JPH0810355B2 - 電子写真用トナーバインダー - Google Patents

電子写真用トナーバインダー

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JPH0810355B2
JPH0810355B2 JP2319609A JP31960990A JPH0810355B2 JP H0810355 B2 JPH0810355 B2 JP H0810355B2 JP 2319609 A JP2319609 A JP 2319609A JP 31960990 A JP31960990 A JP 31960990A JP H0810355 B2 JPH0810355 B2 JP H0810355B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真用トナーバインダーに関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 電子写真では、静電潜像をトナーにより可視化して、
紙等にトナー像を形成するが、このトナー像を定着する
ために、ヒートロールを用いる方式が広く採用されてい
る。この方式では、定着下限温度(以下、MFと略す)は
低いことが望ましく、又、ヒートロールへのオフセット
の起こる温度(以下HOと略す)は高いことが望まれる。
この二つの要望を満足させるために、トナーバインダ
ーの分子量分布を低分子量から高分子量にわたる広範囲
とすることが従来より多く提唱されている(例えば特公
昭60−20411号公報、特公昭51−23354号公報)。
上記のものでは、例えば、架橋剤を使用して、分子量
分布をより高い方に拡げるようにしたりしている。
しかしながら、上記のように、架橋剤の使用により、
分子量分布を高い方に拡げた場合には、MFが高くなる欠
点があり、又、架橋剤を使用しない場合には、分子量分
布をより高い方に拡げることが困難で、HOの点で不十分
であるという問題がある。
又、トナーバインダー中の低分子量成分を重合する場
合、滴下重合法を採用した溶液重合法を使用すれば、単
量体濃度を低下できて、原料費として比較的高価な重合
開始剤の量を減らすことができ、費用の点で有利であ
る。
ところで、上記滴下重合法を行う場合には、重合開始
剤を単量体に溶解して、同一の貯留タンクに貯留すれ
ば、貯留タンク内での暴走重合のおそれがあるので、単
量体と重合開始剤を貯留する貯留タンクを別々とし、各
貯留タンクから単量体と重合開始剤を同時に均等に滴下
することが好ましい。
しかしながら、単量体と重合開始剤を別々の貯留タン
クに貯留するには、重合開始剤を溶剤に溶解させる必要
があり、その分、溶剤の使用量が大となり、溶剤そのも
ののコストの他に、バッチ得量が小さくなる等、製造コ
ストが高くなるという問題が生じる。
そして、この問題は、例えば、アゾビスイソブチロニ
トリルやベンゾイルパーオキサイドの様な、室温で固体
状とされ且つ溶剤への溶解度の小さい重合開始剤を使用
する場合に、更に顕著となる。
ところで、上記の場合に、溶液の温度を上げて、重合
開始剤の溶解度を上げることにより、溶剤の量を減らす
ことも考えられるが、このようにすると、重合開始剤が
分解して、好ましくない。
本発明は上記問題を解決するものであって、HOとMFの
点で好ましい特性(MFが低く且つHOが高い)を有する分
子量分布の広い重合体からなる電子写真用トナーバイン
ダーを提供することを第1の目的とする。
又、本発明は、低分子量成分の重合を行う際に、室温
で固体状とされ且つ溶剤への溶解度の小さい重合開始剤
を用いた場合でも、溶剤の使用量を大幅に減少できて、
バッチ得量の増大を可能とでき、安価に製造できる電子
写真用トナーバインダーを提供することを第2の目的と
する。
(課題を解決するための手段) 本発明は、 (a)分子量分布において、分子量30万以上の部分を含
む高分子量共重合体(A)と、分子量1000〜3万の部分
を含む低分子量重合体(B)とを含有する樹脂混合体で
あって、 (b)高分子量共重合体(A)を構成する単量体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エス
テル類と の2種類以上とされ、 (c)低分子量重合体(B)を構成する単量体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.スチレン又はスチレン置換体と、アクリル酸エステ
ル類及び/又はメタクリル酸エステル類との2種類以上
の単量体とから選択され、 (d)高分子量共重合体(A)が、多官能性重合開始剤
(C)の存在下で、単量体を共重合したものとされ、 (e)上記多官能性重合開始剤(C)が、 I.1分子内に、2つ以上のパーオキシド基を有する多官
能性重合開始剤と、 II.1分子内に、1つ以上のパーオキシド基と、1つ以上
の重合性不飽和基とを有する多官能性重合開始剤と から選択され、 (f)低分子量重合体(B)が、分散体(D)存在下
で、単量体を重合したものとされ、 (g)上記分散体(D)が、 I.重量平均分子量が5000〜10万のビニル重合体(E)を
含有し、25℃での粘度が500〜5000CPSとされた溶液
