JPH05297629A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH05297629A
JPH05297629A JP4127984A JP12798492A JPH05297629A JP H05297629 A JPH05297629 A JP H05297629A JP 4127984 A JP4127984 A JP 4127984A JP 12798492 A JP12798492 A JP 12798492A JP H05297629 A JPH05297629 A JP H05297629A
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Tsutomu Konuma
努 小沼
Hiroaki Kawakami
宏明 川上
Masaji Fujiwara
雅次 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定着性、耐オフセット性及び耐ブロッキング
性に優れ、長期間放置しても現像性が劣化せず、複写機
またはプリンターのごとき機械本体の昇温に対する耐久
性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。 【構成】 少なくとも結着樹脂及び炭化水素系ワックス
を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーの
GPCによる分子量分布で、3×103 〜5×104
領域に少なくともひとつのピーク(P1 )が存在し、1
5 以上の領域に少なくともひとつのピーク(P2 )が
存在し、105 以下の成分が50%以上であり、かつ示
差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇
温時の吸熱ピークにおけるオンセット温度が105℃以
下であり、吸熱ピーク温度が100〜120℃の範囲に
あり、降温時の発熱ピーク温度が62〜75℃の範囲に
あり、発熱ピーク強度比が5×10-3以上であることを
特徴とする静電荷像現像用トナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、磁気記録法に用いられる熱定着に適した、静電荷像
現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法が知られているが、一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、
必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、
加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより定着し
複写物を得るものであり、そして感光体上に転写せず残
ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工
程が繰り返される。
【0003】近年このような複写装置は、単なる一般に
いうオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機
というだけでなく、コンピュータの出力としてのプリン
ターあるいは個人向けのパーソナルコピーという分野で
使われ始めた。
【0004】そのため、より小型、より軽量そしてより
高速、より高信頼性が厳しく追及されてきており、機械
は種々な点でよりシンプルな要素で構成されるようにな
ってきている。その結果、トナーに要求される性能はよ
り高度になり、トナーの性能向上が達成できなければよ
りすぐれた機械が成り立たなくなってきている。
【0005】例えばトナー像を紙などのシートに定着す
る工程に関して種々の方法や装置が開発されている。例
えば、熱ローラーによる圧着加熱方式や、フィルムを介
して加熱体に加圧部材により密着させる加熱定着方法が
ある。
【0006】加熱ローラーやフィルムを介した加熱方式
はトナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱
ローラー或いはフィルムの表面に被定着シートのトナー
像面を接触させながら通過せしめることにより定着を行
なうものである。この方法は熱ローラーやフィルムの表
面と被定着シートのトナー像とが接触するため、トナー
像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好
であり、迅速に定着を行うことができ、電子写真複写機
において非常に有効である。しかしながら上記方法で
は、熱ローラーやフィルム表面とトナー像とが溶融状態
で接触するためにトナー像の一部が定着ローラーやフィ
ルム表面に付着、転移し、次の被定着シートにこれが再
転移して所謂オフセット現象を生じ、被定着シートを汚
すことがある。熱定着ローラーやフィルム表面に対して
トナーが付着しないようにすることが加熱定着方式の必
須条件の1つとされている。
【0007】従来、定着ローラー表面にトナーを付着さ
せない目的で、例えばローラー表面をトナーに対して離
型性の優れた材料、シリコンゴムや弗素系樹脂などで形
成し、さらにその表面にオフセット防止及びローラー表
面の疲労を防止するためにシリコンオイルの如き離型性
の良い液体の薄膜でローラー表面を被覆することが行わ
れている。しかしながら、この方法はトナーのオフセッ
トを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防
止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置
が複雑になること等の問題点を有している。
【0008】これは小型化、軽量化と逆方向であり、し
かもシリコーンオイルなどが熱により蒸発し、機内を汚
染する場合がある。そこでシリコーンオイルの供給装置
などを用いないで、かわりにトナー中から加熱時にオフ
セット防止液体を供給しようという考えから、トナー中
に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなど
の離型剤を添加する方法が提案されている。充分な効果
を出すために多量にこのような添加剤を加えると、感光
体へのフィルミングやキャリアやスリーブなどのトナー
担持体の表面を汚染し、画像が劣化し実用上問題とな
る。そこで画像を劣化させない程度に少量の離型剤をト
ナー中に添加し、若干の離型性オイルの供給もしくはオ
フセットしたトナーを巻きとり式の例えばウェブの如き
部材を用いた装置でクリーニングする装置を併用するこ
とが行われている。
【0009】しかし最近の小型化、軽量化、高信頼性の
要求を考慮するとこれらの補助的な装置すら除去するこ
とが必要であり好ましい。従ってトナーの定着、オフセ
ットなどのさらなる性能向上がなければ対応しきれず、
それはトナーのバインダー樹脂、離型剤等のさらなる改
良がなければ実現することが困難である。
【0010】トナー中に離型剤としてワックスを含有さ
せることは公知である。例えば、特開昭52−3304
号公報、特開昭52−3305号公報、特開昭57−5
2574号公報等の技術が開示されている。
【0011】また、特開平3−50559号公報、特開
平2−79860号公報、特開平1−109359号公
報、特開昭62−14166号公報、特開昭61−27
3554号公報、61−94062号公報、特開昭61
−138259号公報、特開昭60−252361号公
報、特開昭60−252360号公報、特開昭60−2
17366号公報などにワックス類を含有させる技術が
開示されている。
【0012】ワックス類は、トナーの低温時や高温時の
耐オフセット性の向上や、低温時の定着性の向上のため
に用いられている。しかしながら、これらの性能を向上
させる反面、耐ブロッキング性を悪化させたり、複写機
等の昇温などによって熱にさらされると現像性が悪化し
たり、また長期放置時にワックスがブルーミングして現
像性が悪化したりする。
