JP3436981B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP3436981B2
JP3436981B2 JP19822694A JP19822694A JP3436981B2 JP 3436981 B2 JP3436981 B2 JP 3436981B2 JP 19822694 A JP19822694 A JP 19822694A JP 19822694 A JP19822694 A JP 19822694A JP 3436981 B2 JP3436981 B2 JP 3436981B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、電子写真等に使用する
トナーの製造方法に関するものであり、詳細には静電画
像を現像する方式のうちのいわゆる乾式現像方式に使用
するトナーに関するものである。 【0002】 【従来の技術】摩擦帯電性を制御するため、現像剤用ト
ナーに、染料、顔料等の帯電制御剤を添加することが行
なわれている。この帯電制御剤は、トナーに正荷電や負
荷電を付与するものであり、例えば、特公昭41−20
153号、特公昭44−6397号、特開昭53−12
7726号、特開昭57−141452号などにこのよ
うな帯電制御剤が開示されている。 【0003】このような公報に開示された化合物は、ト
ナーの帯電制御剤としての性能に関しては十分である
が、高画質化、高耐久化、及び環境変動による安定性に
関しては、必ずしも満足できるものではなかった。 【0004】近年、複写分野においては、パーソナル化
が進み、特に高耐久化に対する要求が高まってきてい
る。帯電制御剤は、短期間における帯電制御能力や環境
安定性に関しては優れているが、長期間複写機を使用し
た場合や、過酷な環境下においては必ずしも十分に帯電
量を安定させるものではなかった。したがって、このよ
うな条件下では帯電制御剤を用いても、帯電量の変化を
生じ、画像が不安定になるという問題があった。 【0005】また、これらを解決する目的で特開平5−
313412号公報にはテトラメチルサクシノニトリル
をトナーに含有させる技術が開示されているが、テトラ
メチルサクシノニトリルは昇華性が高いため、複写機内
の電子部品に付着し、回路を侵したり、環境汚染の原因
になるなどの欠点があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような従来の問題点を解消し、長期間複写機を使用した
場合や過酷な環境下においても、安定した画像を得るこ
とができ、かつ複写機や環境の汚染を生じさせ難いトナ
ーの製造方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】また、本発明のトナーの
製造方法は、過酸化物系開始剤により重合したビニル系
共重合体を主成分とするトナー用樹脂組成物及び着色剤
を含むトナーの製造方法であって、前記ビニル系共重合
体からなるトナー用樹脂を重合した後、該トナー用樹脂
に対しジエチルジメチルサクシノニトリルを添加して
トナーに対し0.0001〜重量%のジエチルジメ
チルサクシノニトリルを含有させたことを特徴とする。 【0008】 【0009】本発明において、ジエチルジメチルサクシ
ノニトリルの含有量が少なすぎると、長期間複写機を使
用した場合や苛酷な環境の下で複写機を使用した場合に
おいても、安定した画像を得ることを可能とするという
本発明の効果が得られなくなり、逆にジエチルジメチル
サクシノニトリルの含有量が多すぎる場合には、トナー
としての基本性能が低下したり、定着に際して臭いが発
生したりする。従って、ジエチルジメチルサクシノニト
リルの含有量は、トナー用樹脂組成物に対しては、好
しくは、0.001〜1.0重量%の範囲とされ、トナ
ーに対しては、0.0001〜3重量%、好ましくは、
0.001〜0.8重量%の範囲とされる。 【0010】ジエチルジメチルサクシノニトリルは、ト
ナーに均一に分散され含有されていることが好ましい。
また、更に好ましくは、トナー用樹脂組成物にあらかじ
めジエチルジメチルサクシノニトリルが分散される。こ
の場合、トナー用樹脂組成物と着色剤を混練してトナー
としたときに、トナーに対し0.0001〜3重量%と
なるようにジエチルジメチルサクシノニトリルをトナー
用樹脂組成物に含有させる。 【0011】本発明において用いるトナー用樹脂組成物
は、ビニル系共重合体を主成分としている。ビニル系共
重合体としては、構成単位として、スチレン系単量体及
び/または(メタ)アクリル酸エステル単量体を含むも
のが好ましい。また、これらの単量体以外にもその他の
ビニル系単量体を構成単位として含んでいてもよい。 【0012】スチレン系単量体の具体例としては、スチ
レンの他にo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−ter−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン、3,4ジクロルスチレ
ンなどを挙げることができる。 【0013】上記(メタ)アクリル酸エステル単量体の