(F)と、 II.上記溶液(F)に分散された重合開始剤(G)と を有する ことを特徴とする電子写真用トナーバインダーである。
尚、本発明では、150℃における溶融状態での動的粘
弾性特性において、周波数20Hzにおける複素粘性率の絶
対値|η*(20)|を1000〜15000poise、1Hzにおける
複素粘性率の絶対値|η*(1)|を5000〜6万poise
とすると共に、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η
*(1)|が0.20以下であることが好ましい。
以下、本発明を詳述する。
本発明のバインダーは、分子量分布において、分子量
30万以上の部分を含む高分子量共重合体(A)と、分子
量1000〜3万の部分を含む低分子量重合体(B)とを含
有する樹脂混合体である。
高分子量共重合体(A)を構成する単量体は、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エス
テル類と の2種類以上とされている。
又、低分子量重合体(B)を構成する単量体は、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.スチレン又はスチレン置換体と、アクリル酸エステ
ル類及び/又はメタクリル酸エステル類との2種類以上
の単量体と から選択される。
上記スチレン又はスチレン置換体としては、スチレ
ン、アルキルスチレン(例えば、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン)等が挙げられる。好ましくは、ス
チレンである。
上記アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エ
ステル類、即ち、(メタ)アクリル酸エステル類として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル
基の炭素数が1〜18のアルキルエステル類;ヒドロキシ
ルエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有
(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;アクリロ
ニトリル等のニトリル基含有(メタ)アクリル化合物及
び(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
これらの内、好ましくは、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸及びそれらの二種以上の混合物であ
る。
高分子量共重合体(A)と低分子量重合体(B)を構
成する単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル類
以外の他のビニルエステルや、脂肪族炭化水素系ビニル
単量体等を併用してもよい。
上記ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニルを、又、脂肪族炭化水素系ビニル単量体とし
てはブタジエン等を挙げることができる。
高分子量共重合体(A)は、多官能構造を持つ多官能
性重合開始剤(C)の存在下で、上記単量体を共重合し
て得ることができる。共重合の方法としては、溶液重
合、塊状重合、懸濁重合、及び乳化重合等の任意の方法
を選択できる。
上記多官能性重合開始剤(C)は、 I.1分子内に、2つ以上のパーオキシド基を有する多官
能性重合開始剤と、 II.1分子内に、1つ以上のパーオキシド基と、1つ以上
の重合性不飽和基とを有する多官能性重合開始剤と から選択する。
上記Iの多官能性重合開始剤としては、1,1−ジ−t
−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、トリス−(t−ブチル
パーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシ
ブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックア
シッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキ
シヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパー
オキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチ
ルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパー
オキシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパー
オキシオクタン及び各種ポリマーオキサイド等が挙げら
れる。
これらの内、好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチル
パーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブ
チルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t