【0013】従来のトナーでは、これらの面のすべてを
満足するものは無く、何らかの問題点が生じていた。例
えば、高温オフセットや現像性は優れているが低温定着
性が今一歩であったり、低温オフセットや低温定着性に
は優れているが、耐ブロッキング性にやや劣り、機内昇
温で現像性が低下するなどの弊害があったり、低温時と
高温時の耐オフセット性が両立できなかったりしてい
た。
【0014】また、低分子量ポリプロピレン(例えば、
三洋化成工業(株)製のビスコール550P、660
P、等)を含有するトナーが市販されているが、さらに
耐オフセット性の向上及び定着性の向上したトナーが待
望されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題点を解決した静電荷像現像用トナーを提供
することにある。
【0016】すなわち、本発明の目的は、低温時の定着
性、耐オフセット性に優れた静電荷像現像用トナーを提
供することにある。
【0017】また、本発明の目的は、高温時の耐オフセ
ット性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することに
ある。
【0018】更に、本発明の目的は、耐ブロッキング性
に優れ、長期間放置しても現像性が劣化しない静電荷像
現像用トナーを提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、機械本体の昇温に対
する耐久性に優れた静電荷像現像用トナーを提供するこ
とにある。
【0020】本発明の主たる目的は、上記の目的を矛盾
することなく合い成り立たせる静電荷像現像用トナーを
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも結着樹脂及び炭化水素系ワックスを含有する静電
荷像現像用トナーにおいて、該トナーのGPCによる分
子量分布で、3×103 〜5×104 の領域に少なくと
もひとつのピーク(P1 )が存在し、105 以上の領域
に少なくともひとつのピーク(P2 )が存在し、105
以下の成分が50%以上であり、かつ示差走査熱量計に
より測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピー
クにおけるオンセット温度が105℃以下であり、吸熱
ピーク温度が100〜120℃の範囲にあり、降温時の
発熱ピーク温度が62〜75℃の範囲にあり、発熱ピー
ク強度比が5×10-3以上であることを特徴とする静電
荷像現像用トナーに関する。
【0022】更に、本発明は、少なくとも結着樹脂及び
炭化水素系ワックスを含有する静電荷像現像用トナーに
おいて、該トナーのGPCによる分子量分布で、3×
103 〜5×104 の領域に少なくともひとつのピーク
(P1 )が存在し、105 以上の領域に少なくともひと
つのピーク(P2 )が存在し、105 以下の成分が50
%以上であり、該炭化水素系ワックスの示差走査熱量
計により測定されるDSC曲線において、該ワックスの
昇温時の吸熱ピークにおけるオンセット温度が50〜9
0℃の範囲にあり、温度が90〜120℃の領域に少な
くともひとつの吸熱ピークがあり、該吸熱ピークのピー
ク温度の±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあ
ることを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0023】更に、上記トナーのGPCによる分子量分
布で、3×103 〜5×104 の領域に少なくともひと
つのピーク(P1 )が存在し、105 以上の領域に少な
くともひとつのピーク(P2 )が存在し、低分子量領域
側の最大ピークの高さ(H1)と高分子量領域側の最大
ピークの高さ(H3)と該両ピーク間の極小値の高さ
(H2)とがH1:H2:H3=3〜25:1:1.5
〜12であり、かつH1>H3である関係を満たすこと
が好ましい。
【0024】更に本発明に関し詳しく説明する。
【0025】分子量5×104 以下の樹脂成分は、主に
定着性、ブロッキング性を支配する成分であり、分子量
105 以上の成分は、主に高温オフセット性を支配する
成分である。そしてこれらの成分を適度に配合させるこ
とによって、定着性、耐オフセット性のバランスをとる
ことができる。
【0026】本発明は、トナーのGPCによる分子量分
布において、3×103 〜5×104 の領域、好ましく
は3×103 〜3×104 の領域、特に好ましくは5×
103 〜2×104 の領域に少なくともひとつのピーク
(P1 )が存在することを特徴とし、良好な定着性を得
ることができる。3×103 未満では、良好な耐ブロッ
キング性が得られず、5×104 を超える場合には良好
な定着性が得られない。また105 以上の領域、好まし
くは3×105 〜5×106 の領域に少なくともひとつ
のピーク(P2 )が存在することを特徴とし、3×10
5 〜2×106の領域に、105 以上の領域での最大ピ
ークがあることが特に好ましく、良好な耐高温オフセッ
ト性が得られる。このピーク分子量は、大きいほど高温
オフセットには強くなるが、5×106 以上の領域ピー
クが存在する場合には、圧力のかけることのできる熱ロ
ールでは問題ないが、圧力のかけられない時には、弾性
が大きくなり定着性に影響を及ぼすようになる。従っ
て、中低速機で用いられる比較的圧力の低い加熱定着に
おいては、3×105 〜2×106 領域にピークが存在
し、これが105 以上の領域での最大ピークであること
が好ましい。
【0027】また、105 以下の領域の成分が50%以
上であることを特徴とし、60〜90%であることが好
ましく、65〜85%であることが特に好ましい。この
範囲内にあることで、良好な定着性を示すと共に、本発
明のワックス成分の効果を十分に発揮させ良好な定着性
と耐オフセット性が得られる。50%未満では、十分な
定着性が得られないだけでなく粉砕性も劣るようにな
る。また90%を超えるような場合には、高温オフセッ
トに対して弱くなる傾向にある。
【0028】更に、トナーのGPCによる分子量分布に
おいて、低分子量領域側の最大ピークの高さ(H1)と
高分子量領域側の最大ピークの高さ(H3)と該両ピー
ク間の極小値の高さ(H2)とがH1:H2:H3=3
〜25:1:1.5〜12、好ましくはH1:H2:H
3=5〜20:1:2〜10、特に好ましくはH1:H
2:H3=8〜18:1:2〜6である関係を満たすこ
とを特徴とし、これによって良好な定着性と耐オフセッ
ト性を得ることができる。H1が3未満あるいはH3が
12を超える場合、あるいはH1≦H3の場合には、良
好な定着性は得られず、H1が25を超えるあるいはH
3が1.5未満の場合には、良好な耐ブロッキング性、
耐オフセット性が得られない。(図15参照)本発明に
おいてトナーのGPC(ジェルパーメイションクロマト
グラフィ)によるクロマトグラムの分子量分布は次の条
件で測定される。
【0029】すなわち、40℃のヒートチャンバ中でカ
ラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒と
してTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定
する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分
子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により
作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算
出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分
子量が102 〜107 程度のものを用い、少なくとも1
0点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なおカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラム
を複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製
のshodex GPC KF−801,802,80
3,804,805,806,807,800Pの組み
合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(H
XL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),
G4000H(HXL),G5000H(HXL),G60
00H(HXL),G7000H(HXL),TSKgua
rdcolumnの組み合わせを挙げることができる。
【0030】また試料は以下のようにして作製する。
【0031】試料をTHF中に入れ、数時間放置した後
十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなく
なるまで)、更に12時間以上静置する。このときTH
F中への放置時間が24時間以上となるようにする。そ
の後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45〜
0.5μm,たとえば、マイショリディスクH−25−
5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン
サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過
させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、
樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整す
る。
【0032】また、本発明は、トナーの示差走査熱量計
により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピ
ークの立ち上がりが80℃以上であることが好ましく、
耐ブロッキング性に優れている。80℃未満であるもの
は、比較的低温からトナーが長時間レンジでの塑性変化
をしはじめ、保存性に劣ったり、昇温に対して現像性の
劣化を生じやすい。更に、吸熱ピークのオンセット温度
が105℃以下(好ましくは、90〜102℃の範囲)
であることを特徴とし、これにより、低温定着性に優れ
ている。105℃を超える場合には、短時間レンジでの
塑性変化の温度が高くなり、耐低温オフセットや定着性
が劣るようになる。
【0033】また、吸熱ピーク温度が100〜120℃
(好ましくは、102〜115℃)の範囲にあることを
特徴とし、これにより、良好な定着性と、耐高温オフセ
ット性が得られる。100℃未満では、高温にならない
うちに結着樹脂中にワックス成分が溶解してしまい、高
温時に十分な耐オフセット性を得ることが困難である。
120℃を超える場合には、十分な定着性が得られにく
い。
【0034】すなわち、熱定着に用いられるトナー用結
着樹脂は、およそ100℃付近から定着可能な粘弾性領
域に入るので、この温度領域でワックス成分が融解する
ことは、樹脂への可塑効果を増大し、定着性を向上さ
せ、更に離型効果を十分に発揮することができ耐オフセ
ット性を向上させることができる。したがって、定着ロ
ーラやフィルムに巻きつく事もなく、分離爪に頼る事も
ないので爪跡などもつきにくく、加圧ローラを汚す事も
なく、加圧ローラヘの巻きつきも発生しない。条件が満
たされていれば、他の領域にもピークが存在しても構わ
ない。
【0035】降温時には、トナーの常温下での状態や冷
却時の状態の変化を見ることができ、ワックス成分の転
移、凝固、結晶化に伴う発熱ピークが観測される。本発
明は、発熱ピーク温度が62〜75℃(好ましくは65
〜72℃)の範囲内にあることを特徴とし、これによ
り、良好な定着性と耐ブロッキング性を示す。一方、7
5℃を超える場合には、ワックスの溶融状態にある温度
範囲が狭くなり定着性に劣るようになる。62℃未満の
場合には、ブロッキング、融着などを生じやすく、ま
た、結着樹脂へ可塑効果が低温時まで持続し、排紙部で
画像部に爪跡がついたり排紙トレイ上で転写材の接着が
生じることがある。
【0036】また、発熱ピーク強度比が5×10-3以上
(好ましくは10×10-3以上であり、特に好ましくは
15×10-3以上)であることを特徴とする。ピーク強
度比が大きい方が、ワックス成分が高密度であったり、
結晶化度が高く硬度が硬くなり、ブロッキングも生じに
くく摩擦帯電性に優れている。また5×10-3未満の場
合には、耐ブロッキング性が悪化したり、現像性に影響
が出たりし、特に昇温時の現像性の劣化が見られるよう
になり、特にピーク温度が低くなった時に現われやす
い。また、感光体上への融着も発生しやすくなる。これ
らの条件が満たされていれば、75℃以上の他の領域に
もピークが存在しても構わない。
【0037】本発明におけるDSC測定では、トナーの
熱のやり取りを測定しその挙動を観測するので、測定原
理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で
測定する必要がある。例えば、パーキンエルマー社製の
DSC−7が利用できる。
【0038】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで
降温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
各温度の定義は次のように定める。 吸熱ピーク(プラスの方向を吸熱とする) ピークの立ち上がり温度(LP):ベースラインより明
らかにピーク曲線が離れたと認められる温度。すなわ
ち、ピーク曲線の微分値が正で、微分値の増加が大きく
なりはじめる温度あるいは微分値が負から正になる温度
をいう。(図1及び図3乃至図6に具体的な例を示
す。) ピークの温度(PP):ピークトップの温度(120℃
以下の領域での最大のピーク。) ピークのオンセット温度(OP):上記PPに帰属しう
るピーク曲線の微分値が最大となる点において曲線の接
線を引き接線とベースラインとの交点の温度(図1に具
体的な例を示す。) 発熱ピーク(マイナスの方向を発熱とする) 発熱ピークの温度:ピークトップの温度 発熱ピーク強度比:上記のピークのピークトップ前後の
曲線の微分値が極大及び極小となる点においてそれぞれ
曲線の接線を引き各接線とベースライン交点の温度差を
ΔTとし、単位重量あたりのベースラインからピークト
ップまでの高さをΔH(測定されたピークの高さを測定
試料の重量で割った値mW/mg)とした時のΔH/Δ
T(図2及び図7乃至図10にΔH、ΔTの具体的な例
を示す)。すなわち、この値が大きいということは、ピ
ークがシャープであることを示している。
【0039】本発明に用いられる炭化水素系ワックス
は、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下
でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリ
マー、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得ら
れるアルキレンポリマー、一酸化炭素、水素からなる合
成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分
を水素添加して得られる合成炭化水素などから、特定の
成分を抽出分別した炭化水素ワックスが用いられる。プ
レス発汗法、溶剤法、真空蒸留を利用した分別結晶方式
により炭化水素ワックスの分別が行われる。すなわちこ
れらの方法で、低分子量分を除去したもの、低分子量分
を抽出したものや、更にこれらから低分子量分を除去し
たものなどである。
【0040】母体としての炭化水素は、金属酸化物系触
媒(多くは2種以上の多元系)を使用した、一酸化炭素
と水素の反応によって合成されるもの、例えばジントー
ル法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいは
ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒
床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭
化水素(最終的には、水素添加し目的物とする)や、エ
チレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合し
た炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長鎖直鎖
状炭化水素であるので好ましい。特に、アルキレンの重
合によらない方法により合成された炭化水素ワックスが
その構造や分別しやすい分子量分布であることから好ま
しいものである。また、分子量分布で好ましい範囲は、
数平均分子量が550〜1200,好ましくは600〜
1000、重量平均分子量が800〜3600,好まし
くは900〜3000、重量平均分子量/数平均分子量
が3以下、好ましくは2.5以下,特に好ましくは、
2.0以下である。また、分子量700〜2400(好
ましくは分子量750〜2000、特に好ましくは分子
量800〜1600)の領域にピークが存在することで
ある。このような分子量分布を持たせることにより、ト
ナーに好ましい熱特性を持たせることができる。すなわ
ち、上記範囲より分子量が小さくなると熱的影響を過度
に受けやすく、耐ブロッキング性、現像性に劣るように
なり、上記範囲より分子量が大きくなると、外部からの
熱を効果的に利用できず、優れた定着性、耐オフセット
性を得ることができない。
【0041】その他の物性としては、25℃での密度が
0.95(g/cm3 )以上、針入度が1.5(10-1
mm)以下、好ましくは1.0(10-1mm)以下であ
る。これらの範囲をはずれると、低温時に変化しやすく
保存性、現像性に劣りやすくなってくる。
【0042】また、140℃における溶融粘度が、10
0cP以下、好ましくは50cP以下、特に好ましくは
20cP以下である。溶融粘度が100cPを超えるよ
うになると、可塑性、離型性に劣るようになり、優れた
定着性、耐オフセット性に影響を及ぼすようになる。ま
た、軟化点が130℃以下であることが好ましく、特に
好ましくは120℃以下である。軟化点が130℃を超
えると、離型性が特に有効に働く温度が高くなり、優れ
た耐オフセット性に影響を及ぼすようになる。
【0043】更に酸価が2.0mgKOH/g未満、好
ましくは1.0mgKOH/g未満である。この範囲を
超えると、トナーを構成する成分の1つである結着樹脂
との界面接着力が大きく、溶融時の相分離が不充分にな
りやすく、そのため良好な離型性が得られにくく、高温
時の耐オフセット性が良好でなく、また、トナーの摩擦
帯電特性に悪影響を与え、現像性、耐久性に問題が出る
ことがある。
【0044】これら炭化水素系ワックスの含有量は、結
着樹脂100重量部に対し20重量部以内で用いられ、
0.5〜10重量部で用いるのが効果的である。
【0045】本発明において炭化水素系ワックスの分子
量分布はジェルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により次の条件で測定される。
【0046】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0047】本発明におけるワックス類の針入度は、J
IS K−2207に準拠し測定される値である。具体
的には、直径約1mmで頂角9゜の円錐形先端を持つ針
を一定荷重で貫入させた時の貫入深さを0.1mmの単
位で表した数値である。本発明中での試験条件は試料温
度が25℃、加重100g、貫入時間5秒である。
【0048】また、溶融粘度は、ブルックフィールド型
粘度計を用いて測定される値であり、条件は、測定温度
140℃、ずり速度1.32rpm、試料10mlであ
る。
【0049】酸価は、試料1g中に含まれる酸基を中和
するために必要な水酸化カリウムのmg数である。(J
IS K5902に準ずる)、密度は25℃でJIS
K6760、軟化点はJIS K2207に準じて測定
される値である。
【0050】また、本発明は、前述の如く、次のような
炭化水素系ワックスを含有することによっても達成さ
れ、該炭化水素系ワックスの、示差走査熱量計により測
定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピークで、
ピークのオンセット温度が50〜90℃の範囲内にあ
り、90〜120℃の範囲内に少なくともひとつの吸熱
ピークが存在し、該吸熱ピークのピーク温度±9℃の範
囲内に降温時の最大発熱ピークが存在することを特徴と
する。
【0051】昇温時には、ワックスに熱を与えた時の変
化を見ることができワックスの転移、融解に伴う吸熱ピ
ークが観測される。ピークのオンセット温度が50〜9
0℃の範囲内にあることにより現像性、耐ブロッキング
性、低温定着性を満足することができる。ピークのオン
セット温度が、50℃未満の場合は、ワックスの変化温
度が低過ぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、現像性に劣
るトナーになり、90℃を超える場合には、ワックスの
変化温度が高過ぎ、十分な定着性が得られなくなる。9
0〜120℃の範囲内に、好ましくは95〜120℃の
範囲に、特に好ましくは97〜115℃の範囲内に、吸
熱ピークが存在することにより、良好な定着性、耐オフ
セット性を満足できる。90℃未満のみにピーク温度が
存在する場合には、ワックスの融解温度が低過ぎ、十分
な耐高温オフセット性が得られず、120℃を超える領
域のみにピーク温度が存在する場合には、ワックスの融
解温度が高過ぎ十分な耐低温オフセット性、低温定着性
が得られない。すなわちこの領域に、ピーク温度が存在
することで、耐オフセット性と定着性のバランスを取り
やすくなる。ここで、90℃未満のピークが最大のピー
クとなると、この領域のみにピークがある場合と同様な
挙動を示すので、この領域のピークが存在しても良い
が、その場合は、90〜120℃の領域のピークより小
さい必要がある。
【0052】降温時には、ワックスの冷却時の変化や常
温時の状態を見ることができ、ワックスの凝固、結晶
化、転移に伴う発熱ピークが観測される。降温時の発熱
ピークで、最大の発熱ピークは、ワックスの凝固、結晶
化に伴う発熱ピークである。この発熱ピーク温度と近い
温度に昇温時の融解に伴う吸熱ピークが存在すること
は、ワックスの構造、分子量分布などワックスがより均
質であることを示しており、その差が9℃以内であるこ
とが良く、好ましくは、7℃以内であり、特に好ましく
は、5℃以内である。すなわちこの差を小さくすること
で、ワックスをシャープメルトつまり、低温時には硬
く、融解時の溶融が早く、溶融粘度の低下が大きく起こ
ることで、現像性、耐ブロッキング性、定着性、耐オフ
セット性をバランス良くなり立たせることができる。最
大発熱ピークは温度85〜115℃(好ましくは90〜
110℃)の領域にあることが良い。
【0053】ワックスのDSC測定は、前述のトナーの
場合に準じ、各温度の定義は次のように定める。 吸熱ピーク: ピークのオンセット温度:昇温時の曲線の微分値が最初
に極大となる点における曲線の接線とベースラインとの
交点の温度。したがって、トナーの場合のオンセット温
度と定義が異なる。 発熱ピーク: ピークの温度:最大のピークのピークトップの温度 これら炭化水素系ワックスの含有量は、結着樹脂100
重量部に対し20重量部以内で用いられ、0.5〜10
重量部で用いるのが効果的であり、他のワックス類と併
用しても構わない。
【0054】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、下記の結着樹脂の使用が可能である。
【0055】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが
使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共
重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0056】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのよう
な二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換
体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン
酸メチル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を
有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエ
ステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなど
のようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチル
ケトン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケト
ン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエ
ーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用
いられる。
【0057】なお、スチレン系重合体またはスチレン系
共重合体は架橋されていてもよく、また混合樹脂でもか
まわない。
【0058】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンな
どのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブタジオールジメタクリレートなどの
ような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビ
ニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および3
個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合
物として用いられる。
【0059】本発明における結着樹脂は通常の重合法に
より製造することができる。
【0060】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることも
できるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。
溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利
用して、又開始剤量や反応温度を調節することで低分子
量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、本発明
で用いる樹脂組成物の中で低分子量体を得る時には好ま
しい。
【0061】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマ
ー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好ま
しい。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0062】反応温度としては、使用する溶媒、開始
剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃〜23
0℃で行うのが良い。溶液重合に於いては溶媒100重
量部に対してモノマー30重量部〜400重量部で行う
のが好ましい。
【0063】更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を
混合することも好ましく、数種の重合体をよく混合でき
る。
【0064】また、高分子量体やジェル成分を得る重合
法としては、乳化重合法や懸濁重合法が好ましい。
【0065】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
なう方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行なわれる相(重合体と単量体からなる油
相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、そ
の結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。
さらに、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重
合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造におい
て、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容
易であること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の
製造方法として他の方法に比較して有利である。
【0066】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要であるので懸濁重合が簡便な方法である。
【0067】懸濁重合においては、水系溶媒100重量
部に対して、モノマー100重量部以下(好ましくは1
0〜90重量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤と
しては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、水系溶
媒に対するモノマー量等で適当量があるが、一般に水系
溶媒100重量部に対して0.05〜1重量部で用いら
れる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用す
る開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべき
である。又開始剤種類としては、水に不溶或は難溶のも
のであれば用いることが可能である。
【0068】開始剤としては、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレート、t
−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−
ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3
−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブ
チルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,
4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキ
シカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチ
ルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリア
ジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン、
等が挙げられ、これらが単独あるいは併用して使用でき
る。
【0069】その使用量はモノマー100重量部に対し
て、0.05重量部以上(好ましくは0.1〜15重量
部)の濃度で用いられる。
【0070】本発明のトナーは、荷電制御剤を含有して
も良い。
【0071】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0072】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボ
ン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシ
カルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金
属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノ
ール誘導体類などがある。
【0073】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0074】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性
物。トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金
属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサ
イド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガ
ノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチル
スズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジ
オルガノスズボレート類;これらを単独で或いは2種類
以上組合せて用いることができる。これらの中でも、ニ
グロシン系、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン
レーキ顔料の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられ
る。
【0075】本発明のトナーに於いては、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上の為、シリカ微粉末を添加
することが好ましい。
【0076】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g
以上(特に50〜400m2 /g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ
微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量
部使用するのが良い。
【0077】又、本発明に用いられるシリカ微粉末は、
必要に応じ、疎水化、帯電性コントロール、などの目的
でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリ
コーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカッ
プリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、そ
の他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、あるいは種々の
処理剤で併用して処理されていることも好ましい。
【0078】他の添加剤としては、例えばテフロン粉
末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリ弗化ビニリデン粉末の
如き滑剤粉末、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。
あるいは酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸
ストロンチウム粉末等の研磨剤、中でもチタン酸ストロ
ンチウムが好ましい。あるいは例えば酸化チタン粉末、
酸化アルミニウム粉末等の流動性付与剤、中でも特に疎
水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、あるいは例
えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチ
モン粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤、また逆極性
の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量
用いることもできる。
【0079】さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤
として用いる場合には、キャリア粉と混合して用いられ
る。この場合には、トナーとキャリア粉との混合比はト
ナー濃度として0.1〜50重量%、好ましくは0.5
〜10重量%、更に好ましくは3〜10重量%が好まし
い。
【0080】本発明に使用しうるキャリアとしては、公
知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト
粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ
等及びこれらの表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂ある
いはシリコーン系樹脂等で処理したものなどが挙げられ
る。
【0081】さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含
有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性
材料は着色剤の役割をかねることもできる。本発明にお
いて、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグ
ネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コ
バルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のア
ルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、
亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウ
ム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングス
テン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等
が挙げられる。
【0082】これらの強磁性体は平均粒子が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重
量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂
成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0083】また、10Kエルステッド印加での磁気特
性が抗磁力比(Hc)20〜300エルステッド、飽和
磁化(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σ
r)2〜20emu/gのものが好ましい。
【0084】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。トナーの
着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、
アリニンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダン
スレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を
維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量
部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10
重量部の添加量が良い。また同様の目的で、更に染料が
