JPH07140701A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JPH07140701A
JPH07140701A JP5284750A JP28475093A JPH07140701A JP H07140701 A JPH07140701 A JP H07140701A JP 5284750 A JP5284750 A JP 5284750A JP 28475093 A JP28475093 A JP 28475093A JP H07140701 A JPH07140701 A JP H07140701A
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JP
Japan
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toner
resin composition
styrene
molecular weight
ether compound
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JP5284750A
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English (en)
Inventor
Takuo Suzuki
卓夫 鈴木
Takashi Kamiyama
隆司 上山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期にわたり複写する場合や高温高湿等の過
酷な環境下で複写する場合でも充分に安定した画像が得
られるトナー用樹脂組成物及びトナーを得る。 【構成】 スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体等のビニル系重合体を主成分とするバインダー樹脂
に、下記式〔I〕で表されるエーテル化合物を適量含有
させて目的のトナー用樹脂組成物を得る。また、このト
ナー用樹脂組成物を用いて常法により目的のトナーを得
る。 (上記式中、Rは炭素数1以上の炭化水素基で、例え
ば、1−エチルペンチル基、プロピル基、フェネチル基
等である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真等に使用す
るトナー用樹脂組成物及びトナーに関し、さらに詳しく
いえば、静電荷像を現像する方法において、乾式現像方
式に使用するトナー用樹脂組成物及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真等において、静電荷像を現像す
る方法として、乾式現像方式が多用されている。この乾
式現像方式では、バインダーとなるトナー用樹脂にカー
ボンブラック等の着色剤、その他の添加剤を含有させた
微粉末に、鉄粉やガラスビーズ等のキャリアーを混合し
た摩擦帯電性のトナー(現像剤)が用いられる。
【0003】複写物を得るには、通常、感光体上に静電
潜像を形成し、この静電潜像に摩擦帯電性のトナーを電
気的に付着させて現像し、ここで得られたトナー像を用
紙等のシート上に転写し、その後トナーに対して離型性
を有する熱圧ローラーで定着させて永久可視像とする。
【0004】この種のトナーには、摩擦帯電性を制御す
るために、通常、帯電制御剤が含有されている。帯電制
御剤としては、ニグロシン、スピロンブラック(保土ケ
谷化学社製)等の染料や、その他フタロシアニン系の顔
料が知られ、これ等が汎用されている(例えば、特公昭
41−20153号公報及び特開昭57−141452
号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の帯電制御剤
を含有するトナーは、短期での帯電制御能力や環境変動
による安定性は良好に維持している。しかし、複写機に
入れて長期にわたって複写する場合や高温高湿等の過酷
な環境下で複写する場合は、必ずしも充分に帯電量が安
定するものではなく、このような条件下では帯電量の変
化に伴い、画像の濃度が不安定となったり、画像にカブ
リが起き易くなるという問題がある。
【0006】また、近年、トナーには、高い画質の画像
や高い耐久性が要求されるようになってきており、上記
従来の帯電制御剤を含有するトナーでは充分に対応でき
なくなってきている。
【0007】この発明は、このような従来のトナーの有
する問題を解決するもので、その目的とするところは、
長期にわたって複写する場合や高温高湿等の過酷な環境
下で複写する場合でも、充分に安定した画像が得られる
トナー用樹脂組成物及びトナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明のトナー用樹脂