具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸2|エチルヘキシル、アクリル
酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリルなどの
アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルの
他、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸グリシジル、ビスグリシジルメタク
リレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
メタクリロキシエチルホスフェートなどを挙げることが
でき、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどが
特に好ましく用いられる。 【0014】その他のビニル系単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン
酸などのアクリル酸及びそのα−あるいはβ−アルキル
誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘
導体及びジエステル誘導体、コハク酸モノアクリロイル
オキシエチルエステル、コハク酸モノメタクリロイルオ
キシエチルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミドなどを挙げることができる。 【0015】本発明におけるビニル系共重合体は、トナ
ー用樹脂として通常に使用されるものであれば限定され
るものではないが、低分子量の重合体成分と高分子量の
重合体成分またはゲル分を含むことが好ましい。また低
分子量の重合体成分の分子量分布の極大値は1×103
〜8×104 であることが好ましく、高分子量の重合体
成分の分子量分布の極大値は2×105 〜2×106
あることが好ましい。これらの分子量分布の極大値は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よって測定することができる。 【0016】また、本発明におけるビニル系共重合体
は、凝集性の点から、ガラス転移点が50℃以上である
ことが好ましい。上記ビニル系共重合体の調整方法につ
いては特に限定されるわけではないが、懸濁重合、乳化
重合、溶液重合、塊重合などの適宜の重合方法を採用す
ることができる。 【0017】本発明におけるトナー用樹脂組成物の主成
分となるビニル系共重合体は、過酸化物系開始剤により
重合したビニル系共重合体であり、このようなビニル系
共重合体に対しジエチルジメチルサクシノニトリルの含
有が特に効果を発揮する。 【0018】ビニル系共重合体を重合するための過酸化
物系開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトア
セテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサ
イド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、n−ブチル4,4,−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)バレラート等のパーオキシケタール類;t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
P−メタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオ
キサイド類;ジーt−ブチルパーオキサイド、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の
ジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイ
ド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキ
サイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド
類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネイト、ジ−n
−プロピルパーオキシジカーボネイト、ジメトキシイソ
プロピルパーオキシジカーボネイト、ジアリルパーオキ
シジカーボネイト等のパーオキシジカーボネート類;t
−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーオキシピバレ
イト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クミルパー
オキシオクトエート等のパーオキシエステル類などが挙
げられる。 【0019】その他過酸化物系開始剤としては、アセチ
ルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジーt−
ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート等があ
る。本発明におけるトナー用樹脂組成物及びトナーに対
しては、本発明の目的及び効果を達成し得る範囲内で、
酢酸ビニル、塩化ビニル、及びエチレン等をビニル系共
重合体に共重合させることができる。また、これらのモ
ノマーの重合体やその他の重合体をビニル系共重合体に
ブレンドしてもよい。また、ポリエステル樹脂やエポキ
シ樹脂が混合されてもよい。更に、脂肪族アミド、ビス
脂肪族アミド、金属石鹸及びパラフィン等が混合されて
もよい。 【0020】更に、本発明の目的及び効果を達成し得る
範囲内であれば、帯電制御剤としてニグロシン、スピロ
ンブラック(保土ヶ谷化学社製)等の染料や、その他の
フタロシニアン系の顔料を添加することができる。ま
た、着色剤としては、カーボンブラック、クロームイエ
ロー及びアニリンブルー等を用いることができる。ま
た、離型剤として低分子ポリエチレン、ポリプロピレン
ワックス等を添加したり、流動性を上げるために疎水性
シリカ等を添加してもよい。 【0021】更に、磁性トナーとして用いるために磁性
微粒子10〜80重量%を含有させてもよい。 【0022】 【作用】本発明の製造方法は、過酸化物系開始剤により
重合したビニル系共重合体を主成分とするトナー用樹脂
組成物と着色剤とを含むトナーを対象としている。この
ような過酸化物系以外の開始剤も種々使用されることが
あるが、トナーに対し十分な帯電性能を与えることがで
きない等の理由から、一般には過酸化物系開始剤を用い
たビニル系共重合体をトナー用の樹脂として用いてい
る。このようにビニル系共重合体の重合開始剤として
は、過酸化物系開始剤が頻繁に使用されているが、過酸
化物系開始剤により重合したビニル系共重合体を用いる
と、長期間複写機を使用した場合や過酷な環境下におい
て、画像が不安定になるという問題があった。本発明者
らは、この原因について種々検討した結果、その主な要
因が過酸化物系開始剤の残渣であることを見出した。な
かでも、ベンゾイルパーオキサイドの分解生成物である
安息香酸の影響が大きいことを見出した。 【0023】本発明者らは、これら過酸化物系開始剤の
残渣を取り除く方法を種々検討した結果、必ずしもビニ
ル系共重合体からこれらの残渣を完全に取り除かなくと
もよく、ジエチルジメチルサクシノニトリルを微量添加
することにより長期間複写機を使用した場合や過酷な環
境下においても、画像を安定にすることができることを
見出した。このように、ジエチルジメチルサクシノチト
リルが過酸化物系開始剤の残渣に対し有効であるのは、
ジエチルジメチルサクシノトリルが過酸化物系開始剤の
残渣をトラップし、過酸化物系開始剤の残査が画像の安
定性に対し悪影響を与えるのを抑制する働きがあるため
と考えられる。 【0024】 【実施例の説明】実施例1 5リットルのセパラブルフラスコにトルエン2リットル
を入れ、気相を窒素ガスにて置換した後、この系をトル
エンの沸点まで加温した。 【0025】トルエンの還流が起きた状態で、攪拌しな
がら、スチレン800g、アクリル酸n−ブチル200
g及び重合開始剤としてのt−ブチルパーオキシ2−エ
チルヘキサノエート30gを溶解した混合物を、2.5
時間かけて滴下しながら、溶液重合をおこなった。滴下
終了後、更にトルエンの沸騰する温度で攪拌しながら、
6時間熟成し、分子量分布の極大値が2万である樹脂を
得た。 【0026】スチレン60重量部とメタクリル酸n−ブ
チルエステル40重量部を重合して得た分子量分布の極
大値が60万である樹脂400gとジエチルジメチルサ
クシノニトリル0.2gを、極大値が2万の樹脂が入っ
たセパラブルフラスコに投入し、トルエンの還流が起き
た状態で3時間攪拌しながら混合した。 【0027】その後、系の温度を180℃まで徐々に上
げながら、減圧下にトルエンを脱溶剤してガラス転移点
63℃の樹脂Aを得た。樹脂A100重量部と、カーボ
ンブラック(三菱化成社製、商品名:MA−100)5
重量部と、スピロンブラックTRH1重量部と、PPワ
ックス(三洋化成社製:ビスコール660P)3重量部
をメルトブレンドし、冷却後粗粉砕し、さらにジェット
ミルで微粉砕して約12〜15ミクロンの平均粒度を有
するトナー粉末を作製した。 【0028】このトナー粉末に、疎水性シリカ粉末(日
本アエロジル社製、商品名:R−972)0.3重量部
を添加してトナーを作製した。このトナーにおいてジエ
チルジメチルサクシノニトリルは、0.013重量%含
有されている。 【0029】このトナー10gを100mlのサンプル
ビンに取り、50℃の恒温槽中に16時間放置した後、
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝集度を
測定したところ、凝集性は認められなかった。 【0030】このトナー4重量部を約50〜80ミクロ
ンの平均粒径を有する鉄粉キャリアー96重量部と混合
して現像剤を作り、この現像剤を用いて複写物を得た。
得られた画像にオフセットは見られず、画像は指で擦っ
ても十分定着していた。なおこの複写に使用した電子写
真複写機は三田社製のDC−5055を改造したもので