用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染
料、キサンテン系染料、メチン系染料等があり樹脂10
0重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.
3〜10重量部の添加量が良い。
【0085】本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製
するには結着樹脂、ワックス、金属塩ないしは金属錯
体、着色剤としての顔料、又は染料、磁性体、必要に応
じて荷電制御剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキ
サー、ボールミル等の混合機により充分混合してから加
熱ロール、ニーダー、エクストル−ダーの如き熱混練機
を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に
金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せし
め、冷却固化後粉砕及び分級を行って本発明に係るとこ
ろのトナーを得ることが出来る。
【0086】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る
静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0087】本発明のトナーは、接触加熱定着手段によ
り、普通紙またはオーバヘッドプロジェクター(OH
P)用透明シートのごとき転写材へ加熱定着される。
【0088】接触加熱定着手段としては、例えば図16
に示すように、固定支持された加熱体1と、該加熱体に
対向圧接し、かつフィルム2を介して転写材6を該加熱
体に密着させる加圧部材5とにより、トナー7を加熱定
着する定着手段が挙げられる。
【0089】
【実施例】以下具体的実施例によって、本発明を説明す
る。
【0090】最初に、本発明に用いられる炭化水素系ワ
ックスについて述べる。
【0091】アーゲ法により合成された炭化水素系ワッ
クスF(比較例)とし、これからワックスA(本発
明)、ワックスB(本発明)及びワックスC(本発明)
を分別結晶化により得た。アーゲ法により合成された炭
化水素を酸化処理し、ワックスG(比較例)を得た。
【0092】チーグラー触媒を用いて、エチレンを低圧
重合し、比較的低分子量のワックスH(比較例)を得、
分別結晶化により低分子量成分をある程度除去したワッ
クスD(本発明)を得た。同様の重合によるワックスH
よりは高分子量のワックスI(比較例)を得、分別結晶
化により低分子量成分を抽出してワックスE(本発明)
を得た。これらのワックスの物性を表1,表2及び表3
に記す。
【0093】次に結着樹脂について説明する。 ・合成例1 スチレン 80重量部 ブチルアクリレート 20重量部 2,2−ビス(4,4−ジ−t− 0.2重量部 ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 上記化合物より、懸濁重合法により重合体Aを得た。
【0094】 スチレン 82重量部 ブチルアクリレート 18重量部 ジ−t−ブチルパーオキサイド 2.0重量部 上記化合物より、キシレンを溶媒とした溶液重合法によ
り重合体Bを得、重合体Aと重合体Bを30:70の重
量比で溶液混合して結着樹脂1を得た。 ・合成例2 スチレン 80重量部 ブチルアクリレート 20重量部 ベンゾイルパーオキサイド 0.25重量部 ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 上記化合物より、懸濁重合法により重合体Cを得た。
【0095】 スチレン 83重量部 ブチルアクリレート 17重量部 ジ−t−ブチルパーオキサイド 2.5重量部 上記化合物より、キシレンを溶媒とした溶液重合法によ
り重合体Dを得、重合体Cと重合体Dを25:75の重
量比で溶液混合して結着樹脂2を得た。 ・合成例3 スチレン 80重量部 ブチルアクリレート 20重量部 ベンゾイルパーオキサイド 0.2重量部 上記化合物より、懸濁重合法により重合体Eを得た。
【0096】 スチレン 82重量部 ブチルアクリレート 18重量部 ジ−t−ブチルパーオキサイド 3.0重量部 上記化合物より、キシレンを溶媒とした溶液重合法によ
り重合体Fを得、重合体Eと重合体Fを40:60の重
量比で溶液混合して結着樹脂3を得た。 ・合成例4 スチレン 80重量部 ブチルアクリレート 20重量部 ベンゾイルパーオキサイド 0.3重量部 上記化合物より、キシレンを溶媒とした溶液重合法によ
り結着樹脂4を得た。 ・合成例5 重合体Aと重合体Bを60:40の重量比で溶液混合し
て結着樹脂5を得た。 ・合成例6 重合体B 25重量部 スチレン 59.8重量部 ブチルアクリレート 15重量部 ジビニルベンゼン 0.2重量部 ベンゾイルパーオキサイド 0.5重量部 上記化合物より、懸濁重合法により結着樹脂6を得た。
【0097】実施例1 結着樹脂1 100重量部 磁性酸化鉄 80重量部 (平均粒径0.25μm;10Kエルステッド下で 飽和磁化80emu/g残留磁化10emu/g, 抗磁力120エルステッド) ニグロシン 2重量部 ワックスA 4重量部 上記材料を予備混合した後、130℃に設定した、2軸
混練押し出し機によって溶融混練を行った。混練物を冷
却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた粉砕機によって
微粉砕し、更に風力分級機を用いて分級し、重量平均粒
径8μmのトナー1を得た。このトナー100重量部に
対し正帯電疎水性コロイダルシリカ0.6重量部を外添
して現像剤とした。このトナーのGPC測定結果及びD
SC測定結果を、それぞれ表4及び表5に記す。
【0098】実施例2〜5 表6に示す結着樹脂、ワックスを使用する他は、実施例
1と同様にしてトナー2〜5を調製した。各トナーのG
PC測定結果及びDSC測定結果をそれぞれ表4及び表
5に記す。
【0099】比較例1〜6 表6に示す結着樹脂、ワックスを使用する他は、実施例
1と同様にして比較トナー1〜6を調製した。各トナー
のGPC測定結果及びDSC測定結果をそれぞれ表4及
び表5に記す。
【0100】比較例7 ワックスを使用しないことを除いて、実施例1と同様に
して比較トナー7を調製した。トナーのGPC測定結果
及びDSC測定結果をそれぞれ表4及び表5に記す。こ
の場合の吸熱ピークは、結着樹脂に由来するものであ
り、他のトナーにもみられるものである。
【0101】次に、上記各実施例及び比較例について下
記の試験を行った。
【0102】<定着及びオフセット試験>市販の電子写
真複写機NP−1215(キヤノン社製)により未定着
画像を得、上ローラーとしてテフロンコート、下ローラ
ーとしてシリコーンゴムを用いた温度可変の熱ローラー
外部定着機を用いて、未定着トナー像の定着及びオフセ
ット試験を行った。ニップ3.0mm、線圧0.5Kg
/cm、プロセススピード50mm/secとして10
0〜230℃の温度範囲で5℃おきに温調し行った。低
温オフセット及び定着性の試験には、80g/m2 紙を
用いた。高温オフセットの試験には、52g/m2 紙を
用いて評価した。定着性は、定着画像を50g/cm2
の荷重をかけ、シルボン紙[lenz cleanin
g paper“dasper(R)”(0zu Pa
per Co.Ltd)]で擦り、擦り前後の濃度低下
率が10%未満になる温度を定着開始点とした。オフセ
ットは、目視でオフセットのでなくなる温度を低温オフ
セットフリー始点とし、温度を上げ、オフセットのでな
い最高温度を高温オフセットフリー終点とした。試験結
果を表6にまとめる。表6には、定着開始温度、150
℃における濃度低下率、低温オフセットフリー始点、高
温オフセットフリー終点、非オフセット領域を記載す
る。
【0103】<ブロッキング試験>約20gの現像剤を
100ccポリコップに入れ、50℃で3日間放置した