−ブチルパーオキシアゼレート及び2,2−ビス−(4,4−
ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンで
ある。
上記IIの多官能性重合開始剤としては、ジアリルパー
オキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン
酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−
ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等が挙げられ
る。
これらの内、好ましいものは、t−ブチルパーオキシ
アリルカーボネートである。
高分子量共重合体(A)を溶液重合によって得る場合
の溶剤としては、シクロヘキサン等のシクロアルカン系
溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、クメン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル系溶剤;メチルセルソルブ、エチルセルソ
ルブ、ブチルセルソルブ等のエーテル系溶剤等が用いら
れる。
特に高分子量共重合体(A)の分子量を高くするため
には、上記溶剤の内、シクロアルカン系溶剤、芳香族系
溶剤が好ましい。
又、高分子量共重合体(A)を懸濁重合によって得る
場合には、炭酸カルシュウム、リン酸カルシウム等の無
機酸系分散剤、ポリビニールアルコール、メチル化セル
ロース等の有機系分散剤を用いて、単量体を水中で重合
することができる。
高分子量共重合体(A)の共重合温度は通常50〜150
℃、好ましくは60〜120℃であり、又、共重合は、窒素
のような不活性ガスの雰囲気で行うことが好ましい。
高分子量共重合体(A)の共重合時に、高分子量共重
合体(A)の分子量をより高くするために、2個以上の
重合性二重結合を有する多官能性単量体をゲル化を発生
させない程度の量(0.1モル%以下)加えてもよい。
多官能性単量体としては、例えば、ジ又はポリビニル
化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、エチレ
ングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート等)等が挙げられる。
これらの内、好ましくは、ジビニルベンゼン及び1,6
−ヘキサンジオールジアクリレートである。
低分子量重合体(B)は、スラリー状の分散体(D)
存在下で、単量体を重合して得ることができる。
上記分散体(D)は、 I.重合平均分子量が5000〜10万のビニル重合体(E)を
含有し、25℃での粘度が500〜5000CPSとされた溶液
(F)と、 II.上記溶液(F)に分散された重合開始剤(G)と を有する。
ビニル重合体(E)を構成する単量体は、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.スチレン又はスチレン置換体と、アクリル酸エステ
ル類及び/又はメタクリル酸エステル類との2種類以上
の単量体と から選択される。上記単量体の例は、高分子量共重合体
(A)や低分子量重合体(B)を構成する単量体の例と
同一である。
ビニル重合体(E)は、上記単量体と、重合開始剤と
溶剤から成る溶液を滴下して、溶液重合法により、重合
される。
尚、上記重合時に、重合開始剤と溶剤の代わりに、分
散体(D)の分散媒、即ち、ビニル重合体(E)を含有
する溶液(F)に重合開始剤を分散させて、これを滴下
するようにして、バッチ得量を上げるようにしてもよ
い。
ビニル重合体(E)の重合時の上記重合開始剤として
は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニト
リル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系重合開始剤;ジ
ベンゾイックパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸
化物系重合開始剤;等が用いられる。
好ましくは、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ートである。
ビニル重合体(E)の重合時の上記溶剤としては、シ
クロヘキサン等のシクロアルカン系溶剤;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族
系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のエーテル系溶
剤等が用いられる。
好ましくは、トルエン、キシレン、エチルベンゼンで
ある。
重合温度は、通常、80〜160℃、好ましくは、100〜15
0℃であり、又、重合は、窒素のような不活性ガスの雰
囲気で行うことが好ましい。
尚、ビニル重合体(E)の重量平均分子量の測定時に
は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(以
下、GPCと略す)により、溶剤としてテトラハイドロフ
ラン(以下、THFと略す)を使用し、温度40℃で測定す
