー用樹脂組成物を顕微鏡で観察
したところ、低分子量のビニル系重合体成分のマトリッ
クス相(海)と、このマトリックス相の中に分散された
高分子量のビニル系重合体成分のドメイン粒子(島)と
で形成されており、ドメイン粒子の大きさは約4μm で
あった。
【0068】このトナー用樹脂組成物を用いること以外
は、実施例1と同様に行った。この場合も、トナーの凝
集はなく、定着温度は150℃、オフセット発生温度は
200℃以上で良好であった。また、高温高湿(温度3
5℃、湿度80%RH)の部屋で、1万枚の画像複写ラ
ンニングテストを行ったが、画像は均一で充分に濃度が
でており、実施例2に比べると若干劣るものの、安定し
た画像が得られた。
【0069】比較例1 スチレン30重量%、メタクリル酸n−ブチル40重量
%、メタクリル酸メチルチル30重量%の共重合体(重
量平均分子量40万、ガラス転移点20℃、酸価0 mg
KOH/g)400gに替えて、スチレン55重量%、
メタクリル酸n−ブチル40重量%、メタクリル酸5重
量%の共重合体(重量平均分子量40万、ガラス転移点
25℃、酸価20 mgKOH/g)400gを用いたこ
と以外は、実施例1と同様に行った。
【0070】この場合、オフセット発生温度は200℃
以上であったが、定着温度は160℃で、トナーに若干
凝集が認められた。また、高温高湿(温度35℃、湿度
80%RH)の部屋で、画像複写ランニングテストを行
ったが、2千枚で充分に濃度がでなくなった。
【0071】比較例2 スチレン30重量%、メタクリル酸n−ブチル40重量
%、メタクリル酸メチルチル30重量%の共重合体(重
量平均分子量40万、ガラス転移点20℃、酸価0 mg
KOH/g)400gを用いなかったこと以外は、実施
例1と同様に行った。なお、得られたトナー用樹脂組成
物は、分子量1万の位置に分子量分布の極大があり、ガ
ラス転移点は65℃、160℃、周波数10rad/s
ecでの貯蔵弾性率(G')は10Pa以下であった。
【0072】この場合、トナーの凝集はなく、定着温度
は150℃であったが、オフセット発生温度は160℃
で低かった。なお、高温高湿(温度35℃、湿度80%
RH)の部屋で1万枚の画像複写ランニングテストを行
ったが、画像は均一で充分に濃度がでていた。
【0073】比較例3 スチレン30重量%、メタクリル酸n−ブチル40重量
%、メタクリル酸メチル30重量%の共重合体(重量平
均分子量40万、ガラス転移点20℃、酸価0mgKO
H/g)400gのみを用い、その後のスチレンとアク
リル酸2−エチルヘキシルとによる溶液重合は行わなか
ったこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0074】この場合、定着温度は150℃、オフセッ
ト発生温度は200℃以上で良好であったが、常温でト
ナーが凝集してしまい、高温高湿(温度35℃、湿度8
0%RH)の部屋での画像複写ランニングテストは行え
なかった。
【0075】比較例4 スチレン30重量%、メタクリル酸n−ブチル40重量
%、メタクリル酸メチル30重量%の共重合体(重量平
均分子量40万、ガラス転移点20℃、酸価0mgKO
H/g)400gに替えて、スチレン60重量%、メタ
クリル酸n−ブチル40重量%の共重合体(重量平均分
子量40万、ガラス転移点20℃、酸価0 mgKOH/
g)400gを用いたこと以外は、実施例1と同様に行
った。なお、得られたトナー用樹脂組成物は樹脂が完全
に相溶化して均一で、ガラス転移温度は40℃であっ
た。
【0076】この場合、定着温度は150℃、オフセッ
ト発生温度は200℃以上で良好であったが、トナーに
凝集が認められた。なお、高温高湿(温度35℃、湿度
80%RH)の部屋で1万枚の画像複写ランニングテス
トを行ったが、画像は均一で充分に濃度がでていた。
【0077】比較例5 アクリル酸n−ブチル35重量%、メタクリル酸メチル
65重量%の共重合体(ゲル分率40重量%、ガラス転
移点30℃、酸価1 mgKOH/g)200gに替え
て、上記と同じ組成でゲル分がなく、重量平均分子量8
万の共重合体200gを用いたこと以外は、実施例2と
同様に行った。なお、得られたトナー用樹脂組成物は、
分子量1万と6万の位置に分子量分布の極大があり、ガ
ラス転移点は35℃と50℃であるがドメイン構造はほ
とんど見られず、160℃、周波数10rad/sec
での貯蔵弾性率(G')は60Pa以下であった。
【0078】この場合、定着温度は150℃で良好であ
ったが、オフセット発生温度は170℃で悪く、トナー
に若干凝集が見られた。なお、高温高湿(温度35℃、
湿度80%RH)の部屋で1万枚の画像複写ランニング
テストを行ったが、画像は均一で充分に濃度がでてい
た。
【0079】比較例6 アクリル酸n−ブチル35重量%、メタクリル酸メチル
65重量%の共重合体(ゲル分率40重量%、ガラス転
移点30℃、酸価1 mgKOH/g)200gに替え