ある。 【0031】また、25℃、湿度50%の部屋で、ラン
ニングテストを行なったところ、20万枚画像を出して
も画像は均一で十分濃度も保たれていた。さらに、40
℃、湿度85%の部屋で、同様のテストを10万枚行な
ったところ、画像は均一で十分な濃度が保たれていた。
さらに、50万枚の長期ランニングテストを行ったが、
電子部品への付着や環境汚染はみられなかった。 【0032】実施例2 5リットルのセパラブルフラスコにキシレン2リットル
を入れ、気相を窒素ガスにて置換した後、この系をキシ
レンの沸点まで加温した。 【0033】キシレンの還流が起きた状態で、攪拌しな
がら、スチレン830g、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル170g、ジビニルベンゼン10g、ベンゾイルパー
オキサイド30gを溶解した混合物を4時間かけて滴下
しながら、溶液重合を行なった。滴下終了後、さらにキ
シレンの沸騰する温度にて攪拌しながら6時間熟成し、
その後ジエチルジメチルサクシノニトル5gを投入し、
キシレンの還流が起きた状態で3時間攪拌しながら混合
した。 【0034】その後、系の温度を180℃まで徐々に上
げながら、減圧下にキシレンを脱溶剤してガラス転移点
65℃、分子量分布の極大値が2万であり、ゲル分が2
0%の樹脂Bを得た。 【0035】以上のようにして得られた樹脂B100重
量部と、カーボンブラック(三菱化成社製、商品名;M
A−100)5重量部と、スピロンブラックTRH1重
量部と、PPワックス(三洋化成社製、商品名:ビスコ
ール660P)3重量部をメルトブレンドし、冷却後粗
粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕して約12〜15
ミクロンの平均粒度を有するトナー粉末を作製した。こ
のトナー粉末に、疎水性シリカ粉末(日本アエロジル社
製、商品名:R−972)0.3重量部を添加してトナ
ーを作製した。このトナーにおいて、ジエチルジメチル
サクシノニトリルは0.45重量%含有されている。 【0036】このトナー10gを100mlのサンプル
ビンに取り、50℃の恒温槽中に16時間放置した後、
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝集度を
測定したところ、凝集性は認められなかった。 【0037】また、実施例1と同様にして現像剤を作製
し、複写機で試験したところ、得られた画像にオフセッ
トは見られず、画像は指で擦っても十分定着していた。
また、25℃、湿度50%のランニングテストでも、4
0℃、湿度85%のランニングテストでも、画像は均一
で十分に濃度も保たれていた。 【0038】さらに、50万枚の長期ランニングテスト
を行ったが、電子部品への付着や環境汚染はみられなっ
た。 【0039】実施例3 5リットルのセパラブルフラスコにポリビニルアルコー
ルの部分けん化物0.8gを入れ、蒸留水1200ml
に溶かし、その中にスチレン300g、アクリル酸n−
ブチル80g、及びベンゾイルパーオキサイド0.4g
を懸濁分散させ、気相を窒素ガスにて置換した後、この
系を80℃に昇温し24時間80℃に保ち重合した。そ
の後40℃まで冷却し、その中にスチレン700g、ア
クリル酸n−ブチル180g及びベンゾイルパーオキサ
イド30gの混合物を分散させ、3時間40℃で攪拌
し、その系の温度を80℃まで徐々に上げた。さらに8
時間80℃を保ち重合した後、系の温度を95℃まで上
げ、3時間保ち重合を完結させた。その後冷却、脱水、
洗浄、乾燥して、分子量分布の極大値が2万と30万の
樹脂Cを得た。この樹脂Cのガラス転移点は55℃であ
った。 【0040】以上のようにして得られた樹脂C100重
量部と、カーボンブラック(三菱化成社製、商品名:M
A−100)5重量部と、スピロンブラックTRH1重
量部と、PPワックス(三洋化成社製、商品名:ビスコ
ール660P)3重量部と、ジエチルジメチルサクシノ
ニトル0.05重量部とをメルトブレンドし、冷却後粗
粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕して約12〜15
ミクロンの平均粒度を有するトナー粉末を作製した。こ
のトナー粉末に、疎水性シリカ粉末(日本アエロジル社
製、商品名:R−972)0.3重量部を添加してトナ
ーを作製した。このトナーにおいて、ジエチルジメチル
サクシノニトリルは0.045重量%含有されている。 【0041】このトナー10gを100mlのサンプル
ビンに取り、50℃の恒温槽中に16時間放置した後、
バウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝集度を
測定したところ、凝集性は認められなかった。 【0042】また、実施例1と同様にして現像剤を作製
し、複写試験したところ、得られた画像にオフセットは
認められず、画像は指で擦っても十分定着していた。ま
た25度、湿度50%のランニングテストでも、40
℃、湿度85%のランニングテストでも、画像は均一で
十分濃度も保たれていた。 【0043】さらに、50万枚の長期ランニングテスト