る。尚、重量平均分子量の測定は、標準ポリスチレンを
基準として行う。
ビニル重合体(E)の溶液(F)の溶剤としては、シ
クロヘキサン等のシクロアルカン系溶剤;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族
系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のエーテル系溶
剤等が用いられる。
好ましくは、トルエン、キシレン、エチルベンゼンで
ある。
溶液(F)の25℃での粘度を500〜5000CPSとした理由
は下記の通りである。
イ.室温で固体の重合開始剤(G)を溶液(F)に完全
に溶解させようとすると、溶液(F)の溶剤量が増大し
て、溶剤そのもののコストの他に、バッチ得量を増大で
きず、生産コストを減少できない。
ロ.そこで、溶液(F)中のビニル重合体(E)によ
り、溶液(F)の粘度を大として、これにより、室温で
固体の重合開始剤(G)を溶液(F)中で均一に分散さ
せた状態として、溶液(F)の溶剤量を減少させること
が好ましい。
ハ.しかしながら、溶液(F)中のビニル重合体(E)
の量が多くなって、溶液(F)の25℃での粘度が5000CP
S以上になると、低分子量重合体(B)の生成量が減少
し、生産性が悪くなると共に、溶液(F)が高粘度すぎ
て、ハンドリングが困難となり、設備(攪拌装置、送り
ポンプ等)が高価となる。
ニ.又、逆に、上記粘度が500CPS以下では、重合開始剤
(G)が溶液(F)中で沈降して、重合開始剤(G)を
溶液(F)中で均一に分散させることができず、低分子
量重合体(B)を構成する単量体に対する、重合開始剤
(G)濃度の時間的変化が大となり、時間の経過と共
に、低分子量重合体(B)の生成量が減少して、生産性
が悪い。
又、ビニル重合体(E)の重量平均分子量を5000〜10
万とした理由は下記の通りである。
即ち、重量平均分子量が5000以下では、上記粘度範囲
の溶液(F)を得ようとした場合に、ビニル重合体
(E)の含有量が多くなり、溶液(F)の溶剤にビニル
重合体(E)を溶解するのが困難である。
又、重量平均分子量が10万以上では、ビニル重合体
(E)を重合するのに、比較的長時間が必要であると共
に、ビニル重合体(E)を溶液(F)の溶剤に溶解する
際に、いわゆる「ままこ」になり易く、溶解に時間がか
かる。
重合開始剤(G)としては、アゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスバレロニトリル、アゾビスシアノ吉草
酸、ベンゾイルパーオキサイド等の室温で固体であり、
且つ、ビニル重合体(E)の溶液(F)に使用する溶剤
に対する溶解度の低い重合開始剤が好ましい。
特に、アゾビスイソブチロニトリルが、最も好まし
い。
低分子量重合体(B)の製造時には、ビニル重合体
(E)の溶液(F)中に、室温で固体状の重合開始剤
(G)を分散させて、分散体(D)とし、この分散体
(D)と I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.スチレン又はスチレン置換体と、アクリル酸エステ
ル類及び/又はメタクリル酸エステル類との2種類以上
の単量体と から選択される単量体とを、溶剤の入った重合槽中に
(G)滴下して、溶液重合する。
本発明のバインダーの製造に際しては、通常、上記の
ように、高分子量共重合体(A)と低分子量重合体
(B)とを別個に重合して、溶液状態あるいは溶融状態
で混合して製造する。
尚、高分子量共重合体(A)と低分子量重合体(B)
を上記のように混合後、スチレン又はスチレン置換体
や、(メタ)アクリル酸エステル類等の単量体を追加
し、塊状重合を行って、本発明のバインダーを製造して
もよい。
尚、高分子量共重合体(A)を重合した後、溶液状態
または溶融状態の高分子量共重合体(A)の存在下、分
散体(D)及び、低分子量重合体(B)用単量体を連続
又は断続的に供給して、低分子量重合体(B)を重合す
ることで、バインダーを製造することもできる。
又、低分子量重合体(B)を重合した後、低分子量重
合体(B)の存在下で、高分子量共重合体(A)を重合
することで、バインダーを製造してもよい。
尚、高分子量共重合体(A)を構成する各単量体の割
合は、スチレン又はスチレン置換体が、通常、98〜50重
量%、好ましくは、95〜60重量%、(メタ)アクリル酸
エステルが、通常、2〜50重量%、好ましくは、5〜40
重量%、他の単量体が0〜10重量%、好ましくは、0〜
5重量%である。
又、低分子量重合体(B)を重合させる際の各単量体
の割合は、スチレン又はスチレン置換体が、通常、70〜
100重量%、好ましくは、80〜100重量%、(メタ)アク
リル酸エステルが、通常、0〜30重量%、好ましくは、
0〜20重量%、他の単量体が、通常、0〜10重量%、好
ましくは、0〜5重量%である。
バインダー中において、高分子量共重合体(A)に由
来する分子量30万以上の部分の割合は、通常、10〜50面
積%、好ましくは、15〜45面積%である。高分子量共重
合体(A)が10面積%未満では、十分なHOが得難く、
又、50面積%を越えると、MFが高くなりすぎて、好まし
くない。
バインダー中において、低分子量重合体(B)に由来