組成物は、ビニル系重合体を主成分とするバインダー樹
脂に、下記式〔I〕で表されるエーテル化合物が含有さ
れていることを特徴とする。また、この発明のトナー
は、上記トナー用樹脂組成物を用いることを特徴とす
る。それにより上記目的が達成される。
【化2】 (上記式中、Rは炭素数1以上の炭化水素基である。)
【0009】この発明に用いるビニル系重合体は、トナ
ー用のバインダー樹脂として、通常使用されているビニ
ル系重合体であれば全て使用できるが、特に、構成単位
として、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体とを含むビニル系重合体が好ましい。
【0010】スチレン系単量体の具体例としては、スチ
レンのほかに、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
【0011】また、(メタ)アクリル酸エステル単量体
の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル等の
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを挙げることが
できる。
【0012】その他、アクリル酸2−クロルエチル、ア
クリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、ビス
グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェートな
どを挙げることができる。
【0013】特に、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブ
チルが好適である。
【0014】なお、上記スチレン系単量体及び(メタ)
アクリル酸エステル単量体以外に、その他のビニル系単
量体を構成単位として含んでいてもよい。このような他
のビニル系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸などのア
クリル酸及びそのα−又はβ−アルキル誘導体、フマル
酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽
和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又はジエス
テル誘導体、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエ
ステル、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエス
テル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン等を挙げ
ることができる。
【0015】上記スチレン系単量体と(メタ)アクリル
酸エステル単量体とを構成単位として含むビニル系重合
体において、特に、スチレン系単量体成分の含有率が6
0〜95重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体の
含有率が5〜40重量%の範囲に設定されるのが好まし
い。スチレン系単量体成分の含有率が少なくなると、ト
ナーの耐ブロッキング性が低下する傾向があり、逆にス
チレン系単量体成分の含有率が多くなると、トナーの定
着性が低下する傾向がある。
【0016】上記スチレン系単量体と(メタ)アクリル
酸エステル単量体とを構成単位として含むビニル系重合
体は、低分子量の重合体成分と高分子量の重合体成分、
或いはゲル分(溶剤不溶分)を含むものが好ましい。特
に、上記低分子量の重合体成分は、分子量1×103
8×104 の領域に分子量分布の極大を有し、高分子量
の重合体成分は、分子量2×105 〜2×106 の領域
に分子量分布の極大を有するものが好ましい。
【0017】上記分子量分布は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ(GPC)によって測定される。この
分子量分布において、低分子量の重合体成分の極大での
分子量が上記の値よりも小さくなると、トナー粒子の凝
集性が悪化する傾向があり、逆に上記の値よりも大きく
なると、定着性が悪化する傾向がある。また、高分子量
の重合体成分の極大での分子量が、上記の値よりも小さ
くなると耐オフセット性が悪化する傾向があり、逆に上
記の値よりも大きくなると定着性が悪化する傾向があ
る。
【0018】また、上記スチレン系単量体及び(メタ)
アクリル酸エステル単量体を構成単位として含むビニル
系重合体は、トナー粒子の凝集性の点からガラス転移点
が50℃以上であることが好ましい。このガラス転移点