を行ったが、電子部品への付着や環境汚染はみられなか
った。 【0044】比較例1 実施例1においてジエチルジメチルサクシノニトリルを
用いないことを除き、実施例1と同様して現像剤を作製
し、試験をおこなった。この結果、凝集性及びオフセッ
トは認められず、画像は指で擦っても十分定着してい
た。しかしながら、25℃、湿度50%の部屋でのラン
ニングテストを行なったところ5万枚で画像が不均一に
なり10万枚で画像濃度が薄くなった。さらに、40
℃、湿度85%の部屋で同様のテストを行なったとこ
ろ、4万枚で画像が不均一になった。 【0045】比較例2 実施例2においてジエチルジメチルサクシノニトリルを
用いないことを除き、実施例2と同様にして現像剤を作
製し試験をおこなった。この結果、凝集性及びオフセッ
トは認められず、画像は指で擦っても十分定着してい
た。しかしながら、25℃、湿度50%の部屋でのラン
ニングテストを行なったところ、7万枚で画像濃度が薄
くなった。さらに、40℃、湿度85%の部屋で同様の
テストを行なったところ、5万枚で画像濃度が薄くなっ
た。 【0046】比較例3 実施例2においてジエチルジメチルサクノシニトリルを
用いずに作製した樹脂100重量部をトルエン400重
量部に溶かし、1N塩酸水溶液400重量部とよく混合
した後分液し、水溶液を取り除いた。同様に1N水酸化
ナトリウム水溶液とよく混合した後分液し、水溶液を取
り除いた。さらに、蒸留水400重量部で3回洗浄し開
始剤残査を取り除いた。その後さらにトルエンを取り除
き、樹脂を得た。この樹脂を用いて、実施例2と同様に
して現像剤を作製し試験を行なった。この結果、凝集性
及びオフセットは認められず、画像は指で擦っても十分
定着していた。しかしながら、25℃、湿度50%の部
屋でのランニングテストを行なったところ、10万枚で
画像濃度が薄くなった。さらに40℃、湿度85%の部
屋で同様のテストを行なったところ、8万枚で画像濃度
が薄くなった。 【0047】比較例4 実施例3においてジエチルジメチルサクシノニトリルを
用いないことを除き、実施例3と同様にして現像剤を作
製し試験をおこなった。この結果、凝集性及びオフセッ
トは認められず、画像は指で擦っても十分定着してい
た。しかしながら、25℃、湿度50%の部屋でのラン
ニングテストを行なったところ、6万枚で画像濃度が薄
くなった。さらに40℃、湿度85%の部屋で同様のテ
ストを行なったところ、4万枚で画像濃度が薄くなっ
た。 【0048】比較例5 実施例3においてジエチルジメチルサクシノニトリル
0.05重量部の代わりに5重量部を用いることを除
き、実施例3と同様にして現像剤を作製し試験をおこな
った。得られたトナーにおいて、ジエチルジメチルサク
シノニトリルは、4.4重量%含有されている。この結
果、オフセットは認められず、画像は指で擦っても十分
定着していた。しかしながら、凝集性が認められ、25
℃、湿度50%の部屋でランニングテストを行なったと
ころ、初期から画像が不均一であった。さらに40℃、
湿度85%の部屋で同様のテストを行なったところ、や
はり初期から画像が不均一であった。 【0049】比較例6 実施例2においてジエチルジメチルサクシノニトリルの
代わりにテトラメチルサクシノニトリルを用いることを
除いて同様に現像剤を作製し、試験を行った。得られた
トナーにおいて、テトラメチルサクシノニトリルは、
0.45重量%含有されている。この結果、オフセット
は認められず、画像は指で擦っても十分定着していた。
また、トナーの凝集性も認められず、25℃,湿度50
%のランニングテストにおいても、40℃,湿度85%
のテストにおいても画像は均一であり、濃度も十分であ
った。 【0050】しかしながら、50万枚の長期ランニング
テストを行ったところ、電子部品への付着がみられ、複
写機内に臭いが溜まっていた。 【0051】 【発明の効果】本発明のトナーの製造方法は上述の通り
の構成を有しており、過酸化物系開始剤により重合した
ビニル系共重合体からなるトナー用樹脂を重合した後、
該トナー用樹脂に対しジエチルジメチルサクシノニトリ
ルを添加して、該トナーに対してジエチルジメチルサク
シノニトリルが、0.0001〜3重量%含有されてい
るので、長期間複写機を使用した場合や苛酷な環境下で
も、安定した画像を得ることが可能となる。しかも、複
写機や環境の汚染も生じ難い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 過酸化物系開始剤により重合したビニル
    系共重合体を主成分とするトナー用樹脂組成物及び着色
    剤を含むトナーの製造方法であって、 前記ビニル系共重合体からなるトナー用樹脂を重合した
    後、該トナー用樹脂に対しジエチルジメチルサクシノニ
    トリルを添加して前記トナーに対し0.0001〜
    量%のジエチルジメチルサクシノニトリルを含有させた
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
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