する分子量1000〜3万の部分の割合は、通常、35〜90面
積%、好ましくは、40〜85面積%である。低分子量重合
体(B)が50面積%未満では、MFが高くなりすぎ、又、
90面積%を越えると、十分なHOが得難くなって、好まし
くない。
尚、面積%は、バインダーのGPCチャート上の分子量3
0万以上の部分の面積、又は、1000〜3万の部分の面積
が全体の面積に占める割合の百分率である。
又、本発明のバインダー全体のガラス転移点(Tg)
は、通常、40〜80℃、好ましくは、45〜70℃である。
尚、ガラス転移点(Tg)が40℃未満では、トナーの保存
性が不良となり、又、80℃を越えると、MFが高くなり、
トナーとしての実用に耐えなくなって、好ましくない。
本発明のバインダーの重量平均分子量(w)は、通
常、10万〜200万、好ましくは、15万〜150万である。
尚、重量平均分子量が10万未満では、十分なHOが得難
く、又、200万を越えると、MFが高くなりすぎて、好ま
しくない。
尚、重量平均分子量の測定は、GPCにより、溶剤とし
てTHFを用いて行う。
本発明のバインダーの分子量分布[重量平均分子量
(w)と数平均分子量(n)の比の値(w/n)
で表示される]は、通常、20以上、好ましくは、30以上
である。尚、分子量分布が20未満では、HOとMFのバラン
スが悪くなり、好ましくない。
更に、本発明のバインダーでは、150℃における溶融
状態での動的粘弾性特性において、周波数20Hzにおける
複素粘性率の絶対値|η*(20)|を1000〜15000pois
e、1Hzにおける複素粘性率の絶対値|η*(1)|を50
00〜6万poiseとすると共に、上記絶対値の比の値|η
*(20)|/|η*(1)|が0.20以下であることが好ま
しい。
動的粘弾性特性を上記のようにした理由は下記の通り
である。
即ち、複写機には、低速機(約10枚/分)から高速機
(70枚/分)まであり、高速機になる程、トナーの加熱
時間は短く、トナーに与えられる熱量は小さくなる。
この場合、トナーに与えられる熱量が小さくても、こ
の熱量により、トナーの粘性率が低くならないと、トナ
ーが紙等に良好に定着されず、高速機に対応できないこ
ととなる。
ところで、複写機では、ヒートロールにより、トナー
が紙等に定着される際には、トナーはヒートロールとプ
レスロールにより剪断力を受ける。この場合、コピー速
度によって、トナーの受ける剪断速度が異なる。
従って、低速機から高速機まで対応するには、150℃
での溶融状態で、トナーが受ける剪断速度が大となる
程、粘性率が低下することが必要である。
即ち、本発明のバインダーでは、トナーが受ける剪断
速度が大となる程、所望の粘性率になるようにして、低
速機から高速機まで、即ち、幅広いコピー速度に対応で
きるようにしている。
本発明のバインダーの用途となる電子写真用トナーの
構成成分の割合は、バインダーが、通常、50〜95重量
%、公知の着色材料(カーボンブラック、鉄黒、ベンジ
ジンイエロー、キナクリドン、ローダミンB、フタロシ
アニン等)が、通常、5〜10重量%、及び磁性粉(鉄、
コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末、又は、マグ
ネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)が、通
常、0〜50重量%である。
更に、トナーには種々の添加物[荷電調整剤(金属錯
体、ニグロシン等)、滑剤(ポリテトラフルオロエチレ
ン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸、又はその金属塩
もしくはアミド等)等]を添加してもよい。これら添加
物のトナー中の割合は、通常、0〜5重量%である。
電子写真用トナーは、上記構成成分を乾式ブレンドし
た後、溶融混練され、その後、粗粉砕されて、最終的に
ジェット粉砕機等を用いて微粒化され、更に分級され
て、粒径5〜20μの微粒子として得られる。
上記電子写真用トナーは、必要に応じて、鉄粉、ガラ
スビーズ、ニッケル粉、フェライト等のキャリア粒子と
混合されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。
又、粉体の流動性の改良のために、電子写真用トナーに
疎水性コロイダルシリカ微粉末が添加されることもあ
る。
電子写真用トナーは支持体(紙、ポリエステルフィル
ム等)に定着されて使用されるが、定着する方法として
は、公知のヒートロール定着方法を適用できる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明
は実施例により限定されるものではない。実施例中、部
はいずれも重量部を表す。
又、GPCによる分子量測定の条件は以下の通りであ
る。
装置 :東ソー(株)製HLC−802A カラム :東ソー(株)製TSKgelGMH6が2本 測定温度 :40℃ 試料溶液 :0.5重量%のTHF溶液 溶液注入量:200μl 検出装置 :屈折率検出器 尚、分子量較正曲線は標準ポリスチレンを用いて作
成。
又、動的粘弾性の測定条件は以下の通りである。
装置 :レオメトリックス社(Rheometrics Inc.U.