は、示差走査熱量計(DSC)によって測定される。
【0019】この発明に用いる上記ビニル系重合体は、
懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合のいずれかの
慣用の重合方法により得ることができる。
【0020】この発明においては、上記ビニル系重合体
を主成分とするバインダー樹脂に、前記式〔I〕で表さ
れるエーテル化合物が含有されるが、このエーテル化合
物は、t−ブチル基と炭化水素基Rとを有するエーテル
化合物で、Rは炭素数1以上の炭化水素基であれば、脂
肪族系、芳香族系のいずれの炭化水素基であってもよ
い。このRは、例えば、1−エチルペンチル基、2−エ
チルヘキシル基、プロピル基、フェネチル(phene
tyl)基などが好適である。
【0021】これ等のエーテル化合物は、その含有量が
少なすぎると殆ど効果がなく、逆にその含有量が多すぎ
るとトナーとしての基本性能が低下したり、定着時に臭
いが発生したりすることがあるので、上記ビニル系重合
体を主成分とするバインダー樹脂に、0.0001〜3
重量%の範囲で含有されるのが好ましく、0.001〜
0.8重量%の範囲で含有されるのがさらに好ましい。
【0022】この発明のトナー用樹脂組成物を製造する
には、例えば、上記ビニル系重合体に、上記エーテル化
合物を配合し、これをロールミル、ニーダー、押出機な
どを用いて混練するか、或いは上記ビニル系重合体と上
記エーテル化合物を適当な溶剤に溶解して混合した後溶
剤を除去することにより、バインダー樹脂中にエーテル
化合物を均一に分散させる方法が採用される。その他、
バインダー樹脂とエーテル化合物とを、リボンブレンダ
ー、ヘンセルミキサーなどを用いて単に混合し均一に分
散させてもよい。なお、この場合、予め、上記エーテル
化合物とともに、着色剤、帯電制御剤、その他の従来慣
用のトナー用添加剤を配合しておいてもよい。
【0023】また、この発明のトナーを製造するには、
例えば、上記の方法で得られたトナー用樹脂組成物に、
着色剤、帯電制御剤、その他の従来慣用のトナー用添加
剤を配合し、これをロールミル、ニーダー、押出機など
を用いて混練した後、冷却して微粉砕する方法が採用さ
れる。上記トナー用樹脂組成物に、予め、着色剤、帯電
制御剤等のトナー用添加剤が配合されている場合は、こ
れ等のトナー用添加剤は不要である。
【0024】上記着色剤としては、カーボンブラック、
クロームイエロー、アニリンブルー等のこの種のトナー
に慣用されている顔料或いは染料が使用される。また、
帯電制御剤としては、ニグロシン、スピロンブラック
(保土ケ谷化学社製)等の染料、その他フタロシアニン
系の顔料からなる慣用の帯電制御剤が使用される。ま
た、複写機の定着ローラーに対して剥離作用のあるポリ
プロピレンワックス、低分子ポリエチレン、その他脂肪
族アミド、ビス脂肪族アミド、金属石鹸、パラフィン等
が配合されてもよい。
【0025】また、トナー粒子の流動性を上げるため
に、疎水性シリカ等を後添加してもよい。また、磁性ト
ナーとするために、マグネタイト、フェライト、ヘマタ
イト等の鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガンなど
の強磁性を示す合金又は化合物からなる磁性粉を配合す
ることができる。
【0026】なお、トナー用樹脂組成物及びトナーに
は、必要に応じて、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等
のビニル系重合体以外の公知のバインダー樹脂を少量配
合することができる。
【0027】
【作用】ビニル系重合体を主成分とするバインダー樹脂
に、前記式〔I〕で表されるエーテル化合物を適量含有
させたトナー用樹脂組成物を用いて得られるトナーを使
用すると、このエーテル化合物の作用により、長期にわ
たって複写する場合や高温高湿の過酷な環境下で複写す
る場合でも画像の安定性が得られる。
【0028】この理由は明らかでないが、この発明者
は、ビニル系重合体を主成分とするバインダー樹脂を用
いたトナーには、どうしても微量のビニル系単量体が含
まれており、これが画像の安定性を損ねていることをつ
きとめた。特に、(メタ)アクリル酸エステルの影響が
大きい。それゆえ、ビニル系重合体中の微量のビニル系
単量体が、前記式〔I〕で表されるエーテル化合物に何
らかの形で捕捉されるか、或いは影響を与え、そのた
め、画像の安定性が得られるものと推察される。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 5リットルのセパラブルフラスコにトルエンを2リット
ル入れ、気相をチッソガスで置換した後、この系をトル