て、アクリル酸n−ブチル80重量%、メタクリル酸メ
チル20重量%の共重合体(ゲル分率40重量%、ガラ
ス転移点−30℃、酸価1 mgKOH/g)200gを
用いたこと以外は、実施例2と同様に行った。
【0080】この場合、定着温度は150℃、オフセッ
ト発生温度は200℃以上、トナーに極めて僅かに凝集
が見られただけであった。しかし、高温高湿(温度35
℃、湿度80%RH)の部屋で画像複写ランニングテス
トを行ったが、1千枚で画像は不均一となり、5千枚で
濃度が充分にでなくなった。
【0081】比較例7 分子量6千の位置に分子量分布の極大があるポリスチレ
ン350gに替えて、分子量1千の位置に分子量分布の
極大があるポリスチレン350gを用いたこと以外は、
実施例3と同様に行った。なお、得られたトナー用樹脂
組成物は樹脂が完全に相溶化して均一であった。
【0082】この場合、定着温度は150℃、オフセッ
ト発生温度は200℃以上であったが、トナーに凝集が
見られた。また、高温高湿(温度35℃、湿度80%R
H)の部屋で画像複写ランニングテストを行ったが、1
千枚までは画像は均一で充分に濃度がでていたが、それ
以降はトナーが凝集してしまいランニングテストができ
なかった。
【0083】比較例8 分子量6千の位置に分子量分布の極大があるポリスチレ
ン350gに替えて、分子量6万の位置に分子量分布の
極大があるポリスチレン350gを用いたこと以外は、
実施例3と同様に行った。
【0084】この場合、トナーに若干凝集が見られ、オ
フセット発生温度は200℃以上であったが、定着温度
は170℃で悪かった。また、高温高湿(温度35℃、
湿度80%RH)の部屋で画像複写ランニングテストを
行ったが、画像は充分に濃度がでていたが不均一であっ
た。
【0085】
【発明の効果】この発明のトナー用樹脂組成物及びトナ
ーは、上述のように構成されており、それにより、耐オ
フセット性、低温定着性及び耐ブロッキング性に優れ、
しかも高温高湿等の過酷な環境下で複写する場合でも、
充分に安定した画像が得られる。
【0086】したがって、この発明のトナー用樹脂組成
物及びトナーによれば、複写の高速化、省エネルギー、
メインテナンスフリー、画像の安定性、高画質化など、
近年高まっている要求に充分に対応することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量のビニル系重合体成分と高分子
    量のビニル系重合体成分とからなるトナー用樹脂組成物
    において、 上記低分子量のビニル系重合体成分は、スチレン系単量
    体を該低分子量のビニル系重合体成分の構成単位として
    70重量%以上含み、分子量2×103 〜4×104
    領域に分子量分布の極大を有し、ガラス転移点が50℃
    以上であるスチレン系重合体からなり、 上記高分子量のビニル系重合体成分は、(メタ)アクリ
    ル酸エステル系単量体を該高分子量のビニル系重合体成
    分の構成単位として60重量%以上含み、重量平均分子
    量が10万以上又はゲル分率が20重量%以上、ガラス
    転移点が0〜50℃である(メタ)アクリル酸エステル
    系重合体からなることを特徴とするトナー用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 トナー用樹脂組成物が、低分子量のビニ
    ル系重合体成分のマトリックス相と、このマトリックス
    相の中に分散された高分子量のビニル系重合体成分のド
    メイン粒子とで形成されていることを特徴とする請求項
    1記載のトナー用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のトナー用樹脂組成
    物を用いることを特徴とするトナー。
JP5327461A 1993-12-24 1993-12-24 トナー用樹脂組成物及びトナー Pending JPH07181730A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012012530A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Nippon Kinzoku Co Ltd 導電性塗料組成物、導電性塗料塗布液、および、導電性プレコートステンレス鋼

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JP2012012530A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Nippon Kinzoku Co Ltd 導電性塗料組成物、導電性塗料塗布液、および、導電性プレコートステンレス鋼

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