S.A.)製RDS−7700IIダイナミックスペクトロメータ テストフィクスチエアー:25mmΦコーンプレート使用 測定温度 :150℃ 測定周波数:20Hz(125.6rad/sec)及び1Hz(6.28rad/se
c) 歪率 :5%固定 (実施例1) 1.高分子量共重合体(A)の製造 1の4つ口フラスコ内に、水450部、ポリビニール
アルコール((株)クラレ製PVA235)の2重量%水溶液
50部を加え、これにスチレン260部、アクリル酸n−ブ
チル73部及び、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン1.3部から成る混合液を加
えて攪拌し、懸濁液とした。
フラスコ内を十分に窒素で置換した後、80℃まで昇温
して、重合を開始した。同温度に保持して、重合を継続
させ、20時間後に転化率が95%に達したことを確認し、
95℃に昇温して、5時間後に懸濁重合を完結させた。
得られた高分子量共重合体(TA−1)を濾別、水洗、
乾燥して、分析したところ、重量平均分子量(w)が
85万、分子量30万以上の部分が79面積%であった。
2.ビニル重合体(E)及び溶液(F)の製造 3lの4つ口フラスコ内にトルエン300部を投入して、
攪拌しながら、フラスコ内を十分に窒素で置換した後、
トルエンを沸点(約110℃)まで昇温して、還流させ
る。
この還流下で、スチレン700部とメタクリル酸n−ブ
チル300部の混合液と、アゾビスイソブチロニトリル40
部をトルエン1200部に完全に溶解した溶液とを、同時に
フラスコ内に4時間かけて均等に滴下した。
更に、トルエンの還流下で、トルエン300部とアゾビ
スイソブチロニトリル10部の溶液をフラスコ内に1時間
かけて滴下して、重合を完結し、重合体を含む溶液を得
た。この溶液を減圧下で乾燥し、ビニル重合体(TA−
2)を得た。
得られたビニル重合体(TA−2)を分析したところ、
重量平均分子量(w)が1.3万、ガラス転移点(Tg)
が55℃であった。
更に、ビニル重合体(TA−2)600部とトルエン400部
を混合して、溶液(TA−3)を得た。溶液(TA−3)の
25℃での粘度をBL型粘度計で測定したところ、1500CPS
であった。
3.低分子量重合体(B)の製造1 2lの4つ口フラスコ内にトルエン300部を投入して、
攪拌しながら、フラスコ内を十分に窒素で置換した後、
トルエンを沸点(約110℃)まで昇温して、還流させ
る。
この還流下で、スチレン700部とメタクリル酸n−ブ
チル300部の混合液と、アゾビスイソブチロニトリル40
部を溶液(TA−3)160部に分散させた分散体(TA−
4)とを、同時にフラスコ内に4時間かけて均等に滴下
した。
更に、トルエンの還流下で、アゾビスイソブチロニト
リル10部を溶液(TA−3)40部に分散させた分散体(TA
−4)をフラスコ内に1時間かけて滴下して、重合を完
結し、低分子量重合体を含む溶液(TA−5)を得た。こ
の溶液(TA−5)を減圧下で乾燥し、低分子量重合体
(TA−6)を得た。
得られた低分子量重合体(TA−6)を分析したとこ
ろ、重量平均分子量(w)が1.3万、分子量1000〜3
万の部分が86面積%であった。
4.低分子量重合体(B)の製造2 低分子量重合体(TA−6)600部とトルエン400部を混
合して、溶液(TA−3α)を作り、25℃での粘度をBL型
粘度計で測定したところ、1500CPSであり、上記溶液(T
A−3)と略同一物性であった。
溶液(TA−3α)と溶液(TA−3)の製造を比較する
と、前者の方が後者よりも溶剤の使用量を大幅に少なく
できて、重合濃度を上げることができ、これにより、バ
ッチ得量を上げることができて、製造コストを削減でき
る。
又、溶液(TA−3)の代わりに、溶液(TA−3α)を
使用して、同様な操作を行ったところ、低分子量重合体
(TA−6α)を得た。
この低分子量重合体(TA−6α)を分析したところ、
重量平均分子量(w)が1.3万、分子量1000〜3万の
部分が86面積%であった。
5.バインダーの製造 溶液(TA−5)1034部に高分子量共重合体(TA−1)
333部を投入し、トルエン還流下で、高分子量共重合体
(TA−1)を溶解した後、減圧下で乾燥し、本発明のバ
インダー(TA−7)を得た。
得られたバインダー(TA−7)について、GPCによる
測定及び、ガラス転移点(Tg)の測定を行ったところ、
高分子量共重合体に由来する分子量30万以上の部分の含
有量が26面積%、低分子量重合体に由来する分子量1000
〜3万の部分の含有量が57面積%、wが26万、Tgが61
℃であった。
又、得られたバインダー(TA−7)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が4600poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が28000poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.16であった。
(実施例2) 実施例1における低分子量重合体(TA−6)500部に
対して、スチレン365部、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル135部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテ
レフタレート1.4部を加えて、均一な溶液を得た。
この溶液を実施例1中の高分子量共重合体(TA−1)
を得たのと同様の方法により、ガラス製オートクレープ
中で80℃の温度で15時間、更に、90℃まで昇温して、4
時間懸濁重合させた。その後、120℃まで昇温して、1
時間その温度で保持し、重合を完結した。
上記のようにして得られた重合体を実施例1と同様の
方法により、濾別、水洗、乾燥して、本発明のバインダ
ー(TB−7)を得た。
得られたバインダー(TB−7)について、GPCによる
測定、ガラス転移点(Tg)の測定を行ったところ、分子
量30万以上の含有量が26面積%、分子量1000〜3万の含
有量が43面積%、wが29万、Tgが60℃であった。
又、得られたバインダー(TB−7)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が4000poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が3万poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.13であった。
(実施例3) 1.低分子量重合体(B)の製造 実施例1における低分子量重合体(TA−6)を得たの
と同様の方法により、スチレン単量体を重合して、低分
子量重合体(TC−6)を得た。
この低分子量重合体(TC−6)を分析したところ、重
量平均分子量(w)が1.5万、分子量1000〜3万の部
分が90面積%であった。
2.高分子量共重合体(A)及びバインダーの製造 この低分子量重合体(TC−6)500部に対して、スチ
レン320部、メタクリル酸n−ブチル180部、ジビニルベ
ンゼン0.02部、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパー
オキシシクロヘキシル)プロパン0.06部を加えて、均一
に溶解した。
これを2lのステンレス製オートクレーブ内に投入し
て、オートクレーブ内を十分に窒素で置換した後、攪拌
しながら、110℃まで昇温し、同温度で2時間重合し
た。その後、1時間かけて120℃まで昇温し、同温度で
3時間重合した。更に、3時間かけて180℃まで昇温
し、同温度で1時間保持して、未反応の単量体を減少さ
せた。その後、未反応の単量体を留去し、本発明のバイ
ンダー(TC−7)を得た。
得られたバインダー(TC−7)について、GPCによる
測定、ガラス転移点Tgの測定を行ったところ、分子量30
万以上の含有量が21面積%、分子量1000〜3万の部分の
含有量が45面積%、wが27万、Tgが69℃であった。
又、得られたバインダー(TC−7)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が1100poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が5600poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.20であった。
(実施例4) 1.高分子量共重合体(A)の製造 2lのステンレス製加圧反応容器内にスチレン360部、
アクリル酸n−ブチル140部、2,2−ビス−(4,4−ジ−
t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.25部
を加え、反応容器内を十分に窒素で置換した後、110℃
まで昇温して、重合を開始した。
同温に保持して、重合を継続させ、4.5時間後、重合
転化率が65%に達したところで、キシレン100部を加
え、2時間かけて190℃まで密閉下で昇温させ、同温に
保持して、重合を完結した。
2.バインダーの製造 この後、140℃まで冷却し、実施例1で得られた溶液
(TA−5)775部を加えて、還流温度で混合して、均一
にした後、減圧下で、乾燥して、本発明のバインダー
(TD−7)を得た。
得られたバインダー(TD−7)について、GPCによる
測定、ガラス転移点Tgの測定を行ったところ、分子量30
万以上の部分の含有量が26面積%、分子量1000〜3万の
部分の含有量が43面積%、wが25万、Tgが55℃であっ
た。
又、得られたバインダー(TD−7)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が1400poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が7300poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.19であった。
(比較例1) 実施例1と略同様の方法により、バインダー(TE−
7)を得た。実施例1との相違点は、2官能構造を持つ
重合開始剤1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンの代わりに、単官能構造を持つ
重合開始剤ラウロイルパーオキサイドを用いた点であ
る。
得られたバインダー(TE−7)について、GPCによる
測定、ガラス転移点(Tg)の測定を行ったところ、分子
量30万以上の部分の含有量が9面積%、分子量1000〜3