エンの沸点まで加温した。トルエンの還流が起きた状態
で攪拌しながら、これにスチレン800gと、アクリル
酸n−ブチル200gと、重合開始剤としてアゾビスイ
ソブチロニトリル15gとを溶解した混合液を、2.5
時間かけて滴下し、溶液重合を行った。滴下終了後、さ
らにトルエンが沸騰する温度で攪拌しながら6時間熟成
し、分子量3万の領域に分子量分布の極大を有するスチ
レン−アクリル酸n−ブチル共重合体の溶液を得た。
【0030】引き続き、上記共重合体の溶液が入ってい
るセパラブルフラスコに、スチレン60重量部とメタク
リル酸n−ブチル40重量部とを重合して得られ、分子
量60万の領域に分子量分布の極大を有する別のスチレ
ン−アクリル酸n−ブチル共重合体400gと、下記式
〔II〕で表されるエーテル化合物0.2gとを入れ、
トルエンの還流が起きた状態で攪拌しながら3時間混合
した。その後、系の温度を180℃まで徐々に上げなが
ら、減圧下でトルエンを除去して、ガラス転移点65℃
のトナー用樹脂組成物を作製した。
【0031】
【化3】
【0032】このトナー用樹脂組成物100重量部と、
カーボンブラック(MA−100:三菱化成社製)5重
量部と、スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学社製)
1重量部と、ポリプロピレンワックス(ビスコール66
0P:三洋化成社製)3重量部とを、ロールミルで溶融
混練し、冷却後粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕
して平均粒度約12〜15μm のトナー粉末を得た。
【0033】このトナー粉末に、疎水性シリカ粉末(R
−972:日本アエロジル社製)0.3重量部を添加し
てトナーを作製した。このトナー10gを100mlの
サンプル瓶に採り、50℃の恒温槽中に16時間放置し
た後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝
集度を測定したところ、凝集は認められなかった。
【0034】また、このトナー4重量部と平均粒径約5
0〜80μm の鉄粉キャリアー96重量部とを均一に混
合して現像剤を作製し、この現像剤を用い電子写真複写
機(三田社製DC−3555Mの改造機)により、次の
ようにして複写物を得た。
【0035】25℃、相対湿度50%の部屋でランニン
グテストを行い、20万枚画像を出しても画像は均一で
濃度も充分にでていた。さらに、40℃、相対湿度85
%の部屋でランニングテストを行い、10万枚画像を出
しても画像は均一で濃度も充分にでており、長期にわた
って複写する場合や高温高湿の過酷な環境下で複写する
場合でも、充分に安定した画像が得られた。
【0036】なお、得られた画像のいずれにも、オフセ
ット(画像の汚れ)は見られず、また画像は指で擦って
も充分に定着していた。
【0037】実施例2 5リットルのセパラブルフラスコにキシレンを2リット
ル入れ、気相をチッソガスで置換した後、この系をトル
エンの沸点まで加温した。トルエンの還流が起きた状態
で攪拌しながら、これにスチレン800g、アクリル酸
2−エチルヘキシル170g、ジビニルベンゼン10g
及び重合開始剤として2,2' −アゾビス−(2−メチ
ルブチロニトリル)30gを溶解した混合液を、4時間
かけて滴下し、溶液重合を行った。滴下終了後、さらに
キシレンが沸騰する温度で攪拌しながら6時間熟成し、
スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−ジビニルベ
ンゼン共重合体の溶液を得た。
【0038】引き続き、上記共重合体の溶液が入ってい
るセパラブルフラスコに、下記式〔III〕で表される
エーテル化合物52gを入れ、キシレンの還流が起きた
状態で攪拌しながら3時間混合した。その後、系の温度
を180℃まで徐々に上げながら、減圧下でキシレンを
除去して、分子量2万の領域に分子量分布の極大を有
し、ゲル分率20重量%、ガラス転移点65℃のトナー
用樹脂組成物を作製した。
【0039】
【化4】
【0040】このトナー用樹脂組成物を用いること以外
は、実施例1と同様に行った。この場合も、実施例1と
同様に長期にわたって複写する場合や高温高湿の過酷な
環境下で複写する場合でも、充分に安定した画像が得ら
れた。また、トナーには凝集が認められず、また、オフ
セットも見られず、定着性も良好であった。
【0041】実施例3 5リットルのセパラブルフラスコに部分鹸化ポリビニル
アルコール0.8gを入れ、蒸留水1200mlに溶か
し、これにスチレン300g、アクリル酸n−ブチル8
0g、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.