後、目視で評価した。この結果を表6に記す。 優 :凝集物は見られない 良 :凝集物が見られるが容易に崩れる 可 :凝集物が見られるが振れば崩れる 不可:凝集物をつかむ事ができ容易に崩れない <現像性試験>約100gの現像剤を500ccのポリ
コップに入れ、45℃で3日間放置した後、市販の電子
写真複写機FC−5II(キヤノン社製)により、現像
性を評価した。その試験の結果(画像濃度、カブリ)を
表6に記す。この試験により、機械昇温に対する耐久性
及び長期放置による安全性を見るシュミレーションとす
ることができる。
【0104】更に、本発明におけるトナー1〜5を市販
の電子写真複写機FC−2(キヤノン社製)により環境
温度7.5℃において、電源投入直後のファーストコピ
ーでは、低温オフセットもなく、定着性(濃度低下率5
%以下)も良好であった。
【0105】また、23.5℃ではがきを連続50枚と
った後、52g/m2 紙でコピーしても定着機の端部昇
温によるオフセットも見られなかった。32.5℃の環
境で複写試験を行ったところ、常に鮮明な画像が得ら
れ、最後までトナーを良好な状態で使い切ることができ
融着も発生せず、クリーナー部でのブロッキングもなか
った。
【0106】実施例6 結着樹脂6 100重量部 磁性酸化鉄(実施例1と同じもの) 85重量部 ニグロシン 2重量部 ワックスA 4重量部 上記材料を予備混合した後、実施例1と同様にして、重
量平均粒径8μmのトナー6を得た。このトナー100
重量部に対し疎水性コロイダルシリカ0.5重量部を外
添して現像剤とした。この現像剤のGPCによる分子量
分布でのピークP1 、P2 はそれぞれ15,200、
2,550,000であった。
【0107】この現像剤を市販の電子写真複写機NP−
3825(キヤノン社製)を用いて試験を行った。15
℃の環境で、十分に複写機が冷えた状態から電源投入
後、スタンバイ5分後よりA3転写紙(80g紙)を1
50枚連続でコピーしたところ、オフセットを発生する
こともなく、150枚目の定着性(濃度低下率12%)
も良好であった。また、連続2万枚の複写試験を行った
ところ画像濃度1.32〜1.36のカブリのない画像
が得られ融着等も発生することがなかった。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
【0113】
【表6】
【0114】
【発明の効果】本発明は、特定の結着樹脂および炭化水
素系ワックスをトナー中に含有させることによって、ト
ナーに好ましい熱特性を与える事ができるので、次の様
な優れた効果を発揮するものである。
【0115】本発明は、低温時の定着性、耐オフセット
性に優れた静電荷像現像用トナーを提供し得る。
【0116】本発明は、高温時の耐オフセット性に優れ
た静電荷像現像用トナーを提供し得る。
【0117】本発明は、耐ブロッキング性に優れ、長期
間放置しても現像性が劣化しない静電荷像現像用トナー
を提供し得る。
【0118】本発明は、複写機またはプリンターのごと
き機械本体の昇温に対する耐久性に優れた静電荷像現像
用トナーを提供し得る。
【0119】本発明は、上記の効果を矛盾することなく
合い成り立たせる静電荷像現像用トナーを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー1の昇温時のDSC曲線を示す図であ
る。
【図2】トナー1の降温時のDSC曲線を示す図であ
る。
【図3】吸熱ピークパターンの一例を示す図である。
【図4】吸熱ピークパターンの一例を示す図である。
【図5】吸熱ピークパターンの一例を示す図である。
【図6】吸熱ピークパターンの一例を示す図である。
【図7】発熱ピークのピーク強度比(ΔH/ΔT)の説
明図である。
【図8】発熱ピークのピーク強度比(ΔH/ΔT)の説
明図である。
【図9】発熱ピークのピーク強度比(ΔH/ΔT)の説
明図である。
【図10】発熱ピークのピーク強度比(ΔH/ΔT)の
説明図である。
【図11】ワックスAの昇温時のDSC曲線を示す図で
ある。
【図12】ワックスAの降温時のDSC曲線を示す図で
ある。
【図13】ワックスFの昇温時のDSC曲線を示す図で
ある。
【図14】ワックスFの降温時のDSC曲線を示す図で
ある。
【図15】トナーのGPCによる分子量分布におけるH
1、H2及びH3の説明図である。
【図16】定着手段の一例を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 藤原 雅次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び炭化水素系ワッ
    クスを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該トナ
    ーのGPCによる分子量分布で、3×103〜5×104
    の領域に少なくともひとつのピーク(P1 )が存在
    し、105 以上の領域に少なくともひとつのピーク(P
    2 )が存在し、105 以下の成分が50%以上であり、
    かつ示差走査熱量計により測定されるDSC曲線におい
    て、昇温時の吸熱ピークにおけるオンセット温度が10
    5℃以下であり、吸熱ピーク温度が100〜120℃の
    範囲にあり、降温時の発熱ピーク温度が62〜75℃の
    範囲にあり、発熱ピーク強度比が5×10-3以上である
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 GPCによる分子量分布で、3×103
    〜5×104 の領域に少なくともひとつのピーク(P
    1 )が存在し、105 以上の領域に少なくともひとつの
    ピーク(P2 )が存在し、低分子量領域側の最大ピーク
    の高さ(H1)と高分子量領域側の最大ピークの高さ
    (H3)と該両ピーク間の極小値の高さ(H2)とがH
    1:H2:H3=3〜25:1:1.5〜12であり、
    かつH1>H3である関係を満たすことを特徴とする請
    求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 少なくとも結着樹脂及び炭化水素系ワッ
    クスを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該ト
    ナーのGPCによる分子量分布で、3×103 〜5×1
    4 の領域に少なくともひとつのピーク(P1 )が存在
    し、105 以上の領域に少なくともひとつのピーク(P
    2 )が存在し、105 以下の成分が50%以上であり、
    該炭化水素系ワックスの示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピークにおける
    オンセット温度が50〜90℃の範囲にあり、該ワック
    スの温度が90〜120℃の範囲に少なくともひとつの
    吸熱ピークがあり、該吸熱ピークのピーク温度の±9℃
    の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあることを特徴と
    する静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 GPCによる分子量分布で、3×103
    〜5×104 の領域に少なくともひとつのピーク(P
    1 )が存在し、105 以上の領域に少なくともひとつの
    ピーク(P2 )が存在し、低分子量領域側の最大ピーク
    の高さ(H1)と高分子量領域側の最大ピークの高さ
    (H3)と該両ピーク間の極小値の高さ(H2)とがH
    1:H2:H3=3〜25:1:1.5〜12であり、
    かつH1>H3である関係を満たすことを特徴とする請
    求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
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