万の部分の含有量が59面積%、wが13万、Tgが57℃で
あった。
又、得られたバインダー(TE−7)について、150℃
における動的粘弾性を測定したところ、周波数20Hzでの
複素粘性率の絶対値|η*(20)|が900poise、1Hzで
の複素粘性率の絶対値|η*(1)|が3500poiseであ
り、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*(1)|
が0.26であった。
(使用例I〜IVおよび比較使用例V) 実施例1〜4の本発明のバインダー及び、比較例1の
バインダーの各々88部に、カーボンブラック(三菱化成
(株)製MA100)を7部、低分子量ポリプロピレン(三
洋化成工業(株)製ビスコール550P)を3部及び荷電調
整剤(保土谷化学(株)製スピロンブラックTRH)2部
を均一に混合した後、これを内部温度150℃の二軸押出
機で混練した。この混練物を冷却後、ジェット粉砕機で
微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級して、平
均粒径12μのトナー(I〜V)を得た。
(試験例1) トナー(I〜V)の各々3部にフェライトキャリア
(日本製粉(株)製EFV200/300)97部を均一に混合した
ものを試験材料とした。
又、市販の複写機((株)東芝製BD−7720)を改造し
て、定着速度を可変とした定着器とし、この定着器によ
り、上記試験材料の定着テストを行った。
テスト結果は表1に示した通りである。
表1に示した通り、本発明の実施例1〜4のバインダ
ー(TA−7)〜(TD−7)を用いたトナー(I〜IV)
は、比較例1のバインダー(TE−7)を用いたトナー
(V)に比較して、MFとHOの間の温度幅が広いと共に、
コピー速度に対する依存性が小さく、トナーとして好ま
しい熱特性を有している。
(発明の効果) 本発明のバインダーは、HOとMFの点で好ましい特性
(MFが低く且つHOが高い)を有する分子量分布の広い重
合体からなるバインダーであると共に、コピー速度に対
するHOとMFの依存性が小さく、幅広いコピー速度に対応
できる電子写真トナーのバインダーとして有効である。
又、本発明は、低分子量成分の重合を行う際におい
て、室温で固体状とされ且つ溶剤への溶解度の小さい重
合開始剤を用いた場合に、 溶剤の使用量を大幅に減少できて、バッチ得量を増
大できるため、バインダーを安価に製造できる。
分散体における、溶液中のビニル重合体の量が少な
いので、低分子量重合体の生成量が減少せず、生産性が
良いと共に、上記溶液が高粘度すぎないので、ハンドリ
ングが容易となり、設備(攪拌装置、送りポンプ等)を
安価とできる。
重合開始剤が溶液中で沈降しないため、低分子量重
合体を構成する単量体に対する、重合開始剤濃度の時間
的変化が小となる。従って、時間の経過と共に、低分子
量重合体の生成量が減少せず、この点からも、生産性が
良い。との効果を同時に奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)分子量分布において、分子量30万以
    上の部分を含む高分子量共重合体(A)と、分子量1000
    〜3万の部分を含む低分子量重合体(B)とを含有する
    樹脂混合体であって、 (b)高分子量共重合体(A)を構成する単量体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.アクリル酸エステル類及び/又はメタクリル酸エス
    テル類と の2種類以上とされ、 (c)低分子量重合体(B)を構成する単量体が、 I.スチレン又はスチレン置換体と、 II.スチレン又はスチレン置換体と、アクリル酸エステ
    ル類及び/又はメタクリル酸エステル類との2種類以上
    の単量体とから選択され、 (d)高分子量共重合体(A)が、多官能性重合開始剤
    (C)の存在下で、単量体を共重合したものとされ、 (e)上記多官能性重合開始剤(C)が、 I.1分子内に、2つ以上のパーオキシド基を有する多官
    能性重合開始剤と、 II.1分子内に、1つ以上のパーオキシド基と、1つ以上
    の重合性不飽和基とを有する多官能性重合開始剤と から選択され、 (f)低分子量重合体(B)が、分散体(D)存在下
    で、単量体を重合したものとされ、 (g)上記分散体(D)が、 I.重量平均分子量が5000〜10万のビニル重合体(E)を
    含有し、25℃での粘度が500〜5000CPSとされた溶液
    (F)と、 II.上記溶液(F)に分散された重合開始剤(G)と を有する ことを特徴とする電子写真用トナーバインダー。
  2. 【請求項2】150℃における溶融状態での動的粘弾性特
    性において、周波数20Hzにおける複素粘性率の絶対値|
    η*(20)|を1000〜15000poise、1Hzにおける複素粘
    性率の絶対値|η*(1)|を5000〜6万poiseとする
    と共に、上記絶対値の比の値|η*(20)|/|η*
    (1)|が0.20以下であることを特徴とする請求項1記
    載の電子写真用トナーバインダー。
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