4gを懸濁分散させ、気相を窒素ガスで置換した後、こ
の系を80℃に昇温し80℃で24時間かけて懸濁重合
を行った。
【0042】その後、40℃まで冷却し、これにスチレ
ン700g、アクリル酸n−ブチル180g、重合開始
剤としてベンゾイルパーオキサイド30gの混合液を分
散させ、40℃で3時間攪拌し、その後、系の温度を8
0℃まで徐々に上げ、さらに80℃で8時間重合し、系
の温度を95℃まで上げ95℃で3時間保持し重合を完
結させた。その後、冷却、脱水、洗浄、乾燥して、分子
量2万と30万の領域に分子量分布の極大を有し、ガラ
ス転移点55℃のスチレン−アクリル酸n−ブチル共重
合体を得た。
【0043】この共重合体100重量部と、カーボンブ
ラック(MA−100:三菱化成社製)5重量部と、ス
ピロンブラックTRH1重量部と、ポリプロピレンワッ
クス(ビスコール660P:三洋化成社製)3重量部
と、下記式〔IV〕で表されるエーテル化合物0.05
重量部とを、ロールミルで溶融混練し、冷却後粗粉砕
し、さらにジェットミルで微粉砕して平均粒度約12〜
15μm のトナー粉末を得た。
【0044】
【化5】
【0045】このトナー粉末を用いること以外は、実施
例1と同様に行った。この場合も、実施例1と同様に長
期にわたって複写する場合や高温高湿の過酷な環境下で
複写する場合でも、充分に安定した画像が得られた。ま
た、トナーには凝集が認められず、また、オフセットも
見られず、定着性も良好であった。
【0046】比較例1 エーテル化合物を全く配合しないこと以外は、実施例1
と同様に行った。この場合、25℃、相対湿度50%の
部屋でのランニングテストにおいて、7万枚で画像濃度
が不均一になり、10万枚で画像濃度が薄くなった。さ
らに、40℃、相対湿度85%の部屋でのランニングテ
ストにおいて、5万枚で画像濃度が不均一になった。
【0047】比較例2 エーテル化合物を全く配合しないこと以外は、実施例2
と同様に行った。この場合、25℃、相対湿度50%の
部屋でのランニングテストにおいて、8万枚で画像濃度
が薄くなった。さらに、40℃、相対湿度85%の部屋
でのランニングテストにおいて、4万枚で画像濃度が薄
くなった。
【0048】比較例3 エーテル化合物を全く配合しないこと以外は、実施例3
と同様に行った。この場合、25℃、相対湿度50%の
部屋でのランニングテストにおいて、6万枚で画像濃度
が薄くなった。さらに、40℃、相対湿度85%の部屋
でのランニングテストにおいて、4万枚で画像濃度が薄
くなった。
【0049】
【発明の効果】上述の通り、この発明のトナー用樹脂組
成物は、ビニル系重合体を主成分とするバインダー樹脂
に、前記式〔I〕で表されるエーテル化合が含有されて
おり、このようなトナー用樹脂組成物を用いて得られる
この発明のトナーによれば、長期にわたって複写する場
合や高温高湿等の過酷な環境下でも、安定した画像を得
ることができ、耐久性が優れている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系重合体を主成分とするバインダ
    ー樹脂に、下記式〔I〕で表されるエーテル化合物が含
    有されていることを特徴とするトナー用樹脂組成物。 【化1】 (上記式中、Rは炭素数1以上の炭化水素基である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトナー用樹脂組成物を用
    いることを特徴とするトナー。
JP5284750A 1993-11-15 1993-11-15 トナー用樹脂組成物及びトナー Pending JPH07140701A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7112393B2 (en) 2003-07-29 2006-09-26 Canon Kabushiki Kaisha Non-magnetic toner

Cited By (2)

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US7112393B2 (en) 2003-07-29 2006-09-26 Canon Kabushiki Kaisha Non-magnetic toner
JP2009157396A (ja) * 2003-07-29 2009-07-16 Canon Inc 非磁性トナー

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